(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
オーダされたメニューと当該メニューごとのオーダ数量と当該オーダを行った客の座席するテーブルと当該オーダが行われたオーダ時刻とを含む1つ又は複数のオーダ情報を取得する通信部と、
前記テーブルそれぞれからオーダされた前記メニューに対して所定の方法で優先度を付して、あるメニューについて当該メニューに最も上位の優先度を付した各テーブルの当該メニューのオーダ数量を合計した合計数量と、前記テーブルそれぞれの前記メニューごとのオーダ数量を示すテーブル別数量と、をオーダされた全てのメニューごとに出力する表示制御部と、
を備え、
前記優先度を付す所定の方法は、1つのテーブルに一度に提供するメニュー数を示すメニュー数量を定め、全ての前記オーダ情報に含まれる前記メニューを、そのメニューについての最も古い前記オーダ時刻の古い順に並べたときの並び順に従って前記テーブルごとの前記メニューを並べ、その並びの先頭から順に、前記メニュー数量が示す数ごとにメニューを区切り、当該区切りごとに、前記並びの順に高い優先度から低い優先度へと、前記メニューに優先度を付す方法である
ことを特徴とするオーダデータ制御装置。
前記表示制御部は、前記オーダ情報に含まれる前記メニューを、そのメニューについての最も古い前記オーダ時刻の古い順に並べて出力すると共に、前記テーブル別数量と前記合計数量とを前記メニューと対応付けて前記メニューを挟んで出力し、前記テーブル別数量を前記オーダ時刻の古い順に並べて出力する
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載のオーダデータ制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるオーダデータ制御システムの構成の一例を示す図である。オーダデータ制御システムは、串揚げ専門店などの飲食店舗に設置され、客のオーダを管理するシステムである。同図に示すように、オーダデータ制御システムは、ハンディターミナル10と、コントローラ20と、キッチンディスプレイ(調理用)30aと、キッチンディスプレイ(配膳用)30bと、配膳プリンタ40とを備えて構成される。ハンディターミナル10、コントローラ20、キッチンディスプレイ(調理用)30a、キッチンディスプレイ(配膳用)30b、配膳プリンタ40は同図においては、それぞれ1台のみ示されているが、それぞれ複数台が備えられていてもよい。また、キッチンディスプレイ(調理用)30a、キッチンディスプレイ(配膳用)30bを総称して、キッチンディスプレイ30と称し、1台のキッチンディスプレイ30で、キッチンディスプレイ(調理用)30a、キッチンディスプレイ(配膳用)30bを兼用することが可能である。
【0021】
ハンディターミナル10は、オーダを入力する装置であり、店舗におけるフロアスタッフに携帯され、入力されるオーダに基づくオーダ情報をコントローラ20に送信する。オーダ情報には、オーダされたメニューとその数量とオーダされた日時(以下、オーダ時刻とする)とオーダを行った客の座席するテーブルの識別子と客の人数が含まれる。また同図には含まれないが、ハンディターミナル10の代わりに据え置き型の入力端末でもよい。
【0022】
コントローラ20は、キッチンディスプレイ30と、配膳プリンタ40と、ハンディターミナル10と通信可能に接続され、無線LAN(Local Area Network)により無線通信する。なお、同図において、コントローラ20とキッチンディスプレイ30及び配膳プリンタ40との通信には無線を使用しているが、有線による通信であってもよい。コントローラ20は、各ハンディターミナル10からオーダ情報を受信し、伝票番号を付与し、伝票番号を含めたオーダ情報を記憶する。また、コントローラ20は、オーダ情報をキッチンディスプレイ30に送信する。また、コントローラ20は、キッチンディスプレイ30からメニューの配膳を行うための配膳伝票の出力指示通知を受信すると、配膳伝票を配膳プリンタ40に出力させる。
【0023】
キッチンディスプレイ30は、厨房に設置され、コントローラ20から受信したオーダ情報を表示する。キッチンディスプレイ30は、その表示部にタッチパネルを備え、オーダを受け付けたメニューを表示し、調理や配膳が完了したことを入力する装置である。調理人は、調理が完了すると、キッチンディスプレイ30にメニューの調理が完了したことを入力する。キッチンディスプレイ30は、入力されたメニューの調理完了通知をコントローラ20に送信する。
【0024】
配膳プリンタ40は、店舗のフロアに設置され、コントローラ20から受信した指示に応じて、配膳指示伝票を出力する。配膳担当者が、配膳伝票に従って、メニューを客に届けると、配膳担当者は、配膳を行ったキッチンディスプレイ30に配膳を完了したことを入力する。キッチンディスプレイ30は、入力されたメニューの配膳完了通知をコントローラ20へ送信する。
【0025】
なお、キッチンディスプレイ30は、オーダデータ制御装置を備えている。キッチンディスプレイ30は、オーダデータ制御装置の指示に基づいて、調理すべきメニューを表示する。また、コントローラ20や配膳プリンタ40との通信はオーダデータ制御装置を介して行う。また、キッチンディスプレイ30は、オーダデータ制御装置と接続された別々の装置であってもよい。オーダデータ制御装置については
図2を用いて説明する。また、キッチンディスプレイ30が、配膳プリンタ40と通信可能であって、キッチンディスプレイ30が、直接配膳プリンタ40に配膳指示伝票の出力指示を行ってもよい。
【0026】
図2は、本実施形態におけるオーダデータ制御装置の機能ブロック図の一例である。
この図において、符号50は、オーダデータ制御装置を示している。
図1に示す通り、オーダデータ制御装置50は、表示制御部51、入力受付部52、印刷指示部53、通信部54、記憶部55を備えている。オーダデータ制御装置50は、キッチンディスプレイ30に備えられており、キッチンディスプレイ30の表示部(タッチパネルを備えたディスプレイ装置など)にオーダされたメニューを表示したり、表示部へ入力された情報に基づいて、その表示を更新する制御を行う。
【0027】
表示制御部51は、コントローラ20から取得したオーダ情報に基づいて、キッチンディスプレイ30の表示部に出力するオーダ一覧画面の画面イメージを作成する。例えば、表示制御部51は、オーダを受け付けた順にメニューを上から縦に並べて表示し、その左側にそのメニューに対応させて優先して調理すべきオーダ数量の合計(都合数量)を、また、メニューの右側には、テーブル単位のオーダ数量(テーブル別数量)をオーダが行われた時刻が古いテーブル順に左から右に並べて表示する画面イメージを作成する。また、表示制御部51は、各テーブルにメニューを均等に提供することができるように、各メニューの調理及び配膳の優先度を決定し、各メニューの都合数量やテーブル別数量をその優先度に応じた態様で表示する。表示制御部51の作成する画面イメージについては、後に
図3〜11を用いて詳しく説明する。
【0028】
入力受付部52は、キッチンディスプレイ30に表示されたメニューごとの都合数量やテーブル別数量に対する調理人や配膳担当者などのユーザによる指定操作を検出する。指定操作とは、例えばユーザによるキッチンディスプレイ30の表示部の都合数量やテーブル別数量が表示された領域へのタッチ操作である。入力受付部52は、操作情報を検出すると表示制御部51へ検出した情報を出力する。例えば、あるメニューの都合数量を表示した個所がタッチされると、入力受付部52は、タッチされた箇所の座標等の位置情報から、どのメニューの都合数量がタッチされたかを検出し、その情報を表示制御部51に出力する。また、入力受付部52は、後述する動作モード切り替えキーに対するユーザによる動作モードの指定操作を検出する。動作モードの指定操作とは、客が座席する各テーブルに所定の数のメニューずつ提供する「メニュー数量優先モード」、各テーブルにそのテーブルに座席する客の人数に応じた数のメニューを提供する「人数優先モード」、各テーブルに所定の数のメニューを1個ずつ提供する「メニュー種別優先モード」の何れかを指定する操作である。
【0029】
印刷指示部53は、配膳プリンタ40に対する配膳伝票の出力指示を通信部54を介してコントローラ20へ送信する。例えば、配膳担当者が、あるテーブル別数量が表示された部分にタッチすると、印刷指示部53は、タッチされた部分に対応するメニューについて、タッチされた部分に対応する客が座席するテーブルからオーダされた数量分の配膳伝票を出力するようコントローラ20に指示信号を送信する。配膳プリンタ40は、その指示をコントローラ20を介して受信し、指定された内容の配膳伝票を指定された枚数分印刷する。
通信部54は、コントローラ20とオーダ情報や制御情報の送受信を行う。
記憶部55は、コントローラ20から取得したオーダ情報や、CPU(Central Processing Unit)によって実行される情報を表示するアプリケーションなどの各種プログラムを記憶している。
【0030】
次に、キッチンディスプレイ30が表示する画面イメージについて
図3〜11を用いて説明する。この画面イメージは、表示制御部51が作成する。
図3〜5がメニュー数量優先モードにおける画面イメージである。また、
図6〜8が人数優先モードにおける画面イメージである。また、
図9〜11がメニュー種別優先モードにおける画面イメージである。
【0031】
<メニュー数量優先モード>
図3は、本実施形態におけるオーダデータ制御装置が出力する画面イメージの第一の例である。
図3は、メニュー数量優先モードによるオーダ一覧画面を示す。図示するように、オーダ一覧画面には、オーダされたメニューの一覧が表示される。より具体的には、オーダされたメニューがそのメニューについての最も古いオーダ時刻の古い順に、重複することなく並べて表示され、テーブル別数量と都合数量とがそのメニューに対応付けてメニューを挟んで表示される。
メニュー数量優先モードとは、オーダされた全てのテーブルに対し所定の数(例えば2つ)のメニューずつを提供するために、どのメニューをいくつ調理し、調理したメニューをどのテーブルに配膳するかをわかり易く表示する動作モードである。
【0032】
符号101は、オーダされたメニューが、オーダされた順に上から並べて表示されたメニュー表示領域を示している。
符号102は、テーブル別数量表示領域を示している。この領域には、メニュー表示領域101の各メニューについて、オーダされた数量がテーブル毎に表示される。また、その数量の並びは、オーダした時刻が古いテーブル順に左から右に並んで表示される。また、各テーブル別数量の背景色は、メニュー数量優先モードで決定された各テーブルにおけるメニューごとの優先度に応じて異なる。例えば、3段階の優先度に分ける場合、あるテーブルで最も高い優先度が付されたメニューに対応するテーブル別数量の背景色は赤色で表示し、二番目に高い優先度が付されたメニューに対応するテーブル別数量の背景色は黄色で表示し、最も低い優先度を付したメニューに対応するテーブル別数量の背景色は青色で表示する。
図3は、表示制御部51が、テーブルごとに最も高い優先度を2つのメニューに対して付し、二番目に高い優先度を次の2つのメニューに対して付し、最も低い優先度をそれ以外のメニューに対して付した場合の画面イメージを示している。優先度は、客への提供が済んでいないメニューをオーダされた時刻が古い順に並べたときの並び順に従って、先頭から順に高い優先度を付していくものとする。例えば、
図3の場合、テーブルA28に座席する客が注文したメニューが、最も古い時刻にオーダされたメニューである。このオーダに含まれるメニューは上から順に「アスパラ肉まき」〜「ナス」であって、これらのメニューの並びは、テーブルA28でスタッフがオーダを受けたときにハンディターミナル10に入力した順番である。次に古いオーダはテーブルB23の客から注文されたオーダである。テーブルB23のオーダ情報に含まれるメニューは、テーブルA28のオーダ情報に含まれるメニューより後に(下に)表示する。但し、既にテーブルA28のオーダ情報に含まれるメニューがあった場合、そのメニューについては重複して表示しない(「カニつめ」、「手羽先」、「イカ」)。以下のテーブルのオーダ情報についても表示制御部51は、同様にしてメニューを並べる。そして、表示制御部51は、各テーブルごとにまず上から2つのメニュー(品目)に対して最も高い優先度を付し、次の2つのメニューに二番目に高い優先度を付す。そして、表示制御部51は、残ったメニューに最も低い優先度を付す。また、表示制御部51は、各テーブル別数量の背景色に優先度に応じた色を設定する。なお、最も高い優先度を2つのメニューを割り当てる等の情報は予め記憶部55に格納されているものとする。
このように、優先度に応じた異なる背景色と共に各メニューのテーブル別数量を表示することにより、配膳担当者は一目でどのメニューを優先的にどのテーブルに配膳するかを把握することができる。なお、テーブル別数量表示領域102の最上行の見出し欄の上段にはテーブル番号が表示され、下段にはそのテーブルに座席する客の人数が表示される。
【0033】
図3において符号100は、都合数量表示領域を示している。この領域には、各メニューについて、優先して調理すべき数量が表示されている。メニュー数量優先モードにおいて、優先して調理すべき数量とは、各メニューについて最も上位の優先度が付されたテーブル別数量の合計数量である。例えば、
図3の2行目「豚肉」については、テーブルA28、A10、B10、A25、B1のそれぞれから1個ずつオーダされている。また、「豚肉」はこれらのテーブルの何れにおいても上から2番目以内に表示されたメニューに含まれており、最も高い優先度が付されている。従って「豚肉」の都合数量は、これらを合計して5となる(符号100b)。あるいは5行目の「イカ」については、テーブルA28、B23、A8、A5、B15、B10からオーダされているが、そのうち最も上位の優先度(この例では最も高い優先度)が付されているのは、テーブルA8、A5、B10だけである。またテーブルA8、A5、B10からオーダされている数量はそれぞれのテーブルにつき1個ずつである。従って「イカ」の都合数量は、これらを合計して3となる(符号100c)。なお、都合数量に表示される数量に含まれるテーブル別数量には常に最も高い優先度が付されているとは限らない。例えば9行目の「ウィンナー」の場合、都合数量に表示する対象となるのは、二番目に高い優先度が付されたテーブルのテーブル別数量である。
【0034】
また、都合数量の背景色は、各メニューに付された優先度に応じて異なる。優先度ごとの背景色はテーブル別数量と同様である。例えば、優先度を3段階に分けて付す場合、最も高い優先度が付されたメニューに対応する都合数量の背景色は赤色、二番目に高い優先度のメニューに対応する都合数量の背景色は黄色、最も低い優先度のメニューに対応するテーブル別数量は背景色を青色で表示する。
図3の例の場合、「アスパラ肉まき」〜「ナス」についての都合数量の背景色は赤色で表示される。「マグロ」〜「じゃがいもベーコン」の都合数量の背景色は黄色で表示される。「ごぼう穴子巻き」〜「チーズちくわ」の都合数量の背景色は青色で表示される。調理人は、この都合数量表示領域100を見て、各メニューについて調理する数量を決定する。また、調理人は、都合数量表示領域100の背景色を見て、どのメニューを優先的に調理すればよいかを把握することができる。例えば、
図3の「豚肉」のように背景色が赤色で都合数量が5ならば、調理人は、まず、「豚肉」を5つ調理する。
【0035】
なお、「アスパラ肉まき」の都合数量には4と表示されている(符号100a)。これは、テーブルC5からのオーダ情報を受信してから、画面更新ボタン103が押下されていない為、テーブルC5からのオーダされた「アスパラ肉まき」に優先度が付されておらず、テーブルC5のオーダ数量が都合数量に含まれていないためである。通信部54がコントローラ20を介して新たなオーダ情報を受信すると、表示制御部51は、その新たなオーダ情報をテーブル別数量表示領域102に出力する。しかしこの段階では、表示制御部51は、新たなオーダ情報に優先度の割り当てを行わず、新たなオーダ情報に含まれるメニューについて都合数量の更新も行わない。次にユーザが画面更新ボタン103を押下すると、表示制御部51は、新たなオーダ情報の各メニューについて優先度を付し、テーブル別数量の背景色に優先度に応じた色を設定し、各メニューの都合数量を更新する。このような動作とすることで、調理人が把握する都合数量を勝手に自動更新しないため、調理人は、混乱することなく、調理すべき数量を把握することができる。
なお、画面の更新は、ユーザが画面更新ボタン103を押下したときだけではなく、次に
図4で説明するメニューの提供完了時にも行われる。
【0036】
図3において符号104は、動作モード切替キーを示している。動作モード切替キー104は、例えば、ドロップダウンリストであって、複数の動作モードから所望の動作モードを選択するためのオブジェクトである。
図3の場合、メニュー数量優先モードが選択され、「数量モード」と表示されている。ユーザが動作モード切替キー104においてメニュー数量優先モード、人数優先モード、メニュー種別優先モードのうち何れかの動作モードを指定すると、入力受付部52が選択された動作モードを検出し、表示制御部51へ検出した動作モードを出力する。表示制御部51は、その動作モードに基づいて画面イメージの作成などの制御を行う。
また、符号105は、直前訂正ボタンを示している。ユーザが直前訂正105を押下すると、直前の操作を取り消すことができる。
また、符号106〜109は、ページ切り替えタブを示している。ページ切り替えタブ106〜109を押下すると現在表示されている1ページ目では表示しきれないオーダについてのテーブル別数量が表示される。例えばページ切り替えタブ106を押下すれば2ページ目が表示される。ページ切り替えタブ107〜109についても同様である。
【0037】
図4は、本実施形態におけるオーダデータ制御装置が出力する画面イメージの第二の例である。この図は、調理人が「アスパラ肉まき」、「豚肉」、「カニつめ」について、
図3で例示した都合数量(順に「4」、「5」、「3」)だけ調理を行い、キッチンディスプレイ30の表示部に表示された、都合数量表示領域100のそれぞれのメニューの都合数量の表示部分に対して指定操作を行った後の画面イメージである。
まず、都合数量表示領域100について説明する。これら、「アスパラ肉まき」、「豚肉」、「カニつめ」については都合数量の分だけ調理が完了したので、表示制御部51は、都合数量表示領域100に完了を示す「チェック印」を表示する。
次に、テーブル別数量表示領域102について説明する。表示制御部51は、都合数量表示領域100にチェック印を表示した「アスパラ肉まき」、「豚肉」、「カニつめ」の各メニューについて、テーブル別数量の表示部分を点滅表示(ブリンク表示)する。このブリンク表示は、配膳待ち状態を意味している。
上述のとおり、調理人は、都合数量表示領域100に対して指定操作を行う。一方、配膳担当者はテーブル別数量表示領域102に対して指定操作を行う。
図4の画面イメージにおいて、配膳担当者が「アスパラ肉まき」、「豚肉」、「カニつめ」について、ブリンク表示されたテーブル別数量の表示部分に指定操作を行うと、入力受付部52がその入力を受け付け、どのメニュー及びテーブルのテーブル別数量がタッチされたかを示す情報を、表示制御部51、印刷指示部53へ出力する。すると、表示制御部51は、提供済みのテーブル別数量に提供済みを示すチェック印を表示し、さらに所定の時間が経過すると、提供済みのテーブル別数量を消し込み、都合数量から提供済みの数量を減算するなどの処理を行う。また、全てのテーブルにおいてオーダ数量分が提供済みとなったメニューについてはオーダ一覧画面から削除する。そして表示制御部51は、各テーブルからオーダされた残りのメニューについて、既に説明した方法で再度優先度を付して画面イメージの更新を行う。このように、画面更新ボタン103押下時だけではなく、メニューの提供完了時にも配膳担当者がテーブル別数量表示領域102への指示操作を行うことで画面イメージの更新が行われる。また、これらの処理と並行して印刷指示部53は、それぞれの数量部分についての配膳伝票を出力するよう、コントローラ20を介して配膳プリンタ40に指示を行う。
なお、都合数量表示領域100への指定操作を経ずに、テーブル別数量表示領域102の数量表示部分への指定操作が行われた場合、該当のテーブル別数量が配膳完了扱いとなり、配膳指示伝票が印字される。また、該当するメニューの都合数量には、都合数量から指定操作を行ったテーブル別数量が減算された値が表示される。
【0038】
図5は、本実施形態におけるオーダデータ制御装置が出力する画面イメージの第三の例である。この図は、
図4の画面イメージにおいて、最も高い優先度を付されたメニューについて都合数量が示す数量の調理と配膳が完了した後の画面イメージである。
図5は、表示制御部51が、既にオーダされた数量全てが配膳済みとなった「アスパラ肉まき」、「豚肉」を一覧から削除し、「カニつめ」以下のメニューについて優先度を振り直して表示した画面イメージを示している。例えば、テーブルA28については、「カニつめ」、「手羽先」に最も高い優先度が付され、「イカ」に二番目に高い優先度が付される。テーブルC15については、「ナス」、「じゃがいもベーコン」に最も高い優先度が付され、「ホタテ」、「キス」に二番目に高い優先度が付されている。また、
図4では画面の更新に伴い、優先度が付されていなかったテーブルC5について優先度が付されている。
【0039】
なお、メニューによっては、一度に調理できる数に制限がある場合がある。符号100dは、そのようなメニューに対する都合数量の表示態様を示している。この図の例の場合、メニュー「ごぼう穴子巻き」の都合数量は、1+1+1+1+2=6となるが、「ごぼう穴子巻き」を一度に調理できる数が予め「5」までと定められているとする。そのような場合、表示制御部51は、都合数量表示領域100に「5」を表示し、更に数量が限定されていることを示す例えば菱形のマークを出力する。なお、各メニューの制限数は予め記憶部55に記憶されているものとする。このような表示とすることで、調理人は、調理を行おうとするメニューに一度に調理できる数量に制約があるかどうかを意識せず表示された都合数量だけ調理を行えばよい。
【0040】
メニュー数量優先モードでは、1つのテーブルに一度に提供するメニューの数を定め、全てのオーダ情報に含まれるメニューを、そのメニューについての最も古いオーダ時刻の古い順に並べたときの並び順に従って、テーブルごとにメニューを並べ、その並びの先頭から順に、一度に提供するメニューの数ごとに区切って、その区切り毎にメニューの並びの順に高い優先度から低い優先度へと優先度を設定する。また、各メニューのうち最も上位の優先度が付されたテーブル別数量を合計した都合数量を、優先度に応じた背景色と共に表示する。これにより、調理人は、優先して調理しなればならないメニューとその都合数量を簡単に把握できる。また、都合数量表示領域100をコンパクトに1列とすることで、テーブル別数量表示領域102により多くのテーブル数を表示でき、オーダ状況の一覧性を確保できる。また、各テーブル別数量についても、優先度に応じた背景色を表示することで配膳担当者は、どのテーブルにどのメニューがどのような順番で提供されるかを把握することができる。これらにより、各テーブルに一定数のメニューを均一に提供することができる。
【0041】
<人数優先モード>
図6は、本実施形態におけるオーダデータ制御装置が出力する画面イメージの第四の例である。
図6は、人数優先モードによるオーダ一覧画面を示す。
人数優先モードとは、各テーブルに座席する客に対し、客の数に応じた数のメニューを提供するために、どのメニューをいくつ調理し、調理したメニューをどのテーブルに配膳するかをわかり易く表示する動作モードである。
【0042】
人数優先モードは、メニュー数量優先モードと優先度の決定方法が異なる。テーブル別数量及び都合数量の背景色に優先度に応じた色を表示することや、都合数量にそのメニューのうちで最も上位の優先度が付されたテーブル別数量を合計した値を設定することはメニュー数量優先モードと同じである。
人数優先モードの一例として、各テーブルに一度に提供するメニューの数量を、テーブルに着席した客の人数と同じ数とする場合を考える。
図6は、そのようにしてメニューを提供する場合に表示される画面イメージである。テーブルA28に着席する客は3人である。するとテーブルA28に対して1度に提供するメニューの数は3個となる。つまりテーブルA28に対しては3個ずつメニューを提供する。
図6の例の場合、1回目に「アスパラ肉まき」を1個、「豚肉」を1個、「カニつめ」を1個、の計3個を提供し、2回目に「手羽先」を1個、「イカ」を1個を提供する。このとき表示制御部51は、テーブル28Aからオーダされたメニューのうち、そのオーダ順に従って「アスパラ肉まき」、「豚肉」、「カニつめ」に対して最も高い優先度を付し、「手羽先」、「イカ」に対し、二番目に高い優先度を付す。テーブルB23についても同様である。ここで、一度に提供するメニューの数量とは、メニューの数ではなく、オーダ数量の延べ数量である。従って、表示制御部51は、テーブルB23の客数(4人)とその延べ数量が等しくなる「カニつめ」(1個)、「手羽先」(2個)、「イカ」(1個)に対して(計4個)最も高い優先度を付し、残りの「ピーマン肉詰め」、「ナス」について二番目に高い優先度を付す。次にテーブルC15(4人)について説明する。表示制御部51は、「カニつめ」(1個)、「ピーマン肉詰め」(1個)、「ナス」(1個)、「じゃがいもベーコン」(2個)に対して最も高い優先度を付し、それ以下のメニューに二番目に高い優先度を付す。テーブルC15の場合、最も高い優先度を付したメニューについてのオーダ数量を合計すると5となり、テーブルC15の客数(4人)を上回る。しかし、「じゃがいもベーコン」を1個だけ調理し、残りの1個を次回の調理に回すことはかえって調理に手間がかかったり、客にとっても違和感があることも考え2個とも一度に調理し提供する。従ってテーブルC15においては、最も高い優先度が付されたメニューについてのテーブル別数量の合計が客の人数を上回る。このように表示制御部51は、各テーブルに座席する客の人数に応じた数量ごとに優先度を付していく。そして表示制御部51は、各メニューについて最も上位の優先度が付されたテーブル別数量を合計して都合数量に設定する。また、表示制御部51は、都合数量表示領域100の各行及びテーブル別数量表示領域102の各数量表示部分に対して、優先度に応じた背景色を設定する。具体的には、表示制御部51は、最も高い優先度が付された都合数量やテーブル別数量の背景色を赤色、二番目に高い優先度が付された都合数量やテーブル別数量の背景色を黄色、最も低い優先度が付された都合数量やテーブル別数量の背景色を青色に設定する。
なお、
図6において動作モード切替キー104では、人数優先モードが選択され、「人数モード」と表示されている。
【0043】
図7は、本実施形態におけるオーダデータ制御装置が出力する画面イメージの第五の例である。この図は、調理人が「アスパラ肉まき」、「豚肉」、「カニつめ」、「手羽先」について、
図6で例示した都合数量(順に「4」、「5」、「4」、「3」)だけ調理を行い、キッチンディスプレイ30の表示部に表示された、都合数量表示領域100のそれぞれのメニューの都合数量の表示部分に対して指定操作を行った後の画面イメージである。表示制御部51は、これらのメニューについて都合数量表示領域100に調理完了を示すチェック印を表示し、その都合数量に含まれるテーブル別数量を配膳待ち状態を示すブリンク表示とする。
人数優先モードにおいても、配膳担当者が、テーブル別数量表示領域102のブリンク表示されたテーブル別数量の表示部分に指定操作を行うと、入力受付部52がその入力を受け付け、表示制御部51は、そのテーブル別数量にチェック印を表示する。さらに所定時間経過後、表示制御部51は、チェック印を付したテーブル別数量を消し込んだり、都合数量から提供済み数量の減算を行い、全オーダ数量の提供が完了したメニューについてはオーダ一覧画面から削除する。また、印刷指示部53は、それぞれの数量部分についての配膳伝票を出力するよう、コントローラ20を介して配膳プリンタ40に指示を行う。
【0044】
図8は、本実施形態におけるオーダデータ制御装置が出力する画面イメージの第六の例である。この図は、
図7の画面イメージにおいて、最も高い優先度を付されたメニュー(アスパラ肉まき〜じゃがいもベーコンまで)について都合数量が示す数量の調理と配膳が完了した後の画面イメージである。
表示制御部51は、既にオーダされた数量全てが配膳済みとなった「豚肉」を一覧から削除し、「手羽先」以下のメニューについて優先度を振り直して表示した画面イメージを示している。例えば、テーブルA8(2人)については、表示制御部51は、「ピーマン肉詰め」(1個)、「ナス」(1個)に最も高い優先度を付し、「マグロ」(1個)、「ウィンナー」(2個)に二番目に高い優先度を付す。
ここで都合数量に注目する。「マグロ」については、A8以外のテーブルから行われたオーダが存在しない。また、テーブルA8において「マグロ」に付された優先度は、二番目に高い優先度である。従って、表示制御部51は「マグロ」についての都合数量にテーブルA8のオーダ数量である1を設定し、背景色には二番目に高い優先度を示す黄色を設定する。また、「ウィンナー」についてみると、テーブルA8において「ウィンナー」に付された優先度は、二番目に高い優先度であるが、他のテーブル(例えばテーブルA10など)では最も高い優先度が付されている。従って、表示制御部51は「ウィンナー」についての都合数量にテーブルA10、B15、C5からオーダされたオーダ数量の合計値である3を設定し、背景色には最も高い優先度を示す赤色を設定する。この表示を見て、調理人は、「マグロ」よりも「ウィンナー」を優先して調理する。優先して調理した「ウィンナー」は、テーブルA10、B15、C5に対して提供され、「ウィンナー」に対しては二番目の優先度しか付されていないテーブルA8には提供されない。なお、
図7の画面イメージからの画面更新に伴い、表示制御部51は、
図7では優先度が付されていなかったテーブルC5について優先度を付している。
【0045】
このように、人数優先モードでは、全てのオーダ情報に含まれるメニューを、そのメニューについての最も古いオーダ時刻の古い順に並べたときの並び順に従って、テーブルごとにメニューを並べ、あるテーブルに対応するオーダ情報に含まれるメニューについてのオーダ数量を加算した値が、当該テーブルに座席する客の人数に応じた値以上となるメニューごとに区切り、当該区切り毎にメニューの並びの順に高い優先度から低い優先度へと優先度を設定する。また、各メニューのうち最も上位の優先度が付されたテーブル別数量を合計した都合数量を、優先度に応じた背景色と共に表示する。これにより、メニュー数量優先モードの効果に加え、各テーブルの来客数にあわせた適切な量のメニューを各テーブルに均一的に提供することができる。例えば、3人の客が座席するテーブルと、10人の客が座席するテーブルが存在するような場合、各テーブルに2種類ずつ均等にメニューを提供すると、3人の客が座席するテーブルに対しては適切な量となるかもしれないが、10人の客が座席するテーブルにとっては量が少ない可能性がある。人数優先モードによれば、各テーブルの客の人数に応じた数量のメニューが提供されるのでこの例のような問題を防ぐことができる。
なお、上記の例では各テーブルに一度に提供するメニューの数をそのテーブルに座席する客の人数と等しくなるようにしたが、例えば客の人数の2倍の数のメニューを一度に提供するようにしてもよい。
【0046】
<メニュー種別優先モード>
図9は、本実施形態におけるオーダデータ制御装置が出力する画面イメージの第七の例である。
図9は、メニュー種別優先モードによるオーダ一覧画面を示す。
メニュー種別優先モードとは、全てのテーブルに対し、所定の数(例えば2つ)のメニューを1つずつ提供するために、どのメニューをいくつ調理し、調理したメニューをどのテーブルに配膳するかをわかり易く表示する動作モードである。
【0047】
メニュー種別優先モードは、メニュー数量優先モードと優先度の決定方法は同様であるが、都合数量の算出方法が異なる。テーブル別数量及び都合数量の背景色に優先度に応じた色を表示することや、都合数量に、そのメニューのうちで最も上位の優先度が付されたテーブル別数量を合計した値を設定することはメニュー数量優先モードと同じである。
図9において、テーブルA28に注目すると、オーダが早い順に上位2つのメニュー「アスパラ肉まき」、「豚肉」について表示制御部51は、最も高い優先度を付し、続く2つのメニュー「カニつめ」、「手羽先」には二番目に高い優先度を付す。そして表示制御部51は、残りのメニュー「イカ」には最も低い優先度を付す。ここまではメニュー数量優先モードと同じである。次に都合数量について説明する。「アスパラ肉まき」は、テーブルA28、A8、A10、B1において最も高い優先度が設定されている。メニュー種別優先モードでは、各テーブルのオーダ数量を1とみなして合計し、結果として「アスパラ肉まき」の都合数量は4となる。なお、「アスパラ肉まき」の場合、上記のテーブルから受けたオーダ数量は全て1であるので、結果として都合数量はメニュー数量優先モードのときと同じになる。なお、テーブルC5のオーダには未だ優先度が付されていないため、都合数量に加えない。次に「豚肉」については、テーブルA28、A10、B10、A25、B1において最も高い優先度が設定されている。ここで最初に説明したメニュー数量優先モードの場合であれば、これらのテーブルのテーブル別数量を全て合計して都合数量を計算した。これに対し、メニュー種別優先モードの場合は、実際のオーダ数量にかかわらず、各テーブルにつき1ずつしかカウントしない。例えば、テーブルA10からは「豚肉」を2個オーダされているが、そのうちの1個だけを都合数量にカウントする。従って、「豚肉」の都合数量は、5となる。メニュー種別優先モードの場合、各テーブルには優先度に応じたメニューが1個ずつ配膳されることになる。他のメニューについても同様である。
なお、
図9において動作モード切替キー104では、メニュー種別優先モードが選択され、「種別モード」と表示されている。
【0048】
図10は、本実施形態におけるオーダデータ制御装置が出力する画面イメージの第八の例である。この図は、調理人が「アスパラ肉まき」、「豚肉」、「カニつめ」について、
図7で例示した都合数量(順に「4」、「5」、「3」)だけ調理を行い、キッチンディスプレイ30の表示部に表示された、都合数量表示領域100のそれぞれのメニューの都合数量の表示部分に対して指定操作を行った後の画面イメージである。表示制御部51は、オーダされた全て数量を調理し終えた「アスパラ肉まき」、「豚肉」について都合数量表示領域100にチェック印を表示する。「カニつめ」については全オーダ数量の調理が完了していないので「チェック印」を表示しない。また、「アスパラ肉まき」、「豚肉」、「カニつめ」について、都合数量にカウントしたテーブルのテーブル別数量をブリンク表示する。なお、テーブルB15の「カニつめ」については、元々のオーダ数量が3であったところ、今回は1しか調理及び配膳を行わないので、未だ2個分が未提供のまま残っている。このような場合、
図10が示すように、表示制御部51は、当該テーブル別数量部分に調理未完了分が残っていることを示す三角形のマークを表示する。配膳担当者は、「カニつめ」をテーブルB15に配膳する際に、この三角形のマークを見て全数量を提供できないことを把握して「残りもすぐお持ちします」等の声がけができるようになる。
なお、配膳担当者がブリンク表示テーブル別数量の表示部分に指定操作を行うと、表示制御部51が提供まで完了したメニューの削除などを行って画面を更新し、印刷指示部53が各テーブル別数量分の伝票の出力指示を行うのはこれまでに説明した動作モードと同様であるが、メニュー種別優先モードの場合、表示制御部51は、指定操作の対象となった領域に表示されたテーブル別数量から1を減算し、印刷指示部53は、1枚の伝票の出力を指示する。
【0049】
図11は、本実施形態におけるオーダデータ制御装置が出力する画面イメージの第九の例である。この図は、
図10の画面イメージの状態からブリンク表示されたテーブル別数量分の各メニューの配膳が完了した後の画面イメージである。メニュー種別優先モードの場合、表示制御部51は、ブリンク表示されていた各テーブル別数量や都合数量から1ずつ減算し、その結果、あるメニューについて全てのテーブル別オーダ数量が0になれば、そのメニューをオーダ一覧画面から削除する。
図11は、表示制御部51が、「手羽先」以下のメニューについて優先度を振り直して表示した画面イメージを示している。例えば、テーブルA28については、表示制御部51は、「手羽先」、「イカ」に最も高い優先度が付している。テーブルB23については、表示制御部51は、「手羽先」、「イカ」に最も高い優先度が付し、「ピーマン肉詰め」、「ナス」に二番目に高い優先度を付している。以下のテーブルについても同様である。このように優先度を付して並べ替えた結果、
図10では1番目に表示されていた「アスパラ肉まき」が1番下に表示されている。また、2番目に表示されていた「豚肉」は7番目に表示され、上から3番目に表示されていた「カニつめ」が上から10番目に表示されている。「カニつめ」を例にこのような並び順となった理由を説明すると、テーブルB15よりも先にオーダを行っているテーブルA28、B23、A8、A10、A5においてオーダされた「カニつめ」のうち未提供のものが存在せず、且つ、テーブルB15からオーダされた他のメニュー(「手羽先」、「イカ」など)が、テーブルA28、B23、A8、A10、A5でオーダされているためである。なお、表示制御部51は、テーブルB15の「カニつめ」のテーブル別数量に元のオーダ数量である3から1を減算した残りのオーダ数量2と調理未完了分が残っていることを示す三角形のマークを表示する。また、表示制御部51は、各メニューにおける都合数量についても再度算出した値を出力する。なお、画面更新に伴い
図10では優先度が付されていなかったテーブルC5について優先度が付されている。
【0050】
このように、メニュー種別優先モードでは、メニュー数量優先モードと同様の方法で各テーブルのメニューごとに優先度を決定し、都合数量の算出にあたっては、各オーダ数量を1とみなしてメニューごとに合計した値を都合数量にセットする。メニュー種別優先モードによれば、1つのテーブルに同じメニューばかりが提供されることを防止することが可能となる。
【0051】
ここで新しく客からオーダを受けた時の画面の更新について説明する。新しいオーダ情報はハンディターミナル10で入力され、コントローラ20を介して、オーダデータ制御装置50の通信部54が受信する。受信したオーダ情報は、記憶部55に記録される。すると表示制御部51が、新たなオーダ情報をテーブル別数量表示領域102の右端に一列追加して表示する。また、既にオーダを受け付けたテーブルから、新たなオーダを受け付けた場合、表示制御部51は、当該テーブルからのオーダが表示された列の下部に行を追加して、新たなオーダにおけるメニュー及びオーダ数量を表示する。このとき既にメニュー表示領域101に表示されているメニューであっても、新しい行を追加してその行に表示する。また、このとき表示制御部51は、都合数量表示領域100の内容は変更しない。次に調理人が、画面更新ボタン103を押下すると、表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102の各メニューについてテーブルごとに優先度を振り直す。そしてそれに合わせて都合数量表示領域100の内容を更新する。また、テーブル別数量表示領域102において、既にオーダを受け付けたテーブルから再び同じメニューのオーダがあり、そのテーブルの列の下部にメニューを追加して表示した場合、このタイミングで同じメニューに対するテーブル別数量の合算を行う。
【0052】
次に、配膳プリンタ40が出力する伝票について説明する。
図12は、本実施形態における配膳伝票の一例を示す図である。図示するように、配膳伝票には、調理が完了したメニューの名称「カニつめ」と、その数量と、オーダ時刻「19:32」等が印字されている。特に数量については、そのテーブルでオーダされた全体数量とそれに対する何番目の伝票かの情報が印字される。例えば
図7の場合、「1/5」、「2/5」、「3/5」と印字されている。これにより、該当テーブルの同じメニューを2回以上に分割して提供することとなっても、配膳担当者が、まだ残りがあることを認識して、客へ「残りもすぐお持ちします」等の声がけができるようになる。
【0053】
なお、上述のとおり、ユーザは動作モード切替キー104によって所望の動作モードを選択することができる。例えば、通常はメニュー種別優先モードで動作させ、1組の客あたりの人数が増えてきたら人数優先モードに切り替えるといった運用が可能になる。本実施形態によれば、曜日や時間帯ごとの客層や客の人数に応じて適切に動作モードを変更させることで、より実態に合った形式で全ての客に対して均一にメニューを提供することができる。
また、オーダデータ制御装置50の動作は、上記の形態に限らない。例えば、メニュー数量優先モード、人数優先モード、メニュー種別優先モードのうち1つの動作モードだけで動作してもよいし、これらの動作モードのうち任意の2つの動作モードを備えていて、それら2つの動作モードを切り替えて動作することができてもよい。
また、上記の動作モード以外に、人数優先モードとメニュー種別優先モードとを組み合わせて、各テーブルに対し、座席する客の人数に応じた数のメニューを各メニューにつき1個ずつ提供するといった動作モードを加えてもよい。
【0054】
本実施形態によれば、優先して調理しなければならないメニューの都合数量が、その優先度に応じた背景色と共に表示されるため、調理人は、どのメニューをどれだけ調理すれば良いのかを把握することができ、調理効率も高まる。また、客が座席する全てのテーブルに対して均一にメニューを提供できるように、各テーブルごとに各メニューの優先度を決定するため、調理人が表示される都合数量に従って調理を行うだけで、どのテーブルにも均一にメニューを提供することができる。
【0055】
図13は、本実施形態におけるオーダ情報を記憶する表データの一例である。このテーブルに格納されたオーダ情報は、通信部54が、コントローラ20から定期的に受信して記憶部55に記録している。図示するように、オーダ情報表データ200は、「伝票番号」、「テーブル番号」、「人数」、「オーダ時刻」、「経過時間」、「メニュー」、「数量」の各項目を有している。「数量」は、更に左から順に「オーダ数量」、「調理完了数量」、「配膳完了数量」の3つの項目を有している。
例えば、伝票番号1のオーダ情報は、テーブルA28には3名の客がおり、このテーブルから、19:32に新規のオーダで「アスパラの肉まき」、「豚肉」、「カニつめ」、「手羽先」、「イカ」をそれぞれ1個ずつの内容で受け付けたことを示している。なお、オーダから27分が経過しており、調理済み、配膳済みのメニューはいずれも0である。
【0056】
図14は、本実施形態におけるメニュー情報を記憶する表データの一例である。このテーブルに格納されたメニュー情報は、予め記憶部55に記憶されている。図示するように、メニュー情報表データ201は、「コード」、「メニュー名」、「料理数量上限」の各項目を有している。コードは各メニューの識別子である。「料理数量上限」には、一度に調理できる数量の上限値が格納されている。
【0057】
図15は、本実施形態における優先度設定を記憶する表データの一例である。このテーブルに格納された優先度表データ202は、予め記憶部55に記憶されている。優先度表データ202は、「数量」、「種別」、「人数上限」、「背景色設定」の各項目を有している。「数量」の項目には、メニュー数量優先モードにおける各優先度ごとに選択するメニューの数が設定されている。例えば
図15の例では、優先度1(最も高い優先度)に対して「2」が、優先度2(二番目に高い優先度)に対して「4」が設定されている。これは、最も高い優先度のメニューに2種類選び、二番目に高い優先度のメニューとして2種類(4−2=2)選ぶことを意味している。つまり、優先度2以降の数量には、延べ数量が設定される。同様に「種別」の項目は、メニュー種別優先モードにおける各優先度ごとに選択するメニューの数が設定されている。「人数上限」の項目には人数優先モードの場合の、各テーブルの客の人数の上限値(すなわち、一度に提供するメニューの数の上限値)が設定されている。例えば
図15の例では、人数上限が10となっているが、これは12人の客が1つのテーブルに存在しても、そのテーブルには延べ10個分のメニューしか一度には提供しないことを示している。「背景色設定」の項目には、各優先度に応じた背景色が格納されている。
【0058】
図16は、本実施形態におけるテーブル別の座席する客の人数を記憶する表データの一例である。この表データ203は、「テーブル」、「人数」を記録するワークテーブルである。この表データ203は、例えば表示制御部51が、オーダ一覧画面の画面イメージを作成する際に用いる。
【0059】
図17は、本実施形態におけるテーブル別のオーダ数量又は調理完了数量又は提供完了数量又は優先度を記憶する表データの一例である。この表データは、テーブルとメニューごとにオーダ数量又は調理完了数量又は提供完了数量又は優先度を記録するワークテーブルである。本実施形態では、それぞれの数量を管理するために、オーダ数量を管理するテーブル別オーダ数量表データ204、調理完了数量を管理するテーブル別調理完了数量表データ205、提供完了数量を管理するテーブル別提供完了数量表データ206、優先度を管理するテーブル別優先度表データ207の4つの表データを使用する。これらの表データ204〜207は、例えば表示制御部51が、オーダ一覧画面の画面イメージを作成するときに、テーブル別数量表示領域102に表示する各テーブル別数量を決定するために用いる。なお、これら3つの表データの構造は、同一であるため
図17にはテーブル別オーダ数量表データ204のみ記載している。なお、図中の「数量(N、M)」という記載は、表データ204のN行、M列目に格納されている値を意味する。Nは、表データ204に登録されたメニューを示す変数で、Mはテーブルを示す変数である。表データ204のN行目に登録されているメニューをメニュー(N)で表し、M列目のテーブルをテーブル(M)で表している。数量(N、M)は、表データ204のM列目に登録されたテーブルから、N行目に登録されたメニューがオーダされた個数である。また、数量(N、M)は、テーブル別数量表示領域102のN行、M列目に表示されるテーブル別数量である。
【0060】
図18は、本実施形態における優先度別の都合数量を記憶する表データの一例である。この表データは、優先度とメニューごとに都合数量を記録するワークテーブルである。この優先度別都合数量表データ208は、例えば表示制御部51が、オーダ一覧画面の画面イメージを作成するときに、都合数量表示領域100に表示する各都合数量を決定するために用いる。なお、図中の「都合数量(N、X)」という記載は、表データ208のN行、X列目に格納されている値を意味する。Nは、表データ208に登録されたメニューを示す変数で、Xは優先度を示す変数である。表データ208のN行目に登録されているメニューをメニュー(N)で表し、X列目の優先度を優先度(X)で表している。都合数量(N、X)は、表データ208のN行目に登録されたメニューの全オーダ数量のうち、Xが示す優先度が付されたオーダ数量の合計である。都合数量表示領域100のN行目に表示されるのは、表データ208の都合数量(N、X)(X=1〜3)のうち、値が0では無く、且つ、最も優先度が上位の都合数量(N、X)である。
【0061】
次に、
図19〜29を参照して、本実施形態におけるオーダデータ制御装置50における動作を説明する。
図19は、本実施形態における画面イメージ作成時のフローチャートである。
図19を用いて、調理者などが画面更新ボタン103を押下したときのオーダデータ制御装置50の処理について説明する。前提として通信部54は、最新のオーダ情報をコントローラ20から受信し、記憶部55に記録しているものとする。
まず、入力受付部52が、画面更新ボタン103の押下を検出し、その旨の信号を表示制御部51へ出力する。表示制御部51は、
図17で例示したテーブル別オーダ数量表データ204、テーブル別調理完了数量表データ205、テーブル別提供完了数量表データ206、テーブル別優先度表データ207の4つの表データを作成する(ステップS1)。次に入力受付部52は、ユーザによる動作モード切替キー104への選択指示を検出し、検出した情報を表示制御部51へ出力する。表示制御部51は、入力受付部52が検出した情報に基づいて、「メニュー数量優先モード」、「人数優先モード」、「メニュー種別優先モード」のうち、どの動作モードで動作するかを判定する(ステップS2)。メニュー数量優先モードで動作すると判定した場合、表示制御部51は、メニュー数量優先度別都合数量算出処理を実行する(ステップS2A)。メニュー数量優先度別都合数量算出処理については
図20を用いて後に説明する。人数優先モードで動作すると判定した場合、表示制御部51は、人数優先度別都合数量算出処理を実行する(ステップS2B)。人数優先度別都合数量算出処理については
図21を用いて後に説明する。メニュー種別優先モードで動作すると判定した場合、表示制御部51は、メニュー種別優先度別都合数量算出処理を実行する(ステップS2C)。メニュー種別優先度別都合数量算出処理については
図22を用いて後に説明する。次に表示制御部51は、作成したこれらの表データからキッチンディスプレイ30の画面に表示する画面イメージを作成する(ステップS3)。画面イメージの作成については、
図24、25を用いて説明する。以上が大まかな画面更新時の処理である。
【0062】
次に、上述のステップS1の処理について
図20を用いて説明する。
図20は、本実施形態におけるテーブル別オーダ数量表データ204、テーブル別調理完了数量表データ205、テーブル別提供完了数量表データ206、テーブル別優先度表データ207の各テーブルを作成する処理のフローチャートである。
図20で用いるM、L、Nはいずれも変数(カウンター)である。Mは伝票件数をカウントする変数である。Lは、客が座席する1つのテーブルからオーダされたメニューの数をカウンタする変数である。Nは、
図17で例示した表データ204〜207のメニュー項目をカウントする変数である。
まず表示制御部51は、変数Mに0を代入し初期化する(ステップS11)。次に表示制御部51は、Mに1を加え、Mに代入する(ステップS12)。次に、表示制御部51は、記憶部55から
図13で例示したオーダ情報表データ200を読み込み、全伝票について後述する処理を行ったかどうか(M>伝票件数)を判定する(ステップS13)。M>伝票件数の場合、本処理フローは終了し、
図21〜23で説明する処理へ移行する。
【0063】
一方、M>伝票件数ではない場合、表示制御部51は、オーダ情報表データ200のM件目のレコード(伝票)を読み出し、テーブルの識別子とテーブルに座席する客の人数とを
図16で例示した表データ203の「テーブル」項目と「人数」項目に書き出す(ステップS14)。また、表示制御部51は、テーブルの識別子を
図17で例示した表データ204〜207のM列目の見出し行G1にセットする。次に表示制御部51は、変数Lに0を代入して初期化する(ステップS15)。次に表示制御部51は、Lに1を加える(ステップS16)。次に表示制御部51は、オーダ情報表データ200のM件目のレコードに登録された全メニューについて後述する処理を行ったかどうかを判定する。つまりL>メニュー件数を判定する(ステップS17)。メニュー件数とは、オーダ情報表データのM件目のレコードに登録されたメニュー件数である。
【0064】
L>メニュー件数の場合、ステップS12からの処理を繰り返す。L>メニュー件数ではない場合、表示制御部51は、M番目のレコードのL番目の「メニュー」と「数量」を記憶部55から読み込む(ステップS18)。そして、表示制御部51は、「数量」項目に含まれる「オーダ数量」と「提供完了数量」とを比較し、L番目のメニューのオーダ数量と提供完了数量が等しいかどうかを判定する(ステップS19)。等しい場合、ステップS16からの処理を繰り返す。等しくない場合、表示制御部51は、Nに0を代入し初期化する(ステップS20)。次に表示制御部51は、Nに1を加える(ステップS21)。次に表示制御部51は、
図17で例示した表データ204のN番目のメニュー項目を読み込み、表データ200のM件目のレコードのL番目のメニュー名と等しいかどうか判定する(ステップS22)。メニューが等しい場合、後述するステップS25に処理に進む。等しくない場合、表示制御部51は、
図17で例示した表データ204のN番目のメニュー項目が空白かどうかを判定する(ステップS23)。空白ではない場合、ステップS21からの処理を繰り返す。空白である場合、
図17及び
図18で例示した表データ204〜208のN番目のメニュー項目に、M件目のレコードのL番目のメニュー名をセットする(ステップS24)。次に表示制御部51は、オーダ情報表データ200のM件目のレコードのL番目のメニューについての「オーダ数量」を、テーブル別オーダ数量表データ204のN行目、M列目にセットする(ステップS25)。次に表示制御部51は、同様に「調理完了数量」を、テーブル別調理完了数量表データ205のN行目、M列目にセットする(ステップS26)。次に表示制御部51は、同様に「提供完了数量」を、テーブル別提供完了数量表データ206のN行目、M列目にセットする(ステップS27)。次に表示制御部51は、ステップS16からの処理を繰り返す。以上で
図17で例示した3つの表データ204〜207が完成する。
【0065】
次に、上述のステップS2Aの処理(メニュー数量優先度別都合数量算出処理)について
図21を用いて説明する。
図21は、メニュー数量優先モードにおける優先度別の都合数量算出処理のフローチャートである。
図21で用いるM、N、Z、Iはいずれも変数(カウンター)である。変数M,Nについては
図20を用いて説明した変数M、Nと同様である。Zは、
図18で例示した表データ208の列を示す変数である。Iは、メニュー数のカウンタである。
まず、表示制御部51は、Mに0を代入する(ステップS28)。次に表示制御部51は、Mに1を加える(ステップS29)。そして表示制御部51は、M>伝票件数かどうかを判定する(ステップS30)。M>伝票件数の場合、
図24で説明する処理へ進む。M>伝票件数ではない場合、表示制御部51は、変数NとIに0を代入する(ステップS31)。次に表示制御部51は、Nに1を加算する(ステップS32)。次に表示制御部51は、
図17で例示したテーブル別オーダ数量表データ204のM件目のレコードを読み出し、M件目のレコードに登録されている全てのメニューについて以下の処理を行ったかどうかを判定する(ステップS33)。つまりN>M件目のレコードの全メニュー件数かどうかを判定する。全てのメニューについて処理を完了している場合、ステップS29からの処理を繰り返す。また、全てのメニューについて処理を完了していない場合、表データ204のM列、N行目のオーダ数量(オーダ数量(M,N))が0かどうかを判定する(ステップS34)。0である場合、ステップS32からの処理を繰り返す。0ではない場合、変数Iに1を加算する(ステップS35)。この加算する1は、メニューの数量である。次に表示制御部51は、
図15で例示した優先度表データ202の「数量」項目を読み込む。そして、表示制御部51は、読み込んだ優先度1(最も高い優先度)に対する「数量」項目とIとを比較して、Iが優先度1に対して設定された「数量」項目の値以下かどうかを判定する(ステップS36)。Iが優先度1に対して設定された「数量」項目の値以下の場合、変数Zに1を代入する(ステップS38)。Iが優先度1に対して設定された「数量」項目の値より大きい場合、表示制御部51は、読み込んだ優先度2(二番目に高い優先度)に対する「数量」項目とIとを比較して、Iが優先度2に対して設定された「数量」項目の値以下かどうかを判定する(ステップS37)。Iが優先度2に対して設定された「数量」項目の値以下の場合、変数Zに2を代入する(ステップS39)。Iが優先度2に対して設定された「数量」項目の値より大きい場合、表示制御部51は、Zに3を代入する(ステップS40)。次に表示制御部51は、Zの値をテーブル別優先度表データ207のM列N行目にセットし記憶部55へ書き出す(ステップS41)。次に表示制御部51は、オーダ数量(M,N)の数量を、
図18で例示した優先度別都合数量表データ208のZ列N行目に格納された値に加算して記憶部55に書き出す(ステップS42)。そして、ステップS32からの処理を繰り返す。以上でメニュー数量優先モードにおける
図18で例示した表データ208が完成する。
【0066】
次に、上述のステップS2Bの処理(人数数量優先度別都合数量算出処理)について
図22を用いて説明する。
図22は、人数優先モードにおける優先度別の都合数量算出処理のフローチャートである。
図22で用いるM、N、Z、Iはいずれも変数(カウンター)である。それぞれの変数については
図21を用いて説明した変数と同様である。
まず、表示制御部51は、Mに0を代入する(ステップS43)。次に表示制御部51は、Mに1を加える(ステップS44)。そして表示制御部51は、M>伝票件数かどうかを判定する(ステップS45)。M>伝票件数の場合、
図24で説明する処理へ進む。M>伝票件数ではない場合、表示制御部51は、変数NとIに0を代入する(ステップS46)。次に表示制御部51は、Nに1を加算する(ステップS47)。次に表示制御部51は、
図17で例示したテーブル別オーダ数量表データ204のM件目のレコードを読み出し、M件目のレコードに登録されている全てのメニューについて以下の処理を行ったかどうかを判定する(ステップS48)。つまりN>M件目のレコードの全メニュー件数かどうかを判定する。全てのメニューについて処理を完了している場合、ステップS43からの処理を繰り返す。また、全てのメニューについて処理を完了していない場合、表データ204のM列、N行目のオーダ数量(オーダ数量(M,N))が0かどうかを判定する(ステップS49)。0である場合、ステップS46からの処理を繰り返す。0ではない場合、変数Iにオーダ数量(M,N)を加算する(ステップS50)。次に表示制御部51は、
図15で例示した優先度表データ202の「人数上限」項目を読み込む。また、表示制御部51は、
図16で例示した表データ203のM件目のレコードの「人数」項目(人数(M))を読み込む。そして表示制御部51は、人数(M)が「人数上限」項目の値以上かどうかを判定する(ステップS51)。「人数上限」項目の値以上の場合、表示制御部51は、表データ203のM件目のレコードの「人数」項目に「人数上限」項目の値をセットし記憶部55に書き出す(ステップS52)。「人数上限」項目の値以上ではない場合、ステップS53へ進む。ステップS53では、表示制御部51は、変数Iが、表データ203のM件目のレコードの「人数」項目の値(人数(M))以下かどうかを判定する(ステップS53)。I≦人数(M)の場合、表示制御部51は、Zに1を代入する(ステップS54)。次に表示制御部51は、変数Iが人数(M)×2以下かどうかを判定する(ステップS55)。I≦人数(M)×2以下の場合、表示制御部51は、Zに2を代入する(ステップS56)。I≦人数(M)×2以下ではない場合、表示制御部51は、Zに3を代入する(ステップS57)。次に表示制御部51は、Zの値をテーブル別優先度表データ207のM列N行目にセットし記憶部55へ書き出す(ステップS58)。次に表示制御部51は、オーダ数量(M,N)の数量を、
図18で例示した優先度別都合数量表データ208のZ列N行目に格納された値に加算して記憶部55に書き出す(ステップS59)。そして、ステップS32からの処理を繰り返す。以上で人数優先モードにおける
図18で例示した表データ207が完成する。
【0067】
次に、上述のステップS2Cの処理(メニュー種別優先度別都合数量算出処理)について
図23を用いて説明する。
図23は、メニュー種別優先モードにおける優先度別の都合数量算出処理のフローチャートである。
図23で用いるM、N、Z、Iはいずれも変数(カウンター)である。これらのカウンタの意味は、
図21で説明したものと同様である。
まず、表示制御部51は、Mに0を代入する(ステップS60)。次に表示制御部51は、Mに1を加える(ステップS61)。そして表示制御部51は、M>伝票件数かどうかを判定する(ステップS62)。M>伝票件数の場合、
図24で説明する処理へ進む。M>伝票件数ではない場合、表示制御部51は、変数NとIに0を代入する(ステップS63)。次に表示制御部51は、Nに1を加算する(ステップS64)。次に表示制御部51は、
図17で例示したテーブル別オーダ数量表データ204のM件目のレコードを読み出し、M件目のレコードに登録されている全てのメニューについて以下の処理を行ったかどうかを判定する(ステップS65)。つまりN>M件目のレコードの全メニュー件数かどうかを判定する。全てのメニューについて処理を完了している場合、ステップS59からの処理を繰り返す。また、全てのメニューについて処理を完了していない場合、表データ204のM列、N行目のオーダ数量(オーダ数量(M,N))が0かどうかを判定する(ステップS66)。0である場合、ステップS64からの処理を繰り返す。0ではない場合、変数Iに1を加算する(ステップS67)。次に表示制御部51は、
図15で例示した優先度表データ202の「種別」項目を読み込む。そして、表示制御部51は、読み込んだ優先度1(最も高い優先度)に対する「種別」項目とIとを比較して、Iが優先度1に対して設定された「種別」項目の値以下かどうかを判定する(ステップS68)。Iが優先度1に対して設定された「種別」項目の値以下の場合、変数Zに1を代入する(ステップS69)。Iが優先度1に対して設定された「種別」項目の値より大きい場合、表示制御部51は、読み込んだ優先度2(二番目に高い優先度)に対する「種別」項目とIとを比較して、Iが優先度2に対して設定された「種別」項目の値以下かどうかを判定する(ステップS70)。Iが優先度2に対して設定された「種別」項目の値以下の場合、変数Zに2を代入する(ステップS71)。Iが優先度2に対して設定された「種別」項目の値より大きい場合、表示制御部51は、Zに3を代入する(ステップS72)。次に表示制御部51は、Zの値をテーブル別優先度表データ207のM列N行目にセットし記憶部55へ書き出す(ステップS73)。次に表示制御部51は、
図18で例示した優先度別都合数量表データ208のZ列N行目に格納された値に1を加算して記憶部55に書き出す(ステップS74)。そして、ステップS62からの処理を繰り返す。以上でメニュー種別優先モードにおける
図18で例示した表データ208が完成する。
【0068】
次に、これまでに作成した表データを用いて画面イメージを作成する処理について
図24、25を用いて説明する。
図24は、本実施形態における画面イメージ出力処理の第一のフローチャートである。
図24、25の処理は、メニュー数量優先モード、人数優先モード、メニュー種別優先モードに共通の処理である。また、
図24、25の処理は、
図19におけるステップS3に相当する。
まず、表示制御部51は、変数Mに0を代入し(ステップS75)、1を加算する(ステップS76)。次に、表示制御部51は、
図17で例示した表データ204〜207を記憶部55から読み込み、全伝票について後述する処理を行ったかどうかを判定する。つまりM>伝票件数を判定する(ステップS77)。M>伝票件数の場合、次の
図25で説明する処理へ移行する。一方、M>伝票件数ではない場合、表示制御部51は、変数Nに0を代入し(ステップS78)、Nに1を加える(ステップS79)。次に表示制御部51は、
図17の表データ204〜207に登録された全メニューについて後述の処理を完了したかどうかを判定する(ステップS80)。つまりN>表データ204〜207に登録された全メニュー件数かどうかを判定する。処理を完了している場合、ステップS76からの処理を繰り返す。完了していない場合、次に表示制御部51は、
図17で例示したテーブル別オーダ数量表データ204のM列、N行目からオーダ数量(オーダ数量(N,M))を読み込み、その値が0かどうかを判定する(ステップS81)。0である場合、ステップS79からの処理を繰り返す。0でない場合、表示制御部51は、オーダ数量(N,M)に対応する優先度を、
図17のテーブル別優先度表データ207のM列N行目(優先度(N,M))から読み込み、さらに
図15の表データ202からその優先度に対応する背景色設定値を読み出す。そして表示制御部51は、その背景色設定値をテーブル別数量表示領域102の左からM番目の列、N行目の部分(テーブル別数量表示領域102(N,M))の背景色に設定する(ステップS82)。次に表示制御部51は、テーブル別調理完了数量表データ205のM列、N行目から調理完了数量(調理完了数量(N,M))を読み込み、その値が0かどうかを判定する(ステップS83)。
【0069】
0である場合、表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102の左からM番目の列で上からN番目の行の数量に、ステップS81で読み込んだオーダ数量を設定する(ステップS84)。そして、ステップS79からの処理を繰り返す。0でない場合、表示制御部51は、オーダ数量(N,M)と調理完了数量(N,M)の差分A(オーダ数量(N,M)から調理完了数量(N,M)を減算した値)を計算する(ステップS85)。次に表示制御部51は、テーブル別提供完了数量表データ206のM列、N行目から提供完了数量(提供完了数量(N,M))を読み込み、調理完了数量(N,M)と提供完了数量(N,M)の差分B(調理完了数量(N,M)から提供完了数量(N,M)を減算した値)を計算する(ステップS86)。次に表示制御部51は、差分Aが0かどうかを判定する(ステップS87)。差分Aが0である場合、表示制御部51は、差分Bが0かどうかを判定する(ステップS88)。差分Bが0である場合、表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(N,M)にオーダ数量(N,M)を提供完了状態表示で設定する(ステップS90)。提供完了状態表示とは、例えばチェック印を付し、背景色を灰色に設定することである。差分Bが0でない場合、表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(N,M)にオーダ数量(N,M)を配膳待ち状態を表すブリンク表示(点滅表示)する設定を行う(ステップS89)。
【0070】
また、ステップS87にて差分Aが0でない場合も表示制御部51は、差分Bが0かどうかを判定する(ステップS91)。差分Bが0である場合、表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(N,M)に分割マークと差分Aを表示するよう設定する(ステップS93)。差分Bが0でない場合、表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(N,M)に分割マークと差分Aをブリンク表示(点滅表示)する設定を行う(ステップS92)。分割マークとは、三角形のマークを表示することである。表示制御部51は、以上のようにして作成したテーブル別数量表示領域102の画面イメージをキッチンディスプレイ30に出力する。以上がテーブル別数量表示領域102の画面イメージ作成処理である。
【0071】
図25は、本実施形態における画面イメージ出力処理の第二のフローチャートである。
まず、表示制御部51は、変数Nに0を代入し(ステップS94)、Nに1を加算する(ステップS95)。次に、表示制御部51は、
図18で例示した表データ208を読み込み、表データ208に登録された全メニューについて後述の処理を完了したかどうかを判定する(ステップS96)。つまりN>表データ208に登録された全メニュー件数かどうかを判定する。全メニューについて処理を完了している場合、処理を終了する。完了していない場合、表示制御部51は、変数Zに0を代入する(ステップS97)。次に表示制御部51は、変数Zに1を加算する(ステップS98)。次に表示制御部51は、
図18のテーブルのZ列、N行目の値(優先度別都合数量(N、Z))が0かどうかを判定する(ステップS99)。0の場合、ステップS98からの処理を繰り返す。0ではない場合、表示制御部51は、
図18の表データ208のZ列(優先度(Z))に対応する背景色設定を、
図15の表データ202から読み出して、その背景色を都合数量表示領域100のN行目(都合数量表示領域100(N)に)の背景色に設定する(ステップS100)。次に表示制御部51は、
図14の表データ201を参照して、
図18の表データ208のN行目のメニューに対して一度に調理できる数量の上限値(料理数量上限)が設定されているかどうか及び優先度別都合数量(N、Z)がその上限値を超えているかどうかを判定する(ステップS101)。上限値が設定されているメニューであって、且つ優先度別都合数量(N、Z)がその上限値を超えている場合、表示制御部51は、都合数量表示領域100のN行目(都合数量表示領域100(N))に上限値ありマークを表示する設定を行う(ステップS103)。上限値ありマークとは、例えば菱形のマークである。次に表示制御部51は、都合数量表示領域100(N)に料理数量上限値を表示するよう設定する(ステップS104)。一方、上限値が設定されていない場合、表示制御部51は、都合数量表示領域100(N)に
図18の表データ208のZ列、N行目(都合数量(N,Z))の値を表示するよう設定する(ステップS102)。ステップS102、S104いずれの場合も、全メニューに対する処理が完了するまでステップS95からの処理を繰り返す。表示制御部51は、以上のようにして作成した都合数量表示領域100の画面イメージをキッチンディスプレイ30に出力する。以上が都合数量表示領域100の画面イメージ作成処理である。
【0072】
次に調理人が都合数量表示領域100にタッチ操作を行ったときの処理について
図26、27を用いて説明する。
図26は、本実施形態のメニュー数量優先モード及び人数優先モードにおける都合数量表示領域100への指定操作入力時のフローチャートである。
まず、調理人が都合数量表示領域100のX行目に指定操作を行ったとする。すると入力受付部52が、都合数量表示領域100のX行目への指定操作を検出し、その信号を表示制御部51へ出力する。すると表示制御部51は、当該の都合数量表示領域100のX行目(都合数量表示領域100(X))を調理完了表示(チェック印の表示など)とする設定を行う(ステップS105)。また、表示制御部51は、都合数量表示領域(X)の数量を変数Kに代入する(ステップS106)。この変数Kは、調理完了の都合数量を格納する変数である。次に表示制御部51は、変数Mに0を代入する(ステップS107)。次に表示制御部51は、Mに1を加える(ステップS108)。次に表示制御部51は、テーブル別オーダ数量表データ204を参照し、M列、X行目のオーダ数量(オーダ数量(X,M))が0かどうかを判定する(ステップS109)。0である場合、ステップS108からの処理を繰り返す。0ではなかった場合、表示制御部51は、テーブル別優先度表データ207のM列、X行目の優先度を読み込む。また、表示制御部51は、都合数量表示領域100のX行目に設定した背景色からX行目のメニューの優先度を特定する。そして、表示制御部51は、都合数量表示領域100のX行目の優先度とテーブル別表示領域のM列、X行目の優先度が等しいかどうかを判定する(ステップS110)。等しくない場合、ステップS108からの処理を繰り返す。等しい場合、表示制御部51は、オーダ数量(X,M)がK以下かどうかを判定する(ステップS111)。K以下の場合、表示制御部51は、テーブル別調理完了数量表データ205のM列、X行目(調理完了数量(X,M))に、テーブル別オーダ数量表データ204のM列、X行目(オーダ数量(X,M))の値をセットし記憶部55へ書き出す(ステップS112)。次に表示制御部51は、オーダ情報表データ200のM件目の伝票のX番目のメニューの調理完了数量にオーダ数量(X,M)をセットし記憶部55へ書き出す(ステップS113)。次に表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(X,M)を調理完了表示(ブリンク表示)にする設定を行う(ステップS114)。次に表示制御部51は、Kからオーダ数量(X,M)を減じた値をKに代入する(ステップS115)。次に表示制御部51は、K=0かどうかを判定し(ステップS90)、K=0となるまでステップS108からの処理を繰り返す。
【0073】
一方、ステップS111の判定でK以下ではなかった場合、表示制御部51は、調理完了数量(X,M)にKをセットして記憶部55に書き出す(ステップS117)。次に表示制御部51は、オーダ情報表データ200のM件目の伝票のX番目のメニューの調理完了数量にKをセットし記憶部55へ書き出す(ステップS118)。次に表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(X,M)に分割マーク(三角形のマーク)を表示にする設定を行う(ステップS119)。次に表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(X,M)を調理完了表示(ブリンク表示)にする設定を行う(ステップS120)。以上で本処理フローは終了する。なお、本処理フローの実施後、通信部54は、更新したオーダ情報表データ200のデータを記憶部55から読み込み、コントローラ20へ送信する。これによって複数のキッチンディスプレイ30を用いる場合も、各キッチンディスプレイ30に表示するオーダ一覧を同期させることができる。また、表示制御部51は、このようにして作成した画面イメージをキッチンディスプレイ30の表示部へ出力する。
【0074】
図27は、本実施形態のメニュー種別優先モードにおける都合数量表示領域100への指定操作入力時のフローチャートである。
まず、調理人が都合数量表示領域100のX行目に指定操作を行ったとする。すると入力受付部52が、都合数量表示領域100のX行目への指定操作を検出し、その信号を表示制御部51へ出力する。それ以降の処理は、ステップS110までは、
図26と同様であるため説明を省略する。ステップS110の処理で都合数量表示領域100のX行目の優先度とテーブル別表示領域のM列、X行目の優先度が等しくない場合は、ステップS108からの処理を繰り返す。等しい場合、表示制御部51は、テーブル別調理完了数量表データ205のM列、X行目(調理完了数量(X,M))に、1をセットし記憶部55へ書き出す(ステップS121)。次に表示制御部51は、オーダ情報表データ200のM件目の伝票のX番目のメニューの調理完了数量に1をセットし記憶部55へ書き出す(ステップS122)。次に表示制御部51は、テーブル別オーダ数量表データ204のM列、X行目の値(オーダ数量(X,M))と、テーブル別調理完了数量表データ205のM列、X行目の値(調理完了数量(X,M))とを記憶部55から読み込んで、オーダ数量(X,M)と調理完了数量(X,M)が等しいかどうかを判定する(ステップS123)。等しくない場合、表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(X,M)に分割マーク(三角形のマーク)を表示にする設定を行い(ステップS124)、ステップS125の処理へ進む。等しい場合、表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(X,M)を調理完了表示(ブリンク表示)にする設定を行う(ステップS125)。次に表示制御部51は、Kから1を減じた値をKに代入する(ステップS126)。次に表示制御部51は、K=0かどうかを判定し(ステップS127)、K=0となるまでステップS108からの処理を繰り返す。
【0075】
次に配膳担当者がテーブル別数量表示領域102にタッチ操作を行ったときの処理について
図28、29を用いて説明する。
図28は、本実施形態のメニュー数量優先モード及び人数優先モードにおけるテーブル別数量表示領域102への指定操作時のフローチャートである。
まず、配膳担当者がテーブル別数量表示領域102のY列、X行目に指定操作を行ったとする。すると入力受付部52が、その指定操作を検出し、検出した信号を表示制御部51へ出力する。すると表示制御部51は、テーブル別調理完了数量表データ205のY列、X行目の値(調理完了数量(X,Y))とテーブル別提供完了数量表データ206のY列、X行目の値(提供完了数量(X,Y))とを記憶部55から読み込み、それらの値が等しいかどうかを判定する(ステップS128)。等しい場合(調理人が都合数量表示領域100にタッチする前に配膳担当がタッチした場合)、表示制御部51は、表データ205の調理完了数量(X,Y)に、表データ204のオーダ数量(X,Y)の値をセットし記憶部55へ書き出す(ステップS129)。次に表示制御部51は、オーダ情報表データ200のM件目の伝票のX番目のメニューの調理完了数量にオーダ数量(X,Y)をセットし記憶部55へ書き出す(ステップS130)。次に表示制御部51は、テーブル別提供完了数量表データ206のY列、X行目(提供完了数量(X,Y))にオーダ数量(X,Y)をセットし記憶部55へ書き出す(ステップS131)。次に表示制御部51は、オーダ情報表データ200のY件目の伝票のX番目のメニューの提供完了数量にオーダ数量(X,Y)をセットし記憶部55へ書き出す(ステップS132)。
【0076】
次に表示制御部51は、
図18の表データ208を読み込んで、テーブル別数量表示領域102のY列、X行目に設定した背景色に対応する優先度と同じ優先度を示すZ列の都合数量(X,Z)からオーダ数量(X,Y)を減算し、表データ208の都合数量(X,Z)の値を更新する(ステップS133)。次に表示制御部51は、減算後の都合数量(X,Z)が0かどうかを判定する(ステップS134)。0である場合、都合数量表示領域100に表示されている都合数量に対応する優先度とZに対応する優先度が一致すれば、都合数量表示領域100のX行目を提供完了表示(チェック印)に設定する(ステップS136)。また、0でない場合、都合数量表示領域100に表示されている都合数量に対応する優先度とZに対応する優先度が一致すれば、都合数量表示領域100のX行目の都合数量表示をステップS133で減算した後の都合数量(X,Z)で更新するよう設定する(ステップS135)。次に表示制御部51は、テーブル別表示領域(X,Y)を提供完了表示とする(ステップS137)。
また、ステップS128で調理完了数量(X,Y)と提供完了数量(X,Y)が等しくない場合、表示制御部51は、提供完了数量(X,Y)に調理完了数量(X,Y)をセットし記憶部55に書き出す(ステップS138)。次に表示制御部51は、オーダ情報表データ200のY番目の伝票のX番目のメニューの提供完了数量に調理完了数量(X,Y)をセットし記憶部55に書き出す(ステップS139)。次に表示制御部51は、オーダ数量(X,Y)と調理完了数量(X,Y)の差分C(オーダ数量(X,Y)から調理完了数量(X,Y)を減算した値)を計算する(ステップS140)。次に表示制御部51は、差分Cが0かどうかを判定する(ステップS141)。0である場合、上述のステップS137へ進む。0ではない場合、表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(X,Y)に差分Cを表示するよう設定する(ステップS142)。次に表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(X,Y)の表示を、ブリンク表示から通常表示(調理完了待ち表示)にする(ステップS143)。なお、本処理フローの実施後、通信部54は、更新したオーダ情報表データ200のデータを、コントローラ20へ送信する。また、表示制御部51は、このようにして作成した画面イメージをキッチンディスプレイ30の表示部へ出力する。
【0077】
図29は、本実施形態のメニュー種別優先モードにおけるテーブル別数量表示領域102への指定操作時のフローチャートである。
まず、配膳担当者がテーブル別数量表示領域102のY列、X行目に指定操作を行ったとする。すると入力受付部52が、その指定操作を検出し、検出した信号を表示制御部51へ出力する。すると表示制御部51は、調理完了数量(X,Y)と提供完了数量(X,Y)とを記憶部55から読み込み、それらの値が等しいかどうかを判定する(ステップS144)。等しい場合(調理人が都合数量表示領域100にタッチする前に配膳担当がタッチした場合)、表示制御部51は、表データ205の調理完了数量(X,Y)に、1を加算し記憶部55へ書き出す(ステップS145)。次に表示制御部51は、オーダ情報表データ200のM件目の伝票のX番目のメニューの調理完了数量に1を加算し記憶部55へ書き出す(ステップS146)。次に表示制御部51は、表データ206の提供完了数量(X,Y)に1を加算し記憶部55へ書き出す(ステップS147)。次に表示制御部51は、オーダ情報表データ200のY件目の伝票のX番目のメニューの提供完了数量に1を加算し記憶部55へ書き出す(ステップS148)。
【0078】
次に表示制御部51は、
図18の表データ208を読み込んで、テーブル別数量表示領域102のY列、X行目に設定した背景色に対応する優先度と同じ優先度を示すZ列の都合数量(X,Z)から1を減算し、表データ208の都合数量(X,Z)の値を更新する(ステップS149)。次に表示制御部51は、減算後の都合数量(X,Z)が0かどうかを判定する(ステップS150)。0である場合、都合数量表示領域100に表示されている都合数量に対応する優先度とZに対応する優先度が一致すれば、都合数量表示領域100のX行目を提供完了表示(チェック印)に設定する(ステップS152)。また、0でない場合、都合数量表示領域100に表示されている都合数量に対応する優先度とZに対応する優先度が一致すれば、都合数量表示領域100のX行目の都合数量表示を1を減算した後の都合数量(X,Z)で更新するよう設定する(ステップS151)。そして、ステップS155へ進む。
【0079】
また、ステップS138で調理完了数量(X,Y)と提供完了数量(X,Y)が等しくない場合、表示制御部51は、提供完了数量(X,Y)に1を加算し記憶部55に書き出す(ステップS153)。次に表示制御部51は、オーダ情報表データ200のY番目の伝票のX番目のメニューの提供完了数量に1を加算し記憶部55に書き出す(ステップS154)。そして、ステップS155へ進む。
【0080】
次に表示制御部51は、オーダ数量(X,Y)と調理完了数量(X,Y)の差分C(オーダ数量(X,Y)から調理完了数量(X,Y)を減算した値)を計算する(ステップS155)。そして表示制御部51は、この差分Cが0かどうかを判定する(ステップS156)。0である場合、表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(X,Y)にオーダ数量(X,Y)を表示するよう設定する(ステップS157)。次に表示制御部51は、テーブル別表示領域(X,Y)を提供完了表示とする(ステップS158)。これは、各メニューを1個ずつ提供していき、最後の1個を提供したときの動作である。また、差分C=0ではない場合、表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(X,Y)に差分Cを表示するよう設定する(ステップS159)。次に表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(X,M)に分割マーク(三角形のマーク)を表示にする設定を行う(ステップS160)。次に表示制御部51は、テーブル別数量表示領域102(X,Y)の表示を、ブリンク表示から通常表示(調理完了待ち表示)にする(ステップS161)。
なお、本処理フローの実施後、通信部54は、更新したオーダ情報表データ200のデータを、コントローラ20へ送信する。また、表示制御部51は、このようにして作成した画面イメージをキッチンディスプレイ30の表示部へ出力する。
【0081】
なお、上記の説明では、都合数量表示領域100とテーブル別数量表示領域102に対して指定操作可能なオーダデータ制御装置50及びキッチンディスプレイ30で運用する場合を例に説明したが、表示制御部51が、都合数量表示領域100を出力しない、又は、都合数量表示領域100に対するユーザの指定操作に対して応答しない配膳モードと、テーブル別数量表示領域102に対する指定操作に対して応答しない調理モードを切り替えて動作することができてもよい。調理人は、調理モードで動作する第一のオーダデータ制御装置50aを備えるキッチンディスプレイ(調理用)30aを使用し、配膳係は、配膳モードで動作する第二のオーダデータ制御装置50bを備えるキッチンディスプレイ(配膳用)30bを使用する。調理人及び配膳担当者のタッチ操作による画面更新は、コントローラ20を介して調理完了数量と提供完了数量の情報をやり取りすることで行う。このように2台のキッチンディスプレイ30を連携して利用することで、調理完了、配膳完了の誤操作を防止することができる。
【0082】
本実施形態によれば、各テーブルで、提供の優先順の高い一定数のメニューが、常に優先度が高いメニューとして表示されるため、その順番に従ってメニューを調理し、提供していくことで、店内のすべてのテーブルで、特定のテーブルのメニュー提供を待たせることなく、均一にメニューを提供していくことが可能となる。メニュー種類優先モードや人数優先モードでは、1テーブルごとの数量がベースとなって、都合表示を行うため、都合表示にありがちな、1組の客のメニューが、調理タイミングで2回に分かれないように調理数量が指示されるので、メニュー提供サービスの向上につながる。一方、メニュー種別優先モードでは、同じメニューをタイミングを変えて複数回に分けて提供することで、同一客に同じメニューが同時に多量に提供されてしまうのを防止することができる。また、人数優先モードを利用した場合は、各テーブルに提供するメニュー数量が、客の人数と合致するためテーブル毎の人数に比例したメニュー数量を提供することが可能になる。
【0083】
なお、上記の入力受付部52は、第一入力受付部と第二入力受付部の一例である。また、都合数量は、前記メニューごとのオーダ数量の合計数量の一例である。また、上記では、メニュー数量優先モード、人数優先モード、メニュー種別優先モードのいずれの場合においても、都合数量表示領域100の背景色を優先度に応じた色で表示する場合を例に説明を行ったが、実施形態はこれに限定されない。例えば、優先度に応じた書式の設定を記憶部55に記録しておき、都合数量表示領域100に表示する都合数量の書式を優先度に応じて変更するようにしてもよい。書式とは、フォントの種類、字体、文字の色、文字飾りなどである。
【0084】
なお、上述のオーダデータ制御装置50は内部にコンピュータを有している。そして、上述したオーダデータ制御装置50の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0085】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0086】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。