(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1導光部反射面から前記第1導光部反射光を前記副反射面側に反射させる範囲は、前記主発光部の最外縁のうち、両側に隣り合う前記主発光部と対向する側の最外縁の2箇所から前記副発光部にそれぞれ下した2本の垂線の間の範囲とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)4例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施形態1の構成の説明)
図1〜
図9は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態1を示す。
図2は、
図1におけるII部分を拡大して示す図であって、
図1のII部分の右側を上側に、
図1のIIの部分の左側を下側に示す図である。
図3〜
図9において、半導体型光源およびレンズ部材の断面を示すハッチングを省略する。
【0013】
(車両用灯具1の説明)
以下、この実施形態1における車両用灯具1の構成について説明する。この実施形態1の車両用灯具1は、
図1に示すように、灯室20を区画するランプハウジング2およびランプレンズ(図示せず)と、灯室20内に配置されている光源としての半導体型光源3およびレンズ部材4と、を備えるものである。
【0014】
前記半導体型光源3および前記レンズ部材4は、この例では、テールランプのランプユニット5を構成する。前記半導体型光源3および前記レンズ部材4のテールランプの前記ランプユニット5は、前記灯室20内に配置されている。前記半導体型光源3および前記レンズ部材4のテールランプの前記ランプユニット5は、その他の機能のランプユニット(図示せず)と共にリヤコンビネーションランプを構成する。前記リヤコンビネーションランプは、車両(図示せず)の後部の左右両側に搭載されている。
【0015】
(半導体型光源3の説明)
前記半導体型光源3は、この例では、たとえば、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型光源である。前記半導体型光源3は、発光チップ(LEDチップ)を封止樹脂部材で封止したパッケージ構造をなす。前記半導体型光源3は、この例では、4個直線上に配置されている。なお、
図3〜
図8において、前記半導体型光源3は、1個しか図示されていない。
【0016】
前記半導体型光源3は、
図3〜
図8に示すように、前記発光チップを有する発光部30と、前記発光部30を実装する基板31と、を有する。前記基板31は、取付部材など(図示せず)を介して前記ランプハウジング2に取り付けられている。前記半導体型光源3は、前記基板31を介して給電される。
図4、
図6、
図8に示すように、前記半導体型光源3の前記発光部30からの光(
図4、
図6、
図8中の実線矢印を参照)が広角にほぼ半球状(前記発光部30の中心Oを点(角の頂点)とする立体角が約180°)に放射される。前記半導体型光源3の光軸Zは、前記発光部30の中心Oを通りかつ前記発光部30の発光面に対して垂直もしくはほぼ垂直である。
【0017】
(レンズ部材4の説明)
前記レンズ部材4は、主発光部6と、副発光部7と、導光部8と、から構成されている。前記レンズ部材4は、
図1、
図2に示すように、正面視の形状(車両の後側から車両の前側を見た形状)が長方形形状をなす。
【0018】
前記レンズ部材4は、この例では、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル樹脂)などの透明樹脂材からなる。前記レンズ部材4は、取付部材など(図示せず)を介して前記ランプハウジング2に取り付けられている。すなわち、前記半導体型光源3と前記レンズ部材4とは、相対取付位置が維持されている状態で前記ランプハウジング2に取り付けられている。
【0019】
(主発光部6の説明)
前記主発光部6は、
図1、
図2に示すように、正面視形状が前記光軸Zを中心とする円形状もしくはほぼ円形状をなす。また、前記主発光部6は、
図3〜
図8に示すように、断面形状がほぼ杯形状をなす。前記主発光部6は、第1入射面601と、第2入射面602と、主反射面600と、第1主出射面611と、第2主出射面612と、第3主出射面613と、第4主出射面614と、第1段差面621と、第2段差面622と、第3段差面623と、第4段差面624と、第1導光部反射面631と、第2導光部反射面632と、を有するものである。
【0020】
前記主発光部6は、
図1に示すように、4個の前記半導体型光源3にそれぞれ対応して、かつ、間隔を置いて4個直線上に配置されている。左側3個の前記主発光部6は、等間隔に配置されている。左側3個の前記主発光部6と右側1個の前記主発光部6との間隔は、左側3個の前記主発光部6の間隔よりも広い。
【0021】
(第1入射面601の説明)
前記第1入射面601は、前記半導体型光源3の前記発光部30の中央部(前記発光部の中心Oを点(角の頂点)とする立体角が約70°〜80°の中央部)から放射される光を平行もしくはほぼ平行な第1入射光L1として屈折入射させる面である。前記第1入射光L1は、前記光軸Zと平行もしくはほぼ平行である。前記第1入射面601は、前記主発光部6の前記半導体型光源3と対向する面(背面)の中央部に設けられている。すなわち、前記第1入射面601は、前記半導体型光源3の前記発光部30の中央部と対応して設けられている。
【0022】
前記第1入射面601は、前記半導体型光源3の前記発光部30の中心Oもしくはその近傍を焦点F1とする双曲線を、前記双曲線の主軸(前記レンズ部材4の光軸Z)を回転軸として回転させてなる回転双曲面の屈折面である。
【0023】
(第2入射面602の説明)
前記第2入射面602は、前記半導体型光源3の前記発光部30の側部(前記発光部30の中心Oを点(角の頂点)とする立体角が約70°〜80°から約180°までの間の側部)から放射される光を第2入射光L2として屈折入射させる面である。前記第2入射面602は、前記主発光部6の前記半導体型光源3と対向する面(背面)の側部に設けられている。すなわち、前記第2入射面602は、中央部の前記第1入射面601の外周側部であって、前記半導体型光源3の前記発光部30の側部と対応して設けられている。
【0024】
前記第2入射面602は、直線もしくは曲線を、前記光軸Zを回転軸として回転させてなる回転面の屈折面である。前記第2入射面602は、前記光軸Z方向に対して、少なくとも、前記レンズ部材4の成形金型(図示せず)の抜き勾配(図示せず)分傾斜してなる屈折面である。
【0025】
(第1入射光L1、第2入射光L2の説明)
前記第1入射光L1と前記第2入射光L2とは、全体で、前記主発光部6中に入射した入射光である。従って、前記第1入射光L1は、前記主発光部6中に入射した入射光の一部であり、前記第2入射光L2は、前記主発光部6中に入射した入射光の一部である。
【0026】
(主反射面600の説明)
前記主反射面600は、前記第2入射面602から入射した前記第2入射光L2を前記光軸Zと平行もしくはほぼ平行な主反射光L3、L4、L6として全反射させる面である。前記主反射面600は、前記半導体型光源3の前記発光部30の中心Oもしくはその近傍を焦点F2とする放物線を、前記光軸Zを回転軸として回転させてなる回転放物面である。
【0027】
(第1主出射面611、第2主出射面612、第3主出射面613、第4主出射面614の説明)
前記第1主出射面611および前記第2主出射面612および前記第3主出射面613および前記第4主出射面614は、前記主反射面600で反射した前記主反射光L3、L4、L6の一部L3を主出射光L13として外部に出射させる面である。
【0028】
前記第1主出射面611は、前記主発光部6の前記半導体型光源3と対向する面(背面)と反対側の面(正面)の中央部に設けられている。すなわち、前記第1主出射面611は、前記第1入射面601および前記半導体型光源3の中央部と対応して設けられている。前記第1主出射面611は、前記光軸Zに対して水平もしくはほぼ水平であり、かつ、前記光軸Zを中心とする円形もしくはほぼ円形をなす。
【0029】
前記第2主出射面612、前記第3主出射面613、前記第4主出射面614は、前記主発光部6の前記半導体型光源3と対向する面(背面)と反対側の面(正面)の側部に設けられている。すなわち、前記第2主出射面612、前記第3主出射面613、前記第4主出射面614は、前記主反射面600および前記半導体型光源3の側部と対応して設けられている。
【0030】
前記第2主出射面612は、前記第1主出射面611に対して正面側に突出して設けられている。前記第3主出射面613は、前記第2主出射面612に対して正面側に突出して設けられている。前記第4主出射面614は、前記第3主出射面613に対して正面側に突出して設けられている。
【0031】
前記第2主出射面612、前記第3主出射面613は、前記光軸Zに対して水平もしくはほぼ水平であり、かつ、前記光軸Zを中心とする円環状形もしくはほぼ円環状形をなす。前記第4主出射面614は、前記光軸Zに対して水平もしくはほぼ水平であり、かつ、前記光軸Zを中心とする円環状形もしくはほぼ円環状形の一部をなす。
【0032】
すなわち、前記第4主出射面614は、
図2に示すように、前記第1導光部反射面631と前記第2導光部反射面632との間に設けられている。
図2中の二点鎖線S1は、前記第4主出射面614と前記第1導光部反射面631との間の第1境界線を示し、
図2中の二点鎖線S2は、前記第4主出射面614と前記第2導光部反射面632との間の第2境界線を示す。前記第4主出射面614は、前記導光部8の正面から前記第4段差面624を介して一段下がっている。なお、前記第4主出射面614は、
図2中の破線に示すように、前記導光部8の正面から前記第3段差面623を介して一段上がっていても良い。また、前記第4主出射面614は、設けなくても良い。この場合においては、前記導光部8の正面が前記第3段差面623まで延長して設けられる。
【0033】
(第1段差面621、第2段差面622、第3段差面623、第4段差面624の説明)
前記第1段差面621は、前記第1主出射面611と前記第2主出射面612との間に設けられている。前記第2段差面622は、前記第2主出射面612と前記第3主出射面613との間に設けられている。前記第3段差面623は、前記第3主出射面613と前記第4主出射面614との間に設けられている。前記第4段差面624は、前記第4主出射面614と前記導光部8の正面との間に設けられている。
【0034】
前記第1段差面621および前記第2段差面622は、直線もしくは曲線を、前記光軸Zを回転軸として回転させてなる回転面である。前記第3段差面623および前記第4段差面624は、直線もしくは曲線を、前記光軸Zを回転軸として回転させてなる回転面の一部(前記第4主反射面614に対応する一部)である。前記第1段差面621、前記第2段差面622、前記第3段差面623、前記第4段差面624は、前記光軸Z方向に対して、少なくとも、前記レンズ部材4の成形金型(図示せず)の抜き勾配(図示せず)分傾斜してなる面である。
【0035】
(第1主出射面611、第2主出射面612、第3主出射面613、第4主出射面614の説明)
前記第1主出射面611、前記第2主出射面612、前記第3主出射面613、前記第4主出射面614の正面には、前記主出射光L13を拡散させる拡散部(図示せず)がそれぞれ設けられている。前記拡散部は、たとえば、魚眼プリズムなどから構成されている。この結果、前記第1主出射面611、前記第2主出射面612、前記第3主出射面613の間に、前記第1段差面621、前記第2段差面622が設けられていても、前記第1主出射面611、前記第2主出射面612、前記第3主出射面613は、前記第1段差面621、前記第2段差面622を含めて、円形もしくはほぼ円形に発光する。これにより、前記主発光部6は、
図1中の多数の点々が施されている円形に示すように、円形もしくはほぼ円形に発光する。
【0036】
(第1導光部反射面631の説明)
前記第1導光部反射面631は、前記副発光部7に対向していて前記主反射面600で反射した前記主反射光L3、L4、L6の一部L4を第1導光部反射光L5(
図4中の実線矢印を参照)として前記導光部8中であって前記副発光部7側に全反射させる面である。前記第1導光部反射面631は、前記光軸Zに対して約45°傾斜している。この結果、前記光軸Zと平行もしくはほぼ平行な前記主反射光L3、L4、L6の一部L4が約90°全反射して、前記光軸Zに対して垂直もしくはほぼ垂直な前記第1導光部反射光L5となる。
【0037】
前記第1導光部反射面631は、直線を、前記光軸Zを回転軸として回転させてなる回転面の一部の面である。前記第1導光部反射面631は、前記第3段差面623および前記第4主出射面614および前記第4段差面624の円弧を延長させた円弧線上において、前記第3段差面623および前記第4主出射面614および前記第4段差面624の円弧と円弧との間に設けられている。すなわち、前記第1導光部反射面631は、2本の前記第1境界線S1の間に設けられている。
【0038】
(範囲W1、W2の説明)
前記第1導光部反射面631から前記第1導光部反射光L5を前記副発光部7側に反射させる範囲W1、W2は、4個の前記主発光部6のうち、中の2個の前記主発光部6の場合の前記範囲W1と、左右両端の2個の前記主発光部6の場合の前記範囲W2と、異なる。
【0039】
すなわち、中の2個の前記主発光部6の場合の前記範囲W1は、
図2に示すように、前記主発光部6(
図1において左側から2個目の前記主発光部6であって、
図2において下側から2個目の前記主発光部6)の最外縁のうち、両側に隣り合う前記主発光部6、6(
図1において左側から1個目の前記主発光部6と3個目の前記主発光部6であって、
図2において下側から1個目の前記主発光部6と図示されていない3個目の前記主発光部6)と対向する側の最外縁の2箇所P、Pから前記副発光部7にそれぞれ下した2本の垂線H、Hの間の範囲W1とする。前記第1導光部反射面631の前記光軸Zにおける中心角θは、前記範囲W1により決定し、この例では、約60°である。
【0040】
一方、左右両端の2個の前記主発光部6の場合の前記範囲W2は、
図2に示すように、前記主発光部6(
図1において左側から1個目の前記主発光部6であって、
図2において下側から1個目の前記主発光部6)の最外縁のうち、隣り合う前記主発光部6(
図1において左側から2個目の前記主発光部6であって、
図2において下側から2個目の前記主発光部6)と対向する側の最外縁の1箇所P1から前記副発光部7に下した1本の垂線H1から前記レンズ部材4の端(
図1において左端であって、
図2において下端)までの間の範囲W2とする。
【0041】
中の2個の前記主発光部6の前記範囲W1と左右両端の2個の前記主発光部6の前記範囲W2とは、ほぼ等しいか、中の2個の前記主発光部6の前記範囲W1が、左右両端の2個の前記主発光部6の前記範囲W2よりも前記副発光部7の幅の分小さい。
【0042】
(第2導光部反射面632の説明)
前記第2導光部反射面632は、隣の前記主発光部6に対向していて前記主反射面600で反射した前記主反射光L3、L4、L6の一部L6を第2導光部反射光L7(
図6中の実線矢印を参照)として前記導光部8中であって隣の前記主発光部6側に全反射させる面である。前記第2導光部反射面632は、前記光軸Zに対して約45°傾斜している。この結果、前記光軸Zと平行もしくはほぼ平行な前記主反射光L3、L4、L6の一部L6が約90°全反射して、前記光軸Zに対して垂直もしくはほぼ垂直な前記第2導光部反射光L7となる。
【0043】
前記第2導光部反射面632は、直線を、前記光軸Zを回転軸として回転させてなる回転面の一部の面である。前記第2導光部反射面632は、前記第3段差面623および前記第4主出射面614および前記第4段差面624の円弧を延長させた円弧線上において、前記第3段差面623および前記第4主出射面614および前記第4段差面624の円弧と円弧との間に設けられている。すなわち、前記第2導光部反射面632は、2本の前記第2境界線S2の間に設けられている。
【0044】
(副発光部7の説明)
前記副発光部7は、
図1、
図2に示すように、正面視形状が長方形形状の前記レンズ部材4の4辺に対応するライン形状をなす。また、前記副発光部7は、
図3、
図4、
図9に示すように、断面形状が前記導光部8の正面から突出した四角形形状をなす。前記副発光部7は、副反射面70と、副出射面71と、を有するものである。
【0045】
(副反射面70の説明)
前記副反射面70は、
図4に示すように、前記第1導光部反射面631で反射して前記導光部8中を透過した前記第1導光部反射光L5を第1副反射光L8(
図4中の実線矢印を参照)として前記副発光部7中であって前記副出射面71側に全反射させる面である。
【0046】
前記副反射面70は、
図9に示すように、前記第2導光部反射面632で反射して前記導光部8中を透過した前記第2導光部反射光L7であって前記導光部8に設けられている第3導光部反射面83で再度反射して前記導光部8中を透過した第3導光部反射光L9を第2副反射光L10(
図6中の実線矢印を参照)として前記副発光部7中であって前記副出射面71側に全反射させる面である。
【0047】
前記副反射面70は、前記光軸Zに対して約45°傾斜している。この結果、前記光軸Zに対して垂直もしくはほぼ垂直な前記第1導光部反射光L5および前記第3導光部反射光L9が約90°全反射して、前記光軸Zと平行もしくはほぼ平行な前記第1副反射光L8および前記第2副反射光L10となる。
【0048】
前記副反射面70は、直線を、前記レンズ部材4の4辺の方向にそれぞれ延長させてなる平面である。前記副反射面70は、前記副発光部7の外側面と背面との間の角部に、前記第1導光部反射面631および前記第3導光部反射面83に対向して設けられている。
【0049】
(副出射面71の説明)
前記副出射面71は、前記副反射面70で反射した前記第1副反射光L8および前記第2副反射光L10を副出射光L11、L12として外部に出射させる面である。前記副出射面71は、前記副発光部7の正面に前記レンズ部材4の4辺の方向にそれぞれライン状に設けられている。前記副出射面71は、前記光軸Zに対して水平もしくはほぼ水平である。
【0050】
前記副出射面71の正面には、前記副出射光L11、L12を拡散させる拡散部(図示せず)がそれぞれ設けられている。前記拡散部は、たとえば、三角プリズムなどから構成されている。この結果、前記副出射面71は、前記レンズ部材4の4辺のライン状に発光する。これにより、前記副発光部7は、
図1中の多数の点々が施されているラインに示すように、ライン状に発光する。
【0051】
(導光部8の説明)
前記導光部8は、前記主発光部6と前記副発光部7との間に設けられている。前記導光部8は、前記光軸Zに対して垂直もしくはほぼ垂直な板形状をなす。前記導光部8は、前記主発光部6からの前記第1導光部反射光L5、前記第2導光部反射光L7、前記第3導光部反射光L9を前記副発光部7に、前記光軸Zに対して垂直もしくはほぼ垂直に導くものである。
【0052】
(第3導光部反射面83の説明)
前記導光部8のうち隣り合う前記主発光部6、6の間の部分には、溝部80が設けられている。前記溝部80の前記光軸Zと平行もしくはほぼ平行な側壁には、前記第2導光部反射面632で反射して前記導光部8中を透過した前記第2導光部反射光L7を前記第3導光部反射光L9として前記副反射面70側に反射させる前記第3導光部反射面83が設けられている。この結果、前記第3導光部反射面83は、前記導光部8のうち隣り合う前記主発光部6、6の間の部分に設けられることとなる。前記第3導光部反射面83は、前記半導体型光源3の前記発光部30の中心Oもしくはその近傍を焦点F3とする放物線を、前記光軸Z方向に延長させてなる放物面である。なお、前記溝部80の代わりに孔部であっても良い。
【0053】
(範囲W3の説明)
前記第3導光部反射面83から前記第3導光部反射光L9を前記副発光部7側に反射させる範囲W3は、4個の前記主発光部6のうち、隣り合う2個の前記主発光部6、6の間の範囲である。
【0054】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1における車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0055】
半導体型光源3の発光部30を点灯発光させる。すると、
図4、
図6、
図8に示すように、半導体型光源3の発光部30の中央部から放射される光は、レンズ部材4の主発光部6の第1入射面601から主発光部6中に主発光部6の光軸Zに平行な第1入射光L1として入射する。一方、半導体型光源3の発光部30の側部から放射される光は、主発光部6の第2入射面602から主発光部6中に第2入射光L2として入射する。
【0056】
第1入射面601から主発光部6中に入射した第1入射光L1は、
図4、
図6、
図8に示すように、主発光部6の第1主出射面611から、主出射光L13として外部に拡散して出射する。一方、第2入射面602から主発光部6中に入射した第2入射光L2は、主発光部6の主反射面600で、主発光部6の光軸Zに平行もしくはほぼ平行な主反射光L3、L4、L6として全反射する。
【0057】
その主反射光L3、L4、L6の一部L3は、
図4、
図6、
図8に示すように、主発光部6の第2主出射面612、第3主出射面613、第4主出射面614から、主出射光L13として外部に拡散して出射する。この結果、主発光部6は、
図1中の多数の点々が施されている円形に示すように、円形もしくはほぼ円形に発光する。
【0058】
前記の主反射光L3、L4、L6の一部L4は、
図4に示すように、主発光部6の第1導光部反射面631において全反射して、光軸Zに対して垂直もしくはほぼ垂直な第1導光部反射光L5となる。この第1導光部反射光L5は、導光部8中において、副発光部7側に導かれて、副発光部7の副反射面70において全反射して、光軸Zに対して平行もしくはほぼ平行な第1副反射光L8となる。この第1副反射光L8は、副発光部7の副出射面71から、副出射光L12として外部に拡散して出射する。
【0059】
前記の主反射光L3、L4、L6の一部L6は、
図6に示すように、主発光部6の第2導光部反射面632において全反射して、光軸Zに対して垂直もしくはほぼ垂直な第2導光部反射光L7となる。この第2導光部反射光L7は、導光部8中において、導光部8の第3導光部反射面83側に導かれて、この第3導光部反射面83において全反射して、光軸Zに対して垂直もしくはほぼ垂直な第3導光部反射光L9となる。この第3導光部反射光L9は、導光部8中において、副発光部7側に導かれて、副発光部7の副反射面70において全反射して、光軸Zに対して平行もしくはほぼ平行な第2副反射光L10となる。この第2副反射光L10は、副発光部7の副出射面71から、副出射光L11として外部に拡散して出射する。
【0060】
この結果、副発光部7は、
図1中の多数の点々が施されているラインに示すように、ライン状に発光する。すなわち、副発光部7は、レンズ部材4の4辺のライン状に発光する。これにより、
図1に示すように、4個の主発光部6の円形発光面と、その4個の主発光部6の円形発光面を囲う副発光部7の4辺のライン発光面とが得られる。
【0061】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1における車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0062】
この実施形態1における車両用灯具1は、従来の車両用灯具のような分岐反射面を有さないので、下記の効果を達成することができる。
【0063】
すなわち、半導体型光源3からの光は、第1入射面601、第2入射面602から主発光部6中に入射光L1、L2として入射する。その入射光L1、L2の一部L1は、第1主出射面611から主出射光L13として出射する。また、その入射光L1、L2の一部L2は、主反射面600で主反射光L3、L4、L6として反射する。その主反射光L3、L4、L6の一部L3は、第2主出射面612、第3主出射面613、第4主出射面614から主出射光L13として出射する。
【0064】
一方、主反射光L3、L4、L6の一部L4は、第1導光部反射面631で第1導光部反射光L5として導光部8中に反射する。また、主反射光L3、L4、L6の一部L6は、第2導光部反射面632で第2導光部反射光L7として導光部8中に反射する。かつ、その第2導光部反射光L7は、第3導光部反射面83で第3導光部反射光L9として導光部8中に反射する。その第1導光部反射光L5、第3導光部反射光L9は、副反射面70で第1副反射光L8、第2副反射光L10として反射する。その第1副反射光L8、第2副反射光L10は、副出射面71から副出射光L11、L12として出射する。
【0065】
これにより、第1主出射面611、第2主出射面612、第3主出射面613、第4主出射面614は、主発光面として発光する。また、副出射面71は、副発光面として発光する。このように、この実施形態1における車両用灯具1は、従来の車両用灯具のような分岐反射面を有さないので、特に副発光面にダーク部が形成される場合がない。
【0066】
この実施形態1における車両用灯具1は、半導体型光源3が4個配置されていて、主発光部6が4個の半導体型光源3にそれぞれ対応して、かつ、間隔を置いて4個配置されていて、第1導光部反射面631、第2導光部反射面632、第3導光部反射面83を設けることにより、下記の効果を達成することができる。
【0067】
すなわち、第1導光部反射面631は、副発光部7に対向していて主反射光L3、L4、L6の一部L4を第1導光部反射光L5として副反射面70側に反射させる。この第1導光部反射光L5は、副反射面70で第1副反射光L8として副出射面71側に反射する。この第1副反射光L8は、副出射面71から副出射光L12として外部に出射する。これにより、副発光部7のうち、主発光部6と対向する部分の範囲W1、W2がライン状に発光する。
【0068】
一方、第2導光部反射面632は、隣の主発光部6に対向していて主反射光L3、L4、L6の一部L6を第2導光部反射光L7として隣の主発光部6側に反射させる。導光部8のうち隣り合う主発光部6、6の間の部分に設けられている第3導光部反射面83は、第2導光部反射面632で反射して導光部8中を透過した第2導光部反射光L7を第3導光部反射光L9として副反射面70側に反射させる。
【0069】
この第3導光部反射光L9は、副反射面70で第2副反射光L10として副出射面71側に反射する。この第2副反射光L10は、副出射面71から副出射光L11として外部に出射する。これにより、副発光部7のうち、隣り合う主発光部6、6の間の部分(第3導光部反射面83)と対向する部分の範囲W3がライン状に発光する。
【0070】
この結果、半導体型光源3が4個配置されていて、主発光部6が4個の半導体型光源3にそれぞれ対応して、かつ、間隔を置いて4個配置されていても、副発光部7が全範囲W1、W2、W3に亘ってライン状に発光する。すなわち、副発光部7のうち、隣り合う主発光部6、6の間の部分にダーク部が形成される場合がない。
【0071】
この実施形態1における車両用灯具1は、第1導光部反射面631から第1導光部反射光L5を副反射面70側に反射させる範囲W1は、主発光部6の最外縁のうち、両側に隣り合う主発光部6、6と対向する側の最外縁の2箇所P、Pから副発光部7にそれぞれ下した2本の垂線H、Hの間の範囲とする。この結果、第1導光部反射面631の光軸Zにおける中心角θは、前記の範囲W1により決定し、この例では、約60°である。
【0072】
これにより、副発光部7の発光の範囲W1の両端における光の強さは、副発光部7の発光の範囲W1の中心における光の強さに対して、約80%以上の光の強さを保持することができる。ここで、光の強さは、副反射面70における単位面積に対する第1導光部反射光L5、第1副反射光L8の光束の量である。
【0073】
(実施形態1の変形例1、2の説明)
この実施形態1における車両用灯具1のランプユニット5は、4個の半導体型光源3と長方形状のレンズ部材4とから構成されているものである。この結果、
図1に示すように、4個の円形の主発光部6の発光面と、長方形の4辺のライン状の副発光部7の発光面とが、得られる。
【0074】
変形例1のランプユニット5Aは、3個の半導体型光源3と円弧形状のレンズ部材4Aとから構成されているものである。この結果、
図1に示すように、3個の円形の主発光部6の発光面と、円弧形の4辺のライン状の副発光部7の発光面とが、得られる。
【0075】
変形例2のランプユニット5Bは、5個の半導体型光源3と十字形状のレンズ部材4Bとから構成されているものである。この結果、
図1に示すように、5個の円形の主発光部6の発光面と、十字形の辺のライン状の副発光部7の発光面とが、得られる。
【0076】
(実施形態2、3、4の構成、作用、効果の説明)
図10、
図11、
図12は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態2、3、4を示す。図中、
図1〜
図9と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施形態2、3、4における車両用灯具の構成について説明する。
【0077】
前記の実施形態1における車両用灯具1は、
図1に示すように、4個の円形の主発光部6の発光面と、長方形の4辺のライン状の副発光部7の発光面とが、得られるものである。これに対して、この実施形態2における車両用灯具は、1個の円形の主発光部6の発光面と、正方形の4辺のライン状の副発光部7Aの発光面とが、得られるものである。また、この実施形態3における車両用灯具は、1個の円形の主発光部6の発光面と、円形の辺のライン状の副発光部7Bの発光面とが、得られるものである。さらに、この実施形態4における車両用灯具は、1個の正方形の主発光部6Aの発光面と、正方形の4辺のライン状の副発光部7Aの発光面とが、得られるものである。
【0078】
この実施形態2、3、4における車両用灯具は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施形態1における車両用灯具1とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0079】
(実施形態1〜4以外の例の説明)
なお、前記の実施形態1〜4においては、リヤコンビネーションランプのテールランプについて説明するものである。ところが、この発明においては、リヤコンビネーションランプのテールランプ以外の車両用灯具、たとえば、リヤコンビネーションランプのストップランプ、テール・ストップランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、あるいは、フロントコンビネーションランプのクリアランスランプ、ターンシグナルランプ、デイタイムランニングランプなどにも適用することができる。
【0080】
また、前記の実施形態1〜4においては、光源として半導体型光源3を使用するものである。ところが、この発明においては、光源として半導体型光源3以外の光源を使用しても良い。
【0081】
さらに、この発明においては、入射面、主反射面、主出射面、段差面、導光部反射面、副反射面、副出射面の形状、構成など限定しない。