(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、組み立て方法、組み立ての順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0023】
(実施の形態)
まず、蓄電装置1の構成について、説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。また、
図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0025】
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。
【0026】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。
【0027】
これらの図に示すように、蓄電装置1は、第一外装体11及び第二外装体12からなる外装体10と、外装体10内方に収容される蓄電ユニット30及び電気機器40とを備えている。
【0028】
外装体10は、蓄電ユニット30及び電気機器40の外方に配置される、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、蓄電ユニット30及び電気機器40を所定の位置に配置し、蓄電ユニット30及び電気機器40を衝撃などから保護する。また、外装体10は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂などにより構成されており、蓄電ユニット30及び電気機器40が外部の金属部材などに接触することを回避する。
【0029】
ここで、外装体10は、外装体10の蓋体を構成する第一外装体11と、外装体10の本体を構成する第二外装体12とを有している。第一外装体11は、第二外装体12の開口を閉塞する扁平な矩形状のカバー部材であり、正極外部端子21と負極外部端子22とが設けられている。蓄電装置1は、この正極外部端子21と負極外部端子22とを介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。また、第二外装体12は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジングであり、蓄電ユニット30及び電気機器40を収容する。
【0030】
なお、第一外装体11と第二外装体12とは、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
【0031】
蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子を有しており、第一外装体11に設けられた正極外部端子21と負極外部端子22とに接続される。本実施の形態では、
図2に示すように、蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子が横置きになった状態でZ軸方向に積み重ねられて、第二外装体12内に配置される。そして、蓄電ユニット30は、上方から第一外装体11が被せられて、外装体10の内方に収容される。なお、蓄電ユニット30の詳細な構成の説明については、後述する。
【0032】
電気機器40は、内方に回路基板やリレーなどが配置された矩形状の機器であり、蓄電ユニット30の側方(X軸方向プラス側)に配置されている。本実施の形態では、
図2に示すように、電気機器40は、回路基板が縦置きになった状態でZ軸方向に立てられて、第二外装体12内に配置される。そして、電気機器40は、上方から第一外装体11が被せられて、外装体10の内方に収容される。
【0033】
なお、電気機器40に備えられる回路基板は、配線(リード線)によって蓄電ユニット30内のそれぞれの蓄電素子の正極端子または負極端子に接続され、例えば、当該蓄電素子の充電状態や放電状態(電圧、温度などの電池状態)などを取得し、監視し、制御する。
【0034】
次に、蓄電ユニット30の構成について、詳細に説明する。
【0035】
図3及び
図4は、本発明の実施の形態に係る蓄電ユニット30の構成を示す斜視図である。具体的には、
図3は、蓄電ユニット30からバスバーフレーム500とバスバー600とを分離した場合の構成を示す分解斜視図である。また、
図4は、蓄電ユニット30からバスバーフレーム500とバスバー600とを分離した構成要素をさらに分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0036】
なお、これらの図及び以降の図では、説明の便宜のため、Y軸方向を上下方向として示しており、Y軸方向を上下方向として説明している箇所があるが、実際の使用態様において、Y軸方向が上下方向になるとは限らない。
【0037】
これらの図に示すように、蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子100(本実施の形態では、8つの蓄電素子100)と、複数のスペーサ200(本実施の形態では、7つのスペーサ200)と、一対の挟持部材300と、複数の拘束部材400(本実施の形態では、4つの拘束部材410〜440)と、バスバーフレーム500と、複数のバスバー600(本実施の形態では、5つのバスバー600)とを備えている。
【0038】
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子100は、扁平な矩形状を有しており、スペーサ200に隣接して配置されている。つまり、複数の蓄電素子100のそれぞれが、複数のスペーサ200のそれぞれと交互に配置され、Z軸方向に並べられている。
【0039】
本実施の形態では、蓄電素子100は、外装体10内方に横向きにして配置されている(
図2参照)が、同図では、説明の便宜のため、蓄電素子100は、電極端子を上方に向けて配置された状態で図示している。なお、蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子100の詳細な構成の説明については、後述する。
【0040】
スペーサ200は、隣り合う2つの蓄電素子100の間に配置され、当該2つの蓄電素子100間を絶縁する樹脂等で形成された絶縁性の板状部材である。本実施の形態では、8つの蓄電素子100の間に、7枚のスペーサ200が配置されている。なお、スペーサ200は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
【0041】
また、スペーサ200は、蓄電素子100の正面側または背面側の略半分(Z軸方向に2つに分けた場合の略半分)を覆うように、形成されている。つまり、スペーサ200の正面側または背面側の両面(Z軸方向の両面)には凹部が形成されており、当該凹部に上記の蓄電素子100の略半分が挿入される。このような構成により、蓄電素子100を挟む2つのスペーサ200が、蓄電素子100のほとんどの部分を覆うこととなるので、スペーサ200によって、蓄電素子100と他の導電性部材との間の絶縁性を向上させることができている。
【0042】
挟持部材300は、一対の平板状部材である挟持部材310及び320からなり、複数の蓄電素子100を、当該複数の蓄電素子100の並び方向(Z軸方向)の両側から挟み込んで保持する。
【0043】
つまり、挟持部材310は、複数の蓄電素子100のうちの最もZ軸方向プラス側に配置された蓄電素子100よりも、Z軸方向プラス側に配置された平板状部材である。また、挟持部材320は、複数の蓄電素子100のうちの最もZ軸方向マイナス側に配置された蓄電素子100よりも、Z軸方向マイナス側に配置された平板状部材である。そして、挟持部材310と挟持部材320とで、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200を、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200の並び方向(Z軸方向)の両側から挟み込んで保持する。
【0044】
また、挟持部材300(挟持部材310、320)は、強度の観点等から、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、隣り合う蓄電素子100との間に、絶縁性の部材が配置されることで、蓄電素子100との絶縁性を確保している。なお、挟持部材300は、金属製(導電性)の部材に限定されず、例えば強度の高い絶縁性の部材で形成されていてもよい。また、挟持部材310と挟持部材320とは、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
【0045】
拘束部材400は、両端が挟持部材300に取り付けられて、複数の蓄電素子100を拘束する部材である。つまり、拘束部材400は、当該複数の蓄電素子100を跨ぐように配置され、当該複数の蓄電素子100に対して複数の蓄電素子の並び方向(Z軸方向)における拘束力を付与する。なお、拘束部材400は、挟持部材300と同様に、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製の部材で形成されているのが好ましいが、金属以外の部材で形成されていてもかまわない。
【0046】
具体的には、拘束部材400は、一端が挟持部材310に取り付けられるとともに、他端が挟持部材320に取り付けられる。そして、拘束部材400は、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200に対して、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200の並び方向における拘束力を付与する。
【0047】
ここで、拘束部材400は、拘束部材410〜440からなる。拘束部材410及び420は、複数の蓄電素子100の上下方向両側(Y軸方向の両側)に配置され、当該複数の蓄電素子100を当該両側から挟み込んで拘束する。また、拘束部材430及び440は、複数の蓄電素子100の両側方(X軸方向の両側)に配置され、当該複数の蓄電素子100を当該両側方から挟み込んで拘束する。
【0048】
具体的には、拘束部材410及び拘束部材420は、当該複数の蓄電素子100のY軸方向プラス側及びマイナス側に配置された一対の長尺状かつ平板状の部材である。また、拘束部材430及び拘束部材440は、当該複数の蓄電素子100のX軸方向プラス側及びマイナス側に配置された一対の長尺状かつ平板状の部材である。
【0049】
バスバーフレーム500は、バスバー600と他の部材との絶縁、蓄電装置1内に配置される各種の配線等の保護、及び、バスバー600の位置規制を行うことができる部材である。特に、バスバーフレーム500は、バスバー600を、複数の蓄電素子100に対して位置決めする。
【0050】
具体的には、バスバーフレーム500は、複数の蓄電素子100の上方(Y軸方向プラス側)に載置され、複数の蓄電素子100に対して位置決めされる。また、バスバーフレーム500上には、バスバー600が載置される。この際、バスバーフレーム500の有する突起部が、バスバー600に形成された開口部に挿入されることで、バスバーフレーム500に対してバスバー600が位置決めされる。これにより、バスバー600は、複数の蓄電素子100に対して位置決めされ、そして、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子に接合される。
【0051】
なお、バスバーフレーム500は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。また、バスバーフレーム500の詳細な構成、及びバスバーフレーム500がバスバー600を位置決めする詳細な構成の説明については、後述する。
【0052】
バスバー600は、複数の蓄電素子100のそれぞれと電気的に接続されるバスバーである。つまり、バスバー600は、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子と電気的に接続される導電性の部材であり、当該複数の蓄電素子100が有するいずれかの電極端子同士を電気的に接続する。具体的には、バスバー600は、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子の表面上に配置され、当該電極端子に接続(接合)される。
【0053】
なお、バスバー600は、導電性の部材として、例えばアルミニウムで形成されているが、バスバー600の材質は特に限定されない。また、バスバー600は、全てが同じ材質の部材で形成されていてもよいし、いずれかのバスバーが異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
【0054】
次に、蓄電素子100の構成について、詳細に説明する。
【0055】
図5は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、蓄電素子100の容器110を透視して蓄電素子100の内部を示す斜視図である。
【0056】
同図に示すように、蓄電素子100は、容器110、正極端子120及び負極端子130を備えている。また、容器110内方には、電極体140、正極集電体150及び負極集電体160が配置されている。なお、容器110の内部には電解液などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。
【0057】
容器110は、金属からなる矩形筒状で底を備える本体と、当該本体の開口を閉塞する金属製の蓋部とで構成されている。容器110は、電極体140等を内部に収容後、蓋部と本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。
【0058】
電極体140は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる発電要素である。具体的には、電極体140は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものを巻回されて形成された巻回型の電極体である。なお、電極体140は、平板状極板を積層した積層型の電極体であってもかまわない。
【0059】
ここで、正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に正極活物質層が形成された電極板であり、負極は、銅または銅合金などからなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に負極活物質層が形成された電極板であり、セパレータは、微多孔性のシートである。なお、蓄電素子100に用いられる正極、負極及びセパレータは、特に従来用いられてきたものと異なるところはなく、蓄電素子100の性能を損なうものでなければ適宜公知の材料を使用できる。また、容器110に封入される電解液(非水電解質)としても、蓄電素子100の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
【0060】
正極集電体150は、電極体140の正極と容器110の側壁との間に配置され、正極端子120と正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体150は、正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。また、負極集電体160は、電極体140の負極と容器110の側壁との間に配置され、負極端子130と電極体140の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体160は、負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金などで形成されている。
【0061】
正極端子120は、正極集電体150を介して、電極体140の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子130は、負極集電体160を介して、電極体140の負極に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子120及び負極端子130は、電極体140に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、また、電極体140に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
【0062】
正極集電体150は、電極体140の正極と容器110の側壁との間に配置され、正極端子120と正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体150は、正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。また、負極集電体160は、電極体140の負極と容器110の側壁との間に配置され、負極端子130と電極体140の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体160は、負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金などで形成されている。
【0063】
次に、挟持部材300(挟持部材310及び320)の構成について、
図6〜
図10を用いて詳細に説明する。
【0064】
まず、挟持部材310の構成について、
図6を用いて説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係る挟持部材310を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0065】
図6に示されるように、挟持部材310は、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200の並び方向(Z軸方向)において、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200側から順に配置された、樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312を有する。以下、挟持部材310を構成する各構成部材について、詳細に説明する。
【0066】
樹脂エンドプレート311は、挟持部材310を構成する各構成部材のうち最も蓄電素子100側に配置された、蓄電素子100と金属エンドプレート312とを絶縁する樹脂等で形成された絶縁性の板状部材である。樹脂エンドプレート311は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
【0067】
また、樹脂エンドプレート311は、複数の蓄電素子100のうち最も挟持部材310側に配置された蓄電素子100の正面側の略半分(Z軸方向に2つに分けた場合のZ軸方向プラス側の略半分)を覆うように、形成されている。つまり、樹脂エンドプレート311の背面側(Z軸方向マイナス側)には凹部が形成されており、当該凹部に上記の蓄電素子100の正面側の略半分が挿入される。このような構成により、上記の蓄電素子100を挟むスペーサ200及び樹脂エンドプレート311が、当該蓄電素子100のほとんどの部分を覆うこととなるので、当該スペーサ200及び当該樹脂エンドプレート311によって、当該蓄電素子100と他の導電性部材との間の絶縁性を向上させることができている。
【0068】
金属エンドプレート312は、樹脂エンドプレート311の正面側(Z軸方向プラス側)に載置された平板状部材である。金属エンドプレート312は、強度の観点等から、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、必要な強度を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
【0069】
この金属エンドプレート312は、複数の蓄電素子100の正面側(Z軸方向プラス側)に位置する平板部と、当該平板部から外方に張り出すように形成されZ軸方向マイナス側に折り曲げられた二対の折り曲げ部とを有し、当該二対の折り曲げ部が拘束部材400(拘束部材410〜440)とネジ止めされることにより接続される。
【0070】
次に、挟持部材320の構成について、
図7A〜
図9を用いて詳細に説明する。
【0071】
図7Aは、本発明の実施の形態に係る挟持部材320の構成を示す斜視図である。
図7Bは、本発明の実施の形態に係る挟持部材320を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0072】
これらの図に示す挟持部材320は、挟持部材310よりも剛性が高い高剛性部AR11を有する。この挟持部材320には、蓄電装置1の第二外装体12(
図2参照)に、当該挟持部材320を固定するためのネジ穴301a〜301dが設けられている。
【0073】
ここで、高剛性部AR11の剛性は、挟持部材310のうち蓄電素子100の側方(Z軸方向プラス側)の部分の剛性よりも高ければよく、当該挟持部材310のうち他の部分の剛性との大小関係は問題とならない。
【0074】
また、挟持部材310及び320の剛性については、例えば、3Dスキャンで挟持部材310及び320を読み込み、CAE(Computer Aided Engineering)解析等を用いて評価することができる。
【0075】
挟持部材320は、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200の並び方向(Z軸方向)において、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200側から順に配置された、樹脂エンドプレート321、第一金属エンドプレート322及び第二金属エンドプレート323を有する。以下、挟持部材320を構成する各構成部材について、詳細に説明する。
【0076】
まず、樹脂エンドプレート321について、詳述する。
【0077】
樹脂エンドプレート321は、挟持部材320を構成する各構成部材のうち最も蓄電素子100側に配置された板状部材であって、蓄電素子100と第一金属エンドプレート322及び第二金属エンドプレート323とを絶縁する樹脂等で形成された絶縁性の板状部材である。樹脂エンドプレート321は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
【0078】
また、樹脂エンドプレート321は、複数の蓄電素子100のうち最も挟持部材320側に配置された蓄電素子100の背面側の略半分(Z軸方向に2つに分けた場合のZ軸方向マイナス側の略半分)を覆うように、形成されている。つまり、樹脂エンドプレート321の正面側(Z軸方向プラス側)には凹部が形成されており、当該凹部に上記の蓄電素子100の背面側の略半分が挿入される。このような構成により、上記の蓄電素子100を挟むスペーサ200及び樹脂エンドプレート321が、当該蓄電素子100のほとんどの部分を覆うこととなるので、当該スペーサ200及び当該樹脂エンドプレート321によって、当該蓄電素子100と他の導電性部材との間の絶縁性を向上させることができている。
【0079】
また、樹脂エンドプレート321の背面側(Z軸方向マイナス側)には、挟持部材320を蓄電装置1の第二外装体12(
図2参照)にネジ止めによって固定するためのネジ穴301a〜301dが設けられている。
【0080】
また、樹脂エンドプレート321の背面側(Z軸方向マイナス側)には、さらに、正面側(Z軸方向プラス側)に向かって凹む2つの凹部355が設けられている。これら2つの凹部355は、例えば、第一金属エンドプレート322及び第二金属エンドプレート323と樹脂エンドプレート321とを組み付ける際の位置決めに用いることができる。
【0081】
次に、第一金属エンドプレート322について、さらに
図8を用いて、詳述する。
図8は、本発明の実施の形態に係る第一金属エンドプレート322の構成を示す斜視図である。
【0082】
図7Bに示されるように、第一金属エンドプレート322は、樹脂エンドプレート321の背面側(Z軸方向マイナス側)に載置された平板状部材である。第一金属エンドプレート322は、強度の観点等から、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、必要な強度を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
【0083】
この第一金属エンドプレート322は、
図7Aに示された高剛性部AR11に設けられている。つまり、本実施の形態では、高剛性部AR11は、複数の部材が重ねられて形成された部分である。また、当該複数の部材は、本実施の形態では、第一金属エンドプレート322及び第二金属エンドプレート323である。
【0084】
すなわち、
図6に示されるように、挟持部材310が1つの金属エンドプレート312を有するのに対し、挟持部材320は2つの金属エンドプレート(第一金属エンドプレート322及び第二金属エンドプレート323)を有する。これにより、本実施の形態において、挟持部材320のうち、第一金属エンドプレート322と第二金属エンドプレート323とが重ねられて形成された部分は、挟持部材310よりも剛性が高くなる。
【0085】
第一金属エンドプレート322は、
図8に示されるように、複数の蓄電素子100の背面側(Z軸方向マイナス側)に位置する平板部361と、当該平板部361から外方に張り出すように形成されZ軸方向プラス側に折り曲げられた一対の折り曲げ部362を有する。また、第一金属エンドプレート322は、一対の折り曲げ部362の各々に設けられた、第一金属エンドプレート322と拘束部材410及び420とをネジ止めにより接続するための穴部363a〜363dを有する。
【0086】
平板部361は、
図8に示されるように、Z軸方向プラス側に突出する複数のリブ364を有する。これらリブ364の各々は、Z軸方向プラス側から見て蓄電素子100の短手方向に延設されている。つまり、リブ364は、Z軸方向プラス側から見て、第一金属エンドプレート322のY軸方向に延設されている。これにより、第一金属エンドプレート322は、Y軸方向における剛性を高くすることができる。
【0087】
また、平板部361には、樹脂エンドプレート321の2つの凹部355に対応する位置に設けられた2つの貫通孔365が形成されている。これら2つの貫通孔365は、例えば、第一金属エンドプレート322及び第二金属エンドプレート323と樹脂エンドプレート321とを組み付ける際の位置決めに用いることができる。
【0088】
一対の折り曲げ部362は、折り曲げ前の状態においてZ軸方向マイナス側から見て蓄電素子100の短手方向両側(Y軸方向の両側)に張り出すように形成され、Z軸方向プラス側に折り曲げられて拘束部材410及び420と接続される。
【0089】
次に、第二金属エンドプレート323について、さらに
図9を用いて、詳述する。
図9は、本発明の実施の形態に係る第二金属エンドプレート323の詳細な構成を示す斜視図である。
【0090】
図7Bに示されるように、第二金属エンドプレート323は、第一金属エンドプレート322の背面側(Z軸方向マイナス側)に載置された平板状部材である。第二金属エンドプレート323は、強度の観点等から、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、必要な強度を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
【0091】
第二金属エンドプレート323は、
図9に示されるように、複数の蓄電素子100の背面側(Z軸方向マイナス側)に位置する平板部371と、当該平板部371から外方に張り出すように形成されZ軸方向プラス側に折り曲げられた一対の折り曲げ部372A及び一対の折り曲げ部372Bを有する。また、第一金属エンドプレート322は、一対の折り曲げ部372Bの各々に設けられた、第二金属エンドプレート323と拘束部材430及び440とをネジ止めにより接続するための穴部374a及び374bを有する。
【0092】
平板部371は、
図9に示されるように、樹脂エンドプレート321の2つの凹部355及び第一金属エンドプレート322の2つの貫通孔365に対応する位置に設けられた、Z軸方向プラス側に突出する2つの凸部375を有する。これら2つの凸部375は、例えば、第一金属エンドプレート322及び第二金属エンドプレート323と樹脂エンドプレート321とを組み付ける際に、対応する貫通孔365及び凹部355に挿通されることにより、樹脂エンドプレート321に対する第一金属エンドプレート322及び第二金属エンドプレート323の位置決めを行うことができる。
【0093】
一対の折り曲げ部372Aは、折り曲げ前の状態においてZ軸方向マイナス側から見て蓄電素子100の短手方向両側(Y軸方向の両側)に張り出すように形成され、Z軸方向プラス側に折り曲げられて第一金属エンドプレート322の一対の折り曲げ部362に重ねられる。
【0094】
ここで、この一対の折り曲げ部372Aの各々は、第一金属エンドプレート322と拘束部材410及び420とを接続するためのネジ止めに用いられるネジを避けるように形成されている。具体的には、一対の折り曲げ部372Aは、Z軸方向プラス側の端部から第一金属エンドプレート322の穴部363a〜363dに対応する位置に向かってU字形状に切り欠かれた切り欠き部373a〜373dを有する。
【0095】
これにより、拘束部材400(拘束部材410〜440)と挟持部材320との組み付けを、次のような手順で行うことができる。具体的には、まず、挟持部材310と樹脂エンドプレート321及び第一金属エンドプレート322とで複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200を挟み込んだ状態で、拘束部材410及び420と第一金属エンドプレート322とをネジ止めすることにより接続する。その後、第二金属エンドプレート323をZ軸方向プラス側にスライドさせて第一金属エンドプレート322に重ねた後に、拘束部材430及び440と第二金属エンドプレート323とをネジ止めすることにより接続する。
【0096】
このような手順によって拘束部材400(拘束部材410〜440)と挟持部材320とを組み付けることにより、拘束部材400(拘束部材410〜440)と挟持部材320との組み付けを容易に行うことができる。
【0097】
以上のように、挟持部材320は、拘束部材400(拘束部材410〜420)に取り付けられ、挟持部材310と共に複数の蓄電素子100を挟持する。
【0098】
ここで、挟持部材320と蓄電素子100との位置関係について、
図10を用いて説明する。
図10は、本発明の実施の形態に係る挟持部材320の構成を示す底面図である。なお、同図には、さらに、蓄電素子100が破線で示されている。
【0099】
同図に示されるように、第一金属エンドプレート322は、Z軸方向マイナス側から見て、複数の蓄電素子100の中央部に配置されている。つまり、本実施の形態において、高剛性部AR11は、蓄電素子100の中央部分に対向する位置に配置されている。
【0100】
蓄電素子100は、充放電の繰り返しによって、当該蓄電素子100の中央部分が膨張しやすい。よって、本実施の形態では、蓄電素子100の中央部分に対向する位置に第一金属エンドプレート322を設けることにより、蓄電素子100の膨張を一層効果的に抑制することができる。
【0101】
また、本実施の形態では、挟持部材320は、蓄電装置1の底面側(Z軸方向マイナス側)に配置されている。
【0102】
これにより、蓄電装置1の底面側(Z軸方向マイナス側)への蓄電素子100の膨張を抑制できる。具体的には、本実施の形態では、蓄電装置1の外装体10の内部空間が底面側ほど小さくなっている。つまり、本実施の形態では、XY平面で当該外装体10を切断した場合に蓄電装置1の底面側ほど外装体10で囲まれる領域が小さくなる。このため、挟持部材310と挟持部材320との剛性が同等の場合、蓄電素子100は底面側へ膨張しやすくなる。
【0103】
そこで、高剛性部AR11を有する挟持部材320を蓄電装置1の底面側に配置することにより、蓄電装置1の底面側への蓄電素子100の膨張を抑制することができる。
【0104】
また、本実施の形態では、挟持部材320は、蓄電装置1の外装体10に固定されている。具体的には、挟持部材320は、蓄電装置1の第二外装体12に対して、ネジ止めにより固定されている。以下、この挟持部材320と外装体10との固定について、
図11を用いて詳細に説明する。
【0105】
図11は、本発明の実施の形態に係る挟持部材320を有する蓄電ユニット30と電気機器40との、外装体10(第二外装体12)への取り付けの様子を示す斜視図である。
【0106】
同図に示されるように、第二外装体12には、挟持部材320を第二外装体12(
図2参照)にネジ止めによって固定するための貫通孔12a〜12dが設けられている。これら貫通孔12a〜12dは、挟持部材320のネジ穴301a〜301dに対応する位置に設けられ、挟持部材320を第二外装体12にネジ止めするためのネジ13a〜13dが挿通される。
【0107】
つまり、挟持部材320を有する蓄電ユニット30は、電気機器40と組み付けられた後に、挟持部材320が第二外装体12の底面側(Z軸方向マイナス側)となるように第二外装体12に収容される。そして、当該蓄電ユニット30及び電気機器40は、第二外装体12の外方からネジ13a〜13dにより第二外装体12に固定される。
【0108】
このように、本実施の形態に係る蓄電装置1は、挟持部材320を外装体10(第二外装体12)の外方から当該外装体10(第二外装体12)に固定する固定部を備える。固定部は、本実施の形態において、ネジ13a〜13dに相当する。
【0109】
ここで、以上のように組み立てられた挟持部材320を有する蓄電ユニット30と外装体10(第二外装体12)との間には、蓄電素子100から漏れ出した電解液を配置可能な空隙が形成されている。以下、このように形成された空隙について、
図12を用いて詳細に説明する。
【0110】
図12は、本発明の実施の形態に係る挟持部材320と第二外装体12との間に形成される空隙AR21に係る構成を示す断面図であり、(a)は全体断面図、(b)は(a)の一部拡大図である。
【0111】
同図に示されるように、挟持部材320と第二外装体12との間には、空隙AR21が形成されている。具体的には、当該空隙AR21は、第二金属エンドプレート323と第二外装体12との間に形成されている。
【0112】
この空隙AR21には、蓄電素子100の安全弁などから当該蓄電素子100に封入された電解液(非水電解質)が漏れ出した場合に、当該電解液が収容(配置)される。
【0113】
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1によれば、蓄電素子100を挟み込むように配置される挟持部材310及び挟持部材320を備え、挟持部材320は、挟持部材310よりも剛性が高い高剛性部AR11を有する。
【0114】
このように、挟持部材320が高剛性部AR11を有することにより、蓄電素子100は挟持部材320側よりも挟持部材310側に膨張しやすくなる。ここで、例えば、蓄電素子100が挟持部材320側と挟持部材310側とに同等に膨張する場合には、挟持部材320と蓄電装置1の外装体10とが固定されていると、蓄電素子100の膨張によって当該外装体10が変形又は損傷し、電解液が外部へ漏れ出すおそれがある。これに対して、本実施の形態では、蓄電素子100が挟持部材310側に膨張しやすくなることにより、挟持部材320側への膨張を抑制することができる。よって、外装体10の損傷を防ぐことができるので、電解液が外部へ漏れ出すという不具合を抑制できる。
【0115】
なお、本実施の形態における挟持部材320は特許請求の範囲に記載の「第一挟持部」に相当し、本実施の形態における挟持部材310は特許請求の範囲に記載の「第二挟持部」に相当する。
【0116】
また、本発明の実施の形態によれば、高剛性部AR11は、蓄電素子100の中央部分に対向する位置に配置されている。
【0117】
ここで、蓄電素子100は、充放電の繰り返しによって、当該蓄電素子100の中央部分が膨張しやすい。よって、蓄電素子100の中央部分に対向する位置に高剛性部AR11を設けることにより、蓄電素子100の膨張を一層効果的に抑制することができる。
【0118】
また、本発明の実施の形態によれば、挟持部材320は、蓄電装置1の底面側に配置されている。
【0119】
これによれば、蓄電装置1の底面側への蓄電素子100の膨張を抑制できる。よって、当該蓄電装置1の底面が他の部材に当接するように配置される場合であっても、蓄電素子100の膨張による蓄電装置1と他の部材との干渉を抑制することができる。
【0120】
また、本発明の実施の形態によれば、高剛性部AR11は複数の部材を重ねることにより形成されるので、例えば、1つの部材の形状を変えることにより高剛性部AR11を形成する場合と比較して、少ない工程で高剛性部AR11を実現することができる。つまり、高剛性部AR11を容易に形成することができる。
【0121】
また、本発明の実施の形態によれば、挟持部材320は、蓄電装置1の外装体10に固定されている。
【0122】
ここで、挟持部材320が蓄電装置1の外装体10に固定されていると、挟持部材320が変形した場合に当該外装体10が変形または損傷する場合がある。これに対して、本態様では、蓄電素子100の挟持部材320側への膨張を抑制することにより、挟持部材320の変形を抑制することができる。よって、蓄電素子100が膨張した場合であっても、挟持部材320と蓄電装置1の外装体10とを強固に固定することができる。
【0123】
また、本発明の実施の形態によれば、挟持部材320は、蓄電装置1の外装体10の外方から固定されている。
【0124】
これによれば、挟持部材320を蓄電装置1の外装体10の外方から固定することにより、当該挟持部材320及び当該外装体10を固定作業の邪魔になりにくくすることができる。よって挟持部材320と外装体10との固定をスムーズに行うことができる。つまり、挟持部材320と外装体10との固定作業の工程の短縮化を図ることができる。
【0125】
また、本発明の実施の形態によれば、挟持部材320と蓄電装置1の外装体10との間には、蓄電素子100から漏れ出した電解液を配置可能な空隙AR21が形成されている。
【0126】
これによれば、蓄電素子100に封入される電解液(非水電解質)が漏れ出した場合に、空隙AR21に当該電解液(非水電解質)を配置することができるので、電解液が蓄電装置1の外部へ漏れ出すという不具合を抑制できる。
【0127】
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0128】
例えば、上記実施の形態では、挟持部材320が有する高剛性部AR11として、複数の部材(第一金属エンドプレート322及び第二金属エンドプレート323)が重ねられて形成された部分とした。しかし、高剛性部AR11は、挟持部材310よりも剛性が高ければよく、上記実施の形態の構成に限らない。例えば、挟持部材320は1つの金属エンドプレートのみを有してもよく、当該金属エンドプレートの板厚を挟持部材310の金属エンドプレート312の板厚よりも厚くすることで、高剛性部AR11を実現してもよい。また、挟持部材320が有する1つの金属エンドプレートに設けるリブの本数を多くすることで、高剛性部AR11を実現してもよい。
【0129】
また、上記実施の形態では、高剛性部AR11が蓄電素子100の中央部分に対向する位置に配置されていることとした。しかし、高剛性部AR11が当該中央部分を除く端部に対向する位置に配置されることにしてもかまわない。これによっても、蓄電素子100は挟持部材320側よりも挟持部材310側に膨張しやすくなるので、蓄電素子100が同等に膨張することにより生じる蓄電装置1の不具合を抑制することができる。
【0130】
また、上記実施の形態では、挟持部材320の一部に高剛性部AR11が配置されているとして説明した。つまり、挟持部材320の一部が挟持部材310よりも剛性が高いとして説明した。しかし、挟持部材320の剛性が挟持部材310の剛性よりも高ければよく、例えば、挟持部材320の全体に高剛性部AR11が配置されていてもよいし、挟持部材320の平均的な剛性が挟持部材310の平均的な剛性より高くてもよいし、挟持部材320の各部分の剛性が挟持部材310の対向する部分の剛性より高くてもよい。
【0131】
また、上記実施の形態では、蓄電装置1の底面側(Z軸方向マイナス側)に配置された挟持部材320が高剛性部AR11を有することとして説明した。しかし、蓄電装置1の上面側(Z軸方向プラス側)に配置された挟持部材310が挟持部材320よりも剛性が高い高剛性部を有してもよい。この場合、蓄電素子100が蓄電装置1の上面側に膨張することによる不具合(例えば、蓄電装置1の第一外装体11の変形又は損傷等)を抑制することができる。
【0132】
また、上記実施の形態では、挟持部材320は、蓄電装置1の外装体10に固定されていることとして説明したが、固定されずに外装体10の内壁に載置されていてもよい。この場合でも、蓄電素子100が挟持部材320側に膨張することによる、例えば蓄電素子100の位置ずれ等の不具合を抑制することができる。
【0133】
また、上記実施の形態では、挟持部材320は、蓄電装置1の外装体10の外方から固定されていることとして説明したが、挟持部材320は当該外装体10の内壁に固定されていてもよい。これによっても、蓄電素子100の膨張による蓄電装置1と他の部材との干渉を抑制することができる。
【0134】
また、上記実施の形態では、挟持部材320と蓄電装置1の外装体10とはネジ止めによって固定されているとして説明した。しかし、当該挟持部材320と当該外装体10とはネジ止め以外の固定方法によって固定されていてもよく、例えば、ボルト締めによる固定、当該挟持部材320の一部と当該外装体10の一部とを嵌合することによる固定、及び、接着による固定等であってもよい。
【0135】
また、上記実施の形態では、挟持部材310と挟持部材320とは別部材として説明した。しかし、挟持部材310と挟持部材320とは一体に形成された部材の互いに異なる部位であってもよい。
【0136】
また、上記実施の形態が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。