特許第6354498号(P6354498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6354498リチウムイオン二次電池用非水電解液、及びそれを用いたリチウムイオン二次電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6354498
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】リチウムイオン二次電池用非水電解液、及びそれを用いたリチウムイオン二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0567 20100101AFI20180702BHJP
   H01M 10/0569 20100101ALI20180702BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20180702BHJP
【FI】
   H01M10/0567
   H01M10/0569
   H01M10/052
【請求項の数】7
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-197211(P2014-197211)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2015-99770(P2015-99770A)
(43)【公開日】2015年5月28日
【審査請求日】2017年5月11日
(31)【優先権主張番号】特願2013-214712(P2013-214712)
(32)【優先日】2013年10月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川中 康之
(72)【発明者】
【氏名】佐野 篤史
(72)【発明者】
【氏名】大沼 弘和
(72)【発明者】
【氏名】北村 洋貴
【審査官】 近藤 政克
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/028567(WO,A1)
【文献】 特開2008−052988(JP,A)
【文献】 特開2008−041308(JP,A)
【文献】 特開2008−041296(JP,A)
【文献】 特開2007−335394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/0567
H01M 10/052
H01M 10/0569
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質と、非水溶媒として鎖状カーボネート及び環状カーボネートと、下記一般式(I)で表されるリン含有化合物と、下記一般式(II)で表されるリン含有化合物と、を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用非水電解液。
【化1】
(ただし、式(I)中、R、R、R、R、R、Rは、ハロゲン基または、炭素数が2から4のアルコキシ基のいずれかを示し、前記ハロゲン基と前記アルコキシ基はいずれも3つずつ有する。)
【化2】
(ただし、式(II)中、R、R、R、R10、R11、R12は、ハロゲン基または、炭素数が2から4のアルコキシ基のいずれかを示し、前記ハロゲン基を5つ有し、前記アルコキシ基を1つ有する。)
【請求項2】
前記一般式(I)中のR、R、R、R、R、Rのうち、R、R、Rがハロゲン基であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
【請求項3】
前記一般式(I)におけるハロゲン基は、フッ素であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
【請求項4】
前記一般式(I)および(II)のリン含有化合物の総量は、非水溶媒に対し、5体積%以上、15体積%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
【請求項5】
前記一般式(II)で表されるリン含有化合物は、下記一般式(III)であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
【化3】
【請求項6】
前記一般式(III)で表されるリン含有化合物は、非水溶媒に対し、5体積%以上、10体積%以下であることを特徴とする請求項に記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
【請求項7】
前記請求項1乃至のいずれか一項に記載の非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池用非水電解液、及びそれを用いたリチウムイオン二次電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等と比べ、軽量、高容量であるため、携帯電子機器用電源として広く応用されている。また、ハイブリッド自動車や、電気自動車用に搭載される電源として有力な候補ともなっている。近年は、携帯電子機器の小型化、高機能化に伴い、これらの電源となるリチウムイオン二次電池への更なる高容量化が期待されている。
【0003】
リチウムイオン二次電池の容量は主に電極の活物質に依存する。負極活物質には、一般に黒鉛が利用されている。しかし、黒鉛の理論容量が、372mAh/gであるのに対し、実用化されている電池では、既に約350mAh/gの水準に達している。一方、市場の要求は、さらなるリチウムイオン二次電池の高容量化であり、そのためには、黒鉛以上の理論容量を有する負極材料が必要であった。
【0004】
そこで、現在、注目されているのが、シリコンや酸化シリコンなどの合金系負極材料である。シリコンは、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵および放出可能であり、黒鉛に比べて非常に大きな容量の充放電が可能である。特にシリコンの理論放電容量は4210mAh/gであり、黒鉛の11倍もの高容量を示すことが知られている。
【0005】
リチウムイオン二次電池は、主として、正極、負極、セパレータ、非水電解液から構成されており、非水電解液として常温で液体の有機溶媒にリチウム塩を溶解させた液状の電解質が用いられている。しかし、リチウムが吸蔵された負極表面では、有機溶媒が関与する副反応が生じ、期待される放電容量が得られないなど特性に悪影響を及ぼすことがある。このため、負極が有機溶媒と直接反応しないように、負極表面に被膜を形成するとともに、この被膜の状態や性質を制御することが重要な課題になっている。
【0006】
この負極表面に形成される被膜を制御するためには、一般的に非水電解液中に特殊な添加剤を加えることが行われている。例えば、特許文献1には、リチウムイオン二次電池の非水電解液にリン含有化合物を添加することで、高温放置時の電池の膨れを抑制することが記載されている。リン含有化合物がシリコンと反応して安定な皮膜を形成して、非水電解液中とシリコンとの反応を抑制していると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開WO2005/036690号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、リン含有化合物を添加した場合においても、充放電サイクルを繰り返した際、非水電解液の分解反応により皮膜が成長し、次第に放電容量が低下するという問題があった。また、特許文献1にて開示されているホスファゼンを用いた電池は、容量が小さく、リチウムイオン二次電池としても、高いエネルギー密度が要求される製品仕様には対応できないという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高容量であり、充放電サイクル特性が良好なリチウムイオン二次電池用非水電解液およびリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、非水電解液に特定のリン含有化合物を添加することによって、上記目的を達成するために極めて有効であることを見出した。
【0011】
本発明にかかるリチウムイオン二次電池用非水電解液は、電解質と、非水溶媒として鎖状カーボネート及び環状カーボネートと、下記一般式(I)で表されるリン含有化合物と、を含有することを特徴とする。
【化1】
(ただし、式(I)中、R、R、R、R、R、Rは、ハロゲン基または、炭素数が2から4のアルコキシ基のいずれかを示し、前記ハロゲン基と前記アルコキシ基はいずれも3つずつ有する。)
【0012】
一般的な非水電解液においては充放電サイクルに伴い、非水電解液中の鎖状カーボネートと環状カーボネートが分解しカーボネート変性物が生成され、負極表面に繰り返し堆積することによって被膜が形成されるのに対し、上述の非水電解液は、リン含有化合物に含まれる求核性の高いハロゲン基がカーボネート変性物と置換することによって、カーボネート変性物の被膜成長を抑制し、優れた充放電サイクル特性を実現できるものと推察する。
【0013】
本発明にかかるリチウムイオン二次電池用非水電解液は、前記一般式(I)中のR、R、R、R、R、Rのうち、R、R、Rがハロゲン基であることが好ましい。
【0014】
前記R、R、Rがハロゲン基であることによって、対称性の高い分子構造を持つため、非水電解液中でのリン含有化合物の分解反応を抑制し、優れた充放電サイクル特性を実現できるものと推察する。
【0015】
本発明にかかるリチウムイオン二次電池用非水電解液は、前記ハロゲン基がフッ素であることが好ましい。
【0016】
前記R、R、Rがフッ素であることによって、カーボネート変性物と置換脱離したフッ素がフッ化リチウムとなり負極表面に堆積し、非水電解液に対して安定な被膜として機能し、非水電解液中の鎖状カーボネートと環状カーボネートが分解を抑制し、優れた充放電サイクル特性を実現できるものと推察する。
【0017】
本発明にかかるリチウムイオン二次電池用非水電解液は、前記非水電解液中に、下記一般式(II)で表されるリン含有化合物を更に含有することが好ましい。
【化2】
(ただし、式(II)中、R、R、R、R10、R11、R12は、ハロゲン基または、炭素数が2から4のアルコキシ基のいずれかを示し、前記ハロゲン基を5つ有し、前記アルコキシ基を1つ有する。)
【0018】
この様な構成によれば、アルコキシ基の立体障害により、構造の異なるリン含有化合物中のハロゲン基は、分子量の異なるカーボネート変性物と各々置換可能になるため、よりカーボネート変性物の生成を抑制できるためではないかと推察される。
【0019】
本発明にかかるリチウムイオン二次電池用非水電解液は、前記リン含有化合物の総量が、非水溶媒に対し、5体積%以上、15体積%以下であることが好ましい。
【0020】
本発明にかかるリチウムイオン二次電池用非水電解液は、前記一般式(II)で表されるリン含有化合物が、下記一般式(III)であることが好ましい。
【化3】
【0021】
詳細なメカニズムについては明確に解明されていないが、非水電解液中に上記一般式(III)のリン含有化合物を含有させることによって、前記一般式(I)で表されるリン含有化合物よりも前記一般式(II)で表されるリン含有化合物は立体障害が少ないことから、前記一般式(I)で表されるリン含有化合物と比較し、大きな分子量のカーボネート変性物を置換することができ、またリン含有化合物の分極も大きいものと推察され、前記一般式(II)で表されるリン含有化合物は高い置換性によって充放電サイクル初期の電解液変性を抑制し、前記一般式(II)で表されるリン含有化合物は、充放電サイクル中の非水電解液変性を抑制しているのではないかと推察している。
【0022】
本発明にかかるリチウムイオン二次電池用非水電解液は、前記一般式(III)で表されるリン含有化合物が、非水溶媒に対し、5体積%以上、10体積%以下であることが好ましい。
【0023】
上述した非水電解液を備えるリチウムイオン二次電池は、上記本発明の非水電解液を備えることにより、充放電サイクル特性が向上されたものとなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、高容量で、充放電サイクル特性が良好なリチウムイオン二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の模式断面図である。
図2】本実施形態にかかるリン含有化合物の構造式である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
【0027】
(リチウムイオン二次電池)
図1に示すように、本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池100は、互いに対向する板状の負極20及び板状の正極10と、負極20と正極10との間に隣接して配置される板状のセパレータ18と、を備える積層体30と、リチウムイオンを含む非水電解液と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、負極20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出される負極リード60と、正極10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出される正極リード62とを備える。
【0028】
負極20は、負極集電体22と、負極集電体22上に形成された負極活物質層24と、
を有する。また、正極10は、正極集電体12と、正極集電体12上に形成された正極活物質層14とを有する。
【0029】
(負極)
本実施形態の負極20は、負極集電体22の片面または両面に、負極活物質を含む負極活物質層24が形成された構造を有している。負極活物質層24は、負極活物質、バインダー、導電助剤及び溶媒を含む塗料を負極集電体22上に塗布し、負極集電体22上に塗布された塗料中の溶媒を除去することにより製造することができる。
【0030】
(負極活物質)
上記の負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等)、MCF(メソカーボンファイバ)等の炭素材やアルミニウム、シリコン、スズ等のリチウムと化合物を形成することのできる金属とその酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)などが用いられる。
【0031】
黒鉛に代表される層状の炭素材を用いる場合には、層間距離d002が0.335〜0.338nmであり、かつ、炭素材の結晶子の大きさL002が30〜120nmであるものが、良好な負極容量及びサイクル特性を示すことから好ましい。このような条件を満たす炭素材としては、人造黒鉛、MCF等が挙げられる。なお、前記層間距離d002及び結晶子の大きさL002は、X線回折法により求めることができる。
【0032】
また、負極活物質としてシリコン(Si)を含有する場合が好ましく、シリコン単体またはシリコン含有化合物であることが好ましい。シリコン含有化合物としては、シリコン酸化物が好ましく、その酸化物は、一酸化シリコン(SiO)、二酸化シリコン(SiO)などを用いることができる。また、これら材料を単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
負極活物質としてシリコンを含有することにより、高容量な負極を得ることができる。
【0034】
さらに負極活物質は黒鉛等の炭素材とシリコンを混合させてもよい。シリコンがリチウムを吸蔵した場合に発生する体積膨張を炭素材が緩和し、シリコン含有化合物単独よりも優れたサイクル特性を得ることができる。
【0035】
(バインダー)
バインダーは、活物質同士を結合すると共に、負極活物質と集電体22とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであれば特に限定されない。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリル酸樹脂等を用いることができる。
【0036】
負極活物質層24中のバインダーの含有量は特に限定されないが、活物質、導電助剤及びバインダーの質量の和を基準にして、1〜30質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
【0037】
(導電助剤)
導電助剤としては負極活物質層24の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、アセチレンブラック、ケッチェンブラックに代表されるカーボンブラック等の公知の導電助剤を使用することができる。
【0038】
負極活物質層24中の導電助剤の含有量も特に限定されないが、添加する場合には通常、負極活物質、導電助剤及びバインダーの質量の和を基準にして、1〜10質量%であることが好ましい。
【0039】
(負極集電体)
負極集電体22は、導電性の板材で厚みの薄いものであることが好ましく、厚みが8〜30μmの金属箔であることが好ましい。負極集電体22は、リチウムと合金化しない材料から形成されていることが好ましく、特に銅箔が好ましく利用できる。
【0040】
銅箔としては電解銅箔であっても圧延銅箔であっても良いが、電解銅箔が好ましく利用できる。ここで電解銅箔とは、例えば、銅イオンが溶解された電解液中に金属製のドラムを浸漬し、これを回転させながら電流を流すことにより、ドラムの表面に銅を析出させ、これを剥離して得られる銅箔のことであり、また、圧延銅箔は鋳造した銅塊を所望の厚さに圧延することによって製造される銅箔である。
【0041】
また上述した通り、負極活物質層24を負極集電体22上に塗布、形成するにあたり使用される塗料の溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
【0042】
塗布方法としては、特に制限はなく、一般的に電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
【0043】
負極集電体22上に塗布された塗料中の溶媒を除去する方法は特に限定されず、塗料が塗布された負極集電体22を、例えば80℃〜150℃で乾燥させればよい。
【0044】
そして、このようにして負極活物質層24が形成された負極20を、その後、必要に応じて例えば、ロールプレス装置等によりプレス処理すればよい。ロールプレスの線圧は例えば、100〜3000kgf/cmとすることができる。
【0045】
(非水電解液)
非水電解液は、電解質と、非水溶媒として鎖状カーボネート及び環状カーボネートと、下記一般式(I)で表されるリン含有化合物と、を含有することを特徴とする。
【化4】

(ただし、式(I)中、R、R、R、R、R、Rは、ハロゲン基または、炭素数が2から4のアルコキシ基のいずれかを示し、前記ハロゲン基と前記アルコキシ基はいずれも3つずつ有する。)
【0046】
非水電解液における前記一般式(I)のリン含有化合物は、前記一般式(I)中のR、R、R、R、R、Rのうち、R、R、Rがハロゲン基であることが好ましい。
【0047】
前記R、R、Rがハロゲン基であることによって、対称性の高い分子構造を持つため、非水電解液中でのリン含有化合物の分解反応を抑制し、優れた充放電サイクル特性を実現できるものと推察する。
【0048】
非水電解液における前記一般式(I)のリン含有化合物は、前記一般式(I)中のR、R、Rのハロゲン基はフッ素であることが好ましい。
【0049】
前記R、R、Rがフッ素であることによって、カーボネート変性物と置換脱離したフッ素がフッ化リチウムとなり負極表面に堆積し、非水電解液に対して安定な被膜として機能し、非水電解液中の鎖状カーボネートと環状カーボネートが分解を抑制し、優れた充放電サイクル特性を実現できるものと推察する。
【0050】
前記非水電解液中には、上述した一般式(I)で表されるリン含有化合物の他に、下記一般式(II)で表されるリン含有化合物を更に含有することが好ましい。
【化5】

(ただし、式(II)中、R、R、R、R10、R11、R12は、ハロゲン基または、炭素数が2から4のアルコキシ基のいずれかを示し、前記ハロゲン基を5つ有し、前記アルコキシ基を1つ有する。)
【0051】
この様な構成にすることにより、アルコキシ基の立体障害によりハロゲン基が置換可能なカーボネート変性物の大きさが異なるため、構造の異なる複数のリン含有化合物を含むことによって、よりカーボネート変性物の生成を抑制できるためではないかと推察される。
【0052】
前記リン含有化合物は、一般式(I)で表されるリン含有化合物と一般式(II)で表されるリン含有化合物とを混合した場合であってもその総量が、非水溶媒に対し、5体積%以上、15体積%以下であることが好ましい。この様な量に制限することにより更に優れた充放電サイクル特性となる。
【0053】
また一般式(II)で表されるリン含有化合物は、下記一般式(III)であることが最も好ましい。
【化6】
【0054】
また、一般式(III)で表されるリン含有化合物は、非水溶媒に対し、5体積%以上、10体積%以下であることが好ましい。この様な量に制限することにより更に優れた充放電サイクル特性となる。
【0055】
(非水溶媒)
非水電解液に含まれる非水溶媒として、環状カーボネートおよび鎖状カーボネートが用いられるが、環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートなどを用いることができ、中でもエチレンカーボネートを含むことが好ましい。エチレンカーボネートをプロピレンカーボネートやブチレンカーボネートと混合して使用してもよい。
【0056】
また、鎖状カーボネートとして、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが挙げられ、この中から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、ジエチルカーボネートを含むことがより好ましい。その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、1、2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどを混合して使用してもよい。
【0057】
非水溶媒中の環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして1:9〜1:1にすることが好ましい。
【0058】
(電解質)
電解質としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、Li1212−x(ZはH、Cl、Brから選ばれ、xは4以上12以下である)等が挙げられ、2種以上を混合して用いてもよい。特に、導電性の観点から、LiPFを含むことが好ましい。
【0059】
LiPFを非水溶媒に溶解する際は、非水電解液中の電解質の濃度を、0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましい。電解質の濃度が0.5mol/L以上であると、非水電解液の導電性を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすい。また、電解質の濃度が2.0mol/L以内に抑えることで、非水電解液の粘度上昇を抑え、リチウムイオンの移動度を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすくなる。
【0060】
LiPFをその他の電解質と混合する場合にも、非水電解液中のリチウムイオン濃度が0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましく、LiPFからのリチウムイオン濃度がその50mol%以上含まれることがさらに好ましい。
【0061】
(正極)
本実施形態の正極10は、正極集電体12の片面または両面に、正極活物質を含む正極活物質層14が形成された構造を有している。正極活物質層14は、負極と同様に、正極活物質、バインダー、導電助剤及び溶媒を含む塗料を正極集電体12上に塗布し、正極集電体12上に塗布された塗料中の溶媒を除去することにより製造することができる。
【0062】
(正極活物質)
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な酸化物、硫化物又が挙げられ、これらのいずれか1種又は2種以上が用いられる。具体的には、リチウムを含有しない金属硫化物及び金属酸化物、並びに、リチウムを含有するリチウム複合酸化物が挙げられる。
【0063】
具体的な例としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z=1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、V、VOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)等の複合金属酸化物が挙げられる。
【0064】
(正極集電体)
正極集電体12は、リチウムイオン二次電池用の集電体に使用されている各種公知の金属箔を用いることができる。具体的には、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
【0065】
その他の正極活物質材料以外の各構成要素(導電助剤、バインダー)は、負極20で使用されるものと同様の物質を使用することができる。
【0066】
(セパレータ)
セパレータ18は絶縁性の多孔体から形成されていれば、材料、製法等は特に限定されず、リチウムイオン二次電池に用いられている公知のセパレータを使用することができる。例えば、絶縁性の多孔体としては、公知のポリオレフィン樹脂、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどを重合した結晶性の単独重合体または共重合体が挙げられる。これらの単独重合体または共重合体は、1種を単独で使用することができるが、2種以上のものを混合して用いてもよい。また、単層であっても複層であってもよい。
【0067】
ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
【0068】
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
【0069】
作製した正極10及び負極20に対して、リード62、60をそれぞれ電気的に接続する。その正極10と負極20との間にセパレータ18を配置し、積層体30が完成する。更にその積層体30を上述した非水電解液と共にケース50内に収納すれば、リチウムイオン二次電池100が完成する。
【0070】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、リチウムイオン二次電池は図1に示した形状のものに限定されず、コイン形状に打ち抜いた電極とセパレータとを積層したコインタイプや、電極シートとセパレータとをスパイラル状に巻回したシリンダータイプ等であってもよい。
【0071】
作製したリチウムイオン二次電池について、以下の方法によって、評価した。
【0072】
(充放電サイクル特性の測定)
二次電池充放電試験装置を用いて、電圧範囲を2.5Vから4.2Vまでとし、電流密度をSiを含有する粒子の可逆容量を1330mAh/gとし、炭素材の可逆容量を330mAh/gとして1C容量を求め、0.5Cにて充電、1Cにて放電を行い、充放電サイクル特性の評価を行った。この充放電サイクル特性の評価を放電容量維持率(%)として表し、放電容量維持率(%)は、1サイクル目の放電容量を初期放電容量とし、初期放電容量に対する所定サイクル数における放電容量の割合であり以下の式で表される。
【数1】
この放電容量維持率が高いほど、充放電サイクル特性が良好であることを意味する。なお、以下に示す実施例の所定サイクル数は500サイクルとした。
【実施例】
【0073】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。
【0074】
以下に示す手順により実施例1−1〜1−25、2−1〜2−11、3−1〜3−11、4−1〜4−11、5−1〜5−11、比較例1−1〜1−7、2−1〜2−2、3−1〜3−2、4−1〜4−2、5−1〜5−2のリチウムイオン二次電池用非水電解液及びリチウムイオン二次電池を作製した。また各リチウムイオン二次電池の評価を表1〜5に示す。
【0075】
なお、リン含有化合物の具体的分子構造を表中の構造の欄に示した。具体的な式(A)〜(O)に対応する構造は以下に示す通りである。
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】
【0076】
[実施例1−1]
(負極の作製)
負極活物質として、SiとSiOをSi/SiO=1/2(重量比)で混合し、遊星ボールミルを用いて粉砕混合を行ったものを使用した。遊星ボールミルのメディアとして直径3mmのアルミナビーズを用い、回転数は500rpmとし、粉砕混合時間は60minとした。
負極活物質として前記SiとSiOの混合物を80質量部及び導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部、バインダーとしてポリアミドイミドを15質量部とを混合して負極合剤とした。続いて、負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の負極合剤塗料とした。この塗料を、厚さ10μmの電解銅箔の一面に、負極活物質の塗布量が3.3mg/cmとなるように塗布し、100℃で乾燥することで負極活物質層を形成した。その後、線圧1000kgf/cmでローラープレスにより加圧成形し、真空中、真空中、270〜350℃で1〜3時間熱処理し、厚みが67μmの負極を作製した。
(正極の作製)
正極活物質としてLiNi0.85Co0.10Al0.05を90質量部と、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを5質量部とを混合して正極合剤とした。続いて、正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の正極合剤塗料とした。この塗料を、厚さ20μmのアルミニウム箔の一面に、正極活物質の塗布量が20.4mg/cmとなるように塗布し、100℃で乾燥することで正極活物質層を形成した。その後、ローラープレスにより加圧成形し厚みが132μmの正極を作製した。
なお、得られた負極および正極を用いて18650サイズのリチウムイオン二次電池を作製した場合、830Wh/Lの体積エネルギー密度を得ることができる。
(非水電解液の調製)
環状カーボネートとしてエチレンカーボネート、鎖状カーボネートとしてジメチルカーボネート、第一のリン含有化合物と第二のリン含有化合物を体積比30:61.5:0.5:8で混合した溶液中に、電解質としてLiPF6を1.0mol/Lの割合で添加して非水電解液を得た。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した負極と正極を、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んでアルミラミネートパックに入れ、ドライルームに設置した真空オーブンを用いて、60℃20時間の真空乾燥を行ったのち、上記で作製した電解液を注入した後、真空シールし、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
【0077】
[実施例1−2〜1−25]
非水溶媒中の第一および第二のリン含有化合物を表1に示すように変えた以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−2〜1−25のリチウムイオン二次電池を作製した。なお、非水溶媒中におけるエチレンカーボネートの体積比は30体積%とし、ジメチルカーボネートの体積比は第一および第二のリン含有化合物との和が70体積%となるよう適宜調整を行った。また、−は、第一または第二のリン含有化合物が含有されていないことを示す。
【0078】
[比較例1−1〜1−7]
非水溶媒中の第一および第二のリン含有化合物を表1に示すように変えた以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−1〜1−7のリチウムイオン二次電池を作製した。
【0079】
[実施例2−1]
(負極の作製)
負極活物質として前記SiとSiOの混合物と人造黒鉛の混合し、負極合剤として前記SiとSiOの混合物を58質量部及び人造黒鉛を22質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部、バインダーとしてポリアミドイミドを15質量部とし、負極活物質の塗布量が4.3mg/cmとなるように塗布したこと以外は実施例1−1と同様にして実施例2−1の負極を作製した。得られた負極を用いて、実施例1−1と同様にして実施例2−1のリチウムイオン二次電池を作製した。
なお、得られた実施例2−1負極および実施例1−1の正極を用いて18650サイズのリチウムイオン二次電池を作製した場合、780Wh/Lの体積エネルギー密度を得ることができる。
【0080】
[実施例2−2〜2−11]
非水溶媒中の第一および第二のリン含有化合物を表1に示すように変えた以外は、実施例2−1と同様にして実施例2−2〜2−11のリチウムイオン二次電池を作製した。
【0081】
[比較例2−1および2−2]
非水溶媒中の第一および第二のリン含有化合物を表1に示すように変えた以外は、実施例2−1と同様にして比較例2−1および2−2のリチウムイオン二次電池を作製した。
【0082】
[実施例3−1]
(負極の作製)
負極活物質として前記SiとSiOの混合物と人造黒鉛の混合し、負極合剤として前記SiとSiOの混合物を16質量部及び人造黒鉛を64質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部、バインダーとしてポリアミドイミドを15質量部とし、負極活物質の塗布量が8.7mg/cmとなるように塗布したこと以外は実施例1−1と同様にして実施例3−1の負極を作製した。得られた負極を用いて、実施例1−1と同様にして実施例3−1のリチウムイオン二次電池を作製した。
なお、得られた実施例3−1負極および実施例1−1の正極を用いて18650サイズのリチウムイオン二次電池を作製した場合、700Wh/Lの体積エネルギー密度を得ることができる。
【0083】
[実施例3−2〜3−11]
非水溶媒中の第一および第二のリン含有化合物を表1に示すように変えた以外は、実施例3−1と同様にして実施例3−2〜3−11のリチウムイオン二次電池を作製した。
【0084】
[比較例3−1および3−2]
非水溶媒中の第一および第二のリン含有化合物を表1に示すように変えた以外は、実施例3−1と同様にして比較例3−1および3−2のリチウムイオン二次電池を作製した。
【0085】
[実施例4−1]
(負極の作製)
負極合剤として人造黒鉛を85質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを2質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を13質量部とし、負極活物質の塗布量が14.7mg/cmとなるように塗布したこと以外は実施例1−1と同様にして実施例3−1の負極を作製した。得られた負極を用いて、実施例1−1と同様にして実施例3−1のリチウムイオン二次電池を作製した。
なお、得られた実施例3−1負極および実施例1−1の正極を用いて18650サイズのリチウムイオン二次電池を作製した場合、620Wh/Lの体積エネルギー密度を得ることができる。
【0086】
[実施例4−2〜4−11]
非水溶媒中の第一および第二のリン含有化合物を表1に示すように変えた以外は、実施例4−1と同様にして実施例4−2〜4−11のリチウムイオン二次電池を作製した。
【0087】
[比較例4−1および4−2]
非水溶媒中の第一および第二のリン含有化合物を表1に示すように変えた以外は、実施例4−1と同様にして比較例4−1および4−2のリチウムイオン二次電池を作製した。
【0088】
[実施例5−1]
(負極の作製)
負極活物質として実施例1−1で用いたSiを遊星ボールミルを用いて粉砕したものを使用した。遊星ボールミルのメディアとして直径3mmのアルミナビーズを用い、回転数は500rpmとし、粉砕混合時間は60minとした。負極合剤として前記Siの粉砕物を負極活物質として80質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部、バインダーとしてポリアミドイミドを15質量部とし、負極活物質の塗布量が1.5mg/cmとなるように塗布したこと以外は実施例1−1と同様にして実施例5−1の負極を作製した。得られた負極を用いて、実施例1−1と同様にして実施例5−1のリチウムイオン二次電池を作製した。
なお、得られた実施例5−1負極および実施例1−1の正極を用いて18650サイズのリチウムイオン二次電池を作製した場合、890Wh/Lの体積エネルギー密度を得ることができる。
【0089】
[実施例5−2〜5−11]
非水溶媒中の第一および第二のリン含有化合物を表1に示すように変えた以外は、実施例5−1と同様にして実施例5−2〜5−11のリチウムイオン二次電池を作製した。
【0090】
[比較例5−1および5−2]
非水溶媒中の第一および第二のリン含有化合物を表1に示すように変えた以外は、実施例5−1と同様にして比較例5−1および5−2のリチウムイオン二次電池を作製した。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
【0096】
表1の実施例1−1から1−11の結果から、第一および第二のリン含有化合物を含む電解液を用いることで、 充放電サイクルの向上と電池膨れの抑制されたリチウムイオン二次電池が得られた。これはリン含有化合物に含まれる求核性の高いハロゲン基がカーボネート変性物と置換することによって、カーボネート変性物の被膜成長を抑制し、優れた充放電サイクル特性を実現できるものと推察する。
【0097】
表1の実施例1−12から1−15では、第二のリン含有化合物が前述の一般式(III)にて示される化合物とは異なるためと推察されるが、その詳細なメカニズムは解明されていない。
【0098】
表1の実施例1−16から1−19は、第一および第二のリン含有化合物の総量が、非水溶媒に対し、下限を下回っている、または上限を上回っているため、十分な充放電サイクル特性が得られなかったと推測される。
【0099】
表1の実施例1−20および1−21は、非水電解液中に第二のリン含有化合物を含有していなかったため十分な充放電サイクル特性が得られなかったと推測される。
【0100】
表1の実施例1−20および1−21は、非水電解液中に第二のリン含有化合物を含有していなかったため、十分な充放電サイクル特性が得られなかったと推測される。
【0101】
表1の実施例1−22から1−24は、前述の一般式(I)のリン含有化合物のRのハロゲン基がフッ素でないためリン含有化合物自体の分解反応が起こったことや、フッ化リチウムの生成が十分でなかったため、十分な充放電サイクル特性が得られなかったと推測される。
【0102】
表1の実施例1−25は、前述の一般式(I)のリン含有化合物の分子構造の対称性が低く、リン含有化合物自体の分解反応が起こったため、十分な充放電サイクル特性が得られなかったと推測される。
【0103】
比較例1−1から1−7は、非水電解液中に前述の一般式(I)で表されるリン含有化合物が含有されていなかったため、十分な充放電サイクル特性が得られなかったと推測される。
【0104】
表2、表3、表4、表5については、表1で示した傾向と同じく、第一のリン含有化合物または、第一および第二のリン含有化合物を含む電解液を用いることで、充放電サイクル特性の向上と高容量であるリチウムイオン二次電池が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明によって、高容量であり、充放電サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
【符号の説明】
【0106】
10…正極、12…正極集電体、14…正極活物質層、18…セパレータ、20…負極、22…負極集電体、24…負極活物質層、30…積層体、50…ケース、60,62…リード、100…リチウムイオン二次電池
図1
図2