(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6354522
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】カップ部付き衣類
(51)【国際特許分類】
A41C 3/00 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
A41C3/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-221812(P2014-221812)
(22)【出願日】2014年10月30日
(65)【公開番号】特開2016-89287(P2016-89287A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】306033379
【氏名又は名称】株式会社ワコール
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】岡 葉子
【審査官】
北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−227525(JP,A)
【文献】
米国特許第03537279(US,A)
【文献】
特開2013−185271(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/176283(WO,A1)
【文献】
特表2005−533197(JP,A)
【文献】
実開昭49−010735(JP,U)
【文献】
実開平05−062512(JP,U)
【文献】
米国特許第5037348(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0134567(US,A1)
【文献】
特開2004−204392(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0166375(US,A1)
【文献】
特開2005−281944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41C 3/00 − 3/14
A41D 1/22
A41B 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスト上部に対応する上カップ部と、バスト下部に対応する下カップ部と、を有する左右一体のカップ部を備え、
前記上カップ部には、前記下カップ部の伸長回復力よりも前記上カップ部の伸長回復力を大きくするパネル部が設けられ、
前記パネル部の下縁部は、上方に凸となる湾曲形状をなすと共に、前記カップ部の左右の脇縁部を繋ぐように延在しているカップ部付き衣類。
【請求項2】
前記カップ部は、表側布及び裏側布によって構成され、
前記パネル部は、前記下カップ部の伸長回復力よりも大きい伸長回復力を有する素材によって形成されると共に、前記表側布と前記裏側布との間に配置され、
前記パネル部の下縁部は、前記カップ部に対して非結合となっている請求項1記載のカップ部付き衣類。
【請求項3】
前記パネル部の下縁部は、前記カップ部のバストトップ位置よりも上側を通るように延在している請求項1又は2記載のカップ部付き衣類。
【請求項4】
前記パネル部の左右の脇縁部は、前記カップ部の左右の脇縁部に沿って延在している請求項1〜3のいずれか一項記載のカップ部付き衣類。
【請求項5】
前記カップ部の左右の脇縁部を連結するバック部と、
前記カップ部と前記バック部とを連結するストラップ部と、を更に備え、
前記パネル部の上縁部は、前記カップ部と前記ストラップ部との連結部分から離間している請求項1〜4のいずれか一項記載のカップ部付き衣類。
【請求項6】
前記カップ部のバストトップ位置を通るように、前記カップ部の上縁部と前記カップ部の下縁部との間で延在するパネル部が更に設けられている請求項1〜5のいずれか一項記載のカップ部付き衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ部付き衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカップ部付き衣類として、運動時に着用するタイプのブラジャーがある。このようなタイプのブラジャーは、一般に、運動時の体の動きによって生じるバストの揺れを抑える機能を有している。例えば特許文献1に記載のハーフトップでは、前身頃の表側に肩紐からアンダーベルトにかけて略Y字に形成されたフロント布部を設けると共に、後身頃の裏側に肩紐からアンダーベルトにかけて略Y字に形成されたバック布部を設けている。また、フロント布部及びバック布部の緊締力を前身頃及び後身頃に対して大きくし、フロント布部及びバック布部の伸長性を前身頃及び後身頃に対して小さくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3186389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述した特許文献1のようなカップ部付き衣類の構成では、左右に独立したカップ部を設けると共に、略Y字に形成されたフロント布部をカップ部に対して設けているので、構成が複雑化してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、簡単な構成で着用者のバストの揺れを効果的に抑制できるカップ部付き衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決のため、本発明の一側面に係るカップ部付き衣類は、バスト上部に対応する上カップ部と、バスト下部に対応する下カップ部と、を有する左右一体のカップ部を備え、上カップ部には、下カップ部の伸長回復力よりも上カップ部の伸長回復力を大きくするパネル部が設けられ、パネル部の下縁部は、上方に凸となる湾曲形状をなすと共に、カップ部の左右の脇縁部を繋ぐように延在している。
【0007】
このカップ部付き衣類では、左右一体のカップ部の両脇部分をつなぐようにパネル部を設けているので、構成の簡単化が図られている。このカップ部付き衣類では、着用状態においてカップ部の脇縁部が外側に広がると、左右の脇縁部を繋ぐように延在しているパネル部の下縁部が左右に引っ張られる。この引っ張り力がパネル部の下縁部に作用すると、上方に凸となる湾曲形状をなしていたパネル部の下縁部が直線形状に近づくように変形し、これに伴って、上カップ部においてカップ部の裏側(着用者のバスト側)方向に力が作用する。これにより、着用者の左右のバスト上部が下カップ部よりも伸長回復力の大きい上カップ部によってしっかりと押さえられ、着用者のバストの揺れを効果的に抑制できる。
【0008】
また、カップ部は、表側布及び裏側布によって構成され、パネル部は、下カップ部の伸長回復力よりも大きい伸長回復力を有する素材によって形成されると共に、表側布と裏側布との間に配置され、パネル部の下縁部は、カップ部に対して非結合となっていてもよい。この場合、パネル部がカップ部の内部に配置されるので、カップ部付き衣類の外観への影響を軽減できる。また、パネル部の下縁部をカップ部に対して非結合とすることにより、パネル部の変形が十分に許容され、着用時に上カップ部においてカップ部の裏側方向に作用する力をより確実に生じさせることが可能となる。
【0009】
また、パネル部の下縁部は、カップ部のバストトップ位置よりも上側を通るように延在していてもよい。このような構成であっても、上カップ部においてカップ部の裏側方向に力が作用することによってバスト上部が十分な面積で押さられるので、バストの揺れの抑制効果が十分に奏される。一方、パネル部がバストトップを押さえないようにすることで、着用時のバストの締付感を低減できる。
【0010】
また、パネル部の左右の脇縁部は、カップ部の左右の脇縁部に沿って延在していてもよい。この場合、パネル部によってバスト脇部が十分な面積で押さえられるので、バストの揺れを一層効果的に抑制できる。
【0011】
また、カップ部の左右の脇縁部を連結するバック部と、カップ部とバック部とを連結するストラップ部と、を更に備え、パネル部の上縁部は、カップ部とストラップ部との連結部分から離間していてもよい。これにより、上カップ部におけるカップ部の裏側方向への力の作用がストラップ部の引き上げ力によって阻害されることを抑制できる。また、パネル部の上縁部がバスト上部の形状に沿い易くなるので、着用感を向上できる。
【0012】
また、カップ部のバストトップ位置を通るように、カップ部の上縁部とカップ部の下縁部との間で延在するパネル部が更に設けられていてもよい。こうすると、着用者のバストトップがカップ部から透けてしまうことを防止できる。また、パネル部がバストの前後の揺れを抑えるので、バストの揺れの軽減効果を強化できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一側面に係るカップ部付き衣類によれば、簡単な構成で着用者のバストの揺れを効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係るカップ部付き衣類の一実施形態を示す正面図である。
【
図2】
図1に示したカップ部付き衣類の背面図である。
【
図3】
図1に示したカップ部付き衣類の着用状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るカップ部付き衣類の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るカップ部付き衣類の一実施形態を示す正面図である。また、
図2は、その背面図である。
図1及び
図2に示すように、カップ部付き衣類1は、例えば女性用のブラジャーとして構成されている。カップ部付き衣類1は、運動時に着用するタイプのブラジャーであり、運動を阻害しないように着用者のバストの揺れを抑制する機能を有している。なお、本実施形態では、比較的バストサイズの小さい着用者に合わせたブラジャーの構成を例示する。
【0017】
カップ部付き衣類1は、左右一体のカップ部2と、カップ部2の左右の脇縁部12,12同士を連結するバック部3と、カップ部2とバック部3とを連結するストラップ部4とによって構成されている。
【0018】
カップ部2は、人体のバスト形状に対応し、前方に凸状となる立体形状をなしている。カップ部2は、例えば合成繊維や天然繊維の織物・編物といった素材からなる表側布6及び裏側布7によって形成されている。表側布6及び裏側布7を形成する素材としては、例えばベア天竺、フライス、トリコットなどが挙げられる。表側布6と裏側布7とは、互いの周縁部同士を縫着することによって結合され、表側布6と裏側布7との間には、後述する第1のパネル部21と第2のパネル部31とを配置する空間が形成されている。
【0019】
カップ部2の上縁部11は、前中心A側で凹状に湾曲する湾曲部分11aと、湾曲部分11aの脇側に延在してストラップ部4に連結される連結部分11bとを有している。カップ部2の脇縁部12は、腕の動きを阻害することが無いように中心側に向かって緩やかな凹状に湾曲する湾曲部分12aと、湾曲部分12aの下端から下方に延在してバック部3に連結される連結部分12bとを有している。カップ部2の下縁部13は、連結部分12bの下端同士を結ぶように直線状に延在している。
【0020】
バック部3は、例えばパワーネットなどの伸縮性を有する素材によって形成されている。バック部3は、
図2に示すように、カップ部2における左右の脇縁部12の連結部分12b同士を繋ぐように、カップ部2の背面側で帯状に延びている。バック部3の上縁側は、左右のストラップ部4に対応し、後中心Bについて対称に上方に向かって二股に形成されている。なお、バック部3は、表側布6及び裏側布7と同等の素材によって形成されていてもよい。
【0021】
ストラップ部4は、例えば表側布6と同等の素材にパワーネットを裏打ちすることによって形成されている。ストラップ部4は、例えば織物のような布地を帯状に成形、縫製して形成されていてもよい。ストラップ部4は、長手方向に伸縮性を有していることが好適である。ストラップ部4は、
図1及び
図2に示すように、カップ部2とバック部3との間に掛け渡され、いわゆる肩紐を構成している。ストラップ部4の一端は、カップ部2における上縁部11の連結部分11bに連結され、ストラップ部4の他端は、バック部3の上縁側において、二股部分の先端部分に連結されている。
【0022】
続いて、上述したカップ部2の構成について更に詳細に説明する。
【0023】
カップ部2は、
図1及び
図2に示すように、表側布6と裏側布7との間の空間内に、第1のパネル部21と、第2のパネル部31とを有している。本実施形態では、空間内において、第1のパネル部21が表側布6側に位置し、第2のパネル部31が裏側布7側に位置している。また、第1のパネル部21と第2のパネル部31とは、互いにフリー(非縫着状態)となっている。
【0024】
第1のパネル部21及び第2のパネル部31は、いずれも表側布6及び裏側布7よりも伸長回復力の大きい素材によって形成されている。本実施形態において「伸長回復力が大きい」とは、「伸長力が大きい」若しくは「回復性が高い」ことを指している。第1のパネル部21及び第2のパネル部31を形成する素材としては、例えばサテンパワーネット、パワーネット、ダブルラッセル、ウレタンシートなどが挙げられる。第1のパネル部21及び第2のパネル部31は、同一の素材によって形成されていてもよく、異なる素材によって形成されていてもよい。伸長力は、JIS L1096 織物及び編み物の生地試験方法により計測でき、回復性は、風合い計測技術KESシステムにより計測できる。
【0025】
第1のパネル部21は、
図1に示すように、カップ部2のうち、バスト上部に対応する上カップ部2Aに対応して配置されている。第1のパネル部21の上縁部22は、全長にわたって下方に凸となるように湾曲した形状となっている。上縁部22の曲率は、カップ部2における上縁部11の湾曲部分11aの曲率よりも小さくなっている。上縁部22の中央部分22aは、カップ部2における上縁部11の湾曲部分11aの中央部分と一定の長さで重なっており、当該重なり部分で湾曲部分11aに縫着されている。
【0026】
また、上縁部22の両脇部分22bは、カップ部2における脇縁部12の湾曲部分12aの上部に延びている。この両脇部分22bは、カップ部2における上縁部11の連結部分11bよりも下方に位置しており、上縁部22は、カップ部2とストラップ部4との連結部分11bから離間した状態となっている。また、両脇部分22bは、カップ部2に対してフリー(非縫着状態)となっている。
【0027】
第1のパネル部21の左右の脇縁部23は、カップ部2の左右の脇縁部12に沿って延在している。より具体的には、脇縁部23は、上縁部22の両脇部分22bから下方に延びてカップ部2における脇縁部12の湾曲部分12aに沿う湾曲部分23aと、湾曲部分23aの下端からカップ部2における脇縁部12の連結部分12bに沿って延びる垂下部分23bとを有している。湾曲部分23aは、湾曲部分12aに縫着され、垂下部分23bは、連結部分12bに縫着されている。
【0028】
第1のパネル部21の下縁部24は、全長にわたって上方に凸となるように湾曲形状をなすと共に、カップ部2の左右の脇縁部12,12を繋ぐように延在している。より具体的には、下縁部24は、カップ部2のバストトップ位置T(
図1参照)よりも上側を通るように垂下部分23b,23b間に延在している。下縁部24の曲率は、例えば上縁部22の曲率と略同等となっている。また、下縁部24は、全長にわたってカップ部2に対してフリー(非縫着状態)となっている。
【0029】
第2のパネル部31は、
図1に示すように、帯状をなし、カップ部2の左右にそれぞれ配置されている。第2のパネル部31,31は、上方側から下方側に向かうほど互いの位置が離間するように裾広がりに配置され、カップ部2のバストトップ位置Tを通るようにカップ部2の上縁部11と下縁部13との間で延在している。第2のパネル部31の幅は、バストトップ位置Tが第2のパネル部31の領域内に位置し、かつ第1のパネル部21の伸長回復性が阻害されない範囲で任意に設定されている。
【0030】
第2のパネル部31の上端部32は、カップ部2における上縁部11の湾曲部分11aに縫着され、第2のパネル部31の下端部33は、カップ部2の下縁部13に縫着されている。また、第2のパネル部31の幅方向の側縁部34は、カップ部2に対してフリー(非縫着状態)となっている。なお、上端部32は、第1のパネル部21における上縁部22の中央部分22aと一部が重なった状態であってもよい。
【0031】
以上のような構成を有するカップ部付き衣類1では、左右一体のカップ部2の両脇部分をつなぐように第1のパネル部21を設けているので、構成の簡単化が図られている。また、カップ部付き衣類1では、上カップ部には、前記下カップ部の伸長回復力よりも前記上カップ部の伸長回復力を大きくするパネル部が設けられ、
図3に示すように、着用状態においてカップ部2の脇縁部12が外側に広がると、左右の脇縁部12,12を繋ぐように延在している第1のパネル部21の下縁部24が左右に引っ張られる。
【0032】
この引っ張り力が作用すると、上方に凸となる湾曲形状をなしていた第1のパネル部21の下縁部24が直線形状に近づくように変形し、これに伴って、上カップ部2Aにおいてカップ部2の裏側(着用者のバスト側)方向に力が作用する。これにより、着用者の左右のバスト上部が下カップ部2Bよりも伸長回復力の大きい上カップ部2Aによってしっかりと押さえられ、着用者のバストの揺れを効果的に抑制できる。
【0033】
また、カップ部付き衣類1では、表側布6と裏側布7との間に配置された第1のパネル部21が下カップ部2Bの伸長回復力よりも大きい伸長回復力を有する素材によって形成され、第1のパネル部21の下縁部24がカップ部2に対して非縫着となっている。このように、第1のパネル部21をカップ部2の内部に配置することで、カップ部付き衣類1の外観への影響を軽減できる。また、第1のパネル部21の下縁部24をカップ部2に対して非縫着とすることにより、第1のパネル部21の変形が十分に許容され、着用時に上カップ部2Aにおいてカップ部2の裏側方向に作用する力をより確実に生じさせることが可能となる。
【0034】
また、カップ部付き衣類1では、第1のパネル部21の下縁部24がカップ部2のバストトップ位置Tよりも上側を通るように延在している。このような構成においても、上カップ部2Aにおいてカップ部2の裏側方向に力が作用することによってバスト上部が十分な面積で押さられるので、バストの揺れの抑制効果が十分に奏される。一方、第1のパネル部21がバストトップを押さえないようにすることで、着用時のバストの締付感を低減できる。
【0035】
また、カップ部付き衣類1では、第1のパネル部21の左右の脇縁部23,23がカップ部2の左右の脇縁部12,12に沿って延在している。これにより、第1のパネル部21によってバスト脇部が十分な面積で押さえられるので、バストの揺れを一層効果的に抑制できる。
【0036】
また、カップ部付き衣類1では、第1のパネル部21の上縁部22がカップ部2とストラップ部4との連結部分11bから離間している。これにより、上カップ部2Aにおけるカップ部2の裏側方向への力の作用がストラップ部4の引き上げ力によって阻害されることを抑制できる。また、第1のパネル部21の上縁部22がバスト上部の形状に沿い易くなるので、着用感を向上できる。
【0037】
また、カップ部付き衣類1では、カップ部2のバストトップ位置Tを通るように、カップ部2の上縁部11と下縁部13との間で帯状に延在する第2のパネル部31が更に設けられている。この第2のパネル部31により、着用者のバストトップがカップ部2から透けてしまうことを防止できる。また、第2のパネル部31がバストの前後の揺れを抑えるので、バストの揺れの軽減効果を強化できる。
【0038】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、表側布6と裏側布7との間の空間において、第1のパネル部21が表側布6側に位置し、第2のパネル部31が裏側布7側に位置しているが、この配置順は任意であってよい。すなわち、第1のパネル部21が裏側布7側に位置し、第2のパネル部31が表側布6側に位置していてもよい。第2のパネル部31は、必ずしも配置しなくてもよい。第1のパネル部21及び第2のパネル部31は、カップ部2と別体に設ける構成に限られず、例えば表側布6或いは表側布6の編組織を上カップ部2Aと下カップ部2Bとで変えることによって形成してもよい。
【0039】
また、例えば上記実施形態では、第1のパネル部21の下縁部24が全長にわたって上方に凸となる湾曲形状(単一のアーチ)をなしているが、下縁部24は、全体として凸となる湾曲形状をなしていればよい。例えば下縁部24の一部(中央部分など)が直線状となっていてもよく、複数のアーチを含む形状となっていてもよい。また、上記実施形態では、第1のパネル部21の上縁部22が全長にわたって下方に凸となるように湾曲した形状となっているが、上縁部22は、全長にわたって上方に凸となるように湾曲した形状となっていてもよい。
【0040】
第1のパネル部21の下縁部24は、必ずしもカップ部2におけるバストトップ位置Tの上側を通る構成に限られない。すなわち、第1のパネル部21の下縁部24は、バストトップ位置Tを通るように延在していてもよく、バストトップ位置Tの下側を通るように延在していてもよい。第1のパネル部21によって着用者のバスト上部を押さえる力は、第1のパネル部21の面積に比例する。したがって、第1のパネル部21の下縁部24の位置が下方になるほど、着用者のバスト上部を押さえる力を強化が強化される。また、第1のパネル部21の下縁部24の位置が上方になるほど、着用者のバスト上部を押さえる力は弱まるが、着用時のバストの締付感が低減される。
【0041】
また、例えば上記実施形態では、第1のパネル部21の左右の脇縁部23,23がカップ部2の左右の脇縁部12,12に沿って延在しているが、脇縁部23は、必ずしもカップ部2の脇縁部12に沿って延在していなくてもよい。例えば、脇縁部23が上縁部22の両脇部分22bと下縁部24の端部とを結ぶように、脇縁部12よりも内側の位置で中心側に向かって緩やかな凹状に湾曲していてもよい。
【0042】
上記実施形態では、カップ部付き衣類としてブラジャーを例示したが、本発明を適用するカップ部付き衣類としては、ブラジャーの他に、ブラスリップ、ブラキャミソール、ボディスーツなどのファンデーション衣類、水着、レオタードなどが挙げられる。また、カップ部の縫製は、1ダーツ接ぎ、2ダーツ接ぎ、2枚接ぎ、3枚接ぎ、ギャザーのみ、無縫製(成形カップ)など、種々の形態を採り得る。
【符号の説明】
【0043】
1…カップ部付き衣類、2…カップ部、2A…上カップ部、2B…下カップ部、3…バック部、4…ストラップ部、6…表側布、7…裏側布、11…上縁部、11b…連結部分、12…脇縁部、13…下縁部、21…第1のパネル部、22…上縁部、23…脇縁部、24…下縁部、31…第2のパネル部、T…バストトップ位置。