特許第6354675号(P6354675)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6354675
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】自動車用多芯ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20180702BHJP
   H01B 7/18 20060101ALI20180702BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   H01B7/00 301
   H01B7/18 H
   B60R16/02 620Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-126928(P2015-126928)
(22)【出願日】2015年6月24日
(65)【公開番号】特開2017-10851(P2017-10851A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2017年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 健太
【審査官】 和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−135153(JP,A)
【文献】 特開平05−094719(JP,A)
【文献】 特開昭48−065473(JP,A)
【文献】 特開2014−135453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/00
H01B 7/18
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの軸の周りに配置された複数の芯線と、
該複数の芯線を被覆するシースとを有しており、
上記各芯線は、
扇形状または三角形状の断面形状を有する導体部と、
該導体部を被覆する絶縁皮膜と、
上記導体部の断面形状に対応して外表面に形成された平坦面とを有しており、
上記複数の芯線のうち1本以上の芯線における上記絶縁皮膜の内側には、複数の金属が互いに撚り合わされてなる撚線導体と、当該撚線導体を被覆する絶縁皮膜とを備えた細径芯線が配置されており、
上記各芯線の上記平坦面は、隣接する上記芯線の上記平坦面と対面していることを特徴とする自動車用多芯ケーブル。
【請求項2】
上記導体部は、互いに撚り合わされた複数の素線束を有しており、
上記各素線束は、互いに撚り合わされた複数の導体素線から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用多芯ケーブル。
【請求項3】
上記自動車用多芯ケーブルは、車体に設けられた電子制御ユニットと、車輪に設けられた電子部品とを接続するために用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車用多芯ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用多芯ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の駐車時に使用するパーキングブレーキ装置として、モータによりキャリパーを動作させる電動パーキングブレーキ装置の普及が始まっている。電動パーキングブレーキ装置は車輪に取り付けられており、車体側に設けられた電子制御ユニットから多芯ケーブルを介して伝達された信号に基づいてモータが作動するように構成されている。この多芯ケーブルは、互いに撚り合わされた2本の絶縁電線と、2本の絶縁電線を被覆するシースとを有している。(例えば、特許文献1)。また、多芯ケーブルのシース内には、更にABS(アンチロックブレーキシステム)センサ用のケーブル等が配置されていることがある(例えば、特許文献2)。
【0003】
また、近年では、自動車の走行中に制動動作を行うためのフットブレーキ装置を電動化する検討がなされている。そのため、多芯ケーブルのシース内に電子制御ユニットと電動フットブレーキ装置とを接続するケーブルを追加することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−220043号公報
【特許文献2】特開2014−241286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の多芯ケーブルにおいて絶縁電線の本数を単純に増やそうとすると、絶縁電線の数が増えるにつれて外径が太くなり、柔軟性や配索作業における作業性の悪化を招くという問題がある。また、多芯ケーブルの外径が太くなることにより、シースに用いる樹脂の使用量が増加し、材料コストの増大を招いている。
【0006】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、容易に外径を細くすることができる自動車用多芯ケーブルを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ケーブルの軸の周りに配置された複数の芯線と、
該複数の芯線を被覆するシースとを有しており、
上記各芯線は、
扇形状または三角形状の断面形状を有する導体部と、
該導体部を被覆する絶縁皮膜と、
上記導体部の断面形状に対応して外表面に形成された平坦面とを有しており
上記各芯線の上記平坦面は、隣接する上記芯線の上記平坦面と対面していることを特徴とする自動車用多芯ケーブルにある。
本発明の他の態様は、前記の態様の自動車用多芯ケーブルにおいて、
上記複数の芯線のうち1本以上の芯線における上記絶縁皮膜の内側に、複数の金属が互いに撚り合わされてなる撚線導体と、当該撚線導体を被覆する絶縁皮膜とを備えた細径芯線が配置されている、自動車用多芯ケーブルにある。
【発明の効果】
【0008】
上記自動車用多芯ケーブル(以下、単に「多芯ケーブル」という。)は、扇形状または三角形状の断面形状を有する導体部と、該導体部を被覆する絶縁皮膜とを有する複数の芯線を有している。また、上記各芯線は、導体部の断面形状に対応して形成された平坦面を外表面に有している。即ち、上記芯線は、上記導体部の断面形状に対応した扇形状または三角形状の断面形状を有している。
【0009】
上記各芯線は、隣接する上記芯線と平坦面同士が対面するようにして上記多芯ケーブルの軸の周りに配置されている。そのため、例えば上記各芯線が扇形の断面形状を有している場合、これらの集合体は円形の断面形状を有している。また、例えば上記各芯線が三角形の断面形状を有している場合、これらの集合体は、四角形あるいはそれ以上の角を有する多角形の断面形状を有している。
【0010】
このように、上記多芯ケーブルは、上記芯線の集合体の断面形状を円形または円形に近い形状にすることができるため、従来の多芯ケーブルに比べて、上記芯線の集合体の窪みや隙間を容易に小さくすることができる。それ故、上記多芯ケーブルは、外径を容易に細くすることができる。また、上記多芯ケーブルは、上記芯線の集合体の窪みや隙間を小さくすることができるため、上記シースに用いる樹脂の量を容易に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1における、多芯ケーブルの断面図である。
図2】従来の多芯ケーブルの断面図である。
図3参考例1における、扇形状の断面形状を備えた1対の芯線を有する多芯ケーブルの断面図である。
図4参考例2における、三角形状の断面形状を備えた2対の芯線を有する多芯ケーブルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記多芯ケーブルにおいて、上記芯線は、扇形状または三角形状の断面形状を有している。扇形状の断面形状には、扇形、即ち円の中心から引いた2本の半径と、該2本の半径の間にある円弧とにより囲まれた形状と、扇形の角部を円弧状に丸めた形状などが含まれる。また、三角形状には、三角形と、三角形の角部を円弧状に丸めた形状などが含まれる。
【0013】
扇形状の断面形状を有する芯線は、その中心角が多芯ケーブルの軸側を向くように配置される。また、三角形状の断面形状を有する芯線は、いずれかの角部が多芯ケーブルの軸側を向くように配置される。
【0014】
上記芯線における導体部は、互いに撚り合わされた複数の素線束を有しており、上記各素線束は、互いに撚り合わされた複数の導体素線から構成されていることが好ましい。この場合には、屈曲に対する導体部の耐久性をより向上させることができる。また、この場合には、導体部の柔軟性がより向上するため、得られる多芯ケーブルを容易に屈曲させることができる。その結果、配索作業における作業性をより向上させることができる。
【0015】
上記の構成を有する導体部は、例えば、従来公知の方法により複数の素線束を互いに撚り合わせた後、引抜加工や圧縮加工を行って導体部の断面形状を扇形状または三角形状に成形することにより作製できる。
【0016】
上記素線束を構成する導体素線としては、銅線、銅合金線、アルミニウム線及びアルミニウム合金線等、電線用として公知の金属線を用いることができる。導体素線は、柔軟性や屈曲に対する耐久性を向上させる観点から、線径が細いほど好ましい。例えば、導体素線としては0.05〜0.12mmの線径を有する金属線を用いることができる。
【0017】
上記芯線は、上記絶縁皮膜の内側に配置された細径芯線を有していてもよい。これにより、線径の異なる芯線が混在した多芯ケーブルにおいても、芯線の集合体の断面形状を円形または円形に近い形状にすることができる。その結果、従来の多芯ケーブルに比べて、外径を容易に細くすることができる。
【0018】
また、この場合には、多芯ケーブルの皮剥ぎ作業における細径芯線の断線を容易に抑制することができる。多芯ケーブルの皮剥ぎ作業は、シースの端末部に切り込みを入れた後、シースを引き抜く工程を有している。従来の多芯ケーブルは、シースの引き抜きに伴って芯線に引張応力が加わるため、比較的線径の細い芯線が断線を起こしやすいという問題があった。これに対し、上記多芯ケーブルは、上記細径芯線が絶縁皮膜の内側に配置されているため、細径芯線とシースとが直接接触していない。それ故、シースを引き抜く際に細径芯線に加わる引張応力を軽減することができ、結果として上記細径芯線の断線を抑制することができる。
【0019】
上記細径芯線は、例えば、上記芯線における上記複数の素線束と撚り合わされていてもよい。細径芯線としては、従来公知の絶縁電線を使用することができる。柔軟性や屈曲に対する耐久性の観点からは、細径芯線は、多数の金属線が互いに撚り合わされてなる撚線導体と、該撚線導体を被覆する絶縁皮膜とを有していることが好ましい。
【0020】
上記の構成を有する多芯ケーブルは、種々の用途に用いることができる。例えば、多芯ケーブルは、車体に設けられた電子制御ユニットと、車輪に設けられた電子部品とを接続するために用いることができる。この場合、上記芯線を、電子制御ユニットと電動パーキングブレーキ装置との接続や、電子制御ユニットと電動フットブレーキ装置との接続のために用いることができる。また、上記細径芯線を、ABSセンサや電子制御式サスペンション等と電子制御ユニットとの接続、あるいはブレーキパッド厚の監視のために用いることができる。
【0021】
従来の多芯ケーブルはシース内の電線が互いに撚り合わされているため、上述した用途に用いるケーブル群を一体化しようとすると、多芯ケーブルの外径が過度に太くなるという問題がある。そのため、ケーブルの柔軟性や配索作業における作業性の観点から、実際には各電子部品を接続するために別々のケーブルが用いられている。しかし、ケーブルの本数が多くなると、ケーブルをシャシ等に固定する際に用いる金具の個数が増加するため、部品点数の増加及び部品コストの増大を招いている。
【0022】
これに対し、上記多芯ケーブルは、外径の過度の増大を抑制しつつ上述したケーブル群を一体化することができるため、柔軟性や配索作業における作業性の悪化を回避しつつ、金具の個数を削減することができる。それ故、上記多芯ケーブルは、自動車用として好適であり、特に車体に設けられた電子制御ユニットと、車輪に設けられたとの接続に好適である。
【実施例】
【0023】
(実施例1)
上記多芯ケーブルの実施例について、図を用いて説明する。図1に示すように、多芯ケーブル1は、その軸Cの周りに配置された複数の芯線2(2a、2b)と、複数の芯線2を被覆するシース3とを有している。各芯線2は、扇形状または三角形状の断面形状を有する導体部21と、該導体部21を被覆する絶縁皮膜22とを有している。また、各芯線2は、その外表面に、導体部21の断面形状に対応して形成された平坦面23を有している。そして、各芯線2の平坦面23は、隣接する芯線2の平坦面23と対面している。
【0024】
本例の多芯ケーブル1の外径は12mmであり、シース3内に4本の芯線2を有している。シース3は、耐摩耗性及び柔軟性に優れたウレタン樹脂より構成されている。
【0025】
各芯線2は、図1に示すように中心角θが90度である扇形状の断面形状を有している。また、各芯線2は、多芯ケーブル1の断面において、中心角θが多芯ケーブル1の軸C側を向くようにして配置され、隣り合う芯線2の平坦面23同士が対面している。これにより、4本の芯線2の集合体20は円形の断面形状を有している。
【0026】
4本の芯線2(2a、2b)のうち互いに隣接する2本の芯線2aは、互いに撚り合わされた複数の素線束211から構成された導体部21を有しており、各素線束211は、互いに撚り合わされた多数の導体素線から構成されている。本例においては、2本の芯線2aの導体部21aは、8本の素線束211から構成されており(図1参照)、2.5mm2の導体断面積を有している。図には示さないが、各素線束211は、直径0.08mmの銅線を72本束ね、互いに撚り合わせることにより形成されている。
【0027】
4本の芯線2のうち残り2本の芯線2bは、図1に示すように、複数の素線束211から構成された導体部21bを有していると共に、絶縁皮膜22の内側に配置された細径芯線4を有している。導体部21bは、7本の素線束211から構成されており、2.5mm2の導体断面積を有している。
【0028】
細径芯線4は、導体部21bを構成する7本の素線束211bと互いに撚り合わされている。本例の細径芯線4は、0.25mm2の導体断面積を有する撚線導体41と、撚線導体41を被覆する絶縁皮膜42とを有している。図には示さないが、撚線導体41は、直径0.08mmの銅線を48本撚り合わせることにより構成されている。また、細径芯線4の絶縁皮膜42はポリエチレン樹脂より構成されている。
【0029】
各芯線2の絶縁皮膜22は、ポリエチレン樹脂より構成されている。
【0030】
本例の多芯ケーブル1は、図1に示すように、芯線2の集合体20が円形の断面形状を有している。これに対し、従来の多芯ケーブル5は、互いに撚り合わされた複数の芯線51と、芯線51を被覆するシース52とを有している。例えば図2に示す多芯ケーブル5は、導体断面積が2.5mm2である4本の芯線51aと、導体断面積が0.25mm2である2本の細径芯線51bとを有している。
【0031】
図2に示す従来の多芯ケーブル5は、本例の多芯ケーブル1と導体の数及び導体断面積が同一である。しかし、従来の多芯ケーブル5は、芯線51の集合体50に窪み501や隙間502が存在しているため、本例の多芯ケーブル1に比べて外径が太くなる。また、従来の多芯ケーブル5は、図2に示すように、芯線51の集合体50に窪み501や隙間502が不可避的に形成されるため、外径を細くすることには限界がある。
【0032】
一方、本例の多芯ケーブル1は、芯線2の集合体20が円形の断面形状を有しているため、従来の多芯ケーブル5に比べて窪みや隙間を容易に小さくすることができる。それ故、本例の多芯ケーブル1は、外径を容易に細くすることができる。
【0033】
また、図1図2との比較から知られるように、本例の多芯ケーブル1は、従来の多芯ケーブル5に比べてシース3に用いる樹脂の量を容易に低減することができる。
【0034】
本例の多芯ケーブル1は、車体に設けられた電子制御ユニットと、車輪に設けられた電子部品とを接続するために用いることができる。具体的には、例えば、内部に細径芯線4を有しない芯線2aを、電子制御ユニットと電動フットブレーキ装置とを接続するために用いることができる。また、内部に細径芯線4を有する芯線2bを、電子制御ユニットと電動パーキングブレーキ装置とを接続するために用いることができる。そして、細径芯線4を、電子制御ユニットとABSセンサとを接続するために用いることができる。
【0035】
なお、細径芯線4は、ABSセンサ以外にも、電子制御式サスペンションとの接続、あるいはブレーキパッド厚の監視のために用いることができる。また、本例においては、2本の細径芯線4を有する多芯ケーブル1の例を示したが、細径芯線4の本数を更に増やすことも可能である。
【0036】
細径芯線4の配置は、本例に示した位置に限定されることはない。例えば、多芯ケーブル1が4本の細径芯線4を有する場合には、2本の芯線2の内部に細径芯線4を2本ずつ配置してもよいし、4本の芯線2のそれぞれに細径芯線4を1本ずつ配置してもよい。
【0037】
参考例1
本例は、シース3内に2本の芯線2(2c、2d)を有する多芯ケーブル102の例である。図3に示すように、本例の芯線2c、2dは、半円状、即ち中心角θが180度である扇形状の断面形状を有している。また、各芯線2c、2dは、多芯ケーブル102の断面において、中心角θが多芯ケーブル102の軸C側を向くようにして配置されており、一方の芯線2cの平坦面23と他方の芯線2dの平坦面23とが対面している。
【0038】
その他は実施例1と同様である。なお、図3において示した符号のうち、図1及び図2において用いられた符号と同一のものは、特に説明の無い限り実施例1と同様の構成要素等を示す。
【0039】
本例の多芯ケーブル102は、実施例1と同様に、芯線2の集合体20が円形の断面形状を有しているため、外径を容易に細くすることができると共に、シース3に用いる樹脂の量を容易に低減することができる。
【0040】
参考例2
本例は、三角形状の断面形状を有する芯線6を備えた多芯ケーブル103の例である。図4に示すように、本例の多芯ケーブル103は、その軸Cの周りに配置された4本の芯線6と、4本の芯線6を被覆するシース3とを有している。各芯線6は、直角二等辺三角形の断面形状を有する導体部61と、導体部61を被覆する絶縁皮膜62とを有している。また、各芯線6は、その外表面に、導体部61の断面形状に対応して形成された平坦面63を有している。
【0041】
本例の芯線6は、多芯ケーブル103の断面において、直角が多芯ケーブル103の軸C側を向くように配置されており、隣り合う芯線6の平坦面63同士が対面している。これにより、4本の芯線6の集合体60は正方形の断面形状を有している。
【0042】
その他は実施例1と同様である。なお、図4において示した符号のうち、図1及び図2において用いられた符号と同一のものは、特に説明の無い限り実施例1と同様の構成要素等を示す。
【0043】
本例の多芯ケーブル103は、芯線6の集合体60が正方形の断面形状を有しているため、従来の多芯ケーブル5(図2参照)に比べて窪み501や隙間502を容易に小さくすることができる。それ故、本例の多芯ケーブル103は、実施例1と同様に、外径を容易に細くすることができると共に、シース3に用いる樹脂の量を容易に低減することができる。
【0044】
なお、参考例1及び参考例2には、芯線2cや芯線6の内部に細径芯線4を有しない多芯ケーブル102、103の例を示したが、芯線2c等の内部に細径芯線4を配置することも可能である。
【符号の説明】
【0045】
1、102、103 自動車用多芯ケーブル
2、6 芯線
21、61 導体部
22、62 絶縁皮膜
23、63 平坦面
3 シース
C 軸
図1
図2
図3
図4