(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
図1に、本発明の一実施形態による検索システム1の主要構成を示す。
検索システム1は、端末装置10、サーバ20及び複数の発信機30を有する。図示しないが、複数の発信機30はそれぞれ、本実施形態の検索システム1により検索される検索対象の所在位置と対応付けられた所在位置に設けられる。
端末装置10は、検索対象を示す情報をサーバ20に対して送信する。サーバ20は、端末装置10から送信された情報に基づいて、検索対象を示す情報と対応付けられた発信機30を動作させる。端末装置10は、発信機30から発信された電波を受信、検知して発信機30の所在位置に関する情報を報知する。端末装置10は、検索システム1の利用者の数に応じて任意に増減させることができる。
【0011】
本実施形態の検索対象は、所定の名称を有する物品(
図6参照)であるが、検索対象はこれに限定されるものではない。例えば、所定の所在位置に存在する物品や、所定の施設(例えば便所や非常口、その他のスポット)、その他、その所在位置に発信機30を対応付けて配置可能なあらゆる対象が検索対象となりうる。
【0012】
図2に、端末装置10の主要構成をブロック図で示す。
図3に、端末装置10の外観構成の一例を示す。
端末装置10は、CPU11、RAM12、ROM13、入力部14、表示部15及び通信部16及び報知部17を備え、これらの各構成はバス18により接続される。
【0013】
CPU11は、ROM13に記憶されたプログラムをRAM12に読み出して処理する。CPU11は、ROM13内に記憶されたプログラムと協働して、RAM12に展開されたプログラムやデータ等に従って端末装置10の動作制御を行う。
RAM12は、CPU11の処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を格納する。
ROM13は、CPU11によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。
【0014】
入力部14は、端末装置10に対する入力操作を行うための入力装置である。入力部14は、例えば
図3に示すように複数のキーを有し、利用者により操作されたキーに応じた信号をCPU11へ入力する。
表示部15は、CPU11の処理内容に応じた表示出力を行う。表示部15は、例えば液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(Electro-Luminescence、EL)ディスプレイ、その他の表示装置によって構成される。
【0015】
通信部16は、外部の機器との間でデータ伝送を行う。本実施形態の通信部16は、無線LAN(Local Area Network)による通信を行うが、そのプロトコルやその他の接続形式に関する条件(例えば規格等)は適宜変更することができる。
また、本実施形態の通信部16は、発信機30から発せられた信号を受信する。本実施形態の通信部16は、複数のアンテナ16a、16b、16cを有する。
【0016】
図4に、アンテナ16a、16b、16cの形状の一例を斜視図で示す。
各アンテナは、例えば
図4に例示するイメージであるドットマスク範囲Lのように、指向性を有する。各アンテナは、例えば
図3に示すように、同一平面上(例えば
図3に示すxy平面上)における各アンテナの受信感度が最も高い角度が異なるように設けられる。本実施形態では、アンテナ16aとアンテナ16bとが直交し、アンテナ16aとアンテナ16cとが直交するように設けられ、アンテナ16aを挟んで対向する位置にあるアンテナ16b、16cの受信感度が最も高い角度は180[度]異なる。
各アンテナにより検知される電波の電波強度は、電波の発信源(例えば発信機30)に対する各アンテナの角度に応じて変化する。このため、それぞれ異なる角度で設けられたアンテナ16a、16b、16cにより検知される電波の電波強度に基づいて、電波の発信源(例えば発信機30)の所在位置に対する端末装置10の位置角度を求めることができる。
【0017】
通信部16は、電波を受信すると、各アンテナにより検知された電波の電波強度を取得してCPU11へ入力する。CPU11は、入力された電波強度に基づいて、電波の発信源(例えば発信機30)の所在位置に対する端末装置10の位置角度及び当該電波の発信源の所在位置と端末装置10との間の距離を特定する処理を行う。
【0018】
報知部17は、発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下「LED」と記載)17a、17b、17cを有する。LED17a、17b、17cは、例えば
図3に示すように、アンテナ16a、16b、16cの位置関係に対応するよう設けられる。即ち、LED17aを挟んで、LED17b、17cは対向する位置に設けられる。
【0019】
図5に、サーバ20の主要構成をブロック図で示す。
サーバ20は、CPU21、RAM22、記憶装置23、入力部24、表示部25及び通信部26を備え、これらの各構成はバス27により接続される。
【0020】
CPU21は、記憶装置23に記憶されたプログラムをRAM22に読み出して処理する。CPU21は、記憶装置23内に記憶されたプログラムと協働して、RAM22に展開されたプログラムやデータ等に従ってサーバ20の動作制御を行う。
RAM22は、CPU21の処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を格納する。
記憶装置23は、CPU21によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。記憶装置23は、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリ、その他の書き換え可能な記憶装置又はそれらの記憶装置の組合せ等によって構成される。
【0021】
入力部24は、サーバ20に対して入力操作を可能とする。入力部24は、例えばキーボードやマウス、その他の入力装置又はそれらの入力装置の組合せ等によって構成される。入力部24は、利用者による入力操作を受け付けてその入力操作内容に応じた信号をCPU21へ入力する。
表示部25は、CPU21の処理内容に応じた表示出力を行う。表示部25は、例えばブラウン管や液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(Electro-Luminescence、EL)ディスプレイ、その他の表示装置又はそれらの表示装置の組合せ等によって構成される。
通信部26は、外部の機器との間でデータ伝送を行う。通信部26は、例えばネットワークインターフェースカード(Network Interface Card、NIC)等の通信装置を有し、回線を通じて外部の機器と通信を行う。本実施形態の通信部26は、有線のLAN回線31により発信機30及びアクセスポイント32と接続される。
【0022】
発信機30は、所定の周波数の電波を信号として発信する。本実施形態の発信機30は、2.4〜2.5[GHz]の周波数帯に属する電波を発信するが、発信機30が発する電波の周波数帯は、端末装置10が受信可能な電波の周波数帯に応じて任意に変更することができる。
発信機30は、
図1に示すように複数設けられ、各々の発信機30はそれぞれの動作を個別に制御される。発信機30のON/OFFはサーバ20により制御され、ONのときのみ電波を発信する。
図示しないが、本実施形態では、複数の発信機30はそれぞれ個別の番号(発信機番号)を設定されている(
図7参照)。サーバ20は、動作させる発信機30を発信機番号に基づいて管理する。また、各々の発信機30から発信される電波の周波数はそれぞれ異なる(
図7参照)。
【0023】
アクセスポイント32は、サーバ20の通信部26と、端末装置10の通信部16との間で行われる無線LAN通信を仲介する。
【0024】
以下、検索システム1の動作に係る処理について詳細に説明する。
端末装置10のCPU11は、ROM13から検索対象情報テーブルを読み出し、表示部15に検索対象の名称を一覧表示させる。そして、入力部14を介して利用者による検索対象の指定が行われるまで待機する。
【0025】
図6に、検索対象情報テーブルの一例を示す。
検索対象情報テーブルは、ROM13に記憶されており、検索対象の物品名称と、識別コードとを対応付けて記憶している。ここで、識別コードは「検索対象を示す情報」に該当する。
【0026】
入力部14を介して利用者による検索対象の指定が行われると、CPU11は、指定された検索対象と検索対象情報テーブルとを照合し、指定された検索対象の名称と対応付けられた識別コードを特定する。そして、CPU11は、通信部16を介して、特定された識別コードを送信する。このように、通信部16は、検索対象を示す情報を送信する情報送信手段として機能する。また、入力部14及び表示部15は協働により、複数の検索対象から所在位置を特定する検索対象を選択する選択手段として機能する。
【0027】
端末装置10から送信された識別コードはアクセスポイント32、通信部26を介してサーバ20により受信される。ここで、通信部26は、端末装置10から送信された検索対象を示す情報を受信する情報受信手段として機能する。
サーバ20は、識別コードを受信すると、CPU21が記憶装置23から発信機特定テーブルを読み出す。
【0028】
図7に、発信機特定テーブルの一例を示す。
発信機特定テーブルは、記憶装置23に記憶されており、識別コードと、発信機番号とを対応付けて記憶している。また、本実施形態の発信機特定テーブルは、発信機番号に対応付けて、各々の発信機30から発信される電波の周波数が記憶されている。
ここで、発信機特定テーブルは、検索対象を示す情報と各々の発信機30とを対応付ける対応付け情報として機能する。よって、記憶装置23は、対応付け情報を記憶する対応付け情報記憶手段として機能する。また、記憶装置23は、複数の発信機30のそれぞれにより発信される信号の周波数を個別に記憶する周波数記憶手段として機能する。
【0029】
サーバ20のCPU21は、受信した識別コードと発信機特定テーブルとを照合し、識別コードと対応付けられた発信機番号を特定する。ここで、CPU21は、通信部26により受信された検索対象を示す情報(識別コード)と対応付け情報(発信機特定テーブル)に基づいて当該検索対象を示す情報と対応付けられた発信機30を特定する発信機特定手段として機能する。
【0030】
CPU21は、特定された発信機番号を有する発信機を動作させる処理を行う。これにより、端末装置10により指定された検索対象と対応付けられた発信機が動作し、その発信機から電波が発信される。ここで、CPU21は、特定された発信機を動作させる発信機動作制御手段として機能する。
また、CPU21は、特定された発信機番号の周波数を発信機特定テーブルから取得し、取得した周波数の数値を示す情報を、通信部26及びアクセスポイント32を介して端末装置10へ送信する。ここで、CPU21は、周波数記憶手段(記憶装置23)の記憶内容に基づいて特定された発信機30から発信される信号の周波数を特定する周波数特定手段として機能すると共に、特定された周波数を示す情報を端末装置10へ通知する周波数情報通知手段として機能する。
なお、動作する発信機30の周波数の数値を示す情報の通知は、その発信機30に対応する検索対象を示す情報を送信してきた端末装置10のみに対して行われる。
【0031】
端末装置10は、通信部16を介してサーバ20から送信された周波数の数値を示す情報を受信する。ここで、通信部16は、通知された周波数を示す情報を受信する周波数情報受信手段として機能する。
端末装置10が周波数の数値を示す情報を受信すると、当該端末装置10のCPU11は、受信した周波数の数値が検索対象と対応付けられた発信機30により発信される電波の周波数であると判定する。ここで、CPU11は、検索対象と対応付けられた発信機30の周波数の信号を識別する識別手段として機能する。
CPU11は、検索対象と対応付けられた発信機30により発信される周波数の電波を受信するための処理を行う。具体的には、CPU11が、通信部16のチャンネルのうち、受信した周波数の数値に応じた周波数帯のチャンネルを開放する。
【0032】
端末装置10は、通信部16を介して発信機30から発信された電波を受信する。ここで、通信部16は、発信機から送信される信号を受信する信号受信手段として機能する。
CPU11は、通信部16の各アンテナにより検知された電波強度に基づいて、電波を発信する発信機30の方角を特定する。本実施形態では、CPU11は、電波強度がより強いアンテナの方角に電波を発信する発信機30があるものと判定する。
【0033】
また、CPU11は、通信部16の各アンテナにより検知された電波強度に基づいて、端末装置10と電波を発信する発信機30との間の距離を特定する。電波強度の強弱は、端末装置10の各アンテナと電波を発信する発信機30との距離に応じて変化するので、CPU11は各アンテナの電波強度に基づいて端末装置10と電波を発信する発信機30との間の距離を特定することができる。
例えば、電波を発信する発信機30と端末装置10との間の距離と電波強度の対応関係についてあらかじめ測定したデータ(測定データ)を端末装置10のROM13等の記憶装置に記憶させておき、CPU11が測定データとアンテナ16a、16b、16cのうち最も電波強度が強いアンテナの電波強度とを照合する。これによって、電波を発信する発信機30と端末装置10との間の距離を特定することができる。電波を発信する発信機30の所在位置は、検索対象の所在位置と対応付けられているので、電波を発信する発信機30と端末装置10との間の距離を特定することにより、検索対象の所在位置と端末装置10との間の距離に関する情報を得ることができる。
ここで、CPU11は、通信部16により受信された発信機30の信号の強度に基づいて、端末装置10と検索対象の所在位置との間の距離に関する情報を取得する距離取得手段として機能する。
【0034】
CPU11は、特定された電波を発信する発信機30の方角を報知部17に報知させる。具体的には、特定された発信機30の方角に応じてLED17a、17b、17cのいずれか又は複数を点灯させる。例えば、
図3に示す端末装置10の、アンテナ16aが設けられた方角(
図3に示す方角A)に電波を発信する発信機30がある場合、CPU11は、当該方角に対応するLED17aを点灯させる。同様に、アンテナ16bが設けられた方角(
図3に示す方角B)に電波を発信する発信機30がある場合、CPU11は、当該方角に対応するLED17bを点灯させる。アンテナ16cが設けられた方角(
図3に示す方角C)に電波を発信する発信機30がある場合、CPU11は、当該方角に対応するLED17cを点灯させる。本実施形態では、電波強度がより強いアンテナの方角に電波を発信する発信機30があるものと判定されるので、CPU11は、点灯させるLEDを電波強度がより強いアンテナに対応させる。ここで、報知部17は、通信部16により受信された信号に基づいて検索対象の所在位置に関する情報を報知する報知手段として機能する。
【0035】
また、CPU11は、端末装置10と電波を発信する発信機30との間の距離を報知部17に報知させる。具体的には、電波を発信する発信機30の方角に応じて点灯するLEDの点灯パターンを、端末装置10と電波を発信する発信機30との間の距離に応じて変化させる。例えば、LEDを点灯させる場合に点滅させるようにし、端末装置10と電波を発信する発信機30との間の距離の大小に応じて点滅の周期を変化させるようにする。本実施形態では、端末装置10と電波を発信する発信機30との間の距離が大きいほど点滅の周期が長く、小さいほど点滅の周期が小さくなるが、逆でもよい。端末装置10と電波を発信する発信機30との間の距離とLEDの点滅の周期は予め定められている。ここで、報知部17は、CPU11により取得された距離に基づいて当該距離に関する情報を報知する距離報知手段として機能する。
【0036】
なお、動作した発信機30の動作終了条件については任意に設定することができる。例えば、動作開始から所定の時間を経過したときに動作を終了するようにしてもよいし、端末装置10から検索対象の所在位置の検索作業が終了した旨の通知があった場合にサーバ20が動作を終了させるようにしてもよい。端末装置10の通信部16のチャンネル開放についても同様である。
【0037】
以下、フローチャートを用いて、検索システム1の動作の流れを説明する。
図8は、端末装置10の主要な動作の流れを示すフローチャートである。
CPU11は、ROM13から検索対象情報テーブルを読み出し、表示部15に検索対象の名称(例えば
図6に示す物品名称)を一覧表示させる(ステップS1)。そして、入力部14を介して利用者による検索対象の指定が行われるまで待機する(ステップS2:NO)。
【0038】
入力部14を介して利用者による検索対象の指定が行われると(ステップS2:YES)、CPU11は、指定された検索対象と検索対象情報テーブルとを照合し、指定された検索対象の名称(例えば
図6に示す物品名称)と対応付けられた識別コードを特定する(ステップS3)。そして、CPU11は、通信部16を介して、特定された識別コードをサーバ20へ送信する(ステップS4)。その後、CPU11は、サーバ20から周波数の数値を示す情報を受信するまで待機する(ステップS5:NO)。
【0039】
サーバ20から送信された周波数の数値を示す情報を受信すると(ステップS5:YES)、CPU11は、通信部16のチャンネルのうち、受信した周波数の数値に応じた周波数帯のチャンネルを開放する(ステップS6)。その後、CPU11は、通信部16を介した発信機30から発信された電波の受信がなされるまで待機する(ステップS7:NO)。
【0040】
通信部16を介して発信機30から発信された電波を受信すると(ステップS7:YES)、CPU11は、通信部16の各アンテナにより検知された電波強度に基づいて、電波を発信する発信機30の方角及び端末装置10と電波を発信する発信機30との間の距離を特定する処理を行う(ステップS8)。そして、CPU11は、特定された電波を発信する発信機30の方角及び端末装置10と電波を発信する発信機30との間の距離を報知部17に報知させる処理を行う(ステップS9)。
【0041】
図9は、
図8のステップS8に示す、電波を発信する発信機30の方角及び端末装置10と電波を発信する発信機30との間の距離を特定する処理の流れを示すフローチャートである。
端末装置10が発信機30の電波を受信すると、通信部16は各アンテナの電波強度を取得してCPU11へ入力し、CPU11は取得した各アンテナの電波強度をRAM12に一時的に格納する(ステップS11)。CPU11は、RAM12に一時的に格納された各アンテナの電波強度に基づいて、より電波強度が高いアンテナの方角に電波を発信する発信機30があるものとして判定する(ステップS12)。また、CPU11は、測定データをROM13から読み出し、測定データとアンテナ16a、16b、16cのうち最も電波強度が強いアンテナの電波強度とを照合して電波を発信する発信機30との間の距離を特定する(ステップS13)。
【0042】
図10は、
図8のステップS9に示す、特定された電波を発信する発信機30の方角及び端末装置10と電波を発信する発信機30との間の距離を報知部17に報知させる処理の流れを示すフローチャートである。
CPU11は、ステップS12の処理においてより電波強度が高いアンテナの方角に対応するLEDを点灯させる(ステップS21)。また、CPU11は、ステップS21の処理により点灯されたLEDを、ステップS13の処理により特定された距離に応じた周期で点滅させる(ステップS22)。
【0043】
図11は、サーバ20の動作の流れを示すフローチャートである。
サーバ20のCPU21は、端末装置10から送信される識別コードを受信するまで待機する(ステップS31:NO)。識別コードを受信すると(ステップS31:YES)、CPU21は、記憶装置23から発信機特定テーブルを読み出し(ステップS32)、受信した識別コードと発信機特定テーブルとを照合して識別コードと対応付けられた発信機番号を特定する(ステップS33)。そして、CPU21は、特定された発信機番号を有する発信機を動作させる(ステップS34)。また、CPU21は、特定された発信機番号の周波数を発信機特定テーブルから取得し、取得した周波数の数値を示す情報を、通信部26及びアクセスポイント32を介して端末装置10へ送信する(ステップS35)。
【0044】
以上のように、本実施形態の検索システム1によれば、端末装置10が、複数の検索対象の中から所在位置を特定する検索対象の選択を受け付け、選択された検索対象の識別コードを送信すると、サーバ20が、端末装置10から送信された識別コードを受信して、識別コードと発信機特定テーブルに基づいて当該識別コードと対応付けられた発信機30を特定し、特定された発信機を動作させる。そして、端末装置10が、発信機30から発信される電波を受信し、当該電波に基づいて検索対象の所在位置に関する情報を報知する。
これによって、従来の検索システムで必要であったIDタグやIDタグ読取装置を必要としないので、低コストで検索対象の所在を知ることができる検索システムを提供することができる。特に、発信機30は検索対象の所在位置と対応付けて設置すればよいだけであり、検索対象となる物品の各々にIDタグを付するための作業コストを大幅に削減することができ、より低コストで検索対象の所在を知ることができる検索システムを提供することができる。
加えて、発信機30は、端末装置10から検索対象として指定されることによって動作するので、発信機30は検索対象の検索作業に必要なときのみ動作する。これによって、発信機30を動作させるためのコスト(電力等)を低減させることができる。
また、検索システム1は複数の検索対象を一の検索システムで取り扱うことができ、検索システム1の利用者は、複数の検索対象の中から任意の検索対象についてその所在位置を知ることができるので、検索システムの運用における柔軟性が大幅に向上する。
【0045】
さらに、複数の発信機30はそれぞれ異なる周波数の電波を発信し、端末装置10は検索対象の識別コードと対応付けられた発信機30の周波数の信号を識別する。
これによって、複数の利用者が同時にそれぞれの端末装置10から異なる検索対象の検索作業を行ったことにより複数の発信機30が同時に動作した場合であっても、それぞれの検索対象に対応付けられた発信機30の周波数の差異により混信を生ずることなく良好にそれぞれの検索対象の所在位置を知ることができる。
【0046】
さらに、サーバ20は複数の発信機30のそれぞれにより発信される信号の周波数を個別に記憶し、その記憶内容に基づいて動作させる発信機から発信される信号の周波数を特定して端末装置10へ通知し、端末装置10は通知された周波数を示す情報を受信する。
これによって、端末装置10は周波数に関する情報を保持することなく検索対象と対応付けられた発信機30から発信された周波数のみを受け付けることができる。また、何らかの理由により発信機30に採用される周波数が変更された場合であっても、サーバ20に記憶された周波数の情報のみを書き換えれば事足りるので、発信機30の周波数変更について容易に対応することができる。
【0047】
さらに、端末装置10は、発信機30から受信した電波の電波強度に基づいて、当該端末装置10と動作している発信機30とのの距離を取得し、報知する。
これによって、利用者は端末装置10の現在の位置から検索対象の所在位置までの距離を知ることができる。
【0048】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0049】
例えば、報知部17による、電波を発信する発信機30の方角の報知方法は上記の実施形態に示すものに限らない。例えば、複数のLEDを点灯させて電波を発信する発信機30の方角を示してもよい。一例として、電波を発信する発信機30の方角が、二のアンテナの受信感度が最も高い角度の間に位置する場合、CPU11は当該二のアンテナに対応する二のLED双方を点灯させてもよい。
図3に示す例の場合、電波を発信する発信機30の方角が方角Dである場合、LED17a、17bを点灯させてもよい。同様に、電波を発信する発信機30の方角が方角Eである場合、LED17a、17cを点灯させてもよい。
【0050】
また、上記の実施形態では3つのアンテナ16a、16b、16cを設ける構成としているが、アンテナの数や配置はあくまで一例であり、その数や位置関係を限定するものではない。また、アンテナは外部に露出してもよいし、端末装置に内蔵するようにしてもよい。
【0051】
また、報知部17による、端末装置10と電波を発信する発信機30との間の距離の報知方法は上記に限らない。例えば、LEDの点灯強度の強弱と距離の大小とを対応付けてもよいし、点灯強度の強弱及び点滅の周期を組み合わせてもよいし、その他、距離の大小に応じて視覚的に区別可能な方法で報知がなされればよい。
【0052】
また、報知手段や距離報知手段による報知は、LEDの点灯に限らず、その報知のためにあらゆる方法を用いることができる。報知方法として、例えば、音声による報知や、表示装置やLED等の光源の組み合わせを用いた表示等が挙げられる。
【0053】
また、上記の実施形態では、複数の検索対象のそれぞれについて一つずつ個別に発信機30を設けているが、複数の検索対象と一の発信機とを対応付けてもよい。例えば、複数の棚を用いて管理される複数の種類の物品において、それぞれの棚が一又は複数の種類の物品を管理するためのものとして用いられる場合が挙げられる。この場合、複数の棚のそれぞれについて個別に発信機を設け、一の棚に管理されている複数の種類の物品(検索対象)とその一の棚に設けられた発信機とを対応付ける対応付け情報を用いることで、その棚により管理されている物品の所在位置をすべて一の発信機の動作のON/OFFにより検索することができ、また棚別に管理されている物品を的確に検索することができる。
このように、本発明は、複数の検索対象と一の発信機とを対応付けることもできるので、検索対象の所在位置に応じてより柔軟に運用可能な検索システムを提供することができる。
【0054】
複数の発信機30がそれぞれ異なる周波数の電波を発信する場合において、各々の発信機30の周波数に関する情報は端末装置10が有していてもよい。検索対象と当該検索対象に対応付けられた発信機30の用いる周波数とを対応付けた情報を端末装置10が有する場合、サーバ20は動作させる発信機30の周波数を示す情報を通知する処理を行わなくてもよい。
【0055】
また、上記の実施形態では、端末装置10により行われる送信又は受信処理は一の通信部16を介して行われるが、送信手段又は受信手段を個別に有してもよい。例えば、端末装置10とサーバ20との間で送受信を行う通信部と、発信機30からの信号を受信する信号受信手段となる装置とを個別に設けてもよい。
また、端末装置10の通信部に限らず、上記の実施形態で複数の機能を有する構成について、機能ごとに個別の構成を設けるようにしてもよい。