特許第6354940号(P6354940)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6354940
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】容器処理システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 55/06 20060101AFI20180702BHJP
   A23L 3/04 20060101ALI20180702BHJP
   B65B 55/04 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   B65B55/06 B
   A23L3/04
   B65B55/04 M
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-91626(P2014-91626)
(22)【出願日】2014年4月25日
(65)【公開番号】特開2015-209223(P2015-209223A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2017年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】393028357
【氏名又は名称】シブヤマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082108
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】戸瀬 治夫
(72)【発明者】
【氏名】篠田 主税
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−136017(JP,A)
【文献】 特開2014−008963(JP,A)
【文献】 特開平04−101920(JP,A)
【文献】 特開平10−276743(JP,A)
【文献】 特開平11−009244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 55/00−55/24
A23L 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が充填された容器を加熱する加熱装置と、加熱装置によって加熱された容器を冷却する冷却装置と、内容物が充填された容器を搬送する搬送手段とを備えて、内容物が充填された容器を搬送手段によって搬送しながら加熱装置によって加熱してから冷却装置によって冷却して下流側の機器へ送り出すようにした容器処理システムにおいて、
加熱装置と冷却装置との間の搬送手段上の容器を上記加熱装置へ戻す還流コンベヤが設けられ、
上記加熱装置は、加熱と冷却とを切り換え可能となっており、加熱装置から冷却装置へ容器を搬入できない異常発生時に、加熱装置によって加熱された容器が上記還流コンベヤを介して加熱装置に戻されるとともに、
加熱から冷却に切り換えられた加熱装置によって、上記還流コンベヤを介して加熱装置に戻された容器に対して冷却が行われることを特徴とする容器処理システム。
【請求項2】
内容物が充填された容器を加熱する加熱装置と、加熱装置によって加熱された容器を冷却する冷却装置と、内容物が充填された容器を搬送する搬送手段とを備えて、内容物が充填された容器を搬送手段によって搬送しながら加熱装置によって加熱してから冷却装置によって冷却して下流側の機器へ送り出すようにした容器処理システムにおいて、
冷却装置を通過した容器を上記加熱装置へ戻す第1の還流コンベヤと、加熱装置と冷却装置との間の搬送手段上の容器を上記加熱装置へ戻す第2の還流コンベヤが設けられ、
冷却装置の下流側の機器へ容器を送り出せない異常発生時には、上記第1の還流コンベヤを介して加熱装置に容器が戻され、加熱装置から冷却装置へ容器を搬入できない異常発生時には、第2の還流コンベヤを介して加熱装置に容器が戻されるように構成されるとともに、第1の還流コンベヤ又は第2の還流コンベヤを介して加熱装置に容器が戻された時には加熱装置による容器への加熱が行われないことを特徴とする容器処理システム。
【請求項3】
上記加熱装置よりも上流側となる搬送手段の搬送経路に容器に仮蓋を装着する仮打栓装置が設けられ、また、上記加熱装置と冷却装置との間となる搬送手段の搬送経路上に容器から仮蓋を取り外すデキャッパと容器に本蓋を取り付ける本打栓装置とが設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の容器処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器処理システムに関し、より詳しくは、内容物が充填された容器を加熱した後に冷却してから下流側の機器へ送り出すようにした容器処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内容物が充填された多数の容器に高温水を噴射して殺菌した後、各容器を冷却してから下流側の機器へ送り出す容器処理システムは知られている(例えば特許文献1)。
このような従来の容器処理システムでは、下流側の機器に何らかのトラブルが発生した際に下流側の機器への容器の送り出しを停止すると、加熱装置内に残っている加熱済みの容器が所定時間を超えて高温に維持されることになる。この場合には、容器が加熱され過ぎるため、容器内の内容物の味や香り、成分等の品質に悪影響が出るという問題がある。
そこで、図5に示すように、従来、冷却装置の隣接下流側の箇所に容器を一時貯溜するアキューム装置を設けたものが提案されている。このようなアキューム装置を備えた容器処理システムにおいては、何らかのトラブルが生じて下流側の機器へ容器を送り出すことができない場合には、冷却装置で冷却済みの容器をアキューム装置内へ一時的に貯溜させることができる。そのため、加熱装置内に容器が停滞することを防止して、容器内の内容物が過剰に加熱されるのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−101920号公報
【特許文献2】特許第3366742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、アキューム装置を備えた従来の容器処理システムにおいては、アキューム装置を設けたことで容器処理システムの製造コストが高くなり、かつ設置スペースが大きくなるという問題があった。
なお、アキューム装置を設けずに過剰殺菌を防ぐ容器処理システムも提案されている(特許文献2)。この特許文献2の容器処理システムにおいては、散布する温水の温度をコントロールする制御装置を設けてあり、停止中の容器に対して正常に搬送された場合と実質的に同一の温水が散布されるように制御装置で制御するようになっている。しかしながら、この特許文献2の容器処理システムにおいては、設定温度が異なる複数の処理槽を設ける必要があるだけでなく、各処理槽の厳密な温度管理が必要になるという問題があった。しかも、熱効率が悪いためにランニングコストが増大するという問題も指摘されていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した事情に鑑み、請求項1に記載した本発明は、内容物が充填された容器を加熱する加熱装置と、加熱装置によって加熱された容器を冷却する冷却装置と、内容物が充填された容器を搬送する搬送手段とを備えて、内容物が充填された容器を搬送手段によって搬送しながら加熱装置によって加熱してから冷却装置によって冷却して下流側の機器へ送り出すようにした容器処理システムにおいて、
加熱装置と冷却装置との間の搬送手段上の容器を上記加熱装置へ戻す還流コンベヤが設けられ、
上記加熱装置は、加熱と冷却とを切り換え可能となっており、加熱装置から冷却装置へ容器を搬入できない異常発生時に、加熱装置によって加熱された容器が上記還流コンベヤを介して加熱装置に戻されるとともに、
加熱から冷却に切り換えられた加熱装置によって、上記還流コンベヤを介して加熱装置に戻された容器に対して冷却が行われることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載した第2の本発明は、内容物が充填された容器を加熱する加熱装置と、加熱装置によって加熱された容器を冷却する冷却装置と、内容物が充填された容器を搬送する搬送手段とを備えて、内容物が充填された容器を搬送手段によって搬送しながら加熱装置によって加熱してから冷却装置によって冷却して下流側の機器へ送り出すようにした容器処理システムにおいて、
冷却装置を通過した容器を上記加熱装置へ戻す第1の還流コンベヤと、加熱装置と冷却装置との間の搬送手段上の容器を上記加熱装置へ戻す第2の還流コンベヤが設けられ、
冷却装置の下流側の機器へ容器を送り出せない異常発生時には、上記第1の還流コンベヤを介して加熱装置に容器が戻され、加熱装置から冷却装置へ容器を搬入できない異常発生時には、第2の還流コンベヤを介して加熱装置に容器が戻されるように構成されるとともに、第1の還流コンベヤ又は第2の還流コンベヤを介して加熱装置に容器が戻された時には加熱装置による容器への加熱が行われないことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
このような構成によれば、アキューム装置を設ける必要がないので、容器処理システムの設置スペース及び製造コストを低減させることができる。また、何らかの原因で下流側の機器へ容器を送り出すことができない場合や加熱装置から冷却装置に容器を搬入できない異常発生時には、還流コンベヤを介して加熱装置内に容器を戻しているので、異常発生時に加熱装置内で容器が停滞して過剰に加熱されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施例を示す平面図。
図2図1の実施例において異常発生時の作動状態を示す平面図。
図3】本発明の第2実施例を示す平面図。
図4】本発明の第3実施例を示す平面図。
図5】従来技術を示す概略の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1において1は容器2を加熱して殺菌する容器処理システムである。この容器処理システム1は、図示しない上流側の機器(充填装置)によって内容物を充填済みの容器2が搬送されてくると、各容器2を搬送して加熱装置3内で加熱して殺菌した後に、加熱後の容器2を搬送して冷却装置4内で冷却した後、図示しない下流側の機器に送り出すようになっている。
本実施例の容器処理システム1は、異常発生時に冷却装置4から加熱装置3に容器2を戻す還流コンベヤ11を設けたことが特徴である。すなわち、容器処理システム1は、容器2を搬送しながら容器2に高温水を噴射して加熱・殺菌する加熱装置3と、加熱された容器2を搬送しながら該容器2に低温水を噴射して冷却する冷却装置4と、上流側の機器によって内容物が充填された容器2を加熱装置3の位置まで搬送する搬入コンベヤ5と、加熱装置3を通過した容器2を冷却装置4の位置まで搬送する中間搬送コンベヤ6と、冷却装置4によって冷却された容器2を搬送して図示しない下流側の機器に送り出す搬出コンベヤ7とを備えている。これらの容器処理システム1を構成する各コンベヤ5〜7及び加熱装置3、冷却装置4の作動は制御装置8によって制御されるようになっている。
【0009】
搬入コンベヤ5が走行されることにより、図示しない上流側の機器(充填装置)によって内容物が充填された容器2が容器処理システム1内に搬入されるようになっている。本実施例においては、容器2としては、清酒が充填された一升びんを想定している。
搬入コンベヤ5の搬送経路に仮打栓装置12が設けられており、搬入コンベヤ5によって搬送される容器2が仮打栓装置12を通過する際に、該容器2の上端口部に仮蓋が装着されるようになっている。このように、容器2の上端口部に仮蓋を装着するのは、加熱装置3によって容器2を加熱した際に内容物(清酒)が熱により膨張した時に仮蓋によって内容物の膨張による容器2内の圧力上昇を吸収して容器2の破損を防止するためであって、仮蓋は、容器2の口部に嵌着する保持部と、容器2に装着された状態で容器2の内部に連通する気体収容部とを有している。仮打栓装置12によって仮蓋が装着された容器2は搬入コンベヤ5によって搬送されて順次加熱装置3内の上流端3aに搬入されるようになっている。
【0010】
加熱装置3は、搬入コンベヤ5によって順次搬入される複数の容器2を支持して加熱装置3内の上流端3aの位置から下流端3bの位置まで所定速度で搬送する内部搬送コンベヤ3Aを備えるとともに、内部搬送コンベヤ3Aによって搬送される容器2に向けて高温水を噴射する図示しない噴射手段3Bを備えている。内部搬送コンベヤ3A、噴射手段3Bの作動は制御装置8によって制御されるようになっている。噴射手段3Bは所定の領域毎に高温水の噴射と停止が切り換え可能となっている。より詳細には、図1において、加熱装置3内を左方側と中央側と右方側とに3等分した各領域毎に高温水の噴射と停止が切り換え可能となっている。
内部搬送コンベヤ3Aが矢印方向に走行されている状態において、仮蓋が装着された各容器2が搬入コンベヤ5によって内部搬送コンベヤ3Aの上流端3aに搬入されると、各容器2は内部搬送コンベヤ3Aによって所定速度で下流端3bまで搬送されるようになっている。その際に、噴射手段3Bによって容器2に向けて高温水が噴射されるので、容器2内の充填物も加熱・殺菌されるようになっている。そして、加熱装置3内を通過して加熱・殺菌された容器2は下流端3bの位置の中間搬送コンベヤ6上に載置されるようになっている。
【0011】
中間搬送コンベヤ6は、加熱装置3の下流端3bの位置と冷却装置4の上流端4aの位置とにわたって設けられており、中間搬送コンベヤ6の作動は制御装置8によって制御されるようになっている。制御装置8によって中間搬送コンベヤ6が走行されると、該中間搬送コンベヤ6によって加熱装置3の下流端3bの位置から冷却装置4の上流端4aの位置まで容器2が搬送されるようになっている。
中間搬送コンベヤ6の搬送経路には、上流側から下流側にわたって順次、集合装置13、水切り手段14、デキャッパ15及び本打栓装置16が配置されている。集合装置13は、複数で乱雑な載置状態となっている容器2を縦一列に整列させて水切り手段14に供給できるようになっており、水切り手段14は、該水切り手段14内を通過する容器2の水切りを行うようになっている。デキャッパ15は、搬送される容器2の仮蓋を除去するようになっており、本打栓装置16は仮蓋が除去された容器2の上端口部に本蓋を装着するようになっている。上記水切り手段14、デキャッパ15及び本打栓装置16の作動は制御装置8によって制御されるようになっている。
【0012】
中間搬送コンベヤ6が走行される際には上記集合装置13、水切り手段14、デキャッパ15及び本打栓装置16も作動される。そのため、加熱装置3の下流端3bの位置において、加熱装置3内を通過した加熱済みの容器2が中間搬送コンベヤ6上に供給されると、該容器2は先ず集合装置13の位置まで搬送された後に、該集合装置13によって縦一列に整列されてから水切り手段14によって水切りされ、デキャッパ15へ搬送される。すると、デキャッパ15によって容器2の仮蓋が除去されるようになっており、その後、仮蓋が取り外された容器2は本打栓装置16に搬送されて、該容器2の上端口部に本蓋が取り付けられるようになっている。この後、本蓋が取り付けられた容器2は、冷却装置4の上流端4aの位置に搬入されるようになっている。
このように、容器2は中間搬送コンベヤ6によって搬送される過程において、水切り手段14により水切りされた後にデキャッパ15によって仮蓋が除去され、その後、容器2の上端口部に本打栓装置16によって本蓋が装着されてから冷却装置4内の上流端4aに搬入されるようになっている。
【0013】
冷却装置4は、中間搬送コンベヤ6によって順次搬入される複数の容器2を支持して冷却装置4内の上流端4aの位置から下流端4bの位置まで所定速度で搬送する内部搬送コンベヤ4Aを備えるとともに、内部搬送コンベヤ4Aによって搬送される容器2に向けて低温水を噴射する図示しない噴射手段4Bを備えている。内部搬送コンベヤ4A、噴射手段4Bの作動は制御装置8によって制御されるようになっている。噴射手段4Bは所定の領域毎に低温水の噴射と停止が切り換え可能となっている。
内部搬送コンベヤ4Aが矢印方向に走行されている状態において、本蓋が装着された各容器2が中間搬送コンベヤ6によって冷却装置4の上流端4aに搬入されると、各容器2は内部搬送コンベヤ4Aによって所定速度で下流端4bまで搬送されるようになっている。そのように搬送される過程において噴射手段4Bによって容器2に向けて低温水が噴射されるので、容器2とその内部の充填物が冷却されるようになっている。そして、冷却装置4内を通過しながら冷却された容器2は、下流端4bの位置の搬出コンベヤ7上に載置されるようになっている。
【0014】
搬出コンベヤ7は、冷却装置4の下流端4bの位置と図示しない下流側の機器とにわたって設けられており、この搬出コンベヤ7の作動は制御装置8によって制御されるようになっている。搬出コンベヤ7の搬送経路上にも集合装置17が配置されており、集合装置17は複数で乱雑な載置状態となっている容器2を縦一列に整列させてから図示しない下流側の機器へ送り出すようになっている。なお、下流側の機器としては例えば容器にラベルを貼付するラベラや容器2を箱詰めする包装装置を想定している。上記搬入コンベヤ5、中間搬送コンベヤ6及び搬出コンベヤ7によって、容器2を搬送する搬送手段が構成されている。
【0015】
しかして、本実施例は、容器処理システム1の下流側の機器に異常が発生して、冷却装置4を通過した容器2を搬出コンベヤ7から下流側の機器に搬出できない異常発生時に、冷却装置4を通過した冷却済みの容器2を加熱装置3に戻して、そこに貯溜させるようにしたものである。それにより、異常発生時に容器2を一時貯溜するアキューム装置を省略することができるとともに、加熱装置3内で容器2が過剰に加熱されるのを防止できるようになっている。
より詳細には、冷却装置4の下流側となる搬出コンベヤ7の途中と、搬入コンベヤ5における仮打栓装置12と加熱装置3の間の箇所とにわたって還流コンベヤ11が配置されている。また、還流コンベヤ11の下流端11Aが接続された搬入コンベヤ5の箇所には第1切り換え手段21を設けてあり、搬出コンベヤ7に対する還流コンベヤ11の上流端11Bの接続箇所には第2切り換え手段22が配置されている。また、還流コンベヤ11の中間部と本打栓装置16よりも下流側となる中間搬送コンベヤ6の箇所とにわたって第3切り換え手段23が配置されている。
各切り換え手段21〜23は、それらの位置において所要時に容器2の搬送経路を切り換えることができるようになっており、各切り換え手段21〜23の作動は制御装置8によって制御されるようになっている。制御装置8は、図示しない冷却装置の下流側の機器に異常が発生していない通常作動時においては、第1切り換え手段21、第2切り換え手段22および第3切り換え手段23の作動を停止させている。この停止時においては、各切り換え手段21〜23は第1切り換え位置に位置している。他方、冷却装置の下流側の機器に異常が発生した際には異常発生信号が制御装置8に送信されるようになっており、その際には制御装置8は、先ず第1切り換え手段21と第2切り換え手段22を作動させて、それらを第2切り換え位置に切り換えるとともに、所要時には第3切り換え手段23を作動させて、それを第2切り換え位置に切り換えるようになっている。それにより、各コンベヤ5〜7による容器2の搬送経路が切り換えられるようになっている。
【0016】
第1切り換え手段21が作動されて第2切り換え位置に切り換えられた際には、そこよりも上流側の搬入コンベヤ5から下流への容器2の搬送が停止される一方、還流コンベヤ11の下流端11Aから搬入コンベヤ5への容器2の搬入が可能となる。そのため、還流コンベヤ11と搬入コンベヤ5を介して加熱装置3へ容器2の搬入ができるようになっている。また、第2切り換え手段22が作動されて第2切り換え位置に切り換えられた際には、搬出コンベヤ7から冷却装置の下流側の機器への容器2の搬出が停止される一方、冷却装置4の下流端4bとその隣接位置の搬出コンベヤ7を介して還流コンベヤ11へ容器2が搬入されるようになっている。
また、所要時に第3切り換え手段23が作動されて第2切り換え位置に切り換えられた際には、そこよりも上流側の中間搬出コンベヤ6から冷却装置4への容器2の搬送が停止される一方、第3切り換え手段23を介して中間搬送コンベヤ6から還流コンベヤ11へ容器2が搬入されるようになっている。本実施例においては、冷却装置4自体にトラブルが生じて容器2を加熱装置3から冷却装置4に搬入できない場合に、制御装置8が第3切り換え手段23を第2切り換え位置に切り換えるようになっている。
【0017】
また、加熱装置3及び冷却装置4内の所定領域ごとに複数の容器センサ26A〜26C及び27A〜27Cが配置されている。加熱装置3内を搬送される容器2は各容器センサ26A〜26Cによって検出されて、その検出信号が制御装置8に送信されるようになっており、冷却装置4内を搬送される容器2は、各容器センサ27A〜27Cによって検出されて、その検出信号が制御装置8に送信されるようになっている。
通常の運転中に異常が発生した際に、上記両切り換え手段21、22が第2切り換え位置に切り換えられて、上記容器センサ26A〜26C及び27A〜27Cからの検出信号が制御装置8に所定時間送信されなかった場合には、制御装置8は、検出信号の送信されなかった領域の加熱装置3における作動中の噴射手段3Bを停止させるとともに、冷却装置4における作動中の噴射手段4Bの作動を停止させるようになっている。より詳細には、噴射手段3Bは各領域毎に高温水の噴射と停止とを切り換え可能になっており、加熱装置3の左方側の領域に配置された容器センサ26Aが容器2を検出していない状態であっても、中央側と右方側の領域の容器センサ26B、26Cが容器2を検出していれば、中央側と右方側の領域では、高温水の噴射が継続されるようになっている。その状態で還流コンベヤ11と搬入コンベヤ5を介して冷却済みの容器2が加熱装置3内に戻されるようになっている。それにより、冷却装置4を通過して冷却済みの容器2が還流コンベヤ11を介して加熱装置3内に戻されて、その内部に貯溜されるようになっている。
【0018】
以上の構成において、下流側の機器に異常が発生していない通常の運転時においては、各切り換え手段21〜23は停止されて第1切り換え位置に位置しており、還流コンベヤ11の作動も停止されている(図1参照)。この状態において、制御装置8によって各コンベヤ5〜7が走行されるとともに加熱装置3、冷却装置4とその他の容器処理システム1の構成要素も作動されて、容器2の加熱処理とその後の冷却処理が行われる。
つまり、図示しない上流側の機器(充填装置)によって内容物を充填済みの容器2が搬入コンベヤ5によって搬送されてくると、該搬入コンベヤ5によって搬送される容器2は先ず仮打栓装置12によって上端口部に仮蓋が装着され、その後、仮蓋が装着された容器2は加熱装置3に搬入される。次に、加熱装置3内に搬入された容器2は、内部搬送コンベヤ3Aによって加熱装置3内を上流端3aの位置から下流端3bの位置まで搬送されるとともに、噴射手段3Bによって高温水を噴射される。それによって、容器2内の充填物が加熱・殺菌されるようになっている。なお、加熱装置3内を容器2が搬送される際には、各位置の容器センサ26A〜26Cによって順次検出されるようになっており、それらが容器2を検出した検出信号は制御装置8に順次送信されるようになっている。
この後、加熱装置3内を通過して加熱された容器2は中間搬送コンベヤ6によって加熱装置3の下流端3bから冷却装置4の上流端4aまで搬送される。その搬送過程において、容器2は集合装置13によって再度、縦一列に整列されてから水切り手段14によって水切りされる。次に、デキャッパ15によって容器2の口部から仮蓋が除去された後に本打栓装置16によって本蓋が容器2の口部に装着されるようになっている。そして、このようにして本蓋が装着された容器2は冷却装置4内に搬入されるようになっている。
【0019】
冷却装置4内に本蓋が装着された各容器2が搬入されると、各容器2は内部搬送コンベヤ4Aによって所定速度で下流端4bまで搬送されるとともに、噴射手段4Bによって容器2に向けて低温水が噴射される。それにより、容器2とその内部の充填物が冷却されるようになっている。そして、冷却装置4内を通過しながら冷却された容器2は、下流端4bの位置の搬出コンベヤ7によって搬送されて図示しない下流側の機器に向けて送り出されるようになっている。なお、冷却装置4内を容器2が搬送される際には、各位置の容器センサ27A〜27Cによって順次検出されるようになっており、それらが容器2を検出した検出信号は制御装置8に順次送信されるようになっている。
【0020】
ところで、上述のように容器処理システム1の通常の運転中において何らかの原因で冷却装置の下流側の機器にトラブルが発生すると、搬出コンベヤ7から下流側の機器に容器2を搬出することができない。この異常発生時においては、図示しないセンサによって制御装置8に異常発生信号が送信される。
すると、図2に示すように、制御装置8は、第1切り換え手段21と第2切り換え手段22を同時に作動させるとともに、還流コンベヤ11を作動させて矢印方向に走行させる。これにより、第1切り換え手段21及び第2切り換え手段22は、ともに第2切り換え位置に切り換えられる。そのため、第1切り換え手段21によってそれよりも上流側となる搬入コンベヤ5上の容器2の搬入が強制的に停止される一方、還流コンベヤ11の下流端11Aを介して搬入コンベヤ5への容器2の搬入が可能となる。
また、搬出コンベヤ7による容器2の冷却装置の下流側機器への送り出しが停止される一方、冷却装置4を通過した容器2は搬出コンベヤ7を介して還流コンベヤ11への搬入が可能となる。そのため、冷却装置4内を通過して冷却された容器2は、搬出コンベヤ7を介して還流コンベヤ11の上流端11Bに搬入され、その後、還流コンベヤ11の走行に伴って矢印方向に搬送されて下流端11Aを経て搬入コンベヤ5に搬送されてから加熱装置3に再度搬入される。そして、再度加熱装置3内に搬入された容器2は、加熱装置3の容器センサ26Aによって検出されて、その検出信号が制御装置8に送信される。
ここで、第1切り換え手段21によってそれよりも上流側の容器2が停止されているので、制御装置8が異常発生信号を受信してから容器センサ26Aによって容器2が検出されるまでには、検出信号が送信されない状態が続いており、その状態が所定時間継続すると、制御装置8は検出信号が送信されない領域の噴射手段3Bの作動を停止させる。
同様に冷却装置4においても容器センサ27A〜27Cによって各領域における容器2の検出がされない状態が所定時間継続すると、制御装置8は、該当する領域の噴射手段4Bの作動を停止させる。
なお、第1切り換え手段21によって加熱装置3への上流側の機器からの搬入が停止される前に既に搬入された加熱装置3内の容器2は内部搬送コンベヤ3Aによって順次下流端3bに向けて搬送されつつ、噴射手段3Bによって高温水が噴射されて加熱された後、中間搬送コンベヤ6により冷却装置4へ搬送される。
この後、高温水の噴射が停止された状態の加熱装置3内に、還流コンベヤ11と搬入コンベヤ5を介して戻された冷却済みの容器2が順次搬入されるようになって、そこに貯溜されるようになっている。
このように、下流側の機器に容器2を搬出できない異常発生時においては、冷却装置4を通過した冷却済みの容器2は還流コンベヤ11を介して加熱装置3内に戻されて、そこに貯溜されるようになっている。その際には、加熱装置3による高温水の噴射は停止されているので、冷却された状態の容器2が加熱装置3及び冷却装置4内に貯溜されるようになっている。
なお、冷却された状態の容器2が加熱装置3や冷却装置4へ中間搬送コンベヤ6によって搬送される際には、水切り手段14、デキャッパ15及び本打栓装置16は容器2の搬送のみを行うようになっている。
【0021】
さらに、上記通常の運転中において、冷却装置4自体が故障して加熱装置3から中間搬送コンベヤ6を介して冷却装置4に容器2を搬入できない異常発生時においては、制御装置8は第1切り換え手段21と第3切り換え手段23を同時に作動させるとともに、還流コンベヤ11を作動させる。それにより、第1切り換え手段21と第3切り換え手段23がともに第2切り換え位置に切り換わる。そのため、第1切り換え手段21によってそれよりも上流側となる搬入コンベヤ5上の容器2が強制的に停止される一方、還流コンベヤ11の下流端11Aを介しての搬入コンベヤ5への容器2の搬入が可能となる。また、中間搬送コンベヤ6から冷却装置4への容器2の搬入が阻止される一方、中間搬送コンベヤ6から還流コンベヤ11への容器2の搬入が可能となる。
第1切り換え手段21が第2切り換え位置に切り換わる以前に搬入された容器2については、加熱装置3によって容器2の加熱が行われた後、中間搬送コンベヤ6を介して還流コンベヤ11に搬入されて、加熱装置3に戻される。上流側の機器からの容器2の搬入が停止される一方で、還流コンベヤ11を介して容器2が加熱装置3内に戻されるまで、各容器センサ26A〜26Cは、順次容器2が検出されなくなる。これに伴って、噴射手段3Bは、高温水から低温水の噴射に切り換えが行われ、各容器センサ26A〜26Cが還流コンベヤ11を介して戻された加熱された容器2を検出すると、容器2に対して低温水を噴射して容器2の冷却を行うようになっている。
【0022】
以上のように、本実施例においては、異常発生時に容器2を一時貯溜するためのアキューム装置を設ける必要がないので、アキューム装置を設けていた従来と比較すると容器処理システム1の設置スペースを大幅に減少させることができ、しかも容器処理システム1の製造コストを低減させることができる。
そして、上述した異常発生時においては、冷却済みの容器2は還流コンベヤ11を介して加熱装置3内に戻されるので、加熱装置3内で容器2が停滞しないため、内容物が充填された容器2が過剰に加熱されることが無く、高品質の製品を提供することができる。
さらに、本実施例においては、仮打栓装置12によって容器2の口部に仮蓋を装着してから加熱装置3によって容器2を加熱し、その後、デキャッパ15によって仮蓋を容器2から取り外した後に本蓋を容器2に取り付けるようになっている。仮蓋は容器2の内部に連通する気体収容部を有しているため、容器2内の内容物(清酒)が熱膨張したとしても仮蓋によって熱膨張による容器2内の圧力上昇を吸収して、容器2の破損を確実に防止することができる。なお、デキャッパ15による容器2からの仮蓋の取り外しから、その後の本打栓装置16による容器2への本蓋の取り付けまでは、無菌雰囲気で行うことが好ましい。
【0023】
次に、図3は本発明の第2実施例を示したものである。この第2実施例は、上記第1実施例における第3切り換え手段23よりも上流側となる範囲の還流コンベヤ11及び第2切り換え手段22を省略するとともに、加熱装置3の噴射手段3Bとして所要時に高温水と低温水とを切り換えて噴射できるものを採用している。また、中間搬送コンベヤ6から直接、搬出コンベヤ7へ容器2を搬送するバイパスコンベヤ29を設けるとともに、搬送経路を切り換える第4切り換え手段30をバイパスコンベヤ29の上流端29Aの接続箇所に設けている。その他の構成は前述した第1実施例と同じであり、第1実施例と対応する各部材には同じ番号を付している。
この第2実施例においては、通常運転中に冷却装置4自体が故障して中間搬送コンベヤ6から冷却装置4に容器2を搬入できない異常発生時や冷却装置の下流側の機器に容器2を搬入できない異常発生時においては、制御装置8は第1切り換え手段21と第3切り換え手段23を同時に作動させるとともに、還流コンベヤ11を作動させる。それにより、第1切り換え手段21と第3切り換え手段23がともに第2切り換え位置に切り換わる。そのため、第1切り換え手段21によってそれよりも上流側となる搬入コンベヤ5上の容器2が強制的に停止される一方、還流コンベヤ11の下流端11Aを介しての搬入コンベヤ5への容器2の搬入が可能となる。また、中間搬送コンベヤ6から冷却装置4の搬入が阻止される一方、第3切り換え手段23を介して中間搬送コンベヤ6から還流コンベヤ11への容器2の搬入が可能となる。
第1切り換え手段21によってそれよりも上流側のとなる搬入コンベヤ5上の容器2が停止されていることにより、既に搬入されていた加熱装置3内の容器2は内部搬送コンベヤ3Aによって順次下流端3bに向けて搬送されつつ、噴射手段3Bによって高温水が噴射される。これに伴って、加熱装置3に配置された各容器センサ26A〜26Cによる容器2の検出は順次されなくなり、制御装置8は各センサ26A〜26Cからの検出信号が送信されない状態が所定時間続いたら噴射手段3Bの作動を高温水の噴射から低温水の噴射に切り換えるとともに、冷却装置4における作動中の噴射手段4Bの作動を停止させる。
この後、低温水が噴射されている状態の加熱装置3内に、還流コンベヤ11と搬入コンベヤ5を介して戻されてきた加熱済みの容器2が順次搬入されるようになっている。加熱装置3内に再度搬入された容器2は、内部搬送コンベヤ3Aによって搬送されながら噴射手段3Bによって低温水を噴射されることにより、冷却されるようになっている。このように、加熱装置3内で既に加熱済みの容器2は中間搬送コンベヤ6によって搬送されてから還流コンベヤ11と搬入コンベヤ5とを介して加熱装置3内に再度戻されて冷却される。なお、異常発生後に中間搬送コンベヤ6と還流コンベヤ11とによって加熱後の容器2の全てが再度加熱装置3内に戻されてから低温水を噴射されて冷却されると、制御装置8は加熱装置3の噴射手段3Bからの低温水の噴射を停止させる。
また、加熱装置3を通過して冷却された容器2が中間搬送コンベヤ6に搬入されると、制御装置8は第4切り換え手段30を作動させるので、中間搬送コンベヤ6からバイパスコンベヤ29へ容器2の搬送経路が切り換えられる。したがって、加熱装置3を通過して冷却された容器2は、先ず中間搬送コンベヤ6による搬送過程において水切り手段14が施され、その後、走行中のバイパスコンベヤ29によって搬出コンベヤ7へ搬送されてから下流側の機器に送り出せるようになっている。
この第2実施例においては、冷却装置の下流側の機器に容器2を搬入できない異常発生時や冷却装置4自体にトラブルが生じた異常発生時において、還流コンベヤ11を介して加熱済みの容器2を再度加熱装置3内に戻して貯溜するとともに、加熱装置3により低温水を容器2に噴射して冷却するようになっている。このような第2実施例であっても、上述した第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
【0024】
次に図4は本発明の第3実施例を示したものである。この第3実施例は、上記図1の第1実施例における加熱装置3、冷却装置4と中間搬送コンベヤ6を省略するとともに、中間搬送コンベヤ6に配置されていた仮打栓装置12やデキャッパ15等を省略している。その代わりに、この第3実施例においては、加熱装置と冷却装置とが一体となったパストライザー40を配置している。
パストライザー40内には、容器2を矢印方向に搬送する内部搬送コンベヤ40Aが設けられている。パストライザー40内の搬入側となる半分の領域が加熱エリア40Bとなっており、パストライザー40内の搬出側となる半分の領域が冷却エリア40Cとなっている。搬入コンベヤ5からパストライザー40内に容器2が搬入されると、内部搬送コンベヤ40Aによって容器2は矢印方向に搬送されながら、先ず加熱エリア40Bにおいて加熱され、その後、冷却エリア40Cにおいて冷却されるようになっている。冷却された容器2は、搬出コンベヤ7を介して下流側の機器へ排出されるようになっている。
この第3実施例においては、搬出コンベヤ7と搬入コンベヤ5の途中にわたって異常発生時に容器2をパストライザー40に戻す還流コンベヤ11が配置されている。この第3実施例においては、第1の実施例と対応する各部材等には第1実施例と同じ番号を付している。
この第3実施例においては、下流側の機器に容器2を排出できない異常発生時には、還流コンベヤ11を介して容器2がパストライザー40内に戻されるようになっている。還流コンベヤ11を介してパストライザー40内に戻された容器2に対しては、高温水は噴射されないようになっている。そのため、異常発生時において、パストライザー40に戻された容器2が過加熱(過殺菌)されることを防止することができる。
なお、上述した各実施例においては、容器2としては清酒を充填した一升びんを想定しているが、これに限定されるものではなく、一升びんよりも小さい容器であっても良く、容器としては茶飲料や果実飲料が充填されたペットボトル又は缶であっても良い。
また、上記実施例における仮打栓装置12、水切り手段14、デキャッパ15及び本打栓装置16を省略しても良い。
【符号の説明】
【0025】
1‥容器処理システム 2‥容器
3‥加熱装置 4‥冷却装置
5‥搬入コンベヤ(搬送手段) 6‥中間搬送コンベヤ(搬送手段)
7‥搬出コンベヤ(搬送手段) 11‥還流コンベヤ
図1
図2
図3
図4
図5