(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実装構造体は、第一回路部材と第二回路部材とを具備している。第一回路部材は、例えば、半導体素子、半導体パッケージ、ガラス基板、樹脂基板、セラミック基板およびシリコン基板よりなる群から選択される少なくとも1種である。これら第一回路部材は、その表面に、ACF(異方性導電フィルム)やACP(異方性導電ペースト)のような導電材料層を形成したものであっても良い。樹脂基板としては、例えば、エポキシ樹脂基板(例えば、ガラスエポキシ基板)、フッ素樹脂基板、ビスマレイミドトリアジン基板、フレキシブル樹脂基板(例えば、ポリイミド樹脂基板)などを用いることができる。
【0019】
第二回路部材は、例えば、素子を備えた電子部品である。ここでの素子とは、機能を発揮する領域(機能領域)を備えた素子である。このような回路部材は、その内部に空間を必要とする。つまり、本発明における第二回路部材とは、内部に空間を有する電子部品であり得る。第二回路部材としては、例えば、SAWチップ、BAW(Bulk Acoustic Wave)チップ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、CMOSセンサー、CCDセンサーなどが挙げられる。
【0020】
すなわち、本発明の実装構造体は、各種回路部材上に電子部品が搭載されたチップ・オン・ボード(CoB)構造(チップ・オン・ウエハ(CoW)、チップ・オン・フィルム(CoF)、チップ・オン・グラス(CoG)を含む)、チップ・オン・チップ(CoC)構造、チップ・オン・パッケージ(CoP)構造およびパッケージ・オン・パッケージ(PoP)構造を有することができる。
【0021】
第二回路部材の具体的な構成を、SAWチップを例に挙げて
図1に示す。第二回路部材(SAWチップ)100は、機能領域FA(圧電体11上に形成された、少なくとも一対の櫛形電極12を備える領域)を備える素子(SAWフィルタ)10と、機能領域FAに対向するように配置された平板状の蓋部14と、機能領域FAと蓋部14との間に空間16を形成するために、機能領域FAを取り囲むように形成されたリブ13と、素子10(ここでは、素子10を構成する櫛形電極12)と導通する導体15(15aおよび15b)とを備えている。
【0022】
第二回路部材がBAWチップである場合、素子は、薄膜状の圧電体(圧電薄膜)の上下面を2つの電極で挟み込んだ構造のBAWフィルタであり、機能領域は、一方の面のうち電極を備えた領域である。第二回路部材がMEMSである場合、その機能領域は、カンチレバー(ハンマー)を備えた領域や可動電極を備えた領域などであり得る。
【0023】
圧電体11の材料としては、例えば、チッ化アルミニウム、酸化亜鉛、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムおよび四ホウ酸リチウムなどのリチウム化合物、ガリウム砒素、チタン酸ジルコン酸鉛などが挙げられる。また、電極12および導体15(15aおよび後述する15b)の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銀、ニッケル、炭素あるいはこれらの化合物、半田、導電性ポリマー、並びに、これらの混合物などが挙げられる。
【0024】
機能領域FAを備える素子10としては、SAWフィルタおよびBAWフィルタの他に、例えば、各種センサー、機械要素部品、アクチュエータなどが挙げられる。また素子10は、これら機械要素部品、センサー、アクチュエータなどを1つの基板に集積した集積体などでもよい。センサーとしては、例えば、電気磁気センサー、光センサー、放射線センサー、化学センサーなどが挙げられ、具体的には、pH電極、加速度計、ひずみゲージ、開閉器、スピーカー、レーザー、ダイオードなどが例示できる。機械要素部品としては、例えば、歯車、ねじ、カム、軸、ばね、ぜんまい、てこなどが挙げられる。アクチュエータは、エネルギーを物理的運動に変える装置であり、主に駆動装置と制御装置とを有しているが、特に限定されない。
【0025】
リブ13は、機能領域FA(ここでは、櫛形電極12)を取り囲むように形成されている。リブ13によって、機能領域FAと蓋部14との間に空間16が形成され、機能領域による素子10の機能が発揮される。リブ13の高さRh(機能領域FAを備える面と蓋部14との距離)は、1〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。リブ13の高さRhがこの範囲であると、第二回路部材を製造しやすく、また、第二回路部材のサイズを大きくすることなく、素子10が機能を発揮するのに適切な空間を形成しやすい。リブ13の幅Rwは、1〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。リブ13の幅Rwがこの範囲であると、第二回路部材のサイズを大きくすることなく、空間16を確保するだけの強度を得ることが容易となる。
【0026】
蓋部14は、平板状であり、少なくともリブ13で取り囲まれた機能領域FAに対向するように配置されている。蓋部14は、例えば、感光性樹脂、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を含む平板状物や金属板、前記したようなガラス基板、樹脂基板、セラミック基板およびシリコン基板であってもよい。
【0027】
熱可塑性樹脂としては、耐熱性の高い、いわゆるエンジニアリングプラスチックを用いることができる。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネートなどが挙げられる。
感光性樹脂としては、光エネルギーによって硬化する樹脂であればよく、特に限定されない。例えば、アクリレート化合物やメタクリレート化合物、感光性ポリイミド樹脂等の光重合体が挙げられる。
【0028】
熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、ポリイミド、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステルなどを主剤として含むことができる。これらのうちでは、特にポリイミドが弾性率に優れる点で好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これら熱硬化性樹脂をガラス繊維で強化した、ガラス繊維強化樹脂を使用してもよい。
【0029】
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ポリエーテル型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのうちでは、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。
【0030】
また、フェノール樹脂としては、特に限定されないが、ノボラック樹脂が好ましい。ノボラック樹脂は、フェノール類またはナフトール類(例えば、フェノール、クレゾール、ナフトール、アルキルフェノール、ビスフェノール、テルペンフェノール、ナフトール等)と、ホルムアルデヒドとを、縮合重合させたものである。より具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、アラルキルフェノールノボラック樹脂、ビフェニルフェノールノボラック樹脂、テルペンフェノールノボラック樹脂、α−ナフトールノボラック樹脂、β−ナフトールノボラック樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0031】
蓋部14の大きさは、リブ13で取り囲まれた部分(後述する領域A)の面積よりも大きければよく、特に限定されない。蓋部14の厚みCwは、5μm〜3mmであることが好ましく、10μm〜500μmであることがより好ましい。蓋部14の厚みCwがこの範囲であると、後述するモールド材による封止工程において、蓋部14の変形をより小さくすることができる。
【0032】
蓋部14は、ヤング率2000MPa以上の材料を含んでいることが好ましい。蓋部14が、この範囲のヤング率を有する材料を含んでいることにより、後述するモールド材による封止工程において、蓋部14の変形をより小さくすることができる。
【0033】
蓋部14とリブ13とは、隙間なく接着していることが、空間16を確保する点で好ましい。例えば、蓋部14の一部、具体的には、蓋部14とリブ13との当接面の少なくとも一部に配された接着層により、両者が接着されていてもよい。接着層を構成する接着剤としては、特に限定されないが、未硬化または半硬化状態の上記の熱硬化性樹脂を挙げることができる。
【0034】
導体15(15aおよび15b)は、素子10(ここでは、素子10を構成する櫛形電極12)と導通しており、後述する導通バンプを介して、第一回路部材20とも導通している。導体15(15aおよび15b)は、例えば、導電性ペーストや金属粒子などで形成することができる。
図1では、導体15bは、リブ13の内部を貫通しているが、これに限定されず、リブ13の表面に配置されていてもよく、リブ13で取り囲まれた部分(領域A)の外側に配置されていてもよい。
【0035】
図2に示されるように、第二回路部材100は、蓋部14が、複数のバンプ30を介して第一回路部材20と接合することにより、第一回路部材20に実装されている。ここで、複数のバンプ30は、導体15と導通する導通バンプ30Cと、導体15と導通しない非導通バンプ30Nとを含んでいる。非導通バンプ30Nは、蓋部14および第一回路部材20とそれぞれ接着しているか、あるいは、後述するように、蓋部14と一体的に形成され、第一回路部材20と接着している。後述する封止工程において、第一回路部材20と蓋部14との間に侵入したモールド材は、蓋部14を押し上げようとするが、非導通バンプ30Nにより、蓋部14の変位は小さく抑制される。そのため、空間16を保持することが容易となる。
【0036】
導通バンプ30Cおよび非導通バンプ30Nの高さは、例えば、40〜70μmとすることができる。導通バンプ30Cおよび非導通バンプ30Nの高さは、同じでも異なっていてもよいが、第二回路部材100を、安定して第一回路部材20に実装できる点で、同じであることが好ましい。
【0037】
導通バンプ30Cの材料としては、例えば、半田ボールなどが挙げられる。導通バンプ30Cの配置は、特に限定されず、導体15と導通する位置に配置すればよい。
【0038】
非導通バンプ30Nの材料としては、例えば、半田ボールであってもよいし、樹脂を含んでいてもよい。非導通バンプ30Nが樹脂を含む場合は、熱硬化性樹脂を含むことがより好ましい。これにより、熱硬化と同時に、非導通バンプ30Nと蓋部14あるいは第一回路部材20とを接着することができ、第二回路部材100の製造あるいは実装構造体の製造が簡便になるためである。この場合、さらに、蓋部14あるいは第一回路部材20も熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。これにより、非導通バンプ30Nと蓋部14あるいは第一回路部材20とが、より強固に接着されることが期待できる。熱硬化性樹脂としては、蓋部14の説明で列挙した樹脂を、同じく例示できる。なかでも、接着性に優れる点で、蓋部14に含まれる樹脂と、非導通バンプ30Nに含まれる樹脂とは、同じ種類であることが好ましい。また、後述するように、非導通バンプ30Nは、蓋部14を形成するシート材料と一体的に形成されていてもよい。また、非導通バンプ30Nは、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。この場合、例えば、熱溶融させて、非導通バンプ30Nと蓋部14あるいは第一回路部材20とを接着することができる。
【0039】
熱硬化性樹脂は、一般に組成物として用いられる。組成物には、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤および溶剤などを配合することができる。例えば、エポキシ樹脂に、硬化剤として、フェノール樹脂、酸無水物、アミン化合物など、硬化促進剤として、イミダゾール系促進剤、リン系硬化促進剤、ホスホニウム塩系硬化促進剤、双環式アミジン類とその誘導体、有機金属錯体、ポリアミンの尿素化物など、溶剤として、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類などを配合し、エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
【0040】
非導通バンプ30Nの配置は、特に限定されない。なかでも、
図3に示すように、リブ13で囲まれた領域Aの中央部に対応するように、配置されていることが好ましい。非導通バンプ30Nが、領域Aの中央部にあると、封止の際のモールド材による圧力が、蓋部14全体に分散し易くなり、蓋部14の変形が抑制され易いためである。領域Aの中央部とは、領域Aが矩形などの四角形である場合、領域Aを形作る四角形の対角線が交わる点(交点)Cを中心として、領域Aの面積の0.1〜70%を占める領域Acを言う。領域Acの形状は特に限定されず、領域Aと相似形であってもよいし、それ以外の円形、四角形などであってもよい。なお、
図3は、第二回路部材100の断面図(上図)と、第二回路部材100を蓋部14の方から見た平面図(下図)である。
【0041】
非導通バンプ30Nの形状は、特に限定されず、
図3と同じ方向から見たときに、円形、四角形、×形、不定形であってもよく、その他の形状であってもよい。配置される非導通バンプ30Nの数も、特に限定されない。また、非導通バンプ30Nと、蓋部14または第一回路部材20との接着面積は、第一回路部材20と第二回路部材100との実装性を低下させない範囲であれば良い。例えば、非導通バンプ30Nと蓋部14または第一回路部材20との接着面積は、それぞれ、領域Aの面積の0.1%以上であることが好ましく、1%以上であることがより好ましく、また、領域Aの面積の70%以下であることが好ましい。接着面積がそれぞれこの範囲であれば、十分な接着性を示すため、蓋部14の変形が抑制され易くなる。
【0042】
非導通バンプ30Nは、例えば、
図4Aに示すように、配置することができる。
図4Aでは、交点Cを中心とする円形の非導通バンプ30Nが、1つ配置されている。また、
図4Bのように、交点Cの近傍に円形の非導通バンプ30Nを2つ配置してもよい。さらに、
図4Cに示すように、交点Cを中心とする四角形の非導通バンプ30Nを、1つ配置することもできる。非導通バンプ30Nを複数配置する場合、少なくとも一つの非導通バンプ30Nが、中央部(領域Ac内)にあることが望ましい。
【0043】
なお、本発明の一局面は、
図4A〜
図4Cに示すような、非導通バンプ30Nを備えた第二回路部材を包含する。すなわち、本発明の一局面は、本発明の実装構造体を形成するための第二回路部材(100)であって、機能領域(FA)を備える素子(10)と、機能領域(FA)に対向するように配置された平板状の蓋部(14)と、機能領域(FA)と蓋部(14)との間に空間(16)を形成するために、機能領域(FA)を取り囲むように形成されたリブ(13)と、素子(10)と導通する導体(15)と、を備え、蓋部(14)は、非導通バンプ(30N)を備えている。非導通バンプ30Nは、後述するように、非導通バンプ30Nを構成するための凸部30N
Pを備えたシート材料(
図5(c2)参照)を用いて、形成されていてもよいし、凸部30N
Pを有しないシート材料を用いて蓋部14を形成した後、形成されたものであってもよい。第二回路部材は、さらに、導通バンプ30Cを備えていてもよい。
【0044】
実装構造体は、さらに、蓋部14と第一回路部材20との間の空隙に充填される樹脂封止材40を有していてもよい。樹脂封止材40としては、特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂と硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤等を含む組成物の硬化物を挙げることができる。熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤としては、特に限定されず、前記した熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤が同じく例示できる。無機充填剤としては、溶融シリカの他、結晶シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化珪素等を用いることができる。
【0045】
次に、本発明のさらに他の一局面である、第二回路部材および実装構造体の製造方法について、
図5を参照しながら説明する。最初に、第二回路部材の製造方法について、SAWチップを例に挙げて説明する。
まず、機能領域FA(圧電体11上に形成された、少なくとも一対の櫛形電極12を備える領域)を備える素子10(SAWフィルタ)を準備する。素子10には、導体15aが形成されている(
図5(a))。導体15aは、素子10(ここでは、素子10を構成する櫛形電極12)と導通している。
【0046】
次に、素子10上に、機能領域FAを取り囲むように、リブ13を形成する(
図5(b))。このとき、リブ13は、リブ13の少なくとも一部が、導体15aと接するように形成してもよい。この場合、後述する導体15bは、リブ13の内部を貫通するように、あるいは、リブ13で囲まれた領域A側の表面上に形成することができる。また、導体15aがリブ13を貫くような位置に、リブ13を形成した場合、後述する導体15bは、リブ13で囲まれた領域Aの外側に形成することができる。
図5(b)では、リブ13の一部が導体15a上にある場合を示している。なお、本実施形態では、導体15bがリブ13の内部を貫通するように形成される場合を示すが、これに限定されるものではない。
【0047】
リブ13は、例えば、素子10の機能領域FAを有する面に、感光性樹脂を塗布あるいは感光性樹脂フィルムを積層した後、必要部分にマスクを施した上で、活性光線を照射して、露光部を硬化させることにより形成する方法や、圧電体10を枠状に削って形成する方法などにより形成すればよく、特に限定されない。なお、後者の場合、枠状のリブ13を形成した後、その枠内に櫛形電極12および導体15aを形成すればよく、本発明においては、この場合を含むものとする。
【0048】
リブ13を形成する際、例えば、
図5(b)に示すようなマスク17を使用して、リブ13内を貫通する導体15bを形成するための空間15b
pを同時に形成してもよい。
【0049】
次いで、リブ13の素子10と接合している端部とは反対側の端部全体を覆うように、蓋部14を形成するためのシート材料14
Pを載置する(
図5(c1))。例えば、シート材料14
Pが感光性樹脂フィルムである場合、感光性樹脂フィルムをリブ13の端部に載置した後、必要部分にマスクを施した上で、活性光線を照射して、露光部を硬化させることにより、蓋部14を形成することができる。また、シート材料14
Pが前記したようなガラス基板、樹脂基板、セラミック基板およびシリコン基板である場合、リブ13の端部と接着剤を介して接着させ、蓋部14を形成した後、蓋部14を所望の形状に切断することができる。接着剤は、リブ13の端部上面またはシート材料14
Pのいずれに塗布しておいてもよい。さらにまた、シート材料14
Pが熱硬化性樹脂フィルムである場合、熱硬化性樹脂フィルムをリブ13の端部に載置し、加熱して硬化および接着することにより、蓋部14を形成した後、蓋部14を所望の形状に裁断することができる。
【0050】
ここで、シート材料14
Pは、非導通バンプ30Nを形成するための凸部30N
Pを備えていてもよい(
図5(c2))。この場合、シート材料14
Pの凸部30N
Pを有する面が、機能領域FAと対向する面とは反対になるように、シート材料14
Pをリブ13の上端部に載置して、蓋部14を形成することができる。
【0051】
本発明のさらに他の一局面は、シート材料14
Pに関する。すなわち、本発明は、平板状の蓋部(14)を形成するためのシート材料(14
P)であって、少なくとも非導通バンプ(30N)を形成するための凸部(30N
P)を備えた、シート材料に関する。
【0052】
シート材料14
Pとしては、例えば、感光性樹脂や熱硬化性樹脂を含む樹脂基板、ガラス基板、セラミック基板およびシリコン基板などが挙げられる。感光性樹脂および熱硬化性樹脂としては、前記した樹脂を同じく例示できる。シート材料14
Pの厚みは、5μm〜3mmであることが好ましく、10μm〜500μmであることがより好ましい。シート材料14
Pの厚みがこの範囲であると、後述するモールド材による封止工程において、蓋部14の変形をより小さくすることができる。
【0053】
凸部30N
Pとしては、非導通バンプ30Nで列挙した材料を、同じく例示できる。また、凸部30N
Pは、インクジェット、スクリーン印刷や転写法、メッキ法などにより、シート材料14
Pの表面の所定の位置に形成することができる。さらに、エンボス加工等の物理的方法により、シート材料14
Pに凹凸を設けて、凸部30N
Pをシート材料14
Pと一体的に形成してもよい。なお、凸部30N
P同士の間隔や密度などは、適宜設定すればよい。凸部30N
Pの高さは、後述する導通バンプ30Cと同じになるように設定すればよい。
【0054】
続いて、空間15b
pと通じるように、蓋部14にレーザー照射などにより穴をあけて、導電性ペーストや金属粒子を充填し、素子10と導通する導体15bを形成する(
図5(d))。
【0055】
その後、蓋部14のリブ13で囲まれた領域Aに対応する位置に非導通バンプ30Nを形成する。さらに、蓋部14の導体15と導通する位置に、導通バンプ30Cを設置するための導通パッド(図示せず)、および、導通バンプ30Cを形成する(
図5(e1))。非導通バンプ30Nおよび導通バンプ30Cを設ける工程の順序は、特に限定されない。
【0056】
なお、非導通バンプ30Nがすでに形成されている場合には、導通バンプ30Cのみを形成すればよい。また、導通バンプ30Cおよび非導通バンプ30Nは、蓋部14ではなく、第一回路部材20の所定の位置に形成されてもよい。さらにまた、各バンプのいずれか一方を蓋部14の所定の位置に形成し、他方を第一回路部材20の所定の位置に形成してもよい(
図5(e2)参照)。なお、
図5(e2)では、導通バンプ30Cを蓋部14に形成し、非導通バンプ30Nを第一回路部材20に形成する場合を示している。導通バンプ30Cおよび非導通バンプ30Nは、インクジェットやスクリーン印刷、転写法、メッキ法などにより、蓋部14または第一回路部材20の所定の位置に形成することができる。
【0057】
次いで、第一回路部材20に、第二回路部材100を導通バンプ30Cおよび非導通バンプ30Nを介して搭載し、加熱工程および冷却工程を経て、第二回路部材100を第一回路部材20に実装する。最後に、第二回路部材100の表面、第二回路部材100が複数実装されている場合には第二回路部材100同士の間、および、蓋部14と第一回路部材20との間の空隙に、モールド材40
pを充填して、第二回路部材100を封止する(
図5(f))。
【0058】
モールド材40
pとしては、前記した熱硬化性樹脂もしくはこれを含む組成物が同じく例示できる。組成物には、硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤等を混合することができる。硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤としては、特に限定されず、前記した硬化剤、硬化促進が同じく例示できる。モールド材40
pは、加熱により硬化し、樹脂封止材40となる。モールド材40
pの充填および硬化には、例えば、トランスファー成型法や圧縮成型法などを用いることができる。なかでも、寸法精度の点で、トランスファー成型法を用いることが好ましい。硬化は、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜175℃で、1〜15分間行う。必要に応じて、100〜200℃、30分〜24時間のポストキュアを行うことができる。
【0059】
トランスファー成型法では、液状化または軟化したモールド材40
pが金型に圧入され、蓋部14と第一回路部材20との間の空隙にもモールド材40
pが充填される。このとき、蓋部14には、モールド材40
pによる圧力がかかり、特に蓋部14の中央部が押し上げられやすい。本実施形態においては、非導通バンプ30Nが、蓋部14(好ましくはその中央部)と第一回路部材20とを接合しているため、蓋部14が受ける圧力が小さくなり、蓋部14が変位する量が小さくなる。
【0060】
さらに、第二回路部材100が第一回路部材20に複数実装されている場合には、第一回路部材20を、第二回路部材100ごとにダイシングして、実装構造体を個片化してもよい。
【0061】
[実施例]
次に、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。ただし、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。
【0062】
<実施例1〜4>
SAWフィルタ(厚み200μm、大きさ1.4×1.1mm)、リブ(高さ10μm、幅10μm)、および、SAWフィルタ上の櫛形電極と導通する導体、を備えたSAWチップを準備した。なお、リブの材質は感光性ポリイミド樹脂である。
【0063】
ついで、蓋部の材料として、ポリイミド樹脂を含む接着層を備えたポリイミドシート(厚み45μm、ヤング率:9100MPa)を準備した。このポリイミドシートを、SAWチップの櫛形電極と対向するように、リブの端部に載置し、ポリイミドシートとリブの端部とを接着層を介して接着して、蓋部(厚み45μm、大きさ1.0×1.0mm)を形成した。その後、蓋部(ポリイミドシート)表面に、インクジェット法により、非導通バンプ(エポキシ樹脂)を形成した。非導通バンプの形状および蓋部との接着面積を、表1に示す。また、非導通バンプは、非導通バンプと蓋部との接触領域の中心が、領域A上の交点Cとなるように形成した。
【0064】
SAWチップの蓋部の外周近傍の導体と導通する位置に、6点の半田ボール(導通バンプ)を、スクリーン印刷により均等に配置した。各バンプが配置されたSAWチップを、直径5インチ、厚み650μmのシリコンウエハ上に複数搭載し、加熱および冷却し、実装構造体を得た。
【0065】
得られた実装構造体を金型にセットした後、モールド材(エポキシ樹脂組成物)を、温度175℃、圧力2MPaの条件で同金型に圧入し、トランスファー成型による封止を行った。封止された実装構造体を、SAWチップの断面がわかる位置で切断し、蓋部の変位量を電子顕微鏡(1000倍)により観察した。
【0066】
変位量の観察では、SAWチップ内部の空間が保持されているかどうかを、次の三段階で評価した。
◎:中空部を保持できており、蓋部の変位がないか、変位があっても小さい。
○:中空部を保持できているが、蓋部の変位が大きい。
×:中空部が保持できていない。
【0067】
なお、モールド材(エポキシ樹脂組成物)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂80質量部、ノボラック型エポキシ樹脂20質量部、酸無水物46質量部、溶融シリカ50質量部、硬化促進剤1質量部を用いた。
【0068】
<比較例1>
非導通バンプを形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして実装構造体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0069】
<実施例5および6>
蓋部として、ポリイミドシート(厚み35μm、ヤング率9100MPa)および接着層であるエポキシ樹脂シート(厚み10μm、ヤング率:200MPa)を積層したシートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実装構造体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0071】
表1によれば、非導通バンプを形成した実施例1〜6では、非導通バンプの形状、接着面積および蓋部の材質にかかわらず、SAWチップ内部の空間を保持することができることがわかる。
【0072】
<実施例7>
予め、インクジェット法により非導通バンプを形成するための凸部(熱硬化性ポリイミド樹脂)が形成された、ポリイミドシートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実装構造体を作製し、評価した。空間保持の結果は○であった。
なお、ポリイミドシートの一方の面には、ポリイミド樹脂を接着成分とする接着層が形成されており、他方の面には、非導通バンプの接着形状および接着面積が、表1の実施例1に示す条件となるように凸部が形成されていた。ポリイミドシートは、凸部と蓋部との接触領域の中心が、領域A上の交点Cとなるように、かつ、凸部を備えた面とは反対の面が櫛形電極と対向するように、リブの端部に載置した。
【0073】
<実施例8>
非導通バンプを、蓋部に替えて、シリコンウエハ(第一回路部材)上に形成したこと以外は、実施例1と同様にして実装構造体を作製し、評価した。空間保持の結果は○であった。