(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6355035
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】エレベータ壁面装飾板材の固定装置
(51)【国際特許分類】
B66B 11/02 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
B66B11/02 H
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-7023(P2018-7023)
(22)【出願日】2018年1月19日
【審査請求日】2018年1月24日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0009685
(32)【優先日】2017年1月20日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516337917
【氏名又は名称】ユン,イル シク
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ユン,イル シク
【審査官】
八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】
韓国登録実用新案第20−0300353(KR,Y1)
【文献】
実開平3−89074(JP,U)
【文献】
韓国公開特許第2003−0053116(KR,A)
【文献】
実開昭52−97772(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/02−11/08
E04F 13/00−13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジ等の締結具や接着剤によって壁面に付着して固定される細長い四角板状の底部、前記底部の全長にわたって前記底部から上方に延びる垂直壁、及び、前記垂直壁の全長にわたって前記垂直壁の上端部から水平に延び、底部との間に第1溝を形成し、上面には締結具や接着剤によって装飾板材が固定される細長い四角板状の第1支持部を含む雌フレーム、
前記雌フレームの第1溝に嵌合され、前記第1溝の内側端部に一致する形状の突出顎が一端部に形成された細長い四角板状の結合部、前記結合部の他端部に連結された垂直壁、及び前記垂直壁の一端部から垂直壁の両側に水平に延びて結合部との間に第2溝を形成し、上面に締結具や接着剤によって他の装飾板材が固定される細長い四角板状の第2支持部を含む雄フレーム、
前記雄フレームの第2溝に結合される細長い四角板状の係止顎、及び前記係止顎の一端部から直角に延びる垂直壁を備えたトリム、
エレベータの隅部の壁面に設けられ、断面がジグザグ形態の隅用の雄フレーム、
前記隅用の雄フレームに嵌合され、装飾板材を支持し、断面が横になったU形状の隅用の雌フレーム、及び、
前記隅用の雌フレームに結合されて装飾板材の縁部をカバーし、断面が逆「コ」字形状または逆「L」字形状の仕上げカバーを含むことを特徴とするエレベータ壁面装飾板材の固定装置。
【請求項2】
前記トリム垂直壁の一端部の両側に突出するように垂直壁の全長に沿って水平に形成され、両側に装飾板材を各々支持し、且つ、外部に露出されるサポートをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のエレベータ壁面装飾板材の固定装置。
【請求項3】
前記トリムの垂直壁の一側や両側に溝が形成され、該溝に装飾板の縁部が嵌められることを特徴とする、請求項2に記載のエレベータ壁面装飾板材の固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ壁面装飾板材の固定装置に関し、具体的には、装飾板材間に露出される結合部の幅を最小化して美感を高め、資材の量を減らして原価を節減するためのエレベータ壁面装飾板材の固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人の韓国登録実用新案第268199号公報及び韓国登録実用新案第300353号公報は、雄雌フレームを互いに嵌合してエレベータの装飾板材を容易に設置するための装置である。
【0003】
図1はこのような装置を用いて装飾板材が設置された状態を示すエレベータ内部の斜視図であり、
図2は装飾板材がどのように結合されるのかを示す断面図である。
【0004】
図示されたように、2個の装飾板材1の間には結合装置の雄雌フレームが結合され、2個の露出部4が2列で露出される。このように2列で露出されれば、装飾板材間の露出部の幅が大きいため、装飾板材を設置した目的である審美的な外観を大きく害するようになる。また、結合のための部品数が多いという問題がある。
【0005】
審美的な外観を改善しようとすれば、装飾板材間の間隔、すなわち、露出部の幅をできるだけ小さくすることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録実用新案第268199号公報
【特許文献2】韓国登録実用新案第300353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来のこのような問題点を考慮して導き出されたものであり、従来に比べて装飾板材間の露出部の幅をできるだけ減らして、装飾板材の目的である審美的な外観を高める一方、資材の量を減らして原価を節減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような目的を達成するために、ネジ等の締結具や接着剤によって壁面に付着して固定される細長い四角板状の底部12、底部の全長にわたって前記底部12から上方に延びる垂直壁14、及び、垂直壁の全長にわたって前記垂直壁14の上端部から水平に延び、底部との間に第1溝15を形成し、上面には締結具や接着剤3によって装飾板材1が固定される細長い四角板状の第1支持部16を含む雌フレーム10、
前記雌フレーム10の第1溝15に嵌合され、第1溝15の内側端部に一致する形状の突出顎21が一端部に形成された細長い四角板状の結合部22、前記結合部の他端部に連結された垂直壁24、及び、前記垂直壁24の一端部から垂直壁の両側に水平に延びて結合部22との間に第2溝25を形成し、上面に締結具や接着剤によって他の装飾板材が固定される細長い四角板状の第2支持部26を含む雄フレーム20、及び、
前記雄フレーム20の第2溝25に結合される細長い四角板状の係止顎32、及び、前記係止顎32の一端部から直角に延びる垂直壁34を備えたトリム30を含むエレベータ壁面装飾板材の固定装置を提供する。
【0009】
この場合、トリム30の垂直壁34の一端部の両側に突出するように垂直壁の全長に沿って水平に形成され、両側に装飾板材を各々支持し、且つ、外部に露出されるサポート36をさらに形成してもよい。
【0010】
本発明に係るエレベータ壁面装飾板材の固定装置は、エレベータの隅部に壁面に設けられ、断面がジグザグ形態の隅用の雄フレーム40、前記隅用の雄フレーム40に嵌合され、装飾板材を支持し、断面が横になったU形状の隅用の雌フレーム50、及び前記隅用の雌フレーム50に結合され、装飾板材の縁部をカバーし、断面が逆「コ」字形状または逆「L」字形状の仕上げカバー60をさらに含んでもよい。
【0011】
また、本発明において、トリム30の垂直壁34の一側や両側に溝が形成され、この溝に装飾板の縁部を嵌めてもよい。
【発明の効果】
【0012】
このように構成された本発明によれば、装飾板材間の露出部を2列から1列に減らして幅をできるだけ小さくして装飾板材の審美的な外観を大幅に改善することができ、投入される資材の量を減らして原価を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】従来の装置を用いて装飾板材が設置された状態を示すエレベータ内部の斜視図である。
【
図2】
図1の装飾板材がどのように結合されるのかを示す断面図である。
【
図3】本発明の結合装置を用いて装飾板材が結合された状態のエレベータ内部を示す斜視図である。
【
図6】
図4の丸部分を拡大して結合関係を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図3は本発明の結合装置を用いて装飾板材1が結合された状態のエレベータ内部を示す斜視図であり、
図4は
図3のIV−IV線断面図であり、
図5は
図3のV−V線断面図であり、
図6は
図4の丸部分を拡大して結合関係を示す断面図である。
【0015】
後ほど詳しく説明するが、本発明によれば、
図3に示すように、装飾板材1間の結合装置の露出部が1列に形成されて露出部の幅が最小化されるため、装飾板材による審美感を最大限に高めることができる。
【0016】
図6に示すように、本発明の装飾板材結合装置は、大きく3つの部分、すなわち、雌フレーム10、雄フレーム20及びトリム30からなる。
【0017】
雌フレーム10は、ネジ等の締結具や接着剤によって壁面に付着して固定される細長い四角板状の底部12、底部の全長にわたって底部12から上方に延びる垂直壁14、及び、垂直壁の全長にわたって垂直壁14の上端部から水平に延び、底部との間に第1溝15を形成し、上面には締結具や接着剤3によって装飾板材1が固定される細長い四角板状の第1支持部16を含む。
【0018】
雄フレーム20は雌フレーム10に結合される要素である。雄フレームは、雌フレーム10の溝15に嵌合され、溝15の内側端部に一致する形状の突出顎21が一端部に形成された細長い四角板状の結合部22、結合部の他端部に連結された垂直壁24、及び垂直壁24の一端部から垂直壁の両側に水平に延びて結合部22との間に第2溝25を形成し、上面に締結具や接着剤によって他の装飾板材が固定される細長い四角板状の第2支持部26を含む。
【0019】
トリム30は装飾板材1を両側に嵌合して雄フレーム20に固定される要素である。トリム30は、雄フレーム20の第2溝25に結合される細長い四角板状の係止顎32、係止顎32の一端部から直角に延びる垂直壁34、及び垂直壁34の一端部の両側に突出するように垂直壁の全長に沿って水平に形成され、両側に装飾板材を各々支持し、且つ、外部に露出されるサポート36を含む。
【0020】
トリム30の係止顎32を雄フレーム20の第2溝25に嵌め、一側のサポート36に装飾板材1を嵌めた状態で矢印(A)方向に雄フレーム20を雌フレーム10に結合し、この時、反対側の装飾板材1をトリム30の反対側のサポート36に結合すれば、
図3の中間部分のような結合状態となる。
【0021】
図7は、
図5の左側隅部の分離断面図である。
【0022】
この部分はエレベータの隅部に壁面に設けられる部分であって、隅用の雄フレーム40と雌フレーム50と仕上げカバー60とからなる。
【0023】
隅用の雄フレーム40は断面がジグザグ形態の細長い板状の要素である。ジグザグ形態であるため、両側の上下に結合用溝が形成される。
【0024】
隅用の雌フレーム50は、隅用の雄フレーム40に、具体的には、隅用の雄フレーム40と壁面との間の溝に結合され、隅用の雄フレーム40の突出部は、隅用の雌フレーム50の溝に嵌合される。隅用の雌フレーム50は、装飾板材を支持するものであり、断面は横になったU形状である。
【0025】
仕上げカバー60は、隅用の雌フレーム50に結合されて装飾板材の縁部をカバーし、断面が逆「コ」字形状である。3要素を矢印で表示された方向通りに結合すれば
図5の左側部分のような結合状態となる。一方、仕上げカバー60の形状を逆「L」字形状にしてもよい。この場合、外部に露出される部分の幅をさらに減らすことができる。
【0026】
図8はトリム30の変形例を示す断面図である。装飾板材1の縁部が
図8に示すように雄フレーム20の縁部より突出してもよく、このような突出状況をカバーするためにトリム30の垂直壁34の一側や両側に溝を形成する。そして、この溝に装飾板の突出した縁部を矢印方向に嵌めて結合することができる。
【0027】
図9はトリム30の他の変形例を示す断面図である。図示されたように、トリム30において、前述したサポート36を無くしてもよい。この場合、装飾板材間に露出される露出部の幅がさらに減る効果があり、美感をさらに高めることができる。
【要約】 (修正有)
【課題】装飾板材間に露出される結合部の幅を最小化して美感を高めるためのエレベータ壁面装飾板材の固定装置を提供する。
【解決手段】底部12から上方に延びる垂直壁14、垂直壁14の上端部から水平に延び、底部との間に第1溝15を形成し、装飾板材1が固定される第1支持部16を含む雌フレーム10、雌フレーム10の第1溝15に嵌合され、第1溝15の内側端部に一致する形状の突出顎21が一端部に形成された細長い四角板状の結合部22、結合部に連結された垂直壁24、垂直壁24の一端部から垂直壁の両側に水平に延びて結合部22との間に第2溝25を形成し、上面に雄フレーム20、及び雄フレーム20の第2溝25に結合される細長い四角板状の係止顎32、係止顎32の一端部から直角に延びる垂直壁34、垂直壁34の垂直壁の全長に沿って水平に形成され装飾板材を各々支持し外部に露出されるサポート36を含むトリム30を含む。
【選択図】
図6