(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0029】
<<1.写真撮影遊戯機の構成>>
<1.1.全体構成>
図1は、写真撮影遊戯機1を撮影ブース2側から見た斜視図である。
図1を参照して、写真撮影遊戯機1は、撮影ブース2と、編集ブース3と、事前接客ブース4とを備える。撮影ブース2では、プレイヤを被写体とする写真画像が生成される。編集ブース3では、生成された写真画像が編集される。事前接客ブース4では、写真画像を生成するための設定条件を、写真画像を撮影及び生成する前に受け付ける。
【0030】
<1.2.事前接客ブースの構成>
図2は、
図1中の写真撮影遊戯機1のうち、事前接客ブース4と、撮影ブース2に含まれる正面筐体20Aとの斜視図である。事前接客ブース4では、プレイヤの選択により、合成画像の生成条件が決定される。
【0031】
図2を参照して、事前接客ブース4には、受付装置40が配置される。受付装置40は、写真撮影遊戯機1の側面(正面筐体20Aの側面)に配置される。受付装置40は、ディスプレイ41と、コイン投入口42と、スピーカ43とを備える。ディスプレイ41の表面には図示しないタッチパネルが貼り付けられている。受付装置40は、ディスプレイ41のタッチパネルを介して、プレイヤの選択操作を受け付ける。受付装置40は、
図2に示す配置位置と反対側にも配置可能である。
【0032】
プレイヤは、撮影ブースで撮影する前に、コイン投入口42にコインを投入する。コインの投入によりプレイが開始され、プレイヤは、ディスプレイ41に表示される選択画面に従って、写真画像を生成するための設定条件を選択する。この操作により、生成される写真画像及び合成画像の条件が決定される。
【0033】
<1.3.撮影ブースの構成>
撮影ブース2は、
図2に示す正面筐体20Aと、
図3に示す背面筐体20Bとを含む。
正面筐体20Aは、背面筐体20Bと隙間を設けて互いに対向して配置される。正面筐体20Aと背面筐体20Bとは、フレーム材等で連結される。撮影ブース2では、正面筐体20A及び背面筐体20Bにより、内部に空間が形成され、正面筐体20Aの側面と背面筐体20Bの側面との間に形成される隙間が、撮影ブース2内への出入り口となる。出入り口には、図示しないカーテン等が配置される。以降、撮影ブース2において、正面筐体20A側を「正面側」といい、背面筐体20B側を「背面側」という。
【0034】
撮影ブース2は、撮影装置20を備える。撮影装置20は、正面筐体20Aの正面側に配置される。
図2に示すように、撮影装置20は、正面カメラ21A及び上カメラ21Bを含む撮影機、正面ディスプレイ22A、上ディスプレイ22B、及び照明装置23A〜23Jを含む。
【0035】
<1.3.1.正面カメラ及び正面ディスプレイの構成>
正面カメラ21Aは、撮影ブース2の背面側を向くように配置され、プレイヤを正面から撮影して写真画像を生成する。ここで、正面カメラ21Aと、正面カメラ21Aの焦点距離と撮影方向とを調整する調整装置200(
図4A参照)について説明する。
【0036】
図4Aは、正面カメラ21Aと調整装置200とを前方から見た斜視図である。
図4Aに示すように、正面カメラ21Aは、支持台218に固定されている。支持台218は、一点鎖線Aを回転軸として、固定台219に対して回転可能に取り付けられている。固定台219は、正面筐体20A(
図2参照)において動かないように固定されている。正面カメラ21Aには、ズームレンズ1100が取り付けられている。調整装置200は、ズームレンズ1100の焦点距離を調整するための調整機構として、モータ211、トルクリミッタ212、ギヤ213及び214、ズーム規制ギヤ215を備える。
【0037】
円環状のズーム規制ギヤ215は、ズームレンズ1100にはめ込まれている。モータ211の回転によってトルクリミッタ212が回転する。トルクリミッタ212の回転によってギヤ213及び214が回転し、その回転に応じてズーム規制ギヤ215が回転する。トルクリミッタ212は、所定値以上のトルクを検出した場合、回転を停止する。これにより、ズームレンズ1100に過負荷がかかることが防止される。ズームレンズ1100の焦点距離は、ズーム規制ギヤ215の回転量に応じて変化する。
【0038】
このように、本実施形態では、正面カメラ21A及びズームレンズ1100の外側に設けられた、焦点距離を調整する調整機構によって、ズームレンズ1100の焦点距離が調整される。正面カメラ21Aの撮影画角は、ズームレンズ1100の焦点距離が望遠側に調整されるほど狭くなり(拡大画角)、ズームレンズ1100の焦点距離が広角側に調整されるほど広くなる(広角画角)。
【0039】
次に、正面カメラ21Aの撮影方向を調整する調整機構について説明する。
図4Bは、
図4Aに示す調整装置200を矢印C方向から見た背面図である。
図4Bに示すように、支持台218の背面には、突起2811が取り付けられている。調整装置200は、正面カメラ21Aの撮影方向を調整する調整機構として、カム216及びモータ217を備える。突起2811は、カム216の上に載せられている。カム216は、
図4Aに示す一点鎖線Bを回転軸として、固定台219に回転可能に取り付けられている。カム216は、回転中心から円周までの距離が一定でない円盤形状を有する。カム216はモータ217と接続されており、モータ217の回転に応じて回転する。カム216の回転により、突起2811の高さが固定台219を基準として変化する。支持台218は、固定台219に対して回転可能に取り付けられている。そのため、突起2811の高さの変化に応じて正面カメラ21Aの仰俯角が変化することにより、正面カメラ21Aの撮影方向が上下方向に変化する。
【0040】
図2に戻り、説明を続ける。正面ディスプレイ22Aは、正面カメラ21Aでプレイヤを撮影するときに、プレイヤが自分の撮影ポーズを確認するためのモニタである。具体的には、正面ディスプレイ22Aは、正面カメラ21Aと同様に、撮影ブース2の背面側を向くように配置される。正面ディスプレイ22Aは、正面カメラ21Aで撮影されたプレイヤ(被写体)の映像を左右反転してライブ映像(動画)としてリアルタイムに表示する。そのため、プレイヤは正面カメラ21Aでの撮影時に、正面ディスプレイ22Aに鏡のように映る自分の姿を見ながら撮影することができる。また、正面ディスプレイ22Aにはタッチパネルが貼り付けられており、タッチパネルを介してプレイヤの入力操作を受け付ける。本実施形態では、正面カメラ21Aは縦長長方形状の撮像面を有する。つまり、正面カメラ21Aの撮影範囲は縦長であり、より具体的には、縦長の長方形である。
【0041】
<1.3.2.上カメラ及び上ディスプレイの構成>
図2に示すように、上カメラ21Bは、正面カメラ21Aよりも上方に配置され、撮影ブース2の背面側に向かって斜め下方に向く。上カメラ21Bは、プレイヤを上方から撮影した写真画像を生成する。本実施形態において、上カメラ21Bは、鉛直方向に対する背面側への傾き(撮影方向)が所定の角度で配置され、所定の焦点距離が設定されている。上カメラ21Bは、正面カメラ21Aとは異なるアングルからプレイヤを撮影するため、正面カメラ21Aで生成された写真画像と異なる写真画像を生成できる。本実施形態では、上カメラ21Bは横長長方形状の撮像面を有する。つまり、上カメラ21Bの撮影範囲は横長であり、より具体的には、横長の長方形である。
【0042】
上ディスプレイ22Bは、上カメラ21Bの直下に配置され、上カメラ21Bと同様に、撮影ブース2の背面側に向かって斜め下方に向く。上ディスプレイ22Bは、上カメラ21Bで撮影されたプレイヤのライブ映像をリアルタイムに表示可能である。プレイヤは上カメラ21Bでの撮影時に、上ディスプレイ22Bで自身の姿を確認する。
【0043】
なお、上述した正面カメラ21A及び上カメラ21Bは、例えば一眼レフレックスデジタルカメラ(いわゆる、デジタル一眼レフカメラ)である。正面カメラ21A及び上カメラ21Bは、図示しない公知のオートフォーカス(AF)モジュールを備える。AFモジュールは、例えば公知の位相差検出法を用い、図示しない撮影レンズの位置を調整して焦点を合わせる。正面カメラ21A及び上カメラ21Bは、被写体を撮影した際に、写真画像の撮影日時、焦点距離等を含むメタデータ(以下、撮影情報と称する)と、JPEG等の写真画像の画像データとを含むExif(Exchangeable image file format)形式の写真画像データを生成する。
【0044】
上述のとおり、撮影装置20は、縦長の撮影範囲を有する正面カメラ21Aと、横長の撮影範囲を有する上カメラ21Bとを含む。したがって、撮影装置20は、縦長撮影範囲及び横長撮影範囲で被写体を撮影可能である。
【0045】
<1.3.3.その他の構成>
図2に示すように、照明装置23A〜23Jは、いずれも撮影ブースの背面側に向いて配置される。これらの照明装置23A〜23Jは、正面カメラ21A及び上カメラ21Bが被写体を撮影する瞬間(つまり、ライブ映像を静止画として取り込む瞬間)に発光し、被写体を強く照明する。
【0046】
照明装置23Dは、正面カメラ21Aと上カメラ21Bとの間に配置され、正面カメラ21Aと上カメラ21Bとの間に暗部が形成されるのを抑制する。さらに、被写体の鼻筋にハイライトを付ける効果を有する。照明装置23A〜23Gは、正面筐体20Aの正面の幅中央部分に配置される。つまり、照明装置23A〜23Gは、正面筐体20Aの正面の幅中央部分に集中して配置される。このような配置により、撮影された被写体が立体的に見えやすくなる。
【0047】
図3を参照して、背面筐体20Bにも照明装置23K〜23Mが配置される。照明装置23K〜23Mは、撮影ブース2の正面側を向いて配置され、照明装置23A〜23Gと同様に、撮影時に発光してプレイヤを照射する。
【0048】
背面筐体20Bの背面には、背面パネル24が配置される。背面パネル24は、クロマキー合成用のパネルであってもよいし、クロマキー合成用のカーテンを備えてもよい。
【0049】
また、撮影ブース2の床面には、クロマキー合成用の床マットや床板等の床部材(図示略)が設けられている。床部材は、例えば黄緑色であり、背面筐体20Bの背面パネル24と同じ色である。正面カメラ21A及び上カメラ21Bは、床部材及び背面パネル24を背景とする撮影を行う。写真撮影遊戯機1は、クロマキー技術を用いることにより被写体以外の背景を容易に特定できる。
【0050】
<1.4.編集ブースの構成>
編集ブース3では、撮影ブース2で生成された被写体(プレイヤ)の写真画像に落書き画像等の編集画像を配置する編集処理が実施される。写真画像及び編集画像を合成することにより後述の合成画像が生成される。
【0051】
図1を参照して、編集ブース3には、編集装置30が配置される。
図5は、編集装置30の斜視図である。
図5に示すように、編集装置30は、2つの画像編集装置31と、シール紙排出装置32と、筐体33とを備える。2つの画像編集装置31は、互いに背中合わせになるように、筐体33の正面及び背面に配置される。
【0052】
各画像編集装置31は、編集用のディスプレイ311と、2つのタッチペン312と、スピーカ313とを備える。ディスプレイ311は、画像編集装置31の中央に設けられ、撮影処理で生成された複数の写真画像を表示する。さらに、ディスプレイ311の表示画面上には透明なタッチパネルが貼り付けられている。画像編集装置31は、タッチパネルを介してユーザの編集操作を受け付ける。2つのタッチペン312は、編集用ディスプレイ311の両側に設けられる。タッチペン312は、ペン画像やスタンプ画像といった編集画像(落書き画像)をディスプレイ311で写真画像内に配置するために用いられる。つまり、プレイヤはタッチペン312を用いて、写真画像を編集する。本実施形態では、タッチペン312が画像の編集に用いられるが、プレイヤは、タッチペン312の代わりに、プレイヤの指でディスプレイ311のタッチパネルに直接触れてもよい。
【0053】
スピーカ313は、編集プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。編集終了後、写真撮影遊戯機1は写真画像と編集画像とを合成して合成画像を生成する。
【0054】
シール紙排出装置32は、筐体33の側面下側に配置される。シール紙排出装置32は、プリンタ650(
図6参照)を収納する。プリンタ650は、合成画像を印刷用紙であるシール紙に印刷する。シール紙排出装置32は、プリンタ650により印刷されたシール紙を排出口321に排出する。
【0055】
<1.5.写真撮影遊戯機の機能構成>
図6は、写真撮影遊戯機1の機能ブロック図である。
図6を参照して、写真撮影遊戯機1は、写真撮影遊戯機1全体を制御するコンピュータ装置101と、動作中のコンピュータ装置101からの指示を受け付けて、接続されている各種装置を制御する制御基板102と、クロマキーキャプチャボード17とを備える。これらは写真撮影遊戯機1の制御装置100として機能する。制御装置100は撮影装置20に搭載されていてもよいし、編集装置30に搭載されていてもよい。
【0056】
コンピュータ装置101は、CPU(Central Processing Unit)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、メモリ105と、通信部106とを備える。CPU103は、メインメモリであるメモリ105に記憶されたプログラムを実行して、コンピュータ装置101を制御する。HDD104は、本装置に所定の処理を実行させるための制御プログラム、処理に必要なグラフィックデータ、音声データ、生成された写真画像、予め用意された複数の背景画像、予め用意された複数のフレーム画像や複数のスタンプ画像等の各種画像データを記憶する。制御プログラムは、コンピュータ装置101にインストールされることにより、HDD104に格納される。メモリ105は、コンピュータ装置101のメインメモリであり、CPU103により実行される制御プログラムの一時的な作業領域として用いられる。通信部106は、インターネット等のネットワークを介して図示しないサーバと通信する。
【0057】
<1.5.1.事前接客処理時に動作する機能>
コンピュータ装置101は、事前接客ブース4での事前接客処理を実行する。事前接客処理は、後述する起動処理及び受付処理を含む。具体的には、コンピュータ装置101は制御プログラムを実行し、デモ映像、名前入力画面などを受付用のディスプレイ41に表示する。コンピュータ装置101は、制御基板102を介して、ディスプレイ41及びスピーカ43と接続される。ディスプレイ41のタッチパネルは、ユーザの指の接触を検知し、それに応じた指示信号をコンピュータ装置101に送信する。スピーカ43は、コンピュータ装置101から与えられる指示信号に基づいて、案内音声、BGMなどを出力する。
【0058】
<1.5.2.写真画像生成処理時に動作する機能>
コンピュータ装置101は、撮影ブース2での写真画像生成処理を実行する。具体的には、コンピュータ装置101は制御プログラムを実行し、必要に応じて正面ディスプレイ22Aを介して入力されたユーザの操作に応じて、制御信号を制御基板102に送信する。コンピュータ装置101はまた、正面カメラ21A、上カメラ21B、正面ディスプレイ22A、上ディスプレイ22B、スピーカ450、調整装置200及び制御基板102と接続され、それらを制御する。スピーカ450は、コンピュータ装置101から与えられる指示信号に基づいて、撮影プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。
【0059】
クロマキーキャプチャボード17は、正面カメラ21A、上カメラ21Bで撮影されている映像(被写体映像)を所定の時間間隔(たとえば30フレーム/秒)でデジタルデータ(静止画像)として取り込む。クロマキーキャプチャボード17は、取り込んだ静止画像の中からクロマキー技術により被写体以外の領域を検出し、その検出した領域に選択された所望の背景画像を合成する。コンピュータ装置101はさらに、被写体映像の顔部分に画像処理を施し、必要に応じて被写体映像をトリミングする。
【0060】
<1.5.3.画像編集処理時に動作する機能>
コンピュータ装置101はさらに、編集ブース3での画像編集処理を実行する。具体的には、コンピュータ装置101は制御プログラムを実行し、編集用のディスプレイ311に対する入力操作に応じて、制御信号を制御基板102に送信する。コンピュータ装置101は、プリンタ650及びディスプレイ311と接続され、それらを制御する。
【0061】
ディスプレイ311のタッチパネルは、タッチペン312等の接触を検知し、それに応じた指示信号をコンピュータ装置101に送信する。ディスプレイ311は、コンピュータ装置101から送信された編集画像(落書き画像)を写真画像上に重ねて表示する。スピーカ313は、コンピュータ装置101から与えられる指示信号に基づいて、編集プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。
【0062】
<1.5.4.サーバとの通信時に動作する機能>
コンピュータ装置101はさらに、通信部106により、インターネット等のネットワークを介して図示しないサーバSVと通信する。そして、写真撮影遊戯機1で生成された画像をユーザの携帯端末にサーバ経由で提供可能にする。これにより、ユーザはユーザ端末に写真画像や合成画像を取得できる。
【0063】
コンピュータ装置101は、ユーザの要求に応じて生成された写真画像及び合成画像を取得するのに必要なアクセス情報(たとえばURL)を非接触通信装置97を介してユーザの携帯端末に送信してもよい。
【0064】
<1.5.5.印刷処理時に動作する機能>
コンピュータ装置101は、プリンタ650に対して印刷指示を送信し、印刷すべき合成画像を送信する。プリンタ650は、印刷すべき合成画像の受信を完了したとき、印刷指示に応じて印刷を開始する。
【0065】
<1.5.6.その他の機能>
制御基板102はさらに、コンピュータ装置101の他に、ストロボ制御部110、ストロボ15、蛍光灯14、サービスパネル113及びコイン制御部112に接続される。
【0066】
<<2.写真撮影遊戯機の概要>>
<2.1.写真撮影遊戯機で生成される合成画像>
写真撮影遊戯機1は、
図7A、7Bに示す合成画像を生成する。
図7Aに示す合成画像310は、撮影処理によって生成される被写体の写真画像300と、画像編集処理によって生成される編集画像303とを含む。写真画像300は、被写体画像のみ、又は被写体画像と背景画像とを含む。編集画像303は、文字列やフレーム、落書き画像等である。編集画像303は、画像編集処理において写真画像300と合成される。
図7Aの合成画像310の形状は正方形状であり、被写体の上半身部分又は顔及びその周辺部分を表示するのに適する。本明細書において、被写体の上半身部分が表示され、下半身部分が表示されない画像、又は、顔及びその周辺部分(又は手部分)が表示され、それ以外の被写体部分が表示されない画像を「アップ画像」という。そして、
図7Aに示すように正方形状のアップ画像を含む合成画像を「アップ合成画像」ともいう。
【0067】
図7Bに示す合成画像320も、撮影処理によって生成される写真画像300と、画像編集処理によって生成される複数の編集画像303とを含む。ただし、合成画像320の形状は長方形状であり、被写体の全身(少なくとも上半身部分と下半身の一部とを含む部分)を表示するのに適する。本明細書において、被写体の全身部分が表示される長方形状の画像を、「全身画像」といい、
図7Bに示すように、全身画像を含む合成画像320を「全身合成画像」ともいう。
【0068】
<2.2.写真撮影遊戯機の特徴>
上述したように、正面カメラ21Aの焦点距離は、調整装置200によるズームレンズ1100の回転制御によって設定される。焦点距離によって正面カメラ21Aの撮影画角も変わるため、ズームレンズ1100や調整機構に破損が生じると、所望する画角で撮影されず、所望する画角とは異なる画角の写真画像が生成される。そのため、本実施形態では、写真撮影遊戯機1の電源がオンにされたときに(起動時)、写真撮影遊戯機1は、所望の画角で撮影できているか否か、すなわち、正面カメラ21Aの焦点距離の設定が適切に行われているか否かを確認するためのズームチェック処理を行う。
【0069】
ズームチェック処理は、正面カメラ21Aの焦点距離が、所望の画角に対応する焦点距離(設定焦点距離)となるようにズームレンズ1100を設定して、正面カメラ21Aによりテスト撮影を行い、テスト撮影によって得られる写真画像の撮影情報の焦点距離と設定焦点距離とが一致しているか否かを判定する処理である。本実施形態において、所望の画角は、上述したアップ画像の画角と全身画像の画角であり、以下、アップ画像の画角を所定の拡大画角、全身画像の画角を所定の広角画角と称する。
【0070】
写真撮影遊戯機1は、起動時のズームチェック処理における判定が不一致であれば、ズームエラーを通知し、プレイを開始させないようにする。プレイは、上述した事前接客処理における受付処理〜印刷処理の一連の処理を含む。
【0071】
さらに、写真撮影遊戯機1は、プレイ中の撮影処理においても上述したズームチェック処理と同様の判定を行う。プレイ中の撮影処理の判定では、後述する撮影コースに応じて上記所望の画角が定められ、プレイヤを被写体として撮影して得られる写真画像の撮影情報の焦点距離が判定対象となる。写真撮影遊戯機1は、撮影処理における判定が不一致であれば、撮影処理中にエラーを通知して撮影処理を停止する。
【0072】
つまり、本実施形態では、所望の画角に対応する設定焦点距離が所望の撮影条件であり、写真撮影遊戯機1は、所望の撮影条件となるように正面カメラ21Aを調整し、撮影して得られた写真画像の撮影条件(焦点距離)と、所望の撮影条件との一致を判定することにより、所望の画角で撮影できているか否かを判定する。
【0073】
<<3.写真撮影遊戯機の動作>>
<3.1.動作概要>
本実施形態による写真撮影遊戯機1は、起動時に起動処理を行い、プレイの開始時に事前接客ブース4において受付処理を行うことにより、生成する合成画像の生成条件を受け付ける(事前接客処理)。写真撮影遊戯機1は続いて、撮影ブース2において、プレイヤを被写体として撮影して写真画像を生成する(写真画像生成処理)。写真画像生成処理後、写真撮影遊戯機1は、編集ブース3において、プレイヤの操作に応じて写真画像に編集画像を配置し、合成画像を生成する。そして、写真撮影遊戯機1は、生成された合成画像を印刷する(画像編集処理)。写真撮影遊戯機1はさらに、合成画像をサーバを介してプレイヤの所有する端末に送信する(画像送信処理)。以下、それぞれの処理について詳述する。
【0074】
<3.2.事前接客処理>
図8は、写真撮影遊戯機1により実行される事前接客処理のフロー図である。CPU103は、制御プログラムに基づいて、事前接客処理を実行する。写真撮影遊戯機1は、事前接客処理として、起動時に、ステップS10〜S12の各処理を含む起動処理を行い、起動処理後、プレイの開始時に行うステップS13〜S19の各処理を含む受付処理を行う。以下、各処理について具体的に説明する。
【0075】
CPU103は、電源がオンにされると、まず起動時処理を実行する(ステップS10)。起動時処理は、初期化処理と、撮影環境を確認するための撮影環境チェック処理とを含む。CPU103は、初期化処理として、たとえば、照明装置23A〜23Mのストロボ機能の初期化、正面カメラ21A、上カメラ21Bの初期化、プリンタ650の初期化などを行う。続いて、CPU103は、撮影環境チェック処理を行う。
【0076】
撮影環境チェック処理は、上述したズームチェック処理と床マットチェック処理とを含む。床マットチェック処理は、撮影ブース2の床面にクロマキー合成用の床部材(床マット等)が設けられているか否かを確認する処理である。ここで、撮影環境チェック処理の動作について説明する。
図9は、撮影環境チェック処理の動作を示すフロー図である。
【0077】
CPU103は、ズームチェック処理として、まず第1ズームチェック処理を行う(ステップS101)。第1ズームチェック処理は、正面カメラ21Aの焦点距離を所定の拡大画角に対応する設定焦点距離に設定するズーム設定を行い、正面カメラ21Aでテスト撮影を行った写真画像が所定の拡大画角で撮影されているか否かを判定する処理である。
図10は、第1ズームチェック処理の詳細な動作フローである。
【0078】
図10において、CPU103は、撮影ブース2における正面ディスプレイ22Aに第1ズームチェック処理を開始する旨の表示画面を表示する(ステップS111)。続いて、CPU103は、調整装置200により、アップ画像用の所定の撮影方向となるように正面カメラ21Aの上下方向の角度を調整し、所定の拡大画角に対応する第1焦点距離(設定焦点距離)となるように、ズームレンズ1100のズーム規制ギヤ215を望遠側に回転させてズーム設定を行う(ステップS112)。そして、CPU103は、正面カメラ21Aをマニュアルフォーカスモードに設定する(ステップS113)。
【0079】
CPU103は、制御装置200によるズーム設定が完了する所定時間が経過するまで待機し(ステップS114:No)、所定時間が経過すると(ステップS114:Yes)、正面カメラ21Aによって撮影(テスト撮影)を行う。これにより、正面カメラ21Aは、写真画像の画像データに、テスト撮影時の焦点距離等を含む撮影情報を付加した写真画像データを生成してCPU103へ送出する(ステップS115)。
【0080】
CPU103は、この間、ズームチェック処理の確認中である旨の表示画面を正面ディスプレイ22Aに表示し(ステップS116)、正面カメラ21Aから送出された写真画像データから撮影情報を取得する(ステップS117)。
【0081】
CPU103は、取得した撮影情報に含まれる焦点距離が、第1焦点距離とみなす第1閾値範囲内(例えば、25mm以上27mm以下)である場合には(ステップS118:Yes)、ズームレンズ1100のズーム設定が正常であると判定する(ステップS119)。一方、CPU103は、取得した撮影情報に含まれる焦点距離が第1閾値範囲内でない場合には(ステップS118:No)、ズームレンズ1100のズーム設定が異常であると判定する(ステップS120)。
【0082】
図9に戻り、説明を続ける。CPU103は、上述したステップS101の第1ズームチェック処理においてズーム設定が異常であると判定した場合(
図10においてステップS120)、つまり、ズームエラーが発生している場合(ステップS102:Yes)、エラーを通知して起動処理の進行を停止させる(ステップS103)。具体的には、CPU103は、例えば、
図11Aに示す表示画面を正面ディスプレイ22Aに表示することにより、エラーが発生していることを写真撮影遊戯機1の管理者に通知する。また、CPU103は、受付用のディスプレイ41にプレイの開始を促すデモ画面を表示する処理を停止することにより、起動処理の進行を停止させ、プレイが開始されないようにする。
【0083】
一方、CPU103は、上述したステップS101の第1ズームチェック処理においてズーム設定が正常であると判定した場合(
図10においてステップS119)、つまり、ズームエラーが発生していない場合(ステップS102:No)、続けて第2ズームチェック処理を行う(ステップS104)。第2ズームチェック処理は、正面カメラ21Aの焦点距離を所定の広角画角に対応する設定焦点距離に設定するズーム設定を行い、正面カメラ21Aで撮影した写真画像が所定の広角画角で撮影されているか否かを判定する処理である。
【0084】
図12は、第2ズームチェック処理の動作を示すフローである。
図12の動作フローにおいて、
図10と同様の処理には同じステップ番号を付している。以下、第1ズームチェック処理と異なる処理について説明する。
【0085】
図12において、CPU103は、撮影ブース2における正面ディスプレイ22Aに第2ズームチェック処理を開始する旨の表示画面を表示する(ステップS211)。続いて、CPU103は、調整装置200により、全身画像用の所定の撮影方向となるように正面カメラ21Aの上下方向の角度を調整し、所定の広角画角に対応する第2焦点距離(設定焦点距離)となるように、ズームレンズ1100のズーム規制ギヤ215を回転させてズーム設定を行う(ステップS212)。なお、全身撮影用の撮影方向は、アップ画像用の撮影方向と比べて下向きに調整される。そして、CPU103は、第1ズームチェック処理と同様、ステップS113〜S117の処理を行う。
【0086】
CPU103は、ステップS117で取得した撮影情報に含まれる焦点距離が、第2焦点距離とみなす第2閾値範囲内(例えば、17mm以上18mm以下)である場合には(ステップS218:Yes)、ズームレンズ1100のズーム設定が正常であると判定する(ステップS219)。一方、CPU103は、取得した撮影情報に含まれる焦点距離が第2閾値範囲内でない場合には(ステップS218:No)、ズームレンズ1100のズーム設定が異常であると判定する(ステップS220)。
【0087】
図9に戻り、説明を続ける。CPU103は、上述したステップS104の第2ズームチェック処理においてズーム設定が異常であると判定した場合(
図12においてステップS220)、つまり、ズームエラーが発生している場合(ステップS105:Yes)、第1ズームチェック処理と同様、
図11Aに示す表示画面を正面ディスプレイ22Aに表示してエラーを通知し、プレイの開始を停止する(ステップS103)。つまり、CPU103は、受付用のディスプレイ41にプレイの開始を促すデモ画面を表示する処理を停止することにより、プレイが開始されないようにする。
【0088】
このように、写真撮影遊戯機1の管理者は、ズームチェック処理の第1ズームチェック処理又は第2ズームチェック処理においてエラーが発生したことを認識することができ、写真撮影遊戯機1の再起動する等して、各ズームチェック処理におけるエラーを解消する措置を講じることができる。また、写真撮影遊戯機1は、エラーの発生によって起動処理の進行を停止し、プレイを開始させないようにする。その結果、エラーが生じた状態で写真撮影遊戯機1が稼働されるのを防止することができる。
【0089】
一方、CPU103は、上述したステップS104の第2ズームチェック処理においてズーム設定が正常であると判定した場合(ステップS219)、つまり、ズームエラーが発生していない場合(ステップS105:No)、CPU103は、続いて、床マットチェック処理を行う(ステップS106)。
【0090】
具体的には、CPU103は、第2ズームチェック処理のステップS115において正面カメラ21Aから送出された写真画像データの画像データにおいて、床部材が配置されるべき領域の画像部分を抽出する。そして、抽出した画像部分の色を示すRGB値が、床部材の色(例えば黄緑色)に対応するRGB値であるか否か判定する。CPU103は、抽出した画像部分の色を示すRGB値が、床部材の色に対応するRGB値でない場合、つまり、床マットエラーが発生している場合には(ステップS107:Yes)、床マットエラーを通知する(ステップS108)。CPU103は、床マットエラー情報として、例えば
図11Bに示す表示画面を正面ディスプレイ22に表示する。これにより、適切に床部材が敷かれていないことを写真撮影遊戯機1の管理者に通知することができ、床部材を適切に設置するように管理者に促すことができる。その結果、後述する撮影処理において、被写体を撮影した写真画像から被写体以外の領域をクロマキー処理により正確に検出することが可能となる。
【0091】
CPU103は、エラーの通知後、
図11Bの表示画面におけるエラー解除ボタンBの操作を受け付けた場合には(ステップS109:Yes)、床マットエラーを解除して起動時処理を終了する。なお、ステップS107において、CPU103は、抽出した画像部分の色を示すRGB値が、床部材の色に対応するRGB値である場合、つまり、床マットエラーが発生していない場合には(ステップS107:No)、起動時処理を終了する。
【0092】
図8に戻り、説明を続ける。CPU103は、起動時処理の終了後、写真撮影遊戯機1の利用を促すデモ画面を受付用のディスプレイ41に表示する(ステップS11)。コイン制御部112が、デモ画面の表示中に、1プレイ分のコインの投入を受け付けた場合(ステップS12:Yes)、CPU103は、プレイを開始する説明画面をディスプレイ41に表示して、撮影コースの選択を受け付ける(ステップS13)。
【0093】
本実施形態では、撮影コースとして、「アップ撮影」コース、「アップ及び全身撮影」コース、「グループ撮影」コースの3種類を準備する。「アップ撮影」コースと「アップ及び全身撮影」コースは、プレイヤが2名である場合を想定したコースである。「グループ撮影」コースは、プレイヤが3名以上であることを想定したコースである。また、「アップ撮影」コースは、アップ合成画像310(
図7A参照)のみを生成するコースである。「アップ及び全身撮影」コースと「グループ撮影」コースは、アップ合成画像310と、全身合成画像320(
図7B参照)との両方を生成するコースである。
【0094】
CPU103は、アップ撮影コースボタンと、アップ及び全身撮影コースボタンと、グループ撮影コースボタンとをディスプレイ41に表示し、プレイヤの選択を受け付ける。プレイヤのボタンのタップにより、CPU103は選択されたコースを特定する。
【0095】
続いて、ステップS13でいずれのコースを選択した場合においても、CPU103は、プレイヤの名前の入力を受け付ける(ステップS14)。CPU103は、名前入力画面をディスプレイ41に表示する。名前入力画面には、ローマ字入力ボタン及びひらがな入力ボタンが表示され、ユーザは、自分の名前を入力する。入力されたユーザの名前は、画像編集処理で用いられる編集画像の生成に利用される。
【0096】
次に、CPU103は、ステップS104で選択されたコースに応じた背景画像の画像データをHDD104から読出し、背景画像の選択画面をディスプレイ41に表示する。そして、CPU103は、合成画像の生成に用いられる背景画像のプレイヤによる選択を受け付ける(ステップS15)。
【0097】
ステップS15の処理が終了すると、CPU103は、撮影ブース2が空いているか否かを判断する(ステップS16)。撮影ブース2が空いていない場合(ステップS16:No)、CPU103は、待機を指示する待機画面をディスプレイ41に表示する(ステップS18)。一方、撮影ブース2が空いている場合(ステップS16:Yes)、CPU103は、撮影ブース2への移動をプレイヤに促す誘導画面をディスプレイ41に表示し(ステップS17)、ステップS13〜ステップS15において受け付けた入力データをHDD104に記憶し(ステップS19)、プレイヤに対する事前接客処理を終了する。
【0098】
CPU103は、写真撮影遊戯機1の電源がオンにされている間、次のプレイヤのプレイ開始を待機するためのデモ画面表示に戻り、事前接客処理を繰り返し実行する。
【0099】
<3.3.写真画像生成処理>
事前接客処理の後、写真撮影遊戯機1は、プレイヤを被写体とする本撮影を行う撮影処理を実施し、合成画像310,320の基となる写真画像300を生成する。
図13は、写真撮影遊戯機1により実行される写真画像生成処理のフロー図である。CPU103は、制御プログラムに基づいて写真画像生成処理を実行する。
【0100】
CPU103は、撮影開始画面を撮影用の正面ディスプレイ22Aに表示する(ステップS21)。例えば、撮影開始ボタンと、撮影開始ボタンにタッチすることにより撮影を開始することを通知するメッセージとが、撮影開始画面内に表示される。プレイヤが撮影開始ボタンにタッチすることにより、CPU103は、ステップS13で選択された撮影コースに応じた撮影処理(本撮影)を行う(ステップS22)。
【0101】
(第1撮影処理)
CPU103は、事前接客処理のステップS19においてHDD104に記憶された撮影コースを参照する。CPU103は、撮影コースが「アップ撮影」コースである場合には、第1撮影処理(本撮影)を行う(ステップS23)。第1撮影処理は、アップ合成画像用の写真画像300(アップ画像)を複数枚(例えば6枚)生成する処理である。
図14は、第1撮影処理の動作を示すフロー図である。CPU103は、正面カメラ21Aによるアップ画像用の撮影(以下、正面アップ撮影という)を開始する旨の案内画面を正面ディスプレイ22Aに表示する(ステップS301)。
【0102】
案内表示が終了した後、CPU103は、調整装置200により、正面アップ撮影用の撮影方向に正面カメラ21Aの上下方向の角度を調整し、所定の拡大画角に対応する第1焦点距離となるようにズームレンズ1100のズーム設定を行う(ステップS302)。そして、CPU103は、正面カメラ21Aによる1回目のアップ撮影(正面アップ撮影)を行う。アップ撮影の際、被写体が映ったライブ映像が正面ディスプレイ22Aに表示される。正面カメラ21Aの撮影範囲の被写体映像のうち、写真画像300(アップ画像)に利用される正方形状の領域に映る被写体映像部分のみがトリミングされて正面ディスプレイ22Aに表示される。被写体映像は正面カメラ21Aの真下の正面ディスプレイ22Aに表示される。正面カメラ21Aは、所定時間の経過後にシャッター動作を行い、写真画像の画像データに、撮影時の焦点距離等を含む撮影情報を付加した写真画像データをCPU103へ送出する(ステップS303)。
【0103】
CPU103は、正面カメラ21Aから送出された写真画像データから撮影情報を取得し(ステップS304)、取得した撮影情報に含まれる焦点距離が、第1焦点距離とみなす第1閾値範囲内(例えば、25mm以上27mm以下)でない場合には(ステップS305:No)、ズームエラーが発生したことを示すズームエラー情報をメモリ105に記憶し(ステップS306)、エラーを通知する(ステップS307)。CPU103は、例えば、
図15に示す表示画面を正面ディスプレイ22に表示することにより、プレイヤにエラーの発生を通知する。
【0104】
一方、CPU103は、取得した撮影情報に含まれる焦点距離が第1閾値範囲内である場合には(ステップS305:Yes)、正面カメラ21Aにより2回目以降の正面アップ撮影を行う(ステップS308)。本実施形態では、例えば、正面アップ撮影を計4回行う。この場合、4回目の正面アップ撮影が終了するまで正面アップ撮影が繰り返し行われ、撮影毎に正面カメラ21Aにより写真画像データが送出される(ステップS309:No)。そして、4回目の正面アップ撮影が終了すると(ステップS309:Yes)、CPU103は、上カメラ21Bによるアップ画像用の撮影(以下、上アップ撮影という)を開始する旨の案内画面を正面ディスプレイ22Aに表示する(ステップS310)。なお、本実施形態では、2回目以降の正面アップ撮影においてズームエラーの発生を判定していないが、2回目以降の正面アップ撮影において、正面アップ撮影を行うごとにズームエラーの発生を判定するようにしてもよい。
【0105】
案内表示が終了した後、CPU103は、上カメラ21Bによる上アップ撮影を行う。上アップ撮影では、被写体が映ったライブ映像が正面ディスプレイ22Aではなく、上ディスプレイ22Bに表示されるようにしてもよい。これにより、上カメラ21Bで撮影されているプレイヤの被写体映像がリアルタイムで上ディスプレイ22Bに表示される。上カメラ21Bの撮影範囲の映像うち、写真画像300に利用される正方形状の領域に映る被写体映像部分のみがトリミングされて上ディスプレイ22Bに表示される。上ディスプレイ22Bは、上カメラ21Bの真下に配置される。そのため、プレイヤは上カメラ21B方向に顔を向けながら、上ディスプレイ22Bで表示される被写体映像を見て、自身のポーズを確認できる。
【0106】
上カメラ21Bは、所定時間の経過後にシャッター動作を行い、写真画像の画像データに、撮影時の焦点距離等を含む撮影情報を付加した写真画像データをCPU103へ送出する(ステップS311)。本実施形態では、例えば、上アップ撮影を2回行う。この場合、2回目の上アップ撮影が終了するまで、CPU103は、上述したステップS311の上アップ撮影を行い、2回目の撮影データが上カメラ21Bから送出される(ステップS312:No)。そして、CPU103は、2回目の上アップ撮影が終了すると(ステップS312:Yes)、第1撮影処理を終了する。
【0107】
このように、第1撮影処理において、正面アップ撮影の際にズームエラーが発生した場合には、エラーがプレイヤに通知され、2回目以降の正面アップ撮影及び上アップ撮影の処理が停止される。つまり、プレイ中の第1撮影処理の進行が停止され、第1撮影処理における次の撮影は開始されない。
【0108】
(第2撮影処理)
図13に戻り、CPU103は、事前接客処理のステップS19においてHDD104に記憶された撮影コースが「アップ及び全身撮影」コースである場合には、第2撮影処理(本撮影)を行う(ステップS24)。第2撮影処理は、正面カメラ21A及び上カメラ21Bによるアップ合成画像用の写真画像300(アップ画像)を複数枚(例えば4枚)生成し、全身合成画像用の写真画像300(全身画像)も複数枚(例えば2枚)生成する処理である。
【0109】
図16は、第2撮影処理の動作を示すフロー図である。
図16において、
図14に示した第1撮影処理と同様の処理については、第1撮影処理の処理と同様のステップ番号を付している。以下、第1撮影処理と異なる処理について説明する。
【0110】
CPU103は、第1撮影処理と同様、ステップS301〜S305の処理を行い、正面カメラ21Aによる1回目の正面アップ撮影を実行する。そして、CPU103は、ステップS305において、撮影情報の焦点距離が第1閾値範囲内である場合には(ステップS305:Yes)、続けて正面アップ撮影を1回行う(ステップS308)。一方、CPU103は、ステップS305において、撮影情報の焦点距離が第1閾値範囲内でない場合には(ステップS305:No)、第1撮影処理と同様、ステップS306、S307の処理を行う。
【0111】
CPU103は、正面アップ撮影が終了すると、正面カメラ21Aによる全身画像用の撮影(以下、全身撮影という)を開始する旨の案内画面を正面ディスプレイ22Aに表示する(ステップS401)。
【0112】
案内表示が終了した後、CPU103は、調整装置200により、全身画像用の所定の撮影方向となるように正面カメラ21Aの上下方向の角度を調整し、所定の広角画角に対応する第2焦点距離となるようにズームレンズ1100のズーム設定を行う(ステップS402)。そして、CPU103は、正面カメラ21Aによる1回目の全身撮影を行う。全身撮影の際、被写体が映ったライブ映像が正面ディスプレイ22Aに表示される。正面カメラ21Aは、所定時間の経過後にシャッター動作を行い、撮影された写真画像の画像データに、撮影時の焦点距離等を含む撮影情報を付加した写真画像データをCPU103へ送出する(ステップS403)。
【0113】
CPU103は、正面カメラ21Aから送出された写真画像データから撮影情報を取得し(ステップS404)、取得した撮影情報に含まれる焦点距離が、第2焦点距離とみなす第2閾値範囲内(例えば、17mm以上18mm以下)でない場合には(ステップS405:No)、第1撮影処理と同様、ズームエラー情報をメモリ105に記憶し(ステップS306)、エラーを通知する(ステップS307)。
【0114】
一方、CPU103は、取得した撮影情報に含まれる焦点距離が第2閾値範囲内である場合には(ステップS405:Yes)、正面カメラ21Aにより2回目の全身撮影を行い、正面カメラ21Aにより写真画像データが送出される(ステップS406)。CPU103は、全身撮影の終了後、第1撮影処理と同様にステップS310〜S312の処理を行うことにより、上カメラ21Bによる上アップ撮影を行い(ステップS407)、第2撮影処理を終了する。なお、本実施形態では、2回目の全身撮影の際にズームエラーの発生を判定していないが、2回目以降の全身撮影においても全身撮影を行うごとにズームエラーの発生を判定するようにしてもよい。
【0115】
第2撮影処理においても、正面アップ撮影又は全身撮影においてズームエラーが発生した場合には、エラーがプレイヤに通知される。また、正面アップ撮影においてズームエラーが発生した場合には、2回目以降の正面アップ撮影と全身撮影とが停止され、全身撮影においてズームエラーが発生した場合には、2回目の全身撮影が停止される。つまり、プレイ中の第2撮影処理の進行が停止され、第2撮影処理における次の撮影は開始されない。
【0116】
(第3撮影処理)
図13に戻り、CPU103は、事前接客処理のステップS19においてHDD104に記憶された撮影コースが「グループ撮影」コースである場合には、第3撮影処理(本撮影)を行う(ステップS25)。第3撮影処理は、上カメラ21Bによるアップ合成画像用の写真画像300(アップ画像)を複数枚(例えば2枚)生成し、正面カメラ21Aによる全身合成画像用の写真画像300(全身画像)も複数枚(例えば4枚)生成する処理である。
【0117】
図17は、第3撮影処理の動作を示すフロー図である。
図17において、
図14に示した第1撮影処理、及び
図16に示した第2撮影処理と同様の処理については、第1撮影処理及び第2撮影処理と同様のステップ番号を付している。以下、第1撮影処理及び第2撮影処理と異なる処理について説明する。
【0118】
CPU103は、第1撮影処理と同様にステップS310〜S312の処理を行うことにより、上カメラ21Bによる上アップ撮影を行う(ステップS407)。CPU103は、上アップ撮影の終了後、正面カメラ21Aによる全身撮影を行う。
【0119】
CPU103は、第2撮影処理と同様、ステップS401〜S405の処理を行って、1回目の正面カメラ21Aによる全身撮影を実行する。ステップS405において、撮影情報に含まれる焦点距離が、第2焦点距離とみなす第2閾値範囲内(例えば、17mm以上18mm以下)でない場合には(ステップS405:No)、CPU103は、ステップS306及びS307の処理を行って、ズームエラーの発生をプレイヤに通知する。
【0120】
また、ステップS405において、撮影情報に含まれる焦点距離が、第2焦点距離とみなす第2閾値範囲内である場合には(ステップS405:Yes)、CPU103は、2回目以降の全身撮影を実行する(ステップS406)。CPU103は、4回目の全身撮影が終了するまで正面カメラ21Aによる全身撮影を行い、撮影毎に、正面カメラ21Aから写真画像データが送出される(ステップS501:No)。CPU103は、4回目の全身撮影が終了すると、第3撮影処理を終了する(ステップS501:Yes)。
【0121】
第3撮影処理では、1回目の全身撮影においてズームエラーが発生した場合には、エラーがプレイヤに通知され、2回目以降の全身撮影が停止される。つまり、プレイ中の第3撮影処理の進行が停止され、第3撮影処理における次の撮影は開始されない。
【0122】
上述したように、第1撮影処理、第2撮影処理、第3撮影処理のいずれの本撮影においても、ズームエラーが発生した時点でエラーがプレイヤに通知され、以降の撮影(次の撮影)が停止される。そのため、ズームエラーが発生していることに気付かずにプレイが継続され、所望の画角で撮影されていないアップ画像や全身画像の写真画像300がプレイヤに提供されることを防止することができる。
【0123】
図13に戻り、説明を続ける。ステップS26において、CPU103は、写真画像の目の写り(サイズ)を選択するための目の写り選択画面を正面ディスプレイ22Aに表示し、目の写りをプレイヤに選択させる。さらに、CPU103は、写真画像の明るさを選択するための明るさ選択画面を正面ディスプレイ22Aに表示して、明るさをプレイヤに選択させる(ステップS26)。
【0124】
そして、CPU103は、ステップS23〜S25のいずれかの撮影処理で生成された各写真画像の画像データにおける被写体の顔部分に、ステップS26で選択された目の写り及び明るさに応じた画像処理を施し、ステップS15(
図8参照)で選択された背景画像を合成する(ステップS27)。これにより、複数枚(例えば6枚)の合成画像(310、又は、310及び320)用の写真画像300が生成される。
【0125】
次に、CPU103は、編集ブース3が空いているか否かを判断する(ステップS28)。編集ブース3が空いていない場合(ステップS28:No)、CPU103は、編集ブース3が空くまで待機を指示する待機画面を正面ディスプレイ22Aに表示する(S29)。編集ブース3が空いた場合(ステップS28:Yes)、CPU103は、編集ブース3への移動を指示する誘導画面を正面ディスプレイ22Aに表示する(ステップS30)。そして、CPU103は、生成した写真画像300をHDD104に記憶し(ステップS31)、このプレイヤに対する写真画像生成処理を終了する。
【0126】
なお、CPU103は、第1撮影処理、第2撮影処理、及び第3撮影処理のいずれかの撮影処理においてズームエラーが発生しなければ、写真撮影遊戯機1の電源がオンにされている間、次のプレイヤの撮影開始を待機するためのデモ画面表示に戻り(図示せず)、次のプレイヤに対する撮影処理を繰り返し実行する。
【0127】
<3.4.画像編集処理>
写真撮影遊戯機1は、撮影処理を終了後、画像編集処理を実行する。CPU103は、制御プログラムに基づいて画像編集処理を実行する。画像編集処理では、CPU103は、落書き処理を実行し、落書き処理で生成された編集画像と、背景画像が合成された写真画像300とを合成する。これにより、合成画像310、320が生成される。CPU103は、合成画像310、320をシール紙に印刷する。
【0128】
落書き処理において、プレイヤは、上記撮影処理で生成され画像処理がなされた写真画像300に、選択された背景画像を合成した写真画像300に対して落書きをすることができる。そして、落書きした内容に基づいて編集画像が生成される。
【0129】
図18は、写真撮影遊戯機1により実行される画像編集処理のフロー図である。CPU103は、画像編集処理の開始を促す移動待ち画面を編集用のディスプレイ311に表示する(ステップS40)。ユーザが、タッチペン312でディスプレイ311をタッチしたとき、残り編集時間のカウントダウンを開始する(ステップS41)。
【0130】
<3.4.1.落書き処理>
次に、CPU103は落書き処理をする(ステップS42)。CPU103は、
図19に示す編集画面をディスプレイ311に表示する。
図19を参照して、編集画面には、左右に2つの編集領域60L及び60Rが表示される。2人のプレイヤは、編集領域60L,60Rで写真画像をそれぞれ編集することができる。また、写真画像が落書ききりかえ75に表示され、左右のユーザの選択操作により、編集領域60L及び60Rのいずれかに割り当てられる。これにより、各々の編集領域60L、60Rで異なる写真画像を編集することができる。
【0131】
編集画面にはさらに、編集ツールを選択するための編集ツール選択ボタン61が表示される。タッチペン312(
図5参照)により所望の編集ツール選択ボタン61がタッチされると、タッチされた編集ツールに対応したパレット67が編集領域60L、60Rの下に表示される。各パレット67には、選択された編集ツールで利用可能なデザインの編集画像が表示された複数の選択ボタン61が配列されている。たとえば、スペシャルツールが選択された右側のパレット67には、スタンプ画像、クルクル画像、メッセージ画像、ペン画像の複数の編集画像が表示された複数の選択ボタン64が表示されている。
【0132】
編集ツール選択ボタン61R内の「Myエッセンス」ツールを選択した場合、名前入力処理(
図8のS14参照)で入力された文字列に応じて作成された複数の編集画像(文字列画像)がパレット67の選択ボタン64内に表示される。たとえば、文字列「あや」と、文字列「さおり」が、ユーザの名前として入力された場合、CPU103は、「あや」と「さおり」に基づいて、種々の編集画像を作製する。このように、ステップS14で表示される名前入力画面に入力された文字列は、編集画像として利用される。
【0133】
編集画面が表示された後、CPU103は、落書き時間が制限時間に達するか、ENDボタン68がタッチペン312でタッチされるまでの間、選択された写真画像300に対応する編集画像の入力を受け付ける。CPU103がパレット67内の所望の選択ボタン64のタッチを検知すると、タッチされた選択ボタン64に表示されたデザインのツールが設定される。そして、編集領域60内のタッチを検知すると、タッチされた位置に、選択されたデザインの編集画像を入力する。入力された編集画像は、写真画像300に対応付けてメモリ105に格納される。落書き時間が制限時間に達するか、ENDボタン68のタッチを検知すると、CPU103は、落書き処理を終了する。
【0134】
図18を参照して、落書き処理(ステップS42)の後に、CPU103は、撮影処理で得られた合成画像310,320用のアップ写真画像300及び全身写真画像300それぞれについて、落書き処理で生成された編集画像を合成して、合成画像(アップ合成画像310、全身合成画像320)を生成する(ステップS43)。
【0135】
CPU103は続いて、生成された合成画像310,320を、プレイヤが選択したシートレイアウトに基づき、1枚のシートに印刷するためのシート画像を生成する(ステップS44)。CPU103は、さらに、生成されたシート画像をプリンタ650に送信し印刷を開始する。プリンタ650は、送信されたシート画像を印刷する(ステップS45)。印刷が完了すると、プリンタ650は、シート画像が印刷された写真シール紙を排出口321に排出する。ここまでの処理(事前接客処理の受付処理から写真シール紙が排出されるまでの一連の処理)が、写真撮影遊戯機1が1組のプレイヤに提供する1回のプレイに相当する。
【0136】
<3.4.2.画像送信処理>
上述の印刷(ステップS45)が開始されるとCPU103は画像送信処理を行う(ステップS46)。CPU103は、ステップS43で生成された合成画像310,320をサーバ経由でプレイヤの端末に送信する。
【0137】
<<4.変形例>>
(変形例1)上述した実施形態では、CPU103は、一のプレイにおける撮影処理(本撮影)においてズームエラーが発生した場合、エラー発生以降の撮影処理を停止する例であったが、そのプレイのエラー発生以降の撮影処理を継続し、撮影処理後にズームエラーの発生を通知し、編集処理に移行させないように制御してもよい。
【0138】
この場合の動作フローを
図20及び
図21に示す。
図20は、本実施形態における写真画像生成処理の動作フローを示している。また、
図21は、本変形例における第1撮影処理の動作フローを示している。なお、
図20の動作フローにおいて、上述した
図13に示した写真画像生成処理と同様の処理については、
図13と同様のステップ番号を付している。また、
図21の動作フローにおいて、上述した
図14に示した第1撮影処理と同様の処理については、
図14と同様のステップ番号を付している。以下、上述した写真画像生成処理及び第1撮影処理と異なる部分について説明する。
【0139】
図21に示すように、本変形例では、ステップS305において、撮影情報の焦点距離が第1閾値範囲内でない場合、すなわち、ズームエラーが発生した場合(ステップS305:No)、CPU103は、ズームエラーが発生したことを示すズームエラー情報をメモリ105に記憶する(ステップS306)。そして、CPU103は、ズームエラーが発生した状態で2回目以降の正面アップ撮影を行い(ステップS308,S309)、続けて上アップ撮影を行って第1撮影処理を終了する(ステップS310〜S312)。
【0140】
図20において、CPU103は、第1撮影処理(ステップS23)が終了すると、ステップS26〜S31の処理を行い、その後、メモリ105にズームエラー情報が記憶されている場合には(ステップS32:Yes)、
図15に示す表示画面を正面ディスプレイ22Aに表示してエラーを通知し、次のプレイに対する第1撮影処理の開始を停止させる(ステップS307)。
【0141】
これにより、第1撮影処理の終了後に、ズームエラーが発生したことがプレイヤに通知され、エラーが解除されるまで当該プレイヤの撮影処理は終了しない。また、不具合が生じた状態で次のプレイヤに対する撮影処理が開始されないため、適切にズーム設定が行われていない状態で撮影されて生成された写真画像300がプレイヤに提供されることを防止することができる。なお、この例では、第1撮影処理の場合について説明したが、第2撮影処理及び第3撮影処理の場合も、ズームエラーが発生したときにズームエラー情報をメモリ105に記憶する処理(ステップS306)だけ行い、第2撮影処理及び第3撮影処理の終了後にエラーを通知すればよい。
【0142】
また、この例においても、上述した
図13と同様、次のプレイヤの撮影開始を待機するためのデモ画面表示に戻り(図示せず)、次のプレイヤに対する撮影処理を繰り返し実行する。また、ズームエラーの発生を判定し、ズームエラーの発生を通知するタイミングは、撮影終了後から当該プレイの撮影処理における次の撮影を開始するまでのタイミングに行えばよい。具体的には、
図20のステップS31の処理後から繰り返し実行されるステップS20の間であればよい。
【0143】
(変形例2)上述した実施形態において、撮影ブース2でズームエラーが発生した場合に、CPU103は、エラーの発生を事前接客ブース4に通知して次のプレイの開始を停止してもよい。上述した第1撮影処理、第2撮影処理、及び第3撮影処理において、ズームエラーが発生した場合には、CPU103は、ズームエラー情報をメモリ105に記憶する(ステップS306)。そのため、CPU103は、事前接客処理において、メモリ105を参照し、撮影ブース2でズームエラーが発生しているか否かを確認する。
図22は、この場合の事前接客処理の動作フローを示している。
【0144】
図22に示すように、CPU103は、ステップS11において、受付用のディスプレイ41にデモ画面の表示を開始し、メモリ105にズームエラー情報が記憶されている場合には(ステップS151:Yes)、例えば
図23に示す表示画面をディスプレイ41に表示してエラーを通知し、プレイの開始を停止する(ステップS152)。これにより、次のプレイは開始されない。一方、メモリ105にズームエラー情報が記憶されていない場合には(ステップS151:No)、CPU103は、プレイヤによるコインの投入を受け付け(ステップS12:Yes)、ステップS13〜S19の処理を行うことで次のプレイを開始する。
【0145】
撮影ブース2の撮影処理においてズームエラーが発生した場合、撮影処理が停止されるため、次のプレイヤによるコインの投入を受け付けて事前接客処理を開始しても、次のプレイヤは撮影ブース2で撮影することはできない。その結果、次のプレイヤが事前接客ブース4で行ったコース選択等の入力操作が無駄になる。従って、本変形例のように、撮影処理においてズームエラーが発生した場合には、次のプレイの開始を停止することで、事前接客処理における入力操作や入力時間の無駄を省くことができる。なお、この例では、コインが投入される前にズームエラーが発生しているか否か確認したが、ステップS13〜ステップS19の処理が終了するごとにズームエラーが発生しているか否か確認するようにしてもよい。
【0146】
(変形例3)上述した実施形態では、第1撮影処理〜第3撮影処理においてズームエラーが発生した場合、CPU103は、エラーを通知し、ズームエラーの発生以降の撮影処理を停止する例であったが、エラーの通知後、ズームエラーを解除する操作によって、以降の撮影処理を続行させるようにしてもよい。この場合には、例えば、写真撮影遊戯機1を設置する管理者が操作可能なエラー解除ボタンを写真撮影遊戯機1の内部に設ける等、写真撮影遊戯機1においてズームエラーを解除する操作部を設けるようにしてもよい。また、起動処理におけるズームチェック処理においてズームエラーが発生した場合も同様に、CPU103は、ズームエラーを解除する操作に応じて、起動処理を再開させるようにしてもよい。
【0147】
(変形例4)上述した実施形態では、正面アップ撮影と全身撮影の各々の所定の画角に対応する設定焦点距離を所望の撮影条件として判定する例であったが、以下のように構成してもよい。例えば、正面アップ撮影では、正面カメラ21Aの撮影範囲を横長で撮影し、全身撮影では、正面カメラ21Aの撮影範囲を縦長で撮影するように、正面カメラ21Aの撮影の向き(写真画像の向き)を変更する機構が撮影装置20に設けられている場合、CPU103は、起動時処理及び撮影処理において、写真画像の向き(縦又は横)を所望の撮影条件として判定してもよい。また、正面アップ撮影と全身撮影とに対応する焦点距離及び写真画像の向きを所望の撮影条件としてもよい。
【0148】
正面カメラ21に加速度センサや重力センサ等の正面カメラ21Aの撮影の向き(写真画像の向き)を検出する検出部が設けられている場合、正面カメラ21Aにおいて、撮影の向きを含む撮影情報を記録するようにしてもよい。この場合、CPU103は、撮影情報の撮影の向きと、正面アップ撮影又は全身撮影に対応する所定の撮影の向きとが一致しなければ、撮影の向きについてのエラーを通知すればよい。
【0149】
また、正面カメラ21Aに検出部が設けられていない場合には、CPU103は、正面カメラ21Aで撮影された写真画像の縦横のサイズから正面カメラ21Aの向きを検出するようにしてもよい。この場合、写真画像の縦のサイズが横のサイズよりも大きい場合には、写真画像の向きが縦であると判断し、写真画像の縦のサイズが横のサイズよりも小さい場合には、写真画像の向きが横であると判断すればよい。
【0150】
(変形例5)また、上述した実施形態の写真撮影遊戯機1において、上カメラ21Bが設置されず、正面カメラ21Aを上カメラ21Bの位置に移動させて上アップ撮影を行うようにしてもよい。この場合、正面カメラ21Aの位置を移動させる移動機構を写真撮影遊戯機1に設けるように構成する。正面アップ撮影用の焦点距離と上アップ撮影用の焦点距離とは異なるため、正面アップ撮影用の焦点距離でアップ撮影を行うと上アップ画像の所定の画角と異なる。そのため、このように1台のカメラで正面アップ撮影と上アップ撮影とを行う場合、各撮影時において、CPU103は、正面アップ画像の所定の画角に対応する設定焦点距離と、上アップ画像の所定の画角に対応する設定焦点距離とにズームレンズ1100を調整するようにする。そして、CPU103は、正面アップ撮影及び上アップ撮影の各撮影時に、設定焦点距離と撮影した写真画像の焦点距離とが一致しているか否かを判定することにより、各撮影においてズームエラーが発生しているか否かを判定すればよい。
【0151】
(変形例6)上述した実施形態では、CPU103は、正面カメラ21Aから送出された写真画像データを取得することにより、写真画像データの撮影情報に含まれる焦点距離を取得する例について説明したが、例えば、コンピュータ装置101において、正面カメラ21Aと通信するSDK(Software Development Kit)等のソフトウェアを組み込み、このソフトウェアを介して正面カメラ21Aから写真画像の焦点距離等の撮影情報を取得するようにしてもよい。
【0152】
(変形例7)上述した実施形態及び変形例では、正面カメラ21Aにおけるズームエラーの発生を判定する例であったが、上カメラ21Bにズームレンズが設けられ、ズーム設定を行って撮影を行う場合には、正面カメラ21Aと同様、上カメラ21Bにおけるズームエラーの発生を判定するようにしてもよい。
【0153】
(変形例8)上述した実施形態及び変形例では、ズームエラーの発生を撮影ブース2における正面ディスプレイ22Aに表示して通知する例であったが、事前接客ブース4におけるディスプレイ41にズームエラーが発生したことを表示するようにしてもよい。また、例えば、写真撮影遊戯機1の外部にコンピュータ装置101と接続された照明装置を設け、CPU103が照明装置を点灯させることによりズームエラーの発生を通知するようにしてもよい。また、例えば、CPU103が、事前接客ブース4におけるスピーカ43に、ズームエラーの発生を示す音声信号を出力することにより、音声によってズームエラーの発生を通知するようにしてもよい。要は、写真撮影遊戯機1の外部にエラーの発生を通知する手段が設けられていればよい。
【0154】
(変形例9)上述した実施形態及び変形例では、ズームエラーが発生したか否かを判定し、ズームエラーが発生した場合にエラーを通知する例であったが、ズームエラーが発生したか否かに関わらず判定結果を通知するようにしてもよい。
【0155】
(変形例10)上述した実施形態及び変形例では、写真撮影遊戯機1の起動時と撮影処理とにおいてズームエラーが発生しているか否かの判定を行う例であったが、起動時と撮影処理のいずれか一方だけズームエラーの発生を判定するようにしてもよい。さらに、起動時と撮影処理時以外に、撮影ブース2が空いているとき、及び事前接客処理において次のプレイヤによるコインの投入を受け付けていないタイミングでズームエラーの発生を判定するようにしてもよい。
【0156】
(変形例11)上述した実施形態では、コインの投入後、プレイの開始時に事前接客処理として受付処理(
図8のステップS13〜S19)を行う場合について説明したが、写真撮影遊戯機1において上記受付処理を行う事前接客ブース4が設けられておらず、撮影ブース2においてコインを投入させる場合には、コインの投入後、写真撮影遊戯機1は、写真画像生成処理からプレイを開始するようにしてもよい。
【0157】
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、上述した実施形態及び変形例は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態及び変形例に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態及び変形例を適宜変形して実施することが可能である。