特許第6355105号(P6355105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355105
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】油性液状皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20180702BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20180702BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20180702BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   A61K8/06
   A61Q19/10
   A61K8/37
   A61K8/31
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-207039(P2014-207039)
(22)【出願日】2014年10月8日
(65)【公開番号】特開2016-74637(P2016-74637A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2017年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】306018365
【氏名又は名称】クラシエホームプロダクツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】粂井 美穂
【審査官】 松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/047743(WO,A1)
【文献】 特開2014−101297(JP,A)
【文献】 特開2006−225403(JP,A)
【文献】 特開2012−250939(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/069690(WO,A1)
【文献】 特開2013−010787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)〜(C)を含有し、増粘剤を含まず、透明〜半透明であり、界面活性剤油溶液または逆ミセル油溶液であることを特徴とする油性液状皮膚洗浄剤組成物。
(A)12−ヒドロキシステアリン酸(4量体)ペンタエリスリトール、12−ヒドロキシステアリン酸(6量体)ペンタエリスリトール、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルから選ばれる1種又は2種以上 油性液状皮膚洗浄剤組成物総量に対し0.1〜15質量%
(B)ジオレイン酸ポリグリセリル−10
油性液状皮膚洗浄剤組成物総量に対し5〜15質量%
(C)常温で液状の油剤(但し、成分(A)を除く。)
油性液状皮膚洗浄剤組成物総量に対し70〜94質量%
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増粘剤を含有しない油性液状皮膚洗浄剤組成物に関し、詳しくは、外観の透明性が高く、分離しにくい安定性に優れ、界面活性剤油溶液または逆ミセル油溶液である油性液状皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
メイク落とし化粧料は、口紅、ファンデーション、アイシャドウ、マスカラ等のメイクアップ化粧料を除去することを主な目的とするものである。その形態としては、乳化型のクリーム状タイプやミルク状タイプ、水性の液状タイプやゲル状タイプなど様々なものが市販されている。これらのなかで、現在主流となっているものはメイクアップ化粧料の汚れに対するクレンジング効果の高い油性液状タイプの形態である。
【0003】
しかし、油性液状タイプのものは、通常低粘性であるため、手指への取りにくさや、手指からの垂れ落ちが問題となる場合や、使用時に上滑りして、十分なマッサージ感が実感できない場合がある。そのため、これまでデキストリン脂肪酸エステルなどの油性増粘剤を配合して増粘させ、とろみをつけて、使用中の肌感触を改善して使用性を向上させた油性クレンジング組成物(例えば、特許文献1参照。)や、(ベヘン酸/エイコサンニ酸)グリセリルなどのグリセリン系オリゴエステル系ゲル化剤を用いた各種のクレンジング用組成物やクレンジング化粧料(例えば、特許文献2〜5を参照。)が報告されている。ところが、これらのクレンジング組成物にあっても、安定性が悪く分離してしまったり、ハードなゲルになってしまい適度なとろみや粘性の付与が困難であったり、外観が不透明になるなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−252726号公報
【特許文献2】特許第3655564号公報
【特許文献3】特開2003−267835号公報
【特許文献4】特許第5550873号公報
【特許文献5】特開2006−22004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、これら増粘剤に依存することなく、油性液状タイプのメイク落とし化粧料を増粘させ、直接肌をこすることがないように粘性を付与し、とろみをつけることで、手指から垂れ落ちにくく、使用中の肌感触を改善し十分なマッサージ感が実感でき、しかも外観の透明性が高く、分離しにくい安定性に優れた、界面活性剤油溶液または逆ミセル油溶液である油性液状皮膚洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は鋭意研究を行った結果、12−ヒドロキシステアリン酸(4量体)ペンタエリスリトール、12−ヒドロキシステアリン酸(6量体)ペンタエリスリトール、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルから選ばれる1種又は2種以上と、ジオレイン酸ポリグリセリル−10と、常温で液状の油剤を組み合わせることにより、とろみがあって手指から垂れ落ちにくく、肌感触が良く、かつメイク落ちに優れた、透明〜半透明の界面活性剤油溶液または逆ミセル油溶
液を見出し、これを用いた油性液状皮膚洗浄剤組成物の本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は下記成分(A)〜(C)を含有し、増粘剤を含まず、透明〜半透明であり、界面活性剤油溶液または逆ミセル油溶液であることを特徴とする油性液状皮膚洗浄剤組成物である。
(A)12−ヒドロキシステアリン酸(4量体)ペンタエリスリトール、12−ヒドロキシステアリン酸(6量体)ペンタエリスリトール、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルから選ばれる1種又は2種以上
(B)ジオレイン酸ポリグリセリル−10
(C)常温で液状の油剤(但し、成分(A)を除く。)
【発明の効果】
【0008】
本発明により、増粘剤に依存することなく、油性液状タイプのメイク落とし化粧料を増粘させ、直接肌をこすることがないように粘性を付与し、とろみをつけることで、手指から垂れ落ちにくく、使用中の肌感触が良好で十分なマッサージ感が実感でき、しかも外観の透明性が高く、分離しにくい安定性に優れた、界面活性剤油溶液または逆ミセル油溶液である油性液状皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物について詳細に説明する。
【0010】
本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物は、透明〜半透明の、界面活性剤油溶液または逆ミセル油溶液である。通常の場合、界面活性剤油溶液は水を含まないものであり、逆ミセル油溶液は水を含むものである。
【0011】
本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物は、増粘剤を含まない組成物である。この増粘剤として、例えば、デキストリン脂肪酸エステルや無水ケイ酸等の油性増粘剤、カルボキシビニルポリマー等の水性増粘剤などが挙げられる。また、(ベヘン酸/エイコサンニ酸)グリセリルや(ベヘン酸/エイコサンニ酸)ポリグリセリル等のグリセリン系オリゴエステル系ゲル化剤も含まれる。本発明においては、これら増粘剤を含まないため、安定性、適度なとろみや粘性の付与、外観の透明性などへの増粘剤の悪影響を排除できる。
【0012】
本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物で用いられる成分(A)12−ヒドロキシステアリン酸(4量体)ペンタエリスリトール、12−ヒドロキシステアリン酸(6量体)ペンタエリスリトール、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルは、成分(B)と組み合わせることで油性液状皮膚洗浄剤組成物に粘性を付与することができ、手指から垂れ落ちにくく、使用中の肌感触が良好で、マッサージしやすくできる。また、抱水性に優れており、油性液状皮膚洗浄剤組成物を洗い流した際のしっとりなめらかな肌感を付与する。さらに、優れた顔料分散能を有しておりファンデーション等のメイクアップ化粧料とのなじみを良くし、メイクアップ化粧料の優れた除去効果に寄与する。
【0013】
本発明に用いられる成分(A)12−ヒドロキシステアリン酸(4量体)ペンタエリスリトール、12−ヒドロキシステアリン酸(6量体)ペンタエリスリトール、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルは、それぞれ1種単独又は2種以上を適宜組合せて用いることができる。本発明においては、増粘性とそれに伴う使用性やマッサージしやすいなどの観点から、12−ヒドロキシステアリン酸(4量体)ペンタエリスリトール、12−ヒドロキシステアリン酸(6量体)ペンタエリスリトールを用いるのが好ましく、さらに12−ヒドロキシステアリン酸
(6量体)ペンタエリスリトールがより好ましく用いられる。
【0014】
本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物において、成分(A)の配合量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、全組成中の0.01質量%(以下、単に「%」と記す。)以上が好ましく、0.05%以上がより好ましく、0.1%以上がさらに好ましい。また、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、15%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては、0.01〜30%が好ましく、より好ましくは0.05〜20%であり、さらに好ましくは0.1〜15%である。これらの範囲内であれば、油性液状皮膚洗浄剤組成物に適度な粘性を付与し、製剤の顔等への塗布を容易とし、使用性を向上させる。また、より優れたメイクアップ除去効果が発揮され、洗い流し後の肌にしっとりとした感触を得ることが出来る。
【0015】
本発明に用いられる成分(B)ジオレイン酸ポリグリセリル−10は、成分(A)と組み合わせることで油性液状皮膚洗浄剤組成物に粘性を付与することが出来、手指から垂れ落ちにくく、使用中の肌感触が良好で、マッサージしやすくすることができる。
【0016】
本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物で用いられる成分(B)の配合量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、全組成中の1%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上がさらに好ましい。また、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、15%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては、1〜30%が好ましく、より好ましくは3〜20%であり、さらに好ましくは5〜15%である。これらの範囲内であれば、油性液状皮膚洗浄剤組成物に適度な粘性を付与することができ、手指から垂れ落ちず、容易に身体へ塗布することができ、しっとりとした後肌感を付与することができる。
【0017】
本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物で用いられる成分(C)常温で液状の油剤としては、化粧料において汎用され、25℃で流動性を有する油剤であれば特に限定されない。但し、成分(C)には、上記成分(A)は含まれないものとする。成分(C)の油剤としては、炭化水素油、エステル油、油脂(トリグリセリド)、シリコーン油、高級アルコール、脂肪酸等が挙げられる。具体的には炭化水素油として流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等が、エステル油としてパルミチン酸エチルヘキシル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、エチルヘキサン酸セチル等が、油脂(トリグリセリド)として2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、植物油、動物油等が、シリコーン油としてジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が、高級アルコールとしてオレイルアルコール、イソステアリルアルコール等が、脂肪酸としてオレイン酸、イソステアリン酸等が挙げられ、これらは、それぞれ一種単独又は二種以上を適宜組合せて用いることができる。これらのうち本発明では、炭化水素油、エステル油、植物油が好ましく用いられる。また、成分(C)は、油性液状クレンジング化粧料の基剤として、汚れやメイクアップ化粧料をクレンジング化粧料に溶解・分散させメイク落とし効果を向上させることができる。
【0018】
本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物において、成分(C)の配合量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、全組成中の40%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。また、98%以下が好ましく、96%以下がより好ましく、94%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては、40〜98%が好ましく、より好ましくは60〜96%であり、さらに好ましくは70〜94%である。これらの範囲であれば、良好なクレンジング効果が得られる。
【0019】
本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない
範囲で他の成分、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、生理活性成分、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、紫外線吸収剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、中和剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0020】
上記アニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えばα−ラウロイルスルホン酸ナトリウム、ミリストイルアリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0021】
上記両性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、β−アミノプロピオン酸ナトリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0022】
上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばポリオキシエチレンセチルエーテル、モノステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンジオレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0023】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0024】
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロー
ル、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マドンナリリー花エキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。また、植物抽出成分の中に油溶性の植物エキスも含まれる。油溶性植物エキスに用いられる植物としては、ローズマリー、ローヤルゼリー、レイシ、ラベンダー、センブリ、マロニエ、ボダイジュ、ビワ、トウキンセンカ、トウキ、ウスベニアオイ、ソウハクヒ、センキュウ、シラカバ、ショウブ、ジュウユヤク、シコネキス、ゴボウ、モモ、メリッサ、ホップ、ガイヨウ、オトギリソウ、オウバク、オウゴン、インチコウ、アロエ等を挙げることができる。
【0025】
上記香料としては、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料の1種又は2種以上を混合し使用することができ、本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物への賦香に際し、快い香りで調和のとれた、適度の先立ち、適度の強さの芳香と、拡散性および持続性効果をもたらすことが可能となる。また、本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物の使用に際しては、快い香りを有し、また、使用後もしばらく匂い続ける持続性や香料のマスキング機能により体臭のマスキングに優れた効果を示すことも可能となる。また、発明の効果を損なわない範囲でかかかる香料により、殺菌効果だけではなく、リラックス効果、冷感・温感効果、嗜好性向上効果、血行促進効果、ストレス緩和効果、睡眠導入効果、自律神経調整効果、持続性向上、賦香の安定性向上、泡立ちの向上に加え、しっとり感、瑞々しさなどなど感触の向上などの多岐にわたる効果をもたらす香料成分と組み合わせることができる。香料は、例えば、香料化学総覧,1,2,3[奥田治著廣川書店出版]、PerfumeandflavorChemicals,1,2[SteffenArctander著]、合成香料化学と商品知識[印藤元一著化学工業日報社出版]等で見られ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。以下、香料の代表例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
天然系香料としては、アミリスオイル、アンブレットシードオイル、イランイランオイル、イランイランアブソリュート、イリスレジノイド、イリスアブソリュート、イリスオイル、ウィンターグリーンオイル、エストラゴンオイル、エレミオレオレジン、エレミレジノイドアブソリュート、エレミチンキ、オークモスコンクリート、オークモスアブソリュート、オークモスレジン、オークモスレジノイド、オスマンサスアブソリュート、オスマンサスコンクリート、オポパナックスレジノイド、オポパナックスアブソリュート、オポパナックスオイル、オリバナムレジノイド、オリバナムアブソリュート、オリバナムオイル、オールスパイスオイル、オリガナムオイル、オレガノオイル、オレガノオレオレジン、オレンジオイル、オレンジフラワーアブソリュート、オレンジフラワーコンクリート、カナンガオイル、ガージュンバルサム、ガージュンバルサムオイル、カッシーアブソリュート、カッシーフラワーオイル、カッシアオイル、ガーデニアアブソリュート、カーネションアブソリュート、カブリューバオイル、カモミルオイル、カルダモンオイル、ガルバナムオイル、ガルバナムレジン、ガルバナムレジノイド、キャラウェーシードオイル、キャロットシードオイル、キュベバオイル、グァヤックウッドオイル、グァヤックレジン、グァヤックコンクリート、クスノキオイル、クミンオイル、クミンアブソリュート、クミンオレオレジン、クラリセージオイル、グレープフルーツオイル、クローブオイル、コスタスオイル、コパイババルサム、コパイババルサムオイル、コパイババルサムレジン、コリアンダーオイル、サンダルウッドオイル、シソオイル、シダーウッドオイル、シトロネラオイル、ジャスミンオイル、ジャスミンアブソリュート、ジャスミンコンクリート、ジュニパーベリーオイル、ジュネアブソリュート、ジョンキルアブソリュート、ジンジャーオイル、シナモンオイル、シナモンバークオイル、シナモンリーフオイル、スギオイル、スターアニスオイル、スチラックスオイル、スチラックスレジノイド、スパイクラベンダーオイル、スペアミントオイル、セイボリーオイル、セージオイル、セダーオイル、セダ
ーリーフオイル、ゼラニウムオイル、セロリーシードオイル、タイムオイル、タゲットオイル、タンジェリンオイル、チュベローズアブソリュート、ティーツリーオイル、トリーモスアブソリュート、トンカビーンオイル、トルーバルサム、ナツメッグオイル、ナルシサスアブソリュート、ネロリオイル、バイオレットリーフアブソリュート、パインオイル、パインニードルオイル、バジルオイル、パセリリーフオイル、パセリシードオイル、パセリハーブオイル、パチョリオイル、ハッカオイル、バニラアブソリュート、ハネーサックルアブソリュート、パルマローザオイル、バレリアンオイル、ビターオレンジオイル、ヒソップオイル、ヒバオイル、ヒノキオイル、ヒヤシンスアブソリュート、フェンネルオイル、フィグアブソリュート、プチグレンオイル、ブッチュオイル、ベイオイル、ベチバーオイル、ペッパーオイル、ペパーミントアブソリュート、ペパーミントオイル、ベルガモットオイル、ペルーバルサム、ベンゾインチンキ、ベンゾインレジノイド、ホウショウオイル、マージョラムオイル、マンダリンオイル、ミカンオイル、ミモザコンクリート、ミモザアブソリュート、ミモザオイル、ミルレジノイド、ミルアブソリュート、ミルオイル、ムスクアブソリュート、ムスクチンキ、ユーカリオイル、ユズオイル、ライムオイル、ラブダナムオイル、ラブダナムレジノイド、ラベンダーオイル、ラベンダーアブソリュート、ラバンジンオイル、ラバンジンアブソリュート、レモンオイル、レモングラスオイル、ローズオイル、ローズアブソリュート、ローズコンクリート、ローズマリーオイル、ローレルオイル、ローレルリーフオイル等が挙げられる。
【0027】
合成香料としては、アンブレッドリド、アルデヒドC6〜C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、アセチルオイゲノール、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、インドール、イオノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソオイゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、γ−ウンデカラクトン、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、エチルワニリン、2−エチルヘキサノール、オウランチオール、10−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノリド、12−オキサヘキサデカノリド、オキサヘキサデセン−2−オン、オイゲノール、オリボン、オキシフェニロン、ガラクソリド、カリオフィレン、カシュメラン、カルボン、β−カリオフィレン、キャロン、クマリン、p−クレジールメチルエーテル、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、コアボン、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、シンナミルアセテート、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノリド、ジメチルベンジルカービニルアセテート、ジャスマサイクレン、スチラリールアセテート、スチラリールプロピオネート、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、ダマセノン、ターピネオール、ターピニルアセテート、チモール、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロゲラニルアセテート、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、ネリルアセテート、ネロール、ネオベルガメート、γ−ノナラクトンノピルアルコール、ノピルアセテート、バクダノール、ハイドロトロピックアルコール、α−ピネン、β−ピネン、ヒドロキシシトロネラール、ヒヤシンスジメチルアセタール、ブチルブチレート、p−t−ブチルシクロヘキサノール、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキサノール、o−t−ブチルシクロヘキ
シルアセテート、フルイテート、フェンチルアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、フェニルエチルアセテート、ペンタリッド、ベルドックス、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミルアセテート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、cis−3−ヘキセノール、cis−3−ヘキセニールアセテート、cis−3−ヘキセニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ボルニルアセテート、ボルネオール、マンザネート、マイヨール、ミルセン、ミラックアルデヒド、ミューゲアルデヒド、ムゴール、ムスクTM−11、ムスク781、ムスクC14、ムスコン、ムスクケトン、ムスクチベチン、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルオイゲノール、メントール、α−メチルイオノン、β−メチルイオノン、γ−メチルイオノン、メチルイソオイゲノール、メチルラベンダーケトン、メチルサリシレート、14−メチル−ヘキサデセノリド、14−メチル−ヘキサデカノリド、メチルナフチルケトン、メチルフェニルアセテート、ヤラヤラ、δ−C6〜C13ラクトン、ライムオキサイド、γ−C6〜C13ラクトン、ラズベリーケトン、リモネン、リグストラール、リリアール、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート、リラール、ルバフラン、ローズフェノン、ローズオキサイド、ワニリンなどが挙げられる。
【0028】
香料成分を組み合わせた調合香料としては、次のような香調のベース類がある。レモン調、ライム調、オレンジ調、スイートオレンジ調、マンダリン調、ベルガモット調等のシトラスタイプベース、プチグレン調、ネロリ調、レモングラス調、アグルメン調、等のフレッシュタイプベース、アップル調、ピーチ調、ストロベリー調、ココナッツ調、パイナップル調、ラズベリー調、ウォーターメロン調、グレープ調、マンゴー調、フルーツミックス調、トロピカルフルーツ調等のフルーティタイプベース、ローズ調、ジャスミン調、ムゲ調、ライラック調、カーネーション調、ヒアシンス調、チュベローズ調、ガーデニア調、ミモザ調、ナルシス調、バイオレット調、イラン調、フローラルブーケ調等のフローラルタイプベース、シナモンバーク調、シナモンリーフ調、クローブ調、ピメントベリー調、ナツメグ調、ペッパー調、カルダモン調、コリアンダー調、クミン調等のスパイシータイプベース、シダーウッド調、ベチバー調、サンダルウッド調、グアイアックウッド調、ウッディアンバー調、ウッディイリス調等のウッディタイプベース、スモーキー調、キノリン調等のレザータイプ、バニラ調、トンカ調、ハネー調、ピュアーバルサム調等のスイートタイプベース、その他バターフレーバー、ミルクフレーバー、アルデハイディックタイプベース、アンバータイプベース、アニマルタイプベース、アニスタイプベース、アロマティックハーバルタイプベース、アガータイプベース、アクアタイプベース、カンファーシネオールタイプベース、グリーンタイプベース、シードタイプベース、ハーブタイプベース、パインタイプベース、パチュリタイプベース、バルサミックタイプベース、ミントタイプベース、ムスクタイプベース、モスタイプベース、ラベンダータイプベース、リナロールタイプベース、レジンタイプベース等が挙げられる。
【0029】
また、香料の溶剤又は保留剤としてジエチルフタレート、ジプロピレングリコール、ベンジルベンゾエート、イソプロピルミリステート、ハーコリン、イソペンタン、オレンジテルペン等を使用することができる。
【0030】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、
ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、l−メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
【0031】
本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物は、常法により製造できる。
【0032】
本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物は、顔、手、足、身体などに塗布し、マッサージ後は拭き取り、または、洗い流すことによって皮膚の汚れやメイクアップ化粧料を落とすために使用される。
【実施例】
【0033】
次に本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物について、実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、以下の全ての実施例及び比較例における配合量は質量%である。
【0034】
実施例1〜11及び比較例1〜5において実施した官能試験、保存安定性試験の試験方法を以下に示す。
【0035】
(1)官能試験
10名のパネラーが、実施例及び比較例の油性液状皮膚洗浄剤組成物を使用し、「手指からの垂れ落ち」、「マッサージ性」、「メイク落ち」、「洗い上がりのしっとり感」の各官能評価により評価を行った。
【0036】
・手指からの垂れ落ち試験法
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の油性液状皮膚洗浄剤組成物を使用し、手に取ったときの垂れ落ちやすさについて官能評価により評価を行った。尚、評価基準は以下の通りである。
[手指からの垂れ落ち]
◎:極めて良好 垂れ落ちにくく使いやすいと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 垂れ落ちにくく使いやすいと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い 垂れ落ちにくく使いやすいと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い 垂れ落ちにくく使いやすいと答えた被験者の数が4人未満
【0037】
・マッサージ性試験法
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の油性液状皮膚洗浄剤組成物を使用し、マッサージのしやすさについて官能評価により評価を行った。尚、評価基準は以下の通りである。
[マッサージ性]
◎:極めて良好 マッサージしやすいと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 マッサージしやすいと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い マッサージしやすいと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い マッサージしやすいと答えた被験者の数が4人未満
【0038】
・メイク落ち評価試験
女性パネラー10名の顔面に市販の油性ファンデーションを塗布し、30分放置後、実施例及び比較例の油性液状皮膚洗浄剤組成物を適量使用し、なじませたあと、水かぬるま湯
ですすいだ。その際のメイク落ちを5段階評価し、更にその平均点から下記基準により判定した。
5段階評価
5点:非常に良い
4点:良い
3点:普通
2点:やや悪い
1点:悪い
判定
◎:平均点が4.5点以上
○:3.5以上、4.5点未満
△:2.5以上、3.5点未満
×:平均点が2.5点未満
【0039】
・洗い上がりのしっとり感試験法
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の油性液状皮膚洗浄剤組成物を使用し、タオルドライ後のしっとり感について官能評価により評価を行った。尚、評価基準は以下の通りである。
[洗い上がりのしっとり感]
◎:極めて良好 しっとりすると答えた被験者の数が8人以上
○:良好 しっとりすると答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い しっとりすると答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い しっとりすると答えた被験者の数が4人未満
【0040】
(2)保存安定性試験
油性液状皮膚洗浄剤組成物を50mL容透明サンプル管にそれぞれ充填し、40℃に1ヶ月保存して、下記の基準で評価した。
<評価基準>
◎:外観が透明〜半透明のまま沈殿物なし
○:ごく微かに濁っているが沈殿物なし
△:やや白濁し、沈殿物が少しある
×:沈殿物が多く認められる
【0041】
【表1】
【0042】
表1の結果から明らかなように、いずれの実施例も、「手指からの垂れ落ち」、「マッサージ性」、「メイク落ち」、「洗い上がりのしっとり感」の各官能評価の結果は良好であり、いずれかの結果が不良の比較例に比べ、所望の効果が得られるものであった。