(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
袋が大容量ストックされ、このストックされた袋群から1袋ずつ取り出して、包装機側へ供給する大容量袋供給装置であって、大容量袋供給装置は、袋を大容量ストックすると共に、ストックした袋群を先端側へ案内する機構を備えた袋ストック手段と、この袋ストック手段の袋を包装機側に搬送する袋搬送手段と、を備え、前記袋ストック手段と袋搬送手段の間に、袋ストック手段から袋を取り出す袋取り手段と、前記袋取り手段から取り出された袋を架設するカウンター部と、このカウンター部に架け渡された袋を両側から押さえて保持する保持板と、前記袋ストック手段からカウンター部に架け渡される間で袋の方向を検知する袋方向検知手段と、前記袋方向検知手段により検知した袋の方向に基づいて、袋搬送手段で搬送する定められた方向に袋を旋回する袋旋回手段と、を備えたことを特徴とする大容量袋供給装置。
保持板と被検知板とを一体に形成してこの一体の板を計測センサーで検知するか、又は保持板が被検知板を兼ね、被検知板を兼ねた保持板を計測センサーで検知することを特徴とする請求項4に記載の大容量袋供給装置。
袋旋回手段は、袋方向検知手段により検知した袋を吸着する袋旋回吸盤を備え、この袋を吸着した袋旋回吸盤を、袋搬送手段で搬送する方向に旋回する袋旋回機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の大容量袋供給装置。
前記袋ストック手段は、袋を大容量ストックする袋ストック通路を備え、この袋ストック通路の途中に、袋の両端の移動を規制し、袋の中央部を押し出して袋群を前方に湾曲させる整列ロッドを立設し、袋ストック通路の先端中頃に、先頭の袋を検知する袋検知片を備えたことを特徴とする請求項1に記載の大容量袋供給装置。
袋取り機構は、駆動機構と連結するメインロッドとサブロッドからなる平行ロッドを備え、前記平行ロッドの両端部に、スライド板がスライド可能に設けられ、スライド板には、吸盤を備えたエアーシリンダが取り付けられ、前記メインロッドとサブロッドの間に、スクリューロッドが回動可能に支持され、スクリューロッドの回動により、両端部のスライド板が近接、離間して、吸盤の間隔を調整することができることを特徴とする請求項1に記載の大容量袋供給装置。
袋取り機構は、駆動機構と連結するメインロッドの両端部に、回動アームが固定され、これら回動アームに支持杆が回動可能に架設され、この支持杆の両端近傍に、吸盤を取り付けたブロックが固定され、支持杆の一端には、クランクロッドの一端が連結し、このクランクロッドの他端が案内板の案内溝に沿って案内されて支持杆を回動することを特徴とする請求項1に記載の大容量袋供給装置。
袋ストック手段は、ストックされた袋群の先端の袋が袋ストック手段の前端から飛び出ないように、袋の上縁部を係止板で係止し、両サイドを抱持部で係止し、下部を下部押さえ板で押さえることを特徴とする請求項1に記載の大容量袋供給装置。
袋ストック手段に、ストックされた袋の2枚取りを防止する中央押さえ板が、先端の袋の中央上部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項12に記載の大容量袋供給装置。
前記袋ストック手段は、袋を大容量ストックする袋ストック通路を備え、この袋ストック通路の先端上部に、袋同士の間にエアーを入れるエアーノズルを配置したことを特徴とする請求項1に記載の大容量袋供給装置。
袋ストック手段の袋ストック通路に袋を補充する補充用具であって、前記補充用具は一対の仕切板が所定間隔を開けて連結板で連結され、前記仕切板は、袋ストック通路より幅が狭く袋ストック通路に嵌め込める形状に形成され、前記補充用具は袋と共にストック通路を前方側に送られることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の大容量袋供給装置用補充用具。
【背景技術】
【0002】
一般的なロータリー式包装機は、回転する充填テーブルの外周縁部にクランプを備え、袋供給装置から吸着手段で吸着した袋を、受渡し装置で前記クランプに受け渡し、回転移送させながら被包装物を充填した後、袋口をシールして包装する。既存の袋供給装置では、一度にストック可能な袋枚数は200枚程度であり、包装機の包装能力が50袋/分であれば、連続運転時間は4分程度となり、絶え間なく袋を袋供給装置に補充するための専従の作業員が必要となる。
【0003】
そこで、特許文献1では、多数の袋を起立姿勢で収容する縦型の袋ストック機構を採用したことにより、一度に多数の袋を省スペースでかつ安定した状態でストックを可能とし、また作業者による袋の補充回数を減らしている。
図21は、前記特許文献1に開示する従来の袋給袋装置の概略図である。この袋給袋装置は、多数の袋Wを重ねて収容して前方に搬送する袋ストック機構1と、袋Wを1袋ずつ前方に搬送し、図示しない包装機への供給前に所定位置に位置決めする袋位置決め機構2と、袋ストック機構1と袋位置決め機構2の間に配置され、袋ストック機構1から袋Wを1袋ずつ受け取り、袋位置決め機構2に送る袋受渡し機構3と、袋位置決め機構2の前記所定位置に位置決めされた袋Wを前記包装機に供給する袋供給機構4とからなる。
【0004】
袋ストック機構1は、袋口を上に向け起立姿勢で重ねた多数の袋Wを収容して前方に搬送し、かつ先頭の袋Wを搬送方向前方側の所定位置に位置決めするもので、スタンド5の上に設置されたフレーム6と、フレーム6の上に左右一対設置されたカセットガイド部材7と、フレーム6に設置された第1コンベア8,8を備える。
【0005】
フレーム6は前方に向けて緩傾斜した受け台9と左右一対の側板11からなり、側板11の前後端は受け台9より前後に突出し、この部分に第1コンベア8の前後のプーリー13,14が固定された支持軸15,16が回転自在に水平に軸支され、プーリー13,14には前後方向にコンベアベルト17が張架され、コンベアベルト17の上方側は受け台9上に支持されている。支持軸15,16は、図示しないモータにより
図21において反時計回りに断続回転し、これによりコンベアベルト17は前方側(
図21において左側)に向けて受け台9上を摺動しつつ断続回転する。
【0006】
カセットガイド部材7は、第1コンベア8の搬送方向(袋Wの搬送方向でもある)に沿って鉛直面内に配置された板状部18と、その前端に前記搬送方向に対し垂直に形成された第1ストッパ19からなる。左右一対のカセットガイド部材7,7は受け台9上に配置され、互いの間隔が調整可能である。第1ストッパ19,19は互いに向き合うように形成され、ストッパとして機能し、袋ストック機構1内に収容した袋Wのうち先頭の袋Waが、この第1ストッパ19に当接することにより位置決めされる。なお、先頭の袋Waは、その両側縁近傍のみが所定幅で第1ストッパ19に当接する。
【0007】
袋ストック機構1は、さらに袋供給カセット21を含む。この袋供給カセット21は蓋のない略箱形形状を有し、第1コンベア8の搬送方向に沿って鉛直面内に配置され、袋口を上に向けた起立姿勢の多数の袋Wを収容することができる。袋供給カセット21内で、袋Wの底部両縁近傍が底壁に支持され、袋Wの両側縁は両側壁に規制され、袋Wが第1コンベア8により前方に搬送される。
【0008】
袋ストック機構1は、さらに袋押さえ部材29を含む。袋押さえ部材29は第1コンベア8上に載置され、袋Wと共に前方に向けて移動しながら、袋供給カセット21内に収容した多数の袋Wの後尾を押さえ、袋Wの起立姿勢を維持する。
【0009】
以上説明した袋給袋装置の作動は例えば次のように行われる。
(1)はじめに、袋口を上に向けた起立姿勢で多数の袋Wを重ねて収容した袋供給カセット21を、カセットガイド部材7,7の間に挿入して受け台9上に載置し、袋供給カセット21の背後に袋押さえ部材29を置く。
(2)袋供給カセット21から袋Wを固定していたシャッターを抜き出し、第1コンベア8を1回分駆動する。これによりカセット内の先頭の袋Waが第1ストッパ19に当接して取出し位置に位置決めされ、カセット内の袋群の後尾を袋押さえ部材29が押さえる。
(3)前記取出し位置に位置決めされた先頭の袋Waが、袋受渡し機構3の吸着保持部材32により取り出される毎に、第1コンベア8が断続駆動され、袋供給カセット21内の残りの袋群を前方に1袋分搬送する。そのたびに先頭の袋Waが第1ストッパ19に当接して前記取出し位置に位置決めされる。
(4)袋供給カセット21内の袋Wがなくなると、作業者が当該袋供給カセット21を外して、多数の袋Wを収容した袋供給カセット21を新たにセットし(カセットの交換)、袋の補充を行う。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は本発明の大容量袋供給装置の斜視図、
図2は正面図、
図3は平面図である。この実施の形態の大容量袋供給装置は、起立した袋Wを大容量ストックすると共に、ストックした袋群を先端側へ案内する機構を備えた袋ストック手段と、この袋ストック手段の袋Wを包装機側に搬送する袋搬送手段と、を備え、前記袋ストック手段と袋搬送手段の間に、袋ストック手段から袋Wを取り出す袋取り手段と、前記袋取り手段により取り出した袋Wの方向を検知する袋方向検知手段と、前記袋方向検知手段により検知した袋Wの方向に基づいて、袋搬送手段で搬送する定められた方向に袋Wを旋回する袋旋回手段と、を備えている。以下において、これらの各手段について説明する。
【0017】
(袋ストック手段)
図1の大容量袋供給装置の手前の部分には、袋ストック手段である袋ストック機構50が示されている。この袋ストック機構50は、板材を長方形に組み合わせた基台51の中央長手方向に、袋ストック通路52を備えており、この袋ストック通路52に、起立した状態で袋口が横向きとなった袋を大容量載置する。この袋群は、スタンドパック、ガセット袋等のジッパー袋等であるが、平袋等であってもよい。これらの袋群の袋口側と袋底側で厚みが相違する袋Wの場合に、袋Wを同じ方向に多く重ねるに従って、袋口側と袋底側の厚みの差が大きくなるために袋群が捻じれた状態となって、袋ストック機構50内で袋Wが正しい姿勢で起立せず、袋取り手段で取り出しミスが発生するおそれがある。このため、10枚とか20枚とか、ある程度まとまった枚数の袋Wの袋口側と袋底側を左右逆にしてストックし、袋口側と袋底側の厚みの差を平均化し、袋群を全体的に歪みの無い状態で整列して袋ストック通路52にストックする。
【0018】
前記袋ストック通路52は、両側に側面送りコンベア53が配置されており、前方に立設する棒状の回転軸54に設けた駆動プーリー55と、後方の従動プーリー(図示せず)に紐ベルト72が架け渡され、前記回転軸54の回転により、紐ベルト72が回転して袋群を前方にゆっくりと送り出している。前記側面送りコンベア53は、基台51の長手方向に配置されたフレーム56に装備されており、このフレーム56が、基台51の幅方向に架設された複数の架設ロッド57で支持されている。前記フレーム56は基台51の幅方向にスライド可能であって、
図2のハンドル58を回転することにより、両フレーム56の間隔、ひいては側面送りコンベア53の間隔を、袋Wの寸法に応じて調整することができる。
【0019】
前記袋ストック通路52の長手方向底部中央に、袋押しベルト59が敷設され、この袋押しベルト59に袋押部材60が垂直に着脱可能にセットされている。袋押しベルト59が回転駆動すると、袋押部材60が前方にゆっくりと移動して、袋ストック通路52にストックされた袋群を後方から前方に押し出して袋取り手段に受け渡す。
【0020】
側面送りコンベア53が装備されたフレーム56の先端には、ゲート状プレート板61を有し、このプレート板61先端上部の間に、係止板62が架設され(
図1、
図3参照)、前記側面送りコンベア53と袋押部材60により、袋ストック通路52の前方に押し出された袋群の先端の袋Wが飛び出ないように係止し、後述する袋取り手段に受け渡されるまで先端の袋Waを保持している。
【0021】
さらに、
図4に示すように、前記ゲート状プレート板61の内側に、整列ロッド73が立設している。この整列ロッド73は、エアー源と接続する中空のパイプを使用し、噴射孔(図示せず)が前方に向かって開口し、エアーが噴射する。この整列ロッド73は、袋ストック通路52にストックされた袋群を前方に凸状に湾曲させ、袋ストック通路52の先端部に設けられた袋検知片74で検知できるようにしている。
【0022】
即ち、袋Wは曲がり癖が付いている場合があるため、
図4に示すように、袋群の後方部(
図4の上方部)のように、ただ単に袋Wをそのまま袋ストック通路52にストックすると、波打った状態となる。この後方部の袋Wの状態のまま、袋押部材60で袋Wを押すと、後方部側に凸状に波打って湾曲している場合は、先端の袋Wが袋検知片74に接触しないために袋Wが検知されない。袋Wがこの袋検知片74に検知されず、袋Wが無いと判断されたら、袋押しベルト59が回転駆動し、既に袋Wがあるにもかかわらず、さらに袋Wを前方に送ろうとするが、上下で厚みが相違する袋Wなので、袋ストック通路52の袋群の両側は密な状態であり、袋押しベルト59が回転駆動しても袋Wを前方に送ることができない。
【0023】
このようなことの無いように、ゲート状プレート板61の内側に整列ロッド73を立設して、袋Wの両側の移動を規制し、袋Wの中央部を押し出すようにすることにより、袋Wを凸状に前方に湾曲させた状態で送り出す。このように袋Wを湾曲させることにより先端の袋Waを袋検知片74に確実に接触させることができる。この袋検知片74は袋Wが無い時は袋ストック通路52の底面から僅かばかり上方(
図4の面の上方向)に飛び出し、袋Wが接触すると底面から下方(
図4の面の下方向)へ退避する。この袋検知片74の出退により、袋Wの有無を検知する。なお、袋Wの種類によって整列ロッド73は必要でない場合があるので、整列ロッドは取り外せるようにしてもよい。
【0024】
また、前記のように、整列ロッド73の先端側にはエアーを吹き出すための噴射孔が形成されており、この噴射孔からのエアーにより袋Wの両端にエアーが送り込まれ、袋同士の間にエアーが入り、後述する袋取り手段の吸盤76で先端の袋Waが取りやすくなる。またエアーは、湾曲しすぎた袋Wの端が元に戻す働きをする。ただし、この噴射孔は必須のものではなく、整列ロッド73は中空である必要もない。整列ロッド73は袋Wの両端の移動を規制し、袋Wの中央部を押し出す構造であればよい。
【0025】
(袋取り手段)
袋取り手段は、袋ストック機構50の先端に位置する袋Wを取り出して袋方向検知手段に受け渡す機構である。本実施の形態では、袋取り手段は、袋ストック機構50から袋Wを取り出す袋取り機構63と、この袋取り機構63から取り出した袋Wを受け取り、後述の袋方向検知手段に受け渡す袋渡し機構64とから構成されている。
【0026】
袋取り機構63は、第1駆動ボックス65の側部に、平行ロッド66が水平方向に片持ちで支持されている。ただし、両持ちで支持しても問題はない。
図1に示すように、平行ロッド66は、メインロッド67とサブロッド68からなり、メインロッド67は図示しない駆動機構と連結し、これらのロッド67,68の両端は連結板69で連結されている。前記メインロッド67とサブロッド68の真ん中に、スクリューロッド70が回動可能に支持され、このスクリューロッド70の端部にハンドル71が設けられ、このハンドル71を回動することにより後述する吸盤76の横方向の間隔を調整できるように構成されている。
【0027】
前記平行ロッド66の両端部で、前記連結板69の内側には、
図5(A)の正面視において逆L字形のスライド板75がスライド可能に設けられている。このスライド板75は雌ネジが形成され、この雌ネジに前記スクリューロッド70が歯合し、ハンドル71によるスクリューロッド70の回動により、両端部のスライド板75が近接、離間して、吸盤76の横方向の間隔を調整することができる。また、
図5(A)に示すように、これらのスライド板75の下端部にはエアーシリンダ77が各々取り付けられている。これらのエアーシリンダ77の作動ロッド77aに、取付プレート78が上下方向に取り付けられ、この取付プレート78の両端部から延びる支持片にスライドロッド79が取付プレート78と平行に取り付けられている。1本のスライドロッド79に2個の吸盤76が上下方向にスライド可能にネジ80によって固定され、2本のスライドロッド79に、合計4個の吸盤76が固定されている。前記のように、吸盤76の幅はハンドル71の回動により調整でき、吸盤76の上下方向の位置はネジ80を緩めることによって、スライドロッド79をスライドさせることにより調整できる。なお、前記では、上下に2個ずつ、計4個の吸盤76を取り付けたが、下側の2個の左右の吸盤76だけでも、後述する袋架設台90上に袋Wを載置できるので、上側の2個の左右の吸盤76は必須ではない。
【0028】
袋渡し機構64は、前記袋取り機構63から袋Wを受け取って、後述する袋方向検知手段の袋架設台90に載置する。
図5(B)はこの袋渡し機構64の正面図である。この袋渡し機構64は、前記袋取り機構63と隣接して、前記第1駆動ボックス65から水平方向に片持ちで支持されている。もちろん、袋渡し機構64も両持ちで支持しても問題はない。この袋渡し機構64の回動筒81には、外軸82と中軸83とが格納され、外軸82には板状の摺動ガイド84が外方に突出して取り付けられ、外軸82の回動に伴ってこの摺動ガイド84が正逆方向に回動する。
【0029】
前記摺動ガイド84には、摺動部85が摺動可能に嵌め込まれ、この摺動部85に本体板86が固定され、この本体板86の長手方向にエアーシリンダ87が取り付けられると共に、先端部に挟持部88が軸支され、前記エアーシリンダ87により挟持部88が開閉して袋Wをつかむ。
【0030】
前記回動筒81の中軸83には、くの字形のリンク89の一端が連結し、他端は前記本体板86の外側部と連結している。前記中軸83の回動が、前記リンク89に伝達され、リンク89の屈曲運動により本体板86を介して摺動部85が摺動ガイド84に従って往復動する。
【0031】
(袋方向検知手段)
袋方向検知手段は、前記袋渡し機構64から袋架設台90上に架け渡された袋Wがどちらの方向に架け渡されているのか検知部91により検知する機構である。この袋方向検知手段は、袋ストック機構50から取り出した袋Wを架け渡す袋架設台90と、この袋架設台90上で袋Wの袋口側か袋底側の一方の厚みを検知して袋Wの方向を判断する検知部91とを備えている。
【0032】
図6は前記袋架設台90の側面図、
図7は斜視図である。この袋架設台90は平行な二本の長尺な鋼材からなるカウンター部92が平行に配置されている。
図6に示すように、前記カウンター部92の断面は逆L状に形成された鋼材であって、上段の水平部はカウンター部92で、下段の水平部は側板102であるが、
図7に示すように側板102は部分的に僅かに水平に庇状に張り出している。前記カウンター部92とカウンター部92との間の間隔は袋Wの長手寸法よりも短く、幅寸法よりも長く設定しており、ハンドル93とスクリューネジによりその幅を袋Wに応じて調整することができる。従って、
図6に示す袋架設台90に対して、長手方向に架け渡された袋Wでは袋口側と袋底側がカウンター部92上に乗り、幅方向に回転した袋Wでは両側部がカウンター部92に乗らず、側板102上に乗り移ると同時に、後述する袋搬送機構100の紐ベルトコンベア101上に乗り移ることになる。
【0033】
袋架設台90の各カウンター部92の両外側部には、長手方向に架け渡された袋Wの袋口側と袋底側を押さえて保持するコ字状の保持板94が配置されている。この保持板94の上部が前記カウンター部92に当接し、カウンター部92上に架け渡された袋Wの袋口側と袋底側を挟持し、後述する袋旋回手段の袋旋回吸盤107が下方から上昇して当接しても袋Wは袋架設台90から外れないようになっている。なお、保持板94の下端はエアーシリンダ95と連結しており、エアーシリンダ95の伸縮により保持板94が上下動してカウンター部92上の袋Wを保持したり、開放したりすることが可能である。
【0034】
前記保持板94に隣接して、袋Wの厚みを計測するための被検知板96が配置されている。この検知部91は
図6に示すように、保持板94と同様なコ字状の板材からなる被検知板96と、この被検知板96の位置を計測して袋Wの厚みを計る計測センサー97から構成されている。前記被検知板96の下端にもエアーシリンダ98が連結しており、このエアーシリンダ98の伸縮により被検知板96が上下動してカウンター部92上の袋Wを押さえる。
図6に示すように被検知板96とカウンター部92で袋Wの一端部を挟持した際に、計測センサー97により被検知板96の距離を計測し、被検知板96がジッパー付の袋口側を挟持しているのか、ジッパーの無い袋底側を挟持しているのかが判別できる。即ち、袋口側はジッパーがあるので被検知板96は僅かながら上方に位置し、袋底側に比べて距離が長くなるので、袋口側であることがわかる。なお、前記保持板94と被検知板96とを一体に形成してこの一体の板を計測センサー97で検知するか、又は保持板94が被検知板96を兼ねようにして、この被検知板96を兼ねた保持板94を計測センサー97で検知するようにしてもよい。
【0035】
(袋搬送手段)
袋搬送手段は、袋架設台90の下部から包装機側にかけて配置された袋搬送機構100であって、前記袋架設台90の下部から後述する袋口リフト機構106まで袋Wを搬送する紐ベルトコンベア101を備える。この袋搬送機構100は前記袋架設台90より下層に配置されており、紐ベルトコンベア101の両側部には側板102が平行に位置し、この側板102の間に、紐ベルトコンベア101が配置されている。
図6に示すように、側板102間の間隔は袋Wの横幅より小さく、後述する袋旋回機構105により幅方向に旋回した袋Wが前記袋架設台90のカウンター部92とカウンター部92との間を通り抜け、下降し、両側の側板102上と紐ベルトコンベア101上に乗せられる。袋Wの両側部が側板102上に乗り、中央部が紐ベルトコンベア101上に乗って支持されることとなるため、紐ベルトコンベア101の回転により袋Wは袋口リフト機構106側に搬送される。
【0036】
なお、
図3に示すように、袋搬送機構100の先端部に光センサー103が3か所設けられており、後方の1個の光センサー103は袋Wが先端部に近づいたことを検知し、袋Wがオーバランしないよう紐ベルトコンベア101の速度を落すためのもので、先端の2個のセンサーは袋Wの先端両側が袋搬送機構100の先端の所定の位置に傾かずに正確に停止したか否かを検知するために設けられている。
【0037】
(袋旋回手段)
図8は袋旋回手段の一種である袋旋回機構105の斜視図である。この袋旋回機構105は、袋渡し機構64により袋架設台90上に架け渡された袋Wを正逆方向に回転する機構である。この袋旋回機構105の役割は、所定方向に袋Wを旋回して袋搬送機構100に受け渡すためのものである。即ち、前記袋ストック機構50に、袋Wが袋口と袋底を左右逆にしてストックされているため、そのままの状態で袋Wを袋搬送機構100で搬送して包装機に受け渡すと、ある袋Wは袋底側を上にして逆の状態で包装機に受け渡されることになり不都合である。そこで、袋搬送機構100で搬送された袋Wは、袋口リフト機構106が袋口側を常に吸着できるように、前記袋方向検知手段で袋架設台90上の袋Wの方向を検知してこの袋旋回機構105により袋口が下流側に向くように回転する。
【0038】
この袋旋回機構105は、袋架設台90上に、保持板94で保持された袋Wの中心部を下方から吸着する袋旋回吸盤107が吸引パイプ108の上端部に備え付けられており、この吸引パイプ108の下端部のエルボに図示していない吸引ホースが接合されている。吸引パイプ108はブラケット109を介して旋回アクチュエータ110の回動軸111に接合し、エアー駆動の旋回アクチュエータ110により正逆方向に回動する。旋回アクチュエータ110は長方形状の基板112の上にスライド可能にセットされ、位置調整機構としてのスクリューネジ113の一端が接続している。スクリューネジ113の他端に取り付けられたハンドル114を回転することにより、旋回アクチュエータ110が基板112上をスライドして袋旋回吸盤107の位置調整ができる。
【0039】
即ち、前記袋旋回吸盤107は、前記のように袋架設台90上に架け渡された袋Wの中心位置に来るようにセットされているが、袋Wの寸法は袋Wの種類によって一定ではないため、袋Wの交換により中心位置がずれる。その場合はハンドル114を回転して旋回アクチュエータ110をスライドさせて袋旋回吸盤107が袋Wの中心位置に来るようにセットする。
【0040】
この袋旋回機構105は基板112を下部から支える昇降部115により昇降動する(
図2参照)。
図6に示すように、前記昇降部115により袋旋回吸盤107が、袋架設台90に架け渡された袋Wを下から吸着し、袋Wを正逆何れかの方向に90度回転して下端位置まで下降し、両側板102上と紐ベルトコンベア101上に載置する。なお、この昇降部115は図示していないが、ボックス116内のクランク機構により上下動する。
【0041】
(袋口リフト機構)
図2に示す袋口リフト機構106は、袋搬送機構100の先端部に搬送されてきた袋Wの袋口を吸着して持ち上げて、図示していない次の袋受渡し機構が袋Wを受け取るようにする機構である。なお、袋受渡し機構は、袋口リフト機構106から受け取った袋Wをロータリー式包装機に受け渡す。
【0042】
袋口リフト機構106は、第1駆動ボックス65に隣接する第2駆動ボックス117に取り付けられている。
図2及び
図3に示すように、第2駆動ボックス117の側部にリンク118の一端が回動可能に軸支され、他端近傍に、吸盤119のブロック120を架設するための平行棒121を取り付けるための三角板122が回動可能に軸支している。三角板122には前記のように、平行棒121の一端が片持ちで固定され、この平行棒121に2個の吸盤119を取り付けたブロック120が保持されている。
【0043】
この袋口リフト機構106は、第2駆動ボックス117内の駆動機構により、リンク118の一端が右回りに回動し、リンク118の他端が下端位置では、吸盤119が伏して袋搬送機構100の先端に停止する袋Wを吸着する。リンク118の一端が左回りに回転すると、三角板122と平行棒121に連結した二本のロッド123の作用により、吸盤119がリンク118より上方に持ち上がり、吸盤119の袋Wを次工程の袋受渡し機構が受け取りロータリー式包装機に受け渡す。
【0044】
なお、袋口リフト機構106及び袋受渡し機構は、従来の袋箱や紐コンベア式の給袋装置にセットする機構と基本的には同じである。
以上のような大容量袋供給装置は、例えば、袋3000枚程度を一度にセット可能であって、能力50袋/分であれば、60分の連続運転が可能となる。よって、袋を補充する作業者の兼任が期待できる。さらに、袋Wを横向き起立してセットでき、袋口を自動判定する方式を採用したことで、ジッパー付き袋等を大容量でセットすると扇状に並んでしまう袋Wであっても、袋Wのセット方向を180度交互に並べることで装置の全長を比較的短く抑えられる。
【0045】
次に、前記大容量袋供給装置の使用状態について説明する。
図9〜
図11は本発明の大容量袋供給装置の使用状態を示すもので、
図9(1)の左側の袋ストック機構50には、まとまった枚数の袋Wが起立した状態で、袋口と袋底を左右逆にして袋群の両側部の厚みの差を平均化し、袋群が全体的に並列な姿勢に整列して袋ストック通路52に大容量ストックされている。
【0046】
まず、
図9(1)では、袋取り機構63の平行ロッド66がメインロッド67を中心に右回りに回転して吸盤76の吸着面が袋ストック機構50の先端の袋Waの面と平行に対面した状態で、エアーシリンダ77の作動ロッド77Aを伸長し、スライドロッド79に取り付けられた吸盤76が袋ストック機構50の先端の袋Waを取りに行く。吸盤76が先端の袋Waを吸着するとエアーシリンダ77の作動ロッド77Aが収縮する。袋渡し機構64はまだ停止した状態で待機している。
【0047】
図9(2)では、袋取り機構63が袋ストック機構50の先端の袋Waを吸着し、メインロッド67を中心に平行ロッド66を左回りに45度回転する。それと同時に、袋渡し機構64は、前記袋取り機構63の袋Waを受け取るために、リンク89により摺動部85を最大限下方に摺動させ、挟持部88を開いた状態で外軸82を右方向に45度回転する。そして、挟持部88が袋取り機構63の吸盤76により保持された袋Wを挟持する位置に来た時に、エアーシリンダ87が作動して挟持部88が袋Wを挟持する(
図5(B)を参照)。
【0048】
図10(3)は、袋ストック機構50と袋搬送機構100の正面図と側面図である。この
図10(3)は袋取り機構63から袋Wを受け取った袋渡し機構64が、そのまま下方に回転して袋架設台90上に袋Wを乗せている。袋Wは袋架設台90のカウンター部92とカウンター部92の間に架け渡される状態であるので、
図10(3)の右図に示すように袋架設台90に乗った状態になる。この段階では、まだ、袋Wの袋口側と袋底側が保持板94により袋架設台90上に押さえ付けられてはいない。
【0049】
図10(4)では、袋取り機構63は45度左に回転して次の袋Wを袋ストック機構50に取りに行くが、袋渡し機構64は袋Wを袋架設台90上に載置したまま、エアーシリンダ95が作動して、袋Wの袋口側と袋底側を保持板94により袋架設台90上に保持する。同時に
図6に示すように、検知部91のエアーシリンダ98が作動して被検知板96が袋Wを押さえる。前記のように、袋Wは袋ストック機構50に、袋口と袋底を左右逆にしてストックされているので、
図6において、袋口が左右どちらにくるのかは、ストック時の状態により異なる。そこで、被検知板96が袋Wの一方を押さえ、計測センサー97で被検知板96の上下方向の距離を計測する。袋口には、ジッパーが設けられているので、袋底側と比べて被検知板96がジッパー分だけ上方に上がるため、計測センサー97の値により袋口なのか袋底なのか判明する。
【0050】
図10(4)では、さらに袋旋回機構105の昇降部115により、袋旋回機構105が持ち上げられると同時に、袋旋回吸盤107が上昇して、袋架設台90の保持板94により保持された袋Wの裏面中心部を吸着する。
【0051】
図11(5)では、袋渡し機構64が袋取り機構63から次の袋Wを受け取ろうとしている。そして、前記の計測センサー97により計測した結果から、検知部91側が袋口側か袋底側かにより、袋旋回吸盤107の回転方向を決定した後、エアーシリンダ95が作動して保持板94と被検知板96が上昇して袋Wを開放し、
図8の旋回アクチュエータ110を作動させ、ブラケット109を介して吸引パイプ108を90度回転する。袋Wの回転方向は、後の工程で袋Wが袋搬送機構100により搬送される際に、袋口側が下流側(袋搬送機構100の先端側)を向くようにして、袋口リフト機構106の吸盤119が袋口を吸着するようにする。このように、袋旋回機構105は、袋Wを左右どちら側かに回転し、袋口を袋口リフト機構106が吸引できるようにする。
【0052】
なお、袋Wの寸法が変わった場合、袋Wの幅方向の中心部が異なることになるので、袋旋回機構105により袋Wを旋回する場合に、袋の回転バランスが狂って、不都合が生じるおそれがある。そこで、
図8に示す位置調整機構のスクリューネジ113をハンドル114により回転し、袋旋回機構105の位置を調整して、袋旋回吸盤107が袋Wの上下方向と左右方向の中心部を底から吸着することができるようにする。
【0053】
図11(6)では、前記工程で適正な方向に90度回転した袋Wを、袋旋回吸盤107により吸着した状態で、昇降部115により袋旋回機構105が下降し、
図6に示すように、袋Wを側板102及び袋搬送機構100の紐ベルトコンベア101上に載置する。袋旋回吸盤107に吸着した袋Wが90度回転すると、
図6に示す上層の袋Wが、袋Wの幅方向に向くように回転するので、袋架設台90に架け渡された袋Wが、カウンター部92とカウンター部92との間を通過して側板102及び紐ベルトコンベア101上に載置することができる。
【0054】
側板102及び紐ベルトコンベア101上に載置された袋Wは、袋搬送機構100により下流側に搬送され、袋搬送機構100の先端部の光センサー103により定められた位置に停止する。その後は、袋口リフト機構106のリンク118が下方に旋回し、吸盤119により停止した袋Wを吸着した後、図示しない袋受渡し機構により前記袋口リフト機構106の袋Wを受け取り、同じく図示しないロータリー式包装機に受け渡す。ロータリー式包装機では被包装物の充填と袋Wの袋口のシールが行われる。
【0055】
(他の実施の形態1)
上記実施の形態では、袋を袋ストック機構50に大容量ストックするために、袋Wの袋口を左右逆方向に並べると説明したが、袋Wが少量の場合は袋口側と袋底側の厚みは問題にならないので、従来のものと同様に袋口を揃えた状態で袋ストック機構50にストックして操作してもよい。従って、袋ストック機構50は袋の袋口を左右逆方向に並べなければならない構造ではない。
【0056】
さらに、前記実施例ではジッパー付き袋を大容量ストックして、包装機に供給する大容量袋供給装置を説明したが、平袋の場合は多数枚の袋群の上下の厚みの差がないために袋群が扇状になることがないので、その場合は袋Wを回転しないように制御装置を切り替えできるようにしてもよい。
【0057】
(他の実施の形態2)
前記袋取り手段は、袋取り機構63と袋渡し機構64の2つの機構から構成したが、かかる2つの構成に限定されない。例えば、
図5(A)の袋取り機構63だけの構成とし、この袋取り機構63の吸盤76で吸着した袋Wを袋架設台90上に載置し、保持板94で保持して検知部91で袋Wの方向を検知するようにしてもよい。袋渡し機構64が無い分、構造が簡単になる。
【0058】
(他の実施の形態3)
前記袋方向検知手段は、袋架設台90と検知部91とにより構成し、袋架設台90上の袋Wを保持板94で挟み付けて袋Wの厚みを検知して袋の方向を検知した。しかし、袋方向検知手段は非接触の検知部を用いてもよい。例えば、CCDカメラの撮像により袋Wの方向を判断したり、レーザ光による表面の凹凸や厚みの検知により、袋Wの方向を判断したりするようなものであってもよい。
【0059】
さらに、前記実施の形態2と、非接触の検知部を組み合わせて、
図5(A)に示す袋取り機構63に、スライドロッド79を旋回する旋回手段(モータ等の駆動装置)を設け、吸盤76で吸着した袋Wを旋回するようにすれば、袋架設台90や保持板94は必要ではなくなる。即ち、袋ストック機構50から袋取り機構63で袋を取り出し、袋搬送機構100に袋Wを載置する間に、非接触の検知部で袋Wの方向性を検知して、袋旋回手段で袋の方向を修正して直接、袋搬送機構100で搬送すればよい。
【0060】
(変形例1)
前記実施の形態の袋取り機構63は、
図1に示すように、第1駆動ボックス65の側部に、平行ロッド66が水平方向に片持ちで支持され、この平行ロッド66の両端部に、
図5(A)に示すように、逆L字形のスライド板75がスライド可能に設けられ、これらのスライド板75の下端部にエアーシリンダ77が各々取り付けられている。
【0061】
図12は、前記袋取り機構63の変形例1を示したもので、前記実施の形態の袋取り機構63に比べて、構成が簡単で部品点数も少ないという特徴がある。以下において、この変形例1の袋取り機構163について図面を用いて説明する。
【0062】
図12において、167は、図示していない駆動機構と連結して回動するメインロッドを示している。このメインロッド167は、一端側が第1駆動ボックス65に支持され、他端側は上方から支持材67Aにより支持されている。前記メインロッド167の両端部に、板状の2枚の平行な回動アーム200の上端が固定されている。この2枚の回動アーム200の下端間は支持杆201が回動可能に架設され、この支持杆201の両端近傍に、吸盤76を取り付けた2個のブロック76Aが固定されている。支持杆201の一端には、クランクロッド202の一端が連結し、このクランクロッド202の他端に回転輪203が設けられ、この回転輪203が案内板204の案内溝204Aに嵌め込まれている。
【0063】
案内板204は、一端側が細く、他端側に行くに従って上辺が円弧を描きながら太くなり、他端部は長方形状をしており、底辺は水平で、全体は略台形状をした厚板で出来ている。この案内板204の一端が袋ストック機構50近くの支柱205により上方から支持され、他端側も袋渡し機構64近くの支柱206により上方から支持されている。この案内板204に形成された案内溝204Aは、左の一端側から右の他端側にかけて上方に湾曲しているが、一端側は吸盤76の吸着面が袋ストック機構50の先端の袋Waと平行に対接するように形成されている。
【0064】
前記の袋取り機構163は、メインロッド167が左右方向に回動すると、回動アーム200もメインロッド167の回動に従って約45度の角度で回動する。回動アーム200が回動し、吸盤76が最も左方向に回動停止した状態で、案内溝204Aの一端側に回転輪203が位置し、クランクロッド202及び支持杆201を介してブロック76Aが水平に保たれる。このため、前記ブロック76Aに取り付けられた吸盤76の吸着面が袋ストック機構50の先端の袋Waと平行に対接し、吸盤76が袋Wを確実に吸着して取り出すことができる。
【0065】
メインロッド167が反時計回りに回転すると、吸盤76が袋Wを吸着した状態で回動アーム200も反時計回りに45度回転して停止する。クランクロッド202の回転輪203は案内溝204Aに案内されて右方向に転動し、右方向に移動するに従って上昇する。このため、クランクロッド202も回転輪203の動きに追従しながら回転する。また、クランクロッド202が連結する支持杆201も回動するので、支持杆201に固定されたブロック76Aの吸盤76も下方向に回転して、袋渡し機構64の挟持部88が前記吸盤76に吸着された袋Wを挟持する。
【0066】
(変形例2)
前記実施の形態では、側面送りコンベア53が装備されたフレーム56の先端に、ゲート状プレート板61を有し、このゲート状プレート板61先端上部の間に、係止板62が架設され、前記側面送りコンベア53と袋押部材60により、袋ストック通路52の前方に押し出された袋群の先端の袋Waが飛び出ないように係止して保持している。
【0067】
これに対して、
図13及び
図14示す変形例2は、袋ストック機構50にストックされた袋群の先端の袋Waが飛び出ないように、袋Waの上下、左右の4辺を押さえる構造になっている。一対のゲート状プレート板61の前端側上方を横切って架設されている板が変形例2の係止板220である。この係止板220は、袋Wの上辺が曲がらないように押さえる作用があり、細長い長方形状の板体で出来ており、高さが調整できる。係止板220は、ゲート状プレート板61の前端上下方向に取り付けられた、平面視がL字状の機能板221に架設されている。この機能板221には2つの機能を持たせている。1つは前記の係止板220を架設する架設部221Aとしての役割があり、他の1つは、後述するように、先端の袋Waが飛び出さないように袋Waを側方から規制する抱持部221Bの役割である。ただし、2つの機能を持たせた一体のものではなく、架設部221Aと抱持部221Bの各機能を持った別々な2つの部材としてもよい。
【0068】
一方の機能板221は、前記のように平面視がL字状の板体であるが、その前側は、
図13に示すように、上下方向にスリット223が形成され、前記係止板220の一端がこのスリット223を介して固定ハンドル224で固定されている。固定ハンドル224を緩めると、係止板220はスリット223に沿って上下方向にスライドして高さを調整することができる。図示していないが、スリット223が形成された機能板221の表面には、係止板220を固定する際の目安となる目盛が切られており、袋Wのサイズに応じて係止板220の高さを簡単に設定できるようになっている。
【0069】
他方の機能板221にも、図示していないが、長いスリットが上下方向に形成されている。
図14に示すように、係止板220の横方向の寸法は、前記一方と他方の機能板221の間隔よりも長く、係止板220は、この他方の機能板221のスリットを通り抜けて突出しているが、端部は固定されていない。このような構成により、袋Wのサイズに応じてハンドル58を回転して、スクリューネジによりフレーム56の間隔を調整しても係止板220が他方の機能板221のスリットをすり抜けて、フレーム56の間隔の調整を妨げることがない。また、係止板220は、固定ハンドル224を緩めるだけで、一方と他方の機能板221のスリットに沿って上下方向にスライド可能で、高さ調整ができる。
【0070】
前記のように、機能板221の後方側は抱持部221Bとなっており、先端の袋Wが袋ストック通路52の先端から飛び出さないように側方から規制している。
図14に示すように、抱持部221Bは、所定間隔で凹凸が形成され、この凸部221bで袋Wの側縁を係止し、袋Wの2枚取りを防止することが期待できる。袋Wのサイズに合わせて凹凸の数や間隔が違う抱持部221Bを備えた機能板221を複数種類、用意するようにしてもよい。
【0071】
さらに、袋ストック機構50の先端下部に、下部押さえ板230が設けられている。この下部押さえ板230は
図14に示すように、袋押しベルト59の下流側の上部に設けられ、袋Wの下部を規制している。
【0072】
以上のように、変形例2では、袋Wの上縁部を係止板220で係止し、両サイドを抱持部221Bで係止し、下部を下部押さえ板230で押さえることにより、袋ストック機構50にストックされた袋Wを起立したまま前方へ強く押し出しても、先端の袋Waが安定して吸盤76で吸着できるような姿勢に保持することができる。
【0073】
さらに、この変形例2では、袋Wの中央上部を押さえる中央押さえ板225が設けられている。この中央押さえ板225は、袋Wの中央上部に位置し、吸盤76で先端の袋Waを吸着して取り出す時に、後方の2枚目の袋Wを先端の袋Waと一緒に剥ぎ取らないように、2枚目の袋Wを押し戻す作用がある。この中央押さえ板225により、2枚取りのミスが殆ど無くなり、袋取りの安定性が増す。この中央押さえ板225は、SUS304のばね材で出来た長方形状の板体で、袋W側に湾曲して突き出ている。中央押さえ板225の上端は横方向に延びる支持板226によって支持されている。この支持板226の後端は固定ハンドル227により、長方形状の固定板228に固定されている。この固定板228にもスリット229が形成されており、固定ハンドル227を緩めることにより、支持板226をスリット229に沿って上下方向にスライドすることができる。従って、中央押さえ板225の袋Wに当接する位置を袋Wのサイズに応じて調整することができる。
【0074】
(変形例3)
前記実施の形態では、
図4に示すように、袋ストック通路52の先端部に袋検知片74を一か所だけ設けて先端の袋Wを検知しているが、変形例3では、
図15に示すように、ゲート状プレート板61の内側の二か所に袋検知片240を設けている。袋検知片240をゲート状プレート板61の内側2か所に設けることにより、先端の袋Wがこの2か所の袋検知片240で同時に検知されない場合、袋押しベルト59を作動させて袋群を前方に押し出して、2か所の袋検知片240が同時に袋Wを検知するまで袋押しベルト59で押し続ける。このようにすることにより、袋検知片240は袋Wが袋ストック機構50の先端に位置するか否かだけを検知するのではなく、左右がねじれた状態の袋群であっても真っ直ぐに起立した状態に修正することができ、吸盤76による吸着ミスを防ぐことができる。
【0075】
図15に図示する袋検知片240は、ゲート状プレート板61の内側に軸支され、L字形の揺動片240Aの中央上部に突起240Bが突出し、この突起240Bに袋Wが接触すると、揺動片240Aが回転して下端片240Cが近接スイッチ241から離れることにより、袋Wの袋検知片240への接触の有無を検知できる。
【0076】
(変形例4)
前記の実施の形態では、
図4に示すように、整列ロッド73の先端側にはエアーを吹き出すための噴射孔が形成されて、この噴射孔からのエアーにより袋群の両端にエアーが送り込まれ、袋同士の間にエアーが入り、後述する袋取り手段の吸盤76で先端の袋Wを取りやすくする例を示した。
【0077】
図16及び
図17は、前記実施の形態の変形例4を示したものである。この変形例4は、袋ストック機構50の先端上部に、3個のエアーノズルを配置している。先端上部に配置された大き目の第1エアーノズル251は、スリット状の噴射口が袋Wと平行になるようにパイプ250を介して固定板228に固定されている。ゲート状プレート板61の上部内側部に設けられた第2、第3エアーノズル252,253はスリット状の噴射口が袋Wと交差するように袋群に近接して配置されている。
【0078】
一般的に隙間なく重なった先端の袋Waを吸盤76で剥ぎ取ると、1枚目と2枚目の間が密着して真空状態になっており、2枚目の袋Wも同時に剥ぎ取る現象が発生することがある。前記のように、第1、第2、第3エアーノズル251,252,253からエアーを噴射して1枚目と2枚目の袋Wの間に強制的にエアーを吹き込むと真空状態が緩和されて、2枚取りのミスの発生頻度が少なくなる。
【0079】
(変形例5)
前記実施の形態では、袋押しベルト59に袋押部材60が垂直に着脱可能にセットされ、袋押しベルト59が回転駆動すると、袋押部材60が前方にゆっくりと移動して、袋ストック通路52にストックされた袋群を後方から前方に押し出して袋取り手段に受け渡している。また、前記袋ストック通路52は、両側に側面送りコンベア53が配置されており、紐ベルト72が回転して袋群を側面から前方にゆっくりと送り出している。
【0080】
これに対して、
図18は前記実施の形態の変形例5の斜視図である。この変形例5では、後述するように、前記袋押部材60の代わりに、大容量袋供給装置用補充用具300がその働きをする。また、この変形例5では、側面送りコンベア53が装備されておらず、フレーム56の上部に前記補充用具300を係止する断面L字形の長尺な係止板310がフレーム56に沿って取り付けられている。
【0081】
図19は前記補充用具300の斜視図である。包装作業を進めていくと、袋ストック通路52にストックされた袋Wが減少していき、袋Wを補充する必要があるが、袋Wは薄いので倒れたり曲がったりするので、補充しづらい。大容量袋供給装置を停止することなく連続的に容易に補充するために、前記補充用具300が必要となる。この補充用具300は、前記実施の形態のような袋ストック機構50にも用いることができる。
【0082】
補充用具300は、板状の仕切板301が二枚所定間隔で配置され、両仕切板301の角部間を長方形状の連結板303で連結している。仕切板301は、袋ストック通路52に嵌め込めるように段状に切り欠かかれて段部304が形成されており、袋ストック通路52より、幅は狭く、高さは高く、袋Wを安定して袋ストック通路52に立てて載置することができるように形成している。なお、仕切板301間の間隔は、袋Wを補充する際に、狭すぎて補充枚数が少なすぎることのないよう、また、逆に広すぎて、袋Wの束が自立でき難いことのないような間隔に設定する。
【0083】
図19に示すように、両仕切板301の段部304の両側部に係止用スリット305,306が形成され、この係止用スリット305,306は袋Wを補充する際に使用する。外側の係止用スリット305は大き目の袋Wの場合に、内側の係止用スリット306は小さ目の袋Wの場合に使用し、袋Wのサイズに応じて使い分ける。
図20は袋Wを補充する際の斜視図である。この斜視図に示すように、係止用スリット305を前記係止板310に係止して、袋Wを補充する際に、袋ストック通路52に補充用具300を固定する。
【0084】
前記のように、袋ストック通路52に配置した前記補充用具300に、前記実施の形態と同じように、10枚とか20枚とか、ある程度まとまった枚数の袋Wの袋口側と袋底側を左右逆にしてストックし、袋口側と袋底側の厚みの差を平均化し、歪みの無い状態で整列してストックする。
【0085】
図18に示すように、仕切板301の間に袋Wを載置し終わった後、前記補充用具300を係止状態から横倒しの状態にする。この図では二体の前記補充用具300を使用して袋Wを補充しているので、前方の補充用具300を取り除く。補充用具300は袋押しベルト59上に乗っているので、大容量袋供給装置を連続的に操作すると、補充用具300は袋押しベルト59によって前方のゲート状プレート板61側に送られる。補充用具300は、袋群の束が崩れないように後部を支え、袋押しベルト59の動きによって袋群全体は徐々に袋取り機構63側に送られる。
【0086】
なお、前記の実施の形態では、
図1に示すように、袋押しベルト59に袋押部材60が垂直にセットされているので、補充用具300で袋Wを補充した後は、邪魔にならないように取り外せばよい。
【0087】
仕切板301の形状については、
図19に示すような形状に限定されるものではなく、袋ストック通路52に嵌まり込むような形状であって、二枚の仕切板301を連結板303で所定の間隔で連結すればよい。