(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
有人運転モードおよび無人運転モードで動作する複数の有人無人兼用の荷役車と、前記荷役車のそれぞれと相互に通信可能な管理装置と、前記荷役車がオペレータの乗車を待つための待機場所とを備えた配車システムであって、
前記管理装置は、
前記荷役車から前記通信により取得した前記荷役車の位置に関する荷役車情報を記憶する荷役車情報記憶部と、
前記無人運転モードで動作している前記荷役車が荷役作業を終えたときに、前記荷役車情報記憶部に格納されている当該荷役車の前記荷役車情報に基づいて、当該荷役車を前記待機場所に移動させるのか、当該荷役車に次の荷役作業を行わせるのかを決定する次動作決定部と、
前記次動作決定部による前記決定に対応する指令を前記通信により当該荷役車に送る指令部と、
を有し、
前記次動作決定部は、当該荷役車と前記待機場所との間の距離が予め定められた閾値距離よりも大きい場合は、当該荷役車に次の荷役作業を行わせることを決定し、前記距離が前記閾値距離よりも小さい場合は、当該荷役車を前記待機場所に移動させることを決定する
ことを特徴とする配車システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の配車システムは、オペレータにとって非常に利便性が高いものであるが、その反面、オペレータ全員分の携帯端末を用意しなければならないためにコストが高くつくという問題がある。また、この従来の配車システムは、携帯端末を所持し忘れたオペレータが呼出しを行えない(すなわち、荷役車を利用できない)という問題もある。
【0005】
これらの問題は、例えば、荷役作業を終えた荷役車を無人運転モードで予め定められた待機場所に移動させ、オペレータに乗車の機会を与えるために予め定められた時間(例えば、10分間)だけ待機させることにより解決することができると考えられる。しかしながら、このような手法を採用すると、乗車を希望するオペレータが存在しないときに複数台の荷役車が荷役作業を行うことなく待機場所で待機し、荷役車の稼働効率が低下するという別も問題が発生するおそれがある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、オペレータが荷役車の呼出しを行う必要がなく、しかも、荷役車の稼働効率が比較的高い配車システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る
第1の配車システムは、有人運転モードおよび無人運転モードで動作する複数の有人無人兼用の荷役車と、前記荷役車のそれぞれと相互に通信可能な管理装置と、前記荷役車がオペレータの乗車を待つための待機場所とを備えた配車システムであって、前記管理装置は、前記荷役車から前記通信により取得した前記荷役車の位置に関する荷役車情報を記憶する荷役車情報記憶部と、前記無人運転モードで動作している前記荷役車が荷役作業を終えたときに、前記荷役車情報記憶部に格納されている当該荷役車の前記荷役車情報に基づいて、当該荷役車を前記待機場所に移動させるのか、当該荷役車に次の荷役作業を行わせるのかを決定する次動作決定部と、前記次動作決定部による前記決定に対応する指令を前記通信により当該荷役車に送る指令部とを有
し、前記次動作決定部は、当該荷役車と前記待機場所との間の距離が予め定められた閾値距離よりも大きい場合は、当該荷役車に次の荷役作業を行わせることを決定し、前記距離が前記閾値距離よりも小さい場合は、当該荷役車を前記待機場所に移動させることを決定することを特徴とする。
【0009】
また、上記
第1の配車システムの管理装置は、(
1)前記待機場所において待機している前記荷役車の有無を検知する待機車検知部と、前記待機車検知部による前記検知の結果を記憶する待機車情報記憶部とをさらに有していてもよい。
【0010】
上記
第1の配車システムが上記(1
)の構成を採る場合、前記次動作決定部は、前記距離が前記閾値距離よりも大きい場合であっても、前記待機車情報記憶部に記憶された前記検知の結果が、予め定められた空白許容期間以上、前記待機場所に前記荷役車が待機していなかったことを示している場合は、当該荷役車を前記待機場所に移動させることを決定することが好ましい。
【0011】
さらに、上記
第1の配車システムが上記(1
)の構成を採る場合、前記次動作決定部は、前記距離が前記閾値距離よりも小さい場合であっても、前記待機車情報記憶部に記憶された前記検知の結果が、前記待機場所に前記荷役車が待機していることを示している場合は、当該荷役車に次の荷役作業を行わせることを決定することが好ましい。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る第2の配車システムは、有人運転モードおよび無人運転モードで動作する複数の有人無人兼用の荷役車と、前記荷役車のそれぞれと相互に通信可能な管理装置と、前記荷役車がオペレータの乗車を待つための待機場所とを備えた配車システムであって、前記管理装置は、前記荷役車から前記通信により取得した前記荷役車の位置に関する荷役車情報を記憶する荷役車情報記憶部と、前記無人運転モードで動作している前記荷役車が荷役作業を終えたときに、前記荷役車情報記憶部に格納されている当該荷役車の前記荷役車情報に基づいて、当該荷役車を前記待機場所に移動させるのか、当該荷役車に次の荷役作業を行わせるのかを決定する次動作決定部と、前記次動作決定部による前記決定に対応する指令を前記通信により当該荷役車に送る指令部とを有し、前記次動作決定部は、
当該荷役車が前記待機場所まで走行するために要する時間が予め定められた閾値時間よりも大きい場合は、当該荷役車に次の荷役作業を行わせることを決定し、前記時間が前記閾値時間よりも小さい場合は、当該荷役車を前記待機場所に移動させることを決定してもよい。
【0013】
また、上記
第2の配車システムの管理装置は、(
2)前記待機場所において待機している前記荷役車の有無を検知する待機車検知部と、前記待機車検知部による前記検知の結果を記憶する待機車情報記憶部とをさらに有していてもよい。
【0014】
上記
第2の配車システムが上記(
2)の構成を採る場合、前記次動作決定部は、前記時間が前記閾値時間よりも大きい場合であっても、前記待機車情報記憶部に記憶された前記検知の結果が、予め定められた空白許容期間以上、前記待機場所に前記荷役車が待機していなかったことを示している場合は、当該荷役車を前記待機場所に移動させることを決定することが好ましい。
【0015】
さらに、上記
第2の配車システムが上記(
2)の構成を採る場合、前記次動作決定部は、前記時間が前記閾値時間よりも小さい場合であっても、前記待機車情報記憶部に記憶された前記検知の結果が、前記待機場所に前記荷役車が待機していることを示している場合は、当該荷役車に次の荷役作業を行わせることを決定することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、オペレータが荷役車の呼出しを行う必要がなく、しかも、荷役車の稼働効率が比較的高い配車システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る配車システムの実施例について説明する。
【0019】
図1に、本発明の実施例に係る配車システム10が適用された倉庫Sを示す。同図に示すように、倉庫Sは、第1〜第8ラックR1〜R8と、第1〜第5レーンL1〜L5と、待機場所12とを有している。本実施例では、倉庫S内で5台の有人無人兼用のフォークリフト11a〜11eが荷役作業を行っている。なお、本明細書では、5台のフォークリフト11a〜11eのうちの任意の1台ないし複数台を指し示す参照符号として、11を使用することがある。
【0020】
第1ラックR1および第2ラックR2は、背中合わせに配置されている。第3ラックR3および第4ラックR4、第5ラックR5および第6ラックR6、第7ラックR7および第8ラックR8についても同様である。
【0021】
第1レーンL1は、第1ラックR1に対する荷役作業を行うフォークリフト11が走行する領域である。第2レーンL2は、第2ラックR2および第3ラックR3に対する荷役作業を行うフォークリフト11が走行する領域である。第3レーンL3は、第4ラックR4および第5ラックR5に対する荷役作業を行うフォークリフト11が走行する領域である。第4レーンL4は、第6ラックR6および第7ラックR7に対する荷役作業を行うフォークリフト11が走行する領域である。また、第5レーンL5は、第8ラックR8に対する荷役作業を行うフォークリフト11が走行する領域である。
【0022】
無人運転モードとされたフォークリフト11は、倉庫S内を任意に移動しながら割り当てられた荷役作業を行う。例えば、フォークリフト11aは、第2ラックR2のP2_16番地に保管されている荷物W001をすくい上げ、P2_06番地に移動させる。また、フォークリフト11dは、第8ラックR8のP8_17番地に保管されている荷物W002をすくい上げ、第6ラックR6のP6_08番地に移動させる。
【0023】
待機場所12は、フォークリフト11がオペレータの乗車を待つための場所である。フォークリフト11は、オペレータが乗車するか予め定められた待機限度時間(例えば、10分)が経過するまでここで待機する。
【0024】
フォークリフト11は、第1〜第5レーンL1〜L5と待機場所12との間を行き来することもできる。
【0025】
本実施例に係る配車システム10は、
図1に示されたフォークリフト11a〜11eおよび待機場所12に加え、フォークリフト11a〜11eのそれぞれと相互に通信可能な管理装置13をさらに備えている。
【0026】
図2に示すように、管理装置13は、荷役作業情報記憶部14と、荷役車情報記憶部15とを有している。
【0027】
荷役作業情報記憶部14は、
図3に示すように、フォークリフト11a〜11eに行わせるべき荷役作業に関する情報(以下、単に「荷役作業情報」という)を記憶している。荷役作業情報には、作業ID、荷取り位置、荷置き位置、荷物IDおよび状態が含まれている。
【0028】
管理装置13は、荷役作業情報記憶部14に記憶されている、「状態」が空欄(−)となっている荷役作業の中から一の荷役作業(例えば、A05)を選択し、これを手すきのフォークリフト11(例えば、フォークリフト11a)に割り当てる。これを受けて、フォークリフト11aは、第2ラックR2のP2_06番地に保管されている荷物W005を第7ラックR7のP7_12番地に移動させる。言い換えると、フォークリフト11aは、割り当てられた荷役作業A05を行う。荷役作業A05の状態は、割り当てが行われたときに「作業中」に書き換えられ、その後、作業が完了したことを示す報告信号をフォークリフト11aから受信したときに「完了」に書き換えられる。
【0029】
荷役車情報記憶部15は、
図4に示すように、フォークリフト11a〜11eのそれぞれに関する情報(以下、「荷役車情報」という)を記憶している。荷役車情報には、荷役車ID、現在位置、運転モードおよび動作状態が含まれている。これらは、フォークリフト11a〜11eのそれぞれから送られてくる報告信号に基づいて最新の情報に更新されていく。
【0030】
荷役車情報に含まれる「荷役車ID」は、フォークリフト11a〜11eのそれぞれに固有のIDである。本実施例では、F00はフォークリフト11aの固有IDであり、F01はフォークリフト11bの固有IDであり、F02はフォークリフト11cの固有IDであり、F03はフォークリフト11dの固有IDであり、F04はフォークリフト11eの固有IDである。
【0031】
荷役車情報に含まれる「現在位置」は、倉庫S内におけるフォークリフト11の現在位置(X座標およびY座標)を示している。現在位置は、フォークリフト11a〜11eのそれぞれから予め定められた頻度(例えば、1回/2秒)で送られてくる報告信号に基づいて、最新の情報に書き換えられていく。なお、フォークリフト11は、公知の各種センサを用いて、倉庫S内における自分自身の位置を検知することができる。
【0032】
荷役車情報に含まれる「運転モード」は、フォークリフト11の現在の運転モードが無人運転モードなのか有人運転モードなのかを示している。オペレータがいずれかのフォークリフト11(例えば、フォークリフト11a)に乗車し、運転席に設けられたモードスイッチを「無人」から「有人」に切り替えると、フォークリフト11aから管理装置13にその旨の報告信号が送られ、フォークリフト11a(荷役車ID:F00)の運転モードが「有人」に書き換えられる。また、オペレータがフォークリフト11aから降車する際にモードスイッチを「有人」から「無人」に切り替えると、フォークリフト11aから管理装置13にその旨の報告信号が送られ、フォークリフト11a(荷役車ID:F00)の運転モードが「無人」に書き換えられる。
【0033】
荷役車情報に含まれる「動作状態」は、フォークリフト11の現在の動作状態を示している。本実施例では、フォークリフト11の動作状態が以下の7つ(ST1〜ST7)に分けられている。動作状態は、フォークリフト11a〜11eのそれぞれから予め定められた頻度(例えば、1回/2秒)で送られてくる報告信号に基づいて、最新の情報に書き換えられていく。
ST1:荷取り位置に向かって移動中
ST2:荷取り位置にて荷取り中
ST3:荷置き位置に向かって移動中
ST4:荷置き位置にて荷置き中
ST5:荷置き完了(指令待ち)
ST6:待機場所12に向かって移動中
ST7:待機場所12にて待機中
【0034】
なお、
図4に示すように、有人運転モードとされているフォークリフト11(荷役車ID:F03)については、動作状態が空欄となっている。
【0035】
図2に示すように、管理装置13は、待機車検知部16と、待機車情報記憶部17とをさらに有している。
【0036】
待機車検知部16は、待機場所12で待機しているフォークリフト11の有無を実質的にリアルタイムで検知するとともに、検知結果に対応した検知信号を出力する。本実施例では、待機車検知部16は、待機場所12の真上から真下に向かって検知光を照射する投光器と、待機場所12の床面または待機中のフォークリフト11からの反射光を受光する受光器と、受光器が受光した反射光の強さに基づいてフォークリフト11の有無を判定する判定部とで構成されている。待機車検知部16は、他の既知の方式でフォークリフト11の有無を検知してもよい。
【0037】
待機車情報記憶部17は、待機車検知部16による検知の結果を待機車情報として記憶する。より詳しくは、待機車情報記憶部17は、待機車検知部16から出力された検知信号を受信するとともに、検知信号が示す検知結果(フォークリフト有/フォークリフト無)を現在時刻に関連付けて記憶する。本実施例では、待機車情報記憶部17は、1時間分の待機車情報を記憶する。
【0038】
図2に示すように、管理装置13は、次動作決定部18と、指令部19と、通信部20とをさらに有している。
【0039】
次動作決定部18は、フォークリフト11が割り当てられた荷役作業を終えたときに、当該フォークリフト11を待機場所12に移動させるのか、当該フォークリフト11に次の荷役作業を行わせるのかを決定する。
【0040】
指令部19は、次動作決定部18による決定に対応する指令信号を生成するとともに、当該指令信号を通信部20を介して決定に係るフォークリフト11に送信する。具体的には、指令部19は、次動作決定部18がフォークリフト11を待機場所に移動させることを決定した場合は、待機場所への移動を指令するための指令信号を送信する。一方、指令部19は、次動作決定部18がフォークリフト11に次の荷役作業を行わせることを決定した場合は、当該次の荷役作業に関する情報(これには、荷取り位置、荷置き位置および荷物IDが含まれる)を指令信号として送信する。
【0041】
通信部20は、フォークリフト11a〜11eのそれぞれと無線で通信することができるように構成されている。通信部20は、指令部19が生成した指令信号をいずれかのフォークリフト11に送信する。また、通信部20は、フォークリフト11a〜11eのそれぞれからの報告信号を受信する。
【0042】
続いて、
図5を参照しつつ、次動作決定部18の動作の一例についてさらに詳しく説明する。なお、以下の一例は、
図3および
図4に示した荷役作業情報および荷役車情報の具体的内容に対応していない点に注意されたい。
【0043】
ステップS1において、次動作決定部18は、荷役車情報記憶部15に記憶されている荷役車情報を参照する。より詳しくは、次動作決定部18は、荷役車情報に含まれる全てのフォークリフト11a〜11e(ただし、有人運転モードとされているものは除く)の動作状態を参照する。
【0044】
ステップS2において、次動作決定部18は、動作状態がST5となっているフォークリフト11(すなわち、割り当てられた荷役作業を終えたフォークリフト11)が存在するか否かを判定する。そして、次動作決定部18は、そのようなフォークリフト11が存在する場合はステップS3を実行し、存在しない場合は再びステップS1を実行する。
【0045】
ステップS3において、次動作決定部18は、荷役車情報記憶部15に記憶されている荷役車情報を再び参照する。これにより、次動作決定部18は、ステップS2において動作状態がST5であると判明したフォークリフト11(本例では、フォークリフト11a。以下同様)の現在位置を特定する。
【0046】
ステップS4において、次動作決定部18は、待機車情報記憶部17に記憶されている待機車情報を参照する。
【0047】
ステップS5において、次動作決定部18は、フォークリフト11aから見て待機場所12が遠いか否かを判定する。より詳しくは、次動作決定部18は、ステップS3において特定したフォークリフト11aの現在位置と待機場所12の位置との間の距離(以下、「離間距離」という)が、予め定められた閾値距離よりも大きいか否かを判定する。そして、次動作決定部18は、離間距離が閾値距離よりも大きい場合はステップS6を実行し、離間距離が閾値距離よりも小さい場合はステップS7を実行する。
【0048】
なお、次動作決定部18は、フォークリフト11aの現在位置と待機場所12の位置との間の直線距離を離間距離としてもよいし、フォークリフト11aが現在位置から待機場所12まで走行するときの走行距離(複数の走行経路が存在する場合は、最短の走行経路を走行するときの走行距離)を離間距離としてもよい。
【0049】
ステップS6において、次動作決定部18は、ステップS4で参照した待機車情報に基づいて、待機場所12にフォークリフト11が存在(待機)していない状態が10分以上続いているか否かを判定する。そして、次動作決定部18は、そのような状態が10分以上続いている場合は、オペレータに乗車の機会を与えるために、フォークリフト11aを待機場所12に移動させることを決定する(ステップS8)。一方、次動作決定部18は、それ以外の場合は、フォークリフト11aに次の荷役作業を行わせることを決定する(ステップS10)。
【0050】
なお、上記10分は、本発明の「空白許容期間」に相当する。
【0051】
離間距離が大きいフォークリフト11を待機場所12に移動させるのは、稼働効率の点で好ましくない。一方、長期にわたって待機場所12にフォークリフト11が存在しない状態が続くことは、フォークリフト11の利用を希望するオペレータにとって不便である。このような理由から、本実施例では、ステップS6の条件を満たさない場合に限って、荷役作業を終えたフォークリフト11に次の荷役作業を行わせる。
【0052】
ステップS7において、次動作決定部18は、ステップS4で参照した待機車情報に基づいて、現在、待機場所12にフォークリフト11が存在しているか否かを判定する。そして、次動作決定部18は、待機場所12にフォークリフト11が存在している場合は、フォークリフト11aに次の荷役作業を行わせることを決定する(ステップS10)。一方、次動作決定部18は、それ以外の場合は、オペレータに乗車の機会を与えるために、フォークリフト11aを待機場所12に移動させることを決定する(ステップS9)。
【0053】
離間距離が小さいフォークリフト11は、積極的に待機場所12に移動させるべきである。一方、既に待機場所12で待機しているフォークリフト11が存在している場合に別のフォークリフト11を待機場所12に移動させると、2台のフォークリフト11がオペレータの搭乗を待つことになり、稼働効率が低下する。このような理由から、本実施例では、ステップS7の条件を満たさない場合に限って、荷役作業を終えたフォークリフト11を待機場所12に移動させる。
【0054】
次動作決定部18の動作を整理すると、以下の通りとなる。
【0055】
(1)次動作決定部18は、荷役作業を終えたフォークリフト11と待機場所12との間の距離(離間距離)が予め定められた閾値距離よりも大きい場合は、当該フォークリフト11に次の荷役作業を行わせることを決定し、離間距離が閾値距離よりも小さい場合は、当該フォークリフト11を待機場所12に移動させることを決定する。
【0056】
(2)次動作決定部18は、離間距離が閾値距離よりも大きい場合であっても、予め定められた空白許容期間(実施例では10分)以上、待機場所12にフォークリフト11が待機していない状態が続いている場合は、当該フォークリフト11を待機場所12に移動させることを決定する。
【0057】
(3)次動作決定部18は、離間距離が閾値距離よりも小さい場合であっても、待機場所12にフォークリフト11が待機していることを示している場合は、当該フォークリフト11に次の荷役作業を行わせることを決定する。
【0058】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
【0059】
例えば、次動作決定部18は、ステップS5の代わりに実行するステップS11において、フォークリフト11aの現在位置から待機場所12までの移動に要する時間(以下、「走行時間」という)が予め定められた閾値時間よりも大きいか否かを判定するとともに、走行時間が予め定められた閾値時間よりも大きい場合はステップS6を実行し、走行時間が閾値時間よりも小さい場合はステップS7を実行してもよい(
図6参照)。
【0060】
また、次動作決定部18は、ステップS6の実行を省略してもよい(
図7参照)。この場合、次動作決定部18は、離間距離(走行時間)が閾値距離(閾値時間)よりも大きければ、フォークリフト11に次の荷役作業を必ず行わせる。
【0061】
また、次動作決定部18は、ステップS7の実行を省略してもよい(
図7参照)。この場合、次動作決定部18は、離間距離(走行時間)が閾値距離(閾値時間)よりも小さければ、フォークリフト11を待機場所12に必ず移動させる。
【0062】
なお、
図7に示した変形例では、上で説明したように、オペレータが不便を感じたり、フォークリフト11の稼働効率が低下したりするおそれがある点に注意が必要である。
【0063】
また、荷役車は、フォークリフト以外の車両であってもよい。
【解決手段】本発明に係る配車システムは、複数の有人無人兼用の荷役車11と、荷役車11のそれぞれと相互に通信可能な管理装置13と、荷役車11がオペレータを待つための待機場所12とを備えている。管理装置13は、荷役車11から取得した当該荷役車11の位置に関する荷役車情報を記憶する荷役車情報記憶部15と、無人運転モードで動作している荷役車11が荷役作業を終えたときに、荷役車情報記憶部15に格納されている他の荷役車11の荷役車情報に基づいて、当該荷役車11を待機場所に移動させるのか、当該荷役車11に次の荷役作業を行わせるのかを決定する次動作決定部18とを有する。