特許第6355152号(P6355152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355152
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】呼吸及び/又は脈拍測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0245 20060101AFI20180702BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   A61B5/0245 B
   A61B5/0245 100B
   A61B5/02 310P
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-36713(P2014-36713)
(22)【出願日】2014年2月27日
(65)【公開番号】特開2015-159950(P2015-159950A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2017年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】514051154
【氏名又は名称】任 陽陽
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】任 陽陽
(72)【発明者】
【氏名】加川 敏規
【審査官】 後藤 孝平
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/102040(WO,A1)
【文献】 特開平07−299043(JP,A)
【文献】 特開2003−265446(JP,A)
【文献】 特開2010−200994(JP,A)
【文献】 特開2012−125367(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/112281(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00−5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸及び/又は脈拍を検知するための複数の呼吸・脈拍検知手段を備えた検知器と、前記複数の呼吸・脈拍検知手段からの検知信号を所要の通りに処理して呼吸数及び/又は脈拍数を演算するためのコントローラと、を備えた呼吸及び/又は脈拍測定装置において、
前記コントローラは、呼吸しきい値を演算するための呼吸しきい値演算手段及び/又は脈拍しきい値を演算するための脈拍しきい値演算手段と、前記複数の呼吸・脈拍検知手段の検知信号から前記呼吸しきい値に基づいて仮呼吸信号を抽出するための呼吸信号抽出手段及び/又は前記複数の呼吸・脈拍検知手段の検知信号から前記脈拍しきい値に基づいて仮脈拍信号を抽出するための脈拍信号抽出手段と、前記呼吸信号抽出手段により抽出された前記仮呼吸信号に基づいて実際の呼吸である実呼吸信号と判定するための呼吸判定手段及び/又は前記脈拍信号抽出手段により抽出された前記仮脈拍信号に基づいて実際の脈拍である実脈拍信号と判定するための脈拍判定手段と、前記実呼吸信号に基づいて呼吸数を演算するための呼吸数演算手段及び/又は前記実脈拍信号に基づいて脈拍数を演算するための脈拍数演算手段と、を備え、
前記呼吸判定手段は、前記呼吸信号抽出手段により抽出された前記仮呼吸信号に基づき多数決処理が適用できるときには多数決処理して前記実呼吸信号を判定し、前記多数決処理ができないときにはピーク値処理して前記実呼吸信号を判定し、また前記脈拍判定手段は、前記脈拍信号抽出手段により抽出された前記仮脈拍信号に基づき多数決処理が適用できるときには多数決処理して前記実脈拍信号を判定し、前記多数決処理ができないときにはピーク値処理して前記実脈拍信号を判定することを特徴とする呼吸及び/又は脈拍測定装置。
【請求項2】
前記複数の呼吸・脈拍検知手段の各々は、測定部位に向けて赤外線を発光する発光素子及び前記測定部位からの反射赤外線を受光する受光素子を含むフォトインタラプタと、前記フォトインタラプタからの受光信号の低周波成分を除去する低周波除去手段とを含み、前記低周波成分が除去された検知信号が前記コントローラに送給されることを特徴とする請求項1に記載の呼吸及び/又は脈拍測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液の流れを利用して呼吸数及び/又は脈拍数を計測する呼吸及び/又は脈拍計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸数及び/又は脈拍数を測定するための呼吸及び/脈拍測定装置として、耳たぶや指先などに測定プローブ(圧力センサを利用する)を装着して測定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この呼吸及び/又は脈拍測定装置は、測定プローブからの検知信号を処理して呼吸信号を生成する第1信号処理手段(所謂、呼吸信号生成手段)と、この検知信号を処理して脈拍信号を生成する第2信号処理手段(所謂、脈拍信号生成手段)とを備えている。第1信号処理手段は第1バンドパスフィルタから構成され、この第1バンドパスフィルタは、例えば0.5Hz以上の周波数を遮断する第1高周波遮断フィルタと、例えば0.15Hz以下の低周波を遮断する第1低周波遮断フィルタとを含み、第1高周波遮断フィルタ及び第1低周波遮断フィルタを通過する周波数成分(0.15〜0.5Hz)を呼吸性信号として出力し、かかる呼吸性信号に基づいて呼吸数が演算される。また、第2信号処理手段は第2バンドパスフィルタから構成され、この第2バンドパスフィルタは、例えば5.5Hz以上の周波数を遮断する第2高周波遮断フィルタと、例えば1.0Hz以下の低周波を遮断する第2低周波遮断フィルタとを含み、第2高周波遮断フィルタ及び第2低周波遮断フィルタを通過する周波数成分(1.0〜5.5Hz)を脈拍性信号として出力し、かかる脈拍性信号に基づいて脈拍数が演算される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−125953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に耳たぶや指先は毛細血管が多く、このような部位に測定プローブを装着する場合、装着した測定プローブによって血液の流れ(具体的には、血液の流れによる圧力変化など)を感度良く検知し、この検知信号を用いて呼吸数及び/又は脈拍数を精度よく測定することができる。一方、腕(例えば、手首)は、測定プローブを装着し易く、また装着した状態においても動き易いが、毛細血管などの血管が密集してなく、このような部位に測定プローブを装着しても大きな出力を得ることができない。例えば、手首で測定しようとすると、測定プローブの出力は、指先に装着して測定したときの1/10程度となり、血液の流れを利用して呼吸数及び/又は脈拍数を精度よく測定することが難しい。
【0005】
本発明の目的は、例えば手首に装着しても呼吸数及び/又は脈拍数を精度よく測定することができる呼吸及び/脈拍測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の呼吸及び/又は脈拍測定装置は、呼吸及び/又は脈拍を検知するための複数の呼吸・脈拍検知手段を備えた検知器と、前記複数の呼吸・脈拍検知手段からの検知信号を所要の通りに処理して呼吸数及び/又は脈拍数を演算するためのコントローラと、を備えた呼吸及び/又は脈拍測定装置において、
前記コントローラは、呼吸しきい値を演算するための呼吸しきい値演算手段及び/又は脈拍しきい値を演算するための脈拍しきい値演算手段と、前記複数の呼吸・脈拍検知手段の検知信号から前記呼吸しきい値に基づいて仮呼吸信号を抽出するための呼吸信号抽出手段及び/又は前記複数の呼吸・脈拍検知手段の検知信号から前記脈拍しきい値に基づいて仮脈拍信号を抽出するための脈拍信号抽出手段と、前記呼吸信号抽出手段により抽出された前記仮呼吸信号に基づいて実際の呼吸である実呼吸信号と判定するための呼吸判定手段及び/又は前記脈拍信号抽出手段により抽出された前記仮脈拍信号に基づいて実際の脈拍である実脈拍信号と判定するための脈拍判定手段と、前記実呼吸信号に基づいて呼吸数を演算するための呼吸数演算手段及び/又は前記実脈拍信号に基づいて脈拍数を演算するための脈拍数演算手段と、を備え、
前記呼吸判定手段は、前記呼吸信号抽出手段により抽出された前記仮呼吸信号に基づき多数決処理が適用できるときには多数決処理して前記実呼吸信号を判定し、前記多数決処理ができないときにはピーク値処理して前記実呼吸信号を判定し、また前記脈拍判定手段は、前記脈拍信号抽出手段により抽出された前記仮脈拍信号に基づき多数決処理が適用できるときには多数決処理して前記実脈拍信号を判定し、前記多数決処理ができないときにはピーク値処理して前記実脈拍信号を判定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の呼吸及び/又は脈拍測定装置では、前記複数の呼吸・脈拍検知手段の各々は、測定部位に向けて赤外線を発光する発光素子及び前記測定部位からの反射赤外線を受光する受光素子を含むフォトインタラプタと、前記フォトインタラプタからの受光信号の低周波成分を除去する低周波除去手段とを含み、前記低周波成分が除去された検知信号が前記コントローラに送給されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に記載の呼吸及び/又は脈拍測定装置によれば、検知器(複数の呼吸・脈拍検知手段を備える)からの検知信号を処理するためのコントローラは、呼吸しきい値演算手段(及び/又は脈拍しきい値演算手段)、呼吸信号抽出手段(及び/又は脈拍しきい値抽出手段)、呼吸判定手段(及び/又は脈拍判定手段)及び呼吸数演算手段(及び/又は脈拍数演算手段)を備えている。呼吸しきい値演算手段(及び/又は脈拍しきい値演算手段)は、各検知信号に基づいて呼吸しきい値(及び/又は脈拍しきい値)を演算し、呼吸信号抽出手段(及び/又は脈拍信号演算手段)は、対応する検出信号からこの呼吸しきい値(及び/又は脈拍しきい値)に基づいて仮呼吸信号(仮脈拍信号)を抽出するので、抽出された仮呼吸信号(及び/又は仮脈拍信号)は、ノイズ成分の少ない信号になるとともに、複数の呼吸・脈拍検知手段のうち呼吸(及び/又は脈拍)を仮検知したものが抽出されるようになる。そして、呼吸判定手段(及び/又は脈拍判定手段)は、仮呼吸信号(及び/又は仮脈拍信号)に基づいて実際の呼吸(及び/又は脈拍)である実呼吸信号(及び/又は実脈拍信号)を判定し、呼吸数演算手段(及び/又は脈拍数演算手段)は、この実呼吸信号(及び/又は実脈拍信号)に基づいて呼吸数(及び/又は脈拍数)を演算するので、血液の流れを利用して人体の呼吸数(及び/又は脈拍数)を精度よく測定することができる。尚、呼吸・脈拍検知手段は、その大きさ、消費電力などにもよるが、例えば手首に装着した状態においてその測定部位に4つ程度並ぶようにするのが望ましい。
また、呼吸判定手段(及び/又は脈拍判定手段)は、呼吸信号抽出手段(及び/又は脈拍信号抽出手段)により抽出された仮呼吸信号(及び/又は仮脈拍信号)により多数決処理が適用できるときには多数決処理するので、血液の流れ(その流れの変動)を利用するにもかかわらず簡単な処理でもって精度よく実呼吸信号(及び/又は実脈拍信号)を判定することができる。また、多数決処理ができないときには、呼吸判定手段(及び/又は脈拍判定手段)はピーク値処理して実呼吸信号(及び/又は実脈拍信号)を判定するので、このようなときにおいても簡単な処理でもって実呼吸信号(及び/又は実脈拍信号)を判定することができる。
【0011】
また、本発明の請求項に記載の呼吸及び/又は脈拍測定装置によれば、複数の呼吸・脈拍検知手段の各々は、赤外線を利用した発光素子及び受光素子を含むフォトインタラプタを用いるので、市販のフォトインタラプタを用いて血液の流れの変動を検知信号に変換して呼吸数(及び/又は脈拍数)を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に従う呼吸及び/又は脈拍測定装置の一実施形態における検知器を装着した状態を簡略的に示す図。
図2図1の検知の内面側を簡略的に示す図。
図3図1の検知器側の制御系を簡略的に示すブロック図。
図4図1の呼吸及び/又は脈拍測定装置における測定装置本体側の制御系を簡略的に示すブロック図。
図5図3の測定装置本体側の制御系による信号処理の流れを示すフローチャート。
図6図5のフローチャートにおける第1〜第4しきい値の演算処理を示すフローチャート。
図7図5のフローチャートにおける呼吸判定処理の流れを示すフローチャート。
図8図5のフローチャートにおける脈拍判定処理の流れを示すフローチャート。
図9図1の検知器における第1呼吸・脈拍検知手段の検知信号の一例を示す図。
図10図9の時刻t1における第1〜第4呼吸・脈拍検知手段の検知信号の周波数成分を示す図。
図11図9の時刻t2における第1〜第4呼吸・脈拍検知手段の検知信号の周波数成分を示す図。
図12図9の時刻t3における第1〜第4呼吸・脈拍検知手段の検知信号の周波数成分を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う呼吸及び/又は脈拍測定装置の一実施形態について説明する。図1及び図2において、図示の呼吸及び/又は脈拍測定装置は、測定すべき身体の腕P(具体的には、手首Q)に装着される検知器2を備え、この検知器2は、複数(この形態では、4つ)の呼吸・脈拍検知手段、即ち第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A,4B,4C,4Dを内蔵する検知器本体6と、この検知器本体6に取り付けられた取付ベルト8とを備え、この取付ベルト8を手首Qに巻いて装着することによって、検知器本体6が測定すべき部位(この形態では、手首Qの手のひら側)に位置付けられる。
【0014】
第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dは、図2において左右方向に実質上等間隔をおいて配設され、このように配設することによって、手首Qに装着した状態において、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dは、手首Qの幅方向に配置され、このように配置することによって、後述するように、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの少なくとも一つが、手首Qの血管を流れる血液の流れ(即ち、流れの変動)を検知することが可能となる。尚、この形態では、4つの呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dを検知器本体6に内蔵しているが、血液の流れを確実に検知できる場合、2つ又は3つの呼吸・脈拍検知手段を内蔵するようにしてもよく、或いは5つ以上の呼吸・脈拍検知手段を内蔵するようにしてもよい。
【0015】
図3をも参照して、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dは実質上同一の構成であり、以下第1呼吸・脈拍検知手段4A(第2〜第4呼吸・脈拍検知手段4B〜4D)について説明する。第1呼吸・脈拍検知手段4A(第2〜第3呼吸・脈拍検知手段4B〜4D)は、発光素子10及び受光素子12を備えたフォトインタラプタ14と、低周波成分を遮断する低周波遮断手段16と、信号を増幅する増幅手段18とを含んでいる。発光素子10は、測定部位(手首Qの手のひら側)に向けて赤外線を発光し、受光素子12は、測定部位からの反射赤外線を受光する。
【0016】
一般に、血液中のヘモグロビンは赤外線を吸収する特性を有しており、従って、発光素子12から血管(そこを流れる血液)に向けて赤外線を照射すると、血管を流れる血流量変動(ヘモグロビン量の変動)によって反射赤外線が変化し、この変化を受光素子12で電気的信号に変換することによって光電脈波の検知信号を得ることができる。
【0017】
フォトインタラプタ14の受光素子12からの検知信号(光電脈波)は低周波遮断手段16に送給され、この低周波遮断手段16は検知信号の低周波成分(例えば、0.034Hz以下の低周波成分)を遮断し、このように検知信号に含まれる低周波成分を遮断することによって、検知信号のノイズ成分を除去することができる。低周波成分が除去された検知信号は増幅手段18に送給され、増幅手段18はこの検知信号を増幅する。
【0018】
検知器2は、更に、送信手段20を含み、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dからの出力信号(即ち、低周波成分が除去された後に増幅された信号)は送信手段20に送給され、この送信手段20から通信(例えば、Wi−Fi通信、赤外線通信など)を介して携帯端末装置、パソコンなどのコントローラ22(図4参照)に送られる。尚、例えばUSBケーブルなどのコードを介してコントローラ22に送給するようにしてもよい。
【0019】
次に、図4を参照して、呼吸及び/又は脈拍測定装置のコントローラ22について説明する。検知器2(即ち、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4D)からの検知信号を処理するためのコントローラ22は、例えばマイクロプロセッサなどから構成される。この形態では、検知器2からの検知信号を用いて呼吸数及び脈拍数を測定するために、次のように構成されている。
【0020】
図示のコントローラ22は、呼吸数を測定するために、呼吸領域信号生成手段24、呼吸しきい値演算手段26、呼吸信号抽出手段28、呼吸判定手段30及び呼吸数演算手段32を備え、この呼吸判定手段30は、多数決処理するための多数決判定手段34及びピーク値処理するためのピーク値判定手段36を含んでいる。
【0021】
呼吸領域信号生成手段24は、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号から呼吸領域信号(具体的には、0.034〜0.83Hzの周波数成分の信号)を切り出して生成し、呼吸しきい値演算手段26は、後述するようにして第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号に対しての呼吸しきい値を演算する。また、呼吸信号抽出手段28は、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号における呼吸領域信号からこの呼吸しきい値を超える部分を仮呼吸信号として抽出する。
【0022】
呼吸判定手段30は、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号から抽出された仮呼吸信号を所要の通りに処理して実呼吸信号を判定する。第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの仮呼吸信号により多数決処理(この形態では、複数の仮呼吸信号が存在する場合、周波数の同じものが多い仮呼吸信号を採用する処理方法)が適用できる場合、多数決判定手段34は、複数の仮呼吸信号を多数決処理して実呼吸信号を判定する。また、この多数決処理が適用できない場合、ピーク値判定手段36は、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの仮呼吸信号をピーク値処理(この形態では、複数の仮呼吸信号が存在する場合、各仮呼吸信号についてピーク値(即ち、ピーク振幅値)と呼吸しきい値との比を演算して最も大きい仮呼吸信号を採用する処理方法)して実呼吸信号を判定する。尚、ピーク値処理においては、呼吸しきい値との比を演算するのではなく、単にピーク値の最も大きいものを実呼吸信号と判定するようにしてもよい。更に、呼吸数演算手段32は、呼吸判定手段30(多数決判定手段34及びピーク値判定手段36)により判定された実呼吸信号に基づいて呼吸数を演算する。
【0023】
この形態では、このコントローラ22は、更に、脈拍数を測定するために、脈拍領域信号生成手段38、脈拍しきい値演算手段40、脈拍信号抽出手段42、脈拍判定手段44及び脈拍数演算手段46を備え、この脈拍判定手段44は、多数決処理するための多数決判定手段48及びピーク値処理するためのピーク値判定手段50を含んでいる。
【0024】
脈拍領域信号生成手段38は、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号から脈拍領域信号(この形態では、0.83〜2.33Hzの周波数成分の信号)を切り出して生成し、脈拍しきい値演算手段40は、後述するようにして第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号に対しての脈拍しきい値を演算する。また、脈拍信号抽出手段42は、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号における脈拍領域信号からこの脈拍しきい値を超える部分を仮脈拍信号として抽出する。
【0025】
脈拍判定手段44は、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号から抽出された仮脈拍信号を所要の通りに処理して実脈拍信号を判定する。第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの仮脈拍信号により多数決処理が適用できる場合、多数決判定手段48は、複数の仮脈拍信号について上述の多数決処理を行って実呼吸信号を判定する。また、この多数決処理が適用できない場合、ピーク値判定手段50は、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの仮脈拍信号について上述のピーク値処理を行って実脈拍信号を判定する。尚、ピーク値処理においては、脈拍しきい値との比を演算するのではなく、単にピーク値の最も大きいものを実脈拍信号と判定するようにしてもよい。更に、脈拍数演算手段46は、脈拍判定手段44(多数決判定手段48及びピーク値判定手段50)により判定された実脈拍信号に基づいて脈拍数を演算する。
【0026】
このコントローラ22は、更に、メモリ手段52、信号出力手段54及び受信手段56を含んでいる。メモリ手段52は、各種データを記憶するものであり、検知器2(第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4D)からの検知信号、呼吸しきい値、仮呼吸信号、実呼吸信号、呼吸数、脈拍しきい値、仮脈拍信号、実脈拍信号、脈拍数などが記憶される。また、信号出力手段54は、コントローラ22でもって上述したようにして演算された呼吸数及び脈拍数のデータ信号を出力するものであり、この信号出力手段54からのデータ信号は、表示装置58(例えば、液晶表示装置などから構成される)に送給されて表示される。更に、受信手段56は、信号を受信するためのものであり、検知器2の送信手段20(図3参照)から送信された出力信号がこの受信手段56を通して受信され、受信された出力信号(検知信号)がコントローラ22のメモリ手段52に記憶される。
【0027】
次に、主として図2及び図3とともに図5図8を参照して、上述した呼吸及び/又は脈拍計測装置による呼吸及び脈拍の計測の流れについて説明する。図5において、呼吸及び脈拍の測定を行うには、まず、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dからの検知信号を送信手段20(図3参照)及び受信手段56(図4参照)を介してコントローラ22のメモリ手段52に取り込む。この場合、測定時間として例えば30〜60秒程度に設定し、この測定時間の間にわたって手首Qの測定部位の血流の流れを赤外線により検知し(ステップS1)、かかる検知信号をメモリ手段52に取り込む(ステップS2)。
【0028】
このように検知信号を取り込むと、この検知信号を用いてしきい値の演算が行われ(ステップS3)、このしきい値の演算は、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの各々について同様に行われ、第1呼吸・脈拍検知手段4A(第2〜第4呼吸・脈拍検知手段4B〜4D)の検知信号を用いて第1呼吸しきい値(第2〜第4呼吸しきい値)及び第1脈拍しきい値(第2〜第4脈拍しきい値)の演算が行われる。
【0029】
このしきい値の演算について図6を参照して説明すると、第1呼吸しきい値(第2〜第4呼吸しきい値)については、呼吸領域信号生成手段24が測定時間毎の第1呼吸・脈拍検知手段4A(第2〜第4呼吸・脈拍検知手段4B〜4D)の検知信号を周波数分析して第1呼吸領域信号(0.035〜0.83Hzの領域の信号であって、呼吸信号はこの呼吸領域の周波数範囲に現れる)(第2〜第4呼吸流域信号)を生成し(ステップS3−1)、呼吸しきい値演算手段26は、この測定時間の間にわたっての第1呼吸領域信号(第2〜第4呼吸領域信号)を平均化し(即ち、この信号のスペクトル振幅を平均化する)、この第1呼吸領域信号(第2〜第4呼吸領域信号)の平均値α1に係数C1を積算して第1呼吸しきい値P1(P1=α1×C1)(第2〜第4呼吸しきい値)を演算し(S3−2)、演算された第1呼吸しきい値(第2〜第4呼吸しきい値)がメモリ手段52に記憶され、第1呼吸領域信号(第2〜第4呼吸領域信号)の呼吸しきい値として設定される。尚、係数C1として例えば2〜3の値(C1=2〜3)が用いられる。
【0030】
また、第1脈拍しきい値(第2〜第4脈拍しきい値)については、脈拍領域信号生成手段38が測定時間毎の第1呼吸・脈拍検知手段4A(第2〜第4呼吸・脈拍検知手段4B〜4D)の検知信号を周波数分析して第1脈拍領域信号(0.83〜02.33Hzの領域の信号であって、脈拍信号はこの脈拍領域の周波数範囲に現れる)(第2〜第4脈拍領域信号)を生成し(ステップS3−4)、脈拍しきい値演算手段40は、この測定時間の間にわたっての第1脈拍領域信号(第2〜第4脈拍領域信号)を平均化し(即ち、この信号のスペクトル振幅を平均化する)、この第1脈拍領域信号(第2〜第4脈拍領域信号)の平均値α2に係数C2を積算して第1脈拍しきい値P2(P2=α2×C2)(第2〜第4脈拍しきい値)を演算し(ステップS3−5)、演算された第1脈拍しきい値(第2〜第4脈拍しきい値)がメモリ手段52に記憶され、第1脈拍領域信号(第2〜第4脈拍領域信号)の脈拍しきい値として設定される(ステップS3−6)。尚、この係数C2についても、上述したと同様に、例えば2〜3の値(C1=2〜3)が用いられる。
【0031】
このようにして第1〜第4呼吸しきい値が設定されると、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号各々について、1〜第4仮呼吸信号の抽出が行われ(ステップS4)、また第1〜第4脈拍しきい値が設定されると、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号の各々について、第1〜第4仮脈拍信号の抽出が行われる(ステップS5)。
【0032】
第1〜第4仮呼吸信号の抽出に関し、呼吸信号抽出手段28は、測定時間毎の第1呼吸・脈拍検知手段4A(第2〜第4呼吸・脈拍検知手段4B〜4D)の第1呼吸領域信号(0.034〜0.83Hzの領域の信号)(第2〜第4呼吸領域信号)を生成し、呼吸信号抽出手段28は、この第1呼吸領域信号(第2〜第4呼吸領域信号)において第1呼吸しきい値(第2〜第4呼吸しきい値)を超えていると呼吸が行われているとして、第1呼吸しきい値(第2〜第4呼吸しきい値)を超えている信号部位を仮呼吸信号として抽出する。
【0033】
また、第1〜第4仮脈拍信号の抽出に関し、脈拍信号抽出手段42は、測定時間毎の第1呼吸・脈拍検知手段4A(第2〜第4呼吸・脈拍検知手段4B〜4D)の第1脈拍領域信号(0.83〜02.33Hzの領域の信号)(第2〜第4脈拍領域信号)を生成し、脈拍信号抽出手段42は、この第1脈拍領域信号(第2〜第4脈拍領域信号)において第1脈拍しきい値(第2〜第4呼吸しきい値)を超えていると脈を打っているとして、第1脈拍しきい値(第2〜第4脈拍しきい値)を超えている信号部位を仮脈拍信号として抽出する。
【0034】
このようにして第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号から第1〜第4仮呼吸信号の抽出が行われると、これら第1〜第4仮呼吸信号に呼吸判定処理が行われて実呼吸信号が判定され(ステップS6)、またこれらの検知信号から第1〜第4仮脈拍信号の抽出が行われると、これら第1〜第4仮脈拍信号に脈拍判定処理が行われて実脈拍信号が判定される(ステップS7)。
【0035】
第1〜第4実呼吸信号の判定は、多数決処理が適用できる場合(例えば、仮呼吸信号の割合が4:0、3:1又は2:1である場合)には、多数決処理により実呼吸信号の判定が行われ、この多数決処理ができない場合(例えば、仮呼吸信号の割合が2:2又は1:1である場合)には、ピーク値処理により実呼吸信号の判定が行われる。
【0036】
図7を参照して更に説明すると、例えば第2及び第3呼吸・脈拍検知手段4B,4Cの検知信号にて、例えば0.4Hz付近の周波数に第2及び第3仮呼吸信号が含まれ、例えば第4呼吸・脈拍検知手段4Dの検知信号にて、例えば0.65Hz付近に第4仮呼吸信号が含まれているとすると、仮呼吸信号は0.4Hz付近の二つと、0.65Hz付近の一つとなり、多数決処理が適用される。この場合、ステップS6−1からステップS6−2に進み、多数決判定手段34により多数決処理が行われ、0.4Hzの仮呼吸信号が実呼吸信号と判定され、このときに0.4Hzの実呼吸信号を検知したとしてメモリ手段52に記憶される(ステップS6−4)。
【0037】
また、第2呼吸・脈拍検知手段4Bの検知信号にて、例えば0.4Hz付近の周波数に第2仮呼吸信号が含まれ、例えば第4呼吸・脈拍検知手段4Dの検知信号にて、例えば0.65Hz付近に第4仮呼吸信号が含まれているとすると、仮呼吸信号は0.4Hz付近の一つと、0.65Hz付近の一つとなり、多数決処理が適用されず、ステップS6−1からステップS6−3に進み、ピーク値判定手段36によりピーク値処理が行われ、例えば第2仮呼吸信号の方がピーク値(スペクトルピーク振幅)が大きいと、この第2仮呼吸信号が実呼吸信号と判定され、このとき0.4Hzの実呼吸信号を検知したとしてメモリ手段52に記憶される(ステップS6−4)。
【0038】
また、第1〜第4実脈拍信号の判定は、第1〜第4実呼吸信号の上述した判定と同様に行われ、多数決処理が適用できる場合(例えば、仮脈拍信号の割合が4:0、3:1又は2:1である場合)には、多数決処理により実脈拍信号の判定が行われ、この多数決処理ができない場合(例えば、仮脈拍信号の割合が2:2又は1:1である場合)には、ピーク値処理により実脈拍信号の判定が行われる。
【0039】
図8を参照して更に説明すると、例えば第3及び第4呼吸・脈拍検知手段4C,4Dの検知信号にて、例えば2.0Hz付近の周波数に第3及び第4仮脈拍信号が含まれ、例えば第2呼吸・脈拍検知手段4Bの検知信号にて、例えば1.2Hz付近に第2仮脈拍信号が含まれているとすると、仮脈拍信号は2.0Hz付近の二つと、1.2Hz付近の一つとなり、多数決処理が適用される。この場合、ステップS7−1からステップS7−2に進み、多数決判定手段48により多数決処理が行われ、2.0Hzの仮脈拍信号が実脈拍信号と判定され、このときに2.0Hzの実脈拍信号を検知したとしてメモリ手段52に記憶される(ステップS7−4)。
【0040】
また、第3呼吸・脈拍検知手段4Cの検知信号にて、例えば2.0Hz付近の周波数に第3仮呼吸信号が含まれ、例えば第2呼吸・脈拍検知手段4Bの検知信号にて、例えば1.2Hz付近に第2仮脈拍信号が含まれているとすると、仮脈拍信号は2.0Hz付近の一つと、1.2Hz付近の一つとなり、多数決処理が適用されず、ステップS7−1からステップS7−3に進み、ピーク値判定手段50によりピーク値処理が行われ、例えば第3仮脈拍信号の方がピーク値(スペクトルピーク振幅)が大きいと、この第3仮呼吸信号が実脈拍信号と判定され、このとき2.0Hzの実脈拍信号を検知したとしてメモリ手段52に記憶される(ステップS7−4)。
【0041】
この呼吸信号及び脈拍信号の判定について、図9図12を参照しながら説明すると、第1呼吸・脈拍検知手段4A(第2〜第4呼吸・脈拍検知手段4B〜4D)の検知信号の波形は、例えば、図9に示す通りとなり、測定時間における検知信号の大きさを示している。
【0042】
この図9の時間t1における第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号を周波数分析すると、例えば図10に示す通りとなる。この場合、第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号の呼吸領域信号は、第1〜第4呼吸しきい値P1よりも低く、仮呼吸信号が抽出されることはなく、またそれらの脈拍領域信号は、第1〜第4脈拍しきい値P2よりも低く、仮脈拍信号が抽出されることはない。
【0043】
また、この図9の時間t2における第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号を周波数分析すると、例えば図11に示す通りとなる。この場合、第1呼吸・脈拍検知手段4Aの検知信号の呼吸領域信号は、第1呼吸しきい値P1よりも低く、仮呼吸信号が抽出されることはなく、またその脈拍領域信号は、第1脈拍しきい値P2よりも低く、仮脈拍信号も抽出されることはない。一方、第2呼吸・脈拍検知手段4Bの検知信号の呼吸領域信号は、例えば0.4Hzにおいて第2呼吸しきい値P1よりも高く、0.4Hzの第2仮呼吸信号が抽出され、またその脈拍領域信号は、例えば1.2Hzにおいて第2脈拍しきい値P2よりも高く、1.2Hzの第2仮脈拍信号が抽出される。また第3呼吸・脈拍検知手段4C(第4呼吸・脈拍検知手段4D)の検知信号の呼吸領域信号は、例えば0.4Hz(0.65Hz)において第3呼吸しきい値P1(第4呼吸しきい値P1)よりも高く、0.4Hz(0.65Hz)の第3仮呼吸信号(第4仮呼吸信号)が抽出され、またその脈拍領域信号は、例えば2.0Hzにおいて第3脈拍しきい値P2(第4脈拍しきい値P2)よりも高く、1.2Hzの第3仮脈拍信号(第4仮脈拍信号)が抽出される。
【0044】
この場合、仮呼吸信号に関し、0.4Hzの仮呼吸信号(第2及び第3仮呼吸信号)が二つ、0.65Hzの仮呼吸信号(第4仮呼吸信号)が一つ抽出されているので、呼吸判定手段30は、多数決処理によって0.4Hzの仮呼吸信号を実呼吸信号と判定する。また、仮脈拍信号に関し、2.0Hzの仮脈拍信号(第3及び第4仮脈拍信号)が二つ、1.2Hzの仮脈拍信号(第2仮脈拍信号)が一つ抽出されているので、脈拍判定手段44は、多数決処理によって2.0Hzの仮脈拍信号を実脈拍信号と判定する。
【0045】
また、この図9の時間t3における第1〜第4呼吸・脈拍検知手段4A〜4Dの検知信号を周波数分析すると、例えば図12に示す通りとなる。この場合、第1呼吸・脈拍検知手段4Aの検知信号の呼吸領域信号は、第1呼吸しきい値P1よりも低く、またその脈拍領域信号は、第1脈拍しきい値P2よりも低く、第1仮呼吸信号及び第1仮脈拍信号が抽出されることはない。一方、第2呼吸・脈拍検知手段4Bの検知信号の呼吸領域信号は、例えば0.4Hzにおいて第2呼吸しきい値P1よりも高く、0.4Hzの第2仮呼吸信号が抽出され、またその脈拍領域信号は、例えば1.2Hzにおいて第2脈拍しきい値P2よりも高く、1.2Hzの第2仮脈拍信号が抽出される。また第3呼吸・脈拍検知手段4Cの検知信号の呼吸領域信号は、第3呼吸しきい値P1より低く、第3仮呼吸信号が抽出されることはないが、またその脈拍領域信号は、例えば2.0Hzにおいて第3脈拍しきい値P2よりも高く、2.0Hzの第3仮脈拍信号が抽出される。更に、第4呼吸・脈拍検知手段4Dの検知信号の呼吸領域信号は、例えば0.65Hzにおいて第4呼吸しきい値P1よりも高く、0.65Hzの第4仮呼吸信号が抽出されるが、その脈拍領域信号は、第4脈拍しきい値P2よりも低く、第4仮脈拍信号が抽出されることはない。
【0046】
この場合、仮呼吸信号に関し、0.4Hzの仮呼吸信号(第2仮呼吸信号)が一つ、0.65Hzの仮呼吸信号(第4仮呼吸信号)が一つ抽出されているので、呼吸判定手段30は、ピーク値処理によって仮呼吸信号のピーク値(ピーク値振幅)の大きい(具体的には、ピーク値と呼吸しきい値との比を演算してこの演算値が大きい)の0.65Hzの第4仮呼吸信号を実呼吸信号と判定する。また、仮脈拍信号に関し、1.2Hzの仮脈拍信号(第2仮脈拍信号)が一つ、2.0Hzの仮脈拍信号(第3仮脈拍信号)が一つ抽出されているので、脈拍判定手段44は、ピーク値処理によって仮脈拍信号のピーク値(ピーク値振幅)の大きい(具体的には、ピーク値と脈拍しきい値との比を演算してこの演算値が大きい)2.0Hzの第3仮脈拍信号を実脈拍信号と判定する。
【0047】
このように実呼吸信号及び実脈拍信号が記憶された後は、呼吸数演算手段32は、この実呼吸信号の数に基づいて呼吸数(例えば、一分間当たりの呼吸数)を演算し(ステップS8)、例えば測定期間が40秒間のときに実呼吸信号を15個検知しているときには呼吸数:24と演算し、この呼吸数がメモリ手段52に記憶される。また、脈拍数演算手段46は、この実脈拍信号の数に基づいて脈拍数(例えば、一分間当たりの脈拍数)を演算し(ステップS9)、例えば測定期間が40秒間のときに実脈拍信号を40個検知しているときには脈拍数:60と演算し、この脈拍数がメモリ手段52に記憶される。そして、演算した呼吸数及び脈拍数が表示装置58に表示され、このようにして手首Qの想定部位に検知器2を装着して呼吸数及び脈拍数を計測することができる。
【0048】
以上、本発明に従う呼吸及び/又は脈拍測定装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0049】
例えば、上述した実施形態では、検知器2からの検知信号を利用してコントローラ22で呼吸数及び脈拍数を演算するものに適用しているが、このようなものに限定されず、呼吸数又は脈拍数のいずれか一方を演算するものにも同様に適用することができる。例えば呼吸数を測定する測定装置である場合、脈拍領域信号生成手段、脈拍しきい値演算手段、脈拍信号抽出手段、脈拍判定手段及び脈拍演算手段などを省略することができ、また、例えば脈拍数を測定する測定装置である場合、呼吸領域信号生成手段、呼吸しきい値演算手段、呼吸信号抽出手段、呼吸判定手段及び呼吸演算手段などを省略することができる。
【符号の説明】
【0050】
2 検知器
4A〜4D 呼吸・脈拍検知手段
22 コントローラ
24 呼吸領域信号生成手段
26 呼吸しきい値演算手段
28 呼吸信号抽出手段
30 呼吸判定手段
32 呼吸数演算手段
38 脈拍領域信号生成手段
40 脈拍しきい値演算手段
42 脈拍信号抽出手段
44 脈拍判定手段
46 脈拍数演算手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12