(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ナイロンが、ナイロン12、及び/又は、ナイロン6とナイロン12の共重合体である、請求項3に記載の液晶ディスプレイのエッジライト型バックライト用白色反射フィルム。
請求項1〜5のいずれかに記載の液晶ディスプレイのエッジライト型バックライト用白色反射フィルムと、発光ダイオードを含む光源とを備え、かつ、バックライトサイズが76.2cm(30インチ)以上である液晶ディスプレイ用バックライト。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、前記課題、すなわちエッジライト型バックライトにおいて輝度ムラや白点ムラの少ない白色反射フィルムについて鋭意検討した結果、白色反射フィルムの剛性度、少なくとも片側の面(A)に形成された凸部の最大高さ、および該面(A)とは反対側の面の側のクッション率が特定の範囲の場合に、前記課題を一挙に解決することを究明したものである
なお、輝度ムラとは、バックライトを点灯した際に目視にて観察される下記に記載するムラを意味する。
(i)スジ状のムラ
(ii)水たまり状のムラ
(iii)暗部となって見えるムラ
また、白点ムラとは、バックライトを点灯した際に目視にて観察される長径5cm未満の楕円体の点状のムラを意味する。
【0014】
以下、本発明にかかる白色反射フィルムについて詳細を説明する。
【0015】
[白色反射フィルムの基本構成]
・白色反射フィルムの剛性度
本発明に係る白色反射フィルムは、剛性度
が3〜10mN・mである。剛性度が
3mN・m未満であると、エッジライト型バックライトでの輝度ムラが大きくなる。逆に剛性度が10mN・mを越えると、エッジライト型バックライトでの輝度ムラが大きくなり、また白色反射フィルムをロール体から巻きだした際に該フィルムに残るカールが大きくなり、バックライト組立時の作業性が悪くなる場合がある。
【0016】
白色反射フィルムの剛性度の測定方法は、下記の通りである。
(i)JIS P8125(2000)に準じて、試験環境23℃、50%RHにてTARBER INSTRUMENT corp.製”STIFFNESS TESTER” V5を使用して測定する。
(ii)白色反射フィルムの反射面側および非反射面側の両方向にて各3回測定し、その平均値を「剛性度」とする。
【0017】
・反射面側の凸部
本発明に係る白色反射フィルムは、少なくとも片面(反射面となる側の面、以下、面(A)と称する)に凸部を有している。該凸部は、最大高さが15〜60μmであることが必要であり、好ましくは15〜40μm、最も好ましくは15〜25μmである。15μm未満の場合、エッジライト型バックライトでの輝度ムラが大きくなる。一方、60μmよりも大きい場合、導光板に削れが発生しやすくなる。
【0018】
白色フィルムの少なくとも片面に形成された凸部の最大高さの測定方法は、下記の通りである。
(i) まず、白色反射フィルムの表面に関して、トプコン社製走査型電子顕微鏡ABT−32を用いて、任意の5箇所(各箇所が2mm×2mmの範囲)を観察する。5箇所観察した中で最も大きい凸部を選択する。
(ii)次いで、前記選択した凸部を日本ミクロトーム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを使用し、ナイフ傾斜角度3°にてフィルム平面に垂直な方向に切断する。得られたフィルム断面をトプコン社製走査型電子顕微鏡ABT−32を用いて観察する
(iii)得られたフィルム断面写真の2mm×2mmの範囲において最も厚みの小さい凹部を5箇所選択し、前記選択した凸部との差を算出し、その数平均を「白色フィルムの少なくとも片面に形成された凸部の最大高さ」とする。
【0019】
・非反射面側のクッション率
本発明に係る白色反射フィルムは、前記面(A)とは反対側の面(以下、面(B)と称する)、すなわちバックライトに組み込まれた際に非反射面となる側のクッション率が、12%以上である。上限は特に限定されないが、50%を越えると、白色反射フィルムの剛性度も低下し、輝度ムラが発生しやすくなる。12%未満であると、背面筐体の成型不良により発生した局所的な筐体凸部による反射シートが導光板と強く接触した結果、凸部の盛り上がりの応力を吸収出来ずに、導光板にキズを付け、輝度ムラを発生する。
【0020】
白色反射フィルムのクッション率は以下の方法によって測定された値である。
(i)試験環境23℃、50%RHにて(株)ミツトヨ製ダイヤルゲージのスピンドル上部に10gの台座を取りつけ、スピンドルをもち上げて測定台にセットしたサンプルの上に下す。この際にスピンドル側に非反射面側を配置する。
(ii)台座の上に50gの分銅を載せ、5秒後の読みとり、この時の値をaμmとする。
(iii)台座の分銅を500gの分銅と取り替え、5秒後の厚みを読みとり、この時の値をbμmとし、下記数式で求められる値を「クッション率c」とした。
クッション率c(%)=100×(a−b)/a。
【0021】
[白色反射フィルムの基本的な製法]
以上のような本発明に係る白色反射フィルムは、例えば以下のいずれかの方法で製造することができる。
(I)基材白色フィルムの両面に特定の樹脂層や塗布層を設けることで上記特徴を有する白色反射フィルムとする方法。
(II)溶融押出により白色フィルムを製造する際に、特定の原料を用いることで、上記特徴を有する白色反射フィルムとする方法。
(III)上記(I),(II)の方法を混合したような方法により、上記特徴を有する白色反射フィルムを得る方法。
【0022】
上記のような基本的な製法の中、各種特性を所望する範囲にする手法としては、それぞれ以下のような方法が挙げられる。
【0023】
・剛性度の制御方法
白色反射フィルムの剛性度を上記範囲に制御する方法としては、限定されるものではないが、以下の方法を例示することができる。
(i)白色反射フィルムの厚みを例えば200〜450umの範囲等に設計することで剛性度を制御する方法。
(ii)白色反射フィルムを、後述するような気泡を含有しない層を含む2層あるいは3層構造のフィルムとし、該気泡を含有しない層の厚みを調整することで剛性度を制御する方法。
【0024】
・反射面側の凸部の形成方法
面(A)側に最大高さが上記範囲となるような凸部を形成する方法としては以下のような方法が挙げられる。
(i)上記(I)もしくは(III)の製法で白色反射フィルムを製造する場合、適当なバインダー樹脂と球状粒子を適当な溶媒(有機溶剤など)に混合し、該混合物を基材白色フィルムに塗布した後、乾燥することにより、凸部を形成する方法。
(ii)上記(II)もしくは(III)の製法で白色反射フィルムを製造する場合、溶融押出により白色フィルムを製造する工程にて、押し出す樹脂内に凸部となる粒子を事前に練り混み、延伸工程にて凸部を形成する方法。
(iii)上記(I)もしくは(III)の製法で白色反射フィルムを製造する場合、基材フィルムにUV硬化性樹脂を塗布した後、鋳型成型と同時あるいは次ぐ工程にてUV照射を施し、凸部を形成する方法。
(iv)上記(II)もしくは(III)の製法で白色反射フィルムを製造する場合、二成分以上のポリマー、有機物、もしくは無機物を混合し、溶融押出しした後、溶媒抽出により少なくとも一成分を溶解し、白色フィルム表層に凸部を形成する方法。
【0025】
このなかでも、経済的に高性能を達成できる点で(i)のコーティングによる方法が好
ましい。
【0026】
・非反射面側のクッション率の制御方法
クッション率を上記範囲内に制御する方法としては例えば下記の方法が挙げられる。
(i)上記(II)もしくは(III)の製法で白色反射フィルムを製造する場合、白色反射フィルムを構成する熱可塑性樹脂に対して、ポリメチルペンテンや環状ポリオレフィン等の非相溶ポリマーを添加するか、硫酸バリウム等の無機粒子を添加することで、クッション率を制御する方法。
(ii)上記(I)もしくは(III)の製法で白色反射フィルムを製造する場合、基材白色反射フィルムの非反射面側に応力を吸収する樹脂層あるいは塗布層を積層するか、基材白色反射フィルム自体に硫酸バリウム等の無機粒子を添加することで、クッション率を制御する方法。
【0027】
[白色反射フィルムの好ましい態様]
上記(I)もしくは(III)の製法で本発明の白色反射フィルムを得る場合、例えば以下の構成を採用することも好ましい。
【0028】
・球状粒子の圧縮強度
基材白色フィルムの少なくとも片面に積層された塗布層中の球状粒子の圧縮強度は、エッジライト型バックライトにて輝度ムラが発生しなければ特に限定されないが、0.1〜2.0kgf/mm
2(0.98〜19.6MPa)が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.5kgf/mm
2(0.98〜14.7MPa)、最も好ましくは0.1〜1.2kgf/mm
2(0.98〜11.8MPa)である。圧縮強度が0.1kgf/mm
2(0.98MPa)未満になると、球状粒子を攪拌し塗料を作成する際の混練シェアで樹脂粒子が崩壊する恐れがあるので好ましくない。逆に、圧縮強度が2kgf/mm
2(19.6MPa)を越えると、導光板の削れが発生する場合がある。
【0029】
球状粒子の圧縮強度の測定方法は、下記の通りである。
(i) 白色反射フィルムの塗布層より有機溶剤を用いてバインダー樹脂を抽出し、有機溶剤を留去した後、塗布層中の球状粒子を採取する。
(ii)島津製作所(株)製の微小圧縮試験機MCTM2000を用いて、得られた球状粒子1個に対し、一定の負荷速度で1gfの荷重をかけたときの樹脂粒子の変形量と荷重を測定し、粒子径が10%変形したときの荷重と圧縮前の粒子半径を次式:
圧縮強度(kgf/mm
2)=2.8×荷重(kgf)/{π×(粒子半径(mm))
2}
に算入する。
(iii)(i)(ii)を任意に採取した5サンプルについて実施し、その平均値を「球状粒子の圧縮強度」とする。
【0030】
なお、バインダー樹脂を抽出するにあたって用いる有機溶剤としては、後述するような、塗布層を構成するバインダー樹脂および球状粒子と混合させる溶剤として例示したものを用いればよい。
【0031】
・球状粒子の組成
球状粒子の種類としては特に限定されるものではなく、有機系、無機系、いずれでも用いることができる。有機系球状粒子としては、アクリル系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、ナイロン系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ポリエチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子等を用いることができる。無機系球状粒子としては、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物等を用いることができる。
【0032】
中でも、塗布層のバインダー樹脂として、後述するアクリルモノマーと紫外線吸収剤の共重合物からなるバインダー樹脂を使用した場合には、バインダー樹脂と球状粒子の屈折率差の関係、粒子分散性、塗工性等から、アクリル系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子を用いることが好ましい。さらに、導光板へのキズ付け性からナイロン樹脂粒子がより好ましく、最も好ましくはナイロン12樹脂粒子及び/またはナイロン6とナイロン12の共重合体からなる樹脂粒子である。ナイロン12樹脂粒子としては、ナイロン微粒子SP500、SP10(東レ(株)製)や“ガンツパール”(登録商標)GPA550(ガンツ化成(株)製)などを使用することができる。ナイロン6とナイロン12の共重合体からなる樹脂粒子としては、SP20(東レ(株)製)を使用することができる。
【0033】
・球状粒子の比重
球状粒子の比重は、エッジライト型バックライトにて輝度ムラが発生しなければ特に限定されない。しかしながら、後述するバインダー樹脂および有機溶剤との分散性から、0.8〜1.10が好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.05である。球状粒子の比重が1.10を越えると、球状粒子の分散性が低下し、塗布スジや塗布ヌケが頻発し、歩留まりが低下する可能性があるので好ましくない。下限については特に限定されないが、後述する好ましい有機溶剤の比重(有機溶剤の比重:酢酸エチル:0.9、トルエン:0.9、メチルエチルケトン:0.8)より低い0.8未満になると、分散性が悪化する可能性がある。
【0034】
本発明に係る球状粒子の比重の測定方法は以下の通りである。
(i)白色反射フィルムの塗布層から有機溶剤を用いてバインダー樹脂を抽出し、有機溶剤を留去した後、塗布層中の球状粒子を採取する。
(ii)真密度測定器(例えば(株)セイシン企業製、オートトゥルーデンサーMAT−7000)を用いて、任意に採取した5サンプルについて測定を実施し、その数平均を「球状粒子の比重」とする。
【0035】
・バインダー樹脂の組成
基材白色フィルムの少なくとも片面に設けられる塗布層を構成するバインダー樹脂としては、特に限定されないが、有機成分を主体とする樹脂が好ましく、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を用いてもよい。中でもポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルもしくはメタクリル樹脂が耐熱性、粒子分散性、塗布性、光沢度の点から好ましく使用される。
【0036】
塗布層の耐光性という点では、バインダー樹脂層中においても、紫外線吸収剤、光安定化剤が含まれていることが好ましい。かかる紫外線吸収剤、光安定剤としては、無機系と有機系に大別される。含有する形態に関しては、特に限定されるものではなく、かかる塗布層を形成する樹脂と混合する等の方法でも良く、かかる塗布層よりブリードアウトすることを防ぎたい場合は、例えば該塗布層を形成する樹脂と共重合する等の方法でも良い。
【0037】
無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、などが一般的に知られており、中でも酸化亜鉛、酸化チタンおよび酸化セリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が、ブリードアウトせず、経済性、耐光性、紫外線吸収性、光触媒活性に優れるという点から好ましく用いられる。かかる紫外線吸収剤は、必要に応じて数種類併用する場合もある。中でも酸化亜鉛あるいは酸化チタンが経済性、紫外線吸収性、光触媒活性という点で最も好ましい。
【0038】
また、有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなどが挙げられる。特にベンゾトリアゾールは構造内に窒素を含有するため難燃剤としての作用も有するため好適に用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの紫外線吸収剤は、紫外線を吸収するのみであり、紫外線照射により発生する有機ラジカルを捕捉することができないため、このラジカルにより連鎖的に基材熱可塑性樹脂フィルムが劣化することがある。これらのラジカル等を捕捉するために光安定化剤が好適に併用され、かかる光安定化剤としてはヒンダードアミン(HALS)系化合物が好ましく使用される。
【0039】
ここで、かかる有機系紫外線吸収剤および/または光安定化剤を固定させる共重合モノマーとしては、アクリル系、スチレン系などのビニル系モノマーが、汎用性が高く、経済的にも好ましい。かかる共重合モノマーのなかでも、スチレン系ビニルモノマーは芳香族環を有しているため、黄変しやすいため、耐光性という点では、アクリル系ビニルモノマーとの共重合が最も好ましく使用される。
【0040】
なお、前記ベンゾトリアゾールとしては、該ベンゾトリアゾールに反応性ビニルモノマーが置換されたものとして、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(商品名:RUVA−93);大塚化学(株)製)を使用することができ、また、ヒンダードアミン系化合物においても、これに反応性ビニルモノマーが置換されたものとして、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(「アデカスタブLA−82」;(株)ADEKA製)を使用することができる。
【0041】
本発明においては、かかる有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなどの有機紫外線吸収剤を含有する樹脂、あるいはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系反応性モノマーを共重合した樹脂、さらにはこれらにヒンダードアミン(HALS)系反応性モノマーなどの光安定剤を含有及び/又は共重合した樹脂を、本発明の効果を阻害しない範囲内で使用することができる。
【0042】
かかるベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系反応性モノマーを共重合した樹脂、さらにはこれらにヒンダードアミン(HALS)系反応性モノマーを共重合した樹脂などを含む有機紫外線吸収樹脂は薄層で紫外線吸収効果が高く、より好ましく、そのうちベンゾトリアゾールは構造内に窒素を含有するため難燃剤としての作用も有するため特に好ましい。
【0043】
これらの製造方法等については、特開2002−90515号公報の段落〔0019〕〜〔0039〕に詳細に開示されている。中でもアクリルモノマーと紫外線吸収剤の共重合物を有効成分として含む“ハルスハイブリッド”(登録商標)((株)日本触媒製)などを使用することができる。
【0044】
・基材白色フィルム
基材白色フィルムは、液晶ディスプレイ用バックライトや照明用途の反射フィルムとして使用する場合には可視光線反射率が高ければ高い方が良い。このため、内部に気泡及び/又は非相溶の粒子を含有するフィルム、具体的には白色熱可塑性樹脂フィルムが好ましく使用される。これらの白色熱可塑性樹脂フィルムとしては限定されるものではないが、多孔質の未延伸あるいは二軸延伸されたポリプロピレンフィルムや、多孔質の未延伸あるいは延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムなどの、ポリオレフィン系やポリエステル系のフィルムが好ましく用いられる。特に成形性や生産性の点からポリエステル系フィルムが好ましく用いられる。
【0045】
これら白色熱可塑性樹脂フィルムの製造方法等については、特開平8−262208号公報の段落〔0034〕〜〔0057〕、特開2002−90515号公報の段落〔0007〕〜〔0018〕、特開2002−138150号公報の段落〔0008〕〜〔0034〕等に詳細に開示されている。
【0046】
中でも、特開2002−90515号公報の中に開示されている多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが前述の理由で本発明における基材白色フィルムとして好ましく使用することができる。更には、耐熱性や反射率の点から、ポリエチレンナフタレートとの混合及び/又は共重合した多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、特には、白色熱可塑性樹脂フィルム自体の難燃性を向上させるために無機粒子を含有する多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。なお、かかる白色熱可塑性樹脂フィルム中に含有する無機粒子の含有率は、白色熱可塑性樹脂フィルムの全質量に対して2質量%以上であることが好ましく、より好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、最も好ましくは30質量%以上である。
【0047】
本発明にかかる基材白色フィルムの構成は、使用する用途や要求する特性により適宜選択すれば良く、特に限定されるものではない。具体的には、少なくとも1層以上の構成を有する単層及び/又は2層以上の複合フィルムを例示でき、その少なくとも1層以上に気泡及び/又は無機粒子を含有していることが好ましい。
【0048】
単層構成(すなわち1層)のフィルムとは、単一の層(以下、A層と称する)のみからなるフィルムであり、前記A層に無機粒子及び/又は気泡が含有される。
【0049】
また、2層構成のフィルムとは、前記A層にB層を積層した、A層/B層の構成を有するフィルムであり、これらA層およびB層の少なくとも1層中に、無機粒子及び/又は気泡が含有される。なお、無機粒子の含有率は、基材白色フィルムの全質量、つまり2層の全質量に対して2質量%以上であることが好ましく、より好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、最も好ましくは30質量%以上である。
【0050】
さらに、3層構成のフィルムとは、前記同様に、A層/B層/A層やA層/B層/C層の構造を有するフィルムであり、これら各層の少なくとも1層中に、無機粒子及び/又は気泡が含有される。なお、無機粒子の含有率は、2層構成のフィルムと同様に、基材白色フィルムの全質量に対して2質量%以上であることが好ましく、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、最も好ましくは30質量%以上である。3層構成の場合、生産性の観点からB層が気泡を含有する層であることが最も好ましい。
【0051】
かかる基材白色フィルムに含有する無機微粒子の数平均粒子径は、0.3〜2.0μmであるのが好ましい。
【0052】
また、かかる無機粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム等を用いることができる。
【0053】
次に前記基材白色フィルムのうち3層構成の白色熱可塑性樹脂フィルムの製造方法について説明する。但し、本発明がこの例に限定されるものではない。
【0054】
まず、非相溶ポリマーとしてポリメチルペンテンを、低比重化剤としてポリエチレングリコールとポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合物を、ポリエチレンテレフタレートに入れる。それを充分混合・乾燥させて270〜300℃の温度に加熱された押出機Bに供給する。BaSO
4、CaCO
3、TiO
2などの無機物および/または有機物の添加剤を含んだポリエチレンテレフタレートを常法により押出機Aに供給する。そして、Tダイ3層口金内で押出機Bのポリマーが内層(B層)に、押出機Aのポリマーが両表層(A層)に配置されるようにして、A層/B層/A層なる構成の3層に積層する。
【0055】
この溶融積層シートを、ドラム表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気力にて密着冷却固化し、未延伸フィルムを得る。該未延伸フィルムを80〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向に2.0〜5.0倍縦延伸し、20〜50℃のロール群で冷却する。続いて、この縦延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き90〜140℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に横延伸する。この場合、延伸倍率は、縦、横それぞれ2.5〜4.5倍に延伸するが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は9〜16倍であることが好ましい。すなわち、面積倍率が9倍未満であると得られるフィルムの白さが不良となり易い。また、面積倍率が16倍を越えると、延伸時に破れを生じやすくなり、製膜性が不良となる傾向がある。こうして二軸延伸されたフィルムに平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で150〜230℃の熱固定を行い、均一に徐冷し、さらに、室温まで冷却した後、巻取機で巻き取り、基材熱可塑性樹脂フィルムを得る。なお、基材白色フィルムの厚みは、例えば200〜450umの範囲等に設計する。
【0056】
また、単層構成の基材白色フィルムとしては、“ルミラー”(登録商標)E20(東レ(株)製)、SY64、SY74(SKC製)などが挙げられ、2層構成の基材白色フィルムとしては、“テトロン”(登録商標)フィルムUXZ1、UXSP、UXG(帝人デュポンフィルム(株)製)などが挙げられ、3層構成の基材白色フィルムとしては、“ルミラー”(登録商標)E6SL、E6SR、E6SQ、“テトロン”(登録商標)フィルムUX、UXH(帝人デュポンフィルム(株)製)などが挙げられる。
【0057】
・塗布層の製造方法
基材白色フィルムの少なくとも片面に凸部を形成するにあたっては、任意の方法を採用することができる。例えば、バインダー樹脂と球状粒子とを溶剤に含有させてなる塗液をグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、リバースキスコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、スリットダイコート、リップコートおよびディッピングなどの各種塗布方法を用いて、基材白色フィルム製造時に塗布(インラインコーティング)したり、結晶配向完了後の基材白色フィルム上に塗布(オフラインコーティング)する方法などが挙げられる。塗工有効幅に制限が少なく、製品幅の柔軟に対応する場合には、リバースキスコートが最も好ましく使用できる。
【0058】
・バインダー樹脂および球状粒子とを含有させる溶剤
塗布層を構成するバインダー樹脂および球状粒子と混合するために用いる溶剤は、バインダー樹脂を溶解する性質をもつ有機化合物であって、基材白色フィルム表面に塗布された後には乾燥される。具体的には、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、クロルベンゼン、オルトジクロルベンゼン等の塩化芳香族炭化水素類、モノクロルメタン等のメタン誘導体、モノクロルエタン等のエタン誘導体等を含む塩化脂肪族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。中でも、芳香族炭化水素系、ケトン系、エステル系の有機溶剤が好ましい。
【0059】
バインダー樹脂などを溶解するものであれば、特に限定はないが、近年のVOC(揮発性有機化合物)規制などから、トルエン、キシレンの使用は避けた方が好ましく、溶解性、汎用性、コストの点で、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。また乾燥速度を調整できる点で沸点の異なる2種類以上の溶剤を混合して使用することが好ましい。
【0060】
・基材白色フィルムおよび塗布層に用い得るその他の添加剤
かかる基材白色フィルムおよび塗布層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、各種の添加剤を添加することができる。かかる添加剤としては、例えば、有機および/または無機の微粒子、蛍光増白剤、架橋剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、有機の滑剤、帯電防止剤、核剤、染料、充填剤、分散剤、難燃剤およびカップリング剤などを添加・配合して用いることができる。
【0061】
[白色反射フィルムの用途]
本発明の白色反射フィルムは、エッジライト型バックライトに用いられるが、中でも、エッジライト方式の液晶ディスプレイ用バックライト
に好適に使用することができる。
【0063】
[エッジライト型バックライト]
・エッジライト型バックライトの構成
本発明の白色反射フィルムは、エッジライト型バックライトに好適に用いられる。エッジライト型バックライトは、例えば凹凸を有する筐体に、本発明の白色反射フィルム、導光板がこの順に組み込まれてなり、白色フィルムは、前記面(A)の側が導光板に対向するように組み込まれる。また、導光板のエッジ部分には、LEDなどの光源が設置される。さらに、導光板の前面(白色反射フィルムとは反対側)には、拡散板、プリズムなどが設置されても良い。
【0064】
このようなエッジライト型バックライトに本発明の白色反射フィルムを用いることで、輝度ムラ発生がなく、導光板のキズ付きも軽減された良質なバックライトを製作できる。特に近年開発の目覚ましいLED光源を使用したTV用エッジライト型バックライトにおいては、バックライト面積が大面積になるが、本発明の白色反射フィルムを用いるとアセンブリー時のカールやLED光源の発熱による波打ちも少なく、良質なバックライトを歩留まり良く製作できる。
【0065】
本発明の効果をより効果的に発揮する、発光ダイオードを光源とする液晶ディスプレイ用バックライトのサイズ(矩形の対角線長さ)としては、76.2cm(30インチ)以上であり、好ましくは88.9cm(35インチ)以上、さらに好ましくは101.6cm(40インチ)以上、最も好ましくは127cm(50インチ)以上である。
【0066】
・導光板
本発明に係る白色反射フィルムの効果がより効果的に発現されるには、エッジライト型バックライトにおける導光板の表面に3
μm以上の凹部もしくは凸部が設けられていることが好ましい。更には10μm以上の凹部もしくは凸部が設けられていることが好ましい。
【0067】
ここで、導光板の表面の凹凸は以下のとおり定義される。
(i)液晶テレビより白色反射フィルム上部に配置された導光板を取り出す。
(ii)前記導光板を5cm角にカットし、任意の5枚を取り出す。
(iii)キーエンス社製レーザー顕微鏡VK−9700を用いて、対物レンズの倍率を20倍に設定して観察を行い、高さまたは深さが1um以上で検出される部分を表面凹凸とする。
【0068】
中でも、アクリル板(3〜4mm厚み)にドット印刷を施した
図2に示したような凸部を有する導光板や、UV転写法による
図3に示す凹部を有する導光板が、生産能力の点で好ましい。また、レーザー加工による凹部を有する導光板はバックライト輝度が高く、また白色反射フィルムによる導光板削れが発生する可能性が少ない点で好ましい。
【0069】
さらに、導光板表面の凹凸より白色反射フィルムの少なくとも片面に形成された凸部の最大高さの方が大きい方が好ましい。このようにすることで、バックライトにおける輝度ムラをさらに低減することが可能になる。これは、導光板と白色反射フィルムとの密着による輝度ムラに相関があるためと推定され、基材白色フィルムの少なくとも片面に形成された凸部は輝度ムラを抑制するためのスペーサーの役割を担っていると推定している。
【0070】
なお、導光板の表面の凹凸の測定方法は以下の通りである。
(i)液晶テレビの製品よりサンプルを取り出す場合には、白色反射フィルム上部に配置された導光板を取り出し、測定サンプルとする。
(ii)導光板を5cm角にカットする。
【0071】
(iii)キーエンス社製レーザー顕微鏡VK−9700を用いて、対物レンズの倍率を20倍に設定して観察を行い、高さまたは深さが1μm以上で検出される部分を表面凹凸とした。
(iv)付属の解析ソフトのプロファイル機能より凹凸の高さ又は深さを算出する。
(v)任意に採取した5サンプルについて上記測定を実施し、その数平均を「導光板表面凹凸」とする。
【実施例】
【0072】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。測定法および評価法を以下に示す。
【0073】
(1)剛性度
(i)JIS P8125(2000)に準じて、試験環境23℃、50%RHにてTARBER INSTRUMENT corp.製”STIFFNESS TESTER” V5を使用して測定した。
(ii)白色反射フィルムの反射面側および非反射面側の両方向にて各3回測定し、その平均値を「剛性度」とした。
【0074】
(2)凸部の最大高さ
(i)白色反射フィルムの凸部側表面の範囲を(2mm×2mm)トプコン社製走査型電子顕微鏡ABT−32を用いて、任意の5箇所を観察した。5箇所観察した中で最も大きい凸部を選択した。
(ii)次いで、前記選択した凸部を日本ミクロトーム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを使用し、ナイフ傾斜角度3°にてフィルム平面に垂直な方向に切断した。得られたフィルム断面をトプコン社製走査型電子顕微鏡ABT−32を用いて観察した
(iii)得られたフィルム断面写真の2mm×2mmの範囲において、最も厚みの小さい部分(凹部)を5箇所選択し、前記選択した凸部との差を算出し、その数平均を「凸部の最大高さ」とした。
【0075】
(3)非反射面側のクッション率
(i)試験環境23℃、50%RHにて(株)ミツトヨ製ダイヤルゲージのスピンドル上部に10gの台座を取りつけ、スピンドルをもち上げて測定台にセットしたサンプルの上に下した。この際にスピンドル側に非反射面側を配置した。
(ii)台座の上に50gの分銅を載せ、5秒後の読みとり、この時の値をaμmとした。
(iii)台座の分銅を500gの分銅と取り替え、5秒後の厚みを読みとり、この時の値をbμmとし、下記数式で求められる値を「クッション率c」とした。
クッション率c(%)=100×(a−b)/a。
【0076】
(4)球状粒子の圧縮強度
(i) 白色反射フィルムの塗布層から有機溶剤を用いてバインダー樹脂を抽出し、有機溶剤を留去した後、塗布層中の球状粒子を採取した。
(ii)島津製作所(株)製の微小圧縮試験機MCTM2000を用いて得られた球状粒子1個に対し、一定の負荷速度で1gfの荷重をかけたときの樹脂粒子の変形量と荷重を測定し、粒子径が10%変形したときの荷重と圧縮前の粒子半径を次式:
圧縮強度(kgf/mm
2)=2.8×荷重(kgf)/{π×(粒子半径(mm))
2}
に算入した。
(iii)上記(i)(ii)を任意に採取した5サンプルについて実施し、その平均値を「球状粒子の圧縮強度」とした。
【0077】
(5)球状粒子の比重
本発明に係る球状粒子の比重の測定方法は以下の通りである。
(i)白色反射フィルムの塗布層より有機溶剤を用いてバインダー樹脂を抽出し、有機溶剤を留去した後、塗布層中の球状粒子を採取した。
(ii)真密度測定器((株)セイシン企業製、オートトゥルーデンサーMAT−7000)を用いて、任意に採取した5サンプルについて測定を実施し、その数平均を「球状粒子の比重」とした。
(6)導光板の表面凹凸
(i)液晶テレビより白色反射フィルム上部に配置された導光板を取り出した。
(ii)前記導光板を5cm角にカットした。
【0078】
(iii)キーエンス社製レーザー顕微鏡VK−9700を用いて、対物レンズの倍率を20倍に設定して観察を行い、高さまたは深さが1μm以上で検出される部分を表面凹凸とした。
(iv)付属の解析ソフトのプロファイル機能より凹凸の高さ又は深さを算出した。
(v)任意に採取した5サンプルについて上記測定を実施し、その数平均を「導光板表面凹凸」とした。
【0079】
(7)バックライトでの輝度ムラ評価
17インチ液晶テレビ(パナソニック(株)製、VIERA TH−L17F1)を分解し、LEDを光源とするエッジライト型バックライト(バックライトAとする)を取り出した。バックライトAの発光面の大きさは、37.5cm×21.2cmであり、対角の長さは43.1cmであった。さらにバックライトAから光学フィルム3枚、導光板(アクリル板、3.5mm厚み、凸部12μm)及び反射フィルムを取り出し、本発明の実施例及び比較例の反射フィルムを搭載されていた反射フィルムと同じ形状、大きさに裁断した。搭載されていた反射フィルムの代わりに裁断した反射フィルムを凸部の設けられた面が導光板側を向くように設置し、導光板及び光学フィルム3枚を分解前と同じ順序及び方向で設置した。
【0080】
また、40インチ液晶テレビ(Samsung社製、PAVV UN40B7000WF)についても分解し、LEDを光源とするエッジライト型のバックライト(バックライトBとする)を取り出した。バックライトBの発光面の大きさは、89.0cm×50.2cmであり、対角の長さは102.2cmであった。さらにバックライトBから光学フィルム3枚、導光板(アクリル板、4mm厚み、凸部15μm)及び反射フィルムを取り出し、本発明の実施例及び比較例の反射フィルムを搭載されていた反射フィルムと同じ形状、大きさに裁断した。搭載されていた反射フィルムの代わりに裁断した各実施例及び比較例の反射フィルムを凸部の設けられた面が導光板側を向くように設置し、導光板及び光学フィルム3枚を分解前と同じ順序及び方向で設置した。
【0081】
そして、これらバックライトに関して、目視により輝度むらの有無を下記により判定した。17、40インチ共にA、B級であれば合格とし、17、40インチのどちらかにおいてC級がある場合は不合格とした。
A級:いずれの角度から見ても輝度むらを視認できない。
B級:正面方向からは輝度ムラを視認できないが、斜め45°方向から見ると輝度むらが視認される。
C級:正面方向から局所的に輝度むらが視認される。
D級:正面方向から画面全体的に輝度むらが視認される。
【0082】
(8)導光板削れの評価
前記40インチ液晶テレビ(Samsung社製、PAVV UN40B7000WF)を分解して得られた導光板上に白色反射フィルムの凸部が接触されるように積層させた後、200gf/cm
2(0.0196MPa)、100gf/cm
2(0.0098MPa)及び50gf/cm
2(0.0049MPa)の荷重下で反射シート試料を1m/minの線速度で引き上げ、前記導光板の表面上に発生したスクラッチの程度を肉眼で確認して下記のように評価した。同サンプルについて各々の荷重にて3回実施し、目視判定した。
A級:いずれの荷重下においてもキズ見られない。
B級:200gf/cm
2の荷重下ではキズが見られるが、100gf/cm
2の荷重下、50gf/cm
2の荷重下においてはキズ見られない。
C級:200gf/cm
2、100gf/cm
2の荷重下ではキズが見られるが、50gf/cm
2の荷重下においてはキズ見られない。
D級:50gf/cm
2の荷重下においてキズが見られる。
【0083】
(9)白点ムラ評価
52インチ液晶テレビ(ソニー社製、ブラビア KDL−52EX700)を分解して、LEDを光源とするエッジライト型バックライト(バックライトCとする)を取り出した。バックライトCの発光面の大きさは、116cm×65.5cmであり、対角の長さは133.2cmであった。さらにバックライトCから光学フィルム3枚、凹型導光板(アクリル板、4mm厚み、凹部深さ55μm)及び反射フィルムを取り出し、本発明の実施例及び比較例の反射フィルムを搭載されていた反射フィルムと同じ形状、大きさに裁断した。搭載されていた反射フィルムの代わりに裁断した反射フィルムを凸部の設けられた面が導光板側を向くように設置し、導光板及び光学フィルム3枚を分解前と同じ向き及び方向で設置した。
A級:白点がみられない。
B級:白点がみられる。
【0084】
(10)球状粒子の分散性評価
JIS K5600−2−6(1999)に準じて試験環境23℃、50%RHにて塗料が2層分離するまでの時間を測定した。本発明においては、下記により判定した。時間が長い方が好ましい。
A級:45分以上
B級:30分以上45分未満
C級:15分以上30分未満
D級:15分未満。
【0085】
(11)カール評価
白色反射フィルムを10mm幅×150mm長さの短冊状に切り出し、直径1型(2.54cm)の紙管に巻き付け、常温、相対湿度55%にて24時間保管した後、解放した。その後、上に凹になるように平板に置いて、24時間静置した後、観察される浮き上り(フィルム端部と平板との距離)を測定して、下記基準で評価した。なお、紙管への巻きつけは、反射層を内面側にして巻くもの3本、外面側にして巻くもの3本として、合計6サンプルについて測定し、浮き上りの大きい方から3サンプルの平均をとった。
A級:20mm未満
B級:20〜30mm
C級:30超〜40mm
D級:40mm超。
【0086】
(実施例1)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):5.25g、酢酸エチル:3.85g、アクリル樹脂粒子(積水化成品工業(株)製 “TECHPOLYMER”(登録商標)BM30X−8、屈折率1.49、体積平均粒径8.0μm、変動係数35%):0.9gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。ポリメチルペンテンを含有する、300μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(基材白色フィルム、東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0087】
(実施例2)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):5.25g、酢酸エチル:3.85g、アクリル樹脂粒子(積水化成品工業(株)製 “TECHPOLYMER”(登録商標)BM30X−15、屈折率1.49、体積平均粒径15μm、変動係数35%):0.9gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。300μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0088】
(実施例3)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):4.50g、酢酸エチル:4.30g、アクリル樹脂粒子(積水化成品工業(株)製 “TECHPOLYMER”(登録商標)BM30X−30、屈折率1.49、体積平均粒径30μm、変動係数35%):1.20gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。300μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0089】
(実施例4)
塗布層を形成する塗液中の球状粒子の種類をアクリル樹脂粒子(積水化成品工業(株)製 “TECHPOLYMER”(登録商標“)MBX−30、屈折率1.49、体積平均粒径40μm、変動係数35%)とした以外は実施例3と同様にして塗布層を設けて、白色反射フィルムを得た。
【0090】
(実施例5)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):3.0g、酢酸エチル:5.2g、アクリル樹脂粒子(積水化成品工業(株)製 “TECHPOLYMER”(登録商標)MBX−40、屈折率1.49、体積平均粒径40μm、変動係数35%):1.8gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。300μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0091】
(実施例6)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):6.0g、酢酸エチル:3.4g、ナイロン6樹脂粒子(東レ株式会社製 TR−1、屈折率1.53、体積平均粒径13μm、変動係数48%):0.6gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。300μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0092】
(実施例7)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):5.25g、酢酸エチル:3.85g、ナイロン12樹脂粒子(東レ株式会社製SP10、屈折率1.53、体積平均粒径10μm、変動係数48%):0.9gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。300μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0093】
(実施例8)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):5.25g、酢酸エチル:3.85g、ナイロン6とナイロン12の共重合体からなる樹脂粒子(東レ株式会社製SP20、屈折率1.52、体積平均粒径40μm、変動係数29%):0.9gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。300μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0094】
(実施例9)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):3.0g、酢酸エチル:5.2g、ナイロン6とナイロン12の共重合体からなる樹脂粒子(東レ株式会社製SP20、屈折率1.52、体積平均粒径40μm、変動係数29%):0.18g、アクリル樹脂粒子(積水化成品工業(株)製 “TECHPOLYMER”(登録商標)MBX5、屈折率1.49、体積平均粒径5μm、変動係数35%):1.62gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。300μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0095】
(
参考実施例10)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):5.25g、酢酸エチル:3.85g、ナイロン12樹脂粒子(東レ株式会社製SP10、屈折率1.53、体積平均粒径10μm、変動係数48%):0.9gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。250μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0096】
(
参考実施例11)
基材白色フィルムを、環状ポリオレフィンを含有する、300μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E80Bとした以外は実施例10と同様にして塗布層を設けて、白色反射フィルムを得た。
【0097】
(
参考実施例12)
基材白色フィルムを、硫酸バリウムを含有する、225μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 “テトロン”(登録商標)フィルムUXSP)とした以外は実施例10と同様にして塗布層を設けて、白色反射フィルムを得た。
【0098】
(実施例13)
基材白色フィルムを、ポリメチルペンテンを含有する、400μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E6SQとした以外は実施例10と同様にして塗布層を設けて、白色反射フィルムを得た。
【0099】
(実施例14)
(i)“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):5.25g、酢酸エチル:3.85g、ナイロン12樹脂粒子(東レ株式会社製SP10、屈折率1.53、体積平均粒径10μm、変動係数48%):0.9gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。硫酸バリウムを含有する、188μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 “テトロン”(登録商標)フィルムUX)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けて、凸面を有する白色反射フィルムを得た。
【0100】
(ii)大日本インキ化学工業(株)製ドライラミネート剤 “ディックドライ”(登録商標)LX−903を16部、硬化剤として大日本インキ化学工業(株)製KL−75を2部、および酢酸エチルを29.5部、量りとり、15分間攪拌することにより固形分濃度20%のドライラミネート用接着剤を得た。ポリメチルペンテンを含有する、188μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの接着剤を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にてドライラミネート用接着層を設けた。
【0101】
(iii)前記(i)で得られた白色反射フィルムの凸面の反対面と(ii)で得られたドライラミネート用接着剤の塗布面とをドライラミネートし、白色反射フィルムを得た。
【0102】
(比較例1)
基材白色フィルムとして、300μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E6SQ)を準備した。この白色フィルムには凸部を設けず、そのまま反射フィルムとして評価した。
【0103】
(比較例2)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):3.0g、酢酸エチル:5.2g、アクリル樹脂粒子(積水化成品工業(株)製 “TECHPOLYMER”(登録商標)MBX50、屈折率1.49、体積平均粒径50μm、変動係数35%):1.8gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。300μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0104】
(比較例3)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):6.0g、酢酸エチル:3.4g、アクリル樹脂粒子(積水化成品工業(株)製 “TECHPOLYMER”(登録商標)BM30X−5、屈折率1.49、体積平均粒径5μm、変動係数35%):0.6gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。300μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0105】
(比較例4)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):5.25g、酢酸エチル:3.85g、ナイロン12樹脂粒子(東レ株式会社製SP10、屈折率1.53、体積平均粒径10μm、変動係数48%):0.9gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。188μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 “テトロン”(登録商標)フィルムUX)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0106】
(比較例5)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):5.25g、酢酸エチル:3.85g、ナイロン12樹脂粒子(東レ株式会社製SP10、屈折率1.53、体積平均粒径10μm、変動係数48%):0.9gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。188μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製 “ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0107】
(比較例6)
大日本インキ化学工業(株)製ドライラミネート剤 “ディックドライ”(登録商標)LX−903を16部、硬化剤として大日本インキ化学工業(株)製KL−75を2部、および酢酸エチルを29.5部、量りとり、15分間攪拌することにより固形分濃度20%のドライラミネート用接着剤を得た。188μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)E6SQ)の片面に、メタバー#16を使用してこの接着剤を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にてドライラミネート用接着層を設け、実施例7で得られた白色反射フィルムの凸面の反対面とドライラミネートし、白色反射フィルムを得た。
【0108】
(比較例7)
大日本インキ化学工業(株)製ドライラミネート剤 “ディックドライ”(登録商標)LX−903を16部、硬化剤として大日本インキ化学工業(株)製KL−75を2部、および酢酸エチルを29.5部、量りとり、15分間攪拌することにより固形分濃度20%のドライラミネート用接着剤を得た。188μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 “テトロン”(登録商標)フィルムUX)の片面に、メタバー#16を使用してこの接着剤を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にてドライラミネート用接着層を設け、比較例5で得られた白色反射フィルムの凸面の反対面とドライラミネートし、白色反射フィルムを得た。
【0109】
(比較例8)
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、濃度40%の溶液、屈折率1.58、(株)日本触媒製):6.0g、酢酸エチル:3.4g、ナイロン12樹脂粒子(東レ株式会社製SP500、屈折率1.53、体積平均粒径5μm、変動係数48%):0.9gを攪拌しながら添加してなる塗液を準備した。188μm厚の多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる白色フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 “テトロン”(登録商標)フィルムUX)の片面に、メタバー#16を使用してこの塗液を塗布し、120℃、1分間の乾燥条件にて塗布層を設けた。
【0110】
【表1】
【0111】
【表2】
【0112】
実施例1〜14の本発明の白色反射フィルムにおいて、輝度ムラ評価は「合格」であった。ただし、白色フィルムの剛性度が3未満である
参考実施例10,11,12では、40インチのエッジライト型バックライトでの輝度ムラが実施例1〜9より若干劣っている。実施例13ではエッジライト型バックライトでの輝度ムラは良好であるが、カール特性が実施例1〜7より低下している。
【0113】
また、球状粒子としてナイロン樹脂粒子を使用している実施例6〜14は、アクリル樹脂粒子を使用した実施例1〜5より、導光板削れの点で良好である。中でもナイロン12又はナイロン6とナイロン12との共重合体からなる樹脂粒子を用いた実施例7〜14が、特に導光板削れの点で良好である。一方、アクリル樹脂粒子の中でも白色反射フィルムの最大凸部が小さい方が導光板削れも少なく(実施例1〜3)、また同じ凸部の高さにおいて球状粒子の圧縮強度が小さい方が導光板削れが軽減している(実施例3,4)。
【0114】
凹部を有する導光板を使用したバックライトでの白点という点においては、比較的粒径の大きなナイロン6とナイロン12との共重合体からなる樹脂粒子に、比較的粒径の小さいアクリル粒子を混合すると、導光板と主に接触するのが前記ナイロンの共重合体からなる樹脂粒子となり、導光板削れを発生しにくく、また、ナイロンの影に隠れているアクリル粒子で白点を防止できる。すなわち、導光板削れの防止及び白点の防止を両立することができる。(実施例9)
球状粒子の分散性という点においては、粒子組成がナイロン樹脂粒子単独である実施例6〜8、10〜13がアクリル樹脂粒子を使用した実施例1〜5、9より良好であり、溶剤である酢酸エチルに近い比重を有するナイロン12ならびにナイロン6とナイロン12との共重合体からなる樹脂粒子が最も良好となった。
【0115】
一方、剛性度および非反射面側のクッション率を一定にして凸部を設けない場合は、特に40インチのエッジライト型バックライトでの輝度ムラにおいてかなり劣る結果となった(比較例1)。また、凸部の最大高さが大きすぎる場合ならびに小さすぎる場合も、特に40インチのエッジライト型バックライトでの輝度ムラにおいて劣るものとなった(比較例2,3)。
【0116】
さらに、凸部の最大高さおよび非反射面側のクッション率を一定にして、剛性度を高くしすぎたり、低くしすぎたりした場合は、エッジライト型バックライトでの輝度ムラが悪化した(比較例5、6)。さらに、凸部最大高さを同じにしつつ非反射面側のクッション率を低くしすぎても、エッジライト型バックライトでの輝度ムラが悪化した(比較例4、7)
また、白色フィルムを接着剤で積層したものは、カールの点で最も悪い結果であった(比較例6、7)
そして、導光板削れにおいて、粒子組成をナイロン12一定にして、凸部の最大高さを検討した結果、比較例7は比較例8より良好であり、意外にも凸部が小さい方が悪い結果となった。