特許第6355235号(P6355235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355235
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】加工用ブラシ
(51)【国際特許分類】
   A46B 7/08 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
   A46B7/08
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-86386(P2014-86386)
(22)【出願日】2014年4月18日
(65)【公開番号】特開2015-204957(P2015-204957A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(74)【代理人】
【識別番号】100130074
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 繁元
(72)【発明者】
【氏名】槇原 幸一
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−295633(JP,A)
【文献】 特開2013−220197(JP,A)
【文献】 特開平09−171983(JP,A)
【文献】 特表平09−510388(JP,A)
【文献】 特開2009−148474(JP,A)
【文献】 特開2005−007120(JP,A)
【文献】 実開昭49−21862(JP,U)
【文献】 実開平3−105329(JP,U)
【文献】 実公昭42−18055(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り等の加工をする為の加工用ブラシにおいて、前記加工用ブラシは、台座と、ブラシ部と、前記ブラシ部を前記台座に固定する為の固定手段とを有し、前記ブラシ部は断面略U字状の帯状体、芯線、及び前記帯状体で前記芯線と共に挟持されるブラシ毛材とで構成されたチャンネルブラシからなるブラシ体が複数本形成されてあると共に、複数本の前記ブラシ体は、互いに隣り合うように前記台座の回転中心にたいして複数本の前記ブラシ体の合計で1周以上渦巻き状に形成されてあり、隣り合う前記ブラシ体の間に空間部が形成されてあると共に、前記ブラシ毛材を、前記加工用ブラシを回転させる方向とは逆の方向に傾斜させたことを特徴とする加工用ブラシ。
【請求項2】
複数本のブラシ体は、各々のブラシ体の始点及び/又は終点が、台座の等分箇所に固定手段にて固定して形成されてあることを特徴とする請求項1に記載の加工用ブラシ。
【請求項3】
複数本のブラシ体は、各々のブラシ体を構成するブラシ毛材が異なる材質又は毛丈にて形成されてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の加工用ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り等の各種加工を行う加工用ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、バリ取り用ブラシとして、円板状の本体に対し、その外周から中心付近までブラシ毛を粗いスパイラル状に連続させて設けたものが知られている(特許文献1)。
【0003】
また、円盤状台座に、U字状の複数の第1ブラシセグメントを、開放されている両端を円盤状台座の中心側、湾曲部分が外縁側となるように円盤状台座の中心から外縁に向かって径方向に、且つ隣り合う前記ブラシセグメント同士を所定間隔で設け、隣り合う第1ブラシセグメント同士の間の領域内のそれぞれに円弧状の第2ブラシセグメントを配置し、各第2ブラシセグメントが所定間隔で環状に配列させたカップブラシが知られている(特許文献2の図4参照)。
【0004】
また、円形の台座の円周から中心方向へ向けて弧を描き、且つ左右対称になるように植毛され、ブラシの毛の配列により形成される洗浄液の水路部の幅は、等間隔か又は円周から中心に向けて次第に狭くなるように形成された基板洗浄ブラシが知られている(特許文献3)。
【0005】
また、ブラシ植毛材をブラシ本体の中空部から外周に向けて、複数条、スパイラル状に植毛する際に、その各条をすべて湾曲させ、各条のブラシ植毛材に引っかかった異物や摩耗粉を、その湾曲線に沿って移動させ、遠心力による放出効果を強めた洗浄用ブラシが知られている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−35744号公報
【特許文献2】特開2007−167361号公報
【特許文献3】特開2007−54310号公報
【特許文献4】特開2000−23744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1のバリ取り用ブラシでは、スパイラルの向きが一方向であることから、中心付近のブラシ毛材に付着した塵埃がブラシ毛材間に形成されている通路を経て外周側から排出させるのに時間を要するものであった。また、特許文献2のカップブラシは、U字状の複数の第1ブラシセグメントによって囲まれている中心部に塵埃が溜まりやすいものであった。
【0008】
また、特許文献3の基板洗浄ブラシと、特許文献4の洗浄用ブラシは、ブラシ毛材に付着した塵埃を、短時間で外周側から排出させることができるという利点を有するものではあるが、ブラシマークが発生し易いという課題を有していた。
【0009】
本発明は、上記課題を解決する為になされたもので、従来の加工用ブラシと比較して短時間でブラシ毛材に付着した塵埃を排出することができると共に、ブラシマークの発生を防止することができる加工用ブラシを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来の課題を解決する為に、請求項1の発明は、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り等の加工をする為の加工用ブラシにおいて、前記加工用ブラシは、台座と、ブラシ部と、前記ブラシ部を前記台座に固定する為の固定手段とを有し、前記ブラシ部は断面略U字状の帯状体、芯線、及び前記帯状体で前記芯線と共に挟持されるブラシ毛材とで構成されたチャンネルブラシからなるブラシ体が複数本形成されてあると共に、複数本の前記ブラシ体は、互いに隣り合うように前記台座の回転中心にたいして複数本の前記ブラシ体の合計で1周以上渦巻き状に形成されてあり、隣り合う前記ブラシ体の間に空間部が形成されてあると共に、前記ブラシ毛材を、前記加工用ブラシを回転させる方向とは逆の方向に傾斜させたことを特徴としている。ブラシ体により、1周以上の渦巻き状を形成しているので、ブラシマークの発生を防止することができる。また、複数本のブラシ体の合計で渦巻き状を形成しているので、短時間でブラシ毛材に付着している塵埃を排出させることができる。ブラシマークとは、被加工面に発生する洗浄残り等の加工残りの事である。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成よりなる加工用ブラシにおいて、複数本のブラシ体は、各々のブラシ体の始点及び/又は終点が、台座の等分箇所に固定手段にて固定して形成されてあることを特徴としている。したがって、加工用ブラシを高速で回転させた場合でも芯ブレを防ぐことができ、ブラシマークの発生を一層防止することができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成よりなる加工用ブラシにおいて、複数本のブラシ体は、各々のブラシ体を構成するブラシ毛材が異なる材質又は毛丈にて形成されてあることを特徴としている。隣り合うブラシ体のブラシ毛材を異なる材質又は毛丈にて形成することによって、隣り合うブラシ体間に空間が形成されていない場合でもブラシ毛材間に強弱が発生することにより、塵埃が移動可能な空間が発生し、迅速に塵埃を排出させることができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明では、ブラシマークの発生を防止することができると共に、短時間でブラシ毛材に付着している塵埃を排出させることができる。また、請求項2の発明では、芯ブレを防ぐことができ、ブラシマークの発生を一層防止することができる。また、請求項3の発明では、隣り合うブラシ体間に空間が形成されていない場合でも迅速に塵埃を排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)本発明に係る加工用ブラシの第1実施形態を示す平面図(b)図1(a)のA−A断面図
図2】(a)加工用ブラシの第2実施形態を示す平面図(b)加工用ブラシの第3実施形態を示す平面図
図3】(a)加工用ブラシの第4実施形態を示す平面図(b)加工用ブラシの第5実施形態を示す平面図(c)加工用ブラシの第6実施形態を示す平面図
図4】(a)ブラシ体の毛先の方向の一例を示す側面図(b)ブラシ体の毛先の方向の他例を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
図1(a)は、本発明に係る加工用ブラシの第1実施形態を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。第1実施形態の加工用ブラシ1は、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り等の加工をする為に使用されるものであって、台座2と、2本のブラシ体4、5から構成されるブラシ部と、このブラシ部を台座2に溶接等の固定手段3によって固定されている。
【0017】
また、2本のブラシ体4、5は、断面略U字状の帯状体4c、5cと、芯線4b、5bと、帯状体4c、5cにより芯線4b、5bと共に挟持されるブラシ毛材4a、5aとで構成されたチャンネルブラシにより形成されている。
【0018】
そして、2本のブラシ体4、5は、互いに隣り合うように台座2の回転中心にたいして2本のブラシ体4と5の合計で1周以上となって渦巻き状に形成されている。ここで、2本のブラシ体4と5の合計が1周以上となっているとは、ブラシ体の4と5の両端が、台座2の回転中心にたいして重なる部分21、22が存在していることを意味している。また、2本のブラシ体4と5が渦巻き状に形成されているとは、ブラシ体4の一方の端部が、ブラシ体5の一方の端部よりも回転中心にたいして外側に位置すると共に、ブラシ体5の他方の端部が、ブラシ体4の他方の端部よりも回転中心にたいして外側に位置する状態となるように形成されていることを意味している。その為、加工時においては、加工用ブラシ1が180度回転する事により、ブラシ体4または5の一方の端部が、ブラシ体5または4の他方の端部の位置に移動することができる。また、1本のブラシ体で渦巻き状に形成した従来技術においては、回転中心にたいして周方向の同位置になるまでに360度の回転が必要だが、第1実施形態においては、半分の180度の回転にて回転中心にたいして周方向の同位置になる。
【0019】
したがって、ブラシ体4と5により、1周以上の渦巻き状を形成しているので、ブラシマークの発生を防止することができると共に、2本のブラシ体4と5の合計で渦巻き状を形成しているので、短時間でブラシ毛材4a、5aに付着している塵埃を排出させることができる。
【0020】
また、2本のブラシ体4、5は、各々のブラシ体の始点が、台座2を2等分する位置で固定手段にて固定されている。さらに、2本のブラシ体4、5は、各々のブラシ体の終点が、台座2を2等分する位置で溶接等の固定手段にて固定されている。
【0021】
ここで、ブラシ体4、5の始点とは、台座2の回転中心にたいして外側に位置する端部を意味し、ブラシ体4、5の終点とは、台座2の回転中心にたいして内側に位置する端部を意味している。このように構成することによって、加工用ブラシを高速で回転させた場合でも芯ブレを防ぐことができ、ブラシマークの発生を一層防止することができる。
【0022】
尚、2本のブラシ体4、5は、各々のブラシ体を構成するブラシ毛材4aとブラシ毛材5aとが異なる材質又は毛丈にて形成されるようにすることができる。このように構成することによって、隣り合うブラシ体4と5の間に空間が形成されていない場合でもブラシ毛材4aと5aとの間に強弱が発生することにより、塵埃が移動可能な空間が発生し、迅速に塵埃を排出させることができる。また、第1実施形態においては、ブラシ体は2本だが、ブラシ体の本数は、例えば、3本、4本等、2本以上であれば、本発明に含まれる。また、2本のブラシ体を、例えば、1本は270度以上、他の1本は90度以上に形成して、1周以上の渦巻き状を形成する等、それぞれのブラシ体の全長を異ならせる形態も、本発明に含まれる。さらにまた、2本のブラシ体4、5は、各々のブラシ体を構成するブラシ毛材4aとブラシ毛材5aに同材質を使用すると共に、ブラシ毛材4aとブラシ毛材5aの植毛密度を異ならせて形成されるようにすることもできる。このように構成することによって、隣り合うブラシ体4と5の間に空間が形成されていない場合でもブラシ毛材4aと5aとの間に強弱が発生することにより、塵埃が移動可能な空間が発生し、迅速に塵埃を排出させることができる。
【0023】
図2(a)は、本発明に係る加工用ブラシの第2実施形態を示す平面図である。第2実施形態の加工用ブラシ10は、2本のブラシ体6、7は、互いに隣り合うように台座2の回転中心にたいして2本のブラシ体6と7の合計で1周以上となって渦巻き状に形成されている。また、ブラシ体の6と7の両端部近傍は、台座2の回転中心方向に重なる部分23、24があり、この重なる部分は、ブラシ体6と7の帯状体が接触してはおらず、空間部25、26が形成されている。
【0024】
したがって、ブラシ体6と7により、1周以上の渦巻き状を形成しているので、ブラシマークの発生を防止することができると共に、2本のブラシ体6と7の合計で渦巻き状を形成すると共に空間部25、26を形成しているので、短時間でブラシ毛材6a、7aに付着している塵埃を排出させることができる。
【0025】
また、2本のブラシ体6、7は、各々のブラシ体の始点が、台座2を2等分する位置で溶接等の固定手段にて固定されている。さらに、2本のブラシ体6、7は、各々のブラシ体の終点が、台座2を2等分する位置で固定手段にて固定されている。したがって、加工用ブラシを高速で回転させた場合でも芯ブレを防ぐことができ、ブラシマークの発生を一層防止することができる。
【0026】
図2(b)は、本発明に係る加工用ブラシの第3実施形態を示す平面図である。第3実施形態の加工用ブラシ20は、2本のブラシ体8、9は、両端部27、28が互いに隣り合うようにして台座2の回転中心にたいして2本のブラシ体8と9の合計で略1周となって渦巻き状に形成されている。したがって、ブラシ体8と9により、略1周の渦巻き状を形成しているので、ブラシマークの発生を防止することができると共に、2本のブラシ体8と9の合計で渦巻き状を形成しているので、短時間でブラシ毛材8a、9aに付着している塵埃を排出させることができる。その他の部分は、第1実施形態の加工用ブラシと同様なので説明は省略する。
【0027】
図3(a)は、本発明に係る加工用ブラシの第4実施形態を示す平面図である。第4実施形態の加工用ブラシ30は、2本のブラシ体11、12は、互いに隣り合うように台座2の回転中心にたいして2本のブラシ体11と12の合計で略2周となって渦巻き状に形成されている。また、ブラシ体11と12は、台座2の回転中心方向に重なる部分があり、この重なる部分のブラシ体11と12の帯状体は接触しておらず、空間部29、31が形成されている。したがって、ブラシ体11と12により、略2周の渦巻き状を形成しているので、ブラシマークの発生を防止することができる。また、2本のブラシ体11と12の合計で略2周の渦巻き状を形成すると共に空間部29、31を形成しているので、短時間でブラシ毛材11a、12aに付着している塵埃を排出させることができる。
【0028】
また、2本のブラシ体11、12は、各々のブラシ体の始点が、台座2を2等分する位置で溶接等の固定手段にて固定されている。さらに、2本のブラシ体11、12は、各々のブラシ体の終点が、台座2を2等分する位置で固定手段にて固定されている。したがって、加工用ブラシを高速で回転させた場合でも芯ブレを防ぐことができ、ブラシマークの発生を一層防止することができる。
【0029】
図3(b)は、本発明に係る加工用ブラシの第5実施形態を示す平面図である。第5実施形態の加工用ブラシ40は、3本のブラシ体13、14、15は、互いに隣り合うように台座2の回転中心にたいして3本のブラシ体13と14と15の合計で略3周となって渦巻き状に形成されている。また、ブラシ体13と14と15は、台座2の回転中心方向に重なる部分があり、この重なる部分のブラシ体13と14と15の帯状体は接触しておらず、空間部32、33、34が形成されている。したがって、ブラシ体13と14と15とにより、略3周の渦巻き状を形成しているので、ブラシマークの発生を防止することができる。また、3本のブラシ体13と14と15の合計で略3周の渦巻き状を形成すると共に空間部32、33、34を形成しているので、短時間でブラシ毛材13a、14a、15aに付着している塵埃を排出させることができる。
【0030】
また、3本のブラシ体13、14、15は、各々のブラシ体の始点が、台座2を3等分する位置で溶接等の固定手段にて固定されている。さらに、3本のブラシ体13、14、15は、各々のブラシ体の終点が、台座2を3等分する位置で固定手段にて固定されている。したがって、加工用ブラシを高速で回転させた場合でも芯ブレを防ぐことができ、ブラシマークの発生を一層防止することができる。なお、本発明は、複数本のブラシ体が、互いに隣り合うように台座の回転中心にたいして複数本のブラシ体の合計で1周以上渦巻き状に形成されてあることを特徴としているので、ブラシ体13、14、15のいずれか1本が形成されていない形態であっても、本発明に含まれる。
【0031】
図3(c)は、本発明に係る加工用ブラシの第6実施形態を示す平面図である。第6実施形態の加工用ブラシ50は、4本のブラシ体16、17、18、19は、互いに隣り合うように台座2の回転中心にたいして4本のブラシ体16と17と18と19の合計で略4周となって渦巻き状に形成されている。また、ブラシ体16と17と18と19は、台座2の回転中心方向に重なる部分があり、この重なる部分のブラシ体16と17と18と19の帯状体は接触しておらず、空間部35、36、37、38が形成されている。したがって、ブラシ体16と17と18と19とにより、略4周の渦巻き状を形成しているので、ブラシマークの発生を防止することができる。また、4本のブラシ体16と17と18と19の合計で略4周の渦巻き状を形成すると共に空間部35、36、37、38を形成しているので、短時間でブラシ毛材16a、17a、18a、19aに付着している塵埃を排出させることができる。
【0032】
また、4本のブラシ体16、17、18、19は、各々のブラシ体の始点が、台座2を4等分する位置で溶接等の固定手段にて固定されている。さらに、4本のブラシ体16、17、18、19は、各々のブラシ体の終点が、台座2を4等分する位置で固定手段にて固定されている。したがって、加工用ブラシを高速で回転させた場合でも芯ブレを防ぐことができ、ブラシマークの発生を一層防止することができる。なお、本発明は、複数本のブラシ体が、互いに隣り合うように台座の回転中心にたいして複数本のブラシ体の合計で1周以上渦巻き状に形成されてあることを特徴としているので、ブラシ体16、17、18、19のいずれか1本が形成されていない形態、又はブラシ体16、17、18、19のいずれか2本が形成されていない形態であっても、本発明に含まれる。
【0033】
図4(a)は、ブラシ体の毛先の方向の一例を示す側面図である。この図において矢印は、加工用ブラシの回転方向を示しており、ブラシ体42は、ブラシ毛材39、39・・を、帯状体43の長手方向に対して垂直な方向から加工用ブラシの回転方向とは逆の方向に傾斜させている。このように構成することによって、ブラシ毛材39は、被加工面に撫でるように接触することとなり、被加工面の表面粗さを細かくすることができる。また、ブラシ毛材39に加わる負荷が小さくなるので、ブラシ毛材39の長寿命化を図ることができる。
【0034】
図4(b)は、ブラシ体の毛先の方向の他例を示す側面図である。この図において矢印は、加工用ブラシの回転方向を示しており、ブラシ体44は、ブラシ毛材41、41・・を、帯状体45の長手方向に対して垂直な方向から加工用ブラシの回転方向に傾斜させている。このように構成することによって、ブラシ毛材41は、被加工面に強く接触することとなり、研削力を増加させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の加工用ブラシは、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り等の加工をする為に使用される。
【符号の説明】
【0036】
1、10、20、30、40、50 加工用ブラシ
2 台座
3 固定手段
4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、42、44 ブラシ体
4a、5a、6a、7a、8a、9a、11a、12a、13a、14a、15a、16a、17a、18a、19a、39、41 ブラシ毛材
4b、5b 芯線
4c、5c、43、45 帯状体
21、22、23、24 重なる部分
25、26、29、31、32、33、34、35、36、37、38 空間部
27、28 両端部
図1
図2
図3
図4