特許第6355270号(P6355270)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 周欽俊の特許一覧

<>
  • 特許6355270-加熱用ローラー 図000002
  • 特許6355270-加熱用ローラー 図000003
  • 特許6355270-加熱用ローラー 図000004
  • 特許6355270-加熱用ローラー 図000005
  • 特許6355270-加熱用ローラー 図000006
  • 特許6355270-加熱用ローラー 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355270
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】加熱用ローラー
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/00 20060101AFI20180702BHJP
   F16C 13/00 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   H05B3/00 335
   F16C13/00 C
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-79538(P2016-79538)
(22)【出願日】2016年4月12日
(65)【公開番号】特開2017-191672(P2017-191672A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2016年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】516109303
【氏名又は名称】周欽俊
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】周欽俊
【審査官】 黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−117405(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0287357(US,A1)
【文献】 特開平11−352815(JP,A)
【文献】 特開平02−220388(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/00
F16C 13/00
G03G 15/20
H05B 3/02− 3/18
H05B 3/40− 3/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状体(10)および一つのワイヤ機構(20)を備え、
前記筒状体(10)は、胴部(11)および複数の線形孔(16)を有し、前記胴部(11)は軸方向に形成された第一側辺(13)および第二側辺(14)を有し、複数の前記線形孔(16)は前記胴部(11)の前記第一側辺(13)および前記第二側辺(14)を軸方向に沿って貫通し、
前記ワイヤ機構(20)は、前記筒状体(10)の前記線形孔(16)を貫通する一本の連続したワイヤ(21)を有し、
胴体(11)の第一側辺(13)の線形孔(16)から第二側辺(14)の線形孔(16)へ向けて差し込まれたワイヤ(21)が、続いて第二側辺(14)の別の隣り合う線形孔(16)から交互に折り返して第一側辺(13)の線形孔(16)へ向けて差し込まれるように交互に折り返して、前記筒状体(10)において、二つずつの二つの隣り合う前記線形孔(16)内の前記ワイヤ(21)は貫通方向が反対であると共に、
前記ワイヤ(21)の両端が電源に接続されることを特徴とする、
加熱用ローラー。
【請求項2】
前記筒状体(10)はさらに少なくとも一つの環状溝(15)を有し、前記環状溝(15)は前記線形孔(16)に対応し、前記線形孔(16)の開口部(161)は前記環状溝(15)の底部辺縁に露出することを特徴とする請求項1に記載の加熱用ローラー。
【請求項3】
前記筒状体(10)の前記環状溝(15)は、円環状を呈することを特徴とする請求項に記載の加熱用ローラー。
【請求項4】
隣り合う二つの線形孔(16)の中心間には距離(D1)を有し、前記線形孔(16)の中心と前記胴部(11)の外周面(111)との間には間隔(D2)を有し、前記距離(D1)は間隔(D2)より大きいか、それに等しいことを特徴とする請求項1に記載の加熱用ローラー。
【請求項5】
前記同じワイヤ(21)は前記同じ線形孔(16)を複数回貫通することを特徴とする請求項1に記載の加熱用ローラー。
【請求項6】
複数の前記ワイヤ(21)は一つの前記線形孔(16)を貫通することを特徴とする請求項1に記載の加熱用ローラー。
【請求項7】
前記筒状体(10)は二つまたはそれ以上のユニットが結合することによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の加熱用ローラー。
【請求項8】
複数の前記筒状体(10)にそれぞれ一つずつの前記ワイヤ機構(20)を配置することを特徴とする請求項に記載の加熱用ローラー。
【請求項9】
一つの前記ワイヤ機構(20)は複数の前記筒状体(10)を貫通するように配置されることを特徴とする請求項に記載の加熱用ローラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラー、特に加熱用ローラーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱用ローラーは渦巻きコイルの装着に用いる中空の格納孔が必要であるため、加工および装着の際に不便な点がある。一方、渦巻きコイルの配置による加熱方式は加熱が均一でなく、加熱速度が遅いだけでなく、加熱効率を改善する必要がある。
【0003】
従来の加熱用ローラーは上述した欠点を抱えるため、改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した欠点に鑑み、製作および構造を簡単化し、加熱効率を向上させることができる加熱用ローラーを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するための、加熱用ローラーは筒状体および一つのワイヤ機構を備える。筒状体は胴部および複数の線形孔を有する。胴部は軸方向に形成された第一側辺および第二側辺を有する。複数の線形孔は胴部の第一側辺および第二側辺を軸方向に沿って貫通する。ワイヤ機構は筒状体の線形孔を貫通するワイヤを有する。筒状体において、二つずつの二つの隣り合う線形孔内のワイヤは貫通方向が反対であり、電源に接続される。
【0006】
上述した課題を解決するための、加熱用ローラーは筒状体および二つのワイヤ機構を備える。筒状体は胴部および複数の線形孔を有する。胴部は軸方向に形成された第一側辺および第二側辺を有する。複数の線形孔は胴部の第一側辺および第二側辺を軸方向に沿って貫通する。二つのワイヤ機構はそれぞれ筒状体の線形孔を貫通する複数のワイヤを有する。一つのワイヤ機構のワイヤは第一側辺の正極電源および第二側辺の負極電源に接続される。別の一つのワイヤ機構のワイヤは第一側辺の負極電源および第二側辺の正極電源に接続される。
【0007】
上述したとおり、加熱用ローラーは導線が間隔を置いて線形孔を貫通する方向が反対であり、二つずつのワイヤの間に加熱を渦巻き状に行うため、加熱効率を向上させることができる。
【0008】
比較的好ましい場合、筒状体はさらに少なくとも一つの環状溝を有する。環状溝は線形孔に対応する。線形孔の開口部は環状溝の底部辺縁に露出する。
【0009】
比較的好ましい場合、筒状体の環状溝は、円環状を呈する。
【0010】
比較的好ましい場合、二つずつの二つの隣り合う線形孔は中央から形成された距離を有する。線形孔は中心と胴部の外周面との間に間隔を有する。距離は間隔より大きいか、それに等しい。
【0011】
比較的好ましい場合、複数のワイヤは一つの線形孔を貫通する。
【0012】
比較的好ましい場合、同じワイヤは同じ線形孔を複数回貫通する。
【0013】
比較的好ましい場合、筒状体は二つまたはそれ以上のユニットが結合することによって構成される。
【0014】
比較的好ましい場合、複数の筒状体にそれぞれ一つずつのワイヤ機構を配置する。
【0015】
比較的好ましい場合、一つのワイヤ機構は複数の筒状体を貫通するように配置される。
【0016】
本発明による加熱用ローラーの詳細な構造および特徴を、以下の実施形態の詳細な説明を通して明確にする。
なお、以下の詳細な説明および本発明により提示された実施形態は本発明を説明するための一例に過ぎず、本発明の請求範囲を限定できないことは、本発明にかかわる領域において常識がある人ならば理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態による加熱用ローラーを示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態による加熱用ローラーを示す正面図である。
図3】本発明の第1実施形態による加熱用ローラーの一端を示す側面図である。
図4】本発明の第1実施形態による加熱用ローラーの他端を示す側面図である。
図5】本発明の第2実施形態による加熱用ローラーの一端を示す側面図である。
図6】本発明の第2実施形態による加熱用ローラーの他端を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明による加熱用ローラーを図面に基づいて説明する。なお、明細書において、内、外、上、下などの方向性用語は図面に示した方向に基づいて表現される。
【0019】
(第1実施形態)
図1から図4に示すように、本発明の第1実施形態による加熱用ローラーは、筒状体10および一つのワイヤ機構20を備える。
【0020】
筒状体10は胴部11、二つの環状溝15および複数の線形孔16を有する。胴部11は軸方向に形成された第一側辺13および第二側辺14を有する。
【0021】
二つの環状溝15は、第一側辺13および第二側辺14に別々に円環状に配置される。
【0022】
複数の線形孔16は、環状に配置され、かつ胴部11の第一側辺13および第二側辺14を軸方向に沿って貫通する。
【0023】
複数の線形孔16は、環状溝15を貫通する開口部161を有する。開口部161は環状溝15の底部辺縁に露出する。
【0024】
言い換えれば、筒状体10の二つの環状溝15はそれぞれの線形孔16に対応する。
【0025】
二つずつの二つの隣り合う線形孔16は中央から形成された距離D1を有する。線形孔16は中心と胴部11の外周面111との間に間隔D2を有する。距離D1は間隔D2より大きいか、それに等しい。
【0026】
ワイヤ機構20は、筒状体10の線形孔16を貫通するワイヤ21を有する。ワイヤ21は胴体11の第一側辺13から差し込まれ、第二側辺14を通り、続いて第二側辺14の別の隣り合う線形孔16から差し込まれ、ワイヤ21の線形孔16の順によってすべての線形孔16を持続的に貫通する。貫通の順は隣り合う順に限定されない。
【0027】
本実施形態において、筒状体10の線形孔16は数が偶数であり、ワイヤ21が間隔を置いて線形孔を貫通する方向は反対であるため、ワイヤ21は同じ側から突出し、両端が電源に接続される。
【0028】
複数のワイヤ21は一つの線形孔16を貫通する。或いは、一つのワイヤ21は同じ線形孔16を複数回貫通する。
【0029】
上述したとおり、本発明による加熱用ローラーは導線21が間隔を置いて線形孔16を貫通する方向が反対であり、二つずつのワイヤ21の間に加熱を渦巻き状に行うため、加熱効率を向上させることができる。
【0030】
一方、本発明は構造上の距離を容易に調整できるため、加熱効果は異なるニーズに対応できる。
【0031】
(第2実施形態)
図5および図6に示したのは本発明の第2実施形態による加熱用ローラーである。第1実施形態との違いは次のとおりである。
【0032】
第2実施形態は、二つのワイヤ機構20を採用する。ワイヤ機構20はそれぞれ筒状体10の線形孔16を貫通する複数のワイヤ21を有する。同じワイヤ機構20の複数のワイヤ21は胴体11の第一側辺13および第二側辺14のそれぞれの端部に位置し、かつそれぞれの並列状接続部22に接続される。
【0033】
一つのワイヤ機構20は、胴体11の第一側辺13および第二側辺14の二つの並列状接続部22に据えられ、正極電源および第二側辺の負極電源に別々に接続される。別の一つのワイヤ機構20は胴体11の第一側辺13および第二側辺14の二つの並列状接続部22Aに据えられ、負極電源および正極電源に別々に接続される。二つのワイヤ機構20はワイヤ21の電流方向が反対である。
【0034】
上述したとおり、第2実施形態による加熱用ローラーは二つずつの導線21が間隔を置いて線形孔16を貫通する方向が反対であり、二つずつのワイヤ21の間に加熱を渦巻き状に行うため、同様に加熱効率を向上させることができる。
【0035】
本発明は上述した実施形態のほかに、下記の実施形態を採用できる。
【0036】
複数のワイヤ21は一つの線形孔16を貫通する。
【0037】
単一のユニットで筒状体10を構成する上述の実施形態に対し、筒状体10は二つまたはそれ以上のユニットが結合することによって構成される。
【0038】
複数の筒状体20にそれぞれ一つずつのワイヤ機構20を配置できる。つまり、それぞれの筒状体10に同じまたは異なるワイヤ機構20を配置することによって異なる加熱効果を生じることができる。
【0039】
一つのワイヤ機構20を複数の筒状体10に配置できる。
【0040】
上述した任意の実施形態は、単一または複数の組み合わせによって本発明の目的を達成できる。
【0041】
上述したとおり、本発明による加熱用ローラーは、製作および構造を簡単化し、加熱効果を向上させ、本発明の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 筒状体
11 胴部
111 外周面
13 第一側辺
14 第二側辺
15 環状溝
16 線状孔
161 開口部
20 ワイヤ機構
21 ワイヤ
22、22A 並列状接続部
D1 距離
D2 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6