(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のダンパ装置において、フレームの開口部をバッフルによって閉状態にする際、バッフルがフレームに当接した状態からさらにバッフルを閉方向に駆動すれば、開口部を確実に閉状態にすることができる。しかしながら、このような閉動作を行うと、ステッピングモータでは、入力パルス信号とロータとの同期が失われる脱調という現象が発生する。その結果、輪列において歯車同士が瞬間的に反転し、歯同士の衝突に起因する異音が発生するという問題点がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、バッフルを閉状態とする際にステッピングモータに脱調が発生しにくいダンパ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、開口部が形成されたフレームと、前記開口部を開閉するためのバッフルと、前記バッフルを駆動する駆動機構と、該駆動機構を収容したケースと、を有するダンパ装置において、前記駆動機構は、ステッピングモータと、該ステッピングモータの回転を伝達する輪列と、を備え、前記輪列は、駆動歯車と、該駆動歯車に噛合して当該駆動歯車に従動する扇形歯車と、を含み、前記駆動歯車と前記ケースとの間には、前記バッフルを閉方向に回転させる際の前記駆動歯車の第1回転方向への可動範囲を規定する第1ストッパ機構が構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明において、駆動歯車とケースとの間には、バッフルを閉方向に回転させる際の駆動歯車の第1回転方向への可動範囲を規定する第1ストッパ機構が構成されているため、第1ストッパ機構が作動した位置を起点とし、開方向および閉方向のいずれの方向にバッフルを駆動するときでも、ステッピングモータに同一ステップ数分の駆動信号を供給する。このため、フレームの開口部をバッフルによって閉状態にする際、バッフルがフレームに当接した状態からさらにバッフルを閉方向に駆動しても、第1ストッパ機構が作動する
時点を起点にステップ数を設定しているため、ステッピングモータでは脱調が発生しにくい。それ故、脱調が原因で輪列の歯車同士が瞬間的に反転するという事態が発生しにくいので、歯同士の衝突に起因する異音の発生を抑制することができる。
【0008】
本発明において、前記駆動歯車と前記扇形歯車との間には、前記第1ストッパ機構が作動した状態において、前記バッフルが開方向に回転しようとする方向の前記扇形歯車の回転を阻止する第1ロック機構が構成されており、当該第1ロック機構では、前記扇形歯車において前記駆動歯車に噛合する複数の歯のうち、周方向の最も端に位置する歯の軸線方向の寸法を狭くした部分に、前記駆動歯車において前記扇形歯車に噛合する欠歯歯車に対して周方向で隣り合う位置に当該欠歯歯車の歯先円と同径かつ同心に形成した第1円弧状外周部が入り込んで前記扇形歯車が拘束され
る。従って、本発明では、バッフルが閉姿勢にある状態で、流体圧によってバッフルが開方向に回転しようとする力が作用しても、扇形歯車の回転は第1ロック機構によって阻止される。このため、バッフルが閉姿勢にある状態から変位しにくい。また、バッフルが閉方向に回転しようとしても、扇形歯車の回転は第1ストッパ機構によって阻止されているため、第1ロック機構は、扇形歯車の一方側の回転を阻止すればよい。従って、扇形歯車において周方向の最も端に位置する歯の軸線方向の寸法を狭くすればよいので、扇形歯車において第1ロック機構を構成するための部分が狭く済む。それ故、扇形歯車の小型化を図ることができる。
【0009】
本発明において、前記バッフルを開方向に回転させる際の前記駆動歯車の第2回転方向への可動範囲を規定する第2ストッパ機構が構成され、前記バッフルの可動範囲は、前記第1ストッパ機構が作動する位置から前記第2ストッパ機構が作動する手前位置までに設定されてい
る。かかる構成によれば、バッフルが開方向に暴走しようとし
た場合でも、かかるバッフルの暴走を第2ストッパ機構によって阻止することができる。また、通常時は、ステッピングモータのステップ数が第2ストッパ機構が作動する手前位置に設定されているので、第2ストッパ機構が作動して、ステッピングモータが脱調するという事態が発生しにくい。
【0010】
本発明において、前記駆動歯車と前記扇形歯車との間には、前記手前位置において前記扇形歯車を停止状態に保持する第2ロック機構が構成されており、当該第2ロック機構では、前記扇形歯車において前記駆動歯車に噛合する複数の歯のうち、周方向で隣り合う一部の歯
の軸線方向の寸法を狭くした部分に、前記駆動歯車において前記扇形歯車に噛合する欠歯歯車に対して周方向で隣り合う位置に当該欠歯歯車の歯先円と同径かつ同心に形成した第2円弧状外周部が入り込んで前記扇形歯車が拘束され
る。かかる構成によれば、開姿勢にあるバッフルが流体圧を受けてばたつくことを抑制することができる。
【0011】
本発明は、前記バッフルが前記開口部を閉状態にした際に当該バッフルにおいて前記フレームと接する部分は弾性部材からなり、前記弾性部材は、前記バッフルが前記開口部を閉状態
とした状態において、前記フレームと接することにより弾性変形している構成を採用した場合に特に効果的である。バッフルにおいてフレームと接する部分が弾性部材からなる場合、フレームの開口部をバッフルによって閉状態にする際、バッフルがフレームに当接した状態からさらにバッフルを閉方向に駆動するが、本発明によれば、このような構成であっても、第1ストッパ機構が作動する時点を起点にステップ数を設定しているため、駆動歯車が過度に回転しない。それ故、ステッピングモータでは脱調が発生しにくい。
【0012】
本発明において、前記扇形歯車は、例えば、前記バッフルに連結された出力歯車である。
【0013】
本発明において、前記駆動歯車の回転中心位置と前記扇形歯車の回転中心位置とを結ぶ
仮想線は、前記ケースにおいて前記駆動機構を囲む4つの側板部のいずれに対しても斜めに延在していることが好ましい。かかる構成によれば、扇形歯車の形状に対応して駆動歯車を配置することができるので、駆動機構を設けるのに必要なスペースが狭く済む。それ故、ケースの小型化を図ることができる。
【0014】
本発明において、前記ステッピングモータのモータピニオンに噛合する第1歯車の外径は、前記ステッピングモータの外径より大であるが好ましい。かかる構成によれば、ステッピングモータや第1歯車の回転中心軸線方向からみたとき、第1歯車の回転中心軸がステッピングモータと重ならない。それ故、第1歯車の回転軸や第1歯車を回転可能に支持する支軸等を容易に配置することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るダンパ装置
において、駆動歯車とケースとの間には、バッフルを閉方向に回転させる際の駆動歯車の第1回転方向への可動範囲を規定する第1ストッパ機構
と、バッフルを開方向に回転させる際の駆動歯車の第2回転方向への可動範囲を規定する第2ストッパ機構が構成され、バッフルの可動範囲は、第1ストッパ機構が作動する位置から第2ストッパ機構が作動する手前位置までに設定されている。このため、第1ストッパ機構が作動した位置を起点とし、開方向および閉方向のいずれの方向にバッフルを駆動するときでも、ステッピングモータに同一ステップ数分の駆動信号を供給する。このため、フレームの開口部をバッフルによって閉状態にする際、バッフルがフレームに当接した状態からさらにバッフルを閉方向に駆動しても、第1ストッパ機構が作動する時点を起点にステップ数を設定しているため、ステッピングモータでは脱調が発生しにくい。それ故、脱調が原因で輪列の歯車同士が瞬間的に反転するという事態が発生しにくいので、歯同士の衝突に起因する異音の発生を抑制することができる。
また、バッフルが開方向に暴走しようとし場合でも、かかるバッフルの暴走を第2ストッパ機構によって阻止することができる。また、通常時は、ステッピングモータのステップ数が第2ストッパ機構が作動する手前位置に設定されているので、第2ストッパ機構が作動して、ステッピングモータが脱調するという事態が発生しにくい。更に、本発明では、駆動歯車と扇形歯車との間には、第1ストッパ機構が作動した状態において、バッフルが開方向に回転しようとする方向の扇形歯車の回転を阻止する第1ロック機構、および、手前位置において扇形歯車を停止状態に保持する第2ロック機構が構成されている。従って、バッフルが閉姿勢にある状態で、流
体圧によってバッフルが開方向に回転しようとする力が作用しても、扇形歯車の回転は第1ロック機構によって阻止される。このため、バッフルが閉姿勢にある状態から変位しにくい。また、バッフルが閉方向に回転しようとしても、扇形歯車の回転は第1ストッパ機構によって阻止されているため、第1ロック機構は、扇形歯車の一方側の回転を阻止すればよい。従って、扇形歯車において周方向の最も端に位置する歯の軸線方向の寸法を狭くすればよいので、扇形歯車において第1ロック機構を構成するための部分が狭く済む。それ故、扇形歯車の小型化を図ることができる。また、第2ロック機構では、前記扇形歯車において前記駆動歯車に噛合する複数の歯のうち、周方向で隣り合う一部の歯の軸線方向の寸法を狭くした部分に、前記駆動歯車において前記扇形歯車に噛合する欠歯歯車に対して周方向で隣り合う位置に当該欠歯歯車の歯先円と同径かつ同心に形成した第2円弧状外周部が入り込んで前記扇形歯車が拘束される。従って、開姿勢にあるバッフルが流体圧を受けてばたつくことを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明を適用した冷蔵庫用のダンパ装置について説明する。以下の説明では、バッフル4の回転中心軸線をLとし、回転中心軸線Lに沿う方向をX方向とし、開口部が向いている方向をZ方向とし、X方向およびZ方向に直交する方向をY方向として説明する。また、X方向の一方側をX1とし、X方向の他方側をX2とし、Y方向の一方側をY1とし、Y方向の他方側をY2とし、Z方向の一方側をZ1とし、Z方向の他方側をZ2として説明する。また、回転中心軸線Lを水平方向とし、Y方向の一方側Y1を重力方向の下側とし、Y方向の他方側Y2を重力方向の上側として説明する。
【0018】
(全体構成)
図1は、本発明を適用したダンパ装置1の説明図であり、
図1(a)、(b)は、開口部210に対してバッフル4が配置されている側とは反対側からみた斜視図、および分解斜視図である。
図2は、本発明を適用したダンパ装置1に用いたバッフル4等の分解斜視図である。なお、
図1および
図2では、バッフル4が開口部210を閉状態とした状態を示してある。
【0019】
図1および
図2に示すように、本形態のダンパ装置1は、矩形の開口部210が形成されたフレーム2と、駆動機構6を内側に収容したケース3と、フレーム2の開口部210を開閉するためのバッフル4とを有しており、ケース3とフレーム2とはフック機構11
等により連結されている。
【0020】
フレーム2は、開口部210が形成された矩形の端板部21と、端板部21の外縁からZ方向の他方側Z2に突出した角筒状の胴部22とを有している。胴部22は、ケース3とは反対側の側板部221と、側板部221に対してケース3側で対向する連結板部25と、側板部221と連結板部25とを繋ぐ側板部222、223とを備えている。連結板部25は、側板部221、222、223よりZ方向の他方側Z2に突出しており、ケース3と連結されている。側板部221には、ダンパ装置1を冷蔵庫等に搭載する際に位置決め等に利用される切り欠き224が形成されている。
【0021】
端板部21において開口部210の縁からは、バッフル4が位置する側に向けて突出した角筒状のシール板部26が形成されており、バッフル4は、シール板部26に当接することにより、開口部210を閉状態とする。また、端板部21においてバッフル4が位置する側の面には、開口部210(シール板部26の周り)を囲むようにシート状のヒータ9が取り付けられている。
【0022】
本形態において、駆動機構6は、X方向(水平方向)に延在する回転中心軸線L周りにバッフル4を回転させて開口部210を開閉する。駆動機構6は、バッフル4の姿勢を、回転中心軸線Lを中心に矢印Aで示す閉方向にバッフル4を回転させて開口部210をバッフル4で塞ぐ閉姿勢と、回転中心軸線Lを中心に矢印Bで示す開方向にバッフル4を回転させて開口部210を開放する開姿勢とに切り換える。
【0023】
かかるダンパ装置1は、冷気通路を構成するダクトの内側に配置される。ここで、冷気は、開口部210に対してバッフル4が配置されている側とは反対から開口部210を通って流れる。あるいは、開口部210に対してバッフル4が配置されている側から開口部210を通って流れることもある。本形態において、冷気は、開口部210に対してバッフル4が配置されている側とは反対から開口部210を通って流れる。
【0024】
(バッフル4の構成)
バッフル4は、開口部210よりサイズが大きな平板部41を備えた開閉板40と、開閉板40の開口部210側の面に貼り付けられた発泡ポリウレタン等からなるシート状の弾性部材49とを有しており、弾性部材49が開口部210の周り(シール板部26)に当接して開口部210を塞ぐ。開閉板40において、平板部41の開口部210とは反対側の面には、バッフル4の外縁に沿って延在するリブ42、43、44、45が形成されている。
【0025】
バッフル4は、平板部41においてリブ44が位置する側でX方向の一方側X1に向けて突出する軸部46を有している。軸部46は、回転中心軸線Lと同軸状に形成されており、軸部46は、フレーム2の連結板部25に形成された穴250によって回転可能に支持され、この状態で駆動機構6に接続されている。また、バッフル4は、平板部41においてリブ44が位置する側でX方向の他方側X2に向けて突出する軸部48を有しており、軸部48からは、X方向の他方側X2(外側)に向けて、フレーム2に回転可能に支持される凸部480が突出している。
【0026】
(駆動機構6の構成)
図3は、本発明を適用したダンパ装置1の駆動機構6の説明図である。なお、
図3では、バッフル4が開口部210を閉状態とした状態を示してある。
【0027】
図3に示すように、駆動機構6は、ケース3の内側に配置されたステッピングモータ60と、ケース3の内側において、ステッピングモータ60の回転をバッフル4に伝達する
ための輪列65とを有している。ケース3は、底板部31と、底板部31からフレーム2の側に突出した角筒状の胴部32とを有しており、胴部32は、Z方向で対向する側板部321、322と、Y方向で対向する側板部323、324とを有している。底板部31および胴部32は、X方向からみたとき、Y方向に長辺が延在し、Z方向に短辺が延在する四角形である。ステッピングモータ60は、フレーム2とケース3との間でケース3に保持されている。
【0028】
輪列65は、モータピニオン601に噛合する大径歯車661を備えた1番車66と、1番車66の小径歯車(図示せず)に噛合する大径歯車671を備えた2番車67と、2番車67の小径歯車672に噛合する大径歯車681を備えた駆動歯車68とを有している。従って、輪列65において、1番車66、2番車67および駆動歯車68は減速輪列を構成している。また、輪列65は、駆動歯車68と噛合して駆動歯車68に従動する扇形歯車69を有している。扇形歯車69は、輪列65の最終段に位置する最終歯車(出力歯車)であり、バッフル4に連結されている。本形態において、2番車67、駆動歯車68および扇形歯車69は、ケース3の底板部31に回転可能に支持されている。
【0029】
ここで、1番車66の外径は、ステッピングモータ60の本体部605(ステータ)の外径より大である。このため、ステッピングモータ60や第1歯車66の回転中心軸線方向からみたとき、第1歯車66の回転中心軸がステッピングモータ60と重ならない。それ故、第1歯車66の回転軸や支軸をステッピングモータ60の本体部605等で支持する必要がない等、第1歯車66を回転可能に配置するための構成を簡素化することができる。また、1番車66の外径が大であるため、輪列65において減速機構を構成するための歯車の枚数を減らすことができる。本形態において、1番車66は、ステッピングモータ60の本体部605に対してY方向の一方側でケース3の底板部31とフレーム2の連結板部25とに回転軸660の両端が支持されている。
【0030】
(駆動歯車68等の詳細構成)
図4は、本発明を適用したダンパ装置1の駆動機構6に用いた駆動歯車68および扇形歯車69等の構成を示す説明図であり、
図4(a)、(b)、(c)は、駆動歯車68と扇形歯車69とがケース3に支持された状態をX方向の他方側X2(フレーム2が配置されている側)からみた斜視図、駆動歯車68と扇形歯車69とをケース3から外した状態をX方向の他方側X2(フレーム2が配置されている側)からみた分解斜視図、および駆動歯車68と扇形歯車69とをX方向の一方側X1(フレーム2とは反対側)からみた斜視図である。
図5は、本発明を適用したダンパ装置1の駆動機構6に構成した第1ストッパ機構71の説明図であり、駆動歯車68等をストッパ用凸部39が形成されている位置で切断したときのXY断面図である。
【0031】
なお、
図4および
図5では、バッフル4が開口部210を閉状態とした状態を示してある。また、以下の説明では、バッフル4を閉方向に駆動する際の駆動歯車68の回転方向を第1方向(矢印B1で示す方向)とし、バッフル4を開方向に駆動する際の駆動歯車68の回転方向を第2方向(矢印A1で示す方向)とする。また、バッフル4を閉方向に駆動する際の扇形歯車69の回転方向を矢印B2で示し、バッフル4を開方向に駆動する際の駆動歯車68の回転方向を矢印A2で示す。
【0032】
図4(a)、(b)に示すように、ケース3の底板部31には、側板部322、323との角付近に、扇形歯車69を回転可能に支持する筒部37が形成され、筒部37からY方向およびZ方向に斜めに離間した位置には、駆動歯車68を回転可能に支持する段付きの支軸36が形成されている。このため、駆動歯車68の回転中心位置と扇形歯車69の回転中心位置とを結ぶ仮想線は、ケース3において駆動機構6を囲む4つの側板部321、322、323、324のいずれに対しても斜めに延在している。すなわち、扇形歯車
69の形状に対応して駆動歯車を好適な位置に設けてある。それ故、駆動機構6を設けるのに必要なスペースが狭く済むので、ケース3の小型化を図ることができる。
【0033】
本形態では、ケース3の底板部31において、支軸36の側方には、支軸36を中心に円弧状に延在するストッパ用凸部39が形成されており、かかるストッパ用凸部39は、駆動歯車68との干渉によって、後述する第1ストッパ機構71および第2ストッパ機構72を構成する。
【0034】
図3および
図4(a)、(b)に示すように、駆動歯車68は、ケース3に形成された支軸36が嵌る軸穴680の周りに平歯車からなる大径歯車681を有しているとともに、大径歯車681に対してX方向の他方側X2には、大径歯車681と同心状の欠歯歯車682を有している。本形態において、欠歯歯車682は、約120°の角度範囲に複数の歯682aを有している。また、駆動歯車68において、大径歯車681に対してX方向の他方側X2には、欠歯歯車682の軸線方向の寸法(歯幅)より低く大径歯車681から突出した円弧状凸部683が形成されており、かかる円弧状凸部683の外周面は、欠歯歯車682の歯先円と同径かつ同心に形成されている。また、円弧状凸部683には、X方向の他方側X2の端面で開口するスリット683a、683bが形成されている。
【0035】
このように構成した円弧状凸部683の外周面のうち、矢印B1で示す第1方向の端部が、ケース3との間に、後述する第1ロック機構81を構成する第1円弧状外周部686であり、矢印A1で示す第2方向の端部が、ケース3との間に、後述する第2ロック機構82を構成する第2円弧状外周部687である。
【0036】
図4(c)および
図5に示すように、駆動歯車68では、大径歯車681のX方向の一方側X1には、外周縁に沿って円環状の凸部684aが形成されているとともに、内周縁に沿って円環状の凸部684bが凸部684aと同心状に形成されている。
【0037】
また、凸部684aと凸部684bとの間には、凸部684a、684bを繋ぐように径方向に延在する凸部688が形成されているとともに、凸部688に対して周方向で離間した位置には、凸部684a、684bを繋ぐように径方向に延在する凸部689が形成されている。ここで、凸部689は、凸部688から矢印B1で示す第1方向に向けて約210°の角度位置に形成され、その結果、凸部688は、凸部689から矢印B1で示す第1方向に向けて約150°の角度位置に形成されている。
【0038】
本形態では、周方向において凸部688と凸部689とによって挟まれた角度範囲のうち、広い方(凸部688から矢印B1で示す第1方向に向けて約210°の角度範囲)において、凸部684a、684b、688、689で囲まれた凹部685をストッパ配置空間として利用する。すなわち、駆動歯車68の軸穴680にケース3の支軸36を嵌ると、ケース3の底板部31に形成したストッパ用凸部39が凹部685内に位置する。
【0039】
このため、駆動歯車68が矢印B1で示す第1方向に向けて回転すると、凸部689がストッパ用凸部39に当接することにより、駆動歯車68のこれ以上の回転を阻止する第1ストッパ機構71が作動することになる。これに対して、駆動歯車68が矢印A1で示す第2方向に向けて回転すると、凸部688がストッパ用凸部39に当接することにより、駆動歯車68のこれ以上の回転を阻止する第2ストッパ機構72が作動する。
【0040】
(扇形歯車69の詳細構成)
図3および
図4(a)、(b)、(c)に示すように、扇形歯車69は、ケース3に形成された筒部37に嵌る軸部690と、軸部690に対してX方向の一方側に形成された
出力軸691とを有している。出力軸691は、相対向する位置に平坦部が形成されている一方、
図1および
図2を参照して説明したバッフル4の軸部46において、ケース3が位置する側には、出力軸691の断面形状に対応する開口部を有する凹部(図示せず)が形成されている。従って、出力軸691をバッフル4の軸部46に形成された凹部に嵌めれば、出力軸691の回転がバッフル4に伝達される。
【0041】
扇形歯車69において、軸部690と出力軸691との間には、軸部690および出力軸691より外径が大の円柱部692が形成されており、かかる円柱部692の外周側に形成された円弧部693の外周面に沿って複数の歯694が形成されている。本形態において、円弧部693の両端と円柱部692との間には補強板695が形成されている。
【0042】
ここで、扇形歯車69では、周方向で並ぶ複数の歯694のうち、矢印A2で示す方向の最も端に位置する歯694aは、隣に位置する歯694に比して軸線方向の寸法(歯幅)が狭くなっている。また、扇形歯車69では、周方向で並ぶ複数の歯694のうち、矢印B2で示す方向の最も端から第2番目および第3番目に位置する歯694bは、隣に位置する歯694に比して軸線方向の寸法(歯幅)が狭くなっている。
【0043】
かかる歯694a、694bのうち、歯694aの歯幅を狭くすることによって発生した空間は、駆動歯車68の第1円弧状外周部686が入り込んで、駆動歯車68との間に、後述する第1ロック機構81を構成する空間であり、歯694bの歯幅を狭くすることによって発生した空間は、駆動歯車68の第2円弧状外周部687が入り込んで、駆動歯車68との間に、後述する第2ロック機構82を構成する空間である。
【0044】
(第1ストッパ機構71および第1ロック機構81の構成)
本形態のダンパ装置1において、駆動歯車68が矢印B1で示す第1方向に回転すると、扇形歯車69が矢印B2で示す方向に回転し、バッフル4を閉方向に回転する。これに対して、駆動歯車68が矢印A1で示す第2方向に回転すると、扇形歯車69が矢印A2で示す方向に回転し、バッフル4を開方向に回転する。
【0045】
本形態では、駆動歯車68とケース3との間には、バッフル4を閉方向に回転させる際の駆動歯車68の第1回転方向(矢印B1で示す方向)への可動範囲を規定する第1ストッパ機構71が構成されている。また、駆動歯車68と扇形歯車69との間には、第1ストッパ機構71が作動した状態において、バッフル4が開方向に回転しようとする方向の扇形歯車69の回転(矢印A2で示す方向の回転)を阻止する第1ロック機構81が構成されている。
【0046】
具体的には、
図3、
図4および
図5に示すように、駆動歯車68が矢印B1で示す第1方向に回転すると、駆動歯車68の凸部689がケース3のストッパ用凸部39に当接し、駆動歯車68のこれ以上の回転が阻止される。このようにして、第1ストッパ機構71が構成されている。
【0047】
ここで、扇形歯車69では、複数の歯694のうち、矢印A2で示す方向の最も端に位置する歯694aの軸線方向の寸法を狭くした部分には、駆動歯車68の欠歯歯車682に対して第2方向(矢印A1方向)で隣り合う位置に欠歯歯車682の歯先円と同径かつ同心に形成した第1円弧状外周部686が入り込んで扇形歯車69が拘束され、扇形歯車69の矢印A2で示す方向の回転が阻止される。このようにして、第1ロック機構81が構成されている。
【0048】
(第2ストッパ機構72および第2ロック機構82の構成)
本形態では、駆動歯車68とケース3との間には、バッフル4を開方向に回転させる際
の駆動歯車68の第2回転方向(矢印A1で示す方向)への可動範囲を規定する第2ストッパ機構72が構成されている。また、駆動歯車68と扇形歯車69との間には、第2ストッパ機構72が作動する手前位置において、バッフル4を停止状態に拘束する第2ロック機構82が構成されている。
【0049】
具体的には、
図3、
図4および
図5に示す状態から、駆動歯車68が矢印A1で示す第2方向に回転すると、駆動歯車68の凸部688がケース3のストッパ用凸部39に当接し、駆動歯車68のこれ以上の回転が阻止される。このようにして、第2ストッパ機構72が構成されている。
【0050】
ここで、扇形歯車69では、複数の歯694のうち、矢印B2で示す方向の最も端から第2番目および第3番目に位置する歯694bの軸線方向の寸法を狭くした部分には、駆動歯車68の欠歯歯車682に対して第1方向(矢印B1方向)で隣り合う位置に欠歯歯車682の歯先円と同径かつ同心に形成した第2円弧状外周部687が入り込んで扇形歯車69が拘束され、扇形歯車69の矢印A2で示す方向および矢印B2で示す方向の回転が阻止される。このようにして、第2ストッパ機構72が作動する手前位置で、バッフル4を停止状態に拘束する第2ロック機構82が構成されている。
【0051】
(本形態の作用および主な効果)
以上説明したように、本形態のダンパ装置1において、駆動歯車68とケース3との間には、バッフル4を閉方向に回転させる際の駆動歯車68の第1回転方向(矢印B1で示す方向)への可動範囲を規定する第1ストッパ機構71が構成されている。このため、本形態では、第1ストッパ機構71が作動した位置を起点とし、開方向および閉方向のいずれの方向にバッフルを駆動するときでも、ステッピングモータ60に同一ステップ数分の駆動信号を供給する。このため、フレーム2の開口部210をバッフル4によって閉状態にする際、バッフル4がフレーム2に当接した状態からさらにバッフル4を閉方向に駆動しても、第1ストッパ機構71が作動する時点を起点にステップ数を設定しているため、ステッピングモータ60では脱調が発生しにくい。それ故、脱調が原因で輪列65の歯車同士が瞬間的に反転するという事態が発生しにくいので、歯同士の衝突に起因する異音の発生を抑制することができる。
【0052】
また、本形態では、バッフル4が開口部210を閉状態にした際にバッフル4においてフレーム2と接する部分は弾性部材49からなり、弾性部材49は、バッフル4が開口部210を閉状態
とした状態において、フレーム2と接することにより弾性変形している。従って、開口部210を確実に閉状態とすることができる。この場合、フレーム2の開口部210をバッフル4によって閉状態にする際、シール板部26が弾性部材49に入り込むため、バッフル4がフレーム2に当接した状態からさらにバッフル4を閉方向に駆動することになるが、このような構成であっても、本形態では、第1ストッパ機構71が作動する時点を起点にステップ数を設定しているため、シール板部26が弾性部材49に入り込む程度が第1ストッパ機構71によって規制されている。従って、ステッピングモータ60では脱調が発生しにくい。
【0053】
また、駆動歯車68と扇形歯車69との間には、第1ストッパ機構71が作動した状態において、バッフル4が開方向に回転しようとする方向の扇形歯車69の回転を阻止する第1ロック機構81が構成されている。このため、バッフル4が閉姿勢にある状態で、冷気の流体圧によってバッフル4が開方向に回転しようとする力が作用しても、扇形歯車69の回転は第1ロック機構81によって阻止される。このため、バッフル4が閉姿勢にある状態から変位しにくい。また、バッフル4が閉方向に回転しようとしても、扇形歯車69の回転は、第1ストッパ機構71によって駆動歯車68を介して阻止されている。従って、第1ロック機構81は、扇形歯車69の一方側の回転を阻止すればよい。従って、扇
形歯車69において周方向の最も端に位置する歯694aの軸線方向の寸法を狭くすればよいので、扇形歯車において第1ロック機構81を構成するための部分が狭く済む。それ故、扇形歯車69の小型化を図ることができる。
【0054】
また、バッフル4を開方向に回転させる際の駆動歯車68の第2回転方向への可動範囲を規定する第2ストッパ機構72が構成されており、バッフル4の可動範囲は、第1ストッパ機構71を起点とするステッピングモータ60でのステップ数によって、第1ストッパ機構71が作動する位置から第2ストッパ機構72が作動する手前位置までに設定されている。従って、バッフル4が開方向に暴走しようとした場合でも、かかるバッフル4の暴走を第2ストッパ機構72によって阻止することができる。また、通常時は、駆動歯車68の可動範囲は、第2ストッパ機構72が作動する手前位置に設定されているので、第2ストッパ機構72が作動してステッピングモータ60が脱調するという事態が発生しにくい。
【0055】
また、駆動歯車68と扇形歯車69との間には、第2ストッパ機構72が作動する手前位置において扇形歯車69を停止状態に保持する第2ロック機構82が構成されている。このため、開姿勢にあるバッフル4が流体圧を受けてばたつくことを抑制することができる。
【0056】
(その他の実施の形態)
なお、上記形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。例えば、上述した実施の形態におけるダンパ装置1は、冷蔵庫用であるが、必ずしも、冷蔵庫に用いられるダンパ装置に限定されるものではない。