特許第6355410号(P6355410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6355410充電回路、パワーマネージメント回路、およびそれを用いた電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355410
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】充電回路、パワーマネージメント回路、およびそれを用いた電子機器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
   H02J7/00 A
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-91617(P2014-91617)
(22)【出願日】2014年4月25日
(65)【公開番号】特開2015-211541(P2015-211541A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2017年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 和晃
【審査官】 高橋 優斗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−132183(JP,A)
【文献】 特開2013−021815(JP,A)
【文献】 特開2011−096238(JP,A)
【文献】 特開2012−196084(JP,A)
【文献】 特開2010−154692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/42−10/48,
H02J1/00−1/16,
H02J7/00−7/12,
H02J7/34−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DC電源からのDC電圧を受けるDC入力端子と、
二次電池が接続される電池端子と、
システム端子と、
前記DC入力端子とシステム端子の間に設けられる第1トランジスタと、
前記システム端子と前記電池端子の間に設けられる第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのオン、オフを制御するゲートコントローラと、
前記第2トランジスタのゲート電圧を制御することにより、前記二次電池の充電を制御する充電コントローラと、
前記DC入力端子および前記第1トランジスタを流れる入力電流を多段階で可変のしきい値電流と比較し、前記入力電流が前記しきい値電流に達すると、前記ゲートコントローラが生成する前記第1トランジスタのゲート電圧を、オン抵抗が増大するように変化させる過電流保護回路と、
前記DC入力端子の電圧を所定のしきい値電圧と比較し、前記DC入力端子の電圧が前記しきい値電圧を下回ると、前記過電流保護回路のしきい値電流を1ステップ低下させる低電圧検出回路と、
前記しきい値電流が最低値であるときに、前記DC入力端子の電圧が前記しきい値電圧を下回ると、前記DC電源が非接続状態と判定するDC電源検出部と、
を備えることを特徴とする充電回路。
【請求項2】
前記しきい値電圧は、前記二次電池の満充電電圧より低く設定されることを特徴とする請求項1に記載の充電回路。
【請求項3】
前記DC入力端子の電圧を低電圧ロックアウト用のしきい値電圧と比較する低電圧ロックアウト回路をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の充電回路。
【請求項4】
前記第2トランジスタは、Pチャンネルトランジスタであり、その第1電極が前記システム端子と接続され、その第2電極が前記電池端子と接続されており、そのバックゲートと第1電極の間に第1バックゲートスイッチ、そのバックゲートと第2電極の間に第2バックゲートスイッチを有し、
前記充電回路は、前記システム端子の電圧が前記電池端子の電圧より高いとき、前記第1バックゲートスイッチをオン、前記第2バックゲートスイッチをオフし、前記システム端子の電圧が前記電池端子の電圧より低いとき、前記第1バックゲートスイッチをオフ、前記第2バックゲートスイッチをオンするバックゲートコントローラをさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の充電回路。
【請求項5】
前記バックゲートコントローラは、前記システム端子の電圧と前記電池端子の電圧とを比較するコンパレータを含むことを特徴とする請求項4に記載の充電回路。
【請求項6】
前記コンパレータのオン、オフ状態を制御するコンパレータコントローラをさらに備え、
前記コンパレータコントローラは、前記DC電源検出部が、前記DC電源が非接続状態であると判定し、かつ前記電池端子の電圧が前記システム端子の電圧より高いときに、前記コンパレータをオフすることを特徴とする請求項5に記載の充電回路。
【請求項7】
ひとつの半導体基板に一体集積化されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の充電回路。
【請求項8】
DC電源が接続される外部電源端子と、
二次電池と、
プロセッサと、
請求項1から6のいずれかに記載の充電回路と、
前記充電回路のシステム端子の電圧を受け、少なくとも前記プロセッサに電源電圧を供給する電源回路と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項1から6のいずれかに記載の充電回路と、
前記システム端子の電圧を受け、複数の電源電圧を生成する電源回路と、
前記電源回路を制御するパワーマネージメントコントローラと、
を備えることを特徴とするパワーマネージメント回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を充電する充電回路に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ(PC)、携帯ゲーム機器、デジタルカメラなどの電池駆動型の電子機器は、2次電池と、2次電池を充電する充電回路と、を備える。
【0003】
図1は、本発明者が検討した電子機器の回路図である。電子機器1rは、充電回路10r、二次電池20、電源回路22、CPU24および複数の周辺回路26を備える。二次電池20は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などであり、電池電圧VBATを出力する。
【0004】
複数の周辺回路26は、メモリ(RAM:Random Access Memory)、ハードディスク、ディスプレイなどを含む。電子機器1rの外部電源(EXT)端子には、ACアダプタやUSBホストなどのDC電源2が着脱可能となっており、DC電圧VDCが供給される。
【0005】
充電回路10rは、EXT端子にDC電源2が接続されているときには、DC電圧VDCを受け、二次電池20を充電する。また充電回路10rは、電池電圧VBATあるいはDC電圧VDCのひとつを選択し、システム(SYS)端子からシステム電圧VSYSを出力する。
【0006】
電源回路22は、システム電圧VSYSを受け、それを昇圧または降圧して電源電圧VDDを生成し、負荷であるCPU24や周辺回路26に供給する。電源回路22は、DC/DCコンバータやチャージポンプ回路、リニアレギュレータ(LDO:Low Drop Output)などを含む。
【0007】
充電回路10rは、第1トランジスタM1、第2トランジスタM2、OVP(Over Voltage Protection)回路102、UVLO(Under Voltage Lock Out)回路104、ゲートコントローラ120、充電コントローラ122を備える。
【0008】
直流入力(DCIN)端子には、DC電源2からのDC電圧VDCが入力され、電池(BAT)端子には、二次電池20が接続される。第1トランジスタM1は、DCIN端子とSYS端子の間に設けられる。第1トランジスタM1は、逆直列接続された2個のNチャンネルMOSFETを含む。
【0009】
第2トランジスタM2は、SYS端子とBAT端子の間に設けられる。第2トランジスタM2のバックゲートと第1電極の間、バックゲートと第2電極の間には、バックゲートスイッチSW11、SW12が設けられる。
【0010】
DC電源2が接続されて正常なDC電圧VDCが供給されているときには、ゲートコントローラ120は、第1トランジスタM1をオンする。第1トランジスタM1がオンすると、SYS端子にはDC電圧VDCが現れる。
【0011】
DC電圧VDCが正常か否かは、OVP回路102、UVLO回路104により判定される。OVP回路102は、DC電圧VDCを過電圧保護用のしきい値VOVPと比較し、UVLO回路104は、DC電圧VDCを低電圧ロックアウト用のしきい値VUVLOと比較する。比較結果は、ゲートコントローラ120に入力される。
【0012】
正常なDC電圧VDCが供給されているとき、充電コントローラ122は二次電池20を充電する。具体的には、バックゲートスイッチSW11がオン、SW12がオフとなる。充電コントローラ122は、第2トランジスタM2のゲート電圧を調節し、CC(定電流)充電モードあるいはCV(定電圧)充電モードで二次電池20を充電する。
【0013】
DC電源2が接続されておらず、正常なDC電圧VDCが入力されない場合、バックゲートスイッチSW12がオン、SW11がオフとなる。また充電コントローラ122は第2トランジスタM2をフルオフする。これにより、電池電圧VBATがSYS端子を介して電源回路22に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2013−128338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明者は、図1の充電回路10rについて検討した結果、以下の課題を認識するに至った。
充電回路10rでは、DC電源2が接続されているか否かは、DCIN端子の電圧VDCINを監視し、所定のしきい値(たとえばVUVLO)を下回ると、DC電源2が接続されていないものと判定する。
【0016】
図2は、図1の充電回路10rの動作波形図である。初期状態においてDC電源2が接続され、VUVLO<VDC<VOVPを満たす正常なDC電圧VDCが供給されており、第1トランジスタM1はオンしている。このとき、DCIN端子とSYS端子の電圧は、いずれもDC電源2からの電圧VDCと等しい。
【0017】
時刻t0にDC電源2が取り外される。このときSYS端子は電池電圧VBATまで低下する。この時点ではDCIN端子とSYS端子の間は、オン状態の第1トランジスタM1によって接続されているため、DCIN端子の電位は、DC電源2が外されているにもかかわらず、電池電圧VBATまでしか低下しない。つまり、DCIN端子の電位はしきい値VUVLOを下回らないため、DC電源2が取り外されたことを直ちに検出することができない。やがて時刻t1に、放電によって電池電圧VBATがしきい値VUVLOまで低下するとようやくDC電源2が取り外されたものと判定され、第1トランジスタM1がオフとなる。
【0018】
つまり図1の充電回路10rでは、DC電源2が外されてから、取り外しが検出されるまでの期間t0〜t1、DCIN端子の電圧VDCINを監視する回路や、充電コントローラ122などを動作させ続ける必要があり、これにより二次電池20の電力が、充電回路10の内部で無駄に消費される。
【0019】
この問題を解決するために、しきい値VUVLOを、電池電圧VBATの典型値より高く設定する方法が考えられる。ところがこの場合、DC電源2の電流供給能力が小さい場合に、大きな電流IDCが流れると、DC電源2からのDC電圧VDCがドロップしてVUVLOを下回り、DC電源2が接続されているのにもかかわらず、取り外されたものと誤判定されるという別の問題が生ずる。
【0020】
なお図1の充電回路10rを公知技術と認定してはならず、またそこで生ずる上述の問題を当業者の一般的な認識としてとらえてはならない。
【0021】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、DC電源の着脱を短時間で検出可能な充電回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明のある態様は、充電回路に関する。充電回路は、DC電源からのDC電圧を受けるDC入力端子と、二次電池が接続される電池端子と、システム端子と、DC入力端子とシステム端子の間に設けられる第1トランジスタと、システム端子と電池端子の間に設けられる第2トランジスタと、第1トランジスタのオン、オフを制御するゲートコントローラと、第2トランジスタのゲート電圧を制御することにより、二次電池の充電を制御する充電コントローラと、DC入力端子および第1トランジスタを流れる入力電流を多段階で可変のしきい値電流と比較し、入力電流がしきい値電流に達すると、ゲートコントローラが生成する第1トランジスタのゲート電圧を、オン抵抗が増大するように変化させる過電流保護回路と、DC入力端子の電圧を所定のしきい値電圧と比較し、DC入力端子の電圧がしきい値電圧を下回ると、過電流保護回路のしきい値電流を1ステップ低下させる低電圧検出回路と、しきい値電流が最低値であるときに、DC入力端子の電圧がしきい値電圧を下回ると、DC電源が非接続状態と判定するDC電源検出部と、を備える。
【0023】
この態様によると、DC電源の電流容量不足によるDC入力端子の電圧の低下と、DC電源の取り外しによるDC入力端子の電圧の低下を区別することができ、DC電源の取り外しを確実に検出できる。
【0024】
しきい値電圧は、二次電池の満充電電圧より低く設定されてもよい。
【0025】
充電回路は、DC入力端子の電圧を低電圧ロックアウト用のしきい値電圧と比較する低電圧ロックアウト回路をさらに備えてもよい。
【0026】
第2トランジスタは、Pチャンネルトランジスタであり、その第1電極がシステム端子と接続され、その第2電極が電池端子と接続されており、そのバックゲートと第1電極の間に第1バックゲートスイッチ、そのバックゲートと第2電極の間に第2バックゲートスイッチを有してもよい。充電回路は、システム端子の電圧が電池端子の電圧より高いとき、第1バックゲートスイッチをオン、第2バックゲートスイッチをオフし、システム端子の電圧が電池端子の電圧より低いとき、第1バックゲートスイッチをオフ、第2バックゲートスイッチをオンするバックゲートコントローラをさらに備えてもよい。
【0027】
バックゲートコントローラは、システム端子の電圧と電池端子の電圧とを比較するコンパレータを含んでもよい。
【0028】
充電回路は、コンパレータのオン、オフ状態を制御するコンパレータコントローラをさらに備えてもよい。コンパレータコントローラは、DC電源検出部が、DC電源が非接続状態であると判定し、かつ電池端子の電圧がシステム端子の電圧より高いときに、コンパレータをオフしてもよい。
これにより、DC電源が取り外された直後に、第2トランジスタおよびそのボディダイオードにラッシュ電流が流れるのを防止できる。
【0029】
本発明の別の態様も、充電回路である。この充電回路は、DC電源からのDC電圧を受けるDC入力端子と、二次電池が接続される電池端子と、システム端子と、DC入力端子とシステム端子の間に設けられる第1トランジスタと、その第1電極がシステム端子と接続され、その第2電極が電池端子と接続されており、そのバックゲートと第1電極の間に第1バックゲートスイッチ、そのバックゲートと第2電極の間に第2バックゲートスイッチを有する第2トランジスタと、第1トランジスタのオン、オフを制御するゲートコントローラと、第2トランジスタのゲート電圧を制御することにより、二次電池の充電を制御する充電コントローラと、DC電源の接続の有無を検出するDC電源検出部と、システム端子の電圧と電池端子の電圧とを比較するコンパレータを含み、システム端子の電圧が電池端子の電圧より高いとき、第1バックゲートスイッチをオン、第2バックゲートスイッチをオフし、システム端子の電圧が電池端子の電圧より低いとき、第1バックゲートスイッチをオフ、第2バックゲートスイッチをオンするバックゲートコントローラと、DC電源検出部がDC電源が非接続状態であると判定し、かつ電池端子の電圧がシステム端子の電圧より高いときに、コンパレータをオフするコンパレータコントローラと、を備える。
【0030】
この態様によると、DC電源が取り外された直後に、第2トランジスタおよびそのボディダイオードにラッシュ電流が流れるのを防止できる。
【0031】
充電回路は、ひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
【0032】
本発明の別の態様は、電子機器に関する。電子機器は、DC電源が接続される外部電源端子と、二次電池と、プロセッサと、上述のいずれかの充電回路と、充電回路のシステム端子の電圧を受け、少なくともプロセッサに電源電圧を供給する電源回路と、を備える。
【0033】
本発明の別の態様は、パワーマネージメント回路に関する。パワーマネージメント回路は、上述のいずれかの充電回路と、充電回路のシステム端子の電圧を受け、複数の電源電圧を生成する電源回路と、電源回路を制御するパワーマネージメントコントローラと、を備える。
【0034】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0035】
本発明のある態様によれば、DC電源の着脱を短時間で検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明者が検討した電子機器の回路図である。
図2図1の充電回路の動作波形図である。
図3】第1の実施の形態に係る充電回路を備える電子機器の回路図である。
図4】DC電源が取り外されたときの図3の充電回路の動作波形図である。
図5】電流容量が小さいDC電源が接続されたときの図3の充電回路の動作波形図である。
図6】充電回路の基本動作を説明する図である。
図7】第2の実施の形態に係る充電回路の回路図である。
図8図8(a)は、図7の充電回路の動作波形図であり、図8(b)は、図6の充電回路の動作波形図である。
図9】パワーマネージメントICを備える電子機器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0038】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。また、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0039】
(第1の実施の形態)
図3は、第1の実施の形態に係る充電回路10を備える電子機器1の回路図である。充電回路10の周辺回路については図1と同じであるため説明を省略する。
【0040】
充電回路10は、第1トランジスタM1、第2トランジスタM2、ゲートコントローラ120、充電コントローラ122、OVP回路102、UVLO回路104、OCP回路106、低電圧検出回路108、DC電源検出部110を備える。
【0041】
充電回路10のDCIN端子には、DC電源2からのDC電圧VDCが入力される。BAT端子には二次電池20が接続され、SYS端子には電源回路22が接続される。
【0042】
電源回路22は、複数の電源電圧VDDを生成し、負荷であるCPU24、周辺回路26に供給する。電子機器1を正常に起動・停止するためには、CPU24や周辺回路26に対する電源電圧VDDを所定のシーケンスにしたがって生成、停止する必要があり、そのためにパワーマネージメント(PM)コントローラ28が搭載される場合がある。電源回路22は、PMコントローラ28を内蔵してもよい。
【0043】
第1トランジスタM1はDCIN端子とSYS端子の間に設けられる。ゲートコントローラ120は、第1トランジスタM1のオン、オフを制御する。ゲートコントローラ120は、正常なDC電圧VDCが供給されているとき、つまり第1トランジスタM1をオンすべき期間において、第1トランジスタM1をフルオンしてもよい。
【0044】
あるいはゲートコントローラ120は、SYS端子の電圧(システム電圧)VSYSが所定の目標電圧に近づくように、第1トランジスタM1のゲート電圧VG1を調節可能に構成されてもよい。つまりゲートコントローラ120および第1トランジスタM1は、リニアレギュレータを構成してもよい。
【0045】
第2トランジスタM2は、SYS端子とBAT端子の間に設けられる。充電コントローラ122は、第2トランジスタM2のゲート電圧VG2を制御することにより、二次電池20の充電を制御する。
【0046】
OCP回路106は、DCIN端子および第1トランジスタM1を流れる入力電流IDCを、多段階で可変のしきい値電流IOCPと比較する。そしてOCP回路106は、入力電流IDCがしきい値電流IOCPに達すると、過電流状態と判定し、ゲートコントローラ120が生成する第1トランジスタM1のゲート電圧VG1を、そのオン抵抗が増大するように変化させる。つまり正常状態では、第1トランジスタM1をフルオンさせるために、ゲート電圧VG1を最大値に設定される。過電流状態が検出されると、ゲート電圧VG1を低下させ、入力電流IDCが小さくなるように第1トランジスタM1のオン抵抗を増大させる。
【0047】
低電圧検出回路108は、DCIN端子の電圧VDCINを所定のしきい値電圧VLOWと比較し、DCIN端子の電圧VDCINがしきい値電圧VLOWを下回ると、低電圧検出信号S1をアサート(たとえばハイレベル)する。これを受けてOCP回路106は、しきい値電流IOCPを1ステップ低下させる。しきい値電圧VLOWは、二次電池20の満充電電圧VFULLより低く設定される。
【0048】
DC電源検出部110は、しきい値電流IOCPが最低値MINまで低下した状態において、DCIN端子の電圧VDCINがしきい値電圧VLOWを下回ると、DC電源2が非接続状態であるものと判定する。
【0049】
OVP回路102は、DCIN端子の電圧VDCINを過電圧保護用のしきい値電圧VOVPと比較する。過電圧状態(VDC>VOVP)が検出されると、ゲートコントローラ120は第1トランジスタM1をオフする。
【0050】
UVLO回路104は、DCIN端子の電圧VDCINを低電圧ロックアウト用のしきい値電圧VUVLOと比較する。低電圧ロックアウト状態(VDC<VUVLO)が検出されると、ゲートコントローラ120は第1トランジスタM1をオフする。
【0051】
以上が充電回路10の構成である。続いてその動作を、(i)DC電源2が取り外された状態と、(ii)電流容量が小さいDC電源2が接続された状態と、について説明する。
【0052】
(i)DC電源2が取り外された状態
図4は、DC電源2が取り外されたときの図3の充電回路10の動作波形図である。初期状態において、DC電源2が接続され、VUVLO<VDC<VOVPを満たす正常なDC電圧VDCが供給されている。このときゲートコントローラ120は、第1トランジスタM1をフルオンしうるゲート電圧VG1(=V)を生成する。このとき、DCIN端子とSYS端子の電圧は、いずれもDC電源2からの電圧VDCと等しい。
【0053】
時刻t0にDC電源2が取り外される。このときSYS端子は電池電圧VBATまで低下する。この時点ではDCIN端子とSYS端子の間は、オン状態の第1トランジスタM1によって接続されているため、DCIN端子の電位は、電池電圧VBATまで低下する。
【0054】
DCIN端子の電圧VDCINは、しきい値電圧VLOWより低くなるため、低電圧検出回路108によって低電圧検出信号S1がアサートされる。低電圧検出信号S1がアサートされると、OCP回路106は、過電流しきい値IOCPを初期値(最大値MAX)から1ステップ低下させる。
【0055】
DC電源2が取り外された状態では、入力電流IDCは実質的にゼロとなるため、IDC<IOCPであるため、過電流保護はかからない。つまり、ゲートコントローラ120が生成するゲート電圧VG1は最大値を維持し、第1トランジスタM1はフルオンし続ける。
【0056】
時刻t1においても、DCIN端子の電圧VDCINはしきい値電圧VLOWより低いため、低電圧検出信号S1はハイレベル(アサート)を維持する。そしてOCP回路106のしきい値電流IOCPはさらに1ステップ低下する。この動作を繰り返すことで、しきい値電流IOCPは最小値まで低下する(時刻t2)。
【0057】
そして、しきい値電流IOCPが最低値MINまで低下した状態において、DCIN端子の電圧VDCINがしきい値電圧VLOWを下回ると、DC電源検出部110は、DC電源2が非接続状態であるものと判定し、取り外し検出信号S2をアサートする。取り外し検出信号S2がアサートされると、ゲートコントローラ120は第1トランジスタM1のゲート電圧VG1を低下させ、第1トランジスタM1をオフする。
【0058】
(ii)電流容量が小さいDC電源2が接続された状態
図5は、電流容量が小さいDC電源2が接続されたときの図3の充電回路10の動作波形図である。
初期状態において、DC電源2が接続されている。入力電流IDCは、DC電源2の電流容量より小さなIであり、VUVLO<VDC<VOVPを満たす正常なDC電圧VDCが供給されている。このときゲートコントローラ120は、第1トランジスタM1をフルオンしうるゲート電圧VG1(=V)を生成しており、DCIN端子とSYS端子の電圧は、いずれもDC電源2からの電圧VDCと等しい。
【0059】
時刻t0に、DC電源2の負荷電流、すなわち入力電流IDCが増大し、DC電源2の電流容量を超えると、直流電圧VDCがドロップする。そしてDCIN端子の電圧VDCINが、しきい値電圧VLOWより低くなると、低電圧検出回路108によって低電圧検出信号S1がアサートされる。低電圧検出信号S1がアサートされると、OCP回路106は、過電流しきい値IOCPを初期値(最大値MAX)から1ステップ低下させる。
【0060】
時刻t1においても、DCIN端子の電圧VDCINはしきい値電圧VLOWより低いため、低電圧検出信号S1はアサートされ続ける。その結果、OCP回路106は、過電流しきい値IOCPをさらに1ステップ低下させる。
【0061】
時刻t1に過電流しきい値IOCPが低下すると、入力電流IDCが過電流しきい値IOCPを超えることとなり、過電流検出信号S3がアサートされる。過電流検出信号S3がアサートされると、ゲートコントローラ120は、第1トランジスタM1のゲート電圧VG1を低下させ、第1トランジスタM1のオン抵抗を増大させる。これにより電流制限がかかり、入力電流IDCが減少する。入力電流IDCの減少により、DC電圧VDCはわずかに増大する。
【0062】
時刻t2においても、DCIN端子の電圧VDCINは、しきい値電圧VLOWより低いため、低電圧検出信号S1のアサートは維持され、過電流しきい値IOCPはさらに1ステップ低下する。このときIDC>IOCPであるため、過電流検出信号S3のアサートも維持され、第1トランジスタM1のゲート電圧VG1がさらに低下し、より強い電流制限がかかる。
【0063】
電流制限の結果、入力電流IDCが減少して、DCIN端子の電圧VDCINはさらに増大する。時刻t3に、DCIN端子の電圧VDCINがしきい値VLOWを超えると、低電圧検出信号S1がネゲートされる。このときIDC<IOCPであるため、過電流検出信号S3はネゲートされ、過電流しきい値IOCPは最小値MINまで到達しない。したがって取り外し検出信号S2はアサートされることはない。
【0064】
以上が充電回路10の動作である。
【0065】
この充電回路10によれば、図4を参照して説明したように、DC電源2が外されたことを、二次電池20の放電をまたずに、短時間で確実に検出することができる。
また、DC電源2の取り外しが検出されると直ちに、充電コントローラ122、低電圧検出回路108、DC電源検出部110、OCP回路106等を停止できるため、二次電池20の電力が無駄に消費されるのを防止できる。
【0066】
また、DC電源2が取り外されたことによるDCIN端子の電圧VDCINの低下と、入力電流IDCの増大にともなうDC電圧VDCのドロップに起因するDCIN端子の電圧VDCINの低下と、を区別することができる。これにより、回路の安定動作が保証される。
【0067】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と組み合わせて、あるいはそれとは別に利用可能な充電回路10について説明する。
【0068】
上述のように、充電回路10においては、DC電源2の有無に応じて、第1トランジスタM1と第2トランジスタM2のオン、オフ、ならびに第2トランジスタM2のバックゲートスイッチSW11、SW12を制御する。第2の実施の形態では、これらの制御に関する問題点を解決する。
【0069】
はじめに充電回路10において生じうる問題点を図6を参照して説明する。図6は、充電回路10の基本動作を説明する図である。
【0070】
DC電源検出部110は、DC電源2の接続の有無を検出する。検出結果は、ゲートコントローラ120、充電コントローラ122、バックゲートコントローラ130に送られる。ゲートコントローラ120、充電コントローラ122、バックゲートコントローラ130の動作は以下の通りである。
【0071】
(1)DC電源2が接続されているとき
ゲートコントローラ120は、第1トランジスタM1をオンする。充電コントローラ122は、第2トランジスタM2のゲート電圧を調節し、DC電源2からの電圧VDCによって二次電池20を充電する。バックゲートコントローラ130は、システム電圧VSYSと電池電圧VBATの大小関係に応じて、VSYS>VBATのとき、第1バックゲートスイッチSW11をオン、第2バックゲートスイッチSW12をオフし、VSYS<VBATのとき、バックゲートスイッチSW11をオフ、SW12をオンする。
【0072】
(2)DC電源2が接続されていないとき
ゲートコントローラ120は、第1トランジスタM1をオフする。充電コントローラ122は、第2トランジスタM2のゲート電圧を接地電圧(0V)として第2トランジスタM2をフルオンさせる。バックゲートコントローラ130は、バックゲートスイッチSW11をオフ、SW12をオンする。
【0073】
この動作は、DC電源2の取り外しが検出されると、DC電源検出部110、充電コントローラ122、コンパレータ132をオフすることで実現できる。
【0074】
コンパレータ132がオフすることで、その出力はローレベル(接地電圧)となる。このときバックゲートスイッチSW12はPチャンネルMOSFETであり、オンとなる。PチャンネルMOSFETであるバックゲートスイッチSW11のゲートには、インバータ134からハイレベル電圧が入力され、オフする。
【0075】
また充電コントローラ122がオフすることでその出力、つまり第2トランジスタM2のゲート電圧は接地電圧(0V)となる。第2トランジスタM2のバックゲートがBAT端子側に接続されることにより、第2トランジスタM2はフルオンとなる。
【0076】
以上が充電回路10の基本動作である。この構成では、DC電源2が接続されていないときに、DC電源検出部110、充電コントローラ122、バックゲートコントローラ130をオフすることにより、二次電池20の無駄な電力消費を抑えることができ、二次電池20の持続時間を伸ばすことができる。ところが、この充電回路10では、以下の問題が生じうる。
【0077】
二次電池20の電圧VBATが低い深放電状態でDC電源2が外されたとする。VSYS>VBATの状態で、第2トランジスタM2がフルオンすると、SYS端子からBAT端子に向かってラッシュ電流IRUSHが流れる。またこのとき、第2トランジスタM2のバックゲートはBAT端子側と接続されているため、第2トランジスタM2のボディダイオードBD1にも、過電流が流れることとなる。
【0078】
したがって過電流が流れても信頼性が確保されるように、トランジスタサイズを大きくし、またボディダイオードBD1と接続される配線幅を十分に太く設計する必要があり、回路面積が大きくなるという問題があった。
【0079】
第2の実施の形態はかかる課題に鑑みてなされたものであり、DC電源2が外されたときのラッシュ電流を抑制可能な充電回路10の提供を目的とする。
【0080】
図7は、第2の実施の形態に係る充電回路10aの回路図である。充電回路10aは、図6の充電回路10に加えて、コンパレータコントローラ140をさらに備える。
【0081】
ゲートコントローラ120、充電コントローラ122は、DC電源検出部110によりDC電源2の取り外しが検出される、取り外し検出信号S2がアサートされるとオフ状態となる。これは図6のそれと同様である。
【0082】
コンパレータコントローラ140は、取り外し検出信号S2およびバックゲートコントローラ130による比較結果に応じた信号(比較信号)S4を受け、それらに応じてコンパレータ132のオン、オフを制御する。コンパレータ132のオン、オフはイネーブル信号ENに応じて制御され、たとえばイネーブル信号ENがハイレベルのときコンパレータ132はオンされ、ローレベルのときオフされる。
【0083】
コンパレータコントローラ140は、取り外し検出信号S2がアサートされ、かつ、比較信号S4がVSYS<VBATを示すときに、コンパレータコントローラ140をオフする。つまりコンパレータコントローラ140は、取り外し検出信号S2がアサートされた後、直ちにコンパレータ132をオフせず、VSYS>VBATの間は、コンパレータコントローラ140を動作させ続ける。
【0084】
以上が充電回路10aの構成である。続いてその動作を説明する。
図8(a)は、図7の充電回路10aの動作波形図であり、図8(b)は、図6の充電回路10の動作波形図である。トランジスタおよびスイッチを示す信号は、ローレベルがオフ、ハイレベルがオンに対応する。充電回路10aの利点を明確化するため、図8(b)を参照して図6の充電回路10の動作を再度説明する。
【0085】
時刻t0より前は、DC電源2が接続されている。VDC≒VSYS>VBATであるから、バックゲートコントローラ130によってバックゲートスイッチSW11がオン、SW12がオフされる。第2トランジスタM2はオフしており、あるいは二次電池20を充電するためにゲート電圧が調節されている。
【0086】
時刻t0にDC電源2が取り外され、取り外し検出信号S2がアサートされると直ちに、第1トランジスタM1がオフし、また第2トランジスタM2のゲート電圧VG2が接地電圧となる。さらにコンパレータ132が停止することにより、バックゲートスイッチSW11がオフ、SW12がオンとなる。これにより第2トランジスタM2がフルオンし、ラッシュ電流IRUSHが流れる。
【0087】
続いて図8(a)を参照して、図7の充電回路10aの動作を説明する。
時刻t0より前は、図8(b)と同様である。時刻t0に取り外し検出信号S2がアサートされると、第1トランジスタM1がオフされる。比較信号S4が、VSYS>VBATを示すレベル(ここではローレベル)である間、第2トランジスタM2は直ちにフルオンされることなく、それより前の状態を維持する。
【0088】
比較信号S4は、VSYS>VBATを示すレベル(ここではローレベル)であるから、イネーブル信号ENはハイレベル(アサート)を維持し、したがってバックゲートコントローラ130のコンパレータ132は動作し続け、VSYS>VBATである期間t0〜t1、バックゲートスイッチSW11がオン、SW12がオフとなる。
【0089】
時刻t2にVSYS<VBATとなると、バックゲートコントローラ130は、バックゲートスイッチSW11をオフ、SW12をオンに切りかえる。また第2トランジスタM2のゲート電圧VG2が接地電圧となり、第2トランジスタM2がフルオンとなる。
【0090】
時刻t2に、比較信号S4がVSYS<VBATを示すレベル(ここではハイレベル)に遷移し、イネーブル信号ENがローレベル(ネゲート)となり、コンパレータ132が停止する。
【0091】
以上が充電回路10aの動作である。
この充電回路10aによれば、コンパレータコントローラ140を設け、DC電源2が取り外された後も、VSYS>VBATの間は、バックゲートコントローラ130の機能である電圧比較にもとづくバックゲート制御を有効とすることにより、ラッシュ電流を抑制できる。
【0092】
またVSYS<VBATとなりラッシュ電流のおそれが無くなると、コンパレータ132をオフすることで、図6と同程度に消費電力を低減できる。
【0093】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0094】
(第1変形例)
第2の実施の形態において、図7のDC電源検出部110としては、第1の実施の形態で説明したDC電源の取り外し検出技術、すなわち図3の低電圧検出回路108、OCP回路106、DC電源検出部110の組み合わせを用いてもよい。あるいは、図1を参照して説明したように、DCIN端子の電圧VDCINとしきい値電圧VUVLOとの比較結果にもとづいて、DC電源2の取り外しを検出してもよい。
【0095】
(第2変形例)
実施の形態では、充電回路10と電源回路22が別のICである場合を説明したが、それらを一体化してもよい。
また、電子機器1を正常に起動・停止するためには、CPU24や周辺回路26に対する電源電圧VDDを所定のシーケンスにしたがって生成、停止する必要があり、そのためにパワーマネージメントコントローラが搭載される場合がある。そこで充電回路10と電源回路22と、パワーマネージメント(PM)コントローラを、ひとつのIC(PMICという)に集積化してもよい。
【0096】
(用途)
最後に、充電回路10の用途を説明する。図9は、PMIC40を備える電子機器500の斜視図である。電子機器500はたとえばタブレット端末やスマートホンである。筐体520には、CPU24、RAM、HDDなどの周辺回路26、二次電池20、およびPMIC40が内蔵される。PMIC40は、CPU24やRAM、HDDに加えて、ディスプレイパネル510や、そのドライバ、オーディオ回路などに電源電圧を供給してもよい。なお電子機器500は、ノートPCやコンソールゲーム機器、ポータブルゲーム機器、ウェアラブルPC、ポータブルオーディオプレイヤ、デジタルカメラなどであってもよい。PMIC40に代えて、充電回路10と電源回路22が別の部品として搭載されてもよい。
【0097】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0098】
1…電子機器、2…DC電源、10…充電回路、20…二次電池、22…電源回路、24…CPU、26…周辺回路、28…PMコントローラ、40…PMIC、M1…第1トランジスタ、M2…第2トランジスタ、102…OVP回路、104…UVLO回路、106…OCP回路、108…低電圧検出回路、110…DC電源検出部、120…ゲートコントローラ、122…充電コントローラ、130…バックゲートコントローラ、132…コンパレータ、134…インバータ、140…コンパレータコントローラ、S1…低電圧検出信号、S2…取り外し検出信号、S3…過電流検出信号、S4…比較信号。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9