(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各々の風力発電ユニットは、前記振動感知センサにより測定された振動の程度によって風力発電ユニットのブレードの回転速度を個別制御する制御部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のウィンドファーム。
相互の間の渦流干渉を避けるために、横(左右)方向または縦(前後)方向に一定距離離隔配置された少なくとも2個の第1の風力発電ユニットのブレードを同一の第1方向に回転させて、
前記第1の風力発電ユニットの中において隣接する2個の第1の風力発電ユニットの間に配置された第2の風力発電ユニットのブレードを前記第1の風力発電ユニットの回転方向と反対の第2方向に回転させて、
第1の風力発電ユニットと第2の風力発電ユニットを反対方向にブレードが回転することにより各々のブレードから発生する横(左右)方向または縦(前後)方向の渦流の影響を減少させ、
ウィンドファーム周りの平均風速及び風向を測定する基準風速及び風向測定段階と、
前記各々の風力発電ユニットに設置された渦流感知センサから渦流の強度及び方向を測定する渦流測定段階と、
前記平均風速及び風向と前記渦流の強度及び方向のベクトル値を合算して各風力発電ユニットの入射風を予測する入射風予測段階と、
前記予測された入射風の強度及び方向に基づいて各風力発電ユニットを制御するユニット制御段階と、をさらに含み、
前記基準風速及び風向測定段階は、前記ウィンドファーム周りの平均風速及び風向を測定する段階であり、平均風速及び風向は、ウィンドファーム全体の平均風速を測定するか、制御対象に該当するユニットを含む一定面積単位における平均風速及び風向を測定し、
前記渦流測定段階は、前記各々の風力発電ユニットに設置された渦流感知センサから渦流の強度及び方向を測定し、
前記入射風予測段階は、前記基準風速及び風向測定段階において測定さ
れた平均風速及び風向と前記渦流の強度及び方向のベクトル値を合算して各風力発電ユニットの入射風を予測し、
前記予測された入射風の強度及び方向に基づいて各風力発電ユニットを制御するユニット制御段階を含み、
前記ユニット制御段階は、前記入射風の風向変化が発生する場合、
多数の水平軸の風力発電ユニットが配置されたウィンドファームにおいて、
風向の変化に従ってローターの左右角度を調節するヨー制御(Yaw Control)を通じて各風力発電ユニット間の流動干渉が最小化できるナセルのヨー制御を行い、前記入射風の風速変化が発生する場合、ブレードのピッチを制御すること、
を特徴とするウィンドファームの制御方法。
【背景技術】
【0002】
風力発電は、風の運動エネルギーをブレードの回転エネルギーに転換させて、最終的にナセル内部の発電器を駆動させて電気を生産する発電設備である。
【0003】
一般的に、ウィンドファームの場合、
図1に示したとおり、時計方向に回転する複数個の風力発電ユニットを含み、相互間の干渉を回避するために相互間に十分な距離を確保して配置される。したがって、数十、数百機の風力発電ユニットを含むウィンドファームの造成において最優先の課題は、十分な土地を確保することである。
【0004】
一方、単位面積当たりの発電容量を高めるために、風力発電ユニット間の間隔を狭めることができるが、この場合、各風力発電ユニットのブレード回転によって発生する渦流干渉によりブレードに振動が発生するようになる。このような振動の影響により風力発電器の寿命が短縮されるので、現実的に風力発電ユニット間の間隔を狭めることには限界が存在する。
【0005】
より具体的には、
図2に示したとおり、縦(前後)方向に隣接する発電ユニットの間には、ブレードを通過した風がブレードと衝突しながらブレード回転方向と反対方向に進行する後方渦流が発生する。すなわち、
図2を参照すれば、A1の場合、ブレードが時計方向に回転することによって反時計方向への後方渦流が発生してB2に伝達される。
【0006】
図3は、このような後方渦流の影響をより具体的に示した概念図である。
図3に示したとおり、A1、B1、C1の風力発電ユニットは、全て縦(前後)方向に配置され、全て同一の時計方向(第1の方向)に回転している。この場合、縦(前後)方向の全てのユニットは、反時計方向への後方渦流が発生し、A1からB1、C1側に行くほど後方渦流が重畳されて漸進的に増幅されることを確認できる。このように、従来のウィンドファームにおいては、縦(前後)方向の後方渦流の影響を回避するために上述のように十分な距離を置いて風力発電ユニットを縦(前後)方向に配置するようになる。
【0007】
一方、横(左右)方向に隣接する発電ユニットの間には、各発電ユニットのブレードの回転により発生する遠心力による渦流が問題になる。すなわち、
図4を参照すれば、A1の右側の場合、下方に向ける渦流が発生し、A1の左側の場合、上方に向ける渦流が発生する。このような渦流が衝突しながら各ブレードの振動を発生させる。
【0008】
より具体的には、従来の多数の風力発電ユニットを配置する場合、前方に配置された風力発電ユニットが発生させた後流による後方に配置された風力発電ユニットの効率減少を最小化するためには、約7倍のローター(Rotor)直径相当の縦(前後)方向間隔を維持する必要があり、左右に配置された風力発電ユニットが発生させた渦干渉(Vortex interaction)による風力発電ユニットの効率減少を最小化するためには、約3倍のローター直径相当の横(左右)方向間隔を維持する必要があったので、風力発電ユニットの集積度を高めることに限界が存在した。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳しく説明する。
【0022】
図6以降の図面は、本発明によるウィンドファームの配置構造を示す。添付図面において、A乃至Cのアルファベットは、列を示し、1乃至3などの数字は、行を示す。
【0023】
一方、アルファベットの上の添字「’」は、該当ユニットの縦(前後)方向に隣接して反対方向に駆動する風力発電ユニットを示し、数字の上の添字「’」は、該当ユニットの横(左右)方向に隣接して反対方向に駆動するユニットを示す。
【0024】
すなわち、A1を基準としてA’1は、縦(前後)方向に隣接して反対方向に回転するユニットを示し、A1’は、横(左右)方向に隣接して反対方向に回転するユニットを示す。一方、A’1’は反対方向が二回重複されるので、A1と同一の第1の方向に回転する。
【0025】
本発明によるウィンドファームは、基本的に一定距離離隔配置され、ブレードが同一の第1の方向に回転する少なくとも2個の第1の風力発電ユニットを含む。
【0026】
また、空間効率を高めると同時に相互間の渦流の重畳及び干渉を最小化するために、前記第1の風力発電ユニットの中において隣接する2個の第1の風力発電ユニットの間に、ブレードが前記第1の風力発電ユニットの回転方向と反対の第2の方向に回転する第2の風力発電ユニットを配置する。
【0027】
同一の方向に回転するユニットを追加して配置する場合、渦流の重畳と干渉により過度な振動が発生して風力発電ユニットの寿命を大きく短縮させる恐れがあるが、本発明による実施例は、反対方向に回転するユニットを追加して配置することにより、このような渦流の重畳を相殺し、干渉を最小化させて空間活用を高めると同時に振動によるユニット寿命短縮を減少させる。
【0028】
すなわち、第1の風力発電ユニットと第2の風力発電ユニットは、隣接配置されながら相互反対方向にブレードが回転することにより、各々のブレードから発生する渦流の影響を減少させる。
【0029】
上述した第2の風力発電ユニットは、前記第1の風力発電ユニットと縦(前後)方向及び/または横(左右)方向に隣接して配置する。以下、各々の場合に対してより詳しく説明する。
【0030】
図6は、縦(前後)方向への配置関係を示す。
図6に示したとおり、前記第1の風力発電ユニットは、縦(前後)方向に一定距離離隔配置され、前記第2の風力発電ユニットは、前記縦(前後)方向の間に配置される。
図6を参照すれば、第1の風力発電ユニットに該当するA1、B1、C1の間に第2の風力発電ユニットに該当するA’1とB’1が追加に配置される。
【0031】
これによって、縦(前後)方向に隣接する第1の風力発電ユニット間の空間を活用すると同時に隣接するユニット間の縦(前後)方向渦流の影響を減少させる。場合によっては、A’1を配置するためにA1とB1との間の間隔を一定程度広げることもでき、結果的には、各ユニット間の縦(前後)方向の間隔は狭くなって空間の活用度が増加する。
【0032】
図7を参照して縦(前後)方向渦流による干渉の減少側面について説明する。A1の後方においては時計方向に回転するブレードとの流動の反作用によって反時計方向に渦を形成する渦流が発生する。このような渦流は、後方のA’1に伝達され、A’1は、ブレードが反時計方向に回転して反対に時計方向に渦流を発生させる。
したがって、上述したA1による反時計方向の渦流とA’1による時計方向の渦流は相殺されて、B1に伝達される際はその影響が大きくないことが分かる。
【0033】
従来の場合、
図3に示したとおり、A1、B1、C1の風力発電ユニットが縦(前後)方向に配置される場合、全て同一の時計方向(第1の方向)に回転している。この場合、縦(前後)方向の全てのユニットから、反時計方向への後方渦流が発生し、A1からB1、C1側に行くほど後方渦流が重畳されて漸進的に増幅されることを確認できる。したがって、このように渦流の影響が重畳されて縦(前後)方向の風力発電ユニットを密接させることに限界が存在した。
【0034】
本発明の場合、時計方向に回転するA1の後方に反時計方向に回転するA’1を配置することにより、上述した渦流の重畳による影響を最小化しながらユニットの密集度を一層向上できる。
【0035】
図7(b)は、このような縦(前後)方向風力発電ユニットの配置を横(左右)方向に拡張した図である。
図7(b)1行と2行の場合、縦(前後)方向へは、上述のように渦流の重畳を相殺させて、B1及びB2の場合、縦(前後)方向渦流の重畳が相殺されことによって横(左右)方向への渦流の影響も減少されることを確認できる。
【0036】
しかし、A’1及びA’2の場合、横(左右)方向へは、同一の方向に回転するので、横(左右)方向渦流の干渉の問題が存在する。B1及びB2の場合も横(左右)方向渦流の干渉が減少されたとは見られるが、一部存在するようになる。したがって、以下、このような問題を解消するための横(左右)方向配置構造に対して説明する。
【0037】
図8(b)及び
図8(c)は、横(左右)方向に隣接配置された第2の風力発電ユニットと第1の風力発電ユニットを示した抜粋図である。
【0038】
図8(b)に示したとおり、まず、前記第1の風力発電ユニットは、横(左右)方向に一定距離離隔配置される。そして、前記第2の風力発電ユニットは、前記横(左右)方向の間の中間の一地点に配置される。
【0039】
図8(b)において、前記第1の風力発電ユニットは、A1、A2に該当して
図8(a)のA1とA2の間に第2の風力発電ユニットA1’が配置された。このように隣接する第1の風力発電ユニットの間の空間を活用すると同時に隣接するユニットの間の横(左右)方向渦流の影響を減少できる。場合によっては、A1’を配置するためにA1とA2と間の間隔を一定程度広げることもでき、結果的には、各ユニット間の間隔は狭くなって空間の活用度が増加する。
【0040】
渦流による干渉の減少側面から見れば、
図8(b)において、A1とA1’間の空間においては、A1及びA1’が全てブレードから発生する慣性による渦流が全て下方の同一方向に向くことを予想できる。これはA1とA1’が反対方向に回転することにより行われる。
【0041】
従来の場合、全て同一方向に回転するので、隣接した風力発電ユニットの間において反対方向の渦流が発生するようになって、
図1に示したとおり、風力発電ユニットを一定間隔以上離隔させる必要があったので、ユニットの密着に限界が存在した。
【0042】
一方、
図8(b)の配置を横(左右)方向に拡張して説明すれば、
図8(c)に示したとおり、第1の風力発電ユニットと第2の風力発電ユニットは、少なくとも1機ずつ複数個が配置され、横(左右)方向に交互に配置する。横(左右)方向にA1、A2、A3の第1の風力発電ユニットが配置され、第1の風力発電ユニットに該当するA1とA2との間に第2の風力発電ユニットA1’が配置され、第2の風力発電ユニットA2とA3との間に第2の風力発電ユニットであるA2’が配置される。
【0043】
ここで、A1、A2、A3は、概念的に一部のみを示したもので、A4、A5・・・など横(左右)方向へ拡張できる。同様に、A1’、A2’も概念的に一部のみを示したもので、A3’、A4’・・・など拡張できる。
【0044】
一方、A1とA2、そしてA3各々の間の間隔は、第2の風力発電ユニットが含まれない、
図1における横(左右)方向間隔より一定程度広くなることがあるが、結果的に、A1とA’1、A’1とA2、A2とA2’、そしてA’2とA3との間の横(左右)方向間隔は、既存の
図1における間隔より密集することは自明である。
【0045】
図9は、上述した
図6の横(左右)方向配置が複数列により適用された配置を示した図として、
図6の縦(前後)方向配置と
図8の横(左右)方向配置を総合したものである。
【0046】
すなわち、
図9を参照すれば、各風力発電ユニットは、該当ユニットを中心として前/後/左/右ユニットと反対方向に回転するように配置されて相互間の横(左右)方向及び縦(前後)方向渦流の干渉を同時に減少させることを特徴とする。
【0047】
すなわち、中心に配置されたB’2を基準にして、前方に配置されたB2、後方に配置されたC2、左側に配置されたB’1’、右側に配置されたB’2’は全て反対方向に回転する。
【0048】
これは、B’2だけではなく、
図9に示した全てのユニットにおいて共通に適用可能である。
【0049】
図10は、本発明の一実施例によるジグザグ配置構造を示した配置図である。
図10に示した配置構造は、複数個の第1の風力発電ユニットと、前記第1の風力発電ユニットと反対方向に回転する複数個の第2の風力発電ユニットと、が横(左右)方向の複数個の列を形成する。
【0050】
すなわち、A1及びA1’が含まれたA列、B1及びB1’が含まれたB列、C1とC1’が含まれたC列を各々の列と言える。
【0051】
また、前記複数個の列を形成する前記第1の風力発電ユニットと第2の風力発電ユニットは、横(左右)方向渦流の影響を減少させるために、横(左右)方向に交互に配置される。このような点は、
図9の配置と同一である。
【0052】
図9と
図10の最大の差異は、奇数列風力発電ユニットは偶数列の風力発電ユニットの斜め後方に配置されて直接的な縦(前後)方向渦流の影響を回避する点である。すなわち、A列の次にA’列を配置するが、A’列の各ユニットは、A列の各ユニットの斜め後方位置に配置されて、結果的に縦(前後)方向渦流の影響を回避するようになる。また、A’列の後方には、更にB列が配置され、B列の各ユニットはA’列の各ユニットの斜め後方位置に配置されて、結果的に、縦(前後)方向渦流の影響を回避するようになる。
【0053】
この時、A列とB列は、奇数列になり、A’列とB’列は、偶数列になる。
すなわち、各々の奇数列の風力発電ユニットは、偶数列を間に置いて、前記奇数列の同一の行に配置された風力発電ユニットは、順次に反対方向に回転するように、第1の風力発電ユニットと第2の風力発電ユニットが交互に配置される。
【0054】
一方、A1及びB1のように、奇数列の同一の行に配置した隣接した風力発電ユニットは、反対方向に回転して縦(前後)方向渦流の影響を追加的に減少させる。
【0055】
同一の概念をこれとは別に説明すれば、前記A’列及びB’列のように、各偶数列の風力発電ユニットは、B列のような奇数列を間に置く。そして、前記偶数列の同一の行に配置された風力発電ユニットは、順次に反対方向に回転するように、第1の風力発電ユニットと第2の風力発電ユニットが交互に配置される。
【0056】
ここでは、A’1とB’1’のように、前記偶数列の同一の行に配置した隣接した風力発電ユニットが反対方向に駆動されて縦(前後)方向渦流の影響を減少させる。
【0057】
図11は、本発明の一実施例によるウィンドファームの各ユニットの間の横(左右)方向及び縦(前後)方向の配置角度を示した概念図である。
【0058】
図11において、R.A.は、各ユニットの回転軸を示す。前記回転軸を平面上に投影した線または主風方向を基準にした横(左右)方向及び縦(前後)方向ユニットの配置角度を示す。
θsは、横(左右)方向ユニットの配置角度を示し、θtは、縦(前後)方向ユニットの配置角度を示す。θsは、主風方向の垂直方向を基準にして−45゜以上+45゜以下であることが好ましい。また、前記θtは、主風方向を基準にして−45゜以上+45゜以下であることが好ましい。
【0059】
図12は、本発明の一実施例によるセンサ部が設置された風力発電ユニットを示した図である。前記センサは、ハブ正面の中心部、ブレード中心部、タワーの上側など多様な位置に設置できるが、図面符号「100」により示したとおり、ブレードに設置することが好ましい。
【0060】
前記渦流感知センサは、入射される風の散乱及びその程度を測定して渦流の強度及び方向を感知する。
【0061】
一方、前記振動感知センサは、加速度計などの原理を利用して正常回転以外のブレード動きを測定する。
【0062】
図13は、本発明の一実施例による制御方法を示したフローチャートである。
【0063】
本発明の一実施例による制御方法は、上述した
図6乃至
図10に示したウィンドファームの配置において、追加的に発生するかもしれない渦流の影響を追加的に制御して風力発電ユニットを保護することを目的とする。
【0064】
図13に示したとおり、本発明による制御方法は、i) 渦流測定段階と、ii) 正常モード/制御モード判断段階と、iii) ユニット制御段階と、を含む。
【0065】
前記渦流測定段階は、各々の風力発電ユニットに設置された渦流感知センサから渦流の強度及び方向を測定する。
【0066】
そして、最終的なユニット制御段階は、前記測定された渦流の強度及び方向に基づいて前記各々の風力発電ユニットを減速制御して各ユニットを渦流の影響による過度な振動から保護する。
【0067】
より具体的な制御において、前記渦流測定段階とユニット制御段階との間に、正常モード/制御モード判断段階をさらに含むことが好ましい。
【0068】
前記正常モード/制御モードは、前記渦流の程度が一定値以上の場合、制御モードと判断し、前記渦流の程度が一定値未満の場合、正常モードと判断し、前記制御モードに該当する場合にのみブレードの回転速度を減速制御することが好ましい。
【0069】
すなわち、制御の効率を高めるために、一定程度以下の渦流の影響は無視し、ユニットの寿命に影響を与える一定程度以上の渦流が発生した場合にのみ前記ユニット制御段階を発動させる。
【0070】
一方、前記ユニット制御段階の減速制御は、i)ブレードピッチ制御、ii) ハブとナセルフレームとの間に備われて相互間を固定させるハブブレーキ、iii) ハブと発電器との間に備われて発電器にブレードの回転力を伝達するシャフトを減速させるシャフトブレーキ、iv) 発電器内部に備われて発電器の回転子の回転速度を減速させる発電器内部ブレーキなど多様な減速手段を使用できる。
【0071】
このような減速を通じて、渦流の影響を減少させる配置にもかかわらず発生する渦流の影響から風力発電ユニットを安全に保護する。
【0072】
一方、前記渦流測定センサにより、渦流の強度及び方向とウィンドファームに吹いて来る風の強度及び方向を総合感知して、各風力発電ユニットのピッチ及び/またはヨー制御をする。これに関しては、
図15を参照してより詳しく後述する。
【0073】
図14は、本発明の一実施例による制御方法を示したフローチャートである。。
【0074】
図14に示したとおり、前記制御方法は、i) 振動測定段階と、ii) 正常モード/制御モード判断段階と、iii) ユニット制御段階と、を含む。
【0075】
前記振動測定段階は、前記各々の風力発電ユニットのブレードの振動を測定する振動感知センサによりブレード振動の強度及び方向を測定する。
【0076】
そして、最終的な前記ユニット制御段階は、前記測定された振動の強度及び方向に基づいて前記各々の風力発電ユニットを制御する。
【0077】
また、効率的な制御のために、上述した渦流感知の場合と同様に、前記振動の程度が一定値以上の場合、制御モードと判断し、前記振動の程度が一定値未満の場合、正常モードと判断し、前記制御モードに該当する場合にのみブレードの回転速度を減速制御する正常モード/制御モード判断段階を前記振動測定段階とユニット制御段階との間に含むことが好ましい。
【0078】
図13に示した渦流に基づいた制御方法は間接的な制御方法であり、
図14に示した振動に基づいた制御方法は、より直接的な制御方法である。
【0079】
図15は、本発明の一実施例による制御方法を示したフローチャートである。
【0080】
図15に示したとおり、入射風予測に基づいた制御方法は、i) 基準風速及び風向測定段階と、ii) 渦流測定段階と、iii) 入射風予測段階と、iv) ユニット制御段階と、を含む。
【0081】
前記基準風速及び風向測定段階は、前記ウィンドファーム周りの平均風速及び風向を測定する段階である。ここで、平均風速及び風向は、ウィンドファーム全体の平均風速を測定するか、制御対象に該当するユニットを含む一定面積単位における平均風速及び風向を測定する。
【0082】
前記渦流測定段階は、前記各々の風力発電ユニットに設置された渦流感知センサから渦流の強度及び方向を測定する段階である。渦流測定段階は、上述したので、その詳細な説明は省略する。
【0083】
また、前記入射風予測段階においては、前記基準風速及び風向測定段階において測定された風速及び風向と前記渦流の強度及び方向のベクトル値を合算して各風力発電ユニットの入射風を予測する。
【0084】
最終的に、前記予測された入射風の強度及び方向に基づいて各風力発電ユニットを制御するユニット制御段階を含む。具体的に、前記ユニット制御段階は、前記入射風の風向変化が発生する場合、ナセルのヨー制御を行い、前記入射風の風速変化が発生する場合、ブレードのピッチを制御することが好ましい。
【0085】
上述した入射風に基づいた制御方法は、ウィンドファームに吹いて来る風の平均的な風速及び風向値と、個別ユニットにおける渦流の影響を合算して、各ユニットの入射風を予測し、それによって、各ユニットを制御する方法である。
【0086】
一方、以下においては前記ユニット制御段階においてより効率的な制御を可能にするグループ制御に対して説明する。
【0087】
まず、横(左右)方向に配置された風力発電ユニットを列単位のグループとして形成する。例えば、
図26において、A1、A1’、B1、B1’、C1、C1’を一つのグループとして形成する。この場合、前記グループの各ユニットに設置されたセンサにより測定された値の平均値を導出し、前記平均値に基づいて前記行単位のグループを一括制御することが好ましい。
【0088】
また、縦(前後)方向に配置された風力発電ユニットを行単位のグループとして形成する。例えば、A1、A’1、B1、B’1、C1、C’1を一つのグループとして形成する。この場合、前記グループの各ユニットに設置されたセンサにより測定された値の平均値を導出し、前記平均値に基づいて前記行単位のグループを一括制御することが好ましい。
【0089】
一方、奇数列単位及び偶数列単位により追加グループを形成してもよい。この場合、前記各グループの前記平均値の追加グループの平均値を導出し、前記追加グループ平均値に基づいて前記追加グループを一括制御する。
【0090】
反対に、奇数行単位及び偶数行単位により追加グループを形成することができ、この場合、前記各グループの前記平均値の追加グループの平均値を導出し、前記追加グループ平均値に基づいて前記追加グループを一括制御する。
【0091】
また、
図26に示したとおり、風力発電ユニットを一定面積単位のグループにより形成できる。この場合、前記グループの各ユニットに設置されたセンサにより測定された値の平均値を導出し、前記平均値に基づいて前記一定面積単位のグループを一括制御する。
【0092】
上述したグループ制御は、
図13を参照して説明した渦流に基づいた制御方法、
図14を参照して説明した振動に基づいた制御方法、
図15を参照して説明した入射風予測に基づいた制御方法の全ての方法に適用できる。
【0094】
図3及び
図5の場合、同一の回転方向を有する風力発電ユニットを縦(前後)方向に配置する場合の問題点を示す。
【0095】
主風方向(Prevailing energy wind direction)に対して1番目列に配置された風力発電ユニットは、前方に配置された風力発電ユニットがなくて強い後流はないが、亜音速流動場において現われる前方流動は、風力発電ユニットの回転方向と反対方向の弱い渦干渉が発生し、この流動は、1番目の列に配置された風力発電ユニットA1を通過しながら風力発電ユニットの回転方向と反対方向に回転する強い渦干渉に変わるようになり、この強い渦干渉は、風力発電ユニット間の縦(前後)方向間隔が狭いほど2番目の列に配置された風力発電ユニットB1に一層強く流入され、2番目の列に配置された同一の方向に回転する風力発電ユニットB1を通過することによって回転力が一層発達して、3番目の列に配置された風力発電ユニットC1に流入される。
【0096】
図16乃至19に示したとおり、2番目の列に配置された風力発電ユニットB1のブレードに到逹したブレード回転方向と反対方向に回転する強い渦干渉は、風力発電ユニットの水平軸と垂直の流動成分を含んでいるので、ブレード回転によって発生する相対速度を増加させる一方、風力発電ユニットの水平軸と平行な流動成分は、相対的に減少されて、エアフォイル(Air Foil)型のブレード断面角度を風力発電ユニットの後方に調整すれば効率的な流動入射角を維持できる。
【0097】
このような現象は、3番目の列に配置された風力発電ユニットC1の場合には、2番目の列に配置された風力発電ユニットB1の通過によって回転力が一層発達した風力発電ユニット回転方向と反対方向に回転する渦干渉により一層深化される。
【0098】
したがって、
図19に示したとおり、ブレード断面を基準として効率的な流動入射角を維持するためには、ピッチ角(Pitch angle)を風力発電ユニットの後方に(ピッチ角の値が負数、すなわち、−α値になるように)調整する必要があり、このようにすれば、ブレードの揚力が反対に作用して、結局、ブレードは期待した回転方向とは反対方向に回転力が発生して、逆回転現象とエアフォイル(Air Foil)型のブレード断面の逆回転による空力効率が著しく低下する。
【0099】
このような逆回転現象を防止するためには、流動入射角が非効率的であっても既存の流動入射角を維持するしかないが、この場合にも空力効率(Aerodynamic efficiency)の低下とエアフォイル(Air Foil)型のブレード断面における最適流動の入射角と実際流動入射各の不一致により空力振動を誘発する。
【0100】
図7(a)及び
図7(b)は、本発明による配置構造として縦(前後)方向に異なる回転方向を有する風力発電ユニットの配置構造を示す。
【0101】
図7(a)及び
図7(b)に示したとおり、主風方向(Prevailing energy wind direction)に対して、1番目の列に配置された風力発電ユニットA1は、前方に配置された風力発電ユニットがないので、強い後流はないが、亜音速流動場において現われる前方流動は、風力発電ユニットの回転方向とは反対方向の弱い渦干渉が発生し、この流動は、1番目の列に配置された風力発電ユニットA1を通過しながら風力発電ユニットの回転方向とは反対方向に回転する強い渦干渉に変わるようになり、この強い渦干渉は、風力発電ユニットの間の縦(前後)方向間隔が狭いほど2番目の列に配置された風力発電ユニットA’1に一層強く流入され、2番目の列に配置された反対方向に回転する風力発電ユニットA’1を通過することによって流動の回転方向が反対に変わるようになり、回転方向が反対である入口流動の影響により出口流動の回転力も弱化された状態で(水平方向流動成分が回復された状態で)3番目の列に配置された風力発電ユニットB1に流入する。
【0102】
2番目の列に配置された風力発電ユニットA’1のブレードは、
図20乃至24に示したとおり、前方の風力発電ユニットとは反対方向に回転するので、2番目の列に配置された風力発電ユニットA’1のブレードに到逹したブレード回転方向と同一の方向に回転する強い渦干渉は、風力発電ユニットの水平軸と垂直される流動成分を含んでブレード回転によって発生する相対速度を減少させるが、風力発電ユニットの水平軸と平行である流動成分は、相対的に減少されて、エアフォイル(Air Foil)型のブレード断面角度(Pitch angle)を、
図23に示したとおり、風力発電ユニットの前方に調整すれば効率的な流動入射角を維持できる。
【0103】
このような現象は、3番目の列に配置された風力発電ユニットB1の場合には、2番目の列に配置された風力発電ユニットA’1の通過によって回転力が低下した2番目の列に配置された風力発電ユニット回転方向と反対方向に回転する渦干渉により一層緩和されて、1番目の列に配置された風力発電ユニットA1の入射流動と類似に現われて、3番目の列に配置された風力発電ユニットB1の以後にもこのような渦干渉の強度は緩和された状態を維持する。
【0104】
したがって、
図23に示したとおり、ブレード断面を基準にして効率的な流動入射角を維持するためには、ブレード断面角度(Pitch angle)を風力発電ユニットの前方に(ピッチ角の値が陽数、すなわち、+値になるように)調整する必要があり、このようにすれば、ブレードの揚力が正方向に作用して、結局、ブレードは期待した回転方向と同一方向に回転力が発生して、エアフォイル(Air Foil)型のブレード断面の正回転により空力効率を一部分正常化できる。
【0105】
この場合には、エアフォイル(Air Foil)型のブレード断面において最適流動の入射角と実際流動の入射角が一致するようにピッチ制御を通じて達成できるので、空力効率の低下を部分的に改善することができ且つ空力振動を防止できる。
【0106】
また、3番目の列と3番目の列以後に配置された風力発電ユニットの場合、すなわち、B1以後には、2番目の列に配置された風力発電ユニットA’1と異なり、入口流動の螺旋形回転強度が緩和されて前方に配置された風力発電ユニットの後流影響を最小化できるので、1番目の列に配置された風力発電ユニットA1と類似な空力効率を期待できる。
【0107】
結論として、前方の風力発電ユニットと同一の方向に回転する風力発電ユニットの前後(縦方向)配列においては、上記のような理由により前方に配置された風力発電ユニットと十分な前後(縦方向)間隔を維持する必要があったが、前方の風力発電ユニットと反対方向に回転する風力発電ユニットの前後(縦方向)配列においては、このような前後(縦方向)間隔を最小化できるので、制限されたウィンドファーム面積において風力発電ユニットの配置数量を極大化できる利点がある。
【0108】
一方、
図5及び
図7(b)は、横(左右)方向に隣接した風力発電ユニット間の問題点を内包する。
【0109】
この場合、隣接した左右の風力発電ユニットと同一の方向に回転する風力発電ユニットを左右(横方向)に配列すれば、各風力発電ユニットの回転方向とは反対回転方向を有する渦干渉が風力発電ユニットの後方に発生し、風力発電ユニットとの左右(横方向)間隔が狭い場合、この渦干渉はお互いに衝突するようになり、また、回転方向が同一であるので、衝突面において予測しにくい乱流に変わって流動干渉が深化され、このような現象は、後側列に配置された風力発電ユニットの場合、後流影響が持続的に拡大される。
【0110】
したがって、風力発電ユニット自体の空力効率と空力振動発生に悪影響を及ぼすようになるので、期待する空力効率を達成するためには、十分な左右(横方向)間隔を維持する必要がある。
【0111】
図8(b)と
図8(c)の場合は、横(左右)方向に隣接する風力発電ユニットが反対方向に回転する場合を示す。
【0112】
隣接した左右の風力発電ユニットと反対方向に回転する風力発電ユニットを左右(横方向)に配列すれば、各風力発電ユニットの回転方向とは反対回転方向を有する渦干渉が風力発電ユニットの後方に発生し、風力発電ユニットとの左右(横方向)間隔が狭い場合、この渦干渉は、お互いに衝突するようになるが、回転方向が反対であるので、衝突面においてお互いに影響を受けずに各流動の回転方向を維持するようになって流動干渉が低減されて流動干渉が緩和され、このような現象は、後側列に配置された風力発電ユニットの場合、後流影響が緩和された状態に維持される。
【0113】
したがって、風力発電ユニット自体の空力効率と空力振動発生に及ぶ悪影響を最小化できるので、同一の方向に回転する風力発電ユニットの左右(横方向)配列より短い左右(横方向)間隔によっても目的とする空力効率を達成できる。
【0114】
また、設定された左右(横方向)間隔によって渦干渉の干渉を最小化して空力効率を極大化するようにピッチ制御を実行すれば、渦干渉の大きさと回転強度を効率的に制御できるので、設定された左右(横方向)間隔により空力効率を極大化できる。
【0115】
また、
図26に示したとおり、隣接した左右の風力発電ユニットとヨー制御を通じて風力発電ユニットの左右(横方向)方向を個別的に適切に制御すれば、渦干渉の干渉範囲を制御できるので、設定された左右(横方向)間隔により空力効率を極大化できる。
【0116】
結論として、隣接した左右の風力発電ユニットと同一の方向に回転する風力発電ユニットの左右(横方向)配列においては、上述の理由により左右に配置された風力発電ユニットと十分な左右(横方向)間隔を維持する必要があったが、隣接した左右の風力発電ユニットと反対方向に回転方向を設定し、ピッチ制御とヨー制御を通じて渦干渉の回転方向、大きさと回転強度制御、流動の干渉範囲の制御を実行することにより、左右(横方向)配列により配置された風力発電ユニットにより左右(横方向)間隔を最小化できるので、制限されたウィンドファーム面積において風力発電ユニット配置数量を極大化できる利点がある。
【0117】
本発明の好ましい実施例を説明するために使用された位置関係は、添付図面を中心として説明したもので、実施例によってその位置関係は変わる。
【0118】
また、特定しない限り、技術的や科学的な用語を含み本発明において使用する全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者であれば理解できるものである。また、本発明において明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味により解釈してはならない。
【0119】
以上、本発明の実施例を部分的に記述したが、これはあくまでも例示に過ぎず、本発明の思想から逸脱しない範囲において様々な変形と変更が可能であるという事実は当業者には明らかである。また、そのような変形と変更が全部本発明の権利範囲に属することは、添付した請求の範囲により明らかになる。