(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接触部は下向きの接触面を備え、その接触面が前記収量センサの前記検知部の上面に直接に接触するように、前記グレンタンクの下部に配備されている請求項1記載のコンバイン。
前記グレンタンクの前壁に、前記底スクリューの前端側を支持する前部支持板が備えられ、前記接触部は前記前部支持板の下端に取り付けられている請求項1又は2記載のコンバイン。
前記グレンタンクは、前記機体フレーム上における予め設定された格納位置と、その格納位置よりも機体横外方側へ変位した非格納位置とにわたって位置変更可能に構成され、
前記機体フレーム上にガイド面が設けられ、
前記グレンタンクが前記格納位置に存在する状態で前記接触部が前記検知部に接触するように構成され、
前記グレンタンクの重量を支持しながら前記ガイド面を転動して、前記グレンタンクを前記非格納位置側から前記格納位置側へ案内するガイドローラが前記グレンタンクに備えられている請求項1〜3のいずれか一項記載のコンバイン。
前記ガイド面は、前記検知部の上面よりも低い位置で前記収量センサを覆うように構成され、前記ガイド面に前記検知部の上面を露出させる開口が形成されている請求項4〜6のいずれか一項記載のコンバイン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、グレンタンクの重量が作用している部位と機体フレームとの間でロードセルによる重量検出を行う構造のものでは、グレンタンク内の穀粒重量を任意の時点で検出することができる。
したがって、例えば、グレンタンク内の穀粒量を、グレンタンク内部の適所に設けた光センサや感圧センサなどによって、満杯等の予め設定された所定レベルに達したか否かを検出するように構成された構造のものに比べて、収穫作業中の任意の時点で重量を検知することができる便利さがある。
しかしながら、グレンタンクの重量をロードセルで計測するようにした上記の構造のものでは、グレンタンク構成材として重量の大きい底スクリューの存在箇所から、横側方に外れた位置でグレンタンク重量を検出している。
したがって、その底スクリュー自体の重量がロードセルから外れた位置にあり、ロードセルに対して偏った荷重が作用する傾向があるので、特にグレンタンクの内容量が少ない時などには、正確な収量を検出する上での妨げになる虞があった。
【0005】
本発明は、グレンタンクに対する収量センサの配設位置を工夫して、精度良く収量検出を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、下窄まり状に構成されるとともに、その下窄まり状部分の底部に排出用の底スクリューを備えたグレンタンクと、そのグレンタンクの重量を検出する収量センサとが機体フレームに備えられ、前記収量センサの検知部に対して接触する接触部が、前記グレンタンクに備えられ、前記接触部は、前記底スクリューが位置する箇所の下方に配備され、前記収量センサは、前記検知部が前記機体フレームよりも上方に突出する状態で、かつ前記機体フレームよりも低く位置設定されたセンサ載置部に配設されている点にある。
【0007】
本発明によれば、グレンタンクに備えられた接触部は、底スクリューが位置する箇所の下方に配備されている。つまり、グレンタンク構成材のうちで重量の大きい底スクリューの存在箇所から水平方向で離れた位置ではなく、重い底スクリューの下方で、接触部から収量センサの検知部に対してグレンタンク重量が検出される。
したがって、底スクリュー自体の重量がロードセルに対して偏った荷重として作用することを避けられ、かつ、常時グレンタンク内の収容量に拘わらずロードセルに対して上方から荷重が作用し、精度良く収量を検出し易いという利点がある。
また、収量センサは、検知部が機体フレームよりも上方に突出する状態で、かつ機体フレームよりも低く位置設定されたセンサ載置部に配備されている。これにより、できるだけ収量センサの機体フレームよりも上方側への突出量を少なくして、グレンタンクの容量低減を避けながら、底スクリューの下方へ配置し易くしてある。
【0008】
本発明においては、前記接触部は下向きの接触面を備え、その接触面が前記収量センサの前記検知部の上面に直接に接触するように、前記グレンタンクの下部に配備されると好適である。
【0009】
本構成を備えることで、グレンタンク側の接触部における下向きの接触面が、収量センサの検知部の上面に直接に接触する状態となるので、これらの接触面と検知部の上面との間に別部材を介装される構造に比べ、部品点数を削減して構造の簡素化を図ることができる。また、中間に別部材を介装することでその分だけグレンタンクの底部位置が高くなってしまうような事態が生じることも避けられる。
【0010】
本発明においては、前記グレンタンクの前壁に、前記底スクリューの前端側を支持する前部支持板が備えられ、前記接触部は前記前部支持板の下端に取り付けられると好適である。
【0011】
本構成を備えることで、底スクリューの前端側を支持するために強固に構成されている前部支持板を、接触部の取付手段としても利用することにより、強度メンバーである前部支持板の強度を有効利用して、接触部を強固に構成し得る。
【0012】
本発明においては、前記グレンタンクは、前記機体フレーム上における予め設定された格納位置と、その格納位置よりも機体横外方側へ変位した非格納位置とにわたって位置変更可能に構成され、前記機体フレーム上にガイド面が設けられ、前記グレンタンクが前記格納位置に存在する状態で前記接触部が前記検知部に接触するように構成され、前記グレンタンクの重量を支持しながら前記ガイド面を転動して、前記グレンタンクを前記非格納位置側から前記格納位置側へ案内するガイドローラが前記グレンタンクに備えられていると好適である。
【0013】
本構成を備えることで、ガイドローラとガイド面とを利用して、グレンタンクを格納位置と非格納位置との間で円滑に位置変更できるだけでなく、接触部をガイド面に沿って検知可能な検知部まで円滑確実に案内しながら位置変更できる。
【0014】
本発明においては、前記ガイド面に、前記格納位置で前記ガイドローラが落ち込む凹入部が形成されていると好適である。
【0015】
本構成を備えることで、格納位置でガイドローラが凹入部に落ち込むことにより、接触部と検知部との接触を、所定位置で精度良く行わせるための構造を簡単に構成できる。
【0016】
本発明においては、前記グレンタンクの前壁に、前記底スクリューの前端側を支持する前部支持板が備えられ、前記前部支持板の下端縁側に上方側へ凹入する形状の切り欠き部が設けられ、その切り欠き部に前記ガイドローラの支軸が入り込む状態で支持されていると好適である。
【0017】
本構成を備えることで、前部支持板の下端縁側に切り欠き部を形成することによって、前部支持板をガイドローラの支軸を固定するための手段として利用することができ、より一層構造の簡素化を図り得る。また、支軸を前部支持板の下端に取り付けるよりも、グレンタンクを少しでも下方までのばせて、タンク容量の減少を少なくできる。
【0018】
本発明においては、前記ガイド面は、前記検知部の上面よりも低い位置で前記収量センサを覆うように構成され、前記ガイド面に前記検知部の上面を露出させる開口が形成されていると好適である。
【0019】
本構成を備えることで、ガイドローラの転動を案内するガイド面によって、検知部以外の収量センサの上部を覆うことができ、専用のカバーを設けることなく、簡単な構成で収量センサ周辺における塵埃の堆積を抑制し得る。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて、本発明に係るコンバインの実施形態について説明する。
尚、実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、機体の作業走行時における前進側の進行方向(
図2における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(
図2における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(
図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(
図2における矢印L参照)が「左」である。
【0022】
〔全体構成〕
図1及び
図2に示すように、コンバインは、植立茎稈を引き起こして、刈り取り及び脱穀処理を行う自脱型に構成されている。
このコンバインは、機体フレーム1が左右一対のクローラ走行装置2によって支持されて自走式に構成されている。機体フレーム1上には、運転キャビン3、脱穀装置4、グレンタンク5、排ワラ処理装置7等が装備されている。
そして、機体フレーム1の前部に対して、刈取部8が、後端側を揺動支点として前端側を上下揺動可能に備えられている。このように構成されたコンバインでは、収穫対象の植立穀稈を引き起こして刈り取り、機体後方に向けて搬送し、脱穀装置4で脱穀・選別処理して、選別回収された穀粒をグレンタンク5に貯留し、排ワラは排ワラ処理装置7で細断処理して圃場へ排出するように構成されている。
【0023】
運転キャビン3の底部側に運転座席30の載置台を兼ねるエンジンボンネット31が配設され、このエンジンボンネット31内にエンジン9が内装されている。このエンジン9の駆動力が、図示しないミッションケースを介して左右の駆動スプロケット20から左右両側に位置するクローラベルト21に各別に伝達されるように構成してある。
したがって、左右の駆動スプロケット20の等速同方向回転によって、前進、又は後進での直進走行が行われ、左右の駆動スプロケット20の不等速での同方向回転、もしくは互いに逆方向での回転によって旋回走行が行われる。
【0024】
前記運転キャビン3内には、運転座席30の前方位置に操縦パネル32が配設され、運転座席30の左横側方にサイドパネル33が配設されている。前方の操縦パネル32に表示装置34、ならびに前後左右に操作可能な操縦レバー35が装備され、サイドパネル33に走行速度を変速可能な変速操作具36、及び後述する穀粒搬出装置50の旋回操作と起伏操作とを行うことが可能なオーガ操作具37が装備されている。
前記表示装置34は、車速やエンジン回転数、及び燃料残量等の他に、グレンタンク5に収容された穀物の重量や、穀粒の一部をサンプリングし内部品質を計測して食味を計測する内部品質計測装置(図示せず)での計測結果等を表示可能に構成されている。
【0025】
前記操縦レバー35は、前後方向の揺動操作で刈取部8の昇降操作を行え、左右方向の揺動操作で機体の操向操作を行えるように構成されている。
図示は省略するが、エンジン9の駆動力は、前述したように左右のクローラ走行装置2に伝達される他、その走行用の伝動系から分岐した動力が刈取搬送用の伝動系を介して刈取部8に伝達され、さらに、エンジン9からの動力が脱穀装置4に伝達される一方、そこから分岐した動力が排ワラ処理装置7に伝達されるように伝動系が構成されている。
【0026】
〔脱穀装置〕
脱穀装置4は、刈取部8から搬送された刈取穀稈の株元側を図示しないフィードチェーンにより挟持して搬送しながら、扱室内で回転駆動される扱胴(図示せず)により穂先側を扱き処理して脱穀し、扱胴の下部に備えられた選別機構(図示せず)により穀粒とワラ屑等の塵埃とに選別するように構成されたものである。そして、単粒化した穀粒を回収してグレンタンク5に搬送し、塵埃は機外へ排出するように構成してある。又、脱穀処理後の排ワラは排ワラ処理装置7へ送り込まれ、排ワラ処理装置7で細断処理される。
【0027】
図2に示すように、脱穀装置4の底部に一番物回収スクリュー40が備えられ、この一番物回収スクリュー40により穀粒を機体横幅方向に沿ってグレンタンク5側に横送り搬送するように構成されている。脱穀装置4とグレンタンク5との間には、一番物回収スクリュー40と図示しないベベルギア伝動機構により連動連結される状態で搬送装置としてのスクリューコンベア式の揚穀装置41が備えられている。
【0028】
そして、
図1及び
図2に示されているように、一番物回収スクリュー40で横送りされた穀粒は、揚穀装置41によって上方に搬送され、その揚穀装置41の上端部に形成された吐出口42から、グレンタンク5の左側壁5Aの上部に形成された供給口(図示せず)を通してグレンタンク5の内部へ搬送するように構成されている。
前記揚穀装置41は、図示しないが、円筒状の筒内にスクリュー軸を内装し、かつスクリュー軸の上端部に穀粒をグレンタンク5内に向けて跳ね飛ばす回転羽根が設けられ、穀粒を極力広範囲に拡散させて、均した状態でグレンタンク5内に貯留させることができるように構成されている。
【0029】
〔グレンタンク〕
図1乃至
図3に示されているように、グレンタンク5は、機体内方側の左側壁5Aと、機体外方側の右側壁5Bと、機体前方側の前壁5Cと、機体後方側の後壁5Dとを備えた前後方向に長い箱状に形成されている。ただし、グレンタンク5の底部は、左側壁5Aと右側壁5Bとが下方側ほど互いに近接して下窄まり状に形成されており、その下窄まり状部分の最下端部に位置する状態で後述する底スクリュー51が配設されている。
【0030】
このグレンタンク5が、後壁5Dよりも後方側に設けた上下軸心y1を回動中心として左右揺動可能に構成されている。そして、上下軸心y1を回動中心として旋回可能なグレンタンク5は、
図2に実線で示す格納位置と、同図に仮想線で示すメンテナンス位置(非格納位置に相当する)とにわたって姿勢変更可能に構成されている。
グレンタンク5の穀粒排出用の底スクリュー51の前端部には、入力用プーリ51Aが備えられている。この入力用プーリ51Aには、図示しないがエンジン9からの動力を伝達するための伝動ベルトが巻回され、その伝動ベルトによる動力伝達を断続するベルトテンション式の排出クラッチが備えられている。
したがって、グレンタンク5の上下軸心y1回りでの位置変更操作を行う際には、予め排出クラッチを伝動遮断状態に切り換えておく必要がある。
【0031】
前記格納位置は、上下軸心y1回りで機体内方側へ揺動移動したグレンタンク5の左側壁5Aと右側壁5Bとが、機体前後方向に沿う状態となるように、予め設定された位置である。この格納位置では、グレンタンク5のほぼ全体が機体フレーム1上に位置する状態となる。
メンテナンス位置は、上下軸心y1回りで機体内方側へ揺動移動したグレンタンク5の前壁5Cが右横外方側に向く状態に姿勢変更された位置である。この位置では、グレンタンク5の機体内方側が大きく開放されて、グレンタンク5は非格納状態となり、メンテナンス作業を行い易い位置である。
【0032】
グレンタンク5には、その前壁5Cに前部支持板56が取り付けられ、後壁5Dに後部支持板(図示せず)が取り付けられている。
この前部支持板56及び後部支持板は、前壁5Cと後壁5Dとにわたって重い底スクリュー51を取り付ける際の強度補強を行うためのものである。したがって前部支持板56及び後部支持板は、比較的肉厚の大きい鉄板で構成され、かつ左右両側端辺がグレンタンク5の外方側へ向かうように起立したリブ部分を備えた強度メンバーで構成されたほぼ同一形状のものであり、底スクリュー51のスクリュー軸51Bを貫通させた状態で支持している。
この強度メンバーで構成された前部支持板56及び後部支持板のうち、上下軸心y1から遠い前壁5C側の前部支持板56に対して、後述する重量検出部6の接触部80とガイドローラ70とが装着されている。
【0033】
グレンタンク5の底部に備えた底スクリュー51の後端部には、ベベルギア伝動機構(図示せず)を介して縦送りスクリューコンベア52が接続され、底スクリュー51の搬送終端部から受け継いだ穀粒を揚上搬送するように構成されている。
縦送りスクリューコンベア52の上部には、揚上搬送された穀粒を横送り搬送して先端の排出口53Aから排出する横送りスクリューコンベア53の基端部が、ベベルギア伝動機構(図示せず)を介して連動連結されている。
上記の底スクリュー51、縦送りスクリューコンベア52、及び、横送りスクリューコンベア53によって穀粒搬出用の穀粒搬出装置50が構成されている。この穀粒搬出装置50により、グレンタンク5内に貯留されている穀粒が排出口53Aから外部に排出される。
【0034】
縦送りスクリューコンベア52は、減速機付きの電動モータ54の作動により、グレンタンク5の旋回中心である上下軸心y1周りで回動操作可能に構成され、横送りスクリューコンベア53は油圧シリンダ55により基端部の水平軸心x1周りで上下揺動操作可能に構成されている。したがって、サイドパネル33に設けたオーガ操作具37の操作に基づいて、横送りスクリューコンベア53を旋回操作並びに昇降操作させて、排出口53Aの位置を変更することができる。これにより、機外の運搬用トラックの荷台の位置等に対応させて穀粒の吐出位置を変更することができる。
【0035】
〔重量検出部〕
グレンタンク5に貯留された穀粒の収量は、機体フレーム1上に設けられた重量検出部6によって検出される。
重量検出部6は次のように構成されている。
すなわち、
図3に示すように、重量検出部6は、機体フレーム1上の格納位置相当箇所に固定して配備された下部側検出部6Aと、グレンタンク5側に取り付けられ、グレンタンク5とともに位置移動可能な上部側検出部6Bとの組み合わせで構成されている。
また、重量検出部6は、
図1に示すように、グレンタンク5の旋回中心である上下軸心y1を備えた旋回支持部15が、機体フレーム1に対して枢支されている箇所と、ほぼ同程度の高さ位置で機体フレーム1上に設けられている。
【0036】
下部側検出部6Aでは、
図3乃至
図7に示すように、グレンタンク5に貯留された穀粒の重量を計測するためのロードセル60(収量センサに相当する)が、格納位置に存在するグレンタンク5の荷重を受け止めて重量を計測可能であるように、機体フレーム1に備えられている。
この下部側検出部6Aでは、上記のロードセル60を機体フレーム1に設置するための載置構造として、前後方向に沿う前後向きフレーム12A,12Bや、左右方向に配備された横向きフレーム11に、センサ支持枠13(センサ載置部に相当する)を固定した構造を採用している。ロードセル60は、このセンサ支持枠13に搭載されている。
前後向きフレーム12A,12Bは、角パイプ材で構成されている。横向きフレーム11は、前後向きフレーム12Aと前後向きフレーム12Bとに架け渡されている。横向きフレーム11は板状のプレート材で構成されている。前後向きフレーム12A,12B及び横向きフレーム11は、機体フレーム1を構成している。
【0037】
上部側検出部6Bでは、ロードセル60側の検知部63の上面である受圧面63Aに、グレンタンク5側の重量を精度良く作用させるように、グレンタンク5の前部支持板56の下部に、受圧面63Aと対向する下向きの接触面80Aを備えた接触部80が設けられている。また、この前部支持板56には、グレンタンク5の機体フレーム1上での水平方向移動を円滑に行わせるためのガイドローラ70も設けられている。
【0038】
下部側検出部6Aでは、グレンタンク5側のガイドローラ70を転動させるためのガイド面を有したガイドプレート65が、機体フレーム1上に設けられている。このガイドプレート65は、機体フレーム1を構成する前後向きフレーム12A,12Bや横向きフレーム11の上面側に取り付けられている。このガイドプレート65は、ガイドローラ70が転動するための前記ガイド面部分とともに、ロードセル60が存在する箇所を全体的に覆うカバー面部分をも備えている。
つまり、ガイドプレート65におけるロードセル60の検知部63に対向する位置に、検知部63のみが露出可能な程度の大きさの検知用開口66(開口に相当する)が形成されている。これにより、センサ支持枠13の底面13Aに取り付けられたロードセル60の検知部63のみが検知用開口66から露出し、その他の部位はガイドプレート65の下方側に隠れるように覆われた状態で位置している。
【0039】
ロードセル60は、ロードセル60の底面がセンサ支持枠13の底面13Aに載置された状態で取り付けることで、取り付け高さが低くなっている。この結果、ロードセル60の検知部63の受圧面63Aがガイドプレート65の上面に近い高さに位置している。検知用開口66から露出したロードセル60の検知部63の受圧面63Aは、ガイドプレート65の上面よりも僅かに高く位置するように設定されている。
【0040】
ガイドプレート65は、その上面のうち、ガイドローラ70の転動移動を案内する範囲がガイド面であり、ロードセル60の上部を覆う位置にあり、かつ検知用開口66が形成されている範囲を除いた範囲がカバー面部分である。このように機能的に区分した場合、ガイドプレート65上におけるカバー面部分とガイド面部分とが存在する範囲は互いに一部が重複し、双方の機能を有した部分がガイドプレート65上に存在している。ガイドプレート65のうち、走行機体の最奥側に位置する部分には、ロードセル60に対するワイヤハーネス60aの通し穴69が形成されている。
【0041】
機体フレーム1上で、ロードセル60が配設される位置は、次のように設定される。
図3乃至
図5に示すように、ロードセル60の位置は、格納位置に存在するグレンタンク5の底部に配設された底スクリュー51の直下にロードセル60の検知部63が位置し、グレンタンク5の最下方に対向する位置である。
【0042】
この位置は、
図4に示すように、平面視でガイドローラ70の移動軌跡r1よりも、グレンタンク5の上下軸心y1に近い側に、ロードセル60の検知部63が外れた位置である。つまり、上下軸心y1回りで揺動作動するガイドローラ70における半径方向での内端側の移動軌跡r1よりも上下軸心y1に近い側に検知部63が位置するようにロードセル60が配設されている。
したがって、ガイドローラ70がガイドプレート65の上面を往復移動する間、ガイドローラ70がロードセル60の検知部63の受圧面63Aを踏みながら転動することがないように構成してある。
【0043】
また、ロードセル60の水平方向視での位置は、ガイドプレート65の上面に対して、検知用開口66から露出したロードセル60の検知部63の受圧面63Aが、ガイドプレート65の上面よりも僅かに高く位置するように設定されている。
【0044】
ガイドプレート65ににおいて、ガイドローラ70の移動軌跡r1上に、上下軸心y1回りで揺動作動するグレンタンク5が格納位置に達した際にガイドローラ70が落ち込む矩形状の落とし込み穴67(凹入部に相当する)が形成されている。この落とし込み穴67は、ガイドローラ70の下部が入り込むように移動軌跡r1の前後方向での長さを有しており、
図4及び
図5に示すように、ガイドローラ70が落とし込み穴67に落ち込んだ状態で、接触部80の接触面80Aが検知部63の受圧面63Aに載るように構成されている。
つまり、ガイドローラ70が落とし込み穴67に落ち込んだ状態で、接触部80の接触面80Aが検知部63の受圧面63Aに載るように、ガイドローラ70と接触部80と検知部63との、平面視での相対位置が設定されている。
【0045】
また、落とし込み穴67とガイドローラ70と接触部80との上下方向での位置関係においては、
図8に示すように、ガイドローラ70がガイドプレート65の上面を転動している状態では、接触部80がガイドプレート65の上面、及び検知部63の受圧面63Aよりも高い位置にある。
図7に示すように、ガイドローラ70が落とし込み穴67に落ち込んだ状態で、接触部80の接触面80Aが検知部63の受圧面63Aに載る。
その状態でガイドローラ70は落とし込み穴67の存在箇所に位置しているが、落ち込んだガイドローラ70がガイドプレート65によって支持されているという状態ではない。つまり、ガイドローラ70が落とし込み穴67に落ち込むと、これに伴って接触部80が検知部63に当接し、落とし込み穴67に落ち込んでもガイドローラ70はそれ以上は沈み込まない状態に位置保持される。このとき、ガイドローラ70は、ガイドプレート65とは接触せずに宙に浮いた状態である。したがって、グレンタンク5の重量がガイドローラ70には負荷として作用せず、接触部80と検知部63との当接のみによってロードセル60にグレンタンク5の重量が伝えられるように構成されている。
【0046】
そして、
図2及び
図4に示すように、平面視においては、ガイドローラ70や接触部80は、グレンタンク5の揺動支点である上下軸心y1から離れた遠い位置で、かつ格納位置にあるグレンタンク5の前端部に存在する前部支持板56に取り付けられたものであるから、検出精度の向上をも期待し得る。
つまり、接触部80やロードセル60の存在位置が上下軸心y1から離れた遠い位置にあることにより、格納位置におけるロードセル60の位置も、接触部80に対向して、上下軸心y1から離れた遠い位置にある。このように、グレンタンク5の揺動支点である上下軸心y1から離れた遠い位置で撓み変形量を検出すると、穀物重量によるグレンタンク5自体の撓み変形量が、前記上下軸心y1からの距離が近い位置で検出する場合よりも、比較的大きくなる傾向がある。したがって、例えば、ロードセル60の位置がグレンタンク5の揺動支点の近くで、グレンタンク5自体の重量による撓み変形量が極少ない傾向にあるような構造のものに比べると、グレンタンク5自体の重量当たりの変形量をロードセル60で精度良く検出し易くなる。
【0047】
〔下部検出部の設置構造〕
機体フレーム1上に、下部側検出部6Aとしての、ロードセル60、及びガイドプレート65等を設置するための構造について説明する。
図3乃至
図7に示すように、格納位置に存在する状態のグレンタンク5の下側に相当する箇所で、グレンタンク5の下側に位置する右側の前後向きフレーム12A,12Bと横向きフレーム11との交差箇所に、その前後向きフレーム12A,12Bと横向きフレーム11との上面側に接続された状態で台板部材14が溶接固定されている。
この台板部材14には、
図6及び
図9に示すように、ロードセル60を上下方向で出し入れ可能な大きさの切り欠き開口14Aを形成してある。
さらに、台板部材14には、後述するロックピン92の挿入穴14Cも形成されている。
【0048】
台板部材14の上面側には、ガイドプレート65の前端縁近くの二箇所と、横向きフレーム11の上面側とを連結するためのボルト穴を形成するように台板部材14の下面側に止めナット14Bが溶接固定されている。この台板部材14は、センサ支持枠13の固定手段としても用いられている。ガイドプレート65は、台板部材14の上側に重ねられた状態で、上方から差し込んだ止めボルト16を前記止めナット14Bに螺入して、締め付け固定される。
図4乃至
図9に示すように、センサ支持枠13は、ロードセル60が搭載される底面13Aの右側、左側、及び後側の三方向が上向きに折り曲げ加工されている。つまり、底面13Aの右側と左側との立ち上がり片部分13B,13B、後側の立ち上がり片部分13Cを備え、前側と上側とが開放された箱状に形成されている。
【0049】
このセンサ支持枠13の、左右の立ち上がり片部分13B,13Bが、前側及び左右両側で横向きフレーム11に溶接固定され、かつ台板部材14の下面側にも溶接固定されて、機体フレーム1と一体化されている。
センサ支持枠13の後側の立ち上がり片部分13Cには、後方向きに比較的大きく開放されたU字状の切り欠き13Caが形成されている。切り欠き13Caは、箱状に形成されたセンサ支持枠13の底面13A上に堆積する塵埃等を、メンテナンスの際に掃きだし可能にするためのものである。
この後ろ側の立ち上がり片部分13Cには、ガイドプレート65の後端側で下向きに折り曲げられた垂れ下がり部分65Aを挟み込んで、後方側から止めボルト13Cbを差し込んで締め付け固定するための止めナット13Ccが溶接固定されている。
【0050】
ロードセル60は、
図5及び
図6に示すように、前記センサ支持枠13の底面13Aに載置され、円筒状の本体部61が図示しない固定ボルトにより、センサ支持枠13に一体的に固定されている。
前記本体部61の上面側の中央に凸部62が突出形成され、かつ、その凸部62に対して上方側からキャップ状の検知部材を外嵌してあり、この検知部材が検知部63に相当するものである。検知部63の上面である受圧面63A、及びその裏面側の面は、互いに平行な平坦面に形成されている。そして、凸部62の上面は、その中央部が僅かに膨出した球面状に形成されていて、上方からの荷重を中心位置で受け易いように構成されている。
【0051】
〔上部側検出部の設置構造〕
上部側検出部6Bにおける、ガイドローラ70、及び接触部80などを設けるための構造について説明する。
図4,5、及び
図7に示すように、ガイドローラ70の枢支軸71は、グレンタンク5の前壁5Cに備えた前部支持板56に、次のようにして固定支持されている。
【0052】
図7に示すように、前部支持板56の下端縁56a側に、上方側へ凹入する切り欠き部56Aを形成してある。この切り欠き部56Aの奥右隅に、ガイドローラ70の枢支軸71を当て付け、さらに、その枢支軸71を下側と左側とから抱き込む状態に、後述するそり状板材81の上向きに屈曲された上面側前端部を当て付けた状態とし、溶接固定している。
このように、切り欠き部56Aとそり状板材81とを有効利用したことにより、特別な軸支専用構造を要さずに、簡単な構造で枢支軸71を前部支持板56の下端部に固定してある。
【0053】
そして、前部支持板56の前側に突出する枢支軸71に対して、その軸端側にガイドローラ70が、相対回転自在に枢支されている。ガイドローラ70は、枢支軸71と一体回動するインナーレース72と、アウターレース73との間にボール74を介装したボールベアリングによって構成されている。
前部支持板56とガイドローラ70のインナーレース72との間には、筒状のスペーサ75を介装してあり、前部支持板56の前面側に溶接固定されている。したがって、前部支持板56による軸支作用が及ぶ範囲が枢支軸71の長さ方向で拡大されている。
【0054】
接触部80は、前部支持板56の下端縁56aに、ほぼ直交する姿勢で下端側から当て付けられ、溶接固定されている平面視矩形状のそり状板材81によって構成されている。
このそり状板材81は、前部支持板56の下端縁56aに沿って、グレンタンク5の揺動方向での前後両端側が高く、中央部が低くなるように屈曲した形状に形成されている。このようにグレンタンク5の揺動方向での中央部付近の下面が、接触部80の下向きの接触面80Aを構成している。
この接触面80Aがロードセル60の検知部63の受圧面63Aに直接乗った状態で、グレンタンク5の重量がロードセル60によって検出されるように、グレンタンク5の格納位置における前記接触面80Aの位置と、検知部63の受圧面63Aの位置を設定してある。
【0055】
ガイドローラ70と接触部80とは、グレンタンク5の上下軸心y1回りでの揺動作動に伴って作動するものであるが、グレンタンク5の非格納姿勢から格納姿勢側への揺動作動途中における、ガイドローラ70と接触部80と検知部63との相対的な位置関係は、次のように変化する。
図8(a)は、グレンタンク5が非格納位置から格納位置側に移動してきて、これから機体フレーム1上のガイドプレート65にガイドローラ70が乗り上がり始める位置であるところの、乗り上がり開始位置を示している。
この位置では、接触部80は機体フレーム1から外れた機体横側外方にあり、検知部63は、その上面に何も載置されていない状態である。
【0056】
図8(b)は、ガイドローラ70がガイドプレート65上に乗り、ガイドプレート65上を転動しながら格納位置の直前までグレンタンク5が移動してきた状態であるところの格納直前位置を示している。
この位置では、接触部80は、その一部が検知部63の受圧面63Aと対向する位置にまで到達しているものの、接触部80の中心位置80Pと検知部63の受圧面63Aの中心位置63Pとが完全に一致する状態とはなっていない。そして、この状態で接触部80と検知部63とは、互いの対向面同士の間に僅かながら間隙を有していて、互いに離間した状態にある。
【0057】
図3乃至
図5、及び
図7は、グレンタンク5がさらに移動して格納位置に達した状態を示している。
この格納位置では、ガイドローラ70がガイドプレート65上の落とし込み穴に落ち込み、接触部80の中心位置80Pが検知部63の受圧面63Aの中心位置63Pと一致する状態で載置されている。
グレンタンク5が格納位置に存在する状態で、そのグレンタンク5のずれ動きを抑制するためのロック装置90が、グレンタンク5の前部支持板56に取り付けられている。
【0058】
ロック装置90は、
図3及び
図8(b)に示すように、前部支持板56の前面のうち、接触部80が存在する箇所よりも、グレンタンク5の揺動移動方向における横外方側寄りの箇所に、備えられていて、機体横外方側からの操作を行い易く構成してある。
ロック装置90は、前部支持板56の前面に溶接固定されたクランク状の取り付けブラケット91と、その取り付けブラケット91に形成した上下方向の貫通穴(図示せず)に対して、上下方向でスライド操作可能に備えたロックピン92、及びそのロックピン92を下向きに弾性付勢するコイルスプリング93を備えている。
【0059】
図8(b)に示す状態は、L字状に屈曲されたロックピン92の上部を、取り付けブラケット91の上端に係止させることにより、コイルスプリング93の付勢力に抗してロックピン92を上方側へ引き上げた状態、つまり非作用状態に維持している。この状態では、ロックピン92がガイドプレート65等には接触せず、グレンタンク5の自由な揺動が許容されている。
【0060】
グレンタンク5が格納位置に存在する状態では、
図3に示すように、ロックピン92のL字状に屈曲された部分を少し水平方向に回転させて、取り付けブラケット91の上端との係止を解除することにより、ロックピン92はコイルスプリング93の付勢力で下向きに押し出される。
このとき、グレンタンク5が格納位置に存在していれば、ロックピン92の下端部は、
図6及び
図7に示すように、ガイドプレート65及び台板部材14の一部に形成されている係止用穴68,14Cに対向する位置にある。したがって、グレンタンク5が格納位置に存在している状態では、係止用穴68,14Cに対して上下方向でロックピン92を挿抜操作可能であるように構成されている。
【0061】
〔別実施形態の1〕
実施の形態では、接触部80とガイドローラ70とを用いて、グレンタンク5が非格納位置と格納作用位置とに位置変更可能である構造のものを例として示したが、これに限らず、グレンタンク5が脱着可能であるなど、格納位置にある状態から変化しない構造のものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0062】
〔別実施形態の2〕
実施の形態では、グレンタンク5の前部支持板56を利用して接触部80とガイドローラ70とを支持するようにした構造のものを例示したが、この構造に限られるものではなく、例えば、前部支持板56とは別に補強用の支持部材を設けたものであっても良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0063】
〔別実施形態の3〕
実施の形態では、接触部80として、グレンタンク5の前部支持板56に、そり状板材81を設け、かつ、そのそり状板材81を、前部支持板56の前側よりも後側に大きくはみ出すように取り付けた構造のものを例示したが、これに限られるものではない。
例えば、前部支持板56の下側で、前側と後側との双方に等量ずつはみ出す状態に取り付ける。あるいは、前部支持板56の後側よりも前側に大きくはみ出すように取り付けた構造のものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。