(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355640
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】収納容器に収納されたカラム及びカラム収納容器
(51)【国際特許分類】
G01N 30/60 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
G01N30/60 Z
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-539455(P2015-539455)
(86)(22)【出願日】2014年9月30日
(86)【国際出願番号】JP2014076053
(87)【国際公開番号】WO2015046566
(87)【国際公開日】20150402
【審査請求日】2017年9月6日
(31)【優先権主張番号】特願2013-203036(P2013-203036)
(32)【優先日】2013年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390037327
【氏名又は名称】積水メディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】與谷 卓也
(72)【発明者】
【氏名】根本 有理子
(72)【発明者】
【氏名】村木 秀樹
【審査官】
黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000-88829(JP,A)
【文献】
特開平6-300747(JP,A)
【文献】
特開平6-94695(JP,A)
【文献】
特開2012-206758(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第2212738(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00−30/96
B65D 81/00−81/38
B01D 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納容器に収納されたクロマトグラフィーカラムであって、
該収納容器は、該クロマトグラフィーカラムを収納するための容器本体と、該容器本体と螺合する蓋部とを備え、
該容器本体の内壁には、該蓋部と螺合するための螺合溝が設けられており、
該容器本体の内部の底面上および該蓋部の下面上には、それぞれシール部材が配置されており、
該容器本体と該蓋部とを螺合するとき、該蓋部が該容器本体の内部に入り込み、該容器本体の内部の底面と該蓋部の下面上のシール部材で該クロマトグラフィーカラムの上下面を押圧することにより、該カラムが該容器本体内部に固定されるとともに、該カラムの通液孔が密閉される、
クロマトグラフィーカラム。
【請求項2】
前記容器本体が、前記クロマトグラフィーカラムの外径の101〜125%の大きさの最小内径を有する筒形である、請求項1記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項3】
前記シール部材が、高摩擦性かつ弾性を有する材料から形成された平板またはO−リングである、請求項1又は2記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項4】
前記収納容器が自立型容器である、請求項1〜3のいずれか1項記載のクロマトグラフィーカラム。
【請求項5】
クロマトグラフィーカラムの収納容器であって、
クロマトグラフィーカラムを収納するための容器本体と、該容器本体と螺合する蓋部とを備え、
該容器本体の内壁には、該蓋部と螺合するための螺合溝が設けられており、
該容器本体の内部の底面上および該蓋部の下面上には、それぞれシール部材が配置されており、
該容器本体と該蓋部とを螺合するとき、該蓋部が該容器本体の内部に入り込み、該容器本体の内部の底面と該蓋部の下面上のシール部材で該クロマトグラフィーカラムの上下面を押圧することにより、該カラムが該容器本体内部に固定されるとともに、該カラムの通液孔が密閉される、
容器。
【請求項6】
前記容器本体が、前記クロマトグラフィーカラムの外径の101〜125%の大きさの最小内径を有する筒形である、請求項5記載の容器。
【請求項7】
前記シール部材が、高摩擦性かつ弾性を有する材料から形成された平板またはO−リングである、請求項5又は6記載の容器。
【請求項8】
自立型容器である、請求項5〜7のいずれか1項記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納容器に収納されたクロマトグラフィーカラムおよびクロマトグラフィーカラムの収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
クロマトグラフィーをはじめとする試料の分離分析方法は、有機化学、生化学、医学などの分野における分析や検査に汎用されている。クロマトグラフィーに使用されるカラムは、その用途や目的物質にあわせて精密に調製されており、輸送、取り扱い、保存には細心の注意を必要とする。
【0003】
クロマトグラフィー用カラムは、不使用時には、内部の充填剤の汚染および乾燥防止のため密封されて保管される必要がある。カラムの通液孔の内壁に分析機器との流体接続のためのネジ溝が付いている場合、通液孔にプラグ(封止栓、止め栓、ネジ栓など)を挿入すればカラムを密封することができる。特許文献1には、不使用時のクロマトグラフィーカラムを封止するための、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のネジ型の栓が記載されている。しかし、特許文献2に示されているように、ネジ溝を有さないカラムも存在する。また、プラグで密封されたカラムは、落下などにより衝撃を与えると、ネジ頭が破損し、胴部だけがカラム内に残されて再使用できなくなることがある。さらに、カラムに衝撃を与えると、内部の充填剤の配置が崩れて正確な測定ができなくなる。そのため従来のカラムは、プラグ等で密封されたうえで、さらに緩衝材とともに容器に詰められて保管されるのが一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭63−25366号公報
【特許文献2】特願2013−047880号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、クロマトグラフィーカラムを安全かつクリーンな状態で保存することができ、かつ容易に使用開始することを可能にするカラム収納容器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、収納容器に収納されたクロマトグラフィーカラムであって、
該収納容器は、該クロマトグラフィーカラムを収納するための容器本体と、該容器本体と螺合する蓋部とを備え、
該容器本体の内壁には、該蓋部と螺合するための螺合溝が設けられており、
該容器本体の内部の底面上および該蓋部の下面上には、それぞれシール部材が配置されており、
該容器本体と該蓋部とを螺合するとき、該蓋部が該容器本体の内部に入り込み、該容器本体の内部の底面と該蓋部の下面上のシール部材で該クロマトグラフィーカラムの上下面を押圧することにより、該カラムが該容器本体内部に固定されるとともに、該カラムの通液孔が密閉される、
クロマトグラフィーカラムを提供する。
【0007】
また本発明は、クロマトグラフィーカラムの収納容器であって、
クロマトグラフィーカラムを収納するための容器本体と、該容器本体と螺合する蓋部とを備え、
該容器本体の内壁には、該蓋部と螺合するための螺合溝が設けられており、
該容器本体の内部の底面上および該蓋部の下面上には、それぞれシール部材が配置されており、
該容器本体と該蓋部とを螺合するとき、該蓋部が該容器本体の内部に入り込み、該容器本体の内部の底面と該蓋部の下面上のシール部材で該クロマトグラフィーカラムの上下面を押圧することにより、該カラムが該容器本体内部に固定されるとともに、該カラムの通液孔が密閉される、
容器を提供する。
【0008】
また本発明は、クロマトグラフィーカラムの収納のための収納容器の使用であって、
該収納容器は、該クロマトグラフィーカラムを収納するための容器本体と、該容器本体と螺合する蓋部とを備え、
該容器本体の内壁には、該蓋部と螺合するための螺合溝が設けられており、
該容器本体の内部の底面上および該蓋部の下面上には、それぞれシール部材が配置されており、
該容器本体と該蓋部とを螺合するとき、該蓋部が該容器本体の内部に入り込み、該容器本体の内部の底面と該蓋部の下面上のシール部材で該クロマトグラフィーカラムの上下面を押圧することにより、該カラムが該容器本体内部に固定されるとともに、該カラムの通液孔が密閉される、
使用を提供する。
【0009】
また本発明は、収納容器へのクロマトグラフィーカラムの収納方法であって、
該収納容器は、該クロマトグラフィーカラムを収納するための容器本体と、該容器本体と螺合する蓋部とを備え、
該容器本体の内壁には、該蓋部と螺合するための螺合溝が設けられており、
該容器本体の内部の底面上および該蓋部の下面上には、それぞれシール部材が配置されており、かつ、
該方法は、
該容器本体に該クロマトグラフィーカラムを収納すること;及び
該クロマトグラフィーカラムを収納した容器本体と該蓋部とを螺合すること
(ここで、該螺合により該蓋部が該容器本体の内部に入り込み、該容器本体の内部の底面と該蓋部の下面上のシール部材で該クロマトグラフィーカラムの上下面を押圧することにより、該カラムが該容器本体内部に固定されるとともに、該カラムの通液孔が密閉される)、
を含む、方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のクロマトグラフィーカラムの収納容器によれば、クロマトグラフィーカラムを衝撃や汚染から保護し、安全かつクリーンな状態で輸送および保存することが可能になる。また、本発明の収納容器に収納されたクロマトグラフィーカラムは、容易に収納容器から取り出し機器にセットすることができるので、破損や汚染のリスクが低下する一方、操作性が向上するという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】容器本体から蓋部を取り外した状態の
図1に示すカラム収納容器。
【
図3】(a):
図1に示すカラム収納容器の側面図、(b):(a)のA−A線における断面図。
【
図4】容器本体の側壁の一部のみが透明の材料から形成されている本発明のカラム収納容器の一実施例。
【
図6】本発明のカラム収納容器に収納されるクロマトグラフィーカラムの一実施例。(a):側面図、(b):上面図、(c):底面図、(d):
図1に示すカラム収納容器に収納されたクロマトグラフィーカラムの状態を示す概念図。
【
図7】
図1に示すカラム収納容器1の蓋部3の下面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、クロマトグラフィーカラム、好適には高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用カラムなどの液体クロマトグラフィー用カラムを収納するための収納容器を提供する。本発明の収納容器に収納されるクロマトグラフィーカラムのサイズや形状は、特に限定されず、後述する本発明の容器の構造上、その外観として全長20〜80mm、外径が8〜12mm程度の大きさであることが好ましい。また、通液孔の直径が0.1〜1.5mm程度の大きさであることが好ましい。さらに、カラムの上面および下面がおおよそ平面であると、本発明の容器内部でカラムがより安定に支持されるため、有利である。本発明の収納容器は、通液孔の内壁にネジ溝を有するタイプ、有さないタイプのいずれのカラムにも適用可能である。
【0013】
本発明の収納容器は、クロマトグラフィーカラムを収納するための容器本体、および該容器本体と螺合する蓋部を備える。該容器本体の内壁には、該蓋部と螺合するための螺合溝が設けられている。また、該蓋部の側面には、該容器本体の内壁と螺合するための、対になる螺合溝が設けられている。したがって、該容器本体と該蓋部とを螺合すると、該蓋部が該容器本体の内部に入り込むことになる。
【0014】
本発明の収納容器の容器本体は、クロマトグラフィーカラムを収納することができ、かつ該容器にクロマトグラフィーカラムを収納するときに、カラムを容器本体に入れて容器本体を直立させれば、カラムが容器の内部で容器本体の中心軸に対して傾いたり、転倒したりすることがなく、自動的に直立することを可能とする大きさおよび形状を有している。容器本体の外部底面の形状は特に限定されず、収納容器が自立できる形状が好ましい。例えば、容器本体は、円筒形、六角柱形や八角柱形等の多角柱形、またはそれらが組み合わせられた形状(例えば、容器本体上部が円筒形で下部が多角柱形、またはその逆)の筒形である。また、該容器本体の一部または蓋部の外形を多角柱形とすることで、該容器が横倒しになった場合に該容器が転がることを防止する機能をさらに有し得る。容器本体の最小内径は、収納されるクロマトグラフィーカラムの外径の101〜125%程度、好ましくは101〜115%程度の大きさを有する。
【0015】
本発明の収納容器の蓋部は、上記容器本体の内壁と螺合できる螺合溝を有する螺合部を備えていれば、該容器本体の外形と異なる形状を有していてもよい。例えば本発明の収納容器は、容器本体が円筒形で、蓋部が六角柱形、八角柱形等の多角柱形であってもよい。あるいは、本発明の収納容器は、容器本体上部は円筒形で、容器本体の下部および蓋部がそれぞれ六角柱形、八角柱形等の多角柱形であってもよい。
【0016】
好ましくは、上記容器本体および蓋部のそれぞれには、滑り止め部が設けられていてもよい。これらの滑り止め部により、該容器本体および蓋部を螺合または螺合を解除する際に該容器本体および蓋部が把持し易くなり、本発明の収納容器の開閉操作が容易になる。該滑り止め部は、該容器本体および蓋部の外面の少なくとも一部に設けられた溝、突起、多数の凹凸、または高摩擦性素材で形成された面であり得る。また、該容器本体の内部底面および蓋部の下面は、おおよそ平面であると、本発明の容器内部でカラムをより安定に支持しやすくなるため好ましい。
【0017】
本発明の収納容器の容器本体の内部の底面上および蓋部の下面上には、それぞれシール部材が配置されている。該シール部材は、高摩擦性かつ弾性を有する材料、例えば、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等のエラストマー、フッ素ゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム等の合成ゴム、天然ゴム等から形成されている。一実施形態において、該シール部材は、該カラムの通液孔よりも大きい平板状である。別の実施形態において、該シール部材は、外径が該カラムの通液孔よりも大きいが該カラムの上面または下面よりも小さいO−リング状である。また別の実施形態において、該シール部材は、片方は上記平板状で、もう片方は上記O−リング状である。さらに、該シール部材の形状は、該カラムの通液孔を密閉できる形状であれば、上記実施形態に限定されず、他のあらゆる形状であり得る。いずれの場合も、該シール部材は、容器本体の内部の底面上および蓋部の下面上の中央部に配置されており、後述するように本発明の容器の蓋が閉められたときに、該カラムの上下面で少なくとも通液孔の周辺部と密着することができる。
【0018】
上記シール部材は、本発明の収納容器に収納されたクロマトグラフィーカラムの通液孔を密閉する役割、および本発明の収納容器の内部に該カラムを固定する役割を有する。本発明の収納容器の容器本体にクロマトグラフィーカラムを収納した状態で、蓋を閉めると、蓋部が容器本体内部にねじ込まれるため、収納されたクロマトグラフィーカラムは、該容器本体の内部の底面と該蓋部の下面との間に挟まれた状態となる。このとき、該容器本体の内部の底面と該蓋部の下面とに配置された2つのシール部材は、それぞれ該カラムの上面および下面のいずれかで、少なくとも該カラムの通液孔の周辺部と密着し、該通液孔を密閉する。例えば、シール部材が平板状であれば、容器の蓋を閉めることにより、カラム上面または下面の通液孔は該シール部材に覆われて密閉される。また例えば、シール部材がO−リング状であれば、容器の蓋を閉めることにより、該シール部材がカラム上面または下面の通液孔周辺部と密着し、容器本体底面または蓋部下面とともに通液孔をとり囲むことで、通液孔を密閉することができる。さらに、2つのシール部材は、該カラムを上下両面から押圧することにより、該容器本体内に該カラムを固定する。
【0019】
弾性材料から形成されている上記シール部材は、本発明の収納容器に収納されたクロマトグラフィーカラムへの外部からの衝撃を吸収する役割をさらに有し得る。したがって、衝撃吸収の観点からは該シール部材はより厚い方が望ましい。しかし、経済的観点を考慮すると、該シール部材の厚さは、0.3〜3.0mm程度が好ましい。輸送または保存環境に照らしてシール部材の衝撃吸収性が十分でない場合、該収納容器に収納したクロマトグラフィーカラムをさらに緩衝材等で包むことで、衝撃耐性をより向上させることができる。
【0020】
本発明の収納容器の容器本体および蓋部は、いずれも、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)などの汎用樹脂から形成することができる。内部に収納したカラムを視認できるように、少なくとも容器本体の側壁の一部または全部が、透明または半透明の材料で製造されていることが好ましい。より好ましくは、容器本体および蓋部は、透明または半透明の材料で製造されている。好ましくは、本発明の収納容器は自立型であり、収納したカラムを直立させた状態で保持することができる。
【0021】
本発明の収納容器に収納されたクロマトグラフィーカラムは、蓋つき容器の内部に高摩擦性かつ弾性を有するシール部材を介してカラムが密封されかつ安定に固定されているため、衝撃や汚染から保護されている。さらに、該収納容器の蓋を開けても容器の内部でカラムが傾いたり転倒したりすることがなく、容易にカラムを固定状態から解放し、またシールを除去できる。したがって、本発明のクロマトグラフィーカラムは、破損や汚染の危険なしに、最小限の操作で容易に容器内から出して機器にセットすることができる。
【0022】
上記に加え、本発明により、本発明の収納容器のクロマトグラフィーカラムの収納への使用が提供される。また、本発明の収納容器を使用したクロマトグラフィーカラムの収納方法が提供される。前記使用、収納方法の詳細は前述したとおりである。
【実施例】
【0023】
以下に図面を参照しながら本発明の態様を更に詳しく説明するが、図面に示された本発明の実施形態は、あくまで本発明を例示するものであり、本発明はこれら実施形態にのみ限定されるものではない。本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良および変更を包含するものであることは言うまでもない。
【0024】
図1は、本発明のカラム収納容器の一実施例の斜視図を示す。本実施形態のカラム収納容器1は、側壁が透明の材料から形成されている円筒形の自立型容器であり、容器本体と蓋部は螺合される。容器本体2に螺合された蓋部3は、容器本体2の内部に入り込んでいる。蓋部3と容器本体2の下部の外面には、容器開閉時の滑り止めとして、滑り止め溝4がそれぞれ設けられている。
図2は、
図1に示すカラム収納容器1において、容器本体2から蓋部3を取り外した状態を示す。容器本体2の内壁および蓋部3の側面には、対をなす螺合溝5が設けられている。
【0025】
図3は、
図1に示すカラム収納容器1の側面図(
図3a)、および断面図(
図3b)を示す。
図3bに示すとおり、容器本体2の内部の底面および蓋部3の下面は、ともに平面であり、それぞれにシール部材6が配置されている。本実施形態においては、シール部材6はフッ素ゴム製であり、直径は通液孔よりも大きく、厚さは1.5mmである。
【0026】
図4は、容器本体2の側壁の中央部のみが透明な材料から形成されており、その他(斜線部)が半透明な材料で形成されている本発明のカラム収納容器1の一実施例を示す。
【0027】
図5は、本発明のカラム収納容器の別の一実施例の斜視図を示す。本実施形態においては、容器本体2の形状は円筒形と六角柱形の組み合わせであり、蓋部3は六角柱形の頭部と螺合溝を備えた螺合部とを有する。
【0028】
図6a−cは、本発明のカラム収納容器に収納されるクロマトグラフィーカラム7の一実施例の側面図(a)、上面図(b)および底面図(c)を示す。カラム7は円柱状であり、上面および下面は平面で、それぞれ通液孔8を有する。
図6dは、
図1に示すカラム収納容器1に収納されたクロマトグラフィーカラム7の状態を示す概念図である。カラム7の上面および下面は、蓋部3の下面および容器本体2の内部の底面に配置されたシール部材6とそれぞれ密着している。カラム7は、2つのシール部材6を介して上下から押圧されており、それによって、収納容器1内部でカラム7が固定され、またカラム7の上下面にある通液孔8はシール部材6により密閉されている。
【0029】
図7は、
図1のカラム収納容器1の蓋部3の下面図であり、シール部材6が示されている。
図7aでは、シール部材6は直径が通液孔よりも大きい円板状であり、通液孔8を覆って密閉することができる。
図7bではシール部材6は外径が通液孔よりも大きいO−リング状であり、通液孔8の周辺部を囲むことで、通液孔8を密閉することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 カラム収納容器
2 容器本体
3 蓋部
4 滑り止め溝
5 螺合溝
6 シール部材
7 クロマトグラフィーカラム
8 通液孔