特許第6355692号(P6355692)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6355692請求額決定装置、請求額決定方法及び管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355692
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】請求額決定装置、請求額決定方法及び管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20180702BHJP
【FI】
   G06Q20/06 300
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-185523(P2016-185523)
(22)【出願日】2016年9月23日
(62)【分割の表示】特願2014-175578(P2014-175578)の分割
【原出願日】2014年8月29日
(65)【公開番号】特開2017-16694(P2017-16694A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2016年9月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年5月8日ウェブサイトhttp://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2014/05/08/333.html、http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2014/05/08/besshi333.htmlにて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年8月28日ウェブサイトhttp://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2014/08/28/611.htmlにて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(72)【発明者】
【氏名】菊池 良則
【審査官】 谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/041700(WO,A1)
【文献】 特開2004−086631(JP,A)
【文献】 特許第5551804(JP,B1)
【文献】 特開2008−021013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を提供する通信キャリアの契約者であるユーザに対する請求額を決定する請求額決定装置であって、
前記ユーザを識別する契約者識別情報に基づいて電子通貨の残高を管理する残高管理装置から取得した前記契約者識別情報に対応する前記ユーザが保有する電子通貨の残高を含み、前記ユーザが前記電子通貨の残高に加算するチャージを要求するチャージ要求を行うための画面を、前記通信キャリアが提供する通信回線を介して通信を行う前記ユーザの通信端末に表示させる表示制御部と、
前記契約者識別情報と、当該契約者識別情報に対応する前記電子通貨の残高に加算するチャージ額とを含む前記チャージ要求を、前記ユーザ端末から受け付ける受付部と、
前記チャージ要求を受け付けると、前記契約者識別情報に対応する前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算させるための通知を、前記残高管理装置に送信する要求送信部と、
前記ユーザの前記通信回線の使用料に前記チャージ額を加算した請求額を、前記契約者識別情報に関連付けて決定する請求部と、
を備える請求額決定装置。
【請求項2】
前記要求送信部は、前記チャージ額が、前記ユーザに対応して定められた上限額以下であることを条件として、前記通知を前記残高管理装置に送信する、
請求項1に記載の請求額決定装置。
【請求項3】
前記要求送信部は、前記ユーザと通信キャリアとの間での前記通信回線の使用に関する契約期間に基づいて定められた前記上限額以下であることを条件として、前記通知を前記残高管理装置に送信する、
請求項2に記載の請求額決定装置。
【請求項4】
前記要求送信部は、前記契約者識別情報に対応しかつ前記契約者識別情報と異なる管理情報を前記チャージ額に関連付けた前記通知を前記残高管理装置に送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の請求額決定装置。
【請求項5】
前記要求送信部は、前記請求部が、ユーザの前記通信回線の使用料に前記チャージ額を加算した請求額を、前記契約者識別情報に関連付けて決定した後に、前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算させる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の請求額決定装置。
【請求項6】
前記要求送信部は、前記ユーザのプリペイドカードに関連付けられた前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算させるための前記通知を前記残高管理装置に送信する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の請求額決定装置。
【請求項7】
前記要求送信部は、前記残高管理装置が管理する前記ユーザのポイントを用いて前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算させるための通知を、前記残高管理装置に送信する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の請求額決定装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記契約者識別情報に基づいて前記残高管理装置から取得した前記契約者識別情報に対応する前記ユーザに関連付けられたポイント数を含み、前記ユーザが前記ポイント数に基づいて前記チャージ要求を行うための画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
請求項1から7のいずれか一項に記載の請求額決定装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、
通信回線を提供する通信キャリアの契約者であるユーザを識別する契約者識別情報に基づいて電子通貨の残高を管理する残高管理装置から取得した前記契約者識別情報に対応する前記ユーザが保有する電子通貨の残高を含み、前記ユーザが前記電子通貨の残高に加算するチャージを要求するチャージ要求を行うための画面を、前記通信キャリアが提供する通信回線を介して通信を行う前記ユーザの通信端末に表示させるステップと、
前記契約者識別情報と、当該契約者識別情報に対応する前記電子通貨の残高に加算するチャージ額とを含む前記チャージ要求を、前記ユーザ端末から受け付けるステップと、
前記チャージ要求を受け付けると、前記契約者識別情報に対応する前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算させるための通知を、前記残高管理装置に送信するステップと、
前記ユーザの前記通信回線の使用料に前記チャージ額を加算した請求額を、前記契約者識別情報に関連付けて決定するステップと、
を有する請求額決定方法。
【請求項10】
通信回線を提供する通信キャリアの契約者であるユーザがカードを用いて使用可能な電子通貨の残高を管理する残高管理装置と、前記ユーザに対する前記通信回線の請求額を決定する請求額決定装置と、を備え、
前記請求額決定装置は、
前記ユーザを識別する契約者識別情報に基づいて電子通貨の残高を管理する残高管理装置から取得した前記契約者識別情報に対応する前記ユーザが保有する電子通貨の残高を含み、前記ユーザが前記電子通貨の残高に加算するチャージを要求するチャージ要求を行うための画面を、前記通信キャリアが提供する通信回線を介して通信を行う前記ユーザの通信端末に表示させる表示制御部と、
前記契約者識別情報と、当該契約者識別情報に対応する前記電子通貨の残高に加算するチャージ額とを含む前記チャージ要求を、前記ユーザ端末から受け付ける受付部と、
前記チャージ要求を受け付けると、前記残高管理装置に、前記契約者識別情報に対応する前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算させるための通知を、前記電子通貨の残高を管理する残高管理装置に送信する要求送信部と、
前記ユーザの前記通信回線の使用料に前記チャージ額を加算した請求額を、前記契約者識別情報に関連付けて決定する請求部と、
を有し、
前記残高管理装置は、
前記カードに関連付けて前記電子通貨の残高を記憶する記憶部と、
前記要求送信部から受信した前記通知に基づいて、前記ユーザが使用する前記カードに関連付けて前記記憶部に記憶された前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算する残高管理部と、
を有する管理システム。
【請求項11】
前記記憶部は、前記カードに関連付けてポイントの残高をさらに記憶し、
前記残高管理部は、前記請求額決定装置から受信した前記請求額に基づいて算出したポイントを、前記ポイントの残高加算する、
請求項10に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求額決定装置、請求額決定方法及び管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、金銭価値を有するクレジット、ポイント及びクーポン等の電子通貨の残高をコンピュータで管理することが知られている。特許文献1には、ユーザの口座に電子通貨を格納し、口座番号を記憶した携帯端末を用いて電子通貨による決済をする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−505192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法においては、携帯端末に口座番号を記憶しておく必要があるので、ユーザは、携帯端末に口座番号を入力しなければならなかった。ユーザは、電子通貨を格納する口座を変更すると、携帯端末に新たな口座番号を入力しなければならず、管理が煩雑であった。逆に、ユーザが携帯端末を買い替えた場合にも、ユーザは新たに購入した携帯端末に口座番号を入力しなければならなかった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ユーザの通信料金と併せて決済ができるようにするための請求額決定装置、請求額決定方法及び管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、通信回線を使用するユーザを識別する識別情報と、当該識別情報に対応するユーザが保有する電子通貨の残高に加算するチャージ額とを含み、チャージを要求するためのチャージ要求を受け付ける受付部と、前記チャージ要求を受け付けると、前記識別情報に対応する前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算させるための通知を、前記電子通貨の残高を管理する残高管理装置に送信する要求送信部と、前記ユーザの前記通信回線の使用料に前記チャージ額を加算した請求額を、前記識別情報に関連付けて決定する請求部と、を備える請求額決定装置を提供する。
【0007】
前記要求送信部は、前記チャージ額が、前記ユーザに対応して定められた上限額以下であることを条件として、前記通知を前記残高管理装置に送信してもよい。前記要求送信部は、前記ユーザと通信キャリアとの間での前記通信回線の使用に関する契約期間に基づいて定められた前記上限額以下であることを条件として、前記通知を前記残高管理装置に送信してもよい。
【0008】
前記要求送信部は、前記識別情報に対応しかつ前記識別情報と異なる管理情報を前記チャージ額に関連付けた前記通知を前記残高管理装置に送信してもよい。前記要求送信部は、前記請求部が、ユーザの前記通信回線の使用料に前記チャージ額を加算した請求額を、前記識別情報に関連付けて決定した後に、前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算させてもよい。
【0009】
前記要求送信部は、前記ユーザのプリペイドカードに関連付けられた前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算させるための前記通知を前記残高管理装置に送信してもよい。
【0010】
前記要求送信部は、前記残高管理装置が管理する前記ユーザのポイントを用いて前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算させるための通知を、前記残高管理装置に送信してもよい。
【0011】
本発明の第2の態様においては、コンピュータが実行する、通信回線を使用するユーザを識別する識別情報と、当該識別情報に対応するユーザが保有する電子通貨の残高に加算するチャージ額とを含み、チャージを要求するためのチャージ要求を受け付けるステップと、前記チャージ要求を受け付けると、前記識別情報に対応する前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算させるための通知を、前記電子通貨の残高を管理する残高管理装置に送信するステップと、前記ユーザの前記通信回線の使用料に前記チャージ額を加算した請求額を、前記識別情報に関連付けて決定するステップと、を有する請求額決定方法を提供する。
【0012】
本発明の第3の態様においては、通信回線を使用するユーザがカードを用いて使用可能な電子通貨の残高を管理する残高管理装置と、前記ユーザに対する前記通信回線の請求額を決定する請求額決定装置と、を備え、前記請求額決定装置は、通信回線を使用するユーザを識別する識別情報と、当該識別情報に対応するユーザが保有する電子通貨の残高に加算するチャージ額とを含み、チャージを要求するためのチャージ要求を受け付ける受付部と、前記チャージ要求を受け付けると、前記残高管理装置に、前記識別情報に対応する前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算させるための通知を、前記電子通貨の残高を管理する残高管理装置に送信する要求送信部と、前記ユーザの前記通信回線の使用料に前記チャージ額を加算した請求額を、前記識別情報に関連付けて決定する請求部と、を有し、前記残高管理装置は、前記カードに関連付けて前記電子通貨の残高を記憶する記憶部と、前記要求送信部から受信した前記通知に基づいて、前記ユーザが使用する前記カードに関連付けて前記記憶部に記憶された前記電子通貨の残高に前記チャージ額を加算する残高管理部と、を有する管理システムを提供する。前記記憶部は、前記カードに関連付けてポイントの残高をさらに記憶し、前記残高管理部は、前記請求額決定装置から受信した前記請求額に基づいて前記ポイントの残高を加算してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザの通信料金と併せて決済ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の電子通貨管理システムの概要を示す図である。
図2】電子通貨管理システムのシステム構成を示す図である。
図3】電子通貨管理システムを構成する各サーバで管理する情報を示す図である。
図4】ユーザ端末の表示画面例を示す図である。
図5】カード発行時の動作を示す図である。
図6】カード発行時の処理の流れを示す図である。
図7】カードにチャージする際の動作を示す図である。
図8】カードを用いて商品を購入する際の動作を示す図である。
図9】ユーザに対してポイントを付与する際の動作を示す図である。
図10】ユーザに対してユーザ固有のサービスを提供する際の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[電子通貨管理システムSの概要]
初めに、図1を参照して、電子通貨管理システムSの概要について説明する。電子通貨管理システムSは、ユーザがカード11を用いて使用することができる電子通貨の残高を管理し、ユーザの携帯電話(以下、ユーザ端末12)からカード11の管理を可能にするシステムである。電子通貨とは、クレジット、ポイント及びクーポン等のように、金銭価値を有する無形の通貨である。カードは、例えば、電子通貨を用いて商品やサービスを購入する際に使用できるクレジットカード又はプリペイドカードである。
【0016】
ユーザは、予めカード11に関連付けられた口座に電子通貨を貯めて、商品やサービスを購入する際に、カード11を用いて、当該口座に格納された電子通貨を使用することができる。電子通貨管理システムSでは、ユーザ端末12が、例えば携帯電話網の基地局を介してアクセス可能な電子通貨管理装置10においてカード11とユーザ端末12とを連携させることで、ユーザ端末12を用いたカード管理を実現している。具体的には、電子通貨管理システムSでは、ユーザ端末12を用いて、プリペイド式のカードへのチャージ(入金)や、カード残高、付与されたポイント及び利用履歴の確認等を実現している。
【0017】
ユーザは、多様な方法で電子通貨を貯めることができる。ユーザは、例えば、カード11に設定されたカード番号によって指定される口座に現金を振り込んでチャージすることにより電子通貨を貯めることができる。また、ユーザは、カード11を用いて現実店舗やオンライン店舗で買い物をして、購入額等に応じたポイントを受け取ることにより、電子通貨を貯めることもできる。ユーザは、カード11に関連付けられた電子通貨の残高をユーザ端末12から確認することができるので、電子通貨を貯めて、様々な用途で利用する意欲が高まる。
以下、電子通貨管理システムSを実現するための具体的な構成の一例について説明する。
【0018】
[電子通貨管理システムSのシステム構成]
図2は、電子通貨管理システムSのシステム構成の一例を示す図である。図2に示すように、電子通貨管理システムSは、ユーザ機器1と、ユーザ機器1がアクセス可能な電子通貨管理装置10と、を含んで構成される。電子通貨管理装置10は、カード管理サーバ2と、キャリアサーバ3と、ポイント管理サーバ4と、を含んで構成される。
【0019】
ユーザ機器1は、電子通貨管理システムSが提供するサービスを利用する各ユーザが用いる機器であり、カード11と、ユーザ端末12と、を含む。
【0020】
カード11は、国際ブランドの決済NW50を利用して決済を行うカードであり、予めチャージしておいた金額に基づいて利用額の決済を行えるプリペイドカードである。なお、カード11として、プリペイドカードに代えて(又は加えて)利用額を後払いするクレジットカード又はチャージ額を後払いするポストペイ型カードを用いることとしてもよい。
ユーザ端末12は、通信キャリアが提供する通信NWを介して通信(通話)を行う通信装置であり、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC等である。ユーザ端末12には、所定のアプリケーションプログラムがインストールされており、当該プログラムに基づき実行されるアプリケーションを介して、ユーザ端末12からカード11の管理をすることができる。
【0021】
カード管理サーバ2は、カード11の利用履歴をユーザ毎に管理するサーバであり、当該カード11に関する情報を記憶する。ここで、図3(A)にカード管理サーバ2に記憶される各種情報の一例を示す。図3(A)に示すように、カード管理サーバ2では、管理番号に関連付けてプリペイドカード番号(以下、単に「カード番号」と呼ぶ)、残高、及び利用履歴等の各種情報を記憶する。
カード番号は、カード11に設定された概ね16桁の英数字からなる番号であり、カード11を識別するための識別情報である。管理番号は、カード番号に対して一意に対応する番号であり、他サーバと連携する際にカード番号に代えてカード11を識別するために用いられる。残高は、カード11に設定されたカード番号によって指定される口座にチャージされた金額の残高を示す情報である。利用履歴は、カード11を用いた買い物の履歴であり、購入日時、購入対象の商品/サービス、購入額、購入場所(店舗名)等を含む。
【0022】
キャリアサーバ3は、通信キャリアが用いるサーバであり、通信キャリアが提供するサービスのユーザ端末12の利用履歴をユーザ毎に管理する。キャリアサーバ3は、利用履歴に基づいて、ユーザに対する請求額を算出する。また、キャリアサーバ3は、通信キャリアが提供するサービスをユーザ端末12に提供する入口(ポータル)として機能する。例えば、キャリアサーバ3は、ユーザ端末12からの要求に応じて、ユーザIDに関連付けられたカード番号に対応する口座に貯まっている電子通貨の残高をポイント管理サーバ4から取得し、ユーザ端末12に電子通貨の残高を通知することができる。また、キャリアサーバ3は、ユーザIDに関連付けられたポイントをポイント管理サーバ4から取得し、ユーザ端末12にポイントの残高を通知してもよい。
【0023】
ここで、図3(B)にキャリアサーバ3において管理される各種情報の一例を示す。図3(B)に示すように、キャリアサーバ3では、ユーザIDに関連付けて、ユーザ端末12の電話番号、請求額、契約ID、及び契約者名等の各種情報を記憶する。
ユーザIDは、ユーザ端末12又は当該ユーザ端末12を用いるユーザを識別する識別情報である。電話番号は、通信端末であるユーザ端末12に設定された電話番号である。請求額は、ユーザ端末12の利用に伴いユーザに対して請求する金額であり、例えば、通信料金、ユーザ端末12で利用したコンテンツの利用料金を含む。なお、通信キャリアによっては、携帯電話だけでなく、固定電話やケーブルテレビ等の複合的なサービスをユーザに提供することがあるため、請求額には、ユーザIDが示すユーザに対して提供しているサービスに関する料金を含めることとしてもよい。また、契約IDは、通信キャリアと結んだ契約を識別する識別情報であり、契約者が、当該契約を行ったことを示す情報である。通信キャリアでは、通信料金を同一人又は家族の範囲でまとめて請求することがある。契約ID及び契約者名は、通信料金の請求をまとめる範囲、及びまとめた通信料金を請求する対象を判別するための情報である。
【0024】
なお、図示しないものの、キャリアサーバ3は、ユーザIDに関連付けて、ユーザ端末12の契約期限、契約日時等の契約に関する情報、また、ユーザ端末12の利用に応じた請求額の支払いが済んでいる/遅延しているといった通信料金の支払いに関する情報を記憶することとしてもよい。
【0025】
ポイント管理サーバ4は、カード11の利用(例えば、カードを用いた買い物)に応じたポイントと、ユーザ端末12又はユーザIDが示すユーザに対して提供しているサービスの利用に応じたポイントとを統合して管理するサーバである。ここで、図3(C)及び図3(D)にポイント管理サーバ4において管理される各種情報の一例を示す。
図3(C)に示すように、ポイント管理サーバ4では、ユーザIDに関連付けて、管理番号、ポイント、及び明細情報等の各種情報を記憶する。ユーザIDは、ユーザ端末12を用いるユーザを識別する識別情報であり、キャリアサーバ3と連携する際に用いられる。管理番号は、カード番号に一意に対応する番号であり、カード管理サーバ2と連携する際に用いられる。ポイントは、キャリアサーバ3から取得した請求額、及びカード管理サーバ2から取得した購入額(即ち、購入した商品の決済金額)に応じて、対応するユーザに対して付与されたポイント数を示す情報である。明細情報は、カード11及びポイントの利用履歴を含む情報であり、カード11を用いた買い物の履歴、及びユーザに対して付与されたポイントの履歴を示す。
【0026】
また、図3(D)に示すように、ポイント管理サーバ4では、購入額や請求額に基づいて付与するポイントを算出するためのポイント付与レートを、利用形態に関連付けて記憶する。利用形態としては、カード11の利用又はユーザ端末12の利用が考えられるが、これら以外にも、カード11を利用した店舗が通常店であるか、ポイント優遇店であるか等に応じて、レートを異ならせることとしてもよい。なお、カード11を利用した店舗を示す情報は、カード管理サーバ2から利用履歴を受信することで、取得することができる。
【0027】
ポイント管理サーバ4は、カード管理サーバ2がカード番号に関連付けて管理する電子通貨の残高を、ユーザIDに関連付けて記憶してもよい。この場合、ポイント管理サーバ4は、カード管理サーバ2において電子通貨の残高が更新されたタイミングに同期して、記憶している電子通貨の残高を更新する。ポイント管理サーバ4は、ユーザ端末12からの要求に応じて、当該ユーザ端末12に対応するユーザIDに関連付けて記憶した電子通貨の残高を記憶部から読み出し、キャリアサーバ3を介して、電子通貨の残高をユーザ端末12に通知することができる。なお、ポイント管理サーバ4は、ユーザ端末12から電子通貨の残高を要求されたタイミングで、カード管理サーバ2からユーザIDに対応するカード番号に関連付けられた電子通貨の残高を取得し、取得した残高をユーザ端末12に通知してもよい。
【0028】
以上のとおり、電子通貨管理システムSでは、カード管理サーバ2と、キャリアサーバ3と、ポイント管理サーバ4とが連携することにより、カード番号とユーザIDとを関連付けて管理することができる。即ち、電子通貨管理システムSは、カード識別情報とユーザ端末を用いるユーザを識別するユーザ識別情報とを関連付けて管理する。具体的には、電子通貨管理システムSでは、ポイント管理サーバ4が、カード番号及びユーザIDのいずれにも関連付けられた管理番号を介して、カード番号とユーザIDとを関連付ける。
【0029】
そして、電子通貨管理システムSは、カード管理サーバ2において、カード番号に関連付けて、カードによる決済が可能な電子通貨の残高を管理する。キャリアサーバ3は、ユーザ端末12からの要求に応じて、ユーザIDに関連付けられたカード番号に対応する口座に貯まっている電子通貨の残高を、ポイント管理サーバ4を介してカード管理サーバ2から取得し、ユーザ端末12に電子通貨の残高を通知することができる。このようにすることで、電子通貨管理システムSにおいては、ユーザが、電子通貨の口座に関する情報をユーザ端末12に入力することなく、あたかもユーザ端末12に関連付けて電子通貨が管理されているかのような感覚で、電子通貨の残高を把握することができる。
【0030】
また、以上の構成の電子通貨管理システムSでは、ポイント管理サーバ4は、カード管理サーバ2において管理されるカード11の利用状況と、キャリアサーバ3において管理されるユーザ端末12の利用状況とを統合し、ポイントの統合を実現する。具体的には、ポイント管理サーバ4は、管理番号とユーザIDとを連携させることで、カード11の利用状況とユーザ端末12の利用状況とを統合する。
【0031】
ポイント管理サーバ4では、統合された情報をユーザIDに関連付けて管理するため、ユーザIDをキーとして、該当するユーザのカード11の利用状況及びユーザ端末12の利用状況を取得することができる。
そこで、電子通貨管理システムSでは、ユーザ端末12を用いるユーザがユーザIDを指定して要求を行うと、当該ユーザがポイント管理サーバ4で管理される各種情報を把握可能にしている。具体的には、ユーザ端末12が、ユーザIDを含む所定の情報をキャリアサーバ3に送信すると、キャリアサーバ3は、このユーザIDをキーとしてポイント管理サーバ4から関連する各種情報を取得し、ユーザ端末12に対して提供する。なお、ポイント管理サーバ4及びキャリアサーバ3は、前回要求時に提供した情報に対する差分の情報を、ユーザ端末12に対して提供することとしてもよい。
【0032】
[ユーザ端末12の表示画面例]
ここで、キャリアサーバ3から提供される各種情報に基づきユーザ端末12に表示される表示画面の一例を図4に示す。図4(A)は、上述のアプリケーション実行中に表示されるトップ画面の一例を示す表示画面200であり、図4(B)は、当該アプリケーション実行中に表示されるメニュー画面の一例を示す表示画面210である。
【0033】
図4(A)に示すように、表示画面200は、カード残高表示201と、ポイント数表示202と、チャージボタン203と、メニューボタン204と、を含んで構成される。
カード残高表示201は、プリペイド式のカード11の残高を示す表示であり、ポイント数表示202は、ユーザに付与されたポイント数を示す表示である。カード残高表示201及びポイント数表示202は、ユーザIDをキーとしてポイント管理サーバ4から取得したカード11の残高やポイント数に基づいて表示内容が制御される。
【0034】
チャージボタン203は、ユーザがカード11に所望の金額をチャージする際に用いられる。チャージボタン203が操作され、ユーザが所定のチャージ操作を行うと、ユーザIDと管理番号とが連携して、カード管理サーバ2へチャージ要求が行われる。
メニューボタン204は、キャリアサーバ3が提供する各種サービスのメニュー画面を呼び出す際に用いられる。メニューボタン204が操作されると、ユーザ端末12には、図4(B)に示す表示画面210が表示される。
【0035】
図4(B)に示すように、表示画面210には、ポイント用メニュー211と、ショッピング用メニュー212と、カード用メニュー213と、が含まれる。
ポイント用メニュー211は、「ポイントを利用して商品を購入する」、「ポイントを利用して特典(クーポン)を得る」等のように、ポイントの利用を促すメニューを含む。これにより、ユーザにはポイントを利用可能な様々なサービスが提供されるため、ユーザは、付与されたポイントを様々な場面で利用することができる。
【0036】
ショッピング用メニュー212は、「ポイント優遇店の紹介」や、「カード11を用いて買い物が可能な店舗を紹介する」等のようにカード11の利用を促すメニューを含む。カード11が利用されると、ポイント管理サーバ4において購入額に応じたポイントが付与されることになるため、このようなメニューを提供することで、ポイント付与の機会を増大することができる。
カード用メニュー213は、カード11の利用明細を確認するためのメニューを含む。このメニューを選択することで、ユーザは、カード11の利用履歴を確認することができる。
【0037】
[電子通貨管理システムSの動作]
以上、電子通貨管理システムSの構成について説明した。続いて、図5図10を参照して、電子通貨管理システムSの動作について説明する。
【0038】
[カード発行時の動作]
まず、図5及び図6を参照して、カード発行時の動作について説明する。電子通貨管理システムSでは、使用できないようにロックした状態でカード11を発行するとともに、カード11とユーザ端末12とを連携してカード11のロックを解除する。ロックした状態とは、例えば、カード管理サーバ2側において決済やチャージ等の要求を不可とする状態である。
具体的には、図5に示すように、カード11には、ユーザ端末12が読み取り可能なIC(Integrated Circuit)チップ111が設けられており、このICチップ111をユーザ端末12が読み取ることでカード11のロックが解除され、カード11が使用可能になる。なお、本実施形態では、カード11にNFC(Near Field Communication)に対応したICチップ111を設けておき、ユーザ端末12は、自身が有するNFC通信機能を用いてICチップ111を読み取ることとしている。
【0039】
ここで、図6を参照して、カード発行時の処理の一例について説明する。
初めに、ステップS1において、カード発行事業者(カード管理サーバ2)は、ロック解除に使用可能な情報をICチップ111に格納することで、当該情報をカード11にセットする。なお、ICチップ111に格納する情報は任意の情報であり、本実施形態では、例えば、ユーザ端末12を識別するユーザIDを用いることとしている。カード11にロック解除に使用可能な情報をセットすると、ステップS2において、カード管理サーバ2は、ユーザに対してカード11を発行する。
【0040】
カード管理サーバ2から発行されたカード11が届くと、ステップS3において、ユーザは、ユーザ端末12を用いてカード11のICチップ111を読み取る。即ち、ユーザがユーザ端末12とカード11とを接触させると、ユーザ端末12が有するNFC機能が発揮され、ICチップ111に格納されたロック解除に使用可能な情報をカード11から読み取る。続いて、ステップS4において、ユーザ端末12では、自身が有する情報と読み取った情報とが一致するか否かを判定する。このとき、両情報(ユーザID)が一致する場合には、ステップS5において、ユーザ端末12は、使用許可要求を行い、ステップS6において、カード管理サーバ2は、発行したカード11のロックを解除し、使用を許可する。他方、ステップS4において両情報が一致しない場合には、ステップS7において、ユーザ端末12では所定のエラー処理が行われる。
【0041】
以上、カード発行時の処理の一例について説明した。なお、カード11にセットするロック解除に使用可能な情報は、所定の方式により暗号化しておくこととしてもよい。この場合、ユーザ端末12において自身のユーザIDを暗号化した情報を持っておくこと、又は暗号鍵情報を記憶しておくことで、ユーザ端末12において両情報が一致するか否かの判定を行うことができる。
また、図6に示す例では、ユーザ端末12においてロック解除のための判定を行うこととしている。この点、当該判定をユーザ端末12ではなく、カード管理サーバ2、キャリアサーバ3及びポイント管理サーバ4のいずれかで行うこととしてもよい。
【0042】
なお、カード11のロックを解除した後にユーザ端末12がカード11に設けられたICチップ111を読み取ると、上述のアプリケーション実行中に表示される表示画面(例えば、図4(A)に示す表示画面200)を、ユーザ端末12において自動的に表示することとしてもよい。即ち、ユーザ端末12は、ICチップ111を読み取ると、キャリアサーバ3に対して各種情報の要求を行い、この要求に応じて取得した情報を表示する。
【0043】
[チャージ時の動作]
続いて、図7を参照して、カード11に金額をチャージする際の動作について説明する。図7(A)は、トップ画面を示す表示画面200(図4(A)参照)において、チャージボタン203が操作された場合に表示されるチャージメニュー画面を示す表示画面220である。
【0044】
図7(A)に示すように、本実施形態の電子通貨管理システムSでは、カード11に金額をチャージする方法として、チャージ方法221及びチャージ方法222を少なくとも含む。チャージ方法221は、付与されたポイントの少なくとも一部のポイントを用いてカード11に金額をチャージするチャージ方法であり、ポイントを所定のレートで金銭に変換することでチャージする。また、チャージ方法222は、キャリア決済を用いてチャージするチャージ方法である。キャリア決済とは、ユーザ端末12の通信料金と併せて決済することであり、このチャージ方法222では、チャージした金額をユーザ端末12の請求額に加算して請求する。なお、本実施形態では、チャージ方法221、222についてのみ説明するが、カード11へのチャージ方法はこれらに限るものでなく、他の方法により実現することとしてもよい。例えば、ユーザが用いる銀行口座を予め設定しておき、この銀行口座を介してカード11にチャージすることとしてもよい。
【0045】
チャージ方法221とチャージ方法222の動作の流れを図7(B)に示す。図7(B)に示すように、ステップS11において、ユーザ端末12は、キャリアサーバ3に対してチャージ要求を行う。このチャージ要求では、ユーザ端末12は、キャリアサーバ3に対してユーザIDとともに、チャージ方法及びチャージ金額を通知する。
【0046】
キャリアサーバ3は、チャージ要求を受けると、ステップS12において、ポイント管理サーバ4に対して、ユーザ端末12からチャージ要求を受けたことを通知する。具体的には、キャリアサーバ3は、チャージ要求を受けたユーザ端末12を識別するユーザIDを用いて、ポイント管理サーバ4に対して通知を行う。
【0047】
続く、ステップS13において、ポイント管理サーバ4では、ユーザIDに対応する管理番号を特定し、カード管理サーバ2に対して、当該管理番号に対応するカード11に設定されたカード番号に関連付けられた口座に対して、要求された金額をチャージするように通知する。この通知を受けると、カード管理サーバ2では、管理番号に対応するカード番号のカード11に設定されたカード番号に対応する口座に対して通知された金額を入金する。なお、このステップS13の処理は、詳細には、ステップS14A,Bの処理が行われた後に行われることになる。
【0048】
ステップS14Aは、チャージ方法221が選択された場合に実行される処理であり、ステップS14Bは、チャージ方法222が選択された場合に実行される処理である。
ステップS14Aでは、ポイント管理サーバ4は、ユーザIDに関連付けられたポイントから、チャージ金額に相当するポイントを減算する。
【0049】
また、ステップS14Bでは、キャリアサーバ3は、ユーザIDに関連付けられている請求額にチャージ金額に相当する金額を加算し、所定のタイミングでユーザに対して請求する。
なお、キャリア決済では、通信キャリアとの契約内容に応じて決済可能枠が設定される場合がある。一例として、通信キャリアが提供するサービスへの加入月数に応じて決済可能枠が設定される場合があり、例えば、加入月数「12ヶ月」のユーザに対しては決済可能枠「5000円」、加入月数「36ヶ月」のユーザに対しては決済可能枠「1万円」が設定される。このような場合には、ステップS14Bの処理において、キャリアサーバ3は、当月のチャージ金額の合計が、決済可能枠内であるか否かを判定し、決済可能枠内である場合に限り、キャリア決済を可能にしてもよい。
【0050】
[商品購入時の動作]
続いて、図8を参照して、カード11を用いて商品を購入する際の動作について説明する。なお、カード11は、現実の店舗やインターネット上の仮想店舗で用いることができる。
現実の店舗で商品を購入する場合、ステップS21Aに示すように、カードリーダーを介してカード11を読み取ることで、国際ブランドが提供する決済NW50にカード11のカード番号及び商品購入に関する情報が通知される。なお、商品購入に関する情報とは、例えば、購入額、購入した商品、購入した店舗等の情報である。また、ステップS21Bに示すように、仮想店舗で商品を購入する場合、ユーザ端末12から決済NW50にカード11のカード番号及び商品購入に関する情報が通知される。
【0051】
決済NW50において所定の決済処理が行われる際には、ステップS22において、決済NW50からカード管理サーバ2に対してカード番号及び商品購入に関する情報が通知される。カード管理サーバ2では、これら情報を受けると、カード番号に対応する残高から購入額を減算して利用履歴を更新するとともに、減算処理が完了したことを決済NW50に通知する。
【0052】
続いて、ステップS23において、カード管理サーバ2は、ポイント管理サーバ4に対して、カード番号に対応する管理番号とともに商品購入に関する情報を通知する。ポイント管理サーバ4では、取得した商品購入に関する情報に基づいて、管理番号に対応するユーザIDに関連付けられたポイントを更新する。
【0053】
[ポイント付与時の動作]
続いて、図9を参照して、ユーザに対してポイントを付与する際の動作について説明する。上述したように、本実施形態の電子通貨管理システムSでは、カード11を用いた商品の購入に応じてポイントを付与するとともに、ユーザ端末12の利用に応じてもポイントを付与する。
【0054】
商品の購入に応じてポイントを付与する場合、ステップS31において、ポイント管理サーバ4は、カード管理サーバ2から管理番号とともに商品購入に関する情報を取得する。すると、ステップS32において、ポイント管理サーバ4は、商品を購入した店舗に応じたレートを特定し、当該レートに基づいて購入額に応じたポイントを算出する。なお、このステップS31、ステップS32の処理は、ユーザがカード11を用いて商品を購入する度に行われる。
購入額に応じたポイントを算出すると、ステップS35において、ポイント管理サーバ4は、管理番号に対応するユーザIDに関連付けて記憶しているポイントに、算出したポイントを加算する。
【0055】
また、ステップS33において、ポイント管理サーバ4は、キャリアサーバ3からユーザIDとともに請求額を取得する。すると、ステップS34において、ポイント管理サーバ4は、予め定められたレートに基づいて請求額に応じたポイントを算出する。なお、このステップS33、ステップS34の処理は、請求額が確定したタイミングで行われる。
請求額に応じたポイントを算出すると、ステップS35において、ポイント管理サーバ4は、ユーザIDに関連付けて記憶しているポイントに、算出したポイントを加算する。
【0056】
[ユーザに対してサービスを提供する際の動作]
続いて、図10を参照して、電子通貨管理システムSを利用するユーザに対して当該ユーザ固有のサービスを提供する際の動作について説明する。
【0057】
ステップS41において、ユーザ端末12は、ユーザIDを伴いキャリアサーバ3にアクセスすると、ステップS42において、キャリアサーバ3は、ユーザIDをポイント管理サーバ4に対して通知する。ステップS43において、ポイント管理サーバ4は、通知されたユーザIDに応じたサービスに関する情報を取得し、キャリアサーバ3に通知し、ステップS44において、キャリアサーバ3からユーザ端末12に対して当該サービスが提供される。
なお、ポイント管理サーバ4ではユーザID毎にアクセス履歴を管理しており、このアクセス履歴に基づいて、前回アクセス時からの差分情報(利用金額、チャージ金額、ポイントの増減)と、現在の残高及び現在のポイント数とを取得する。そして、取得した情報がキャリアサーバ3を介してユーザ端末12に提供されることで、ユーザ端末12において前回との差分や現在の残高及びポイント数等が表示されることになる。
【0058】
なお、ユーザIDに応じたサービスとは、例えば、当該ユーザが所有するカード11の残高や付与されたポイントを確認可能にするサービスであり、また、ユーザの属性に合った商品を紹介(レコメンド)するサービス等である。
一例として、ポイント管理サーバ4は、ユーザIDに関連付けられた残高やポイントに基づいて、当該残高又はポイントで購入可能な商品、当該残高又はポイントでは足りないもののあと少し追加することで購入可能な商品等を紹介するサービスを提供する。また、ポイント管理サーバ4は、ユーザIDに関連付けられたユーザの属性(性別、年齢、生年月日、趣味嗜好)等に基づいて、当該ユーザが好む商品を紹介するサービスを提供する。このようなサービスについても、前回アクセス時から更新があったものを提供することができる。
【0059】
また、ポイント管理サーバ4は、ユーザ端末12を用いたサービスの提供者との契約が解除された場合に、ポイントを使用できない状態に変更してもよい。例えば、通信キャリアが、ユーザ端末12を用いた通信サービスを提供し、通信料金に応じたポイントをユーザ端末12のユーザに付与しているとする。この場合において、ポイント管理サーバ4は、ユーザ端末12のユーザが通信キャリアとの契約を解除した旨の情報をキャリアサーバ3から取得すると、ユーザ端末12に関連付けて記憶しているポイントを削除する。ポイント管理サーバ4は、ユーザ端末12のユーザが通信キャリアとの契約を解除した旨の情報を取得すると、ポイントを使用できない旨を示すフラグを付加した状態でポイント残高を記憶してもよい。ポイント管理サーバ4は、ユーザが通信キャリアとの契約を、契約を解除してから所定期間以内に再開したという通知をキャリアサーバ3から受けた場合に、上記のフラグを変更することにより、ポイントを使用できるようにしてもよい。
【0060】
[電子通貨管理システムSによる効果]
以上説明した電子通貨管理システムSでは、カード管理サーバ2と、キャリアサーバ3と、ポイント管理サーバ4とが連携することにより、カード番号とユーザIDとを関連付けて管理することができる。したがって、キャリアサーバ3は、ユーザ端末12からの要求に応じて、ユーザIDに関連付けられたカード番号に対応する口座に貯まっている電子通貨の残高を、ポイント管理サーバ4を介してカード管理サーバ2から取得し、ユーザ端末12に電子通貨の残高を通知することができる。このようにすることで、電子通貨管理システムSにおいては、ユーザが、電子通貨の口座に関する情報をユーザ端末12に入力することなく、あたかもユーザ端末12に関連付けて電子通貨が管理されているかのような感覚で、電子通貨の残高を把握することができる。
【0061】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0062】
S・・・電子通貨管理システム、1・・・ユーザ機器、11・・・カード、12・・・ユーザ端末、10・・・電子通貨管理装置、2・・・カード管理サーバ、3・・・キャリアサーバ、4・・・ポイント管理サーバ、50・・・決済NW
図1
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