特許第6355717号(P6355717)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士機械製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000002
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000003
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000004
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000005
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000006
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000007
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000008
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000009
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000010
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000011
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000012
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000013
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000014
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000015
  • 特許6355717-ダイ実装システム及びダイ実装方法 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355717
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】ダイ実装システム及びダイ実装方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/52 20060101AFI20180702BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20180702BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   H01L21/52 F
   H05K13/02 D
   H05K13/04 B
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-509630(P2016-509630)
(86)(22)【出願日】2014年3月24日
(86)【国際出願番号】JP2014058025
(87)【国際公開番号】WO2015145530
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2017年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】中山 幸則
(72)【発明者】
【氏名】中井 健二
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 諭
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/038053(WO,A1)
【文献】 特開2003−273167(JP,A)
【文献】 特開2005−123638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
H01L 21/60
H05K 13/02
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイシングシート上に貼着された1枚のウエハをダイシングして形成したダイを供給するダイ供給装置を部品実装機にセットし、該ダイ供給装置から供給されるダイを該部品実装機の実装ヘッドで吸着して回路基板に実装するダイ実装システムにおいて、
前記ダイ供給装置は、前記ダイシングシート上のダイを吸着して上下反転させる供給ヘッドと、前記ダイシングシート上のダイを撮像するカメラと、前記供給ヘッドを前記カメラと一体的に移動させる供給ヘッド移動機構とを備え、
前記カメラの撮像画像を処理して前記ダイシングシート上のダイの位置を認識して、前記供給ヘッド移動機構により前記供給ヘッドを該ダイの上方へ移動させて該供給ヘッドで該ダイを吸着して該供給ヘッドを上下反転させると共に、該供給ヘッド移動機構により該供給ヘッドをダイ受け渡し位置へ移動させて、該部品受渡し位置で該供給ヘッド上のダイを前記部品実装機の実装ヘッドで吸着して回路基板に実装する動作を制御する制御システムを備え、
前記供給ヘッド上のダイを前記実装ヘッドで吸着するダイ受け渡し動作を行う前記ダイ受け渡し位置は、次に前記供給ヘッドが吸着する前記ダイシングシート上のダイを前記カメラで撮像するダイ撮像位置に設定されていることを特徴とするダイ実装システム。
【請求項2】
ダイシングシート上に貼着された1枚のウエハをダイシングして形成したダイを供給するダイ供給装置を部品実装機にセットし、該ダイ供給装置から供給されるダイを該部品実装機の実装ヘッドで吸着して回路基板に実装するダイ実装システムにおいて、
前記ダイ供給装置は、前記ダイシングシート上のダイを吸着して上下反転させる供給ヘッドと、前記ダイシングシート上のダイを撮像するカメラと、前記供給ヘッドを前記カメラと一体的に移動させる供給ヘッド移動機構とを備え、
前記カメラの撮像画像を処理して前記ダイシングシート上のダイの位置を認識して、前記供給ヘッド移動機構により前記供給ヘッドを該ダイの上方へ移動させて該供給ヘッドで該ダイを吸着して該供給ヘッドを上下反転させると共に、該供給ヘッド移動機構により該供給ヘッドをダイ受け渡し位置へ移動させて、該部品受渡し位置で該供給ヘッド上のダイを前記部品実装機の実装ヘッドで吸着して回路基板に実装する動作を制御する制御システムを備え、
前記ダイ受け渡し位置は、前記供給ヘッド上のダイを前記実装ヘッドで吸着するダイ受け渡し動作と前記ダイシングシート上のダイを前記カメラで撮像するダイ撮像動作とを並行して実行できる位置に設定され、
前記ダイ供給装置は、前記ダイが貼着されたダイシングシートを張設したウエハパレットを複数段に収容するマガジンと、前記マガジンから前記ウエハパレットを前記供給ヘッド及び前記カメラの下方へ引き出したり該ウエハパレットを該マガジンへ戻すパレット出し入れ機構とを備え、
前記制御システムは、前記供給ヘッド移動機構により前記供給ヘッドを前記ダイ受け渡し位置へ移動させた状態で、前記パレット出し入れ機構により前記ウエハパレットを出し入れ方向に移動させることで撮像対象となるダイを前記カメラの視野内に移動させて撮像することを特徴とするダイ実装システム。
【請求項3】
前記供給ヘッドは、複数のダイを吸着する複数のノズルを備え、
前記制御システムは、前記供給ヘッド移動機構により前記供給ヘッドを前記ダイ受け渡し位置へ移動させた状態で、前記パレット出し入れ機構により前記ウエハパレットを出し入れ方向に移動させることで撮像対象となるダイを1個ずつ又は所定個数ずつ前記カメラの視野内に移動させて撮像するという動作を繰り返して前記供給ヘッドの複数のノズルに吸着する複数のダイの位置を認識することを特徴とする請求項2に記載のダイ実装システム。
【請求項4】
ダイシングシート上に貼着された1枚のウエハをダイシングして形成したダイを供給するダイ供給装置を部品実装機にセットし、該ダイ供給装置から供給されるダイを該部品実装機の実装ヘッドで吸着して回路基板に実装するダイ実装方法において、
前記ダイ供給装置は、前記ダイシングシート上のダイを吸着して上下反転させる供給ヘッドと、前記ダイシングシート上のダイを撮像するカメラと、前記供給ヘッドを前記カメラと一体的に移動させる供給ヘッド移動機構とを備え、
前記カメラの撮像画像を処理して前記ダイシングシート上のダイの位置を認識して、前記供給ヘッド移動機構により前記供給ヘッドを該ダイの上方へ移動させて該供給ヘッドで該ダイを吸着して該供給ヘッドを上下反転させると共に、該供給ヘッド移動機構により該供給ヘッドをダイ受け渡し位置へ移動させて、該部品受渡し位置で該供給ヘッド上のダイを前記部品実装機の実装ヘッドで吸着して回路基板に実装するダイ実装方法であって、
前記供給ヘッド上のダイを前記実装ヘッドで吸着するダイ受け渡し動作を行う前記ダイ受け渡し位置を、次に前記供給ヘッドが吸着する前記ダイシングシート上のダイを前記カメラで撮像するダイ撮像位置に設定することを特徴とするダイ実装方法。
【請求項5】
ダイシングシート上に貼着された1枚のウエハをダイシングして形成したダイを供給するダイ供給装置を部品実装機にセットし、該ダイ供給装置から供給されるダイを該部品実装機の実装ヘッドで吸着して回路基板に実装するダイ実装方法において、
前記ダイ供給装置は、前記ダイシングシート上のダイを吸着して上下反転させる供給ヘッドと、前記ダイシングシート上のダイを撮像するカメラと、前記供給ヘッドを前記カメラと一体的に移動させる供給ヘッド移動機構とを備え、
前記カメラの撮像画像を処理して前記ダイシングシート上のダイの位置を認識して、前記供給ヘッド移動機構により前記供給ヘッドを該ダイの上方へ移動させて該供給ヘッドで該ダイを吸着して該供給ヘッドを上下反転させると共に、該供給ヘッド移動機構により該供給ヘッドをダイ受け渡し位置へ移動させて、該部品受渡し位置で該供給ヘッド上のダイを前記部品実装機の実装ヘッドで吸着して回路基板に実装するダイ実装方法であって、
前記ダイ受け渡し位置を、前記供給ヘッド上のダイを前記実装ヘッドで吸着するダイ受け渡し動作と前記ダイシングシート上のダイを前記カメラで撮像するダイ撮像動作とを並行して実行できる位置に設定し、
前記ダイ供給装置は、前記ダイが貼着されたダイシングシートを張設したウエハパレットを複数段に収容するマガジンと、前記マガジンから前記ウエハパレットを前記供給ヘッド及び前記カメラの下方へ引き出したり該ウエハパレットを該マガジンへ戻すパレット出し入れ機構とを備え、
前記供給ヘッド移動機構により前記供給ヘッドを前記ダイ受け渡し位置へ移動させた状態で、前記パレット出し入れ機構により前記ウエハパレットを出し入れ方向に移動させることで撮像対象となるダイを前記カメラの視野内に移動させて撮像することを特徴とするダイ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1枚のウエハをダイシングして形成したダイを供給するダイ供給装置を部品実装機にセットし、該ダイ供給装置から供給されるダイを該部品実装機の実装ヘッドで吸着して回路基板に実装するダイ実装システム及びダイ実装方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年、特許文献1(特開2010−129949号公報)に記載されているように、ダイを供給するダイ供給装置を部品実装機にセットして、該ダイ供給装置から供給されるダイを該部品実装機の実装ヘッドで吸着して回路基板に実装するようにしたものがある。このダイ供給装置は、複数のダイに分割するようにダイシングされたウエハが貼着されたダイシングシートを張設したウエハパレットを複数段に収容するマガジンと、ウエハパレットのダイシングシート上のダイを吸着する供給ヘッドとを備え、マガジンからウエハパレットを1枚ずつ引き出して該ウエハパレットのダイシングシート上のダイを供給ヘッドで吸着してピックアップするようにしている。
【0003】
この場合、ダイシングシートは、ダイをピックアップしやすいように、XY方向に均一に拡張(エキスパンド)されて各ダイ間に隙間があけられているため、ダイシングシート上の各ダイの位置は、ダイシングシートの拡張量によって変化する。このため、ダイ供給装置には、吸着対象となるダイの位置を画像認識するためのカメラが搭載され、ダイシングシート上のダイを吸着する前に、吸着対象となるダイを上方からカメラで撮像して該ダイの位置を認識した後、該ダイの吸着動作を実行するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−129949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、ダイは、ダイシングシートに貼着した1枚のウエハをダイシングして形成されているが、ダイの実装面を上向きにしてダイシングシートに貼着されている場合がある。そこで、本発明の出願人は、ダイ供給装置の供給ヘッドを上下反転させるように構成し、ダイ吸着動作後に、供給ヘッドを上下反転させて該供給ヘッド上のダイを部品実装機の実装ヘッドで吸着して回路基板に実装するダイ実装システムを研究・開発中である。この場合、ダイ供給装置のダイ受け渡し準備動作(ダイの撮像・画像処理、ダイ吸着動作及び供給ヘッドの上下反転動作)は、ダイ供給装置の供給ヘッドから部品実装機の実装ヘッドへのダイの受け渡し動作が完了してから行うようにしている。このため、部品実装機の実装ヘッドがダイ実装動作を完了して次のダイ受け渡し位置へ移動するまでの時間と比べて、ダイ供給装置の供給ヘッドがダイ受け渡し準備動作を完了して次のダイ受け渡し位置へ移動するまでの時間が長くなる場合が多くなり、その場合に、ダイ受け渡し位置で部品実装機の実装ヘッドがダイ供給装置のダイ受け渡し準備動作を完了(供給ヘッドの到着)を待つ待ち時間が発生して、その分、生産性が低下するという欠点があった。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ダイ受け渡し位置で部品実装機の実装ヘッドがダイ供給装置の供給ヘッドの到着を待つ待ち時間を低減又は0にして生産性を向上できるダイ実装システム及びダイ実装方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、ダイシングシート上に貼着された1枚のウエハをダイシングして形成したダイを供給するダイ供給装置を部品実装機にセットし、該ダイ供給装置から供給されるダイを該部品実装機の実装ヘッドで回路基板に実装するダイ実装システムにおいて、前記ダイ供給装置は、前記ダイシングシート上のダイを吸着して上下反転させる供給ヘッドと、前記ダイシングシート上のダイを撮像するカメラと、前記供給ヘッドを前記カメラと一体的に移動させる供給ヘッド移動機構とを備え、更に、前記カメラの撮像画像を処理して前記ダイシングシート上のダイの位置を認識して、前記供給ヘッド移動機構により前記供給ヘッドを該ダイの上方へ移動させて該供給ヘッドで該ダイを吸着して該供給ヘッドを上下反転させると共に、該供給ヘッド移動機構により該供給ヘッドをダイ受け渡し位置へ移動させて、該部品受渡し位置で該供給ヘッド上のダイを前記部品実装機の実装ヘッドで吸着して回路基板に実装する動作を制御する制御システムを備え、前記ダイ受け渡し位置は、前記供給ヘッド上のダイを前記実装ヘッドで吸着するダイ受け渡し動作と前記ダイシングシート上のダイを前記カメラで撮像するダイ撮像動作とを並行して実行できる位置、すなわちダイ撮像位置に設定されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明は、ダイ供給装置の供給ヘッドとカメラとの位置関係が常に一定であることに着目して、ダイ供給装置の供給ヘッド上のダイを部品実装機の実装ヘッドで吸着するダイ受け渡し動作を行うダイ受け渡し位置を、ダイ受け渡し動作と並行してダイシングシート上のダイをカメラで撮像するダイ撮像動作を実行できる位置に設定しているため、ダイ受け渡し位置でダイ受け渡し動作と並行してダイ撮像動作を行うことができる。これにより、ダイ受け渡し動作の完了後にダイ撮像動作を行う場合と比較して、本発明は、ダイ撮像動作をダイ受け渡し動作中に並行して行う分だけ、ダイ供給装置のダイ受け渡し準備動作(ダイの撮像・画像処理、ダイ吸着動作、供給ヘッドの上下反転動作及びダイ受け渡し位置への移動)の完了時期を早めることができて、ダイ受け渡し位置で部品実装機の実装ヘッドがダイ供給装置のダイ受け渡し準備動作の完了(供給ヘッドの到着)を待つ待ち時間を低減又は0にすることができる。これにより、ダイ供給装置から部品実装機へのダイの受け渡しを能率良く行うことができて、生産性を向上できる。
【0009】
一般に、ダイ供給装置は、ダイが貼着されたダイシングシートを張設したウエハパレットを複数段に収容するマガジンと、前記マガジンから前記ウエハパレットを前記供給ヘッド及び前記カメラの下方へ引き出したり該ウエハパレットを該マガジン内へ戻すパレット出し入れ機構とを備えた構成となっている。この構成では、パレット出し入れ機構によりウエハパレットを出し入れ方向に移動させることができるため、前記制御システムは、前記供給ヘッド移動機構により前記供給ヘッドを前記ダイ受け渡し位置へ移動させた状態で、前記パレット出し入れ機構により前記ウエハパレットを出し入れ方向であるY方向に移動させることで撮像対象となるダイを前記カメラの視野内に移動させて撮像するようにしても良い。このようにすれば、ダイ供給装置の供給ヘッドをダイ受け渡し位置へ移動させたときに、撮像対象となるダイがカメラの視野内に収まっていない場合でも、カメラの視野からY方向に離れた位置に撮像対象となるダイが存在すれば、パレット出し入れ機構によりウエハパレットをY方向に移動させることで撮像対象となるダイをカメラの視野内に移動させて撮像することができ、ダイ受け渡し位置でダイ受け渡し動作と並行してダイ撮像動作を行うことができる。
【0010】
本発明は、ダイ供給装置の供給ヘッドに1つの吸着ノズルのみを設けて1つのダイのみを吸着するようにしても良いし、複数の吸着ノズルを設けて複数のダイを吸着するようにしても良い。供給ヘッドに複数の吸着ノズルを設けた場合は、前記供給ヘッド移動機構により前記供給ヘッドを前記ダイ受け渡し位置へ移動させた状態で、前記パレット出し入れ機構により前記ウエハパレットを出し入れ方向であるY方向に移動させることで撮像対象となるダイを1個ずつ又は所定個数ずつ前記カメラの視野内に移動させて撮像するという動作を繰り返して前記供給ヘッドの複数の吸着ノズルに吸着する複数のダイの位置を認識するようにすれば良い。このようにすれば、ダイ供給装置の供給ヘッドの複数の吸着ノズルに複数のダイを吸着する場合でも、ダイ受け渡し位置でダイ受け渡し動作と並行して撮像対象となる複数のダイをカメラで順次撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明の一実施例の部品実装機にダイ供給装置をセットした状態を示す平面図である。
図2図2は部品実装機にダイ供給装置をセットした状態を示す外観斜視図である。
図3図3は部品実装機にセットしたときのダイ供給装置と部品実装機の実装ヘッドとの位置関係を示す側面図である。
図4図4はダイ供給装置のステージを上昇させたときの供給ヘッドと部品実装機の実装ヘッドの高さ位置関係を示す側面図である。
図5図5はダイ供給装置のステージを下降させたときの供給ヘッドと部品実装機の実装ヘッドの高さ位置関係を示す側面図である。
図6図6はダイ供給装置のステージ上のウエハパレットのダイを供給ヘッドで吸着するときの状態を示す側面図である。
図7図7は上下反転させた供給ヘッド上のダイを部品実装機の実装ヘッドで吸着するときの状態を示す側面図である。
図8図8はダイ供給装置のステージ上のウエハパレットのダイを部品実装機の実装ヘッドで直接吸着するときの状態を示す側面図である。
図9図9はダイ供給装置の供給ヘッドとカメラの位置関係を示す外観斜視図である。
図10図10はダイ吸着動作時の供給ヘッドの状態を示す外観斜視図である。
図11図11は上下反転動作時の供給ヘッドの状態を示す外観斜視図である。
図12図12はダイ供給装置のマガジンからウエハパレットがステージ上に引き出されていない状態を斜め上方から見た外観斜視図である。
図13図13はダイ供給装置のマガジンからウエハパレットがステージ上に引き出された状態を斜め上方から見た外観斜視図である。
図14図14(a)はダイ供給装置の動作の流れを示すフローチャート、同図(b)は部品実装機の動作の流れを示すフローチャートである。
図15図15はダイ受け渡し動作時の供給ヘッドとカメラとの位置関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を図面を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、部品実装機11には、ダイ供給装置12が着脱可能にセットされる。部品実装機11には、ダイ供給装置12のセット位置に隣接してフィーダセット台13が設けられ、このフィーダセット台13上にテープフィーダ等のフィーダ(図示せず)が着脱可能にセットされる。フィーダセット台13上にセットするフィーダは、テープフィーダに限定されず、バルクフィーダ、スティックフィーダ等であっても良く、これらのフィーダの中から複数種のフィーダをフィーダセット台13上にセットしても良い。
【0013】
部品実装機11には、実装ヘッド15をXY方向(左右前後方向)に移動させるXY移動機構16(XYロボット)が設けられている。このXY移動機構16は、Y方向(回路基板17の搬送方向と直角な方向)にスライド移動するYスライド18と、該Yスライド18に、X方向(回路基板17の搬送方向)にスライド可能に支持されたXスライド19とを備え、該Xスライド19に実装ヘッド15が支持されている。
【0014】
部品実装機11の実装ヘッド15には、ダイ供給装置12から供給されるダイ22やフィーダから供給される電子部品(以下「フィーダ部品」という)を吸着する1本又は複数本の吸着ノズル23(図3乃至図8参照)と、回路基板17の基準マーク等の撮像対象物を上方から撮像するマークカメラ(図示せず)等が設けられている。尚、実装ヘッド15は、吸着ノズル23の本数の異なる実装ヘッドと交換可能となっている。
【0015】
部品実装機11には、回路基板17を搬送するコンベア25が2台設けられ、コンベア25とダイ供給装置12(又はフィーダ)との間の位置に、実装ヘッド15の吸着ノズル23に吸着したダイ22やフィーダ部品を下方から撮像するパーツカメラ26(図1図4乃至図8参照)が上向きに設けられている。その他、部品実装機11には、交換用の吸着ノズルを保管するノズルステーション20(図1参照)が設けられ、実装ヘッド15に保持した吸着ノズル23をノズルステーション20に保管された吸着ノズルと自動的に交換できるようになっている。
【0016】
一方、ダイ供給装置12には、ウエハパレット27を複数段に収容するマガジン28が設けられている。図12図13に示すように、ウエハパレット27は、多数のダイ22に分割するようにダイシングされたウエハが貼着された伸縮可能なダイシングシート29を、円形の開口部を有するダイシングフレーム30にエキスパンドした状態で装着し、該ダイシングフレーム30をパレット本体31にねじ止め等により取り付けた構成となっている。ダイ供給装置12には、パレット出し入れ機構35が設けられ、このパレット出し入れ機構35によりマガジン28からウエハパレット27をステージ32上に引き出したり該ウエハパレット27をマガジン28内へ戻すようにしている。
【0017】
また、ダイ供給装置12には、供給ヘッド33をXY方向(左右前後方向)に移動させる供給ヘッド移動機構34(XYロボット)が設けられている。この供給ヘッド移動機構34は、Y方向にスライド移動するYスライド36と、該Yスライド36に、X方向にスライド可能に支持されたXスライド37とを備え、該Xスライド37に設けたヘッド保持ユニット40に供給ヘッド33が着脱可能に保持され、該供給ヘッド33には複数本の吸着ノズル38(図9乃至図11参照)が上下動可能に保持されている。このダイ供給装置12の供給ヘッド33は、ウエハパレット27のダイシングシート29上にダイ22が実装面を上向きにして貼着されている場合に使用され、該供給ヘッド33の吸着ノズル38にダイ22を吸着した後、上下反転機構39(図9乃至図11参照)により該供給ヘッド33が上下反転してダイ22を上下反転させて、部品実装機11の実装ヘッド15の吸着ノズル23に吸着させるように構成されている。
【0018】
この場合、上下反転させた供給ヘッド33上のダイ22の高さ位置を部品実装機11の実装ヘッド15の吸着高さ位置に合わせる必要があるため、ダイ供給装置12の供給ヘッド33をウエハパレット27がセットされたステージ32と一体的に上下動させる上下動機構(図示せず)が設けられ、ダイ22を上下反転させて回路基板17に実装する場合は、図7に示すように、供給ヘッド33及びステージ32を上下動機構により下降させた位置で上下反転させた供給ヘッド33上のダイ22を部品実装機11の実装ヘッド15に吸着させるようにしている。
【0019】
一方、ウエハパレット27のダイシングシート29上にダイ22が実装面を下向きにして貼着されている場合は、ダイ22を上下反転させずに回路基板17に実装する。この場合は、図8に示すように、供給ヘッド33及びステージ32を上下動機構により上昇させた位置でステージ32上のウエハパレット27のダイ22を部品実装機11の実装ヘッド15の吸着ノズル23に吸着させる。
【0020】
ダイ供給装置12の供給ヘッド33には、供給ヘッド33の吸着ノズル38にダイ22を吸着する前に当該ダイ22を撮像するカメラ41(図9参照)が設けられ、このカメラ41の撮像画像を処理してダイ22の位置を認識して供給ヘッド33の吸着ノズル38にダイ22を吸着するようになっている。
【0021】
また、ダイ供給装置12には、供給ヘッド33の吸着ノズル38にダイ22を吸着する際に、ダイシングシート29のうちの吸着ノズル38に吸着しようとする部分をその下方から突き上げる突き上げ機構42(図12参照)が設けられている。突き上げ機構42は、ステージ32の上下動に連動して上下動するようになっている。
【0022】
部品実装機11の稼働中は、制御システム(図示せず)によって、生産ジョブ(生産プログラム)に従って、部品実装機11、ダイ供給装置12及びフィーダの動作を制御して、ダイ供給装置12から供給されるダイ22とフィーダから供給されるフィーダ部品のいずれかを吸着して回路基板17に実装する。
【0023】
この際、ダイ22を上下反転させて回路基板17に実装する場合は、図5に示すように、ダイ供給装置12の供給ヘッド33とステージ32を下降させると共に、図6に示すように、供給ヘッド33をウエハパレット27の上方へ移動させ、該供給ヘッド33の吸着ノズル38にダイ22を吸着する。この後、図7に示すように、ダイ供給装置12の供給ヘッド33を吸着ノズル38と一体的に上下反転させて、該吸着ノズル38に吸着したダイ22を上下反転させると共に、部品実装機11の実装ヘッド15を供給ヘッド33の上方に移動させて、供給ヘッド33の吸着ノズル38上のダイ22を実装ヘッド15の吸着ノズル23に吸着して回路基板17に実装する。
【0024】
この場合、ダイ22を貼着したダイシングシート29は、ダイ22をピックアップしやすいように、XY方向に均一に拡張(エキスパンド)されて各ダイ22間に隙間があけられているため、ダイシングシート29上の各ダイ22の位置は、ダイシングシート29の拡張量によって変化する。このため、ダイシングシート29上のダイ22を吸着する前に、吸着対象となるダイ22を上方からカメラ41で撮像して該ダイ22の位置を認識する必要がある。
【0025】
また、ダイ供給装置12のダイ受け渡し準備動作(ダイ11の撮像・画像処理、ダイ吸着動作、供給ヘッド33の上下反転動作及びダイ受け渡し位置への移動)を、ダイ供給装置12の供給ヘッド33から部品実装機11の実装ヘッド15へのダイ受け渡し動作が完了してから行うようにすると、部品実装機11の実装ヘッド15がダイ実装動作を完了して次のダイ受け渡し位置へ移動するまでの時間と比べて、ダイ供給装置12の供給ヘッド33がダイ受け渡し準備動作を完了して次のダイ受け渡し位置へ移動するまでの時間が長くなる場合が多くなる。そのため、ダイ受け渡し位置で部品実装機11の実装ヘッド15がダイ供給装置12のダイ受け渡し準備動作を完了(供給ヘッド33の到着)を待つ待ち時間が発生して、その分、生産性が低下する。
【0026】
そこで、本実施例では、ダイ供給装置12の供給ヘッド33とカメラ41との位置関係が常に一定であることに着目して、ダイ供給装置12の供給ヘッド33から部品実装機11の実装ヘッド15へダイ22を受け渡すダイ受け渡し位置を、供給ヘッド33上のダイ22を実装ヘッド15で吸着するダイ受け渡し動作とダイシングシート29上のダイ22をカメラ41で撮像するダイ撮像動作とを並行して実行できる位置、すなわちダイ撮像位置に設定して、ダイ受け渡し位置でダイ受け渡し動作と並行してダイ撮像動作を行うことができるように構成している。
【0027】
また、本実施例では、パレット出し入れ機構35によりウエハパレット27を出し入れ方向であるY方向に移動させることができる点に着目して、図15に示すように、供給ヘッド移動機構34により供給ヘッド33をダイ受け渡し位置へ移動させた状態で、パレット出し入れ機構35によりウエハパレット27を出し入れ方向であるY方向に移動させることで撮像対象となるダイ22をカメラ41の視野内に移動させて撮像できるようにしている。このようにすれば、ダイ供給装置12の供給ヘッド33をダイ受け渡し位置へ移動させたときに、撮像対象となるダイ22がカメラ41の視野内に収まっていない場合でも、カメラ41の視野からY方向に離れた位置に撮像対象となるダイ22が存在すれば、パレット出し入れ機構35によりウエハパレット27をY方向に移動させることで撮像対象となるダイ22をカメラ41の視野内に移動させて撮像することができ、ダイ受け渡し位置でダイ受け渡し動作と並行してダイ撮像動作を行うことができる。
【0028】
更に、本実施例では、ダイ供給装置12の供給ヘッド33に複数の吸着ノズル38を設けて複数のダイ22を吸着するようにしているため、供給ヘッド移動機構34により供給ヘッド33をダイ受け渡し位置へ移動させた状態で、パレット出し入れ機構35によりウエハパレット27を出し入れ方向であるY方向に移動させることで撮像対象となるダイ22を1個ずつ又は所定個数ずつカメラ41の視野内に移動させて撮像して画像処理するという動作を繰り返して供給ヘッド33の複数の吸着ノズル38に吸着する複数のダイ22の位置を認識するようにしている。このようにすれば、ダイ供給装置12の供給ヘッド33の複数の吸着ノズル38に複数のダイ22を吸着する場合でも、ダイ受け渡し位置でダイ受け渡し動作と並行して撮像対象となる複数のダイ22をカメラ41で順次撮像することができる。
【0029】
尚、本実施例では、部品実装機11の実装ヘッド15の吸着ノズル23の本数と配置をダイ供給装置12の供給ヘッド33の吸着ノズル38の本数と配置を同一にして、ダイ供給装置12の供給ヘッド33の複数の吸着ノズル38に吸着した複数のダイ22を部品実装機11の実装ヘッド15の複数の吸着ノズル23へ同時に受け渡すことができるようにしている。
【0030】
但し、本発明は、部品実装機11の実装ヘッド15の吸着ノズル23の本数がダイ供給装置12の供給ヘッド33の吸着ノズル38の本数と異なる構成としても良く、例えば、部品実装機11の実装ヘッド15の吸着ノズル23の本数がダイ供給装置12の供給ヘッド33の吸着ノズル38の本数よりも少ない場合は、ダイ供給装置12の供給ヘッド33をダイ受け渡し位置へ移動させた状態で、該供給ヘッド33上のダイ22が全てなくなるまで部品実装機11の実装ヘッド15をダイ受け渡し位置と回路基板17のダイ実装位置との間を往復させるようにすれば良い。また、部品実装機11の実装ヘッド15の吸着ノズル23の本数がダイ供給装置12の供給ヘッド33の吸着ノズル38の本数よりも多い場合は、部品実装機11の実装ヘッド15をダイ受け渡し位置へ移動させた状態で、該実装ヘッド15の全ての吸着ノズル23にダイ22を吸着するまで、ダイ供給装置12の供給ヘッド33をダイ受け渡し位置とダイ吸着位置との間を往復させるようにすれば良い。
【0031】
以上説明した本実施例のダイ供給装置12のダイ受け渡し準備動作(ダイ11の撮像・画像処理、ダイ吸着動作、供給ヘッド33の上下反転動作及びダイ受け渡し位置への移動)と、ダイ供給装置12の供給ヘッド33から部品実装機11の実装ヘッド15へのダイ受け渡し動作は、制御システム(ダイ供給装置12の制御装置及び部品実装機11の制御装置)によって図14(a)、(b)の制御プログラムに従って実行される。
【0032】
部品実装機11の制御装置は、ステップ101において、ダイ受け渡し位置で、ダイ供給装置12の供給ヘッド33上のダイ22を部品実装機11の実装ヘッド15の吸着ノズル23に吸着するダイ受け渡し動作を実行した後、ステップ102に進み、実装ヘッド15をパーツカメラ26の上方へ移動させて該実装ヘッド15の吸着ノズル23に吸着したダイ22をパーツカメラ26の視野内に収めて、該ダイ22を撮像して、その画像を処理して該ダイ22の吸着姿勢(吸着位置ずれや角度ずれ等)を認識した後、該実装ヘッド15を回路基板17の上方へ移動させて、該実装ヘッド15の吸着ノズル23に吸着したダイ22を回路基板17に実装する。この際、ダイ22の吸着姿勢の画像認識結果に基づいて吸着ノズル23に対するダイ22の吸着位置ずれや角度ずれ等を補正してダイ22を回路基板17に実装する。この後、ステップ103に進み、部品実装機11の実装ヘッド15をダイ受け渡し位置へ戻して、ダイ供給装置12のダイ受け渡し準備動作(ダイ11の撮像・画像処理、ダイ吸着動作、供給ヘッド33の上下反転動作及びダイ受け渡し位置への移動)が完了するまで待つ。以後、上述したステップ101〜103の動作を繰り返す。
【0033】
一方、ダイ供給装置12の制御装置は、ステップ201において、ダイ受け渡し位置で、ダイ供給装置12の供給ヘッド33上のダイ22を部品実装機11の実装ヘッド15の吸着ノズル23に吸着するダイ受け渡し動作を実行するのと並行して、ステップ202で、パレット出し入れ機構35によりウエハパレット27を出し入れ方向であるY方向に移動させることで撮像対象となるダイ22を1個ずつ又は所定個数ずつカメラ41の視野内に移動させて撮像して画像処理するという動作を繰り返して供給ヘッド33の複数の吸着ノズル38に吸着する複数のダイ22の位置を認識するダイ撮像・画像処理を実行する。
【0034】
この後、ステップ203に進み、ダイ22の位置の画像認識結果に基づいてダイ供給装置12の供給ヘッド33を供給ヘッド移動機構34によりダイ吸着位置へ移動させて該ダイ22を吸着する。この後、ステップ204に進み、ダイ供給装置12の供給ヘッド33を上下反転させてダイ受け渡し位置へ移動させる。以後、上述したステップ201〜204の動作を繰り返す。
【0035】
以上説明した本実施例では、ダイ供給装置12の供給ヘッド33上のダイ22を部品実装機11の実装ヘッド15で吸着するダイ受け渡し動作を行うダイ受け渡し位置を、ダイ受け渡し動作と並行してダイシングシート29上のダイ22をカメラ41で撮像するダイ撮像動作を実行できる位置に設定しているため、ダイ受け渡し位置でダイ受け渡し動作と並行してダイ撮像動作を行うことができる。これにより、本実施例では、ダイ受け渡し動作の完了後にダイ撮像動作を行う場合と比較して、ダイ撮像動作をダイ受け渡し動作中に並行して行う分だけ、ダイ供給装置12のダイ受け渡し準備動作(ダイ22の撮像・画像処理、ダイ吸着動作、供給ヘッド33の上下反転動作及びダイ受け渡し位置への移動)の完了時期を早めることができて、ダイ受け渡し位置で部品実装機11の実装ヘッド15がダイ供給装置12のダイ受け渡し準備動作の完了(供給ヘッド33の到着)を待つ待ち時間を低減又は0にすることができる。これにより、ダイ供給装置12から部品実装機11へのダイの受け渡しを能率良く行うことができて、生産性を向上できる。
【0036】
尚、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、ダイ供給装置12の供給ヘッド33に1つの吸着ノズル38のみを設けて1つのダイ22のみを吸着するようにしても良く、また、部品実装機11やダイ供給装置12の構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0037】
11…部品実装機、12…ダイ供給装置、13…フィーダセット台、15…実装ヘッド、16…XY移動機構、17…回路基板、22…ダイ、23…吸着ノズル、25…コンベア、26…パーツカメラ、27…ウエハパレット、28…マガジン、29…ダイシングシート、32…ステージ、33…供給ヘッド、34…供給ヘッド移動機構、35…パレット出し入れ機構、38…吸着ノズル、39…上下反転機構、40…ヘッド保持ユニット、41…カメラ、42…突き上げ機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15