(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355728
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】自動車を案内する方法および該方法を実施する自動車
(51)【国際特許分類】
B60K 26/02 20060101AFI20180702BHJP
B60K 26/04 20060101ALI20180702BHJP
B60W 30/182 20120101ALI20180702BHJP
G05G 1/405 20080401ALI20180702BHJP
G05G 5/03 20080401ALI20180702BHJP
G05G 1/30 20080401ALI20180702BHJP
【FI】
B60K26/02
B60K26/04
B60W30/182
G05G1/405
G05G5/03 Z
G05G1/30 E
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-523922(P2016-523922)
(86)(22)【出願日】2014年10月14日
(65)【公表番号】特表2016-536192(P2016-536192A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】EP2014071961
(87)【国際公開番号】WO2015055615
(87)【国際公開日】20150423
【審査請求日】2016年6月9日
(31)【優先権主張番号】102013220905.3
(32)【優先日】2013年10月15日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ シュニーダース
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ディットマン
【審査官】
結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−54860(JP,A)
【文献】
特表2013−517980(JP,A)
【文献】
特開2006−143120(JP,A)
【文献】
特開2009−35250(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102012101686(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 26/02−26/04
B60W 30/182
G05G 1/30,1/405,5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)を案内する方法であって、
第1の方法ステップでは、前記自動車(1)は、運転者支援システム(6)を用いて自動化方式で案内され、前記第1の方法ステップに続く第2の方法ステップでは、前記自動車(1)は、運転者(2)によって非自動化方式で案内される、方法において、
前記第1の方法ステップから前記第2の方法ステップへの移行時に、前記自動車(1)のアクセルペダル(10)が、ペダルアクチュエータ(12)を用いて調整され、この調整によって前記アクセルペダル(10)が、前記第2の方法ステップの開始時点で、前記第1の方法ステップ終了時の自動車(1)の車両の動きに対応する移行ペダル位置をとるようにする、方法において、
前記第1の方法ステップは、前記第2の方法ステップの開始と共に終了する移行フェーズを含んでおり、前記アクセルペダル(10)は、前記移行フェーズ中に前記ペダルアクチュエータ(12)を用いて、ペダル休止位置から前記移行ペダル位置に調整される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記移行フェーズ中の前記アクセルペダル(10)は、前記ペダルアクチュエータ(12)を用いて前記自動車(1)の車両の動きに対応するように連続的に調整される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ペダル圧が作用していない前記アクセルペダル(10)において、アクセルペダル(10)に作用するペダル圧が、前記自動車(1)の非自動化方式の案内をスイッチオンする、請求項1または2の方法。
【請求項4】
前記第2の方法ステップの開始時点において、前記運転者(2)に対し、前記アクセルペダル(10)による触覚的シグナリングが行われる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記第1の方法ステップに先行する方法ステップにおいて、前記自動車(1)は、前記運転者(2)によって非自動化方式で案内され、前記アクセルペダル(10)は、前記第1の方法ステップの開始時点で前記ペダルアクチュエータ(12)を用いて前記ペダル休止位置に調整される、請求項2から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
請求項1から5いずれか1項記載の方法を実施する自動車(1)であって、
前記自動車(1)は、当該自動車(1)を自動化方式で案内する運転者支援システム(6)と、
ペダルアクチュエータ(12)および該ペダルアクチュエータ(12)を駆動制御するアクチュエータ制御機器(14)を有するアクセルペダル(10)とを備えており、
前記アクセルペダル(10)は、前記アクチュエータ制御機器(14)によって駆動制御される前記ペダルアクチュエータ(12)を用いて、前記自動車(1)の運転者(2)に依存することなく調整可能であることを特徴とする自動車(1)。
【請求項7】
前記ペダルアクチュエータ(12)は、電動アクチュエータである、請求項6記載の自動車(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の方法ステップでは、前記自動車は、運転者支援システムを用いて自動化方式で案内され、前記第1の方法ステップに続く第2の方法ステップでは、前記自動車は、運転者によって非自動化方式で案内される、自動車を案内する方法に関している。その他に本発明は、このような方法を実施する自動車に関している。
【0002】
運転者が乗っている自動車を自動化方式で案内するための様々な方法が既に公知である。これらの方法は、それらの自動化レベルに応じて区別され、これらの方法の区別は、自動化レベルに応じて、例えばドイツ連邦運輸省交通研究所によって示されており、本特許出願でもその区別が適用される。
【0003】
その後の高度な自動化方式で自動車を案内する方法では、運転者支援システムが、自動車の横方向及び長手方向の案内を、特定の状況下で所定の期間の間引き継いでいる。自動車を全自動化方式で案内する方法では、運転者支援システムは、自動車の横方向及び長手方向の案内を、定められた適用ケースにおいて完全に引き継ぐ。この全自動化方式の案内のケースでは、運転者支援システムは、適用ケースを離れる前に、運転作業の引き継ぎ、すなわち自動車の案内の引き継ぎのための十分な時間余裕度を運転者に要求する。高度に自動化された案内のケースでは、引き継ぎ要求が必要に応じて、十分な時間余裕度でもって行われる。運転作業を引き継ぐためには、どちらのケースにおいても、すなわち自動車の高度に自動化された案内においても、全自動化された案内においても、運転者支援システムを用いてそのつど引き継ぎ準備が必要である。この高度な自動化方式若しくは全自動化方式の自動車の案内は、より高度な自動化レベルでの自動車案内とも称されている。
【0004】
上述した両方のケース、すなわち自動車の、高度に自動化された案内と完全に自動化された案内においては、運転者は、運転者支援システムを監視する必要はない。
【0005】
それとは対照的に、運転者は、より低い自動化レベルの方法では、すなわち運転者支援システムを用いて自動車を部分自動化方式で案内する方法あるいは運転者支援システムを用いて自動車を支援のみの方式で案内する方法では、運転者支援システムを持続的に監視しなければならない。つまり運転者支援システムを用いて自動車を部分自動化方式で案内する方法においても、運転者支援システムを用いて自動車を支援のみの方式で案内する方法においても、運転者は、車両案内の完全な引き継ぎのために常に待機している必要がある。
【0006】
運転者支援システムを用いた自動車の部分自動化方式での案内方法では、運転者支援システムは、自動車の横方向および長手方向案内を所定の期間の間、または特定の状況において引き継ぐ。運転者支援システムを用いた自動車の支援方式での案内方法では、運転者は持続的に横方向または縦方向の制御を行い、各ケースの他の運転作業は、運転者支援システムにより所定の制限内で実施される。
【0007】
特に自動車が運転者支援システムを用いた自動化方式で長手方向に案内される場合には、自動車の非自動化方式での長手方向案内への移行の際に、自動車の不所望な速度変化の危険性が生じる。
【0008】
本発明の課題は、自動車の自動化方式での案内から非自動化方式での案内への円滑な移行が提供される、冒頭に述べたような形式の方法を提供することにある。その他にも本発明の課題は、そのような方法を実施する自動車を提供することにある。
【0009】
本発明の最初に述べた課題は、第1の方法ステップから第2の方法ステップへの移行時に、自動車のアクセルペダルが、ペダルアクチュエータを用いて調整され、この調整によってアクセルペダルが、第2の方法ステップの開始時点で、第1の方法ステップ終了時の自動車の車両の動きに対応する移行ペダル位置をとることによって解決される。本発明による方法の第2の方法ステップは、好ましくは第1の方法ステップにすぐに続けられる。
【0010】
したがって、本発明は、第1の方法ステップにおいては、自動車が自動化方式で少なくとも長手方向に案内される方法に関している。また本発明は、自動車が第1の方法ステップにおいて支援のみで運転者支援システムを用いて所定の制限内で少なくとも長手方向に案内される方法を含む。好ましくは、本発明は、第1の方法ステップにおいて、自動車が全自動化方式または高度な自動化方式または部分自動化方式で案内される方法に関している。
【0011】
第2の方法ステップでは、自動車は、運転者によって非自動化方式で、少なくとも長手方向に案内される。以下では、自動車の自動化方式での案内とは、基本的に少なくとも自動車の自動化された長手方向案内を指し、自動車の非自動化方式での案内は、基本的に少なくとも自動車の非自動化方式の長手方向案内を指す。
【0012】
本発明における特別な利点は、自動車が既に第1の方法ステップにおいて運転者により、非自動化方式で、すなわち自動車を長手方向案内する運転者支援システムの影響なしで案内された場合にアクセルペダルが占めるであろうと想定される正確な位置において運転者がアクセルペダルを引き継ぐことにある。アクセルペダルに対する別の一般的な名称は加速ペダルである。ペダルアクチュエータは、運転者に依存することのないアクセルペダルの調整に用いられる。ペダルアクチュエータに対する別の一般的な名称はペダルアクタである。
【0013】
移行ペダル位置は、第1の方法ステップ終了時の自動車の車両の動き、特に車両長手方向の動きに対応している。それによりこの移行ペダル位置は、例えば、それぞれ第1の方法ステップの終了時点における、自動車の速度、自動車の変速機の変速段、自動車が走行しているルートの勾配、自動車が走行している区間の道路状況に依存している。別の表現によれば、この移行ペダル位置は、第1の方法ステップ終了時点での自動車の駆動機関の負荷状況に対応している。アクセルペダルの移行ペダル位置とは、自動車が非自動化方式で長手方向に案内されるときに、すなわちアクセルペダルがその時点で同じ車両の動きに対してドライバによって操作されるときに、第1の方法ステップの終了時点においてアクセルペダルがとると想定されるアクセルペダル位置である。
【0014】
これにより運転者は、好ましくはこれ以降自動車を第2の方法ステップにおいて非自動化方式で案内するために、ペダルアクチュエータによって設定されるペダル位置、すなわち移行ペダル位置を直接引き継ぐことができるようになる。この本発明によれば、ドライバによる非自動化方式、つまりマニュアルでの自動車案内を引き継ぐ際に、自動車の望ましくない減速や自動車の望ましくない加速が行われることはない。同様に、この引き継ぎの際の自動車の望ましくないジャーキングも回避される。運転者は、本発明による方法を用いることによって、アクセルペダルの位置を、好ましくは迅速かつ快適に、速度変動なしで引き継ぐことが可能になる。そこでは好ましくは、いわゆるオーバードライブ(正の加速度)も、負の加速度(ドラッグトルク)も存在しない。
【0015】
ペダルアクチュエータを用いたアクセルペダルの調整は、好ましくは専ら自動車が運転者支援システムを用いて自動化方式で案内される場合に行われる。ペダルアクチュエータを用いたアクセルペダルの調整は、好ましくは電動方式の調整である。自動車が運転者によって非自動化方式で案内されるときには、好ましくはペダルアクチュエータを用いたアクセルペダルの調整は行われない。ペダルアクチュエータは好ましくは、自動車が運転者によって非自動化方式で案内される場合には、非活動状態である。
【0016】
本発明の好ましいさらなる改善例は、従属請求項に記載されている。
【0017】
アクセルペダルは、例えば第1の方法ステップ全般に亘ってペダルアクチュエータにより、アクセルペダル位置がそのつど現下の実際の車両の動きに対応するように調整されることが想定できる。それに対して特に好ましくは、本発明の一改善例によれば、第1の方法ステップは、前記第2の方法ステップの開始と共に終了する移行フェーズを含んでおり、前記アクセルペダルは、前記移行フェーズ中に前記ペダルアクチュエータを用いて、ペダル休止位置から前記移行ペダル位置に調整される。これにより、このアクセルペダルは、自動車が自動化方式で案内される第1の方法ステップの期間中は完全に休止位置におかれる。それにより、一方では自動車のフットウエルズ空間において付加的空間が解放され、運転者によるアクセルペダルの不用意な操作が未然に回避され、他方では、自動車の乗員にとっての快適性を場合によっては損なわせ、ペダルアクチュエータに負担をかけるアクセルペダルの絶え間ない動きが回避される。
【0018】
移行フェーズは、自動車の非自動化方式の案内が準備されるフェーズである。この移行フェーズは、例えば数秒の期間、例えば5〜10秒の期間を含んでいてもよい。
【0019】
本発明の好ましい改善例によれば、移行フェーズ中のアクセルペダルは、ペダルアクチュエータを用いて自動車の車両の動き、特に車両長手方向の動きに対応するように連続的に調整される。上述したように車両の動きは、様々な要因に依存する。別の言い方をすれば、移行フェーズ中のアクセルペダルの位置は、本発明のこの改善例によれば、自動車の駆動機関のそのつどの負荷状況に対応している。移行フェーズ中の車両の動き若しくは駆動機関のそのつどの負荷状況に対するアクセルペダル位置の対応付けにより、後続の非自動化方式の自動車の案内の際にアクセルペダルを操作する運転者の足部が、既に移行フェーズ中にアクセルペダルに載置可能となり、その際のアクセルペダルの動きが有利に開始される。移行フェーズ期間中のアクセルペダルの各位置は、本発明のこの改善例のもとでは、それぞれ次のようなアクセルペダルの位置である。すなわち自動車が非自動化方式で長手方向に案内されるときに、すなわちアクセルペダルが移行フェーズ期間中に同じ車両の動きに対してドライバによって操作されるときに、移行フェーズの経過においてアクセルペダルがとると想定されるアクセルペダル位置である。
【0020】
自動車の非自動化方式での案内は、例えば自動車のステアリングホイールにあるスイッチを運転者が操作することによってスイッチオンされるようにすることも考えられる。その際にはそれに伴って自動車の自動化方式での案内がスイッチオフされる。それに対して、本発明の好ましい改善例によれば、ペダル圧が何も作用していないアクセルペダルにおいて、アクセルペダルに作用するペダル圧が、自動車の非自動化方式の案内をスイッチオンする。ペダル圧が何も作用していないアクセルペダルとは、上記の意味では、アクセルペダルに外部圧力が何も加えられていないことを指す。アクセルペダルに加えられ、スイッチングに作用するペダル圧は、好ましくは運転者によって、すなわち特に運転者の足部によって、アクセルペダルに加えられる。また代替的に、アクセルペダルに作用する比較的短く突くようなペダル圧が、自動車の非自動化方式の案内をスイッチオンさせることも可能である。なおその際には、必ずしもアクセルペダルが事前にペダル圧が作用していない状況である必要はない。
【0021】
また本発明の別の実施形態によれば特に好ましくは、第2の方法ステップの開始時点において、運転者に対し、アクセルペダルによる触覚的シグナリングが行われる。この触覚的シグナリングは、非自動化方式の案内への移行が行われたことを示している。このようにして運転者は、今現在の自動車が、運転者自身によって非自動化方式で、つまり手動で案内されているという事実についての一義的な情報を与えられる。好ましくは、前記触覚的シグナリングは、アクセルペダルの振動を含むことができる。
【0022】
自動車の非自動化方式から自動化方式への長手方向案内の移行の際には、アクセルペダルが例えば、運転者からもたらされたその最後の位置に維持されることも想定され得る。それに対して本発明の好ましい改善例によれば、第1の方法ステップに先行する方法ステップにおいて、自動車は、運転者によって非自動化方式で案内され、アクセルペダルは、第1の方法ステップの開始時点でペダルアクチュエータを用いてペダル休止位置に調整される。これにより、自動車のフットウエルズの付加的空間がアクセルペダルから短時間だけ解放され、それに続く運転者によるアクセルペダルの不用意な操作が未然に回避される。アクセルペダルは第1の方法ステップの開始時点において、車両の動きに対応するまだ運転者が引き起こしたペダル位置から調整されます。上述したように、車両の動き(およびそれに伴うアクセル位置)は様々な要因に依存している。別の言い方をすれば、ここでのアクセルペダルの位置は、第1の方法ステップの開始時点の自動車の車両駆動機関の負荷状況に対応している。第1の方法ステップ開始時点の車両の動きに対応するペダル位置は、自動車の非自動化方式の案内のもとで同じ車両の動きの際に運転者によるアクセルペダルの操作に基づいてこの時点でとられたであろうアクセルペダルの位置である。ここでのペダル位置は、特に先行する方法ステップの終了時に運転者によって引き起こされたペダル位置であり得る。
【0023】
上述した第2の課題は、上記の方法を実施する自動車であって、前記自動車は、当該自動車を自動化方式で案内する運転者支援システムと、ペダルアクチュエータおよび該ペダルアクチュエータを駆動制御するアクチュエータ制御機器を有するアクセルペダルとを備え、前記アクセルペダルは、前記アクチュエータ制御機器によって駆動制御される前記ペダルアクチュエータを用いて、前記自動車の運転者に依存することなく調整可能である自動車によって達成される。ここでの運転者に依存しないとは、運転者がアクセルペダルを操作しないこと、すなわちアクセルペダルに圧力を加えないことを意味する。アクチュエータ制御機器は、例えば自動車の中央制御装置に配置されていてもよいし、例えば運転者支援システムの制御機器に配置されていてもよい。特にアクチュエータ制御機器は、前述したそのような制御機器内に機能的に統合させてもよい。ペダルアクチュエータは、アクチュエータ制御機器によって、例えば車両の動きに依存して、特に自動車の長手方向移動に依存して駆動制御されてもよいし、別の言い方をすれば、自動車の駆動機関の負荷状況に依存して駆動制御されてもよい。その他にペダルアクチュエータは、例えばアクセルペダルをペダル休止位置へ調整するために、アクチュエータ制御機器によって、例えばそのつどの前述した本発明による方法のそのつどの方法ステップに依存して駆動制御されてもよい。
【0024】
ペダルアクチュエータは、例えば油圧アクチュエータまたは例えば空気圧アクチュエータであってもよい。それに対してペダルアクチュエータの特に良好でかつ容易な開ループおよび閉ループ制御性並びにその低コストの製造性のために、好ましい改善例によれば、前記ペダルアクチュエータは、電動アクチュエータである。それによりペダルアクチュエータは、電動モータを備えている。この電動モータは、特にアクチュエータ制御機器によって駆動制御され、アクセルペダルは、アクチュエータ制御ユニットによって駆動制御されるペダルアクチュエータの電動モータを用いて調整可能である。
【0025】
本発明の実施形態は、図面に基づいて概略的に示されており、以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】
図1による自動車のアクセルペダルをそれぞれ異なるペダル位置で示した図
【
図3】
図1による自動車のアクセルペダルをそれぞれ異なるペダル位置で示した図
【
図4】
図1による自動車のアクセルペダルをそれぞれ異なるペダル位置で示した図
【
図5】
図1による自動車のアクセルペダルをそれぞれ異なるペダル位置で示した図
【
図6】
図1による自動車のアクセルペダルをそれぞれ異なるペダル位置で示した図
【
図7】
図1による自動車のアクセルペダルをそれぞれ異なるペダル位置で示した図
【
図8】
図1による自動車のアクセルペダルをそれぞれ異なるペダル位置で示した図
【0027】
全ての図面において、それぞれ対応する構成要素には同じ参照番号が付されている。
【0028】
発明を実施するための形態
図1には、自動車1が運転者2と共に概略的な描写で示されている。この自動車1は、ステアリングホイール4と、自動車1の自動化方式での案内のための運転者支援システム6とを備えている。この運転者支援システム6は制御機器8を含んでいる。
【0029】
さらにこの自動車1は、ペダルアクチュエータ12とアクチュエータ制御機器14とを有したアクセルペダル10を備えている。
【0030】
アクチュエータ制御機器14は、例えばペダルアクチュエータ12内に統合されていてもよいし、あるいは例えば自動車1の他の制御機器内に、例えば運転者支援システム6の制御機器8内に統合されていてもよい。ここでのアクチュエータ制御機器14は、ペダルアクチュエータ12内に配設され、運転者支援システム6の制御機器8に接続されている。それにより、これらの2つの制御機器間では、情報の交換、例えば制御信号の交換が可能である。
【0031】
アクセルペダル10は、アクチュエータ制御機器14によって駆動制御可能なペダルアクチュエータ12を用いることで、自動車1の運転者2に依存することなく調整可能である。本実施形態では、ペダルアクチュエータ12は、電動アクチュエータである。アクセルペダル10は、自動車1が自動化方式で案内される場合には、詳細には図示していない電動モータを用いて調整される。運転者2による自動車1の案内、特に長手方向の案内を引き継ぐために、ペダルアクチュエータ12を用いたアクセルペダル10の調整は、少なくとも移行ペダル位置にて行われる。
【0032】
以下では、
図2〜
図8に基づいて、
図1による自動車1を案内する方法を、より詳細に説明する。この目的のために、
図3〜
図8にはそれぞれ、ドライバ2の足部16とアクセルペダル10とが種々異なる位置で概略的に示されている。
【0033】
図2は、自動車1が第1の方法ステップの期間中に運転者支援システム6を用いて自動化方式で案内される場合のアクセルペダル10を示している。このアクセルペダル10は、本実施形態によれば、ペダルアクチュエータ12を用いて、自動車1の現下の車両長手方向の動きに応じて調整される。このことは2つの双方向矢印18,18aによって表されており、この場合アクセルペダル10は、より高位の位置で例示的に描写されたアクセルペダル10aで示されるように、より高位の位置も取り得るし、より低位の位置で例示的に描写されたアクセルペダル10bで示されるように、より低位の位置も取り得る。また代替的にこのアクセルペダル10は、ペダル休止位置に位置していてもよい(
図8参照)。
【0034】
第1の方法ステップに引き続いて第2の方法ステップでは、自動車1は運転者2によって非自動化方式で案内される。
図3には、第1の方法ステップ終端の移行フェーズ期間の状況が示されており、この移行フェーズは、第2の方法ステップの開始と共に終了する。その際運転者2は足部16を、矢印20の方向にアクセルペダル10まで移動させる。
【0035】
それに続いて運転者2は、
図4に示すように、足部16をアクセルペダル10に載置し、アクセルペダル10の最終位置を引き継ぐ。この最終位置は、アクセルペダル10が自動車1の自動化方式での案内中にとっていた位置であり、アクセルペダル10の引き継ぎペダル位置である。その後で運転者2は自動車1を、非自動化方式で案内し、アクセルペダル10を、例えばより低位の位置で描写されたアクセルペダル10cで示されるように、より低位の位置へ向けて矢印20の方向に踏み込む。
【0036】
そのようにして運転者2は、自動車1を手動で、すなわち非自動化方式で案内する。それに対して足部16は、
図5の双方向矢印22で表されているように上下に動かされる。それに応じてアクセルペダル10は、足部16により、対応する双方向矢印24方向に動かされる。ここでのアクセルペダル10の調整は、ペダルアクチュエータ12を用いて行われていない。
【0037】
図5に相応している描写は
図6にも示されている。この
図6の描写は、前述の第1の方法ステップに先行する方法ステップ期間の状況に当て嵌まるものであり、この先行する方法ステップにおいても、自動車1は、運転者2によって非自動化方式で案内されている。上述した自動車1が運転者支援システム6を用いて自動化方式で案内される第1の方法ステップが開始される時点では、運転者2は、
図7に示されているように足部16を、アクセルペダル10から矢印26方向に持ち上げる。この場合アクセルペダル10は、自動車1の車両の動きに、特に車両長手方向の動きに対応したペダル位置をとり、本実施形態によれば、先行のペダル位置からペダルアクチュエータ12を用いてペダル休止位置に調整される。このことは、ここでは下向き矢印28によって表されている。
【0038】
図8には、ペダル休止位置のアクセルペダル10が示されている。運転者2の足部16は、詳細には図示されていないフットウエルズスペースにおかれている。
図8は、上記
図3で説明したように、第2の方法ステップの開始と共に終了する、第1の方法ステップの移行フェーズの状況を示している。
【0039】
図8の実施形態によれば、アクセルペダル10は、より高位な位置で例示的に描写されたアクセルペダル10dで示されているように、第1の方法ステップの移行フェーズ中にペダルアクチュエータ12を用いてペダル休止位置から移行ペダル位置へ矢印30方向に調整される。この移行ペダル位置では、運転者2はアクセルペダルを、自動車1の非自動化された案内のためにシームレスに引き継ぐことが可能である。