(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355784
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】食品の充填のための装置
(51)【国際特許分類】
B65B 31/04 20060101AFI20180702BHJP
B65B 7/28 20060101ALI20180702BHJP
B65B 3/04 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
B65B31/04 Z
B65B7/28 A
B65B3/04
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-51137(P2017-51137)
(22)【出願日】2017年3月16日
(65)【公開番号】特開2017-178452(P2017-178452A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2017年3月16日
(31)【優先権主張番号】10 2016 105 778.9
(32)【優先日】2016年3月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517093669
【氏名又は名称】ハンバ・フィルテク・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ・シュトラウフ
【審査官】
植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−175519(JP,A)
【文献】
特開2005−075373(JP,A)
【文献】
特開2006−062676(JP,A)
【文献】
国際公開第99/001344(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 31/00−31/08
B65B 7/00− 7/28
B65B 1/00− 3/36
B65B 43/52−43/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前もって作り上げられた、密閉縁部(24)を形成する個別容器(20)内への、液状からペースト状までの食品の充填のための装置であって、この装置が、
−支持要素(13)を備え、この支持要素が、駆動装置を用いて、エンドレスに、前記装置(10)を通って案内され、且つ、前記個別容器(20)のための収容開口部(26)を有し、
−作業ステーション(14)を備え、これら作業ステーションの作動領域内において、前記支持要素(13)が、これら支持要素の、前記装置(10)を通るエンドレスの循環中に到達し、
−少なくとも1つの、密閉装置(18)として形成された作業ステーション(14)を備え、この作業ステーションが、密閉工具を用いて、密閉フィルム(34)をそれぞれの個別容器(20)の密閉縁部(24)の上に固定し、
−前記支持要素(13)を、これら支持要素の送り方向に対して横方向に測定された幅で上から覆う、細長い帯状の密閉フィルム(34)を備え、この密閉フィルムが、前記個別容器(20)の密閉縁部(24)と密閉ヘッド(32)との間で案内され、
−方向転換装置(35)を備え、この方向転換装置が、前記送り方向において密閉装置(18)の手前に設けられており、且つ、前記密閉フィルム(34)を、送り方向に平行な、密閉に適合した整向状態へと移行し、
−前記送り方向において密閉装置(18)の手前に設けられている、ガス付与装置を備え、このガス付与装置が、前記個別容器(20)の充填されていない頭部領域を、酸素を含有しない状態までに酸素を低減されたガスでもって充填する様式の上記装置において、
−前記密閉装置(18)の領域内において、少なくとも1つの密閉フィルム押圧体(37)が設けられており、
−この密閉フィルム押圧体(37)が、送り方向に平行に整向されており、
−この密閉フィルム押圧体(37)が、前記密閉フィルム(34)を、この密閉フィルム押圧体自身と前記支持要素(13)との間で、前記支持要素(13)に対して所定の間隔をおいて保持すること、
前記密閉フィルム押圧体(37)が、少なくとも1つの、回転するように軸受けされた車輪(38/40)を備えており、前記密閉フィルム(34)が、前記密閉フィルム押圧体(37)と支持要素(13)との間の通過の際に、基本的に摩擦無く、この車輪(38/40)に沿って案内されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記密閉フィルム押圧体(37)は、複数の、送り方向(V)内において相前後して設けられた車輪(38/40)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ベルト(39)は、エンドレスに、前記車輪の配設の周囲を循環し、且つ、前記密閉フィルム(34)が、基本的に摩擦無く、この循環するベルト(39)に沿って案内されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
それぞれに1つの密閉フィルム押圧体(37)は、前記密閉装置(18)を通過する支持要素(13)の、それぞれの送り方向に平行な縁部領域の上方に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
前記密閉工具は、前記密閉ヘッド(32)であり、これら密閉ヘッドが、それぞれに、操作連動棒(33)を介して、垂直方向に上下に移動可能であり、且つ、これら密閉ヘッドの作業領域を収容するフレーム(36)によって囲繞されており、前記密閉フィルム(34)が、このフレーム(36)の下側に沿って案内され、このフレーム(36)が、前記密閉フィルム押圧体(37)を支持していることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前もって作り上げられた、密閉縁部を形成する個別容器内への、液状からペースト状までの液状の食品の充填のための装置に関し、この装置が、
支持要素を備え、この支持要素が、駆動装置を用いて、エンドレスに、前記装置を通って案内され、且つ、前記個別容器のための収容開口部を有し、
作業ステーションを備え、これら作業ステーションの作動領域内において、前記支持要素が、これら支持要素の、前記
装置を通るエンドレスの循環中に、前記装置を通って到達し、
少なくとも1つの、密閉装置として形成された作業ステーションを備え、この作業ステーションが、密閉工具を用いて、密閉フィルムをそれぞれの
個別容器の密閉縁部の上に固定し、
前記支持要素を、これら支持要素の送り方向に対して横方向に測定された幅で上から覆う、細長い帯状の密閉フィルムを備え、この密閉フィルムが、前記
個別容器の密閉縁部と密閉ヘッドとの間で案内され、
方向転換装置を備え、この方向転換装置が、前記送り方向において密閉装置の手前に設けられており、且つ、前記密閉フィルムを、送り方向に平行な、密閉に適合した整向状態へと移行し、
前記送り方向において密閉装置の手前に設けられている、ガス付与装置を備え、このガス付与装置が、前記個別容器の充填されていない頭部領域を、酸素を含有しない状態までに酸素を低減されたガスでもって充填する。
【背景技術】
【0002】
冒頭に記載した様式の充填装置は、例えば、出願人の特許文献1、または、特許文献2から公知である。
冒頭に記載した様式の装置は、多数の支持要素を装備しており、これら支持要素が、それ自体、個別容器のための多数の収容開口部を有している。これら支持要素は、上側ベルト車間部分、および、下側ベルト車間部分を介して、エンドレスに循環するように充填設備を通って案内されている。その際、これら支持要素は、容器を処理する作業ステーションを装備している、少なくとも、そのベルト車間部分内において、直接的に互いに接し合うように設けられている。
このようにして、このベルト車間部分内におけるこれら収容開口部は、列へと相前後して通過方向に、および、この通過方向に対して横方向に、軌道内において互いに並列して設けられている。
【0003】
この充填装置の作業ステーショは、個別カップ
(個別容器)を供給し、これら個別カップを収容開口部内へと挿入し、カップおよび支持要素の殺菌を実施し、個別容器を、次いで、例えばヨーグルト、飲料、塗り油脂、等のような、食品でもって充填する。
次いで、これら個別カップは、密閉ステーション内において、密閉フィルムでもって覆われ、且つ、閉鎖され、場合によっては、密封性を検査され、且つ、引き続いて、束状体へとまとめられ、且つ小分けして包装される。例えばヨーグルトのような、容易に腐り易い食品が充填される限りは、このような充填装置は、大抵の場合は、殺菌領域内にハウジングされている。このハウジング内に無菌空気が吹き込まれ、従って、このハウジング内において、空気を介しての細菌の侵入を防止された超過圧は発生する。
【0004】
これら両方の従来技術として引き合いに出さえた充填装置の間の重要な相違は、駆動方式にある。第1に述べた従来技術の場合、セル板は、エンドレス搬送手段、通常はチェーンの上に固定されており、且つ、このチェーンを用いて循環するようにこの装置を通って移送される。第2に述べた従来技術は、所定の諸条件のもとで重大な欠点を必然的に伴う可能性がある、エンドレス搬送手段を放棄している。
【0005】
基本的に、食品の充填の場合、高い衛生標準規格の遵守が必要であり、その際、この衛生標準規格は、製品のそれぞれの種類に応じて、ある程度の範囲内において相互に相違している。
本発明は、特に、個別カップ内への、少ない酸含有量を有する、例えば、調理済み食品のためのソース、スナック、または、指でつまんで食べられる軽食のような、食品の充填のための装置に関する。このような製品は、通常は極めて傷み易く、従って、既に、例えば比較的に高い酸含有量を有する製品の場合には問題のない、少しの細菌の発生が、食品の迅速な腐敗を誘起する。
【0006】
細菌の発生を少なく保持するため、および、特に、細菌の増加を、問題のある限界の下方に保持するために、従来技術において、個別容器の頭部領域を、酸素を低減された、または、酸素を含有しないガスでもって、充填することは公知である。
通常は、この目的のために、窒素が、容器の頭部領域内へと吹き込まれ、この窒素が、そこに充填プロセスの後に存在する空気を排除し、且つ、従って、ガス混合物の酸素を著しく低減する。少し酸を含有する食品の場合、3%未満の頭部空間内における酸素含有量が達成しようとされている。
【0007】
冒頭に記載した様式の、食品のための充填装置の経済性は、特に、時間の単位毎に充填可能な容器に依存し、従って、冒頭に記載した様式の充填装置の作業速度を高めることの、絶え間ない傾向にある。少し前から、種々の設備タイプに関して、毎分60作業サイクル行うことは通常であり、このことは、しかしながら、特に、無菌空気でもって付勢されたハウジング内において、酸素の少ないガスでもって頭部空間のガス付与を行う装置の場合、諸問題を誘起する。
高いサイクル数との関連における無菌空気超過圧は、空気渦流を密閉ステーションの領域内において誘起し、これら空気渦流が、酸素の少ない充填ガスを、頭部空間から洗い流す。この結果として、頭部空間内における酸素含有量が許容された値を過ぎて増大し、このことは、過度な細菌の増加、および、食品の早期の腐敗を結果として招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP 1 134 182 A1
【特許文献2】EP 2 527 260 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、酸素の少ないガスでもっての頭部空間の充填を、冒頭に記載した様式の充填装置の高い処理速度の際にも同様に、保証することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、請求項1の特徴を有する、特に、この請求項1の典型的な特徴を有する、装置によって解決され、それに従い、
密閉装置の領域内において、少なくとも1つの密閉フィルム押圧体が設けられており、
この密閉フィルム押圧体が、送り方向に平行に整向されており、
この密閉フィルム押圧体が、前記密閉フィルムを、この密閉フィルム押圧体自身と前記支持要素との間で、前記支持要素に対して所定の間隔をおいて
保持し、
前記密閉フィルム押圧体が、少なくとも1つの、回転するように軸受けされた車輪を備えており、前記密閉フィルムが、前記密閉フィルム押圧体と支持要素との間の通過の際に、基本的に摩擦無く、この車輪に沿って案内される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に従う密閉フィルム押圧体を有する充填装置の装備は、密閉フィルムが、密閉装置の領域内において、および、従って、酸素の少ないガス、特に窒素でもってのカップ頭部空間の充填の直後に、支持要素の上側面に対して所定の間隔をもって保持され得ることを誘起する。
この装置の無菌空気超過圧、及び/または高い作業速度によって誘起される、妨害空気流は、もはやこれ以上、密閉フィルムを下からグリップ可能ではない。
この結果として、密閉フィルムの下側に設けられた、食品および酸素の少ないガスでもって充填された個別容器の領域内への、妨害空気流の侵入は、確実に回避される。
密閉工程の前の、頭部空間からの酸素の少ない、もしくは、酸素を含有しない充填ガスの洗い流しは、もはやこれ以上可能ではない。
【0012】
密閉フィルム押圧体は、少なくとも1つの、回転するように軸受けされた車輪を備えており、前記密閉フィルムが、前記密閉フィルム押圧体と支持要素との間の通過の際に、基本的に摩擦無く、この車輪に沿って案内され、前記密閉フィルム押圧体が、複数の、送り方向内において相前後して設けられた車輪を備えている。
【0013】
特に、充填装置の高い作業速度の場合、同様に、細長い帯状の密閉フィルムも、高い速度でもって、密閉装置内へと導入される。回転的に軸受けされた車輪は、密閉フィルムの、摩擦の無い、密閉フィルム押圧体に沿っての滑動を許容し、従って、密閉工程を妨害し緊張状態によって誘起される、密閉フィルムのしわ形成が回避される。
その際、送り方向において相前後しての、複数の車輪の配設は、密閉フィルムと支持要素との間の所定の間隙を、送り方向において長い領域にわたって保障することが可能であるという、重要な利点を有している。
【0014】
ベルトが、エンドレスに、車輪の配設の周囲を循環し、且つ、密閉フィルムが、基本的に摩擦無く、この循環するベルトに沿って案内されている場合、密閉フィルム押圧体は、著しく改良可能である。
【0015】
エンドレスに、車輪の配設の周囲を循環するベルトは、一方では、同様に、密閉フィルム押圧体の下側での、密閉フィルムの摩擦の無い通過を保証する。従って、送り方向に見て、ベルトの全体にわたって上から覆われた区間は、密閉フィルムと密閉フィルム押圧体との間の均等な当接圧力を保障される。
このことは、密閉フィルムと支持要素特にの所定の間隙の保証を改善する。
【0016】
それぞれに1つの密閉フィルム押圧体は、密閉装置を通過する支持要素の、それぞれの送り方向に平行な縁部領域の上方に設けられている。
【0017】
更に、密閉工具は、フレームによって囲繞されており、密閉フィルムが、このフレームの下側に沿って案内され、このフレームが、密閉フィルム押圧体を支持している。
【0018】
この実施例の重要な利点は、密閉ヘッドを囲繞するフレームの周囲の、密閉装置の補充でもって、ただ、密閉フィルム押圧体のための、容易な、且つ、安いコストの保持が提供されるだけでないことにある。同時に、このフレームは、特に、密閉フィルムが外方へと張り出す場合、密閉ヘッドの作業領域を、無菌に保持する必要が無いことを許容する。
このことによって、無菌状態の要件に合致する必要の無い、より簡単な密閉ヘッドを使用することは可能である。
【0019】
本発明のより良い理解、並びに、更なる利点は、実施例の以下の説明から導かれる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に従う装置の、簡略化された概略的な側面図である。
【
図1A】食品でもって充填された個別カップ
(個別容器)の断面図である。
【
図3】
図1に従う、本発明に従う装置の密閉装置の、簡略化された側面図である。
【
図4】
図3に従う密閉装置の、簡略化された上面図である。
【
図5】記入された殺菌領域を有する、
図4に従う図である。
【
図6】
図4内における切断線A−Aに従う、密閉装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図内において、本発明に従う装置は、総じて、参照符号10でもって示されており、且つ、
図1内において、この装置の全体図が図示されている。
この装置は、上側車間部分11、および、下側車間部分12を装備しており、これらが、端部側の、図示されていない、2つの側方車間部分によって互いに結合されている。セル板とも称される支持要素13は、これら車間部分11および12を、循環するように、および、エンドレスに通過する。
これら車間部分の推進のために、ここで図示された実施例において、
図1内において目視可能でない、エンドレスに循環する、駆動チェーンが使用される。作業ステーション14は、上側車間部分11の上方に、この上側車間部分11の送り方向Vにおいて相前後して設けられている。
【0022】
図1内において、右側で始まり、且つ、左側で終わる、上側車間部分を出発点として、先ず第一に、カップ挿入装置15、殺菌装置16、充填装置17、並びに、密閉装置18が、設けられている。この密閉装置18は、密閉フィルム供給部19と、密閉フィルム34を個別容器20に付与する、本来の密閉ステーション21とに分割される。
【0023】
上側車間部分11の始端部に走入する支持要素13は、送り方向Vに沿って、この上側車間部分11を通って移動する。この支持要素は、先ず第一に、カップ挿入装置15内において、個別容器20を装着され、次いで、この支持要素13、並びに、挿入されたカップ20の殺菌のために、殺菌装置16内へと到達する。充填装置17の方向における更なる推進の際に、この支持要素13は、挿入された個別容器20と共に乾燥される。
次いで、これら個別容器20は、充填装置17内において、液状からペースト状の食品、ここで、具体的には、少しの酸を含有する食品22でもって充填される。個別容器20の充填されていない頭部空間28は、酸素含有量を3%未満の所望された度合いへと低下させるために、窒素でもって洗浄され、および、次いで、送り方向Vにおいて密閉装置18へと移送される。密閉ステーション21内において、適当な密閉ヘッド32を介して、密閉フィルムは、容器開口部23の上に固定される。
上記のことに引き続いて、これら容器20は、支持要素13から取り出され、且つ、この支持要素13が、上側車間部分11の端部において、図示されていない側方車間部分を経て、下側車間部分12内へと交番される。この下側車間部分12は、支持要素13を、返送方向Rに、この支持要素がこの下側車間部分12の端部において再び上側車間部分11内へと移送されるまで、通過させる。
【0024】
図1Aは、個別カップ
(個別容器)20を、断面図において図示している。このカップ20は、いわゆる個別カップ20であり、この個別カップが、前もって作り上げられた状態で供給され、且つ、支持要素13内への挿入のために、ストッカーから取り出される。
本発明に従う装置内において挿入される個別カップ20は、その限りでは、深絞り成形された容器とは対照的であると気付くべきである。確かに、同様にそのような深絞り成形された容器も、頻繁に、食品でもっての充填のために使用される。これら深絞り成形容器は、しかしながら、充填プロセスの直前に成形され、且つ、容器の密閉の後に初めて相互に分離される。
【0025】
この使用されるカップ様式は、充填プロセスに関して、著しい相違を結果として招く。深絞り成形カップの場合、支持要素13は、深絞り成形フィルムによって完全に覆われているが、他方、個別カップの場合、個別カップ20の間の中間スペースに渡っての支持要素上側面が、開放的に外から接近できる。この結果として、深絞り成形容器の使用の場合、支持要素殺菌の必要性は、同じ程度には与えられない。
【0026】
個別カップは、品質優良食品22に要求される包装を備えるために、益々、価値の高い製品の場合に使用を見出される。
【0027】
図1A内において図示された個別カップ20は、食品製品22でもって充填されており、且つ、容器開口部23の領域内において、周囲に延在する支持縁部24を形成している。この支持縁部の下側面25は、収容開口部26を通っての通り抜けを防止するために、支持要素13の上での載置部の役目を果たす。この支持縁部24の上側面27は、カップ20と密閉フィルムとの間の接触面を形成している。その限りでは、この支持縁部24は、同様に密閉縁部としての役目も果たし、且つ、以下で、同様に密閉縁部24とも称される。
【0028】
支持縁部24に至るまでの食品22の上方に、もしくは、密閉フィルムに至るまでの閉鎖されたカップ20の場合、いわゆる、カップ20の頭部空間28が存在し、この頭部空間は、基本的にガス充填されている。特に、少し酸性の、容易に腐り易い食品は、ここで、酸素含有量の最小限化のために、通常は、窒素が吹き込まれる。
【0029】
図2は、支持要素13を図示しており、この支持要素が、収容開口部26を形成しており、これら収容開口部が、図での説明のために、部分的に、個別カップ20を装入されている。これら収容開口部26は、送り方向Vに見て、相前後して、容器列29を形成しており、且つ、送り方向に平行の軌道30において、互いに並列して設けられている。
この
図2から見て取れるように、カップ20は、収容開口部26内へと挿入しており、その際、このカップの支持縁部24が、支持要素13の上側面31の上に載置している。それぞれのカップ20の支持縁部24は、従って、この上側面31の上側面領域を覆っている。
【0030】
図4は、密閉ステーション21の簡略化されて図示された上面図を示している。
ここで図示されていない、食品22でもって充填されたカップ20を装着された支持要素13は、密閉ステーション21を送り方向Vに通過する。この密閉ステーション21は、多数の密閉ヘッド32を備えており、その際、密閉ステーション21内において存在する支持要素13のそれぞれの収容開口部26が、精確に、1つの密閉ヘッド32に所属して設けられている。
図4内において、これら密閉ヘッドの一部は、説明の目的のために図示されていない。
【0031】
密閉ヘッド32は、
図4内において図示されていない、細長い帯状の密閉フィルム34の上方の、フレーム36によって囲繞されている作業領域内において設けられている。この細長い帯状の密閉フィルム34は、自体で、送り方向Vにおいて、密閉ステーション21の密閉ヘッドの手前で供給され、且つ、支持要素13を、この密閉フィルムの、送り方向Vに対して横方向に測定された幅において、完全に上から覆っている。
【0032】
図3は、ここで、同様に密閉ステーション21とも称される、密閉装置21の側面図を側方眺望における簡略化された図示において示している。
その支持要素の収容開口部26が個別カップ20を装入されている、該支持要素13は、送り方向Vに、密閉ステーション21を通って移動される。この密閉ステーション21は、密閉ヘッド32を装備しており、これら密閉ヘッドが、操作連動棒33を介して、垂直方向に上下に移動可能である。
【0033】
送り方向Vにおいて、密閉ヘッド32の直前の密閉ステーション21に、細長い帯状の密閉フィルム34が、方向転換装置35を介して供給される。
この方向転換装置35は、支持要素13の上方に設けられた、ここで図示されていないストッカー貯蔵部から取り出された密閉フィルム34に、この密閉フィルムの支持要素の上側面に平行な整向状態を与える。この密閉フィルム34は、次いで、支持要素13、もしくは、カップ20の支持縁部24と、密閉ヘッドとの間に沿って案内される。
【0034】
密閉フィルム34の上方に設けられた、密閉ヘッド32の作業領域を囲繞する、フレーム36に、本発明に従う密閉フィルム押圧体37が設けられている。この密閉フィルム押圧体37は、複数の送り方向Vに相前後して設けられた車輪38/40を備えており、これら車輪の周囲をベルト39がエンドレスに循環するように案内されている。
これら車輪38は、同一の直径を有しており、且つ、送り方向Vに相前後して設けられている。送り方向Vにおいてこれら車輪38に前置された、著しく小さな直径を有する車輪40は、送り方向Vにおいて第1の車輪38と、方向転換装置35との間の自由空間を閉鎖している。このベルト39は、同様に、導入した車輪40の周囲をも案内されている。これら車輪38および40は、回転的に、フレーム36に軸受けされており、従って、ベルト39の循環するような運動を可能にする。
【0035】
密閉フィルム押圧体37は、送り方向に平行に整向されている。
密閉フィルムは、ベルト39に沿って走行し、且つ、このベルトから一定の間隔をおいて、支持要素13の上に沿って案内される。この密閉フィルム押圧体37は、垂直方向に位置調節可能であり、従って、密閉フィルム34と支持要素13との間の間隔間隙は適合可能である。
【0036】
密閉フィルム押圧体37を用いて、密閉フィルム34と支持要素13との間の間隙寸法は、この密閉フィルム34の妨害されない通過を可能にする、技術的な最小寸法まで低減可能である。循環するベルト39のおかげで、ほぼ摩擦の無い密閉フィルム34の走出が、この密閉フィルム押圧体37において保証され、従って、密閉工程を妨害する密閉フィルム34のしわ形成は回避される。
【0037】
所定の、且つ、密閉フィルム押圧体37によって最小限に減らされた、密閉フィルム34と支持要素13との間の間隙寸法は、効果的に、密閉フィルム34と支持要素13との間の領域内における、空気流の侵入を防止する。このことによって、カップ20の頭部空間28内における酸素含有量を最小限に減らされた窒素が、外部空気流によって洗い流されないことが保障される。
このようにして、食品22が早期に腐敗しないことが保障される。
【0038】
本発明に従う装置10内において、2つの密閉フィルム押圧体37が使用されている。これら密閉フィルム押圧体は、
図4内において図示されたフレーム36に固定されている。この固定のために、送り方向に平行なフレーム脚部が役立つ。
従って、それぞれの密閉フィルム押圧体37は、それぞれに密閉装置18を通過する支持要素13の送り方向に平行な縁部領域に、所属して設けられている。
【0039】
図5および6の参照のもとで、ここで、本発明に従う装置10の更なる利点を説明する。
図5は、基本的に、
図4に従う図に相応している。この
図5は、しかしながら、ハッチングだけ補充されており、このハッチングが、密閉ステーション21内における装置10の殺菌領域41を図示している。
冒頭に記載した様式の装置10の殺菌領域が、殺菌装置16から密閉装置18に至るまで、より精確に言うと、密閉ステーション21の後ろまで延在していることは基本的に必要である。何故ならば、容器20の密閉の後に初めて、充填された容器20内への細菌、または、他の汚染物質の侵入が排除されるからである。
【0040】
密閉ヘッド32の作業領域を収納するフレーム36が、しかしながら、支持要素13をこの支持要素の幅を全体的に上から覆う密閉フィルム34との相互作用において、殺菌領域41と非殺菌領域との間の境界を、密閉ヘッド32の作業領域に引き入れることは可能である。
ハッチングされた殺菌領域41内におけるこのフレーム36の側方で、徹底して、無菌空気でもって洗浄され、従って、外部空気を排除した超過圧が支配的である。密閉フィルム34は、支持要素13を、そこに挿入したカップ20と共に覆っており、且つ、同様にフレーム36の外側の領域内へも延在している。
このようにして、製品充填されたカップ20が、密閉ヘッドの下側で確実に覆われており、且つ、フレームの側方で支配的である無菌空気超過圧によって、如何なる、場合によっては、密閉ヘッド32の作業領域内において存在する細菌も、殺菌領域内へと侵入可能ではないことは、保障される。
【0041】
密閉ヘッド32の作業領域内への、殺菌領域境界のこの引き入れによって、食品の安全性を疎かにすること無しに、無菌状態の要件に対する密閉ヘッド32の手間暇がかかる適合は放棄され得る。従って、密閉装置18の領域内における装置10の複雑性は、簡単な構成によって基本的に低減される。
【0042】
本発明は、先ず第一に、装置10が、密閉装置18の領域内における密閉フィルム押圧体37を用いて、効果的に改良され得るような、有利な方法を示している。
この密閉フィルム押圧体37は、密閉フィルム34と支持要素13との間の、所定のおよび最小限に減らされた間隙寸法を提供する。このことによって、密閉領域内への無菌空気流の侵入は、効果的に防止される。
この結果として、密閉ステーション21の直前で、容器20の頭部空間28内へと投入される、酸素を最小限に減らされたガス、特に窒素、の洗い流しは回避される。充填された食品22の腐りにくさは、従って、保証される。
密閉ヘッド32の作業領域を囲繞する、記載された実施形態に従い密閉フィルム押圧体37を支持するフレーム36の使用は、殺菌領域が、密閉ヘッド32の作業領域の周囲を巡らされ得、且つ、無菌状態の要件に対する、密閉ヘッド32の手間暇のかかる適合が必要ではないという、更に重要な利点を有している。
【符号の説明】
【0043】
10 装置
11 上側車間部分
12 下側車間部分
13 支持要素/セル板
14 作業ステーション
15 カップ挿入装置
16 殺菌装置
17 充填装置
18 密閉装置
19 密閉フィルム供給部
20 個別容器/個別カップ
21 密閉ステーション
22 食品
23 容器開口部
24 支持縁部/密閉縁部
25 支持縁部24の下側面
26 収容開口部
27 支持縁部24の上側面
28 個別容器20の頭部空間
29 列
30 軌道
31 支持要素13の上側面
32 密閉ヘッド
33 操作連動棒
34 密閉フィルム
35 方向転換装置
36 フレーム
37 密閉フィルム押圧体
38 密閉フィルム押圧体37の車輪
39 ベルト
40 車輪
41 ハッチング/密閉ステーション21の殺菌領域
R 返送方向
V 送り方向