(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記共通データ信号線を使用した伝送手順の中に、前記共通データ信号線に接続された親局から前記子局の各々に対する伝送制御データと前記子局の各々によって重畳される伝送監視データとで構成される制御・監視データ領域が設けられ、前記支流調整子局は、前記本流計測子局を参照局として、前記制御・監視データ領域の前記本流計測子局に割り当てられたデータ領域から前記間隔データを抽出して取得する請求項1に記載の搬送システム。
前記本流計測子局または前記支流調整子局のいずれか、或いは双方が、前記支流調整子局において前記駆動手段を駆動させ合流させるタイミングを調整する調整用センサを有する請求項1または2に記載の搬送システム。
前記本流の前記搬送物の間隔は、間隔値を複数に分けて得られた複数の区分の各々に割り当てられた数値データとして、前記共通データ信号線に送信される請求項1、2または3に記載の搬送システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜9を参照しながら、本発明に係る搬送システムの実施形態を説明する。
この搬送システムは、
図1に示すように、並べて配置された複数のローラ7で搬送路8を形成し、ローラ7を同一方向に回転させることにより物品を搬送するものである。
【0018】
搬送路8は複数経路設けられ、目的地点に到達する本流に、本流と異なる始点を持つ支流が、本流の途中で合流するものとなっている。なお、
図1において、搬送路8は2系統とされているが、系統数に制限はなく、使用状況等を考慮して設ければよい。
【0019】
各搬送路8は、複数のゾーンに分けられ、各ゾーンには、ローラ7を駆動させるモータ5と、搬送対象物である物品(搬送物)の有無を検知する在荷センサ6が設けられている。なお、
図1において、ゾーンの境界は、想像線で示されている。
【0020】
各ゾーンには、また、子局4が配置されている。そして、モータ5及び在荷センサ6は、各ゾーンにおいて、各ゾーンに配置された子局4に接続されている。
【0021】
なお、以下の説明において、本流と支流の合流点における本流側のゾーン(
図1におけるAゾーン、以下の説明では単に「Aゾーン」とする)に配置される子局4を本流計測子局4aと、同合流点から上流に位置する支流側のゾーン(
図1におけるBゾーン、以下の説明では単に「Bゾーン」とする)に配置される子局4を支流調整子局4bと、各ゾーンにおいてモータ5の制御を行う子局4をモータ制御子局4cとする。
【0022】
本流計測子局4aは、本流を搬送される搬送物の間隔を自局の在荷センサ6により計測する。そして、計測結果に基づき間隔データを共通データ信号線DP、DNに出力する。
【0023】
支流調整子局4bは、支流を搬送される搬送物の長さを自局の在荷センサ6により計測する。そして、共通データ信号線DP、DNを介して本流計測子局4aから出力された間隔データを取得し、後述する手順に沿って、支流から本流への搬送物の送り出し制御を行う。
【0024】
支流調整子局4b、および、モータ制御子局4cは、自局が配置されているゾーン(以下「自ゾーン」とする)における搬送物の受入れ可否を示す情報と、自局のモータ5の駆動を示す情報を共通データ信号線DP、DNに出力する。
【0025】
支流調整子局4b、および、モータ制御子局4cは、また、共通データ信号線DP、DNを介し、自ゾーンの上流側に位置するゾーン(以下「前ゾーン」とする)におけるモータ5の駆動情報と、自ゾーンの下流側に位置するゾーン(以下「後ゾーン」とする)における受入れ可否情報を取得し、その情報に基づきモータ5を制御する。
【0026】
共通データ信号線DP、DNには、また、本流計測子局4a、支流調整子局4b、および、モータ制御子局4cとデータを授受しシステムの制御を行う親局2が接続されている。
【0027】
<親局の構成>
親局2は、
図2に示すように、制御部1、出力データ部21、管理データ部22、タイミング発生部23、親局出力部24、親局入力部25、入力データ部26を備える。そして、共通データ信号線DP、DNに接続され、一連のパルス状信号である制御信号を共通データ信号線DP、DNに重畳するとともに、子局4から共通データ信号線DP、DNに重畳された監視信号から監視データを抽出し、制御のための演算処理を行う。
【0028】
制御部1は、演算処理機能を持つ管理判断手段11と入出力ユニット12を備える。管理判断手段11は、入出力ユニット12を介して管理データ部22および入力データ部26からデータを受け取り、内部に記憶されたプログラムに基づいて必要な演算処理を行う。
【0029】
出力データ部21は、制御部1から受けたデータをシリアルデータとして親局出力部24へ引き渡す。
【0030】
管理データ部22は、IDXテーブルを記憶する不揮発性機能を持つ記憶手段29を備える。そして、制御部1から受けたデータとIDXテーブルに基づき子局の指定に必要となるデータをシリアルデータとして親局出力部24へ引き渡す。
【0031】
IDXテーブルは、子局4に対し、監視データとして得られない子局4側の情報を、データ信号線DP、DNに出力させる子局4を指定するためのアドレスデータのリストである。なお、この実施形態では、アドレスデータとして子局4のアドレスデータである先頭アドレス番号が用いられている。そして、IDXテーブルは、システム起動時に、各子局4からの応答に基づき先頭アドレスを親局2が確認しながら作成され、記憶手段29に記憶される。
【0032】
タイミング発生部23は、発振回路(OSC)31とタイミング発生手段32からなり、発振回路(OSC)31を基にタイミング発生手段32が、このシステムのタイミングクロックを生成し親局出力部24、親局入力部25に引き渡す。
【0033】
親局出力部24は、制御データ発生手段33とラインドライバ34からなる。制御データ発生手段33が、出力データ部21から受けたデータと、タイミング発生部23から受けたタイミングクロックに基づき、ラインドライバ34を介して共通データ信号線DP、DNに一連のパルス状信号として伝送信号を重畳する。
【0034】
伝送手順は、伝送信号のスタート信号STと次のスタート信号STの間の、制御・監視データ領域、そして管理データ領域と続く1フレームサイクルであり、
図6に示すように、伝送データ信号が複数連なって構成される。スタート信号STは、伝送データ信号の時間幅より長く、伝送クロック信号の閾値Vst(この実施例では18V)より高い電位レベルとなっている。
【0035】
伝送データ信号は、
図7に示すように、伝送クロック信号の閾値Vstより高い電位レベルエリア(伝送クロック信号に相当し、この実施例では+24V)と伝送クロック信号の閾値Vstよりも低い電位レベルエリアで構成される。なお、この実施形態では、伝送クロック信号の閾値Vstより高い電位レベルエリアが1周期の後半と、伝送クロック信号の閾値Vstよりも低い電位レベルエリアが1周期の前半とされているが、その順番に制限はなく、これらの順番を逆にしてもよい。
【0036】
伝送クロック信号において、閾値Vstより低い電位レベルエリアのパルス幅が、制御信号のデータを表すものとなっている。そして、閾値Vstより低い電位レベルエリアのパルス幅が制御データとして制御データ領域を構成し、その制御データ領域は、
図6(a)における制御・監視データ領域の上段に相当するものとなっている。
【0037】
この実施形態では、伝送データ信号の1周期をt0とした時、伝送クロック信号のパルス幅(3/4)t0が論理データ“0”を表し、パルス幅(1/4)t0が論理データ“1”を表している。ただし、制御部1から入力される制御データの値に応じたものであれば、その長さに制限はなく適宜に決めればよい。
【0038】
伝送クロック信号において、閾値Vstよりも低い電位レベルエリアに重畳される電流が所定値より大きいか小さいかで、監視信号のデータを表すものとなっている。そして、閾値Vstよりも低い電位レベルエリアに重畳される電流値が監視データとして監視データ領域を構成し、その監視データ領域は、
図6(a)、
図6(b)における制御・監視データ領域の下段に相当するものとなっている。
【0039】
この実施形態では、10mAより小さい電流信号が論理データ“0”を表し、10mAより大きい電流信号が論理データ“1”を表している。
【0040】
なお、子局4は、いずれも、内部回路電源を伝送クロック信号から生成するものとなっている。一方、各ゾーンに配置されているモータ5の電源は、共通データ信号線DP、DNとは別の共通の電源線P、Nから得るものとなっている。
【0041】
制御・監視データ領域の後には、
図6(a)、
図6(b)に示すように、管理データ領域が設けられている。なお、
図6(a)、
図6(b)において、上段は親局2からデータが出力される領域(以下、管理制御データ領域とする)を、下段は親局2へデータが入力される領域(以下、管理監視データ領域とする)を示すものとなっている。
【0042】
管理制御データ領域には、子局4に対して情報を要求する等の指示をなす第一管理制御データISTo、および、子局アドレスを指定する第二管理制御データIDXoが、親局2から重畳される。また、管理監視データ領域には、第二管理制御データIDXoで指定された子局4から第一管理制御データISToに対応する第一管理監視データSTi及び第二管理監視データIDXiが重畳される。
【0043】
親局入力部25は監視信号検出手段35と監視データ抽出手段36で構成される。監視信号検出手段35は、子局4から共通データ信号線DP、DNに重畳された監視信号を検出する。
【0044】
監視信号のデータは、既述のように、閾値Vstより低い電位レベルに重畳される電流が10mAより大きいか小さいかで表されており、スタート信号STが送信された後、子局4の各々から監視信号を受け取るものとなっている。そして、監視信号検出手段35で検出された監視信号は、監視データ抽出手段36に引き渡される。
【0045】
監視データ抽出手段36は、タイミング発生手段32からのタイミングに同期して、監視データおよび管理監視データを抽出し、直列の入力データとして入力データ部26に送出する。なお、IDXテーブル作成処理において、親局2が指定したアドレスに対する子局4からの応答が抽出された場合には、その応答が管理データ部22に引き渡される。これを受けた管理データ部22は、既述のように、そのときの先頭アドレスをIDXテーブルのデータとして記憶手段29に記憶する。
【0046】
入力データ部26は、監視データ抽出手段36から受け取った直列の入力データを並列(パラレル)データに変換し、監視データおよび管理監視データとして制御部1の入出力ユニット12へ送出する。
【0047】
<本流計測子局の構成>
本流計測子局4aは、
図3に示すように、子局入力部40a、子局ラインレシーバ53、および子局ラインドライバ54を備える。
【0048】
子局入力部40aは、
図3に示すように、伝送受信手段41、アドレス抽出手段42、自局アドレス設定手段43、監視データ送信手段49、入力手段51、および搬送間隔計測手段60を有する。
【0049】
なお、この実施形態の本流計測子局4aは、内部回路としてマイクロコンピュータ・コントロール・ユニットであるMCUを備えており、このMCUが子局入力部40aとして機能するものとなっている。
【0050】
処理において必要となる演算や記憶は、このMCUの備えるCPU、RAMおよびROMを使用して実行されるが、子局入力部40aを構成する上記各手段のそれぞれの処理におけるCPU、RAMおよびROMとの関係は、説明の便宜上、図示を省略するものとする。
【0051】
伝送受信手段41は、共通データ信号線DP、DNに伝送される伝送信号を、子局ラインレシーバ53を介して受け、これをアドレス抽出手段42に引き渡す。
【0052】
アドレス抽出手段42は、伝送データ信号の始まりを示すスタート信号STを起点として伝送信号パルスをカウントする。そして、そのカウント値が自局アドレス設定手段43で設定された自局アドレスデータと一致するタイミングで、監視データ送信手段49を有効にする。
【0053】
監視データ送信手段49は、アドレス抽出手段42により有効とされた場合に、搬送間隔計測手段60から引き渡されたデータを、子局ラインドライバ54を介して共通データ信号線DP、DNに監視信号として出力する。監視信号は、伝送手順の監視データ領域(
図6(b)において、本流計測子局4aに割り当てられた伝送信号のデータM1)に重畳される。
【0054】
入力手段51は、在荷センサ6(以下、本流計測子局4aにおいて搬送物の間隔の計測に使用する在荷センサ6を計測センサSLa1とする)の検出信号に基づいたデータ信号を搬送間隔計測手段60に引き渡す。
【0055】
搬送間隔計測手段60は、本流上を先に搬送される搬送物と次に搬送される搬送物の間隔を、計測センサSLa1の検出信号に基づき計測し、計測された間隔を所定の取決めに従った間隔データにして、監視データ送信手段49に引き渡す。
【0056】
この搬送間隔計測手段60における処理を、
図8を参照しながら説明する。例えば、搬送物A1を先に搬送される搬送物とした場合、まず、搬送物A1が計測センサSLa1の検出領域から送り出されて計測センサSLa1がONからOFFとなったとき(搬送物A1の検出信号の立下りのタイミングで)、タイマ計測を開始する。
【0057】
計測時間は、
図8に示すように、搬送物A1の検出信号の立下りのタイミングから積算され増加する。この実施形態において、積算値は、時間の幅に応じて決められた7段階の区分に従って数値化され、3ビットの間隔データとして監視データ送信手段49に引き渡される。例えば、
図9に示すように、計測時間の積算値が550msecのときは間隔データ3が監視データ送信手段49に引き渡される。
【0058】
ただし、間隔データを決める区分の時間幅や段階数に制限はなく、搬送速度やその他制御条件に応じて適宜決めればよい。
【0059】
続いて、搬送物A1の次に搬送される搬送物A2が計測センサSLa1の検出領域に進入し計測センサSLa1がOFFからONとなったとき(搬送物A2の検出信号の立上がりのタイミングで)、タイマ計測がリセットされる。そして、搬送物A2が計測センサSLa1の検出領域から送り出されて計測センサSLa1がONからOFFとなったとき(搬送物A2の検出信号の立下りのタイミングで)タイマ計測を再開し、更に次に搬送される搬送物A3との間隔が計測される。以降の搬送物についても同様に、搬送物の間隔が計測される。
【0060】
<支流調整子局の構成>
支流調整子局4bは、
図4に示すように、子局入出力部40b、子局ラインレシーバ53、子局ラインドライバ54およびモータ駆動手段55を備える。なお、
図4において、
図3に示す本流計測子局4aと実質的に同じ構成には同符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0061】
モータ駆動手段55は、支流調整子局4bの外部に設けられたDC電源9から、共通の電源線P、Nを介して電力を受け入れ、後述する動作手段50から出力されるモータ駆動信号に基づき、モータ5(以下の説明において、支流調整子局4bのモータ5を送出モータ5bとする)を駆動させ、或いは停止させる。
【0062】
なお、この実施形態において、モータ駆動手段55は、送出モータ5bを停止させる場合、加速度制御により回転速度を徐々に小さくするものとなっている。そして、送出モータ5bを停止させた直後に起動させる場合の起電力および起動時間の低減を図るものとされている。
【0063】
子局入出力部40bは、
図4に示すように、伝送受信手段41、アドレス抽出手段42、自局アドレス設定手段43、参照アドレス設定手段44、参照データ抽出手段45、後ゾーン監視データ抽出手段46、前ゾーン監視データ抽出手段47、自ゾーン制御データ抽出手段48、監視データ送信手段49、動作手段50、入力手段51、搬送物長検出手段61および搬送可否判定手段62を有する。
【0064】
なお、この実施形態の支流調整子局4bも、本流計測子局4aと同様に、内部回路としてマイクロコンピュータ・コントロール・ユニットであるMCUを備えており、このMCUが子局入出力部40bとして機能するものとなっている。また、子局入出力部40bにおいて、本流計測子局4aの子局入力部40aと実質的に同一の構成には同じ符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
【0065】
子局入出力部40bのアドレス抽出手段42は、伝送データ信号の始まりを示すスタート信号STを起点として伝送信号パルスをカウントする。そして、そのカウント値が自局アドレス設定手段43で設定された自局アドレスデータと一致するタイミングで、伝送受信信号を自ゾーン制御データ抽出手段48に引き渡すとともに、監視データ送信手段49を有効にする。
【0066】
アドレス抽出手段42は、また、前記カウント値が、自局アドレスデータに基づき参照アドレス設定手段44から引き渡された、後ゾーンアドレスデータと一致するタイミングで、伝送受信信号を後ゾーン監視データ抽出手段46に引き渡し、前ゾーンアドレスデータと一致するタイミングで、伝送受信信号を前ゾーン監視データ抽出手段47に引き渡す。
【0067】
なお、この実施形態では、Bゾーンに設置されている支流調整子局4bの後ゾーンとしてCゾーンが、前ゾーンとしてDゾーンが指定されている。ただし、後ゾーンおよび前ゾーンのいずれも、自局が設定されているゾーンに隣接しているゾーンに限定されず、離れた位置のゾーンを指定してもよい。
【0068】
アドレス抽出手段42は、更に、前記カウント値が、参照アドレス設定手段44から引き渡された本流計測子局4aのアドレスデータと一致するタイミングで、伝送受信信号を参照データ抽出手段45に引き渡す。
【0069】
参照データ抽出手段45は、アドレス抽出手段42から引き渡された伝送受信信号から、間隔データdを抽出し、搬送可否判定手段62に引き渡す。
【0070】
後ゾーン監視データ抽出手段46は、アドレス抽出手段42から引き渡された伝送受信信号から、搬送物の受入れ可否を示す情報を抽出し、動作手段50に引き渡す。
【0071】
前ゾーン監視データ抽出手段47は、アドレス抽出手段42から引き渡された伝送受信信号から、駆動モータ作動データを抽出し、動作手段50に引き渡す。
【0072】
自ゾーン制御データ抽出手段48は、アドレス抽出手段42から引き渡された伝送受信信号から、制御データを抽出し、動作手段50に引き渡す。
【0073】
監視データ送信手段49は、アドレス抽出手段42により有効とされた場合に、動作手段50及び搬送可否判断手段62から引き渡されたデータを、子局ラインドライバ54を介して共通データ信号線DP、DNに監視信号として出力する。監視信号は、伝送手順の監視データ領域(
図6(b)において、支流調整子局4bに割り当てられた伝送信号のデータM1、M2)に重畳される。
【0074】
搬送物長計測手段61は、支流から本流に送り出される搬送物の長さを、在荷センサ6(以下、支流調整子局4bにおいて搬送物の長さの計測に使用する在荷センサ6を計測センサSLb1とする)の検出信号に基づき計測し、計測された搬送物の長さを長さデータにして、搬送可否判定手段62に引き渡す。
【0075】
この搬送物長計測手段61における処理を、
図8を参照しながら説明する。例えば、搬送物B1の長さを計測する場合、搬送物B1が計測センサSLb1の検出領域に進入し計測センサSLb1がOFFからONとなったとき(搬送物B1の検出信号の立上がりのタイミングで)、タイマ計測を開始する。そして、搬送物B1が計測センサSLb1の検出領域から送り出されて計測センサSLb1がONからOFFとなったとき(搬送物B1の検出信号の立下がりのタイミングで)、タイマ計測がリセットされる。すなわち、
図8において矢線で示すように、搬送物B1の検出信号がONとなっている間に搬送物B1の長さが計測される。その他の搬送物についても同様に計測される。
【0076】
搬送可否判定手段62は、参照データ抽出手段45から引き渡された間隔データと、搬送物長検出手段61から引き渡された長さデータを比較する。そして、間隔データが長さデータよりも大きいとき、動作手段50に出力される搬送可能信号を有効とする。
【0077】
搬送可否判定手段62は、また、搬送物長検出手段61から長さデータが引き渡されたとき(
図8に示すタイミングt1、t2)、間隔データが長さデータよりも小さい場合は、動作手段50に出力される搬送可能信号を無効とする。
【0078】
搬送可否判定手段62は、更に、計測センサSLb1の搬送物検出信号に基づき、搬送物の受入れ可否を示す情報として受入可能データを監視データ送信手段49に引き渡す。具体的には、搬送が停滞し自ゾーン内に搬送物が滞留している場合は、受入可能データをOFF(受入不可)とし、それ以外の場合は、受入可能データをON(受入可能)とする。
【0079】
動作手段50は、後ゾーン監視データ抽出手段46、前ゾーン監視データ抽出手段47、自ゾーン制御データ抽出手段48、および搬送可否判定手段62からの入力に基づき、以下の処理を行う。
【0080】
(自律分散制御の判断)
自ゾーン制御データ抽出手段48から引き渡された自局に対する制御データが、親局2からの指示によらず自局の判断によりモータ5の動作制御(自律分散制御)を許可するものであれば、後ゾーン監視データ抽出手段46、前ゾーン監視データ抽出手段47、および搬送可否判定手段62からの入力に基づき、モータ駆動手段55に対するモータ駆動信号を有効とする。
【0081】
(前後ゾーン対応制御)
前ゾーン監視データ抽出手段47から引き渡された監視データが前ゾーンにおけるモータ5の駆動を示す場合、後ゾーン監視データ抽出手段46から引き渡された受入可能データがONのとき、モータ駆動信号を有効とする。なお、モータ駆動信号のデータは、監視データ送信手段49に引き渡される。
【0082】
また、後ゾーン監視データ抽出手段46から引き渡された受入可能データがOFFの場合は、前ゾーンにおけるモータ5の駆動状態に関わらず、モータ駆動信号を無効とする。
【0083】
前ゾーン監視データ抽出手段47から引き渡された監視データが前ゾーンにおけるモータ5の停止を示す場合、モータ駆動信号を無効とする。モータの不要な駆動を止めることにより、省エネを図ることができる。
【0084】
(本流側搬送物間隔対応制御)
間隔データが長さデータよりも大きくなり搬送可否判定手段62からの搬送可能信号が有効となっている場合、モータ駆動信号を有効とする。なお、モータ5が既に駆動している場合は、その駆動状態が維持される。
【0085】
一方、長さデータを取得したとき(
図8に示すタイミングt1、t2)の間隔データが長さデータよりも小さく、搬送可否判定手段62からの搬送可能信号が無効となっている場合、モータ駆動信号を無効とする。そして、搬送可能信号が有効となったタイミングでモータ駆動信号を有効とする。
【0086】
搬送可否判定手段62において搬送可否を判断するタイミングと、送出モータ5bを駆動させるタイミングは、調整用センサを用いて調整することができる。例えば、
図1、
図3、
図4において想像線で示すように、本流計測子局4aと支流調整子局4bに調整用センサ4bを接続し、これら調整用センサ4bの検出信号を利用することで、搬送可否を判断するタイミングや送出モータ5bを駆動させるタイミングを調整し、搬送路8の設置状態に影響される搬送速度を考慮した円滑な合流制御を行うことができる。
【0087】
<モータ制御子局の構成>
モータ制御子局4cは、
図5に示すように、子局入出力部40c、子局ラインレシーバ53、子局ラインドライバ54およびモータ駆動手段55を備える。
【0088】
また、この実施形態のモータ制御子局4cも、支流調整子局4bおよび本流計測子局4aと同様に、内部回路としてマイクロコンピュータ・コントロール・ユニットであるMCUを備えており、このMCUが子局入出力部40cとして機能するものとなっている。
【0089】
モータ制御子局4cは、子局入出力部40cが、参照アドレス設定手段44、参照データ抽出手段45、搬送物長検出手段61および搬送可否判定手段62を有さず、動作手段50において本流側搬送物間隔対応制御が行われないことを除き、支流調整子局4bと実質的に同一の構成であるため、その説明を省略する。