(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355896
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】ブートユニットおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
F16J 3/04 20060101AFI20180702BHJP
F16J 15/52 20060101ALI20180702BHJP
F16D 3/84 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
F16J3/04 C
F16J15/52 C
F16D3/84 R
F16D3/84 P
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-100028(P2013-100028)
(22)【出願日】2013年5月10日
(65)【公開番号】特開2014-95467(P2014-95467A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2016年2月23日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0126229
(32)【優先日】2012年11月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA MOTORS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ウォン、ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン、ジン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ、ヒャン‐チョル
(72)【発明者】
【氏名】ハー、クワン‐デュク
【審査官】
谷口 耕之助
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第07537721(US,B1)
【文献】
米国特許第04529213(US,A)
【文献】
米国特許第06558262(US,B1)
【文献】
特開平11−108186(JP,A)
【文献】
特開2005−098487(JP,A)
【文献】
実開平02−093524(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 3/04
F16D 3/84
F16J 15/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方には小径部が形成され、他方には前記小径部より内径の大きい大径部が形成され、前記小径部から前記大径部の間にシワ部が形成されるブートと、
前記ブートの内周面に周方向に一体に形成されるブッシングと、
前記大径部の内周面よりも内側において前記ブッシングに沿って前記ブッシングの内部にリング状に形成されるバンドとを含むことを特徴とするブートユニット。
【請求項2】
前記バンドの外周面に突出して形成されるバンドイヤをさらに含み、
前記ブートおよび前記ブッシングには、前記バンドイヤが外部に露出する溝部が形成されることを特徴とする請求項1記載のブートユニット。
【請求項3】
前記ブートと前記ブッシングは、一体に形成されることを特徴とする請求項1記載のブートユニット。
【請求項4】
前記ブッシングは、前記大径部の内周面に沿って形成されることを特徴とする請求項1記載のブートユニット。
【請求項5】
前記ブッシングには、前記ブートの前記大径部の端部面を保護するように放射方向にカバー部が一体に形成されることを特徴とする請求項4記載のブートユニット。
【請求項6】
前記ブッシングは、前記ブートの前記大径部にオーバーモールディングされ、前記バンドは、前記ブッシングにインサートモールディングされることを特徴とする請求項1記載のブートユニット。
【請求項7】
ブートを形成するステップと、
前記ブートと共にオーバーモールディングして大径部と一体にブッシングを形成するステップとを含み、
前記ブッシングを形成するステップにおいて、前記大径部の内周面よりも内側において前記ブッシングの内部にバンドをインサートモールディングすることを特徴とするブートユニットの製造方法。
【請求項8】
前記ブッシングを形成するステップにおいて、前記ブートと前記ブッシングは、一体に形成されることを特徴とする請求項7記載のブートユニットの製造方法。
【請求項9】
前記ブッシングを形成するステップは、
前記ブートの前記大径部の端部面を保護するように放射方向にカバー部を一体に形成することを特徴とする請求項8記載のブートユニットの製造方法。
【請求項10】
外周面の一方には一側外周面、および他方には他側外周面が形成され、前記他側外周面が中心軸と距離がより短く形成され、前記一側外周面と前記他側外周面との間には段差面が形成されるブッシングと、
一方には小径部が形成され、他方には前記小径部より内径の大きい大径部が形成され、前記小径部から前記大径部の間にシワ部が形成され、前記大径部の内周面が前記一側外周面、前記段差面、および前記他側外周面と一体に成形されるブートと、
前記ブートを前記ブッシングに密着させるバンドと、
前記ブッシングの他側端部には放射方向に一体に形成される端部カバー部と、
前記端部カバー部の端部に、前記他側外周面に対応して一体に形成される外側カバー部とを含み、
前記バンドは、前記外側カバー部の外周面に密着して前記外側カバー部を前記ブートの外周面に密着させ、前記ブートを前記ブッシングの前記他側外周面に密着させることを特徴とするブートユニット。
【請求項11】
前記ブッシングは、前記ブートの前記大径部にオーバーモールディングされることを特徴とする請求項10記載のブートユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の動力伝達装置に装着され、その内部の潤滑物質が外部に漏洩するのを防止し、外部から異物が侵入するのを防止するブートユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブート(boot)とは、ゴム材質のカバーで、マスタシリンダ、ホイールシリンダ、ケーブル、電線、またはコネクタなどの任意の部分を保護するものであって、自動車分野では等速ジョイントなどに適用される。
【0003】
このような自動車用ブートユニット(boot unit)は、等速ジョイントなどで連結される部分や回転軸の間に適用され、オイル/グリース(oil/grease)が外部に流出したり、埃などの汚染物質が内部に流入するのを防止する。
【0004】
一般的な自動車用ブートユニットは、車軸の間に連結されて気密を維持するブートと、これを車軸に固定するためのバンドとから構成される。この時、ブートの一側はバンドを介して車軸に固定し、他の一側もバンドを介して車軸に固定される。
【0005】
一方、ブートとバンドを別途に管理しなければならず、ブートを設けた後にバンドを正確に設けなければならないという煩わしさがあった。
【0006】
同時に、ブートの外側にバンドをさらに被せることによって全体的なブートユニットの外径が増加する傾向があり、これにより、周辺部品との干渉を生じさせることがあった。それだけでなく、ブートとバンドとが互いに分離または離脱し、全体的な耐久性とシーリング機能が低下することがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ブートとバンドとの締結構造を改善することによって全体的なブートユニットの外径を減少させることで周辺部品との干渉を防止し、ブートとバンドとが互いに分離または離脱するのを防止することによって耐久性とシーリング機能を向上させるブートユニットおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述のように、本発明の実施形態にかかるブートユニットは、一方には小径部が形成され、他方には前記小径部より内径の大きい大径部が形成され、前記小径部から前記大径部の間にシワ部が形成されるブートと、設定された厚さを有し、前記ブートの内周面または外周面に周方向に一体に形成されるブッシングと、前記ブッシングに沿って前記ブッシングの内部にリング状に形成されるバンドとを含むことができる。
【0009】
前記バンドの外周面に突出して形成されるバンドイヤをさらに含み、前記ブートおよび前記ブッシングには、前記バンドイヤが外部に露出する溝部を形成できる。
【0010】
前記ブートと前記ブッシングは、化学的に一体に形成できる。
【0011】
前記ブッシングは、前記大径部の内周面に沿って形成できる。
【0012】
前記ブッシングには、前記ブートの前記大径部の端部面を保護するように放射方向にカバー部が一体に形成できる。
【0013】
前記ブッシングは、前記ブートの前記大径部にオーバーモールディングされ、前記バンドは、前記ブッシングにインサートモールディングされ得る。
【0014】
本発明の実施形態にかかるブートユニットの製造方法は、ブートを形成するステップと、前記ブートと共にオーバーモールディングして大径部と一体にブッシングを形成するステップとを含み、前記ブッシングを形成するステップにおいて、前記ブッシングの内部にバンドをインサートモールディングすることを特徴とすることができる。
【0015】
前記ブッシングを形成するステップにおいて、前記ブートと前記ブッシングは、化学的に一体に形成できる。
【0016】
前記ブッシングを形成するステップは、前記ブートの前記大径部の端部面を保護するように放射方向にカバー部を一体に形成することができる。
【0017】
本発明の実施形態にかかるブートユニットは、外周面の一方には一側外周面、および他方には他側外周面が形成され、前記他側外周面が中心軸と距離がより短く形成され、前記一側外周面と前記他側外周面との間には段差面が形成されるブッシングと、一方には小径部が形成され、他方には前記小径部より内径の大きい大径部が形成され、前記小径部から前記大径部の間にシワ部が形成され、前記大径部の内周面が前記一側外周面、前記段差面、および前記他側外周面と一体に成形されるブートと、前記ブートを前記ブッシングに密着させるバンドとを含むことができる。
【0018】
前記ブッシングの他側端部には放射方向に一体に形成される端部カバー部と、前記端部カバー部の端部に、前記他側外周面に対応して一体に形成される外側カバー部とを含み、前記バンドは、前記外側カバー部の外周面に密着して前記外側カバー部を前記ブートの外周面に密着させ、前記ブートを前記ブッシングの前記他側外周面に密着させることができる。
【0019】
前記ブッシングは、前記ブートの前記大径部にオーバーモールディングされ、前記バンドは、前記ブッシングにインサートモールディングされ得る。
【発明の効果】
【0020】
このような目的を達成するための本発明により、本発明の実施形態において、ブッシングの内部にバンドを配置することにより、ブートの大径部の最大直径が減少する効果がある。
【0021】
また、ブートの大径部の内周面にブッシングがオーバーモールディングされる時、バンドをインサートモールディングすることにより、バンドが外部干渉などで離脱する危険性を低減する。
【0022】
同時に、バンドとブッシングとの間の結合力を向上させ、全体的な耐久性と強固性を向上させる。
【0023】
それだけでなく、実質的にブートとブッシングとが化学的に一体化されることによってこれらの間の結合力が向上し、ブート、ブッシング、およびバンドが1つの一体化された部品として管理可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本技術にかかるブートユニットおよびこれを備えた動力伝達装置の概略的な斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態にかかるブートユニットの斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態にかかるブートユニットの長さ方向の断面図である。
【
図4】本発明の実施形態にかかるブートユニットに備えられるブートの斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態にかかるブートユニットに備えられるブッシングとバンドの斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態にかかるブートユニットに備えられるブッシングとバンドのインサートモールディングされた状態を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態にかかるブートユニットを製造する方法を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の他の実施形態にかかるブートユニットの長さ方向の断面を示す断面図である。
【
図9】本発明の他の実施形態にかかるブートユニットにおけるブッシングの断面を示す斜視断面図である。
【
図10】本発明の他の実施形態にかかるブートユニットにおけるブッシングとブートとの結合関係を示す斜視断面図である。
【
図11】本発明の他の実施形態にかかるブートユニットにおけるバンドの締結された状態を示す一部断面図である。
【
図12】本発明の他の実施形態にかかるブートユニットにおけるバンドの締められた状態を示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付した図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図2は、本発明の実施形態にかかるブートユニットの斜視図である。
【0027】
図2を参照すれば、ブートユニット200は、ブート250と、ブッシング220と、バンド230とを含む。
【0028】
前記ブート250において、小径部400と大径部410との間にシワ部210が形成され、前記大径部410の内周面には、設定された厚さのブッシング220が形成される。
【0029】
同時に、前記ブッシング220の内部に前記バンド230が周方向に形成される。前記ブート250の前記大径部410の一側には溝部280が形成され、前記バンド230は、前記溝部280を介して外部に露出する。
【0030】
前記バンド230には、外周面から突出して形成されるバンドイヤ240が形成され、前記バンドイヤ240は、前記溝部280に対応して形成される。
【0031】
使用者は、前記バンド230の前記バンドイヤ240を用いて前記ブッシング220を動力伝達装置の外周面に密着させる。前記バンドイヤ240を用いて前記ブッシング220を固定する方法は公知技術に従う。
【0032】
前記ブッシング220の内部面には、載置突起290が膨らんで突出形成され、前記載置突起290は、前記動力伝達装置の外周面に、前記載置突起290に対応する溝(図示せず)に載置されることにより、前記ブートユニット200を強固に固定できる。
【0033】
前記載置突起290の内部にはホール295が形成され、前記ホール295は、前記載置突起290が装着される時に弾性力を発揮して装着面により密着する効果を与え、全体的な重量を減少させる。
【0034】
図3は、本発明の実施形態にかかるブートユニットの長さ方向の断面図である。
【0035】
図3を参照すれば、前記ブート250の前記大径部410の内周面に、前記ブッシング220が設定された厚さに形成され、前記ブート250の内部に前記バンド230が配置される構造である。特に、前記バンド230は、前記溝部280を除き、前記ブッシング220の内部に配置される。
【0036】
前記ブッシング220と前記ブート250の大径部410の内周面は、実質的に一体に形成される。特に、これらは化学的に連続する構造に一体化される。同時に、前記バンド230は、前記ブッシング220がオーバーモールディングされる時、インサートモールディングプロセスにより前記ブッシング220の内部に固定されて配置される。
【0037】
前記ブッシング220には、前記大径部410の外側端部面をカバーするカバー部300が形成される。前記カバー部300は、前記ブート250と前記ブッシング220との連結をより強固に維持し、前記ブート250の外側端部面を保護する。
【0038】
ここで、前記カバー部300は、前記ブッシング220に沿って周方向に連続的または間欠的に形成できる。
【0039】
図4は、本発明の実施形態にかかるブートユニットに備えられるブートの斜視図である。
【0040】
図4を参照すれば、前記ブート250は、長さ方向に小径部400、シワ部210、および大径部410を含み、前記大径部410に前記溝部280が切開されて形成される。前記ブート250はブロー工法によって形成され、これに対する製造方法は公知技術に従う。
【0041】
図5は、本発明の実施形態にかかるブートユニットに備えられるブッシングとバンドの斜視図であり、
図6は、本発明の実施形態にかかるブートユニットに備えられるブッシングとバンドのインサートモールディングされた状態を示す斜視図である。
【0042】
図5および
図6を参照すれば、前記バンド230は、設定された長さと幅を有する金属板材を円形に折り曲げ、この両端を接合して円形の環状を有し、その一側外周面にバンドイヤ240が突出して形成される。
【0043】
前記バンド230は、前記ブッシング220の内部に配置されるように、前記ブッシング220が形成される時に金型の内部にインサートモールディングされる。同時に、インサートモールディング時、前記バンドイヤ240は、前記溝部280を介して外部に露出する。
【0044】
同時に、前述のように、前記ブッシング220の内周面には載置突起290が膨らんで形成され、一側端部には周方向にカバー部300が形成される。
【0045】
本発明の実施形態において、前記ブッシング220の内部に前記バンド230を配置することにより、前記ブート250の大径部の最大直径が減少する効果がある。
【0046】
仮に、前記ブッシング220または前記ブート250の外部に金属バンドを設けると、最大直径は前記バンドイヤによって増加するが、本発明の実施形態では、前記ブート250の前記大径部410の外径が最大直径に形成される。
【0047】
同時に、前記ブート250の前記大径部410の内周面に前記ブッシング220がオーバーモールディングされる時、前記バンド230をインサートモールディングすることにより、前記バンド230が外部干渉などで離脱する危険性を低減する。それだけでなく、前記バンド230と前記ブッシング220との間の結合力を向上させ、全体的な耐久性と強固性を向上させる。
【0048】
それだけでなく、前記ブート250の大径部410の内周面に前記ブッシング220を形成する時、実質的に前記ブート250と前記ブッシング220とが化学的に一体化されることによってこれらの間の結合力が向上し、前記ブート250、前記ブッシング220、および前記バンド230が1つの一体化された部品として効果的に管理可能である。
【0049】
図7は、本発明の実施形態にかかるブートユニットを製造する方法を示すフローチャートである。
【0050】
図7を参照すれば、S700は、小径部400、大径部410、およびシワ部210が形成されたブート250をブロー工法によって形成するステップである。
【0051】
S710は、作られた前記ブート250の前記大径部410に前記ブッシング220をオーバーモールディングするステップである。ここで、S710が行われている間、S720が共に行われる。つまり、前記ブッシング220が前記ブート250にオーバーモールディングされる時、前記バンド230が挿入されてインサートモールディングされる。
【0052】
本発明の実施形態において、前述したS700、S710、およびS720は、説明の便宜のために順に並べたものであり、その順序は任意に定められ、同時に実施されてもよい。
【0053】
本発明の実施形態において、前記ブッシング220と前記バンド230は、前記ブート250が大径部410にのみ適用されるものとして説明したが、前記ブッシング220と前記バンド230は、前記ブート250の小径部400にも同様の方法で適用可能である。
【0054】
同時に、前記ブート250に前記ブッシング220をオーバーモールディングするものとして説明したが、前記ブート250が前記ブッシングの機能を果たすように設定された厚さに形成されてもよい。この時、前記バンド230は、前記ブート250の厚くなった部分の内部に配置される。
【0055】
本発明の実施形態において、前記ブートと前記ブッシングは、ゴムまたはプラスチックまたは樹脂材質で形成され、前記バンドは、金属材質で形成され得る。
【0056】
図1は、本技術にかかるブートユニットおよびこれを備えた動力伝達装置の概略斜視図である。
【0057】
図1を参照すれば、動力伝達装置は、等速ジョイント130と、バンド120と、ブート110と、ドライブシャフト100とを含む。そして、ブートユニットは、前記ブート110と、前記バンド120とを含む。
【0058】
前記等速ジョイント130は、関節構造とボールを用いて前記ドライブシャフト100の回転力を一定に後続のシャフトに伝達する。前記等速ジョイント130の構造については公知技術に従う。
【0059】
図8は、本発明の他の実施形態にかかるブートユニットの長さ方向の断面を示す断面図である。
【0060】
図8を参照すれば、ブートユニット200は、ブート250と、ブッシング220と、バンド230とを含む。
【0061】
前記ブート250は、中心軸を基準として配置され、前記ブッシング220は、前記ブート250の大径部の内周面と外周面に密着する。
【0062】
前記ブッシング220と前記ブート250は、互いにオーバーモールディングされて化学的に一体に形成される。このため、これらは互いに離脱することが防止される。
【0063】
同時に、前記バンド230が、前記ブッシング220、および前記ブート250を密着させることにより、等速ジョイントの外周面に強固に固定される。
【0064】
図9および
図10を参照して、前記ブッシング220、前記ブート250、および前記バンド230の締結構造についてより詳細に説明する。
【0065】
図9は、本発明の他の実施形態にかかるブートユニットにおけるブッシングの断面を示す斜視断面図である。
【0066】
図9を参照すれば、前記ブッシング220は、前記ブート250の大径部の内周面に密着する外周面が形成され、前記ブッシング220は、一側外周面900と、他側外周面920とを含む。
図8および
図9において、前記一側外周面900は左側に形成され、前記他側外周面920は右側に形成される。
【0067】
前記一側外周面900と前記他側外周面920との間には段差面910が形成される。前記段差面910は、設定された角度を有する傾斜面、設定された曲線状の曲線面、および垂直な垂直面に変更されて適用可能である。
【0068】
前記一側外周面900と前記他側外周面920は、前記中心軸800と一定の距離を持っており、前記段差面910を介して、前記一側外周面900と前記中心軸800との距離は、前記他側外周面920と前記中心軸800との距離より長い。
【0069】
同時に、前記ブッシング220の他側端部には、端部カバー部930が外周面から放射方向に突出して形成され、前記端部カバー部930の端部には、一側に延びる外側カバー部940が形成される。前記外側カバー部940の内周面と前記他側外周面920は、一定の間隔をおいて形成される。
【0070】
このような構造を有する前記ブッシング220と前記ブート250の大径部410とが互いにオーバーモールディングされて一体に接合されると、
図10のような構造を完成する。
【0071】
図10は、本発明の他の実施形態にかかるブートユニットにおけるブッシングとブートとの結合関係を示す斜視断面図である。
【0072】
図10を参照すれば、前記ブート250の大径部410は、前記ブッシング220の一側外周面900、段差面、他側外周面920、および前記外側カバー部940の内周面と密着して一体に形成される。
【0073】
特に、前記ブート250の大径部410が前記段差面910を介して強固に前記ブッシング220と結合され、前記外側カバー部940の内周面と追加的に結合されることによって離脱が未然に防止される。
【0074】
図11は、本発明の他の実施形態にかかるブートユニットにおけるバンドの締結された状態を示す一部断面図であり、
図12は、本発明の他の実施形態にかかるブートユニットにおけるバンドの締められた状態を示す一部断面図である。
【0075】
図11を参照すれば、前記ブート250の大径部410と前記ブッシング220とが互いにオーバーモールディングされる時、前記バンド230も共に前記ブッシング220の前記外側カバー部940に密着する。
【0076】
図11に示すように、前記ブッシング220の前記外側カバー部940に前記バンド230が締結され、
図12に示すように、前記バンド230が締められると、前記バンド230が前記ブッシング220の前記外側カバー部940を圧着しながら前記ブート250の大径部410を強固に固定する。同時に、前記ブート250の大径部410は、前記ブッシング220に強固に密着する。
【0077】
図示のように、前記バンド230の内周面は、前記ブッシング220の前記外側カバー部940の外周面に密着し、前記ブート250と直接接触することなく、前記ブート250を前記ブッシング220に強固に固定する。
【0078】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の実施形態から当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって容易に変更され、均等と認められる範囲のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0079】
100:ドライブシャフト
110、250:ブート
120、230:バンド
130:等速ジョイント
200:ブートユニット
210:シワ部
220:ブッシング
230:バンド
240:バンドイヤ
250:ブート
280:溝部
290:載置突起
295:ホール
300:カバー部
400:小径部
410:大径部
800:中心軸
900:一側外周面
910:段差面
920:他側外周面
930:端部カバー部
940:外側カバー部