特許第6355897号(P6355897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6355897
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】ガス計測装置およびガス検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
   G01N27/12 B
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-102402(P2013-102402)
(22)【出願日】2013年5月14日
(65)【公開番号】特開2014-222213(P2014-222213A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2015年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】梅川 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】杢尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】土井 荘
【審査官】 櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−329631(JP,A)
【文献】 特開平08−178880(JP,A)
【文献】 特開2007−040756(JP,A)
【文献】 特開2012−168143(JP,A)
【文献】 特開2011−232058(JP,A)
【文献】 特開2012−018021(JP,A)
【文献】 特開2008−232710(JP,A)
【文献】 特開2011−053049(JP,A)
【文献】 特開平07−113775(JP,A)
【文献】 特開平06−331586(JP,A)
【文献】 特開2011−059076(JP,A)
【文献】 特開2010−047055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00−27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスセンサと、
前記ガスセンサが収容されたハウジングとを備えており、
前記ガスセンサは、当該ガスセンサ内にガスを導入可能にするガス導入面を有しており、
前記ハウジングは、前記ハウジング外のガスが流入可能な吸気口と、
前記ハウジング内に流入したガスを前記ハウジング外に排出可能な排気口と、
前記吸気口に対向し且つ前記吸気口に対して傾斜するように、当該ハウジング内に設けられた風除け部と、
前記ガスセンサの前記ガス導入面に対向する第1部と、
前記吸気口から流入したガスを前記排気口へ流通させることが可能なガス流路とを有しており、
前記ガス流路は、前記第1部と前記ガス導入面との間の空間を含んでおり、且つ前記吸気口から流入するガスが前記風除け部に当たった後、前記ガスセンサの前記ガス導入面と前記第1部の間の前記空間を通って前記排気口へ流れるようになっており、前記空間は、前記風除け部の前記排気口側の端に隣接配置されており、
前記ガスセンサは、前記ガス流路内の前記風除け部よりも前記排気口側に配置されると共に、前記ガス導入面が前記空間を流通するガスの流通方向に対して略平行となるように配置されているガス計測装置。
【請求項2】
請求項1記載のガス計測装置において、
前記風除け部の前記排気口側の端に隣接しており且つ前記ガスセンサが実装された実装部を更に備えているガス計測装置。
【請求項3】
請求項2記載のガス計測装置において、
前記実装部は、前記ハウジングの前記第1部に対向しており、
前記風除け部は、前記ハウジングの第2部に対向しており、
前記ガス流路は、前記ハウジングの前記第1部と前記実装部とに区画された第1エリアと、
前記ハウジングの前記第2部と前記風除け部とに区画された第2エリアとを有しており、
前記第1エリアの前記ハウジングの前記第1部と前記実装部との間の距離が、前記第2エリアの前記ハウジングの前記第2部と前記風除け部との間の距離よりも小さいガス計測装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載のガス計測装置において、
前記吸気口から当該ハウジング内にガスを流入させることが可能なファンを更に備えているガス計測装置。
【請求項5】
ガスセンサと、
前記ガスセンサが収容されたハウジングとを備えており、
前記ガスセンサは、当該ガスセンサ内にガスを導入可能にするガス導入面を有しており、
前記ハウジングは、前記ハウジング外のガスが流入可能な吸気口と、
前記ハウジング内に流入したガスを前記ハウジング外に排出可能な排気口と、
前記吸気口に対向し且つ前記吸気口に対して傾斜するように、当該ハウジング内に設けられた風除け部と、
前記ガスセンサの前記ガス導入面に対向する第1部と、
前記吸気口から流入したガスを前記排気口へ流通させることが可能なガス流路とを有しており、
前記ガス流路は、前記第1部と前記ガス導入面との間の空間を含んでおり、且つ前記吸気口から流入するガスが前記風除け部に当たった後、前記ガスセンサの前記ガス導入面と前記第1部の間の前記空間を通って前記排気口へ流れるようになっており、前記空間は、前記風除け部の前記排気口側の端に隣接配置されており、
前記ガスセンサは、前記ガス流路内の前記風除け部よりも前記排気口側に配置されると共に、前記ガス導入面が前記空間を流通するガスの流通方向に対して略平行となるように配置されているガス検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス計測装置およびガス検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のガス計測装置としては下記特許文献1に記載されたものある。このガス計測装置は、ハウジングと、センサと、エアポンプとを備えている。ハウジングには、吸気口および排気口が設けられている。エアポンプおよびセンサは、ハウジング内の吸気口と排気口との間に設けられている。エアポンプによって、エアーが吸気口からハウジング内に吸入され、排気口から排出される。センサは、ハウジング内のエアーに含まれる特定成分を計測可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−516198号公報(WO2006/041927)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
センサは、そのガス導入面がハウジングの吸気口に対向するように配置されている。このため、エアポンプによってハウジング内に流入したエアーがセンサのガス導入面に直接当たる。このため、流入したエアーがセンサ内に吹き込み、当該エアーの影響でセンサの出力信号が変動してしまう恐れがあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、ガスの影響によってガスセンサの出力信号が変動するのを抑制することができるガス計測装置およびガス検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のガス計測装置は、ガスセンサと、ハウジングとを備えている。前記ガスセンサは前記ハウジングに収容されている。前記ガスセンサはガス導入面を有している。前記ガス導入面は前記ガスセンサ内にガスを導入可能である。前記ハウジングは、前記ハウジング外のガスが流入可能な吸気口と、排気口と、風除け部と、第1部と、ガス流路とを有している。前記風除け部は、前記吸気口に対向し且つ前記吸気口に対して傾斜するように、当該ハウジング内に設けられている。前記第1部は前記ガスセンサの前記ガス導入面に対向している。前記ガス流路は、前記吸気口から流入したガスを前記排気口へ流通させることが可能な路である。前記ガス流路は、前記第1部と前記ガス導入面との間の空間を含んでおり、且つ前記吸気口から流入するガスが前記風除け部に当たった後、前記ガスセンサの前記ガス導入面と前記第1部の間の空間を通って前記排気口へ流れるようになっている。前記空間は、前記風除け部の前記排気口側の端に隣接配置されている。前記ガスセンサは、前記ガス流路内の前記風除け部よりも前記排気口側に配置されると共に、前記ガス導入面が前記空間を流通するガスの流通方向に対して略平行となるように配置されている
【0007】
このような態様のガス計測装置による場合、ガスがハウジングの第1部とガスセンサのガス導入面との間の空間を流通するので、当該ガスがガスセンサのガス導入面に直接当たり難くなる。すなわち、ガス流路の前記空間を流通するガスがガス導入面からガスセンサ内に吹き込み難くなる。しかも、吸気口から流入するガスが風除け部に当たるため、ガス流路を流通するガスがガス導入面からガスセンサ内に更に吹き込み難くなる。よって、前記ガス計測装置は、ガス流路内を流通するガスの影響によってガスセンサの出力信号が変動するのを抑制することができる。さらに、前記空間を流通するガスがガスセンサのガス導入面に沿って流通する。よって、ガス流路の前記空間を流通するガスがガス導入面からガスセンサ内に更に吹き込み難くなるので、前記ガス計測装置は、ガス流路内を流通するガスの影響によってガスセンサの出力信号が変動するのを更に抑制することができる。
また、ガス流路内を流通するガスが傾斜した風除け部に沿って流通するため、当該ガスの流通が風除け部によって妨げられ難い。
【0011】
上記ガス計測装置は、実装部を更に備えた構成とすることが可能である。前記実装部は、前記風除け部の前記排気口側の端に隣接した構成とすることが可能である。前記実装部に前記ガスセンサが実装された構成とすることが可能である。
【0012】
前記実装部は、前記ハウジングの第1部に対向した構成とすることが可能である。前記風除け部は、前記ハウジングの第2部に対向した構成とすることが可能である。前記ガス流路は、第1、第2エリアを有する構成とすることが可能である。前記第1エリアは、前記ハウジングの前記第1部と前記実装部とに区画された構成とすることが可能である。前記第2エリアは、前記ハウジングの前記第2部と前記風除け部とに区画された構成とすることが可能である。前記第1エリアの前記ハウジングの前記第1部と前記実装部との間の距離が、前記第2エリアの前記ハウジングの前記第2部と前記風除け部との間の距離よりも小さい構成とすることが可能である。
【0013】
このような態様のガス計測装置による場合、第1エリアの前記距離が第2エリアの前記距離よりも小さいので、ガスに含まれる特定成分が第1エリアに滞留しやすい。第1エリアの実装部上にはガスセンサが設けられているので、当該ガス計測装置の特定成分の計測精度が向上する。
【0014】
上記ガス計測装置は、ファンを更に備えた構成とすることが可能である。前記ファンは、前記ハウジングに設けられており且つ前記吸気口から当該ハウジング内にガスを流入させることが可能な構成とすることが可能である。このような態様のガス計測装置による場合、ファンによって、ガスが吸気口からガス流路内に流入するが、当該ガスは上述の通りガス導入面からガスセンサ内に吹き込みにくい。よって、前記ガス計測装置は、ファンを備えたとしても、ガス流路内を流通するガスの影響によってガスセンサの出力信号が変動するのを抑制することができる。
【0015】
本発明のガス検出装置は、ガスセンサと、ハウジングとを備えている。前記ガスセンサは前記ハウジングに収容されている。前記ガスセンサはガス導入面を有している。前記ガス導入面は前記ガスセンサ内にガスを導入可能である。前記ハウジングは、前記ハウジング外のガスが流入可能な吸気口と、前記ハウジング内に流入したガスを前記ハウジング外に排出可能な排気口と、風除け部と、第1部と、ガス流路とを有している。前記風除け部は、前記吸気口に対向し且つ前記吸気口に対して傾斜するように、当該ハウジング内に設けられている。前記第1部は前記ガスセンサの前記ガス導入面に対向している。前記ガス流路は、前記吸気口から流入したガスを前記排気口へ流通させることが可能な路である。前記ガス流路は、前記第1部と前記ガス導入面との間の空間を含んでおり、且つ前記吸気口から流入するガスが前記風除け部に当たった後、前記ガスセンサの前記ガス導入面と前記第1部の間の空間を通って前記排気口へ流れるようになっている。前記空間は、前記風除け部の前記排気口側の端に隣接配置されている。前記ガスセンサは、前記ガス流路内の前記風除け部よりも前記排気口側に配置されると共に、前記ガス導入面が前記空間を流通するガスの流通方向に対して略平行となるように配置されている。
【0016】
このような態様のガス検出装置による場合、ガスがハウジングの第1部とガスセンサのガス導入面との間の空間を流通するので、当該ガスがガスセンサのガス導入面に直接当たり難くなる。すなわち、ガス流路の前記空間を流通するガスがガス導入面からガスセンサ
内に吹き込み難くなる。しかも、吸気口から流入するガスが風除け部に当たるため、ガス流路を流通するガスがガス導入面からガスセンサ内に更に吹き込み難くなる。よって、前記ガス検出装置は、ガス流路内を流通するガスの影響によってガスセンサの出力信号が変動するのを抑制することができる。さらに、前記空間を流通するガスがガスセンサのガス導入面に沿って流通する。よって、ガス流路の前記空間を流通するガスがガス導入面からガスセンサ内に更に吹き込み難くなるので、前記ガス検出装置は、ガス流路内を流通するガスの影響によってガスセンサの出力信号が変動するのを更に抑制することができる。
また、ガス流路内を流通するガスが傾斜した風除け部に沿って流通するため、当該ガスの流通が風除け部によって妨げられ難い。
なお、前記ガス検出装置は、上記各態様のガス計測装置と同様の構成とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本発明の実施例に係るガス計測装置の正面、平面および右側面から表した斜視図である。
図1B】前記ガス計測装置の正面図であって、操作スイッチが閉位置に位置した状態を示す図である。
図2A】前記ガス計測装置の図1B中の2A−2A断面図である。
図2B】前記ガス計測装置の図1B中の2B−2B断面図である。
図3A】前記ガス計測装置の正面、平面および右側面から表した分解斜視図である。
図3B】前記ガス計測装置の背面、底面および右側面から表した分解斜視図である。
図4A】前記ガス計測装置の正面図であって、前記操作スイッチが排気位置に位置した状態を示す図である。
図4B】前記ガス計測装置の図4A中の4B−4B断面図である。
図5A】前記ガス計測装置の正面図であって、前記操作スイッチが開位置に位置した状態を示す図である。
図5B】前記ガス計測装置の図5A中の5B−5B断面図である。
図6】前記ガス計測装置の制御部により処理されるガス計測プログラムのフローチャートである。
図7】前記ガス計測装置の制御部により処理されるガス排出プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例に係るガス計測装置について図1A図7を参照しつつ説明する。図1A図2Bに示すガス計測装置は、ハウジング100と、操作スイッチ200と、ガスセンサ300と、ファン400と、基板500と、制御部600と、電池700と、端子800a、800bと、表示部900aと、報知部900bとを備えている。以下、前記ガス計測装置の各構成要素について詳しく説明する。なお、図3Aおよび図3Bに示すYはガス計測装置の長さ方向であり、Xはガス計測装置の幅方向であり、Zはガス計測装置の厚み方向である。
【0019】
ハウジング100は、第1ハウジング100aと、第2ハウジング100bと、ファン収容部100cと、ガス流路100dとを有している。第1ハウジング100a、第2ハウジング100bおよびファン収容部100cは、各々絶縁樹脂で構成されている。
【0020】
第1ハウジング100aは、図1A図3Bに示すように、カバー110aと、バックカバー120aと、表示パネル130aとを有している。カバー110aは、Y方向の一方側に半楕円状の開口を有したトンネル状の板である。カバー110aは、複数の排気口111aと、開口112aと、一対のガイド突部113aと、一対の保持壁114aと、収容凹部115aと、窓116aと、一対のフック117aと、第1部118a1と、第2部118a2と、一対の係合片119aとを有している。
【0021】
排気口111aは、カバー110aの中央部を貫通した矩形状の貫通孔であって、カバー110aのX方向に間隔をあけて配置されている。第1部118a1は、図2Aおよび図3Bに示すように、カバー110aの排気口111aのY方向の一方側の部分に設けられている。第2部118a2は、カバー110aの第1部118a1よりもY方向の一方側の部分に設けられている。一対のフック117aは、カバー110aの内面のY方向の第1端部にX方向に間隔をあけて設けられた略L字状の板である。一対の係合片119aは、カバー110aの内面のフック117aの外側に設けられている。係合片119aは、Y方向に延びた基部と、この基部から外側に延びた係合部とを有している。
【0022】
開口112aは、図2A図3Aおよび図3Bに示すように、カバー110aの排気口111aのY方向の他方側の部分を貫通した矩形状の貫通孔である。一対のガイド突部113aのうちの一方のガイド突部113aは、図2Aおよび図3Bに示すように、カバー110aの第1部118a1の内面に設けられ且つX方向に延びた突脈である。一対のガイド突部113aのうちの他方のガイド突部113aは、図2Aに示すように、カバー110aの内面の開口112aのY方向の他方側の部分に設けられ且つX方向に延びた突脈である。
【0023】
収容凹部115aは、図1A図3Bに示すように、カバー110aの外面の開口112aのY方向の他方側の部分に設けられた矩形状の凹部である。窓116aは、図2Aおよび図3Bに示すように、収容凹部115aの底面からカバー110aの内面にかけて貫通した矩形状の貫通孔である。表示パネル130aは、中央部に透光性を有する板あって、収容凹部115aに嵌合し且つ窓116aを閉塞している。一対の保持壁114aのうちの一方の保持壁114aは、カバー110aの内面の窓116aのY方向の一方側の部分に設けられ且つX方向に延びている。一対の保持壁114aのうちの他方の保持壁114aは、図2Aに示すように、一方の保持壁114aの対称形状であって、カバー110aの内面の窓116aのY方向の他方側の部分に設けられている。
【0024】
バックカバー120aは、カバー110aの内面のY方向の第2端に設けられている、バックカバー120aは、半楕円状の第1板と、半円状の第2板とを有する。前記第1板は、カバー110aの第2端に設けられている。前記第2板は、前記第1板のフラットな端に連設されている。
【0025】
第2ハウジング100bは、図1A図3Bに示すように、ハウジング本体110bと、電池収容部120bと、電池カバー130bと、バックカバー140bとを有している。ハウジング本体110bは、Y方向の一方側に半楕円状の開口を有したトンネル状の板であって、第1ハウジング100aに固着されている。ハウジング本体110bの前記半楕円状の開口と第1ハウジング100aの上記半楕円状の開口とが組み合わされ、楕円状の開口となっている。ハウジング本体110bと第1ハウジング100aのカバー110aとの間に収容空間Sが形成されている。ハウジング本体110bの外面には、電池カバー130bの形状に対応した形状の切り取り部111bが設けられている。また、ハウジング本体110bのY方向の他方側の端には、図3Bに示すように、バックカバー140bが設けられている。バックカバー140bには、略半円形の開口141bが設けられている。
【0026】
ハウジング本体110bの中央部には、図2A図3Aおよび図3Bに示すように、ブロック状の電池収容部120bが設けられている。電池収容部120bの第1ハウジング100a側の端面(Z方向の一方側の端面(図3A中の図示上面))上には基板500が載置され、上記収容空間S内に収容されている。基板500は、実装部510を有している。実装部510は、基板500のY方向の一方側の端部に設けられている。実装部510は、第1ハウジング100aの第1部118a1に対向している。基板500と第1ハウジング100aのバックカバー120aとの間には、間隙が形成されている。この間隙に報知部900bが収容され、基板500に接続されている。なお、報知部900bはブザーである。
【0027】
電池収容部120bの切り取り部111b側の端面(Z方向の他方側の端面(図3B中の図示上面))には、収容凹部121bが設けられている。収容凹部121bの長さ方向の第1端部には、図2Aに示すように、端子800aが固定され、基板500に接続されている。収容凹部121bの長さ方向の第2端部には、端子800bが固定され、基板500に接続されている。更に、収容凹部121bには、電池700が収容され、端子800a、800bの間で弾性的に保持されている。電池700は、端子800a、800bを通じて基板500に接続されている。電池700の電力が、基板500介して、ガスセンサ300、ファン400、制御部600、表示部900aおよび報知部900bに供給されている。
【0028】
電池カバー130bは、ハウジング本体110bの切り取り部111bに嵌合し、電池収容部120bの収容凹部121bおよび電池700を覆っている。電池カバー130bには、略半円形の開口131bが設けられている。開口131bの外形は、開口141bの外形よりも大きい。開口131b、141bには、第1ハウジング100aのバックカバー120aの第2板が嵌合し、当該第2板によって閉塞されている。
【0029】
ファン収容部100cは、図2A図3Aおよび図3Bに示すように、フロントカバー110cと、ホルダー120cとを有している。フロントカバー110cは、第1、第2ハウジング100a、200bの上記楕円状の開口に対応した外形を有する楕円形状の板である。フロントカバー110cが第1、第2ハウジング100a、200bの上記楕円状の開口を閉塞している。フロントカバー110cには、複数の円弧状の吸気口111cが環状に配設されている。吸気口111cは、ガス流路100dに連通するようにフロントカバー110cを貫通している。
【0030】
ホルダー120cは、一対の第1側板121cと、底板122cと、ストッパ123cと、一対の第2側板124cと、風除け部125cとを有している。一対の第1側板121cは、フロントカバー110cの内面に、X方向に間隔をあけて設けられた略矩形状の板であって、Y方向に延びている。第1側板121cには、係合凹部121c1が設けられている。底板122cは、第1側板121c間に設けられた板である。第2側板124cは、第1側板121cに連設された略直角三角形状の板であって、Y方向に延びている。風除け部125cは、側板124cの斜辺間に設けられた板であって、底板122cに連続している。ストッパ123cは、底板122cと風除け部125cとの境界上に設けられており且つZ方向の一方側に延びている。
【0031】
第1側板121c、底板122c、ストッパ123c、第2側板124cおよび風除け部125c(ホルダー120c)は、第1、第2ハウジング100a、200bの収容空間S内に収容されている。第1側板121c間の距離は、ファン400の幅寸法よりも若干大きく且つ第1ハウジング100aの係合片119aの基部間の距離よりも大きい。第1側板121cの内側に、第1ハウジング100aの係合片119aの基部およびフック117aが配置されている。第1側板121cの係合凹部121c1には、係合片119aの係合部が係合されている。これにより、ファン収容部100cが第1ハウジング100aに固着されている。
【0032】
風除け部125cは吸気口111cおよび第2部118a2に対向している。風除け部125cは、図2Aに示すように、当該風除け部125cと第2部118a2との間の距離が後述する流通方向Dに漸次低減するように傾斜している。風除け部125cの排気口111a側の端125c1には、実装部510が隣接配置されている。
【0033】
ガス流路100dは、ハウジング100内の吸気口111cから排気口111aまでの路である。ガス流路100dは、第1エリア110dと、第2エリア120dとを有している。第1エリア110dは、第1ハウジング100aの第1部181a1と実装部510とによって区画されている。第1エリア110dは、後述する空間111dを含んでいる。第2エリア120dは、第1ハウジング100aの第2部181a2と、ホルダー120cの第1側板121c、底板122c、第2側板124cおよび風除け部125cとによって区画されている。第2エリア120dはファン収容空間を有している。このファン収容空間は、第1側板121c、底板122c、ストッパ123cおよびフック117aの先端部によって区画されている。ストッパ123cとフロントカバー110cとの間の距離は、図2Aに示すように、ファン400の厚み寸法よりも若干大きい。第1ハウジング100aのフック117aの爪部とフロントカバー110cとの間の距離は、ストッパ123cとフロントカバー110cとの間の距離と略同じである。ファン収容空間にファン400が収容され、ファン400がフロントカバー110c、フック117aおよびストッパ123cによって保持されている。なお、第1エリア110dの第1部181a1と実装部510との間の距離は、第2エリア120dの第2部181a2と風除け部125cとの間の距離よりも小さい。
【0034】
ファン400は、翼と、モーターなどの駆動部とを有する。駆動部は基板500に接続されている。駆動部が翼を回転させることによって、ハウジング100外のガスが吸気口111cからガス流路100dに流入可能である。流入したガスはガス流路100dを通って排気口111aから排出可能である。このガスの流通方向が図2AにDとして示されている。
【0035】
操作スイッチ200は、第1ハウジング100aに開位置から、排気位置を経て、閉位置までX方向に簡潔的に移動自在に設けられている。操作スイッチ200は、ベース210と、操作部220と、可動部230と、図示しない可動接点と、図示しない第1、第2、第3固定接点とを有している。ベース210は、Y方向の寸法がガイド突部113aの間の寸法よりも若干小さい矩形状の板である。すなわち、ベース210がガイド突部113aにX方向に簡潔的に移動自在にガイドされている。ベース210は、排気口111aを開閉可能なシャッター211と、複数の通風孔212とを有している。シャッター211は、ベース210上のY方向の一方側の端部に設けられた略矩形状の板である。通風孔212は、シャッター211にX方向に間隔をあけて設けられている。通風孔212はシャッター211を貫通した矩形状の貫通孔である。各通風孔212のX方向の寸法は、隣り合う排気口111aの間の距離よりも小さい。
【0036】
操作部220は、ベース210上のY方向の他方側の端部に設けられ且つZ方向の一方側に凸の矩形状の突部であって、ハウジング100の開口112b内にX方向に移動自在に収容されている。可動部230はベース210からZ方向の他方側に延びた板であって、基板500上をX方向に摺動可能である。可動部230の先端面には可動接点が設けられている。基板500上には、第1、第2、第3固定接点がX方向に間隔をあけて設けられている。
【0037】
操作部220が図1Bに示すように開口112a内の図示右端に位置しているとき、シャッター211が図2Bに示すようにハウジング100の排気口111aを閉塞し且つ可動接点が第1、第2固定接点に接触する。これが操作スイッチ200の閉位置である。操作部220が図4Aに示すように開口112a内の図示中央に位置しているとき、シャッター211の通風孔212が図4Bに示すようにハウジング100の排気口111aに連通し且つ可動接点が第2、第3固定接点に接触する。これが操作スイッチ200の排気位置である。操作部220が図5Aに示すように開口112a内の図示左に位置しているとき、シャッター211の通風孔212が図5Bに示すようにハウジング100の排気口111aに連通し且つ可動接点が第1、第2、第3固定接点に非接触又は第3固定接点のみに接触する。これが操作スイッチ200の開位置である。通風孔212が排気口111aに連通することにより、排気口111aとガス流路100d(ハウジング100内)とが通じ、ガス流路100d内のガスが排気口111aから排出可能となる。
【0038】
ガスセンサ300は、ハウジング100のガス流路100d内のガス(例えば、エアー、計測対象者の呼気、燃料ガス、火山ガス)に含まれる特定成分(例えば、特定の分子(食品又は飲料のにおい分子、メタン分子、プロパン分子、ブタン分子、水素分子、アンモニア分子、アミン分子、一酸化炭素分子、二酸化炭素分子、硫化水素分子、アルコール分子および/又は薬物分子))の濃度(量)に応じて出力信号が変化する半導体ガスセンサ、固体電解質型ガスセンサまたはNDIR(Non Dispersive InfraRed)方式ガスセンサ等である。
【0039】
ガスセンサ300はガス導入面310を有している。ガス導入面310は、ガス流路100d内のガスをガスセンサ300内に導入可能である。具体的には、ガス導入面310には、ガス流路100d内のガスをガスセンサ300内に導入可能にするための開口、スリット、メッシュ又はフィルタ等が設けられている。ガスセンサ300は、ガス導入面310がハウジング100の第1部181a1に対向するように、実装部510上に実装されている。ガスセンサ300は、ガス流路100dの第1エリア110d内(すなわち、ガス流路100d内の風除け部125cよりも排気口111a側のエリア内)に配置されている。ガスセンサ300のガス導入面310と第1ハウジング100aの第1部181a1とによって空間111dが区画されている。ガス導入面310は、空間111dを流通するガスの流通方向(流通方向Dの一部)に対して略平行である。
【0040】
表示部900aは、一対の間隙板を介して基板500の第1ハウジング100a側の端面(Z方向の一方側の端面(図3A中の図示上面))上に実装され、表示パネル130aに対向配置されている。表示部900aは、表示パネル130aを通じてハウジング100外から視認可能となっている。
【0041】
制御部600は、マイコン等である。制御部600は、基板500の実装部510上に実装されている。制御部600の入力ポートには、第1、第2、第3固定接点、ガスセンサ300、ファン400、表示部900aおよび報知部900bが基板500介して接続されている。制御部600の出力ポートには、ガスセンサ300、ファン400、表示部900aおよび報知部900bが基板500介して接続されている。制御部600は、可動接点と第1、第2固定接点との導通に応じて、制御部600の内部メモリに記録された図6に示すガス計測プログラムを処理する。制御部600は、ガス計測プログラムを処理することによって、ガスセンサ300、ファン400、表示部900aおよび報知部900bを制御する。制御部600は、可動接点と第2、第3固定接点との導通に応じて、前記内部メモリに記録された図7に示すガス排出プログラムを処理する。制御部600は、ガス排出プログラムを処理することによって、ファン400を制御する。
【0042】
以下、上述したガス計測装置の使用方法について詳しく説明すると共に、ガス計測プログラムおよびガス排出プログラムについて詳しく説明する。操作スイッチ200の操作部220が操作され、図1Bに示すように操作スイッチ200が閉位置に移動したとき、操作スイッチ200のシャッター211が図2Bに示すようにハウジング100の排出口111aを塞ぐ。これと共に、可動接点が第1、第2固定接点に接触し、可動接点と第1、第2固定接点とが導通する。これにより、制御部600は、前記内部メモリ上のガス計測プログラムを処理する。
【0043】
すると、制御部600は、ファン400およびガスセンサ300をオンにする(S1、S2)。ファン400により、ハウジング100外のガスが吸気口111cからガス流路100d内に流入し、ガス流路100d内に滞留する。これにより、ガスに含まれる特定成分がガス流路100d内に留まる。流入したガスの一部が風除け部125cに当たる。流入したガスの一部は、ガス流路100dの第1エリア110dの空間111dを流通するが、ガスセンサ300のガス導入面310に対して略平行に流通するため、当該ガス導入面310からガスセンサ内に流通方向Dに沿って吹き込まない。このとき、第1エリア110dのガスが、ガス導入面310からガスセンサ300内に導入される。これにより、ガスセンサ300の出力信号が変動する。制御部600が、ガスセンサ300の出力信号に基づいてハウジング100内のガスに含まれる特定成分の濃度(量)を計測する(S3)。その後、制御部600は、ファン400およびガスセンサ300をオフにし(S4、S5)、ガスの特定成分の計測値が内部メモリに記録された基準範囲内であるか否かを判断する(S6)。
【0044】
その結果、制御部600が、計測値が基準範囲内であると判断したときには、計測値を表示部900aに表示させる(S7)。その後、制御部600は、可動接点と第1、第2固定接点とが非導通となったか否かを判断する(S8)。すなわち、制御部600は、操作スイッチ200が閉位置から移動したか否かを判断する。その後、制御部600は、可動接点と第1、第2固定接点とが非導通となり、操作スイッチ200が閉位置から移動したと判断したときには、表示部900aをオフにし(S10)、上記ガス計測プログラムの処理を終了する。一方、制御部600は、可動接点と第1、第2固定接点とが導通しており、操作スイッチ200が閉位置から移動していないと判断したときには、制御部600のタイマーによって表示部900aの表示から所定時間が経過したか否かを判断する(S9)。制御部600は、所定時間が経過していないと判断したときには、S8に戻る。一方、制御部600は、所定時間が経過したと判断したときには、表示部900aをオフにし(S10)、上記ガス計測プログラムの処理を終了する。
【0045】
S6において、制御部600が基準範囲外であると判断したときには、報知部900bをオンにし(S11)、ガスの特定成分の計測値を表示部900aに表示させる(S12)。その後、制御部600は、可動接点と第1、第2固定接点とが非導通となったか否かを判断する(S13)。すなわち、制御部600は、操作スイッチ200が閉位置から移動したか否かを判断する。その後、制御部600は、可動接点と第1、第2固定接点とが非導通となり、操作スイッチ200が閉位置から移動したと判断したときには、報知部900bおよび表示部900aをオフにし(S15、S16)、上記ガス計測プログラムの処理を終了する。一方、制御部600は、可動接点と第1、第2固定接点とが導通しており、操作スイッチ200が閉位置から移動していないと判断したときには、制御部600のタイマーによって表示部900aの表示から所定時間が経過したか否かを判断する(S14)。制御部600は、所定時間が経過していないと判断したときには、S13に戻る。一方、制御部600は、所定時間が経過したと判断したときには、報知部900bおよび表示部900aをオフにし(S15、S16)、上記ガス計測プログラムの処理を終了する。
【0046】
操作スイッチ200の操作部220が操作され、図4Aに示すように操作スイッチ200が排気位置に移動すると、操作スイッチ200の通風孔212がハウジング100の排出口111aに連通する。すなわち、操作スイッチ200のシャッター211が図4Bに示すようにハウジング100の排出口111aを開放する。これと共に、可動接点が第2、第3固定接点に接触し、可動接点と第2、第3固定接点とが導通する。これにより、制御部600は、前記内部メモリ上のガス排出プログラムを処理する。すると、制御部600は、ファン400をオンにする(S21)。ファン400により、ハウジング100外のガスが吸気口111cからガス流路100dを通って、通風孔212および排気口111aから排出される。流入したガスの一部が風除け部125cに当たる。流入したガスは、ガス流路100dの第1エリア110dの空間111dを流通する。これにより、ハウジング100内に滞留していたガスが、ハウジング100外に排出される。すなわち、ハウジング内に留まっていた特定成分が、ハウジング100外に排出される。このとき、ガスセンサ300はオフにされている。
【0047】
その後、制御部600は、可動接点と第2、第3固定接点とが非導通となったか否かを判断する(S22)。すなわち、制御部600は、操作スイッチ200が排気位置から移動したか否かを判断する。その後、制御部600は、可動接点と第2、第3固定接点とが非導通となり、操作スイッチ200が排気位置から移動したと判断したときには、ファン400をオフにし(S24)、上記ガス排出プログラムの処理を終了する。一方、制御部600は、可動接点と第2、第3固定接点とが導通しており、操作スイッチ200が排気位置から移動していないと判断したときには、制御部600のタイマーによってファン400のオンから所定時間が経過したか否かを判断する(S23)。制御部600は、所定時間が経過していないと判断したときには、S22に戻る。一方、制御部600は、所定時間が経過したと判断したときには、ファン400をオフにし(S23)、上記ガス計測プログラムの処理を終了する。
【0048】
操作スイッチ200の操作部220が操作され、図5Aに示すように操作スイッチ200が開位置に移動すると、操作スイッチ200の通風孔212がハウジング100の排出口111aに連通する。すなわち、操作スイッチ200のシャッター211が、図5Bに示すように、ハウジング100の排出口111aを開放する。これにより、ハウジング100外のガスが吸気口111cからガス流路100d内に流入可能となると共に、ガス流路100dに流入したガスが通風孔212および排気口111aから排出可能となる。これと共に、可動接点が第1、第2、第3固定接点に非接触又は第3固定接点のみに接触する。これにより、制御部600は、ファン400およびガスセンサ300をオフにする。
【0049】
以上のようなガス計測装置は以下の技術的特徴を有する。第1に、ガス流路100d内を流通するガスの影響によって、ガスセンサ300の出力信号が変動するのを抑制することができる。なぜなら、吸気口111cからガス流路100d内に流入したガスが、ガスセンサ300のガス導入面310上の空間111dをガス導入面310に沿って通過するため、当該ガスがガス導入面310に直接当たり難いからである。すなわち、ガス流路100d内を流通するガスが、ガスセンサ300内に直接吹き込み難くなるからである。しかも、ガスセンサ300がガス流路100d内の風除け部125cよりも排気口111a側に配置されているため、流入したガスの一部が風除け部125cに当たってガスセンサ300のガス導入面310に対する風除けがなされるからである。
【0050】
第2に、当該ガス計測装置の特定成分の計測精度が向上する。なぜなら、操作スイッチ200がハウジング100の排出口111aを閉塞し、ハウジング100内にガスに含まれる特定成分を滞留させた状態で、制御部600がガスセンサ300の出力信号に基づいて前記特定成分の濃度(量)を計測できるからである。加えて、ガス流路100dの第1エリア110dの第1部181a1と実装部510との間の距離は、第2エリア120dの第2部181a2と風除け部125cとの間の距離よりも小さい。このため、ガスに含まれる特定成分が、ガスセンサ300が配置された第1エリア110dに滞留しやすい。
【0051】
第3に、ハウジング100内にガスに含まれる特定成分が残留するのを防止することができる。なぜなら、計測後、操作スイッチ200を排気位置に移動させることによって、ハウジング100内に滞留したガスに含まれる特定成分を排出させることができるからである。
【0052】
なお、上述したガス計測装置は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0053】
本発明のハウジングの吸気口は、当該ハウジング外のガスを当該ハウジングのガス流路に流入させることが可能である限り任意に設計変更することが可能である。本発明のハウジングの排気口は、当該ハウジングのガス流路内のガスを当該ハウジング外に排出可能である限り任意に設計変更することが可能である。よって、本発明の吸気口および排気口は、ハウジングに少なくとも一つずつ設けられていれば良い。本発明のハウジングの第1部は、当該ハウジングのガスセンサのガス導入面に対向する部分である限り任意に設計変更することが可能である。
【0054】
本発明のハウジングのガス流路は、ハウジングの吸気口から流入したガスを当該ハウジングの排気口へ流通させることが可能な路であって、ハウジングの第1部とこれに対向するガスセンサのガス導入面との間の空間を含む限り任意に設計変更することが可能である。また、本発明のガス流路の第1エリアは、ハウジングの第1部と、これに対向する実装部とに区画されている限り任意に設計変更することが可能である。本発明のガス流路の第2エリアは、ハウジングの第2部とこれに対向する風除け部とに区画されている限り任意に設計変更することが可能である。前記第1エリアの前記第1部と前記実装部との間の距離は、前記第2エリアの前記第2部と前記風除け部との間の距離と同じであっても良い。前記第1エリアの前記第1部と前記実装部との間の距離は、前記第2エリアの前記第2部と前記風除け部との間の距離よりも大きくても良い。
【0055】
本発明の風除け部は省略可能である。本発明の風除け部は、少なくともハウジングの吸気口に対向するように、当該ハウジング内に設けられている限り任意に設定することが可能である。
【0056】
本発明のガスセンサは、ハウジングの一部に対向するガス導入面を有し、前記ハウジングの一部と前記ガス導入面との間の空間が前記ハウジングのガス流路の一部をなすように前記ハウジング内に配置されている限り任意に設計変更することが可能である。本発明のガスセンサのガス導入面は、当該ガスセンサ内にガスを導入し得る限り任意に設計変更することが可能である。
【0057】
本発明の操作スイッチは、ハウジングの排気口を閉塞しない構成とすることが可能である。この場合、操作スイッチのシャッターおよび通風孔は省略される。また、本発明の操作スイッチは、ハウジングの排気口を閉塞する閉位置と当該ハウジングの排気口を開放する開位置との間で移動自在となるように、ハウジングに設けられた構成とすることが可能である。すなわち、上述した排気位置は省略可能である。この場合、ガス排出プログラムおよびこれに関するガス計測装置の構成要素も省略される。また、排気位置は、閉位置と開位置との間に設けられている必要はない。例えば、閉位置が、排気位置と開位置との間に設けられていても良いし、開位置が、排気位置と閉位置との間に設けられていても良い。
【0058】
本発明の操作スイッチのシャッターは、閉位置でハウジングの排気口を閉塞し得る限り任意に設計変更することが可能である。例えば、操作スイッチのシャッターは、閉位置で排気口を閉塞する板、棒又は櫛歯に設計変更することが可能である。この場合、操作スイッチの通風孔は省略可能である。
【0059】
上述したファンは省略可能である。例えば、ガスセンサがアルコールセンサ又は薬物センサ等である場合には、ハウジングの吸気口から計測対象者の呼気(ガス)が吹き込まれるため、ファンは省略可能である。また、本発明のガス計測装置外のガスの流れによって、ハウジングの吸気口からガスが流入する場合にも、ファンは省略可能である。本発明のファンは、ハウジングの吸気口から当該ハウジングのガス流路内にガスを流入させ得るものである限り任意に設計変更することが可能である。例えば、ファンは、ハウジングの吸気口の前側、ハウジングの排気口の前側又はハウジングの排気口の後側に設けることが可能である。
【0060】
上述した表示部900aおよび/又は報知部900bは省略可能である。本発明の報知部は、ブザー以外に、LED等の発光装置または表示部に設計変更することが可能である。
【0061】
本発明のガス計測装置の制御部は、操作スイッチが所定位置に位置したとき、ガスセンサをオンにし、当該ガスセンサの出力信号に基づいて前記ハウジング内のガスに含まれる特定成分を計測し得る限り任意に設計変更することが可能である。例えば、ガス計測装置の制御部は、操作スイッチが開位置に位置しているときに、ガスセンサのみをオフにするように設計変更することが可能である。また、ガス計測装置の制御部は、操作スイッチが開位置に位置しているときに、ガスセンサ、又は、ガスセンサおよびファンをオンにするように設計変更することも可能である。この場合、操作スイッチが開位置および閉位置以外の他の位置に移動可能にし、操作スイッチが前記他の位置に位置しているときに、制御部がガスセンサ、又は、ガスセンサおよびファンをオフにすると良い。本発明のガス計測装置は、操作スイッチが閉位置、開位置、排気位置および/又は他の位置に位置している状態を検出する位置検出センサを備えた構成とすることが可能である。この場合、制御部は、前記位置検出センサの出力信号に応じて、上述の通りガスセンサのオンオフ、ファンのオンオフおよび/又はガスに含まれる特定成分の計測を行うと良い。位置検出センサを用いる場合、上記可動接点および第1、第2、第3固定接点は省略される。上述した制御部はガスセンサに一体的に設けることが可能である。なお、本発明の制御部は、ガスの所定成分の計測値をメモリに記録し、外部出力部を通じて出力可能に設計変更することが可能である。
【0062】
上記実施例および上述した設計変更例のガス計測装置はガス検出装置に設計変更することが可能である。この場合、制御部は、操作スイッチが所定位置に位置しているときに、ガスセンサをオンにし、当該ガスセンサの出力信号に基づいて前記ハウジング内のガスに含まれる特定成分を検出するように設計変更すると良い。換言すると、本発明のガス検出装置は、制御部がガスセンサの出力信号に基づいて前記ハウジング内のガスに含まれる特定成分を検出する以外、上記実施例又は上述した設計変更例のガス計測装置と同じ構成とすることが可能である。
【0063】
なお、上述したガス計測装置およびガス検出装置の各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上述した実施例及び設計変更例は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0064】
100・・・・・ハウジング
100a・・・第1ハウジング
111a・・排気口
100b・・・第2ハウジング
100c・・・ファン収容部
111c・・吸気口
125c・・風除け部
100d・・・ガス流路
110d・・第1エリア
111d・空間
120d・・第2エリア
200・・・・・操作スイッチ
300・・・・・ガスセンサ
310・・・・ガス導入面
400・・・・・ファン
500・・・・・基板
600・・・・・制御部
700・・・・・電池
800a・・・・端子
800b・・・・端子
900a・・・・表示部
900b・・・・報知部
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7