(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の他のパチンコ機では、いずれか一方の大入賞口に特典領域を設け、大当り遊技で特典領域へ遊技球が入球することにより確変等の特典遊技を付与する構成にすることが考えられる。
しかしながらこのような構成にすると、遊技球が特典領域に入球したタイミング次第では、既に次のラウンド(他方の大入賞口の開放)が開始されている状況が考えられ、特典領域への入球が無効に扱われてしまうおそれがあり、遊技者の不利益となる問題が生じる。
また、大入賞口への入球カウント数の設計次第では、一方の大入賞口内に残った残存球が2回目の一方の大入賞口が開放するラウンドにて特典領域へ入球する状況も考えられる。これでは、予め設定されたラウンド以外で特典の付与が発生することになり、特典領域への入賞率が設計値と大きく異なってくることになるし、そもそも1ラウンドあたりの入球可能数をどのようにカウントしていくのか等、大当り遊技の構成自体が揺らぎかねない状況になる。
一般にパチンコ機は、大当り確率、大当り遊技の平均出玉、平均連チャン数などが数値で出るように設計して、はじめて遊技店がパチンコ機の性能を把握した上で営業が可能となっているが、予め設定されたラウンドで特典が付与されなかったり、予め設定されたラウンド以外で特典が付与されることで、遊技店はパチンコ機の性能を把握することができず、当該パチンコ機を営業に用いることに不具合が生じると言った問題が生じる。
【0007】
そこで本発明は上記事情に鑑み、予め設定されたラウンドで確実に特典を付与するようにし、遊技者の不利益を防止するとともに、遊技店が正確に性能を把握することができ、遊技店が性能を把握した上で好適に営業に用いることができる遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、
始動口と、
始動口への遊技球の入球に起因して遊技者に有利な大当り遊技に移行するか否かの当否判定を実施する当否判定手段と、
前記大当り遊技に移行したときに開閉可能となる第1の大入賞口と、
前記大当り遊技に移行したときに開閉可能となる第2の大入賞口と、
前記大当り遊技に移行したときに、前記第1の大入賞口が所定の開放態様で開閉するラウンドと、前記第2の大入賞口が所定の開放態様で開閉するラウンドとを組み合せて複数ラウンド実行せしめる大当り遊技実行手段と、
前記第1の大入賞口の内部に設けられ、遊技球が入球することにより大当り遊技終了後の遊技状態を、次回の大当り遊技への移行に有利な特典遊技状態へ移行せしめる特典領域と、
予め設定された前記第1の大入賞口が開閉する特定のラウンドであり、次回のラウンドが前記第2の大入賞口が開閉するラウンドの場合に、前記第1の大入賞口の開放動作から、前記第2の大入賞口が開閉するラウンドが終了
してラウンド間インターバルが終了するまでの期間内にて、前記特典領域への遊技球の入球を有効とする特典領域制御手段と、を具備する構成とした。
尚、大当り遊技において、大当り遊技実行手段による第1の大入賞口が開閉するラウンドと第2の大入賞口が開閉するラウンドとの組み合せは、第1の大入賞口のラウンドと第2の大入賞口のラウンドとを交互に複数ラウンド実行することを含む。また、次回の大当り遊技への移行に有利な特典遊技状態として、前記当否判定手段による前記大当り遊技に移行するか否かの当否判定の当選確率を通常時よりも高確率に設定する確率変動(確変)遊技状態とすることが望まし
い。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、第1の大入賞口に続いて第2の大入賞口が開放(交互に開放)することを利用して、予め設定された第1の大入賞口が開閉する特定のラウンドと続く第2の大入賞口のラウンドとを有効期間として、第1の大入賞口の残存球による特典領域への入球を有効にすることにより、従来のように特典領域への入球が無効となると言った遊技者の不利益を防止することができる。
また、特定のラウンド以外の第1の大入賞口が開閉するラウンドでの特典の付与を防ぐことができ、特典領域への入賞率が設計値とほぼ一致するので、遊技店は正確に性能を把握することができる。
更に第1及び第2の大入賞口を交互に開閉させる構成のメリット、即ち実質的なインターバル時間を可及的に減らす効果も活かしたまま、特典領域への入球により特典を付与する遊技性を実現できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の遊技機において、
前記特典領域制御手段により前記特典領域への遊技球の入球が有効とされた有効期間中の前記第2の大入賞口が開閉するラウンド
が終了してラウンド間インターバルが終了する時に、前記第1の大入賞口へ入球した遊技球が前記特典領域へ入球したことの確認、又は前記遊技球が前記第1の大入賞口から排出されたことの確認がされなければ、大当り遊技の次のラウンドへの移行を中断する大当り遊技中断手段を具備する構成とした。
尚、第1の大入賞口へ入球した遊技球は前記特典領域へ入球することで第1の大入賞口から排出されるように構成する。
また、前記第1の大入賞口への入球を検出する検出手段と、前記特典領域への入球を検出する検出手段、及び前記第1の大入賞口からの排出球を検出する検出手段とをそれぞれ設ける。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、有効期間中に第1の大入賞口内にある遊技球が特典領域へ入球したこと、又は第1の大入賞口から排出されたことが確認されなければ大当り遊技を中断するようにしたので、より確実に特定のラウンド以外の第1の大入賞口が開閉するラウンドでの特典の付与を防ぐことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の遊技機において、
前記特典領域制御手段は、前記大当り遊技中断手段により大当り遊技が中断された場合、所定の期間にわたり前記特典領域への入球を有効とする有効期間を延長せしめ、
この間に前記特典領域への入球が確認されると、前記大当り遊技中断手段は中断を解除して大当り遊技を再開する構成とした。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、大当り遊技が中断された場合に有効期間を延長せしめたので、特典領域への入球が無効となると言った遊技者の不利益を確実に防止することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、
始動口と、
始動口への遊技球の入球に起因して遊技者に有利な大当り遊技に移行するか否かの当否判定を実施する当否判定手段と、
前記大当り遊技に移行したときに開閉可能となる第1の大入賞口と、
前記大当り遊技に移行したときに開閉可能となる第2の大入賞口と、
前記大当り遊技に移行したときに、前記第1の大入賞口が所定の開放態様で開閉するラウンドと、前記第2の大入賞口が所定の開放態様で開閉するラウンドとを組み合せて複数ラウンド実行せしめる大当り遊技実行手段と、
前記第1の大入賞口の内部に設けられ、遊技球が入球することにより大当り遊技終了後の遊技状態を、次回の大当り遊技への移行に有利な特典遊技状態へ移行せしめる特典領域と、
予め設定された前記第1の大入賞口が開閉する特定のラウンドであり、その後に前記第2の大入賞口が開閉するラウンドが大当り遊技の最終のラウンドまで連続する場合に、前記第1の大入賞口の開放動作から、前記第2の大入賞口が開閉する前記最終ラウンドが終了するまでの期間内にて、前記特典領域への遊技球の入球を有効とする特典領域制御手段と、を具備する構成とした。
尚、次回の大当り遊技への移行に有利な特典遊技状態として、前記当否判定手段による前記大当り遊技に移行するか否かの当否判定の当選確率を通常時よりも高確率に設定する確率変動遊技状態とすることが望ましい。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、予め設定された第1の大入賞口が開閉する特定のラウンドから大当り遊技の終了までを有効期間として、第1の大入賞口内の遊技球による特典領域への入球を有効にすることにより、従来のように特典領域への入球が無効となると言った遊技者の不利益を防止することができ、かつ確実に特定のラウンド以外の第1の大入賞口が開閉するラウンドでの特典の付与を防ぐことができ、特典領域への入賞率が設計値とほぼ一致するので、遊技店は正確に性能を把握することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、
始動口と、
始動口への遊技球の入球に起因して遊技者に有利な大当り遊技に移行するか否かの当否判定を実施する当否判定手段と、
前記大当り遊技に移行したときに開閉可能となる第1の大入賞口と、
前記大当り遊技に移行したときに開閉可能となる第2の大入賞口と、
前記大当り遊技に移行したときに、前記第1の大入賞口が所定の開放態様で開閉するラウンドと、前記第2の大入賞口が所定の開放態様で開閉するラウンドとを組み合せて複数ラウンド実行せしめる大当り遊技実行手段と、
前記第1の大入賞口の内部に設けられ、遊技球が入球することにより大当り遊技終了後の遊技状態を、次回の大当り遊技への移行に有利な特典遊技状態へ移行せしめる特典領域と、
予め設定された前記第1の大入賞口が開閉する特定のラウンドであり、続く前記第2の大入賞口が開閉するラウンドを経て、再度前記第1の大入賞口が開閉するラウンドが実行される場合に、前記特定のラウンドの第1の大入賞口の開放動作から、前記再度第1の大入賞口が開閉するラウンドの前の前記第2の大入賞口が開閉するラウンドが終了
してラウンド間インターバルが終了するまでの期間内にて、前記特典領域への遊技球の入球を有効とする特典領域制御手段と、を具備する構成とした。
尚、大当り遊技において、大当り遊技実行手段による第1の大入賞口が開閉するラウンドと第2の大入賞口が開閉するラウンドとの組み合せは、前記特定のラウンドである第1の大入賞口のラウンド後に、複数回の第2の大入賞口のラウンドとを経て、再度の第1の大入賞口のラウンドを実行することを含む。また、次回の大当り遊技への移行に有利な特典遊技状態として、前記当否判定手段による前記大当り遊技に移行するか否かの当否判定の当選確率を通常時よりも高確率に設定する確率変動(確変)遊技状態とすることが望まし
い。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、予め設定された第1の大入賞口が開閉する特定のラウンドから前記第2の大入賞口が開閉する複数ラウンドを経て、再度第1の大入賞口が開閉するラウンドの前までを有効期間として、第1の大入賞口内の遊技球による特典領域への入球を有効にすることにより、従来のように特典領域への入球が無効となると言った遊技者の不利益を防止することができ、かつ確実に特定のラウンド以外の第1の大入賞口が開閉するラウンドでの特典の付与を防ぐことができ、特典領域への入賞率が設計値とほぼ一致するので、遊技店は正確に性能を把握することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を適用した第1の実施形態の遊技機たるパチンコ機を説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠が開閉可能に設けてある。なお、これら前枠11及び前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(
図2)が設けてある。
【0020】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
【0021】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0022】
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)60が隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172及び残高表示器173が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0023】
図2は、本パチンコ機の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には図示しない多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が装着されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0024】
遊技領域20は、センターケース200により左右に分けられ、センターケース200の左右両側にはそれぞれ遊技球が流下可能な流下路が設けられている(矢印参照)。
遊技球をセンターケース200の左側の流下路へ流下させるには発射ハンドル14を操作して遊技球を弱めに発射する「左打ち」を行う。当該「左打ち」により、センターケース200の左側面に設けられたワープ入口よりワープ樋204を通して、センターケース200の中央直下位置に設けられた常時入球が可能な入賞装置の第1始動口23Aへの入球を狙える。第1始動口23Aは、常時、遊技球の入球が可能で、入球により特別図柄(以下、単に特図という)の抽選が実行される。
【0025】
一方、遊技球をセンターケース200の右側の流下路へ流下させるには発射ハンドル14を操作して遊技球を強く発射する「右打ち」を行う。右側の流下路には、常時、遊技球が通過可能に設けられた作動ゲート(作動口)22、開閉扉(特別電動役物)にて開閉可能に設けられた第1大入賞口24、開閉扉(特別電動役物)にて開閉可能に設けられた第2大入賞口25、開閉扉(普通電動役物)にて開閉可能に設けられた第2始動口23Bが設置されている。
【0026】
作動ゲート22は遊技球の通過により普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される起因となるゲートである。
第1大入賞口24は特図の抽選により大当り遊技に移行すると開閉可能となる特別入賞口である。また第1大入賞口25の内部には、遊技球が入球可能な特典領域26が設けられている。第2大入賞口25は大当り遊技において第1大入賞口25と交互に開閉可能となる特別入賞口である。
第2特図始動口23Bは普通電動役物(普電役物)の開放時にのみ入球可能である。普電役物は、遊技球が作動ゲート22を通過したことに起因して実行される普図の抽選で当りとなると所定時間開放する。第2始動口23Bは第1始動口23Aと同様に入球により特図の抽選が実行される起因となる入球口である。
「右打ち」によりこれら作動ゲート22、第1及び第2大入賞口24,25、第2始動口23Bへの入球を狙うことができる。だが、「右打ち」による第1始動口23Aへの入球は困難な構成である。
【0027】
尚、遊技盤2の遊技領域20には、多数の遊技釘や風車が植設されている。
また遊技領域20の中央下端部で盤面最下部にはアウト口205が設けられている。
更に遊技盤2の右下部にはレール201の外部の遊技領域20外に、特図が変動表示される特図表示装置28、普図が変動表示される普通図柄表示装置29、特図の保留記憶が表示される特図保留数表示装置281、及び普図の保留記憶が表示される普図保留数表示装置291が配設されている。
【0028】
図3に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(
図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤20の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、本実施形態では前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
【0029】
パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
【0030】
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。
図3では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
【0031】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0032】
図4は本パチンコ機の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられてい乃至かしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0033】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検出する前面枠閉鎖SW(スイッチ)501、意匠枠閉鎖SW502、第1始動口23Aへの入球を検出する第1特図始動SW503、第2始動口23Bへの入球を検出する第2特図始動SW504、作動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、第1大入賞口24への入球を検出する第1カウントSW506、第2大入賞口25への入球を検出する第2カウントSW507、特典領域26への入球を検出する特典領域SW508、及び普通入賞口27への入球を検出する一般入賞口SW509等の検出信号が入力される。
【0034】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して特図表示装置28、特図保留数表示装置281、普図表示装置29及び普図保留数表示装置291等の表示制御を行なう。
【0035】
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、第1大入賞口ソレノイド511、第2大入賞口ソレノイド512及び普通電役ソレノイド513が接続されている。そして第1大入賞口ソレノイド511又は第2大入賞口ソレノイド512を制御して第1大入賞口24又は第2大入賞口25を開放作動せしめる。また普電役物ソレノイド513を制御して第2始動口23Bの普電役物の開閉作動せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
【0036】
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。更に、CRユニット端子板535を介してCRユニット60と電気的に接続され、精算表示装置173を介して球貸及び精算SW171,172による貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、CRユニット60とデータを送受し、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させ、CRユニット60に挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。
【0037】
発射制御装置44は、発射ハンドルの回転操作を検出するスイッチ524、発射停止SW525、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW526等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW526の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14(524)の回動信号及び発射停止SW525の信号に基づいて発射モータ527を制御して遊技球を発射及び停止させる。
【0038】
サブ統合制御装置42には、音量調節SW、遊技ボタンやジョグダイヤルの操作を検出する遊技SW15などの操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0039】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0040】
次にパチンコ機1の作動を説明する。
パチンコ機1は、作動ゲート22への入球に起因して普図の当否抽選を行い、普図表示装置29の図柄変動を開始する。前記抽選結果が当りであれば、表示装置29に当選結果を確定表示して前記普電役物を開放する。これにより第2始動口23Bへの入賞が可能となる。本実施形態では第2始動口23Bは常時入球が可能な構成ではないので、普図の当りにより入球可能としたが、第2始動口23Bが通常も入球が可能な構成の場合は普図の当りにより通常時よりも入球を容易とする。
一方、第1始動口2Aは常時入球可能な構成で「左打ち」により入球が狙える。
【0041】
第1又は第2始動口23A,23Bへの入球があると、これらに起因して乱数が抽出され、該乱数の値に基づいて特図の当否判定を行う。また判定に伴い、特図表示装置28と演出図柄表示装置21の図柄変動を開始する。特図の判定結果が大当りであれば、大当り図柄を決めて各表示装置21,28に大当り図柄を確定表示して大当り遊技(特別遊技)を実行する。尚、演出図柄表示装置21には大当り図柄に対応する擬似演出図柄が表示される。
【0042】
大当り遊技は、第1大入賞口24又は第2大入賞口25を開放し所定の時間又は入球数が所定数に達して閉じるまでの動作を1ラウンドとして、第1大入賞口24が開閉するラウンドと第2大入賞口25のラウンドとを交互に所定数のラウンドを継続することを基本遊技としている。
【0043】
そして、予め設定された第1大入賞口24を開閉する特定のラウンドにおいて第1大入賞口24へ遊技球が入球し、更に第1大入賞口24の特典領域26へ入球することにより、当該大当り遊技の終了後、遊技状態を大当りの当選確率が高確率とされる確変遊技状態へ移行される。
【0044】
この場合、
図5に示すように、特典領域26へ入球により確変遊技を付与する特定のラウンドを1ラウンド目とすると、1ラウンド目が終了すると短いラウンド間インターバル(約0.5秒)を経て2ラウンド目が開始される。このときに第1大入賞口24内に遊技球が残存する可能性がある。そこで本実施形態のパチンコ機1は、特典領域26へ入球により確変遊技の付与を可能とする有効期間を、1ラウンド目の第1大入賞口24の開放開始から3ラウンド目の第1大入賞口24の開放開始までの期間、即ち1ラウンド目、1ラウンド目と2ラウンド目とのラウンド間インターバル、2ラウンド目、及び2ラウンド目と3ラウンド目とのラウンド間インターバルを有効期間に設定している。尚、ラウンド間インターバルは極端に短いので、実質的に有効期間の終了は2ラウンド目の終了時点である。そして有効期間に遊技球が特典領域26へ入球することにより、当該大当り遊技の終了後、確変遊技が付与される。
【0045】
ところで、大入賞口の残存球がラウンドを跨ぐことにより生じる不具合は、同じ大入賞口が開閉するラウンド間で生じるものである。このため従来の1つの大入賞口で複数ラウンドを行う大当り遊技では、各ラウンドが終了してから残存球が排除される時間を考慮して、ラウンド間インターバルの時間は約2秒以上設けられていた。これに対して、2つの大入賞口が交互に開放する構成では、一方の大入賞口が開閉するラウンドの時間はほぼ2秒以上かかるため、その間に他方の大入賞口の残存球を解消するインターバルを充分に取ることができる。従って第1大入賞口24のラウンドと第2大入賞口25のラウンドとの間のインターバルを「表面上」のものとしてインターバル時間を極短時間にすることが可能である。
このように、第1大入賞口24が閉鎖したら直ぐに(残存球を気にせず)第2大入賞口25を開放させることができ、遊技者が遊技球を打ち続けていても無駄球が生じない遊技が可能となる(インターバルが長いと、その間に発射された遊技球は無駄になるおそれがあった)。
【0046】
本実施形態では第1及び第2大入賞口24,25が交互に開閉する1ラウンド目と2ラウンド目との間、2ラウンド目と3ラウンド目との間等の表面上のインターバル時間を0.5秒としており、仮に第2大入賞口25の開閉時間が極短い(1秒)ものであっても、前後の表面上のインターバルと合わせて、1ラウンド目から3ラウンド目の第1大入賞口24が開くまでに残存球を解消する時間を充分に取ることができ、無駄球を可及的に軽減することができる上で、特典領域26への入球の有効期間を設定したものである。
【0047】
この他、本パチンコ機1は、大当り遊技後、普図の当選が高確率とされ、普電役物の平均開放時間が延長されるとともに普図や特図の変動時間が短縮される時短遊技が付与される構成である。よって本パチンコ機1は、通常遊技では「左打ち」を行い、第1始動口23Aを狙って大当りの獲得を目指す。そして大当り遊技に移行すると「右打ち」を行い、その後、時短遊技に移行するので「右打ち」を続け、普図の作動ゲート22、第2始動口23Bを狙って更なる大当りの獲得を目指す。
尚、確変遊技は、後述の「確変カウンタ」により確変遊技状態に移行してからの特図の変動回数が予め決められた所定の回数に達するまで、又は大当りが生起するまで継続される。
同様に時短遊技は、後述の「時短カウンタ」により時短遊技状態に移行してからの特図の変動回数が予め決められた所定の回数に達するまで、又は大当りが生起するまで継続される。
【0048】
以下、作動の詳細を主制御装置40で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図6は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0049】
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S102)、特図の大当り図柄決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S103)、普図の当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S104)、特図のリーチに関するリーチ判定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S105)、特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、各出力処理(S109)、不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
【0050】
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)及び各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
【0051】
図7に示す「始動口入賞確認処理1」は主制御装置40で実行されるサブルーチンであり、この処理では、第1、第2特図始動口23A,23Bへの入賞を確認し、入賞時に抽出した各種乱数値の保留記憶処理を行う。
【0052】
「始動口入賞確認処理」では、先ず第1、第2始動口SW503,504の検出信号に基づいて、第1、第2特図始動口23A,23Bに入賞があるかを確認する(S200)。入賞があれば(S200:yes)、保留記憶数が既に上限数まで達しており満杯でないか否かを確認する(S201)。記憶可能な上限数は4個である。保留記憶が満杯でなければ(S201:yes)、S202の抽出乱数保留記憶処理において、前記入賞に起因して複数の乱数値(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、ハズレ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、保留記憶として記憶する。
続くS203の処理では、特図保留数表示装置281の点灯数を増加させると共に、サブ統合制御装置42に現在の保留記憶数を示す保留個数指定コマンドを送信する。
【0053】
図8乃至
図11は主制御装置40で実行される特図の「当否判定処理」のフローチャートを示す。
図8に示すように「当否判定処理」は、第1又は第2大入賞口24、25を開放させるための特別電動役物が作動中か確認し、作動していなければ(S300:no)、特図が変動中か確認し、変動中でなければ(S301:no)、特図の確定図柄が表示されているか確認する(S302)。尚、特別電動役物が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
【0054】
S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、
図9に示すように、S310の処理において特図の保留記憶があるか確認する。保留記憶がなければ(S310:no)、「特別遊技処理」に移行する。保留記憶があれば(S310:yes)、記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0055】
次にS312の処理で、確変フラグを確認して現在の遊技状態が前記確変遊技状態であるか確認する(確変フラグが「1」であれば確変中)。確変中であれば(S312:yes)、確変時の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S313)。
確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと前記大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S314)。
【0056】
続くS315の処理では、S313又はS314の処理の当否判定が大当りか否かの確認を行う。
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
S317の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、演出図柄表示装置21に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
【0057】
変動パターンの決定後、S318で大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技の開放パターンの設定を行う。例えば演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、大入賞口25の開放態様、大当り遊技終了後の遊技状態等の設定がなされる。
【0058】
S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、演出図柄表示装置21に表示される特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する。続くハズレ設定処理(S320)では、遊技状態が確変、時短であれば、これらの継続期間をカウントする前記確変カウンタ及び時短カウンタを減算する。
【0059】
S318又はS320の各設定処理の後、S321の処理では、特図表示装置28の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。
【0060】
前記
図7のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:yes)、
図10に示すように、図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、確定図柄表示処理(S331)において、特図表示装置28の特図の変動表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ擬似図柄の変動表示及び演出表示を終了させるように図柄確定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。
【0061】
前記
図7のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、
図11のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか確認する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S340:yes)、確定図柄表示終了の処理(S341)により特図表示装置28の特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する擬似図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
【0062】
続いて特図の図柄が大当りになる組合せであるか確認し(S342)、大当りになる組合せであったときは(S342:yes)、確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグに「0」をセットする(S344)。次に、時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグに「0」をセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。
【0063】
続くS347の処理では条件装置の作動を開始させる。更にS348の処理では役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
そして大当り開始演出処理(S349)によりサブ統合制御装置42へ大当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0064】
S342の処理で、大当りになる組合せでなければ(S342:no)、S350の処理において確変フラグが「1」であるか確認し、確変フラグが「1」であれば(S350:yes)、「確変カウンタ」を減算し、「確変カウンタ(確変回数)」が「0」あるか否かを確認する(S351)。「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S352)。
続く処理で時短フラグが「1」であるか確認し(S353)、時短フラグが「1」であれば(S353:yes)、「時短カウンタ」を減算し、「時短カウンタ(時短回数)」が「0」あるか否かを確認する(S354)。「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。
【0065】
このように「当否判定処理」では、主制御装置40からサブ統合制御装置42へ向けて複数のコマンドが送信される。前記S321の処理の変動開始コマンドにより演出図柄表示装置21の図柄変動が開始され、この場合、変動開始コマンドとともに変動パターン指定、特図の保留指定、更に少し間隔をおいて図柄指定(特図指定)及び機種情報指定等のコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。
【0066】
図柄変動中、前記S331の図柄確定コマンド(停止指定)により図柄変動が停止して特図が確定表示される。該確定表示中には、S356の状態指定コマンドにより遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等がサブ統合制御装置42へ送られる。尚、状態指定コマンドは特図の確定表示時に送信されれば良く、本当否判定処理では、実質的に確定表示の終了時にサブ統合制御装置42へ送信される。
【0067】
前記「当否判定処理」の後に実行される「特別遊技処理」は、
図12に示すように、先ずS400の処理において役物連続作動装置が作動中か確認し、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理で大入賞口25が開放中か確認する。
【0068】
S401の処理で大入賞口25が開放中でなければ(S401:no)、インターバル(ラウンド間インターバル)中か確認する(S402)。尚、インターバル時間としては、残存球の排除の時間を考慮した2秒と、前ラウンドの大入賞口が閉鎖してから約0.5秒経過したかを参照している。両方を満たすとインターバルが終了とみなす。
インターバル中でなければ(S402:no)、大当り終了演出中か確認し(S403)、大当り終了演出中でなければ(S403:no)、大当り開始演出時間が経過したか確認し(S404)、大当り開始演出時間が経過していれば(S404:yes)、S405の大入賞口開放処理で第1大入賞口24を所定の開放態様で開放してリターンする。
【0069】
前記S401の処理で大入賞口開放中であれば(S401:yes)、
図13に示すように、S410の処理において特典領域26が有効な前記有効期間であるか否かを確認する。有効期間中であれば(S410:yes)、特典領域SW508の検出信号により特典領域26への入球があるか否かを確認する(S411)。
特典領域26への入球が確認できれば(S411:yes)、続くS412の処理において特典フラグ(特典F)が「0」であるか否かを確認し、「0」であれば(S412:yes)、S413の処理において特典Fに「1」をセットする。
前記S413の終了後、又は前記S410、S411,S412のいずれかが否定判定であれば(S410又はS411又はS412:no)、S414の処理へ移行する。
【0070】
S414の処理からは、第1又は第2大入賞口24、25に規定入賞数(9個)の入賞があったか否かの確認(S414)、又は大入賞口25の開放時間が終了したか否かを確認して(S415)、いずれか確認できれば第1又は第2大入賞口24、25を閉鎖し(S416)、インターバル処理にてラウンド間インターバルを実行して(S417)、リターンする。インターバル処理では、サブ統合制御装置42へラウンド間インターバル演出を開始させるようにコマンドを送信する。
【0071】
前記
図12のS402の処理でインターバル中であれば(S402:yes)、
図14のS420の処理で特典領域26が有効な前記有効期間であるか否かを確認し、有効期間中であれば(S420:yes)、特典領域SW508の検出信号により特典領域26への入球があるか否かを確認する(S421)。
特典領域26への入球が確認できれば(S421:yes)、続いて特典Fが「0」であるか否かを確認し(S422)、「0」であれば(S422:yes)、S423の処理において特典Fに「1」をセットする。
前記S423の終了後、又は前記S420、S421,S422のいずれかが否定判定であれば(S420又はS421又はS422:no)、S424の処理へ移行する。
【0072】
S424の処理においてラウンド間インターバル時間が経過したか確認し、経過していれば(S424:yes)、大当り遊技のラウンド数が最終ラウンドであるかどうか確認する(S425)。最終ラウンドでなければ、(S425:no)、S426の処理において次のラウンドが奇数ラウンドであるか否かを確認し、奇数ラウンドであれば(S426:yes)、S427の第1大入賞口開放処理を実行して第1大入賞口24を所定の開放態様で開放する。
奇数ラウンドでなければ(S426:no)、S428の第2大入賞口開放処理を実行して第2大入賞口24を所定の開放態様で開放する。
【0073】
一方、前記S425の処理において最終ラウンドであれば、(S425:yes)、S429の大当り終了演出処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
【0074】
図12のS403の処理で大当り終了演出中であれば(S403:yes)、
図15に示すように、S430の処理において大当り終了演出時間の終了時間が経過したか否かを確認し、経過していれば(S430:yes)、役物連続作動装置の作動を停止する処理(S431)を実行するとともに、条件装置の作動を停止する処理(S432)を実行する。
【0075】
続く、S433〜S437の処理において大当り遊技後の遊技状態を設定する。即ちS433で前記特典Fが「1」であるか否かを確認し、特典Fが「1」であり大当り遊技終了に確変遊技状態に移行される場合(S433:yes)は、S434の確変設定処理において確変移行の設定を行うとともに前記確変カウンタに所定の回数地値、例えば「100」をセットし、確変フラグに「1」をセットする処理(S435)を行う。これによれば大当り遊技終了後に、特図の変動回数が「100」回に達するまで確変遊技が付与される。
【0076】
次にS436において、本パチンコ機1は大当り遊技終了後に時短遊技に移行されるので、時短設定処理において時短移行の設定を行うとともに前記時短カウンタに所定の回数地値、例えば「100」をセットし、時短フラグに「1」をセットする処理(S437)を行う。これによれば大当り遊技終了後に、特図の変動回数が「100」回に達するまで時短遊技が付与される。
【0077】
その後、サブ統合制御装置42へ大当り遊技終了のコマンドを送信するとともに(S438)、状態指定コマンドとして前記確変遊技状態へ移行するか否かの情報、及び時短遊技状態へ移行するか否かの情報をサブ統合制御装置42等へ送信する(S439)。その後にリターンする。
【0078】
図16は演出図柄表示21にて、大当り遊技の特典領域26が有効な期間を示唆する演出表示態様の1例を示す。大当り遊技に移行して1ラウンド目が開始されると、
図16(a)に示すように、演出図柄表示装置21の表示画面の上端の右側部に本パチンコ機のメインキャラクタの「熊の達吉」表示700が表示されるとともに、画面上端の左側部に、1ラウンド目が開始されて特典領域26が有効であることを示唆する「Vチャンス」表示701が表示される。
そして特典領域26へ入球すると、表示画面の中央に「V」表示702が表示されるとともに、画面の下端の左側部に大当り遊技終了後に、確変遊技が付与されることを示す「確変GET」表示703が表示される。
【0079】
特典領域26への入球が無いまま1ラウンド目が終了して2ラウンド目に移行しても、特典領域26の有効期間は継続されているので、
図16(b)に示すように、演出図柄表示装置21の表示画面の上端の右側部に「熊の達吉」表示700が表示されるとともに、画面上端の左側部に、2ラウンド目が開始されて特典領域26が有効であることを示唆する「Vチャンス中」表示704が表示される。
2ラウンド目において特典領域26へ入球すると、1ラウンド目と同様に、表示画面の中央に「V」表示702が表示されるとともに、画面の下端の左側部に大当り遊技終了後に、確変遊技が付与されることを示す「確変GET」表示703が表示される。
【0080】
本実施形態のパチンコ機1によれば、第1大入賞口24と第2大入賞口25とが交互に開放することを利用して、予め設定された第1大入賞口24が開閉する特定のラウンドと続く第2大入賞口25が開放するラウンドとを有効期間として、2ラウンド目に移っても第1大入賞口24の残存球による特典領域26への入球を有効にすることにより、従来のように特典領域26への入球が無効となると言った遊技者の不利益を防止することができる。また、特定のラウンド以外の第1の大入賞口24が開閉するラウンドで特典が付与されることがないので、特典領域への入賞率が設計値とほぼ一致することとなり、遊技店は正確にパチンコ機の性能を把握することができる。
更に第1及び第2大入賞口24,25を交互に開閉させる構成のメリット(実質的なインターバル時間を極力なくす)も活かしたまま、特典領域26への入球により特典を付与する遊技性を実現できる。
また本パチンコ機は、1ラウンド目(特定のラウンド)の第1大入賞口24の開放態様(開放時間等)を制御することで、第1大入賞口24への入球、しいては特典領域26への入球が容易な状態と困難な状態とを設けることができ、確変遊技の付与に関する遊技性が向上する。この場合、当否判定により決定された大当り図柄に応じて第1大入賞口24の開放態様を設定することが望ましい。
【0081】
次に本発明を適用した第2の実施形態を説明する。本実施形態のパチンコ機は先の第1の実施形態のパチンコ機と同様の基本構成を有するもので、先の実施形態との相違点を中心に説明する。尚、図において同一部材は同一符号で示す。
図17に示すように、本パチンコ機は、第1大入賞口が開閉する1ラウンド目を特定のラウンドとするとともに、1ラウンド目の第1大入賞口の開放開始から3ラウンド目の第1大入賞口の開放開始までの期間、即ち1ラウンド目、1ラウンド目と2ラウンド目とのラウンド間インターバル、2ラウンド目、及び2ラウンド目と3ラウンド目とのラウンド間インターバルとを有効期間として、1ラウンド目に第1大入賞口に入った遊技球が特典領域へ入球することで当該大当り遊技の終了後、遊技状態を大当りの当選確率が高確率とされる確変遊技状態へ移行される。
【0082】
更に本パチンコ機は、1ラウンド目に第1大入賞口に入った遊技球を検出し、検出した遊技球が前記有効期間内に、特典領域へ入球するか第1大入賞口から排出されなければ、大当り遊技の3ラウンド目を実行せず大当り遊技を中断するようした。
そして大当り遊技の中断中は前記有効期間を延長せしめ、前記遊技球の特典領域への入球又は第1大入賞口からの排出が確認されると、大当り遊技を再開する構成である。勿論、特典領域への入球時には大当り遊技終了後に確変遊技を付与する。このようにすれば、第1大入賞口内で遊技球が詰まってしまい、特典領域に入賞できないといった不測の事態が生じても確変が付与されないと言った不具合を回避することができる。
尚、中断中は特典領域への入球は無効として扱われる構成も考えられる。このようにすれば、正規の時間に入球したものだけを対象にすることができ、不正行為の余地を与えることを防ぐことができる。
【0083】
図18は本パチンコ機の遊技盤2Aを示す。遊技盤2Aには外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成され、遊技領域20の中央部にはセンターケース200が装着されている。センターケース200は演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0084】
遊技領域20は、センターケース200により左右に分けられ、センターケース200の左右両側にはそれぞれ遊技球が流下可能な流下路が設けられている(矢印参照)。
遊技領域20は、遊技球をセンターケース200の左側の流下路へ流下させる「左打ち」により、センターケース200の左側面に設けられたワープ入口よりワープ樋を通して、センターケース200の中央直下位置に設けられた常時入球が可能な第1始動口23Aへの入球を狙える。
【0085】
一方、「右打ち」により遊技球が流下するセンターケース200の右側の流下路には、常時、遊技球が通過可能に設けられた普図の作動ゲート22、開閉扉(普電役物)にて開閉可能に設けられた第2始動口23B、及び開閉扉(特別電動役物)にて開閉可能で内部に特典領域26が設けられた第1大入賞口24Aが設置されている。
【0086】
第1大入賞口24Aは、入球(入賞)した遊技球をカウントし、特典領域26への入球を可能とする状態と不可能とすると状態とに振分ける装置を有する。
図19(a)、(b)は前記第1大入賞口24Aの作動の説明図である。第1大入賞口24Aは、開閉扉240の開放時に入球した遊技球を装置内へ取り入れる取入口241を備え、これより内部へ取り込まれる。尚、取入口241にはこれより取り入れた遊技球を第1大入賞口24Aへの入球(入賞)と見做してカウントする後述の第1カウントSWを有する。
【0087】
前記取入口241の直下位置には開閉可能な左右一対のシャッター242が設置してある。
図19(a)に示すように、シャッター242が閉じた状態では取入口241より送り出された遊技球をシャッター242の左右両側位置の入賞口243へ案内する。尚、各入賞口243にはこれらに入賞した遊技球を第1大入賞口24Aから排出されたと見做して検出する後述の第1大入賞口排出SWを有する。
【0088】
図19(b)に示すように、シャッター242が開くことにより、取入口241から送り出される遊技球を下方の特典領域26へ入球させることが可能となる。このようにシャッター242は、閉位置と開位置とに変位することにより遊技球を入賞口243又は特典領域26へ振分ける。勿論、特典領域26へ入球した遊技球は特典領域SW508で検出され、かつ該検出により第1大入賞口24Aから排出されたと見做される。
尚、本実施形態では、シャッター242は、第1大入賞口24Aの開閉扉240の開閉とは無関係に、常時、一定の間隔で開閉作動を繰返している。
【0089】
図18に戻って、第2特図始動口23Bは普電役物の開放時にのみ入球可能である。普電役物は、遊技球が作動ゲート22を通過したことに起因して実行される普図の抽選で当りとなると所定時間開放する。第2始動口23Bは第1始動口23Aと同様に入球により特図の抽選が実行される起因となる入球口である。
「右打ち」によりこれら作動ゲート22、第1及び第2大入賞口24,25、第2始動口23Bへの入球を狙うことができる。だが、「右打ち」による第1始動口23Aへの入球は困難な構成である。
【0090】
前記遊技領域20の中央下端部には、センターケース200の中央下方位置で第1始動口23Aの直下位置には開閉扉にて開閉可能に設けられた第2大入賞口25が設置されている。尚、第2大入賞口25は、「左打ち」又は「右打ち」のいずれも入球可能な位置に設けられている。
【0091】
図20は本パチンコ機の電気ブロック図を示し、図に示すように、主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前面枠閉鎖SW(スイッチ)501、意匠枠閉鎖SW502、第1特図始動SW503、第2特図始動SW504、普通図柄作動SW505、第1カウントSW506、第2カウントSW507、特典領域SW508、一般入賞口SW509等とともに第1大入賞口排出SW510の検出信号が入力される。
【0092】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、遊技盤中継端子板531を介して、第1大入賞口ソレノイド511、第2大入賞口ソレノイド512、普通電役ソレノイド513とともにシャッターソレノイド514が接続され、シャッターソレノイド514により第1大入賞口のシャッター242を開閉作動せしめる。他の電気ブロック構成は先の実施形態と同じである。
【0093】
主制御装置40は、第1の実施形態と同様に、前記メインルーチン(
図6)、前記始動口入賞確認処理(
図7)、前記当否判定処理(
図8)、及び前記特別遊技処理(
図12)を実行する。
そして前記特別遊技処理のS402の処理でインターバル中であれば(S402:yes)、
図21に示すS440の処理で特典領域26が有効な前記有効期間であるか否かを確認し、有効期間中であれば(S440:yes)、特典領域SW508の検出信号により特典領域26への入球があるか否かを確認する(S441)。
特典領域26への入球が確認できれば(S441:yes)、続いて特典Fが「0」であるか否かを確認し(S442)、「0」であれば(S442:yes)、S443の処理において特典Fに「1」をセットする。
前記S442の終了後、又は前記S440、S441,S442のいずれかが否定判定であれば(S440又はS441又はS442:no)、S444の処理へ移行する。
【0094】
S444の処理においてラウンド間インターバル時間が経過したか確認し、経過していれば(S444:yes)、大当り遊技のラウンド数が最終ラウンドであるかどうか確認する(S445)。最終ラウンドでなければ、(S445:no)、S446の処理において前記有効期間である1ラウンド目で第1大入賞口24Aへ遊技球が入球したか否かを確認し、かつS447の処理において第1大入賞口24Aへ遊技球が入球した遊技球が特典領域26へ入球したか否か、又は遊技球が第1大入賞口24Aから排出されたか否かを確認する。
【0095】
前記S446の処理で第1大入賞口24Aへの入球がないと判定(S445:no)、又は前記S447の処理で第1大入賞口24Aへ入球した遊技球が特典領域26へ入球又は第1大入賞口24Aから排出されたと判定(S447:yes)されると、続くS448の処理において次のラウンドが奇数ラウンドであるか否かを確認する。次のラウンドが奇数ラウンドであれば(S448:yes)、S427の第1大入賞口開放処理を実行して第1大入賞口24Aを所定の開放態様で開放する。
奇数ラウンドでなければ(S448:no)、S450の第2大入賞口開放処理を実行して第2大入賞口25を所定の開放態様で開放する。
【0096】
前記S447の処理において特典領域26への入球の確認又は第1大入賞口24Aからの排出が確認されなければ(S447:no)、2ラウンド目が終了しても第1大入賞口24A内に残存する遊技球があると見做し、S451の大当り遊技中断処理において3ラウンド目に移行する前に大当り遊技を中断する。
大当り遊技の中断は、第1大入賞口24A内に残存する遊技球が特典領域26へ入球したこと、又は第1大入賞口24Aから排出されたことが確認されれば、中断が解除され3ラウンド目が開始される。この場合、有効期間は延長されており、第1大入賞口24A内に残存する遊技球の特典領域26への入球により、大当り遊技終了後に確変遊技が付与される。
【0097】
一方、前記S445の処理において最終ラウンドであれば、(S445:yes)、S452の大当り終了演出処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
【0098】
図22は演出図柄表示21にて、大当り遊技が中断状態であることを示唆する演出表示態様の1例を示す。大当り遊技が中断されると、演出図柄表示装置21の表示画面の上端の右側部にさびしげな「熊の達吉」表示700が表示されるとともに、画面上端の左側部に、3ラウンド目であることを示すラウンド表示705が表示され、表示画面の中央に大当り遊技が中断中であることを示唆する「大当り中断中」表示706が表示される。また画面の下端部には、第1大入賞口24A内に残存する遊技球が特典領域26へ入球したこと、又は第1大入賞口24Aから排出されたことが確認されれば、中断が解除されて大当り遊技終了が再開されることを示唆する「再開」表示707が表示される。
【0099】
本実施形態のパチンコ機によれば、前記第1の実施形態と同様の作用効果が得られる上、有効期間中に第1大入賞口24A内にある遊技球が特典領域26へ入球したこと又は第1大入賞口24Aから排出されたことが確認されなければ大当り遊技を中断するようにしたので、より確実に1ラウンド目(特定のラウンド)以外の第1大入賞口24Aが開閉するラウンドでの確変遊技の付与を防ぐことができる。
また本パチンコ機は、1ラウンド目(特定のラウンド)の第1大入賞口24A内のシャッター242の開放態様(開放時間等)を制御することで、特典領域26への入球が容易な状態と困難な状態とを設けることができ、確変遊技の付与に関する遊技性が向上する。この場合、当否判定により決定された大当り図柄に応じてシャッター242の開放態様を設定することが望ましい。
また、シャッター242は常に一定の動作をするが、第1大入賞口24Aの扉の開放タイミングをずらすことにより入賞率を変化させたり、特定のラウンドの時のみ特典領域26での検出を有効としたり、特定のラウンドの時だけシャッター242が動作することが考えられる。これは第1大入賞口の形態やシャッターの形態、動作内容などにより、好適な方法を選択すればよい。このようにすれば、特定のラウンドだけ特典の可能性を生じさせたり、入賞率を設定したりすることができる。
【0100】
次に本発明を適用した第3の実施形態を説明する。本実施形態のパチンコ機は先の第1の実施形態のパチンコ機と同様の基本構成を有するもので、相違点を中心に説明する。尚、図において同一部材は同一符号で示す。
図23に示すように、本パチンコ機は、1ラウンド目を特定のラウンドとして第1大入賞口を開閉するとともに、2ラウンド目から最終ラウンドまで第2大入賞口の開閉するようになし、かつ1ラウンド目の第1大入賞口の開放開始から最終ラウンドが終了して大当り遊技終了インターバルが開始されるまでを有効期間として、1ラウンド目に第1大入賞口に入った遊技球が特典領域へ入球することで当該大当り遊技の終了後、遊技状態を大当りの当選確率が高確率とされる確変遊技状態へ移行される構成である。
【0101】
本実施形態のパチンコ機において主制御装置は、第1の実施形態と同様に、前記メインルーチン(
図6)、前記始動口入賞確認処理(
図7)、前記当否判定処理(
図8)、及び前記特別遊技処理(
図12)を実行する。
そして前記特別遊技処理のS402の処理でインターバル中であれば(S402:yes)、
図24に示すS460の処理で特典領域が有効な前記有効期間であるか否かを確認し、有効期間中であれば(S460:yes)、特典領域SWの検出信号により特典領域への入球があるか否かを確認する(S461)。
特典領域への入球が確認できれば(S461:yes)、続いて特典Fが「0」であるか否かを確認し(S462)、「0」であれば(S462:yes)、S463の処理において特典Fに「1」をセットする。
前記S463の終了後、又は前記S460、S461,S462のいずれかが否定判定であれば(S460又はS461又はS462:no)、S464の処理へ移行する。
【0102】
S464の処理においてラウンド間インターバル時間が経過したか確認し、経過していれば(S464:yes)、大当り遊技のラウンド数が最終ラウンドであるかどうか確認する(S465)。最終ラウンドでなければ、(S465:no)、S466の処理において次のラウンドが2ラウンドから10ラウンド(最終ラウンド)のいずれかであるか否かを確認し、2ラウンドから10ラウンドのいずれでもなければ(S466:no)、S467の第1大入賞口開放処理を実行して第1大入賞口を所定の開放態様で開放する。一方、2ラウンドから10ラウンドのいずれかであれば(S466:yes)、S468の第2大入賞口開放処理を実行して第2大入賞口を所定の開放態様で開放する。
【0103】
前記S465の処理において最終ラウンドであれば、(S465:yes)、S469の大当り終了演出処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
【0104】
本実施形態のパチンコ機によれば、前記第1の実施形態と同様の作用効果が得られる上、予め設定された第1大入賞口が開閉する1ラウンド(特定のラウンド)から大当り遊技の終了インターバル前までを有効期間として、第1大入賞口内の遊技球による特典領域への入球を有効にすることで、より一層、特典領域への入球が無効となると言った遊技者の不利益を防止することができる。
尚、本実施形態では1ラウンド目を特定のラウンドとしたが、これに限らず、大当り遊技中の中間のラウンド、例えば5ラウンド目を特定のラウンドとしてこのラウンドにのみ第1大入賞口を開閉するようにしてもよい。
【0105】
また、前記第3の実施形態では最終ラウンドを第2大入賞口が開閉するラウンドとしたが、これに限らず最終ラウンドを第1大入賞口が開閉するラウンドとしてもよい。更に前記第1および第2の実施形態では第1大入賞口のラウンドと第2大入賞口のラウンドとを交互に行なうようにしたが、これに限らず特典を付与する特定のラウンドの後に複数回の第2大入賞口のラウンドを経て、再度、第1大入賞口のラウンドを行なうことも考えられる。
これらの場合は、特定のラウンド後の再度の第1大入賞口のラウンド(最終ラウンドを含む)の手前のラウンド間インターバルまでを特定領域への入球の有効期間とする。以下、この構成である本発明の第4の実施形態を説明する。
【0106】
本実施形態のパチンコ機は先の第1及び第3の実施形態のパチンコ機と同様の基本構成を有するもので、相違点を中心に説明する。
図25に示すように、本パチンコ機は、1ラウンド目を特定のラウンドとして第1大入賞口を開閉するとともに、2ラウンド目から複数回の第2大入賞口のラウンドを実行した後にnラウンド目で再度、第1の大入賞口を開閉するようになし、かつ1ラウンド目の第1大入賞口の開放開始からnラウンドが開始される前の第2大入賞口が開閉するmラウンドとのラウンド間インターバルまでを特典領域の有効期間として、1ラウンド目に第1大入賞口に入った遊技球が特典領域へ入球することで当該大当り遊技の終了後、遊技状態を大当りの当選確率が高確率とされる確変遊技状態へ移行される構成である。
【0107】
本実施形態のパチンコ機において主制御装置は、第1の実施形態と同様に、前記メインルーチン(
図6)、前記始動口入賞確認処理(
図7)、前記当否判定処理(
図8)、及び前記特別遊技処理(
図12)を実行する。
そして前記特別遊技処理のS402の処理でインターバル中であれば(S402:yes)、
図26に示すS470の処理で特典領域が有効な前記有効期間であるか否かを確認し、有効期間中であれば(S470:yes)、特典領域SWの検出信号により特典領域への入球があるか否かを確認する(S471)。
特典領域への入球が確認できれば(S471:yes)、続いて特典Fが「0」であるか否かを確認し(S472)、「0」であれば(S472:yes)、S473の処理において特典Fに「1」をセットする。
前記S473の終了後、又は前記S470、S471,S472のいずれかが否定判定であれば(S470又はS471又はS472:no)、S474の処理へ移行する。
【0108】
S474の処理においてラウンド間インターバル時間が経過したか確認し、経過していれば(S474:yes)、大当り遊技のラウンド数が最終ラウンドであるかどうか確認する(S475)。最終ラウンドでなければ、(S475:no)、S476の処理において次のラウンドが第1大入賞口を開閉するnラウンドであるか否かを確認し、nラウンドであれば(S476:yes)、S477の第1大入賞口開放処理を実行して第1大入賞口を所定の開放態様で開放する。一方、nラウンドでなければ(S476:no)、S478の第2大入賞口開放処理を実行して第2大入賞口を所定の開放態様で開放する。
【0109】
前記S475の処理において最終ラウンドであれば、(S475:yes)、S479の大当り終了演出処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
【0110】
本実施形態のパチンコ機によれば、前記第1の実施形態と同様の作用効果が得られる上、予め設定された第1大入賞口が開閉する1ラウンド(特定のラウンド)から複数回の第2大入賞口のラウンドを経て、再度第1大入賞口が開閉するnラウンド前までを有効期間として、第1大入賞口内の遊技球による特典領域への入球を有効にすることで、より一層、特典領域への入球が無効となると言った遊技者の不利益を防止することができ、かつ特定のラウンド以外の第1の大入賞口のラウンドでの特典の付与を防ぐことができ、特典領域への入賞率が設計値とほぼ一致することとなり、遊技店は正確にパチンコ機の性能を把握することができる。
【0111】
尚、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。