(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記拡散板の前記液晶パネル側の面の周縁に設けられ、前記拡散板と前記液晶パネルとの間に所定距離を取るためのスペーサを備えることを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る液晶表示装置及び車両用計器の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0014】
[実施形態]
まず
図1〜6を参照して、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置70が搭載される車両用計器1の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置が搭載される車両用計器の正面図である。
図2は、
図1中のII−II断面図である。
図3は、
図1に示す車両用計器の要部の分解斜視図である。
図4は、
図3中の拡散板の概略構成を示す斜視図である。
図5は、
図4中のA1矢視図である。
図6は、
図4中のA2矢視図である。
【0015】
図1に示す車両用計器1は、速度計、回転計、燃料計などの各種の計測機能を備えたコンビネーションメータとして車両に搭載される計器である。車両用計器1は、車両の運転者が運転席に着座したときに、運転席側から表示領域を視認できる位置に設置されるものであり、例えば、車両の運転席前方のインストルメントパネルに設置される。
【0016】
なお、
図1に示す車両用計器1の「幅方向」とは、典型的には、この車両用計器1が適用される車両の車幅方向に相当する。また、
図1に示す車両用計器1の「垂直方向」とは、典型的には、この車両用計器1が適用される車両の鉛直方向に相当するがこれに限られない。すなわち、垂直方向の上側及び下側は、必ずしも鉛直方向の上側及び下側と一致しなくてもよい。また、
図2に示す車両用計器1の「奥行き方向」とは、典型的には、この車両用計器1が適用される車両の前後方向に相当する。この奥行き方向の前面側とは、車両の運転席と対面する側であり、典型的には、当該運転席に座った運転者によって視認される側である。一方、奥行き方向の背面側とは、前面側の反対側であり、典型的には、インストルメントパネルの内部に収容される側である。
【0017】
車両用計器1は、
図1〜3に示すように、回路基板10と、文字盤20と、指針部材30と、指針駆動部(内機)40と、指針照明用光源50(光源)と、照明光分割出力部60(導光部)と、液晶表示装置70と、を備えている。
【0018】
回路基板10は、車両用計器1の各種要素の動作を制御する。回路基板10には、
図2,3に示すように、上述の指針駆動部40、指針照明用光源50、液晶表示装置70や、文字盤20上の各種記号の点灯用の文字盤照明用光源11などの各種要素が電気的に接続されている。これらの各種要素は、回路基板10によって動作が制御されている。
図2に示すように、回路基板10は、計器ケース81の内部に収容されている(
図2では計器ケース81の奥行き方向の背面側を一部省略して図示している)。
【0019】
文字盤20は、
図2に示すように指針駆動軸挿通孔21を有している。また、文字盤20は、
図1に示すように、その前面側に指針駆動軸挿通孔21を中心とする略円弧状に計測量(速度)に対応する目盛り及び文字22(以下では単に「目盛り22」とも表記する)が配列されている。文字盤20は、
図2に示すように、計器ケース81の前面に取り付けられている。上記の指針駆動軸挿通孔21は、計器ケース81の前面にも設けられ、計器ケース81の内部側(文字盤20の背面側)と、文字盤20の前面側との間を貫通して形成されている。
【0020】
また、計器ケース81の前面側には、前方に張り出す庇状の見返し82が装着されている。見返し82は、視認性を低下させる外光が文字盤20に当たらないように、文字盤20の周囲を覆っている。この見返し82の前面側の開放部は、透明な表硝子(図示せず)により覆われている。
【0021】
指針駆動部40は、軸状に形成されて指針駆動軸挿通孔21を挿通する指針駆動軸41を備えている。指針部材30は、
図2に示すように、指針駆動軸41の先端に固定される。指針駆動軸41及び指針部材30は、何れも、導光性(透光性)材料により形成されている。
【0022】
指針部材30は、指針駆動軸41の先端に固定される基端部である軸連結部31と、該軸連結部31から文字盤20の半径方向に延出して目盛り22を指し示す指針部32と、を備えている。
【0023】
指針駆動部40は、
図2に示すように、文字盤20の背面側に配置されている。指針駆動部40は、
図2,3に示すように、文字盤20や指針駆動軸41の背面側において計器ケース81に固定された回路基板10に取り付けられている。この指針駆動部40は、軸状に形成されて指針駆動軸挿通孔21を挿通する指針駆動軸41と、指針駆動軸41に一体形成された歯車42と、この歯車42に噛合する不図示の歯車に計測値に対応する回転を付与する不図示の回転制御部と、を備えている。指針駆動部40は、指針部材30が計測値に対応する目盛りを指し示すように、計測値に応じて指針駆動軸41を回転駆動する。
【0024】
指針照明用光源50は、
図2に示すように、指針駆動軸41の背面側端面に対向するように、計器ケース81内の回路基板10上に配置されている。言い換えると、指針照明用光源50は、指針駆動軸41及び指針駆動軸挿通孔21の軸線X上に配置され、軸線Xの方向に光を照射可能に構成されている。
【0025】
照明光分割出力部60は、
図2,3に示すように、軸連結部31の前面側端部から液晶表示装置70側に突出して設けられた導光軸である。照明光分割出力部60は、軸連結部31に一体形成されている。この照明光分割出力部60は、指針駆動軸41から受けた照明光の一部を、液晶表示装置70側に出射する。また、照明光分割出力部60は、
図2に示すように、軸線Xを軸方向とする軸形状に形成されており、前面側の一部が、液晶表示装置70の背面側から挿入して配置されている。液晶表示装置70に挿入される照明光分割出力部60の前端面61は、
図2に示すように凹レンズ状に形成されている。
【0026】
液晶表示装置70は、車両用計器1の文字盤20上に表示される速度等の情報を除く各種情報を表示するための装置である。本実施形態では、液晶表示装置70は、
図1、2に示すように、文字盤20の中央部の前面側にて文字盤20と重畳配置されており、かつ、文字盤20の目盛及び文字22が運転者に視認可能な位置に配置されている。より詳細には、液晶表示装置70は、
図2に示すように、文字盤20の略中央に配置される軸連結部31の前方を覆うように、軸連結部31の前端から前方に所定の距離を隔てて配置されている。また、
図1に示すように、液晶表示装置70は、周縁部がパネル収容ケース83に収容保持されている。パネル収容ケース83には、液晶表示装置70の外周部を縁取って、外観を整えるベゼル84が装備されている。
【0027】
液晶表示装置70は、
図2,3に示すように、液晶パネル71と、拡散板72と、LCDケース73と、を備える。
【0028】
液晶パネル71は、液晶層を透明基板で挟持して構成される板状の部品である。液晶パネル71は、端子部71aを介して回路基板10に電気的に接続されている。液晶パネル71は、各種情報を運転者に提示するための液晶表示装置70の表示画面として機能し、液晶表示装置70の奥行き方向の最も前面側に配置される。
【0029】
拡散板72は、入射された光を拡散して照射する特性をもつ部材である。拡散板72は、液晶パネル71の背面側に液晶パネル71と対向して配置され、液晶パネル71の背面の全域に沿って延在する板状部材である。拡散板72は、背面側から入射された光を主面72b全体に亘って拡散することで、輝度が均一化された光を前面側の液晶パネル71に照射する。拡散板72は、例えばマトリクスとなる透明樹脂に、光拡散剤と呼ばれる微粒子を添加することで光拡散性を発現させるよう形成することができる。
【0030】
LCDケース73は、前面側に開口部73aを有し、開口部73aから液晶パネル71及び拡散板72を収容して保持する。液晶パネル71の端子部71aは、LCDケース73のコネクタ部73cを介して回路基板10に接続される。また、LCDケース73は、背面側に底壁部73bを有する。底壁部73bの内周側には、軸線Xの交差位置が最も背面側に凹んだ凹形状となる湾曲面75(第2反射部)が形成されている。この湾曲面75は、奥行き方向の前面側から視たときに、軸線Xを中心とする円形状となるよう形成されている。また、底壁部73bの軸線Xとの交差位置、すなわち奥行き方向の前面側から視たときの湾曲面75の最深部には、貫通孔76が設けられており、背面側から内部に照明光分割出力部60の前端面61側の一部を挿入可能に構成されている。
【0031】
また、拡散板72の液晶パネル71側の主面72bの周縁には、複数の板バネ部74が設けられている。複数の板バネ部74のそれぞれは、前面側に突出するよう形成された接触部74aをその先端に有する。液晶パネル71及び拡散板72がLCDケース73に収容された状態のとき、複数の板バネ部74は、接触部74aによって液晶パネル71の背面と接触する。これにより、液晶パネル71と拡散板72とが所定間隔を取って保持されるので、両者間に空気層を形成でき、光の拡散性能を向上できるよう構成されている。つまり、複数の板バネ部74は、拡散板72と液晶パネル71との間に所定距離を取るためのスペーサとして機能する。また、複数の板バネ部74は、奥行き方向に沿って弾性変形可能に形成されており、車両側からの振動が液晶パネル71に伝わるのを抑制できるよう構成されている。
【0032】
本実施形態では、上記の指針照明用光源50が、液晶表示装置70の光源としても機能する。また、上記の照明光分割出力部60が、その一部をLCDケース73の貫通孔76から液晶表示装置70に挿入して配置されることで、指針照明用光源50から照射された光を液晶パネル71の背面側に導く導光部として機能するものである。また、液晶パネル71及び拡散板72は、
図2,3に示すように、照明光分割出力部60から入射される光の光軸(軸線X)と直交し、かつ、軸線Xの交差位置が略中心位置(または重心位置)となるように配置されている。すなわち、照明光分割出力部60は、液晶パネル71の背面の中央部に、背面に対して光軸(軸線X)が直交する方向から、指針照明用光源50からの光を出射するよう構成される。
【0033】
ここで、指針照明用光源50からの光を液晶表示装置70に導く照明光分割出力部60は、上述のとおり軸線Xを軸方向とする軸形状をとるので、拡散板72に照射される光の輝度は、軸線Xとの交差位置において最も大きくなると考えられる。拡散板72は、照射光を好適に軸線Xから拡散させ、輝度の均一化を図るべく、光の照射位置である軸線X上の部分の奥行き方向の厚みが最大となり、軸線Xから離れるにつれて厚みが徐々に減少するように形成されている。つまり、
図4〜6に示すように、奥行き方向の背面側に面する拡散板72の背面72aは、照明光分割出力部60から入射される光の光軸(軸線X)が交差する位置を頂部とし、照明光分割出力部60側へ湾曲して突出する凸形状に形成される。言い換えると、拡散板72の背面72aは、軸線Xの交差位置が最も背面側に突出した凸形状となるように形成されている。また、本実施形態では、軸線Xの位置が背面72aの略中心位置(または重心位置)となるように拡散板72が配置されるので、拡散板72の背面72aは、中央近傍が隆起した形状となる。
【0034】
なお、本実施形態では、
図3に示すように、背面72aの反対方向、すなわち奥行き方向の前面側に面する拡散板72の主面72bは、背面72aの凸形状に応じた凹形状に湾曲して形成されているが、この凹形状を無くして主面72bを平面形状としてもよい。
【0035】
そして、特に本実施形態では、拡散板72の背面72aの凸形状の頂部に、照明光分割出力部60から入射される光を照明光分割出力部60側(奥行き方向の背面側)に反射する反射材77(第1反射部)が設けられている。反射材77は、例えば拡散板72と共に二色成形により一体的に形成することができる。反射材77は、照明光分割出力部60から入射される光の光軸(軸線X)が交差する位置を含む領域に設けられる。本実施形態では、
図5,6に示すように、凸形状の頂部から奥行き方向の所定長をとる位置までの領域に反射材77が形成されている。つまり、反射材77の表面は、奥行き方向の背面側に突出する凸形状の湾曲面となり、LCDケース73の底壁部73bの湾曲面75と対向配置される。
【0036】
これに対して、LCDケース73の底壁部73bの湾曲面75は、拡散板72の背面72aと対向し、拡散板72に対して凹形状に湾曲して形成されているので、反射材77により反射された光を、拡散板72側に再度反射させて、拡散板72に入射させることができる。つまり、拡散板72の反射材77が、照明光分割出力部60から入射された光を反射する第1反射部として機能するものであり、LCDケース73の底壁部73bの湾曲面75が、反射材77により反射された光を拡散板72側に反射させる第2反射部として機能するものである。
【0037】
次に、
図7を参照して、本実施形態に係る液晶表示装置70及び車両用計器1の作用を説明する。
図7は、本実施形態の車両用計器及び液晶表示装置における光源からの照射光の導光過程の概略を示す、
図2の要部拡大図である。
【0038】
図7に示すように、指針照明用光源50から照射された光L1,L2は、指針駆動部40の指針駆動軸41に導入され、軸線Xの方向に沿って前面側に誘導されて、指針部材30の軸連結部31に導入される。軸連結部31に導入された一部の光L2は、軸連結部31の傾斜面31aにより指針部32内に導入される。そして、指針部材30の指針部32は、この照明光L2により照明される。
【0039】
一方、軸連結部31に導入された残りの光L1は、軸連結部31から照明光分割出力部60に導入される。照明光分割出力部60に導入された光L1は、LCDケース73の貫通孔76から液晶表示装置70内に誘導され、拡散板72の背面72aの反射材77の直前の位置にて、照明光分割出力部60の前端面61から前面側に出射される。このとき、前端面61が凹レンズ状に形成されているので、照明光分割出力部60から出射される光L1は拡散光となり、拡散板72の背面72aの広範囲に拡散照射される。
【0040】
照明光分割出力部60から出射された光L1のうち、拡散板72の背面72a上の反射材77の領域に照射された光は、一旦反射材77で反射され、背面側かつ軸線Xからの径方向外側(周縁部側)に光軸方向が変更される。反射材77で反射された光は、LCDケース73の底壁部73bの湾曲面75でさらに反射されて、光軸方向が前面側に再度変更されて、拡散板72の周縁部側に照射される。このうちの一部の光はさらに拡散板72の背面72aと底壁部73bの湾曲面75とで反射が繰り返されて、拡散板72のさらに周縁部側に照射される。
【0041】
このように、照明光分割出力部60から出射され、軸線Xを光軸とする光L1は、拡散板72の反射材77と、LCDケース73の湾曲面75との間の反射によって、周縁部側に分散されて、拡散板72の全域から入射される。さらに、拡散板72に入射された光は、拡散板72の機能によって拡散された上で、液晶パネル71の背面の全域にわたって配光される。これにより、液晶パネル71に照射される光の輝度の均一化を図ることができる。
【0042】
次に、本実施形態に係る液晶表示装置70及び車両用計器1の効果を説明する。
【0043】
本実施形態の液晶表示装置70は、液晶パネル71と、光源としての指針照明用光源50と、指針照明用光源50から照射された光を液晶パネル71の背面側に導く照明光分割出力部60と、照明光分割出力部60と液晶パネル71との間に配置され、液晶パネル71の背面の全域に沿って延在し、照明光分割出力部60から入射された光を拡散して液晶パネル71に照射する拡散板72と、拡散板72の照明光分割出力部60側の背面72aにおいて、照明光分割出力部60から入射される光の光軸X上に設けられ、光を照明光分割出力部60側に反射する反射材77と、反射材77により反射された光を拡散板72側に反射するLCDケース73の湾曲面75と、を備える。
【0044】
この構成により、照明光分割出力部60から出射された光のうち、輝度の強い光軸X近傍のものは反射材77により一旦反射されるので、輝度の強い光が拡散板72に直接入射されるのを抑制できる。また、照明光分割出力部60から出射された光が、拡散板72の反射材77と、LCDケース73の湾曲面75との間で反射されることで、この光を照明光分割出力部60からの出射範囲だけでなく、拡散板72の全域にわたり分散させた上で拡散板72に入射させることができるので、照明光分割出力部60から出射された光が直接照射される領域と、周縁部側との間での光の照射量の差異を低減させることができる。さらに、拡散板72は、反射材77を有する背面72aが、LCDケース73の底壁部73bの内側の湾曲面75と対向した状態で、LCDケース73に収容される構成であり、反射材77と湾曲面75との間には反射光の進行を妨げる遮蔽物が無いので、照明光分割出力部60から出射された光を拡散板72の周縁部側へ効率よく分散させることができる。この結果、本実施形態の液晶表示装置70は、拡散板72から液晶パネル71に照射される光の輝度の均一化を図ることができ、液晶表示装置70の輝度の均一性を向上できる。
【0045】
また、本実施形態の液晶表示装置70は、拡散板72の液晶パネル71側の主面72bの周縁に設けられ、拡散板72と液晶パネル71との間に所定距離を取るためのスペーサとしての複数の板バネ部74を備える。
【0046】
この構成により、液晶パネル71と拡散板72とを所定間隔を取って保持することができるので、液晶パネル71と拡散板72との間に空気層を形成でき、光の拡散性能を向上できる。
【0047】
また、本実施形態の液晶表示装置70において、拡散板72と反射材77は、例えば二色形成などの手法によって一体的に形成される。この構成により、液晶表示装置70の組み立て時には、拡散板72をLCDケース73に組み付けるだけで反射材77と拡散板72及び湾曲面75との位置関係が決まるので、組み立て容易性を向上できる。また、液晶表示装置70の部品点数を低減できる。
【0048】
また、本実施形態の液晶表示装置70において、照明光分割出力部60は、液晶パネル71の背面の中央部に、この背面に対して光軸Xが直交する方向から、指針照明用光源50からの光を出射するよう構成される。拡散板72の背面72aは、照明光分割出力部60から入射される光の光軸Xが交差する位置を頂部とし、照明光分割出力部60側へ湾曲して突出する凸形状に形成される。反射材77は、拡散板72の背面72aの凸形状の頂部に設けられる。LCDケース73の湾曲面75は、拡散板72の背面72aと対向し、拡散板72に対して凹形状に湾曲して形成される。
【0049】
この構成により、拡散板72は、照明光分割出力部60から光が照射される領域の厚みが最大であり、拡散性が高い形状であるので、拡散板72の中央部及び周縁部から液晶パネル71に照射される光の輝度のバラツキを低減させることができる。また、反射材77が凸形状の曲面であるので、照明光分割出力部60から出射された光を周縁部側に反射させやすくなり、拡散板72へ入射する光の分散を効率よく行うことができる。
【0050】
本実施形態の車両用計器1は、上記の液晶表示装置70と、指針駆動軸挿通孔21を有し、指針駆動軸挿通孔21を中心とする略円弧状に計測量に対応する目盛り及び文字22を配列した文字盤20と、導光性材料により軸状に形成されて指針駆動軸挿通孔21を介して文字盤20の背面側と前面側とを挿通する指針駆動軸41を有し、文字盤20の背面側に配置されて、指針駆動軸41を回転駆動する指針駆動部40と、指針駆動軸41の前面側の先端に固定される軸連結部31と、該軸連結部31から文字盤20の半径方向に延出して目盛り22を指し示す指針部32と、を有し、導光性材料により形成される指針部材30と、指針駆動軸41の背面側の先端に対向して配置されて、指針駆動軸41に照明光を導入させて指針部材30を照明する指針照明用光源50と、を備える。液晶表示装置70の光源は、指針照明用光源50であり、液晶表示装置70の照明光分割出力部60は、軸連結部31から液晶表示装置70側に突出して設けられて指針駆動軸41から受けた照明光の一部を液晶表示装置70側に出射するよう構成される。
【0051】
この構成により、液晶表示装置70の光源として指針照明用光源50が兼用されるので、車両用計器1に搭載される液晶表示装置70に対して、専用の光源を追加せずとも、輝度ムラの無い安定した照明を実現することができる。また、搭載する光源の増加に起因した車両用計器1における構造の複雑化や高額化を防止することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0053】
上記実施形態では、指針照明用光源50から指針部材30へ光を誘導する指針駆動軸41の延長線上に照明光分割出力部60を配置する構成を例示したが、照明光分割出力部60を、指針駆動軸41の延在方向と異なる位置に配置してもよい。例えば、液晶表示装置70を文字盤20の中心位置ではない位置に配置し、照明光分割出力部60を幅方向に延在させて指針照明用光源50の位置から液晶表示装置70の位置との間を結ぶように配置してもよい。
【0054】
また、拡散板72の背面72aの反射材77、及び、LCDケース73の湾曲面75の形状は、実施形態のものに限られず、中央側で照射された光を周縁部側に分散できるように両者間で光を反射できる形状であればよい。
【0055】
また、上記実施形態の液晶表示装置70は、上記の車両用計器1以外に適用してもよいし、単独で実装してもよい。また、上記実施形態では、液晶表示装置70の光源及び導光部として、車両用計器1の指針照明用光源50及び照明光分割出力部60を流用する構成を例示したが、これらと異なる専用の光源及び導光部を設けてもよい。
【0056】
ここで、上記実施形態で用いた「反射」という用語は、物体に光が入射する場合に、物体の表面で生じる鏡面反射や拡散反射の他に、物体に進入した光が物体内部の粒子拡散物質によって反射され進入方向側に戻される内部反射も含むものである。したがって、上記実施形態では、反射材77は拡散板72と二色成形により一体的に形成し、反射材77の表面が拡散板72の表面に連続的に接続される凸形状の湾曲面となる構成を例示したが、反射材77の形状はこれに限られない。例えば、反射材77を拡散板72と別体で例えば円柱形状などで形成し、拡散板72の背面72aから突出するよう配置する構成としてもよい。反射材77は、拡散板72の背面72aにおいて、照明光分割出力部60から入射される光の光軸X上に設けられればよい。