(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお本実施形態は一例であり、これに限定されるものではない。
【0011】
まず、図を用いて、本発明にかかる電気掃除機100の使用状態および収納状態について説明する。本発明にかかる電気掃除機100の構成について説明する。
本発明にかかる電気掃除機100は、
図1〜
図3に示すようなヘッド1と本体2とが成す角度がほぼ180°の第1の使用状態と、
図4に示すようなヘッド1と本体2とが成す角度が自在に変化し、点Aを中心に回動できる第2の使用状態と、
図5〜
図7に示すようなヘッド1と本体2とが成す角度がほぼ90°の状態の収納状態の3つの状態を有する。
【0012】
本発明にかかる電気掃除機100は、ヘッド1と本体2とが回動可能に接続されている。ヘッド1の中央に本体2が接続される。このような構成にすることで、本体2をヘッド1の上に垂直になるように立てたときに、本体2の重心がヘッド1の投影面積内に位置するため、電気掃除機100が倒れることはない。
【0013】
ここで、第1の使用状態のときヘッド1がある側を「前側」とし、本体2がある側を「後側」とそれぞれ定義する。たとえば
図1であれば図面の左側が「前側」、右側が「後側」を表す。
また、掃除機を操作する者を基準として左右を定義する。たとえば
図2において図面の下側が「左側」、上側が「右側」を示す。
図3の場合は、掃除機を清掃面側からみているため図面の上側が「左側」、下側が「右側」になる。
【0014】
次に本発明にかかる電気掃除機100の構成について図を用いて説明する。本発明にかかる電気掃除機100は吸込口12を有するヘッド1と、電動送風機を内蔵する本体2とからなり、ヘッド1と本体2とは回動可能に接続される。
【0015】
ヘッド1は、吸込口12と、後側車輪14と、センサ検知表示部16と、窓部18a、18bと、前側車輪20a、20bと、突起部22a〜22iと、たたき部24a、24bと、パイル26と、紫外線ランプ28と、接地センサ30a、30bとから構成される。
【0016】
本体2は、本体側車輪32と、フィルタカバー34a、34bと、電池カバー36と、把持部38と、集塵ケース40と、解除ボタン42と、操作スイッチ44と、表示部46とからなる。
【0017】
吸込口12は、清掃面から塵埃を吸込むためにヘッド2の下部に設けられる。
図3に示すように吸込口12はヘッド1の清掃面側のほぼ中央に設けられる。吸込口12の構造は、従来から採用されているような単に開口部を有するだけの形状であってもよいが、吸込口12の内部にブラシなどの回転部材を有するものであっても良い。回転部材を有することによって清掃面、特にカーペットなどの毛足の長いものの中にある塵埃をかきだし、より多くの塵埃を吸込むことが可能になる。
【0018】
後側車輪14は、ヘッド1の後側中央に設けられる。この後側車輪14を設けることで電気掃除機100を第1の使用状態または第2の使用状態のいずれかで使用するときにスムーズに電気掃除機100を前後に動かすことができるので、吸引力で電気掃除機100が寝具類に吸いつき電気掃除機100が操作しにくくなる事を防ぐことができる。
本実施形態の後側車輪14は円筒形状をしているが、一般的なタイヤのような形状であってもよい。
【0019】
センサ検知表示部16は、本発明にかかる電気掃除機100の吸込口12近傍に設けられるセンサ(不図示)の検知結果を表示する。表示方法は、センサに検知される塵埃の量に応じた表示を行う。本実施形態におけるセンサ検知表示部16は、塵埃等の量に応じて色を変化させる。たとえば、塵埃が多い場合は赤色に発光させ、塵埃が少なくなるにつれて黄色、緑色と変化させる。
また、センサ検知表示部16は発光手段(不図示)が搭載された基板(不図示)と、その基板を覆う散乱板から構成されている。発光手段は本発明の電気掃除機100においては赤色と緑色の発光ダイオードである。複数の色を発光する発光ダイオードを搭載し、かつそれぞれの発光ダイオードの明るさを調整することで複数の色を作り出すことが可能となる。さらに散乱板で覆うことにより発光ダイオードの光を散乱板全体から射出することが可能となり、視認性が向上する。
【0020】
窓部18a、18bは、ヘッド1後端部の左右にそれぞれ設けられる。窓部18a、18bの下部には後述する紫外線ランプ28が設けられる。紫外線ランプ28が点灯したときは、窓部18a、18bから紫外線ランプ28の点灯の様子を確認することができる。
本発明にかかる電気掃除機100は、紫外線ランプ28の点灯を見ようとしてヘッド1を裏返すと安全機構が動作し紫外線ランプ28が消灯するため、操作者が紫外線ランプ28の点灯状態をヘッド2を裏返して確認することはできない。したがって窓部18a、18bをヘッド2の上部に設けることによってヘッド1を裏返すことなく紫外線ランプ28が動作しているか否かを確認することが可能となる。
窓部18a、18bを構成する部材は、透明であってもよいが透明度を抑えた部材を使用してもよい。こうすることで紫外線ランプ28の射出光が操作者の目に直接入ることを防ぐ。
【0021】
前側車輪20a、20bは、ヘッド1の清掃面側の前部に設けられる。電気掃除機100を前後に動かすときに後側車輪14とともに清掃面上を回転するので、清掃面上をスムーズにヘッド1を動かすことが可能となる。
【0022】
突起部22a〜22iはヘッド1の清掃面側の前端に設けられる。突起を複数設けることによって清掃面と吸込口12との間に空間ができるため、電気掃除機100と清掃面とが密着することを防止することができる。なお、本発明の電気掃除機100では突起を9つ設けているが、突起の数は9つよりも多くても少なくてもよい。
【0023】
たたき部24a、24bはヘッド1の吸込口12と突起部22a〜22iとの間に設けられる。たたき部24a、24bで清掃面をたたくことで清掃面、特に寝具類の奥にある塵埃などをたたき出し吸い込むことができるため、より効果的な清掃をすることが可能となる。
本発明のたたき部24a、24bは、表面に突起を有する板が2枚使用され吸込口12の幅とほぼ同じ幅にわたって設けられる。この構成によって吸込口12の一部のみ塵埃がたたき出されるのではなく吸込口12の幅全体で塵埃をたたき出すことができるため、効率よく清掃を行うことが可能となる。
なお、本発明の電気掃除機100にはたたき部が2つ設けられているが、1つであっても3つ以上設けても良い。
【0024】
本発明にかかる電気掃除機100のたたき部24a、24bの振動は、ヘッド1に内蔵される振動モータ(不図示)によって実現している。たたき部24a、24bのそれぞれに設けられる振動モータの振動によってたたき部24a、24bは清掃面に対して上下に振動する。
また、振動モータの周囲を緩衝材で囲ってもよい。こうすることで振動モータの騒音またはヘッド1で発生するビビり音を防ぐことができる。
【0025】
更に、振動モータの回転数が異なるモータを採用したり、振動周波数がランダムに変わるような制御を行ってもよい。こうすることで振動モータの振動周波数がケースの共振周波数と一致して発生する騒音を防ぐことが可能となる。
【0026】
パイル26はヘッド1の清掃面側、吸込口12の後側に設けられる。パイル26は清掃面に接するように設けられる。これにより、吸込口12周辺の気密性を高め効率的に塵埃を吸い込むことができる。また、パイル地でできているので、ヘッド1が清掃面に接していても清掃面を傷つけることを防ぐことができる。
【0027】
紫外線ランプ28は、ヘッド1の清掃面側後部に設けられる。紫外線ランプ28はヘッド1の内部に取り付けられ、カバーで覆われる。格子状のカバーが設けられ、格子を通して清掃面に紫外線を照射する。電気掃除機100を使用する際に紫外線ランプ28を点灯させることによって、寝具類の殺菌・除菌などを行う。
なお、紫外線ランプ28の他にも、紫外線を出力するものであれば発光ダイオードなどその他の発光手段を用いてもよい。
【0028】
接地センサ30a、30bは、ヘッド1の紫外線ランプ28の前後にそれぞれ取り付けられ、前部に取り付けられた接地センサ30aは紫外線ランプ28の左側に取り付けられ、後部に取り付けられた接地センサ30bは紫外線ランプ28の右側に設けられる。接地センサ30a、30bは、発光部と受光部とから構成され、発光部から発せられる光が接地面に反射し受光部で反射光を受光することで接地したと判断する。逆に受光部で光を受光できなかったときは床面から離れていると判断される。
【0029】
本発明にかかる電気掃除機100では、接地センサ30a、30bのいずれかが清掃面から離れたとき紫外線ランプ28は消灯する。
この制御によって、紫外線ランプ28からの紫外線が直接目に入ることがない。また、接地センサ30a、30bがどちらも清掃面から離れたときは紫外線ランプ28を消灯するとともに電気掃除機100をアイドリング状態にする。この制御によって、塵埃を吸い込むことができない状態のときに電気掃除機100の消費電力を抑えることが可能となる。
【0030】
本体側車輪32は、本体2の下部ほぼ中央に設けられる。前側車輪20a、20bと後側車輪14とで電気掃除機100をスムーズに動かすことができる。本発明にかかる電気掃除機100の本体側車輪32は円筒形状をしているが、一般的なタイヤのような形状であってもよい。
【0031】
フィルタカバー34a、34bは本体2の左右側面のそれぞれに設けられる。フィルタカバー34a、34bの内側には塵埃を吸着するフィルタ(不図示)が取り付けられている。吸込口12から吸い込まれた塵埃は、このフィルタで除去される。フィルタカバー34a、34bにはスリットが複数設けられており、塵埃が除去された空気がフィルタカバー34a、34bから掃除機の外部に排出される。
この構成によって、吸引された塵埃やダニの死骸などが再び外部に排出されることを防止している。
なお、フィルタはHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタであってもよい。
【0032】
電池カバー36は本体2の後部に設けられる。本発明にかかる電気掃除機100は商用電源からではなく、バッテリ(不図示)で駆動する。バッテリは、電池カバー36を開け後部から挿入される。電池カバー36がバッテリを内部に押すような力を加えている事によって、バッテリと掃除機内部の電源部との接触を良好に保つとともに、バッテリが不用意に掃除機の外部に飛び出すことを防いでいる。
【0033】
把持部38は本体2上部に本体2と一体に形成される。操作者は把持部38を持ち電気掃除機100を操作する。把持部38の近傍には操作スイッチ44が設けられており、把持部38を保持したまま操作スイッチ44を押すことができるような形状になっている。
なお、把持部38の下側に凸部または凹部を設けて、操作者の指がかかるようにしておくと、操作者が持つ位置を一定の位置に誘導することが可能となり、操作スイッチ44を押すこともより容易になる。
【0034】
集塵ケース40には、吸込口12から吸引された塵埃などが捕集される。集塵ケース40は集塵ケース40の側面に設けられる解除ボタン42を押すことで取り外すことが可能である。集塵ケース40を本体2から取り外し、中にたまった塵埃を捨てることが可能である。
【0035】
操作スイッチ44は、把持部38の前方に設けられる。操作スイッチ44を押すことで電気掃除機100を動作状態にする。本発明にかかる電気掃除機100は操作スイッチ44が一つのため、操作スイッチ44を操作することでたたき部24a、24bが動作するモード、たたき部24a、24bが動作しないモード、電源オフモードと動作モードを遷移させる。
それぞれの動作モードに対応した複数の操作スイッチを設けても良い。
【0036】
表示部46は、操作スイッチ44と集塵ケース40の間に設けられる。表示部46には発光ダイオードが一列に配列されている。動作モード、動作モード・充電モードによって発光ダイオードを点灯させ、電気掃除機100の動作状態を見てわかるようになっている。
【0037】
次に、ヘッド1と本体2とを回動可能に接続する機構について
図8、9を用いて説明する。
接続部分は本体2に設けられる回動部48とヘッド1に設けられる受け部50とで構成される。回動部48が受け部50の凹部50aに収まり回転動作を実現する。
【0038】
回動部48の周囲には回動規制部52が設けられる。本発明にかかる電気掃除機100の回動規制部52は第1凸部52a、第2凸部52b、第3凸部52cとからなる。第1凸部52aと第2凸部52bとの間隔は第2凸部52bと第3凸部52cとの間隔より長くなるように形成される。
【0039】
一方、受け部50には、第1平板部50bと第2平板50cは凹部50aの内側の前後方向に間隔を開けて設けられる。また第1平板部50b、第2平板部50cは回動部48が凹部50aに収まったときに回動規制部52の凸部と平板部50b、50cとが接する位置に設けられる。回動規制部52が平板部50a、50bに接することにより摩擦力が発生し、回動を規制することが可能となる。
【0040】
次に、それぞれの使用状態のときの接続部分の状態について
図9を用いて説明する。
図9(a)に示すように、電気掃除機100が収納状態のとき、回動規制部52の第2凸部52bと第3凸部52cとはそれぞれ第1平板部50bと第2平板部50cと同時に接する。本発明の電気掃除機100の後部にはバッテリが内蔵されるため、収納状態のときバッテリの重みで本体2が倒れないように本体2がヘッド1の上にほぼ垂直に立つことを可能としている。
【0041】
図9(b)に示すように、電気掃除機100が第1の使用状態のとき、回動規制部52の第1凸部52aは第1平板部50bに接する。こうすることで、回動規制部52と平板部50b、50cとで摩擦力が発生し、ヘッド1と本体2との回動を規制することができる。
このとき把持部38とヘッド1までの長さが前後方向に長い形状となるため、遠くの清掃範囲まで電気掃除機100が届きやすい
【0042】
図9(c)に示すように、電気掃除機100が第2の使用状態のとき、回動規制部52は第1平板部50b、第2平板部50cのいずれにも接することがない。このような構成にすることによって操作者と電気掃除機100との位置関係に応じてヘッド1と本体2とが成す角度が変化するので把持部と操作する者の手の角度が不自然にならない。
【0043】
第1固定部54と第2固定部56はそれぞれヘッド1と本体2に設けられる。本発明における電気掃除機100では第1固定部54は磁石を、第2固定部56は金属板を用いている。
電気掃除機100が第1使用状態のとき、第1固定部54と第2固定部56が接触する位置にそれぞれ設けられる。
第1使用状態のときに、第1固定部54、第2固定部56が接触することで、磁力によって接触した状態を保持する。第1固定部54、第2固定部56を設けることで回動規制部52と平板部50b、50cとで実現する回動の規制よりも強い力で規制することが可能となる。
なお、本発明では磁石と金属板を用いたが、同じ効果をもたらすものであれば磁石以外であってもよい。
【0044】
(検出部の詳細な構成)
次に、検出部58の詳細な構成について
図10から
図12を用いて説明する。
【0045】
検出部58は本体2の先端部に設けられ、吸引された塵埃などの量を検出して検出信号をセンサ検知表示部16へ出力する。
図11に示すように検出部58は、発光部基板58a、発光部基板58a上に実装される発光素子58b、受光部基板58c、受光部基板58c上に実装される受光素子58dから構成される。
発光部基板58aと受光部基板58cは通風路60の左右側面にそれぞれ設けられ、発光素子58bから射出される光は通風路60を横切って反対側の受光素子58dで受光される。
【0046】
図11に示すように発光部基板58aは本体2の回動部48に基板の一部が重なるように本体2の裏側に設けられる。受光部基板58cも反対側の同様の位置に設けられる。回動部48の中央は本体2の内側につながるように貫通しているので発光部基板58aとセンサ検知表示部16とを接続する配線をこの貫通孔を通して引き回すことが可能である。
【0047】
次にセンサ検知表示部16の詳細な構成について
図12を用いて説明する。センサ検知表示部16はセンサ検知表示部カバー16a、拡散部16b、センサ検知表示部基板16cから構成され、ヘッド1に設けられる。
【0048】
センサ検知表示部カバー16aは略半円状の部分と、長方形状の部分とが折れ曲がって接続された形状をしている。また、センサ検知表示部カバーの外周には3つの爪が設けられ、ヘッド1に形成された穴にそれぞれの爪が入ってセンサ検知表示部カバー16aが固定される。こうすることで、センサ検知表示部カバー16aをヘッド1にねじ止めする必要が無くなるので、センサ検知表示部カバー16上にねじ穴を設ける必要が無くなり、表示部として利用できるスペースを最大限確保することが可能となる。
【0049】
さらにセンサ検知表示部カバー16aにはのこぎり歯状の凹凸が設けられ、光を散乱することが可能である。こうすることでセンサ検知表示部カバー16a全体から光を射出することが可能となり、視認性の良いセンサ検知表示部16が実現することができる。
【0050】
拡散部16bは、センサ検知表示部16aの下側に設けられる。拡散部16bを設け光を拡散部16b全体に拡散させることによって発光部分とそうでないところとのコントラストを抑えることができる。本発明にかかる電気掃除機100の拡散部16bは白色の薄手のシートを採用しているが、上記の目的を達成できるものであれば材質や色はどれでも構わない。また、拡散部16bにスモークをかけたものや、凹凸を設けたものであってもよい。
【0051】
センサ検知表示部基板16cには実装された発光手段(不図示)が搭載される。発光手段は本発明にかかる電気掃除機100においては赤色と緑色の2色を発光することが可能な発光ダイオードである。複数の色を発光する発光ダイオードを搭載し、かつそれぞれの発光ダイオードの明るさを調整することで複数の色を作り出すことが可能となる。
【0052】
(たたき部の詳細な構成)
次に、たたき部24a、24bの詳細な構成について
図13、
図14を用いて説明する。
なお、たたき部24a、24bは、左右一対で構成され同様の構成であるため、詳細な説明はたたき部24bについて説明する。
【0053】
たたき部24bは清掃面をたたくたたき部24bとヘッド1内部に設けられる振動モータ62と振動モータ62を収納する振動モータケース64とから構成される。振動モータ62は回転軸62aに偏心されて取り付けられた分銅62bが回転することによって回転速度に応じた振動を発生させる。振動モータ62を駆動するための電力は配線62cによって外部から供給される。このため、振動モータケース64は分割可能に構成され、配線62cを振動モータケース64の外部に出すことができる。
【0054】
たたき部24bと振動モータケース64とはねじ66によってねじ止めされ、振動モータ62の振動が振動モータケース64に伝わりたたき部24bを振動させる。なお、たたき部24bと振動モータケース64との固定はねじ止め以外の固定方法であっても良い。
【0055】
振動モータ62は振動時には振動モータ62と振動モータケース64とがぶつかり、いわゆるビビり音が発生する。これを防ぐために各部に振動を吸収する部材を設ける。
【0056】
第1振動吸収部材68は、たたき部24bが挿入されるためにヘッド1下部に設けられる貫通孔に設けられる。この構成にすることでたたき部24bとヘッド1とが振動モータ62の振動によってビビり音を発生させることを防ぐことができる。
【0057】
第2振動吸収部材70は、振動モータケース64とヘッド1との間に位置する空間に設けられる。この構成にすることで振動モータ62の動作による振動モータケース64の振動がヘッド1に伝わることを防止し、ビビり音を発生させることを防ぐことができる。
【0058】
第3振動吸収部材72は、振動モータ62の上部に設けられる。この構成にすることで振動モータ62の振動が直接振動モータケース64に伝わることを防ぐことができる。
【0059】
図14は、
図13に示す一点鎖線B−Bで分割した時の断面図である。
【0060】
第4振動吸収部材74は、振動モータケース64と振動モータケース64の後方に設けられる仕切り壁76との間に設けられ、振動が仕切り壁76に伝わることを防ぐ。
【0061】
第5振動吸収部材78は、振動モータケース64の上部前方に設けられ、振動モータケース64とヘッド1とが振動によってビビり音が発生することを防ぐ。
【0062】
本発明にかかる電気掃除機100では第1振動吸収部68から第5振動吸収部材78によって振動を吸収しビビり音を抑えるが、この他にもビビり音が発生する場所に振動吸収部材を設けても良い。なお、振動吸収材としては、ゴムやポリウレタン系の材質を用いることができるが振動を吸収する材料であればよい。
【0063】
(紫外線ランプの詳細な構成)
次に紫外線ランプ28周辺の構成について
図15から
図17を用いて説明する。
紫外線ランプ28はヘッド1内部、吸込み口12後方に配置される。紫外線ランプ28から出射する紫外線は、ヘッド1下部より清掃面に向けて照射され、清掃面の殺菌または除菌を行う。
【0064】
反射板28aは紫外線ランプ28の上側を覆うように設けられる。紫外線ランプ28は円筒形状のため、紫外線ランプ28が点灯すると紫外線は円当面の法線方向に出射される。反射板28aは、紫外線ランプ28の上方に出射される光を反射させて紫外線の出射方向を清掃面側に変える。
【0065】
本発明にかかる電気掃除機100はバッテリで駆動するため、紫外線ランプ28は電力をできるだけ消費しない小電力のランプを使用しているが、この構成にすることにより清掃面とは逆の方向に出射する紫外線も清掃面の殺菌・除菌に利用することが可能であり、小電力のランプであっても出射する光を効率よく使用することができる。
【0066】
さらに本発明にかかる電気掃除機100の反射板28aは半円筒形状を採用しているが、上方へ出される光を清掃面側に変更できる形状であれば、略円筒状であっても、多角形状であってもかまわない。
【0067】
また、反射板28aの上部には開口部が左右に設けられ、開口部から筒状部28b、28cが形成される。筒状部28b、28cは紫外線ランプ28の出射光をヘッド1上部に設けられる窓部18a、18bに導く。
この構成にすることによって窓部18a、18bを通じて紫外線ランプ28の点灯・非点灯を確認することができるので、紫外線ランプ28の動作を確認しようとしてヘッド1を裏返すことが不要となる。
【0068】
壁部28dは筒状部28cに接するように反射板28a上に設けられる。壁部28dにはスリットが設けられ、電気配線を固定することが可能である。
【0069】
本発明にかかる電気掃除機100は紫外線ランプ28の出射光が直接目に入らないようにヘッド1が清掃面から持ち上がったときに非点灯となる接地センサ30a、30bを有している。接地センサ30a、30bは発光素子と受光素子とから構成され、発光素子から発光した光が清掃面に反射して受光素子が受光した時は接地状態と判定し、受光素子が受光しなかったときは清掃面から離れていると判定する。
【0070】
接地センサ30aは紫外線ランプ28の前方左側に配置され、接地センサ30bは紫外線ランプ28の後方右側に配置される。接地センサ30a、30bのどちらかがヘッド1が清掃面から離れたことを検知した時、紫外線ランプ28は消灯する。
【0071】
接地センサ30a、30bのための配線は本体2から回動部48の開口部を通してヘッド1から引き出される。本体2から引き出された配線のうち接地センサ30aへは直接配線が引き回される。
接地センサ30bへは、配線は吸込み口12上部を通り壁部28dのスリットを通って接地センサ30bまで引き回される。
壁部28dのスリットを通して引き回すことによって配線がヘッド1内部で不用意に動いてしまうことを防ぐことができる。
【0072】
本発明にかかる電気掃除機100は、配線固定用の壁部として上述の壁部28dの他に、吸込み口12上に設けられる壁部80a、80bと振動モータケース64の外側に設けられる壁部80c、80dを有している。壁部80a、80b、80c、80dそれぞれには壁部28d同様配線固定用のスリットが形成されている。
【0073】
図17にはヘッド1内部の配線の引き回しが模式的に示されている。
図中、太線が配線を表したものであり、壁部80a、80bとで右側の振動モータ62、接地センサ30bに接続される配線が固定される。2か所で固定することにより複数の配線がヘッド1内部でばらばらになることなく、まとまって吸込み口12上に引き回すことができる。
【0074】
壁部80c、80dには左右それぞれの振動モータ62に接続される配線が固定される。振動モータ62が振動するため配線にも振動が伝わるが壁部80c、80dに固定されるため、必要以上に配線が動くことなく、断線を防ぐことができる。
【0075】
なお本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。