特許第6356044号(P6356044)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6356044配風用流路主部材入りシートパッド及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6356044
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】配風用流路主部材入りシートパッド及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/56 20060101AFI20180702BHJP
   A47C 7/74 20060101ALI20180702BHJP
   A47C 7/18 20060101ALI20180702BHJP
   A47C 27/00 20060101ALI20180702BHJP
   A47C 27/14 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   B60N2/56
   A47C7/74 C
   A47C7/18
   A47C27/00 F
   A47C27/14 A
   A47C27/14 C
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-223981(P2014-223981)
(22)【出願日】2014年11月4日
(65)【公開番号】特開2016-88243(P2016-88243A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100101627
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 宜延
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 佳宏
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−104485(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0102599(US,A1)
【文献】 特開2014−094623(JP,A)
【文献】 特開2012−081161(JP,A)
【文献】 特開昭55−067451(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0006424(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00− 2/90
A47C 7/00− 7/74
A47C27/00−27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡体からなるシートパッドと、該シートパッドの裏面に沿って横断面コ字状に成形した樋状部がその開口側部分を裏面側にして配設される配風用流路主部材と、該樋状部の内面及び前記シートパッドの裏面を覆う裏当て材と、を具備し、前記シートパッドが前記流路主部材及び該裏当て材と一体発泡成形され、且つシートパッド表面に形成する空気吹出口用の窪みに位置合わせをして、エア噴出口が該流路主部材に、透孔が該裏当て材に夫々設けられて、該透孔から空気吹出口まで導通するのに加え、前記樋状部には該シートパッド表面側にあたる部位に通孔が離間して複数設けられ、該シートパッドの発泡成形で、発泡原料が該通孔を通過して前記裏当て材に含浸、硬化したことを特徴とする配風用流路主部材入りシートパッド。
【請求項2】
前記エア噴出口に配される前記裏当て材の部位に、該エア噴出口の孔径よりも小さい孔径を有する前記透孔が設けられてなる請求項1記載の配風用流路主部材入りシートパッド。
【請求項3】
前記樋状部に係る対向側壁の中間高さ外面に、外方へ張り出す外鍔が該樋状部に一体成形されてなる請求項1又は2に記載の配風用流路主部材入りシートパッド。
【請求項4】
合成樹脂製の前記樋状部の対向側壁に抜孔が設けられ、且つ該抜孔に配される前記裏当て材に、両側壁の内面側から抜孔を通って両外方へ膨らむ膨出部が設けられてなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配風用流路主部材入りシートパッド。
【請求項5】
前記樋状部の開口側部分に、前記裏当て材を介してシート状又は板状の配風用流路副部材で蓋をして取付け、該配風用流路副部材と前記流路主部材とで筒状の通風流路を形成した請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配風用流路主部材入りシートパッド。
【請求項6】
発泡体からなるシートパッドの裏面に沿って、横断面コ字状に成形された樋状部の開口側部分が裏面側になるようにして、該樋状部を有する配風用流路主部材を配設し、さらに布地製裏当て材で該樋状部の内面及び前記シートパッドの裏面を覆って、該シートパッドを流路主部材及び裏当て材と一体発泡成形する配風用流路主部材入りシートパッドの製造方法であって、
分割型で構成され、一の分割型に、シートパッド表面から空気が噴出す空気吹出口用の窪みを形成する隆起部が設けられる一方、他の分割型に盛上り部が設けられ、さらに該盛上り部の先端面に突出する凸部が設けられた発泡型を用いて、
該凸部に、前記裏当て材に形成した透孔と前記樋状部に形成したエア噴出口とを順に嵌めて、該盛上り部に前記裏当て材を被着セットし、さらにシートパッド表面側にあたる該樋状部の部位に通孔を離間して複数設けた前記流路主部材を被着セットした後、型閉じし、その後、該凸部の突端面が前記隆起部の先端に当接して、前記透孔から前記空気吹出口まで導通するシートパッドを、前記流路主部材及び前記裏当て材と一体発泡成形し、且つ該シートパッドの発泡成形で、発泡原料が該通孔を通過して前記裏当て材に含浸、硬化するようにしたことを特徴とする配風用流路主部材入りシートパッドの製造方法。
【請求項7】
前記盛上り部の側面に疣状の突起部分をさらに形成し、且つ該盛上り部に被着セットした合成樹脂製の前記流路主部材で、該突起部分との対向側壁に抜孔を形成して、
該盛上り部への前記裏当て材と前記流路主部材の被着セットで、該突起部分が抜孔へ入り込んで流路主部材の外方へ該裏当て材を押し出し、その膨出部が形成されるようにした請求項6記載の配風用流路主部材入りシートパッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用座席シートを構成する配風用流路主部材入りシートパッド及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に搭載される座席シートの座部や背もたれを構成するシートクッションやシートバックがある。シートクッションやシートバックのシートパッドは、乗員が座った時に表皮を介して接する部分であり、暑い季節になると乗員はその箇所が汗ばむ一方、冬の季節を向かえると冷たく感じることがある。こうしたことから、本出願人は特開2012-368号公報,特開2012-81161号公報等で、配風用ダクトをインサートしてシートパッドが一体発泡成形される発明を提案したが、昨今は品質確保に加え低コスト化への期待もある。こうしたなか、配風用ダクトを用いない改良発明が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−100000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、特許文献1は、その段落0016で、「流路部20は、送風装置10の送風を着座側に導く流路であり、溝部22と、複数の孔部24を有する(図2図4を参照)。溝部22は、略H字状(正面視)の凹み部位であり、クッション材6P裏面(収納部6X内)に形成できる。」との構成で、乗員の着座で該溝部22からなる流路部20が押し潰される虞があった。クッション材6Pの発泡成形で溝部22を形成しただけにすぎず、溝部22に裏面材40を施したとしても、乗員が車両用シートに着座すると、流路部が変形して必要流量が確保できないことが懸念される。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するもので、乗員に心地良い空調エアを確実に配風することができ、且つ品質安定,低コスト化を図る配風用流路主部材入りシートパッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、発泡体からなるシートパッドと、該シートパッドの裏面に沿って横断面コ字状に成形した樋状部がその開口側部分を裏面側にして配設される配風用流路主部材と、該樋状部の内面及び前記シートパッドの裏面を覆う裏当て材と、を具備し、前記シートパッドが前記流路主部材及び該裏当て材と一体発泡成形され、且つシートパッド表面に形成する空気吹出口用の窪みに位置合わせをして、エア噴出口が該流路主部材に、透孔が該裏当て材に夫々設けられて、該透孔から空気吹出口まで導通するのに加え、前記樋状部には該シートパッド表面側にあたる部位に通孔が離間して複数設けられ、該シートパッドの発泡成形で、発泡原料が該通孔を通過して前記裏当て材に含浸、硬化したことを特徴とする配風用流路主部材入りシートパッドにある。
請求項2の発明たる配風用流路主部材入りシートパッドは、請求項1で、エア噴出口に配される前記裏当て材の部位に、該エア噴出口の孔径よりも小さい孔径を有する前記透孔が設けられてなることを特徴とする。請求項3の発明たる配風用流路主部材入りシートパッドは、請求項1又は2で、樋状部に係る対向側壁の中間高さ外面に、外方へ張り出す外鍔が該樋状部に一体成形されてなることを特徴とする。請求項4の発明たる配風用流路主部材入りシートパッドは、請求項1〜3で、合成樹脂製の前記樋状部の対向側壁に抜孔が設けられ、且つ該抜孔に配される前記裏当て材に、両側壁の内面側から抜孔を通って両外方へ膨らむ膨出部が設けられてなることを特徴とする。請求項5の発明たる配風用流路主部材入りシートパッドは、請求項1〜4で、樋状部の開口側部分に、前記裏当て材を介してシート状又は板状の配風用流路副部材で蓋をして取付け、該配風用流路副部材と前記流路主部材とで筒状の通風流路を形成したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明の要旨は、発泡体からなるシートパッドの裏面に沿って、横断面コ字状に成形された樋状部の開口側部分が裏面側になるようにして、該樋状部を有する配風用流路主部材を配設し、さらに布地製裏当て材で該樋状部の内面及び前記シートパッドの裏面を覆って、該シートパッドを流路主部材及び裏当て材と一体発泡成形する配風用流路主部材入りシートパッドの製造方法であって、分割型で構成され、一の分割型に、シートパッド表面から空気が噴出す空気吹出口用の窪みを形成する隆起部が設けられる一方、他の分割型に盛上り部が設けられ、さらに該盛上り部の先端面に突出する凸部が設けられた発泡型を用いて、該凸部に、前記裏当て材に形成した透孔と前記樋状部に形成したエア噴出口とを順に嵌めて、該盛上り部に前記裏当て材を被着セットし、さらにシートパッド表面側にあたる該樋状部の部位に通孔を離間して複数設けた前記流路主部材を被着セットした後、型閉じし、その後、該凸部の突端面が前記隆起部の先端に当接して、前記透孔から前記空気吹出口まで導通するシートパッドを、前記流路主部材及び前記裏当て材と一体発泡成形し、且つ該シートパッドの発泡成形で、発泡原料が該通孔を通過して前記裏当て材に含浸、硬化するようにしたことを特徴とする配風用流路主部材入りシートパッドの製造方法にある。請求項7の発明たる配風用流路主部材入りシートパッドの製造方法は、請求項6で、盛上り部の側面に疣状の突起部分をさらに形成し、且つ該盛上り部に被着セットした合成樹脂製の前記流路主部材で、該突起部分との対向側壁に抜孔を形成して、該盛上り部への前記裏当て材と前記流路主部材の被着セットで、該突起部分が抜孔へ入り込んで流路主部材の外方へ該裏当て材を押し出し、その膨出部が形成されるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の配風用流路主部材入りシートパッド及びその製造方法は、着座した乗員へ心地良い空調エアを確実に配風して品質維持が図られ、さらにダクトに比べて流路主部材を低コスト化できるなど優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る流路主部材入りシートパッド及びその製造方法の一形態で、流路主部材入りシートパッドを裏面側から見たその斜視図である。
図2図1のII-II線の要部拡大矢視図である。
図3図2に代わる他態様図である。
図4】空気吹出口周りの部分断面斜視図である。
図5】上型に裏当て材,流路主部材をセットする説明断面図である。
図6】裏当て材と流路主部材のセット後、型開状態で発泡原料を注入している発泡型の説明断面図である。
図7図6の発泡原料注入後に型閉じした様子を示す説明断面図である。
図8図5に代わる他態様図で、(イ)が上型に流路主部材をセットする様子を示す拡大断面図、(ロ)が(イ)のセットを終えた拡大断面図である。
図9図7の後、発泡成形を終えた流路主部材周りの拡大断面図である。
図10図3で通孔や透孔周縁部分が無い場合の対比説明図である。
図11図1の変形例で、流路主部材入りシートパッドを裏面側から見たその斜視図である。
図12図11の空気吹出口周りの部分断面斜視図である。
【0009】
以下、本発明に係る配風用流路主部材入りシートパッド及びその製造方法について詳述する。
配風用流路主部材入りシートパッド(以下、単に「流路主部材入りシートパッド」ともいう。)及びその製造方法は、乗員が座る座部を構成するクッションパッドに適用される。図1図10は本発明の流路主部材入りシートパッド及びその製造方法の一形態で、図1は裏面側から見たその斜視図、図2図1のII-II線の要部拡大矢視図、図3図2に代わる他態様図、図4は空気吹出口周りの部分断面斜視図、図5は上型に裏当て材,流路主部材をセットする説明断面図、図6は裏当て材と流路主部材のセット後、型開状態で発泡原料を注入している発泡型の説明断面図、図7図6の発泡原料注入後に型閉じした様子を示す説明断面図、図8図5に代わる他態様図で、上型に流路主部材をセットする様子を示す拡大断面図、図9図7の後、発泡成形を終えた流路主部材周りの拡大断面図、図10図3で通孔や透孔周縁部分が無い場合の対比説明図である。尚、図面を判り易くするため、要部を強調して大きく描き、各図を簡略図示する。
【0010】
(1)配風用流路主部材入りシートパッド
配風用流路主部材入りシートパッドは、流路主部材2と、裏当て材6と、これらと一体発泡成形され、表面側に空気吹出口10が複数設けられたクッションパッドからなるシートパッド1と、を具備する(図1)。
本発明でいう「表面側」とは、乗員が座部に腰掛ける時にファブリック等のシート状表皮を介して当接するシートパッド面の側を指し、「裏面側」とはその反対面の側を指す。本シートパッド1が裏面1b側を上にして発泡成形されることから、図2図9では紙面下方側が表面側、紙面上方側が裏面になっている。
【0011】
流路主部材2は、シートパッド1の裏面1bに沿って横断面コ字状に成形した樋状部3がその開口側部分30を裏面側にして配設される合成樹脂製部材である(図1,図2)。流路主部材2は、樋状部3と、該樋状部3へ空調エアを導くエア導入部41と、を備える。
【0012】
樋状部3は、底壁31の両側縁から側壁32が起立し、両側壁32の先端縁がシートパッド裏面1bとほぼ面一にして、図2のようにシートパッド裏面1bに開口側部分30が配される。本実施形態の樋状部3は、図1のごとくシートパッド裏面1b側で、車両後方寄りのメイン部12中央に位置するエア導入部41から車両進行方向(図1では斜め左下方向)へと進み、シートパッド裏面1bの略中間地点に達した後、車幅方向へ互いに離れるように二つに分岐する。分岐した該樋状部3は、それぞれサイド部13に近づいたところで、車両進行方向へと向きを変え、シートパッド1の前縁近くまで延在すると共にその途中及び先端にて車幅方向に枝別れした部分を形成する。
【0013】
そして、前記樋状部3には、シートパッド表面1aに形成する空気吹出口10用の夫々の窪み11に位置合わせをして、エア噴出口31aが設けられる(図4)。シートパッド1の表面には着座した乗員へ空調エアを送る空気吹出口10が複数設けられるが、窪み11を経由して各空気吹出口10に導通するエア噴出口31aが、樋状部3の底壁31に設けられる。
また、樋状部3には、該シートパッド表面1a側にあたる部位に通孔31bが離間して複数設けられる。通孔31bはシートパッド表面1a側に相当する底壁31寄りの側壁32でも構わないが、本実施形態は、図1,図2のごとく底壁31に該通孔31bが所定間隔をとって設けられる。
【0014】
ここで、流路主部材2は、ポロプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等からなる熱可塑性合成樹脂製品とするが、ウレタン発泡体等からなるシートパッド1との接着性が悪い。さらに、シートパッド1の快適なクッション性を得るため、流路主部材2はシートパッド裏面1b沿いに配されるので、乗員着座等によるシートパッド1の弾性変形で、流路主部材2がもげる虞がある。そこで、シートパッド1と接着性のある裏当て材6が、樋状部3の内面3bを含めた流路主部材2をカバーし、シートパッド1の発泡成形でその裏面1bに被着一体化して、流路主部材2がシートパッド1から離れ落ちるのを防いでいる。
しかし、流路主部材2入りシートパッド1が出来上がり、車両に組付けられ、使用状態下におかれると、樋状部3の内面3bを覆った裏当て材6の部分が、図10の鎖線図示のごとく垂れ下がってしまい、流路主部材2でつくる流路uの通風を妨げる。通気抵抗を大きくする。
斯かる問題を、底壁31に通孔31bを所定間隔で設けて解消している(図1)。通孔31bが設けられると、シートパッド1の発泡成形で、発泡原料gが該通孔31bを自律的に通過して裏当て材6に含浸、硬化するので、流路主部材2入りシートパッド1が使用状態下におかれても、樋状部内面3bの裏当て材6が垂れない。通孔31bを設けると、発泡原料gがシートパッド1の発泡成形で該通孔31bを通って裏当て材6に含浸一体化する。発泡成形過程で、含浸一体化した発泡原料gは、通孔31bおよびこの周りの底壁31で図4のような含浸硬化部分18となる。該含浸硬化部分18は、裏当て材6に一体化し、且つ通孔31bを通って樋状部3の外側のシートパッド1と結合しているので、図10のように紙面上方がシートパッド表面1aになる使用状態下におかれても、樋状部内面3bに在る裏当て材6が垂れ下がらない。通孔31bの孔径は、裏当て材6の垂れ下がり防止ができればよく、エア噴出口31aの孔径よりも小さい。
【0015】
付帯部4としてのエア導入部41は、樋状部3へ空調用エアを送り込む導入部分である。エア導入部41は、裏面側に特開2011-110366号公報、特開2012-368号公報等と同じようなエア導入口の筒口を有するエア導入筒部を形成する。エア導入部41に空調エアを流路主部材2へ供給するエア導入口が設けられる。場合によっては、エア導入部41は、前記樋状部3とほぼ同じ横断面コ字状に成形できる(図11参照)。そして、該エア導入部41及び樋状部3の横断面コ字状の開口側を塞ぎ、通風流路uを形成するよう取付けられる配風用流路副部材5に、エア導入口となる筒口510を形成したエア導入筒部51を設けることができる。斯かる場合、流路主部材2は、その形状から、射出成形の他、プレス成形や真空成形等によっても造ることができる。
【0016】
本実施形態の流路主部材2には、また合成樹脂製の樋状部3の対向側壁32に抜孔32cが設けられる(図2)。且つ該抜孔32cに配される裏当て材6には、両側壁32の内面3b側から抜孔32cを通って両外方へ膨らむ膨出部65が設けられるようにしている。抜孔32cが在ることで、上型72への流路主部材2のセットを容易にする(詳細後述)。またシートパッド1の発泡成形で、発泡原料gが膨出部65及び抜孔32c周りの裏当て材6に含浸、硬化するので、樋状部内面3bに在る裏当て材6が、流路主部材2入りシートパッド1の使用状態下におかれても垂れ下がらなくなり、通孔31bと同じように貢献できる。
【0017】
流路主部材2は、さらに図3に示すごとく樋状部3に、その対向側壁32の中間高さ外面3aから水平外方へ張り出す外鍔42を一体成形すると、より好ましくなる。ポロプロピレン樹脂等からなる流路主部材2が、ウレタン発泡体等からなるシートパッド1との接着性が悪くても、外鍔42を設けることによって、シートパッド1への該外鍔42の埋設一体化が図られるからである。乗員着座等によるシートパッド1の弾性変形で、流路主部材2がもげる不具合改善に役立つ。尚、本発明でいう前記「対向側壁32の中間高さ外面3a」とは、図3でいえば、シートパッド裏面1bに沿うフランジ部43を除いた対向側壁32の紙面高さ方向の外面を指す。
【0018】
裏当て材6は、樋状部3の内面3bを含めてシートパッド1の裏面1bを覆う不織布等からなるシート状布地材である。エア導入口を除いた流路主部材2をカバーし、図1のごとく、シートパッド裏面1bの大きさに合わせた一枚ものの布地製裏当て材6とする。シートパッド1の発泡成形で、該裏当て材6が、流路主部材2の少なくとも樋状部3を図2のごとく覆って、シートパッド1の裏面に被着一体化される。
【0019】
裏当て材6には、透孔60が、空気吹出口10用の夫々の窪み11に位置合わせをして、エア噴出口31aの樋状部内面3b側に設けられる。シートパッド1が、該裏当て材6と流路主部材2との一体発泡成形で、透孔60から空気吹出口10まで導通するようにしている。ここで、エア噴出口31aに配される裏当て材6の部位に、エア噴出口31aの孔径d3よりも小さい孔径d6を有する透孔60が、図4のごとく設けられるのがより好ましい。シートパッド1の発泡成形で、発泡原料gが、シートパッド表面1a側からエア噴出口31aを潜り抜けて孔径d3よりも小さい孔径d6との差異部分に達し、吹出口内に突き出す裏当て材6の該差異部分たる透孔周縁部分61に含浸、硬化するからである。この含浸硬化部分19も、前記含浸硬化部分18と同様、流路主部材入りシートパッドの使用状態下における裏当て材6の垂れ下がり防止に貢献できる。
【0020】
シートパッド1は、その発泡成形で、前記エア噴出口31a、前記透孔60と合致する窪み11を一定深さで確保し、該透孔60から窪み11がつくるシートパッド表面1aの空気吹出口10まで導通するようにして、流路主部材2、裏当て材6を埋設一体化した発泡体である。図9のごとく、空気吹出口10の方をエア噴出口31aや透孔60の口径よりも大きくする。シートパッド1の発泡成形では、裏面側に配した樋状部3と、これをカバーしてシートパッド裏面1bを覆う裏当て材6と、が該シートパッド1に一体化される。シートパッド1の裏面側に樋状部3を配設するのは、シートパッド表面1aから剛性のある樋状部3までの距離をできるだけ大きくとって、シートパッド1によるクッション性,快適性を得るためである。図9で、シートパッド表面1aから樋状部底壁31までの厚みh1は、該樋状部底壁31からシートパッド裏面1bまでの厚みh2よりも大きく設定される。
【0021】
こうして、透孔60,エア噴出口31aから空気吹出口10まで導通し、流路主部材2,裏当て材6と一体発泡成形された所望の流路主部材入りシートパッドが出来上がる。
さらに、樋状部3の開口側部分30に、前記裏当て材6を介して板状(又はシート状)の配風用流路副部材5で蓋をして取付け、該流路副部材5と流路主部材2とで筒状の通風流路uを形成した流路主部材入りシートパッドにしてもよい。通風流路uを形成するので、特開2011-110366号公報、特開2012-368号公報等のダクト入りシートパッド1とほぼ同じ取り扱いになる。
裏当て材6を介して流路副部材5で開口側部分30を塞いで取付けるにあたっては、図2のように接着剤による接着固定の他、図3のように取付け固定できる。すなわち、樋状部3の開口縁から張り出すフランジ部43にピン43dを一体成形した流路主部材2を用意し、配風用流路副部材5に設けた小孔50に該ピン43dを通して、流路副部材5で開口側部分30を塞ぎ、その後、図10のように小孔50から突き出たピン43dの頭にカシメ部分43fを形成して取付け固定できる。
図中、符号13はシートパッド1のサイド部、符号33は樋状部3の端壁を示す。
【0022】
図11,図12図1図9に代わる変形例を示す。流路主部材2の通風経路が短くなる場合や空気吹出口10が短いピッチで配設される場合は、図11のごとく、各透孔60周りに含浸硬化部分19を形成して、通孔31bなしで済ませることができる。シートパッド1の発泡成形で、発泡原料gが透孔周縁部分61に含浸、硬化し、含浸硬化部分19が短いピッチで形成されるので、図10の裏当て材6の垂れ下がりがなくなる。
【0023】
(2)配風用流路主部材入りシートパッドの製造方法
配風用流路主部材入りシートパッドの製造方法は、発泡体からなるシートパッド1の裏面1bに沿って、横断面コ字状に成形された樋状部3の開口側部分30が裏面側になるようにして、該樋状部3を有する配風用流路主部材2を配設し、さらに裏当て材6で樋状部内面3b及びシートパッド裏面1bを覆った後、シートパッド1を流路主部材2及び裏当て材6と一体発泡成形する製法である。製造に先立ち、流路主部材2と裏当て材6とを準備する。流路主部材2と裏当て材6は(1)で述べたものと同じであり、詳細説明を省く。
【0024】
流路主部材入りシートパッドの製造に用いる発泡型7は、図5図9ごとくの分割型で、下型71(一の分割型)と上型72(他の分割型)とを備える。図6から図7のごとく型閉じすると、全体的に凹み度合いが大きな下型71の型面710と上型72の型面720とで、流路主部材2と裏当て材6とが一体化するシートパッド1のキャビティCをつくる。下型71の型面710でシートパッド1の表面1a側を成形し、上型72の型面720でシートパッド1の裏面1b側を成形する。
下型71には、型面710の各所を柱状に盛り上げて、シートパッド表面1aから空気が噴出す空気吹出口10用の窪み11を形成する隆起部711が設けられる。一方、上型72には、図5のような盛上り部721が設けられる。該盛上り部721は、図示のごとく流路主部材2に係る樋状部3の内面3bにほぼ一致する断面が台形形状で、シートパッド裏面1bへの樋状部3の配設位置に合わせるようにして上型型面720に隆起形成される。さらに該盛上り部721の下面721a(先端面)で、前記隆起部711に対応する位置には下方へ突出する凸部722が設けられる。より詳しくは、凸部722が透孔60,エア噴出口31aの対応位置に配され、該凸部722の基端部分が裏当て材6の透孔60に略一致する大きさの円柱状体になっている。上型72にはエア導入部41の方にも、該エア導入部41の形状に合わせた係止部分が設けられる。
【0025】
前記発泡型7,流路主部材2,裏当て材6を用いて、流路主部材2入りシートパッド1が以下のように製造される。エア導入部41に設けたエア導入口は必要に応じシールテープで貼着、封止する。
【0026】
まず、発泡型7を型開状態とする。この型開状態下、上型72に裏当て材6,流路主部材2を係止セットする。
前記凸部722が裏当て材6に形成した透孔60を貫通するようにして、裏当て材6を盛上り部721に被着セットする。図5の裏当て材6は盛上り部721に合わせた形状に予め付形させた格好になっているが、平面的なシート状裏当て材6を用い、これを該盛上り部721に沿わせるようにしてもよい。
【0027】
次いで、凸部722が流路主部材2に形成したエア噴出口31aを貫通するようにして、裏当て材6の上から盛上り部721に該流路主部材2を被着セットする。凸部722に、裏当て材6に形成した透孔60と樋状部3に形成したエア噴出口31aとを順に嵌めて、該盛上り部721に裏当て材6,流路主部材2を被着セットするが、本実施形態は、盛上り部721の側面721eに図8のような疣状の突起部分723を設けている。また、盛上り部721に被着セットした合成樹脂製の流路主部材2には、該突起部分723との対向側壁32に抜孔32cが形成されている。図8(イ)の盛上り部721へ裏当て材6を被着した後、盛上り部721への流路主部材2の被着セットは、合成樹脂製の流路主部材2が可撓性を有しており、その弾性変形で開口側部分30の口を広げて突起部分723へ抜孔32cが嵌り込んで、図8(ロ)のごとく流路主部材2の樋状部3が盛上り部721に係止保持される。盛上り部721への裏当て材6,流路主部材2の被着セットを容易且つ確実にする。そして、盛上り部721への裏当て材6と流路主部材2の被着セットでは、突起部分723が抜孔32cへ入り込んで樋状部3の外方へ該裏当て材6を押し出し、膨出部65を形成する。
【0028】
続いて、型開状態を保ったまま、下型71のキャビティCを形成する型面710に、図6のごとく注入ノズルNL等を使用してシートパッド1成形用ウレタン発泡原液等の発泡原料gを所定量注入する。
続いて、図7のように上型72を作動させ型閉じする。上型72と下型71との型閉じで、流路主部材2がインサートセットされたシートパッド1用キャビティCができる。型閉じにより、下型71の隆起部上面711aに上型72の凸部722に係る突端面722aが当接し、この当接で、透孔60,エア噴出口31aから空気吹出口10が導通するシートパッド1を造る型構成になる。
【0029】
前記型閉じ後、シートパッド1の発泡成形に移る。図7の型閉じ状態を所定時間維持し、流路主部材2を埋設一体化し、樋状部内面3bと共に、シートパッド裏面1bに、裏当て材6が被着一体化されるシートパッド1を発泡成形する。この発泡成形では、図3のごとく樋状部3に係る対向側壁32の中間高さ外面3aに外鍔42が設けられていると、流路主部材2とシートパッド1との一体強化を図ることができるので、より好ましくなる。
【0030】
そして、樋状部3の底壁31に通孔31bが設けられているので、前記発泡成形過程で、発泡原料gが該通孔31bを通って裏当て材6に進入して含浸後、硬化し一体となる(図2,図4)。
また、樋状部3の側壁32に抜孔32cが設けられているので、発泡原料gが該抜孔32cを通って裏当て材6の膨出部65に接触して含浸後、硬化し一体となる(図2)。膨出部65を判り易くするため、図2は膨出部65の先端部分のみ接触して含浸硬化する図が描かれているが、膨出部65の略全域に発泡原料gが含浸し、硬化し一体となる。
さらに、エア噴出口31aに配される裏当て材6の透孔60の孔径を、エア噴出口31aの孔径d3よりも小さく設定し、且つ透孔60の孔径に合わせて凸部722を形成するので、シートパッド1の発泡成形で、図4,図9のごとく発泡原料gがメイン部12からエア噴出口31aを通ってエア噴出口31aよりも透孔60に向けて突き出た裏当て材6の透孔周縁部分61に接触して含浸後、硬化し一体となる。
発泡型7へ流路主部材2,裏当て材6がインサートされた状態下で、シートパッド1が発泡成形されるが、かくのごとく、発泡成形で、通孔31bと抜孔32cとエア噴出口31aについては、発泡原料gがそれらの周りにある裏当て材6に含浸硬化し、樋状部3に裏当て材6を密着保持させている。
【0031】
シートパッド1の発泡成形を終え、脱型すれば、表面1aに発泡成形された複数の空気吹出口10に、それぞれのエア噴出口31a,透孔60が合致し、透孔60から空気吹出口10まで導通する流路主部材2入りシートパッド1の製品が得られる。通孔31b及び抜孔32cにあてがう裏当て材6の部分や透孔周縁部分61に含浸一体化した発泡体の含浸硬化部分18,19は、当該部分でシートパッド1の発泡体と裏当て材6とが結合する。したがって、流路主部材2入りシートパッド1が車両に組み込まれた使用状態下におかれても、図10のような裏当て材6の垂れ下がりがない所望の品質安定した流路主部材2入りシートパッド1が出来上がる。
【0032】
該流路主部材2入りシートパッド1は、車両へ組付ける前に、樋状部3の開口側部分30を、裏当て材6を介して板状(又はシート状)の配風用流路副部材5で塞いで固着し、流路主部材2とで筒状の通風流路uが形成される。通風流路uの形成によって、流路主部材2が特開2011-110366号公報、特開2012-368号公報等のダクト入りシートパッド1に係るダクトと同様の働きをする。これに図示しない表皮を被せたシートクッションにして車両に組付ければ、図示しない送風ユニットとつながり、エア導入部41へ送り込まれる空調エアが、透孔60,エア噴出口31aを経て、各空気吹出口10から、該シートクッションに着座した乗員へスムーズに且つ確実に配風される。勿論、製品出荷の段階で、樋状部3の開口側部分30に、裏当て材6を介して流路副部材5で蓋をして、該流路副部材5と流路主部材2とで通風流路uを形成した流路主部材入りシートパッドにしてもよい。
図中、符号K12はメイン部形成部、符号K13はサイド部形成部、符号719、729は型合わせ面を示す。
【0033】
尚、流路主部材2の通風経路が短くなる場合や空気吹出口10が短いピッチで配設される場合は、図11のように孔径d3よりも孔径d6を小さくし、透孔周縁部分61を設けることで、通孔31bをなしにできる。透孔周縁部分61を設けると、型閉じ後のシートパッド1の発泡成形で、発泡原料gが、シートパッド表面1a側からエア噴出口31aを潜り抜けて透孔周縁部分61に達し、これに含浸、硬化する。この含浸硬化部分19が、図10の裏当て材6の垂れ下がり防止に対し、通孔31bによる含浸硬化部分18と同等の役割を果たす。
【0034】
(3)効果
このように構成した配風用流路主部材入りシートパッド及びその製造方法によれば、剛性のある合成樹脂製流路主部材2で流路uを形成するので、特許文献1のように乗員の着座で流路部が変形して必要流量が確保できないといった事態を避けることができる。流路主部材2入りシートパッド1に係る樋状部3の開口側部分30に、裏当て材6を介して流路副部材5で簡便に塞いで筒状の通風流路uを形成すれば、乗員に心地良い空調エアを簡単かつ確実に配風することができ、品質安定維持が図られた配風用流路主部材入りシートパッドとなる。
【0035】
一方、剛性のある流路主部材2がシートパッド1に設けられても、該流路主部材2はシートパッド1の裏面1bに沿って樋状部3がその開口側部分30を裏面側にして配設されると、シートパッド表面1aから樋状部底壁31までの発泡体からなる厚みh1を大きくとれるので、シートクッションに着座する乗員が剛性のある流路主部材2に当たって、違和感を覚えるといったことはない。
ここで、流路主部材2にウレタン発泡体等からなるシートパッド1との接着性が悪いポロプロピレン樹脂等の熱可塑性合成樹脂品を採用する場合がある。斯かる場合、乗員着座等に伴うシートパッド1の弾性変形で該流路主部材2がもげる虞があるが、樋状部3の内面3b及びシートパッド1の裏面1bを、一枚ものの裏当て材6が覆って、シートパッド1に該裏当て材6が一体発泡成形されるので、流路主部材2がもげるのを防止する。ただ、車両に流路主部材2入りシートパッド1が組み込まれて設置されると、樋状部3の内面3bに在る裏当て材6の部分が垂れ下がる。この垂れ下がりが図10の鎖線図示のごとく空調流路を妨げる問題があるが、本発明は通孔31bや透孔周縁部分61、抜孔32cが解決する。
本発明のごとく、シートパッド表面1a側にあたる樋状部3の部位に、通孔31bを離間して複数設けると、該シートパッド1の発泡成形で、発泡原料gが自律的に該通孔31bを通過して裏当て材6に含浸、硬化する。別途、接着剤等で接着させる手間なく、裏当て材6と含浸一体化した発泡原料gの含浸硬化部分18がシートパッド1の本体と通孔31bを通じて結合するので、特にコストをかけずに、その部位での前記垂れ下がる問題は解消できる。通孔31bを適宜ピッチで複数設ければ、裏当て材6が通風流路u内に垂れ下がって通風抵抗を上げるようなことはなくなる。
【0036】
さらに、エア噴出口31aの孔径d3よりも小さい孔径d6を有する透孔60が設けられると、シートパッド1の発泡成形で、透孔周縁部分61に含浸一体化した発泡体の含浸硬化部分19がシートパッド1の発泡体と結合するので、その周りでは裏当て材6が樋状部3の内面3bに当接,保持されるようになり、前記透孔31bと同様、前記垂れ下がる問題を解消できる。
また、樋状部3の対向側壁32に抜孔32cが設けられ、且つ抜孔32cに配される裏当て材6に、両側壁32の内面3b側から抜孔32cを通って両外方へ膨らむ膨出部65が設けられると、シートパッド1の発泡成形で、膨出部65及び抜孔32c周りの裏当て材6に含浸一体化した発泡体の含浸硬化部分がシートパッド1の発泡体と結合するので、その周りでも裏当て材6が樋状部3の内面3bに当接,保持されるようになり、前記垂れ下がる問題を解消できる。さらに、該抜孔32cを形成する場合は、上型72の対向位置に突起部分723を設けると、裏当て材6と流路主部材2の盛上り部721への被着セットで、突起部分723が抜孔32cへ入り込んで流路主部材2の外方へ裏当て材6を押し出し、膨出部65を形成するだけでなく、上型72に流路主部材2を係止保持できるので、発泡型7への流路主部材2,裏当て材6の被着セットが容易になる。
【0037】
加えて、樋状部3の対向側壁32の中間高さ外面に、外方へ張り出す外鍔42が樋状部3に一体成形されると、発泡成形でシートパッド1内に外鍔42が埋設されるので、裏当て材6と共に、流路主部材2がもげるのを防止するのに貢献する。
また、特開2011-110366号公報、特開2012-368号公報等にみられる通風流路uを形成するダクトと違って、樋状部3をシートパッド1に一体化させるので、図9のシートパッド表面1aから樋状部底壁31までの発泡体厚みh1を十分確保できる。最近はシートパッド1の厚みが薄肉化しており、ダクト厚み方向の寸法が希望通りに得られないケースがあるが、斯かるケースでも本発明は対応できるので、配風可能なシートパッドとして取り扱いできる適用範囲が広い。
さらに、樋状部3の開口側部分30に、裏当て材6を介してシート状又は板状の流路副部材5で蓋をして取付け、流路副部材5と流路主部材2とで筒状の通風流路uを形成した配風用流路主部材入りシートパッドにすれば、特開2011-110366号公報等のものと同じ通風流路uを形成した製品を低コストで作製できる。
さらにいえば、図11のごとくエア導入部41も樋状部3とほぼ同じ横断面コ字状に成形した流路主部材2を採用すると、流路主部材2は射出成形の他、プレス成形や真空成形等で簡単に造ることができ、一層の低コスト化を図ることができる。
【0038】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。シートパッド1,流路主部材2,エア導入部41,流路副部材5,裏当て材6,発泡型7等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。実施形態はシートパッド1をクッションパッドに適用したが、バックパッドにも勿論適用できる。
【符号の説明】
【0039】
1 シートパッド
1a 表面(シートパッド表面)
1b 裏面(シートパッド裏面)
10 空気吹出口
11 窪み
2 流路主部材
3 樋状部
3b 内面(樋状部内面)
31 底壁
31a エア噴出口
32 側壁
32c 抜孔
42 外鍔
5 流路副部材
6 裏当て材
60 透孔
65 膨出部
71 一の分割型(下型)
710 型面
711 隆起部
72 他の分割型(上型)
722 凸部
723 突起部分
g 発泡原料
u 通風流路(流路)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12