特許 6356086 発光体付き柵

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6356086

(24)【登録日】2018年6月22日

(45)【発行日】2018年7月11日

(54)【発明の名称】発光体付き柵

(51)【国際特許分類】

   E01F 15/06 20060101AFI20180702BHJP

   E04H 17/14 20060101ALI20180702BHJP

   E04H 17/16 20060101ALI20180702BHJP

【ＦＩ】

   E01F15/06 Z

   E04H17/14 103Z

   E04H17/16 101

【請求項の数】2

【全頁数】6

(21)【出願番号】特願2015-63776(P2015-63776)

(22)【出願日】2015年3月26日

(65)【公開番号】特開2016-183479(P2016-183479A)

(43)【公開日】2016年10月20日

【審査請求日】2017年7月21日

(73)【特許権者】

【識別番号】000221351

【氏名又は名称】ＪＦＥ建材フェンス株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110000958

【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所

(74)【代理人】

【識別番号】100120237

【弁理士】

【氏名又は名称】石橋 良規

(72)【発明者】

【氏名】大柴 貴

(72)【発明者】

【氏名】土井 彰

【審査官】 須永 聡

(56)【参考文献】

【文献】 特開２００９−１４４３５２（ＪＰ，Ａ）

【文献】 登録実用新案第３０９９７８６（ＪＰ，Ｕ）

【文献】 実開平０５−００３３２３（ＪＰ，Ｕ）

【文献】 実開平０１−０５３２１３（ＪＰ，Ｕ）

【文献】 特開昭６２−０４３６９１（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００９−１０２７７５（ＪＰ，Ａ）

【文献】 米国特許第０４５５８８５１（ＵＳ，Ａ）

【文献】 米国特許第０７３２５７８７（ＵＳ，Ｂ１）

【文献】 米国特許第０６４２５６７６（ＵＳ，Ｂ１）

【文献】 米国特許第０５７０１２３６（ＵＳ，Ａ）

【文献】 特開２００２−０１１８１８（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｅ０１Ｆ １／００

Ｅ０１Ｆ ９／００−１１／００

Ｅ０１Ｆ １３／００−１５／１４

Ｅ０４Ｈ １７／１４

Ｅ０４Ｈ １７／１６

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

支柱と、前記支柱間に固定された、縦線と横線とを格子状に組んだ柵本体とからなり、前記柵本体には、前記縦線をリング状に折り曲げることにより形成された胴縁を有する柵において、
前記胴縁内に、コイル状の発光体が前記胴縁に沿って挿入され、前記発光体は、蓄光線材からなっていることを特徴とする発光体付き柵。

【請求項2】

前記胴縁は、上胴縁からなることを特徴とする、請求項１に記載の発光体付き柵。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

この発明は、発光体付き柵、特に、夜間において、優れた視線誘導効果を有する発光体としての蓄光線材が取り付けられた柵に関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来、視線誘導効果を高めた道路柵が特許文献１に開示されている。

【0003】

以下、この道路柵を従来柵といい、図面を参照しながら説明する。

【0004】

図５は、従来柵を示す部分正面図である。

【0005】

図５に示すように、従来柵は、親柱１１と、中間柱１２と、中間柱１２間に配された横ビーム１３と、横ビーム１３間に配された縦ビーム１４と、手摺１５と、手摺１５に沿って取り付けられたチューブ状の発光体１６と、親柱１１内に設置された、発光体１６の光源１７と、電源１８とからなっている。

【0006】

発光体１６は、光源１７から導光された光を出射することにより線状に発光する機能を有している。

【0007】

発光体１６は、可撓性チューブと、この中に収容された、可撓性チューブよりも屈折率の高いコアとからなっている。

【0008】

光源１７は、商用電源や太陽電池等の電源１８から給電されて発光するハロゲンランプ等からなっている。

【0009】

このように、手摺１５に線状の発光体１６を取り付けることによって、特に、夜間において、高い視線誘導効果を得ることができる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0010】

【特許文献1】特開平８−２４６４２６号公報

【特許文献2】特開２００２−１１８１８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0011】

上記従来柵によれば、手摺１５に線状の発光体１６を取り付けることによって、特に、夜間において、高い視線誘導効果を得ることができるが、以下のような問題があった。

【0012】

（ａ）発光体１６は、光源１７を必要とするので、何らかの原因で電源１８が故障した場合には、発光体１６の機能が発揮されない。
（ｂ）発光体１６は、光源１７から導光された光を出射することにより発光するものであるので、発光量が、発光体１６の全長に亘って均一でない。

【0013】

従って、この発明の目的は、夜間において、高い視線誘導効果を得ることができることは勿論、故障することなく所定時間、発光が持続し、発光体の全長に亘って均一な発光量を得ることができる発光体付き柵を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0014】

この発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、下記を特徴とするものである。

【0015】

請求項１に記載の発明は、支柱と、前記支柱間に固定された、縦線と横線とを格子状に組んだ柵本体とからなり、前記柵本体には、前記縦線をリング状に折り曲げることにより形成された胴縁を有する柵において、前記胴縁内に、コイル状の発光体が前記胴縁に沿って挿入され、前記発光体は、蓄光線材からなっていることに特徴を有するものである。

【0016】

請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明において、前記胴縁は、上胴縁からなることに特徴を有するものである。

【発明の効果】

【0017】

この発明によれば、夜間において、高い視線誘導効果を得ることができることは勿論、故障することなく所定時間、発光が持続し、発光体の全長に亘って均一な発光量を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】この発明の発光体付き柵を示す部分正面図である。

【図2】この発明の発光体付き柵を示す部分拡大側面図である。

【図3】この発明の発光体付き柵を示す部分拡大斜視図である。

【図4】コイル状の発光体を示す部分正面図である。

【図5】従来柵を示す部分正面図である。

【発明を実施するための形態】

【0019】

この発明の発光体付き柵の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。

【0020】

図１は、この発明の発光体付き柵を示す部分正面図、図２は、この発明の発光体付き柵を示す部分拡大側面図、図３は、この発明の発光体付き柵を示す部分拡大斜視図である。

【0021】

図１から図３において、１は、支柱、２は、支柱１間に固定された柵本体である。柵本体２は、縦線３と横線４とを格子状に溶接により組み、縦線３の上部をリング状（円形状）に折り曲げることにより上胴縁５が形成されたものからなっている。リング状に折り曲げられた縦線３の内側には、複数本の横線４が配されている。

【0022】

６は、発光体としてのコイル状に形成された蓄光線材である（図４参照）。蓄光線材６は、上胴縁５内に、上胴縁５に沿って挿入されている。

【0023】

蓄光線材６は、鋼線に、例えば、特許文献２に開示されている蓄光性物質をコーティングしたものからなっている。蓄光性物質は、外部から光や紫外線等を受けると蓄光して、暗い所で発光する作用を有している。

【0024】

このように、リング状の上胴縁５内にコイル状に形成された蓄光線材６を挿入することにより、蓄光性物質が昼間は、蓄光し、夜間に発光するために、高い視線誘導効果が得られる。

【0025】

しかも、蓄光線材６は、無電源で発光するために、故障することもなく、蓄光線材６の全長に亘って均一に発光する。

【0026】

上記例は、上胴縁５において、横線４がリング状に折り曲げられた縦線３内に配されたものであるが、横線４がリング状に折り曲げられた縦線３外に配されたものであっても良い。

【0027】

以上のように、この発明によれば、夜間において、高い視線誘導効果を得ることができることは勿論、故障することなく所定時間、発光が持続し、発光体の全長に亘って均一な発光量を得ることができる。

【符号の説明】

【0028】

１：支柱
２：柵本体
３：縦線
４：横線
５：上胴縁
６：蓄光線材
１１：親柱
１２：中間柱
１３：横ビーム
１４：縦ビーム
１５：手摺
１６：発光体
１７：光源
１８：電源

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】