(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セットトップボックスは、一般的に、あらかじめ設定された所定の商用サーバ(アプリマーケットなど)にのみ接続できるようになっている。そのため、アプリ開発会社がアプリの開発をする際には、以下のような手順で、当該アプリ開発会社が保有するセットトップボックスを開発環境が設定された他のサーバに接続する必要がある。すなわち、アプリ開発会社は、手動でセットトップボックスを開発用にセッティングし、当該セットトップボックスのIDを商用サーバの運用管理者に電話やメールで通知する。そして、商用サーバの運用管理者は、通知されたIDのセットトップボックスについては、開発環境が設定された他のサーバに接続するよう商用サーバに手動で設定するとともに、他のサーバに開発環境を手動で構築する必要がある。
【0005】
このように、商用サーバの運用管理者の手動作業により環境構築が必要となるため、商用サーバに接続する一般のセットトップボックスから、アプリ開発用などの特定用途用のセットトップボックスに切り替えるには、作業負荷が大きく、また時間を要するという課題がある。また、特定用途用のセットトップボックスへの切り替えが、手動で行われるため、人的な作業ミスが発生する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、所定の商用サーバに接続される端末を、特定用途用の端末に容易に切り替え可能な設定装置、設定システム、設定方法、および、設定プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、設定装置であって、端末から送信されるアカウントを受け付けて、当該アカウント用に割り当てられた特定用途サーバへの接続先情報を設定情報記憶部に設定する設定部と、前記端末から接続要求を受信すると、前記設定情報記憶部を参照して前記特定用途サーバの接続先情報を通知し、前記端末を前記特定用途サーバに接続させる接続制御部と、を備え
、前記設定部は、前記端末を特定用途用の端末に設定するための設定アプリが、前記端末から取得した端末情報を受信し、前記受信した端末情報を前記アカウントと対応付けて前記設定情報記憶部に設定する。
【0008】
前記設定装置は、前記アカウント用の特定用途サーバに、当該アカウント用の環境を作成する環境作成部を、さらに備えることとしてもよい。
【0010】
前記設定装置は、前記端末に所定のサービスを提供するサービス提供部を、さらに備えることとしてもよい。
【0011】
また、本発明は、端末と、当該端末を特定用途用の端末として設定する設定装置とを備える設定システムであって、前記設定装置は、前記端末から送信されるアカウントを受け付けて、当該アカウント用に割り当てられた特定用途サーバへの接続先情報を設定情報記憶部に設定する設定部と、前記端末から接続要求を受信すると、前記設定情報記憶部を参照して前記特定用途サーバの接続先情報を通知し、前記端末を前記特定用途サーバに接続させる接続制御部と、を備え、前記端末は、前記設定装置が提供する、当該端末を特定用途用の端末に設定するための設定アプリが取得した端末情報を、前記アカウントとともに前記設定装置に送信する送信部と、前記接続先情報を用いて前記特定用途サーバに接続する接続部と、を備える。
【0012】
前記設定システムにおいて、前記端末の接続部は、前記特定用途サーバから特定用途用アプリをダウンロードし、インストールすることとしてもよい。
【0013】
本発明は、コンピュータが行う設定方法であって、端末から送信されるアカウントを受け付けて、当該アカウント用に割り当てられた特定用途サーバへの接続先情報を設定情報記憶部に設定する設定ステップと、前記端末から接続要求を受信すると、前記設定情報記憶部を参照して前記特定用途サーバの接続先情報を通知し、前記端末を前記特定用途サーバに接続させる接続制御ステップと、を行
い、前記設定ステップは、前記端末を特定用途用の端末に設定するための設定アプリが、前記端末から取得した端末情報を受信し、前記受信した端末情報を前記アカウントと対応付けて前記設定情報記憶部に設定する。
【0014】
前記設定方法は、前記アカウント用の特定用途サーバに、当該アカウント用の環境を作成する環境作成ステップを、さらに行うこととしてもよい。
【0015】
本発明は、端末と、当該端末を特定用途用の端末として設定する設定装置とを備える設定システムが行う設定方法であって、前記設定装置は、前記端末から送信されるアカウントを受け付けて、当該アカウント用に割り当てられた特定用途サーバへの接続先情報を設定情報記憶部に設定する設定ステップと、前記端末から接続要求を受信すると、前記設定情報記憶部を参照して前記特定用途サーバの接続先情報を通知し、前記端末を前記特定用途サーバに接続させる接続制御ステップと、を行い、前記端末は、前記設定装置が提供する、当該端末を特定用途用の端末に設定するための設定アプリが取得した端末情報を、前記アカウントとともに前記設定装置に送信する送信ステップと、前記接続先情報を用いて前記特定用途サーバに接続する接続ステップと、前記特定用途サーバから特定用途用アプリをダウンロードし、インストールするインストールステップと、を行う。
【0016】
本発明は、コンピュータを、前記設定装置として機能させるための設定プログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、所定の商用サーバに接続される端末を、特定用途用の端末に容易に切り替え可能な設定装置、設定システム、設定方法、および、設定プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係るシステムの全体構成図である。図示するシステムは、設定装置1と、少なくとも1つの特定用途サーバ2と、使用者が使用する使用者端末3と、設定対象の端末4と、端末4に接続されたTV(テレビ)5とを備える。
【0021】
設定装置1は、例えば商用サーバなどであって、端末4に所定のサービスを提供するとともに、所望の端末4を特定用途用の端末として設定する。図示する設定装置1は、設定部11と、環境作成部12と、接続制御部13と、企業アカウント記憶部14と、設定情報記憶部15と、企業情報記憶部16と、設定アプリ記憶部17と、サービス提供部18とを備える。
【0022】
設定部11は、使用者端末3から企業情報を受信すると当該企業の企業アカウント(アカウント)およびパスワードを発行して企業アカウント記憶部14に記憶する。また、設定部11は、企業アカウントおよびパスワードと、端末4を特定用途用の端末に設定するための設定アプリを使用者端末3に送信する。また、設定部11は、端末4から送信される企業アカウントを受け付けて、当該企業アカウント用に割り当てられた特定用途サーバ2への接続先情報を設定情報記憶部15に設定する。具体的には、設定アプリが端末4から取得した端末情報を受信し、受信した端末情報を企業アカウントと対応付けて設定情報記憶部15に設定する。
【0023】
環境作成部12は、各特定用途サーバ2に、対応する企業アカウント用の環境を作成する。接続制御部13は、端末4から接続要求を受信すると、設定情報記憶部15を参照して対応する特定用途サーバ2の接続先情報を通知し、端末4を特定用途サーバに接続させる。
【0024】
企業アカウント記憶部14には、企業アカウントとパスワードとが対応付けて記憶される。設定情報記憶部15は、端末IDと企業アカウントとが対応付けて記憶された端末情報テーブル151と、企業アカウントと特定用途サーバ2への接続情報とが対応付けて記憶された接続先サーバ情報テーブル152とを有する。設定アプリ記憶部17には、端末4にインストールする設定アプリが記憶されている。サービス提供部18は、特定用途用に設定していない一般の端末4に、所定のサービスを提供する。
【0025】
なお、本実施形態では、使用者端末3の使用者は企業に属する場合を例として、企業アカウントを用いるものとしたが、使用者が属する団体は企業の限定されるものではなく、自治体など企業以外であってもよい。この場合、アカウントは、企業アカウントの替わりに、例えば、自地体アカウントなど様々なアカウントか用いられる。
【0026】
特定用途サーバ2は、例えば、アプリ開発用、アライアンス企業用、自治体用などの特定用途のサービスを提供するサーバである。
【0027】
使用者端末3は、アプリ開発会社、アライアンス企業、自治体などの使用者(システム管理者)が使用する端末3であって、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォンなどを用いることができる。本実施形態の使用者端末3は、ネットワークを介して設定装置1にアクセスし、使用者が属する企業または自治体等の情報を設定装置1に送信する。
【0028】
端末4は、設定装置1の運営会社が配布する端末であって、工場から出荷された状態においては、ネットワークを介して設定装置1にのみにアクセスし、設定装置1のサービス提供部18が提供するサービスを利用するための装置(一般端末)である。本実施形態では、設定装置1が、初期状態の端末4(一般端末)を、使用者の要求に応じて、使用用途に応じた特定用途用の端末4へ自動で設定し、いずれかの特定用途サーバ2へのアクセスが可能となる。
【0029】
端末4は、例えば、セットトップボックス(STB)、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどである。図示する端末4では、設定装置1が提供する設定アプリをインストールして起動することにより、送信部41、接続部42および表示部43として機能する。送信部41は、設定装置1が提供する設定アプリが取得した端末情報を、企業アカウントとともに設定装置1に送信する。接続部42は、設定装置1から通知される接続先情報を用いて特定用途サーバ2に接続し、設定ファイルおよびアプリなどをダウンロードし、インストールする。表示部43は、当該端末4に接続されたTV5などのディスプレイに各種画面を表示する。
【0030】
なお、本実施形態では、端末4は、セットトップボックスの場合を例として以下に説明するが、これに限定されるものではない。また、本実施形態の端末4には、ディスプレイとしてTV5が接続されているものとするが、端末4自体がディスプレイを備える場合は、TV5はなくてもよい。
【0031】
上記説明した設定装置1および端末4には、例えば、CPUと、メモリと、ハードディスク等の外部記憶装置と、入力装置と、出力装置とを備えた汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。このコンピュータシステムにおいて、CPUがメモリ上にロードされた所定のプログラムを実行することにより、各装置の各機能が実現される。例えば、設定装置1および端末4の各機能は、設定装置1用のプログラムの場合は設定装置1のCPUが、そして、端末4用のプログラム(設定アプリ)の場合は端末4のCPUがそれぞれ実行することにより実現される。また、設定装置1用のプログラムおよび端末4用のプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD−ROMなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶することも、ネットワーク及びアプリマーケット等を介して配信することもできる。
【0032】
次に、本実施形態の動作について説明する。
【0033】
図2は、設定装置1が、使用者端末3からの要求を受け付けて、一般端末としての端末4を、特定用途用の端末4へ設定する処理、および特定用途サーバ2に特定用途用の環境を作成する処理を説明するための説明図である。
【0034】
使用者は、使用者端末3を用いて、当該使用者の企業(または自治体)に関する企業情報を設定装置1に送信する(S11)。例えば、使用者端末3は、設定装置1が提供する企業情報登録用Webページにアクセスし、当該Webページ上で使用者が入力したメールアドレスなどの企業情報を設定装置1に送信する。
【0035】
設定装置1は、企業情報を受信すると、当該企業に対する企業アカウントおよびパスワードを発行し、発行した企業アカウントとパスワードとを対応付けて、企業アカウント記憶部14に登録する(S12)。
【0036】
そして、設定装置1は、S11で受信した企業情報に含まれるメールアドレスの使用者端末3に、企業アカウントおよびパスワードと、設定アプリ記憶部17に記憶された設定アプリとを送信する(S13)。
【0037】
使用者は、使用者端末3が受信した設定アプリを、保有している端末4(一般端末)にインストールし、起動する(S14)。これにより、設定アプリは、企業アカウント入力画面を当該端末4に接続されたTV5のディスプレイに表示する。
【0038】
使用者は、企業アカウント入力画面に、S13で送信された企業アカウントおよびパスワードを入力する。設定アプリは、当該端末4にあらかじめ設定された端末ID(端末情報)を取得し、入力された企業アカウントおよびパスワードとともに設定装置1に送信する(S15)。
【0039】
設定装置1は、企業アカウント記憶部14を参照して、端末4から受信した企業アカウントおよびパスワードの認証を行い、当該企業アカウント用の設定情報を、設定情報記憶部15に登録する(S16)。具体的には、設定装置1は、端末4から受信した企業アカウントおよび端末IDを対応付けて端末情報テーブル151に登録する。また、設定装置1は、端末4から受信した企業アカウント用にいずれかの特定用途サーバ2を割り当て、当該特定用途サーバ2への接続先情報(特定用途サーバ2のアドレス、設定ファイルのアドレス)を、企業アカウントとともに接続先サーバ情報テーブル152に登録する。
【0040】
そして、設定装置1は、割り当てた特定用途サーバ2に、当該企業アカウント用の環境(例えば、アプリ開発環境、マーケットプレイス環境、自治体サービス環境など)を作成する(S17)。
【0041】
端末4の設定アプリは、設定装置1から通知された接続先情報を用いて、特定用途サーバ2にアクセスし、当該特定用途サーバ2に作成された環境に格納された設定ファイルを端末4にダウンロードし、また、アプリを端末4にインストールすることで、特定用途に応じた端末4(例えば、開発アプリの検証用端末、自治体用端末、アライアンス企業用端末など)へのセッティングが完了する(S18)。
【0042】
図3は、
図2で説明した本実施形態のシステムの処理を、より詳細に説明するためのシーケンス図である。
【0043】
使用者は、使用者端末3を用いて、当該使用者の企業(または自治体など)に関する企業情報を設定装置1に送信する(S21)。例えば、使用者端末3は、使用者の指示を受け付けて、設定装置1が提供する企業情報登録用のWebページにアクセスし、当該Webページ上で使用者が入力した企業情報を設定装置1に送信する。企業情報には、例えば、メールアドレス、企業名、所在地などの企業に関する情報が含まれる。
【0044】
設定装置1の設定部11は、使用者端末3から企業情報を受信すると、当該企業の企業アカウント(例えば、企業IDなど)と、パスワードとを発行(生成)する。そして、設定部11は、発行した企業アカウントと、パスワードとを対応付けて企業アカウント記憶部14に登録する(S22)。また、設定部11は、受信した企業情報を、企業情報記憶部16に企業アカウントとともに登録する。
【0045】
図4は、企業アカウント記憶部14の一例を示す図である。図示する企業アカウント記憶部14には、企業毎に、企業アカウントと、パスワードとが対応付けて記憶されている。
【0046】
そして、設定部11は、S21で受信した企業情報に含まれるメールアドレス宛に、発行した企業アカウントおよびパスワードと、設定アプリ記憶部17に記憶された設定アプリ(自動セッティングアプリ)とを送信する(S23)。これにより、使用者端末3は、企業アカウント、パスワードおよび設定アプリを受信する。設定アプリは、端末4を使用用途に応じた端末に設定するための設定支援アプリケーション(プログラム)である。
【0047】
使用者は、使用者端末3が受信した設定アプリを、保有している端末4(特定用途用に設定する端末)にインストールし、起動する(S24)。これにより、端末4で起動された設定アプリは、企業アカウント入力画面を当該端末4に接続されたTV5のディスプレイに表示する(S25)。なお、端末4がディスプレイを具備する場合は、端末4のディスプレイに、企業アカウント入力画面を表示することとしてもよい。
【0048】
図5は、ディスプレイに表示される企業アカウント入力画面の一例を示す図である。図示する企業アカウント入力画面には、企業アカウントの入力欄と、パスワードの入力欄と、実行ボタンとが表示されている。
【0049】
使用者は、企業アカウント入力画面に、S23で送信された企業アカウントおよびパスワードを入力し、実行ボタンをクリックする。これにより、設定アプリは、当該端末4の図示しない記憶部にあらかじめ設定されている端末ID(端末情報)を取得し、当該端末IDを入力された企業アカウントおよびパスワードとともに設定装置1に送信する(S26)。
【0050】
設定部11は、端末4から受信した企業アカウントおよびパスワードが、企業アカウント記憶部14に存在するか否かの認証を行い(S27)、企業アカウント記憶部14に存在する場合(認証に成功した場合)、当該企業アカウント用の設定情報を、設定情報記憶部15に登録する(S28)。
【0051】
図6は、設定情報記憶部15の一例を示す図である。図示する設定情報記憶部は、端末情報テーブル151と、接続先サーバ情報テーブル152とを備える。
図6(a)の端末情報テーブル151は、端末IDと、企業アカウント(または、端末グループ)とが対応付けて記憶される。S28において、設定部11は、端末4から受信した企業アカウントと端末IDとを対応付けて端末情報テーブル151に登録する。
【0052】
図6(b)の接続先サーバ情報テーブル152は、企業アカウントと、特定用途サーバ2のアドレスと、設定ファイルのアドレスとが対応付けて記憶される。特定用途サーバ2のアドレスには、当該企業アカウント用の特定用途サーバ2のURLなどのアドレスが設定される。設定ファイルのアドレスには、対応する特定用途サーバ2に作成される当該企業アカウント用の設定ファイルのURLなどのアドレスが設定される。
【0053】
S28において、設定部11は、端末4から受信した企業アカウント用にいずれかの特定用途サーバ2を割り当て、当該特定用途サーバ2内に当該企業アカウント用の設定ファイルの格納場所を割り当てる。そして、設定部11は、割り当てた特定用途サーバ2のアドレスと設定ファイルのアドレスとを接続先情報として、企業アカウントとともに接続先サーバ情報テーブル152に登録する。
【0054】
そして、環境作成部12は、接続先サーバ情報テーブル152に登録した特定用途サーバ2に当該企業アカウント用の環境を作成・構築する(S29)。具体的には、環境作成部12は、
図2の特定用途サーバ2に示すように、接続先サーバ情報テーブル152に登録した特定用途サーバ2の設定ファイルのアドレスに、当該企業アカウント用のフォルダを作成する。そして、環境作成部12は、作成したフォルダの配下に当該企業アカウント用の設定ファイル、各種アプリなどを格納する。設定ファイルは、例えば、特定用途用の端末4に表示するトップ画面(ホームページ)、メニュー画面などの画面情報、端末4に設定する各種設定情報などである。また、各種アプリは、端末4に提供する特定用途の各種サービスのアプリケーションプログラムである。
【0055】
なお、設定ファイルおよび各種アプリは、使用者があらかじめ設定装置1または設定装置1が割り当てた特定用途サーバ2にアップロードしておくものとする。
【0056】
また、使用者の企業がアプリ開発会社であって、特定用途サーバ2が、アプリの開発および検証(テスト)目的のサーバの場合、環境作成部12は、アプリの開発を容易にするために、サンプルアプリをあらかじめ格納しておくこととしてもよい。
【0057】
そして、環境作成部12は、環境作成が完了すると、環境設定完了通知を端末4に送信する(S30)。端末4の設定アプリは、環境設定完了通知を受信すると、ディスプレイに環境設定が完了したことを通知する完了通知画面(またはメッセージ)を表示する。
【0058】
図7は、ディスプレイに表示される環境設定の完了通知画面の一例を示す図である。使用者は、完了通知画面に表示されたOKボタンをクリックすることで、特定用途サーバ2への接続指示を入力する。端末4の設定アプリは、使用者が入力した接続指示を受け付けると(S31)、接続要求を設定装置1に送信する(S32)。なお、設定アプリは、当該端末4の端末IDを取得し、接続要求とともに設定装置1に送信する。
【0059】
設定装置1の接続制御部13は、受信した接続要求に付加された端末IDを用いて、当該端末4が特定用途用に設定された特定用途用の端末4か、あるいは、当該設定装置のサービスを利用する一般端末であるかを判別する(S33)。例えば、接続制御部13は、接続要求に付加された端末IDが設定情報記憶部15の端末情報テーブル151に存在する場合は特定用途用の端末4であると判別し、当該端末IDが端末情報テーブル存在しない場合は、一般端末であると判別する。一般端末であると判別した場合、サービス提供部18は、当該端末4に所定のサービスを提供する。
【0060】
特定用途用の端末4であると判別した場合、接続制御部13は、当該端末IDに対応する企業アカウントを、設定情報記憶部15の端末情報テーブル151から取得する。そして、接続制御部13は、取得した企業アカウントに対応する接続先情報を、接続先サーバ情報テーブル152から取得し、端末4に送信する(S34)。接続先情報は、具体的には、接続先サーバ情報テーブル152に設定された特定用途サーバ2および設定ファイルのアドレスである。
【0061】
端末4の設定アプリは、接続先情報を受信すると、当該接続先情報を用いて特定用途サーバ2の当該端末4の企業アカウント用の環境(設定ファイルのアドレス)にアクセスし(S35)、当該環境に格納された設定ファイルおよびアプリ(特定用途用アプリ)をダウンロードする(S36)。そして、設定アプリは、ダウンロードした設定ファイルを読み込み、ダウンロードしたアプリをインストールする。これにより、設定アプリは、特定用途のホームページ画面をディスプレイに表示する。以上により、設定装置1にのみ接続される端末4(一般端末)から、用途に応じた特定用途用の端末4への切り替え設定が完了する。
【0062】
図8、
図9および
図10は、特定用途用の端末4のディスプレイに表示されるホームページ(トップページ)の画面例である。
図8は、特定用途サーバ2が、アプリの開発および検証(テスト)目的のサーバの場合、当該特定用途用に設定された検証用端末4のディスプレイに表示されるホームページの一例を示す図である。
図8では、複数のサンプルアプリと、複数の開発アプリとが配置されたメニュー画面が、ホームページとして表示されている。
【0063】
図9は、特定用途サーバ2が、アライアンス企業用のサーバの場合、当該特定用途用に設定されたアライアンス端末4のディスプレイに表示されるホームページの一例を示す図である。
図9では、当該アライアンス企業が提供する複数のアプリ(サービス)が配置されたメニュー画面が、ホームページとして表示されている。
【0064】
図10は、特定用途サーバ2が、自治体用のサーバの場合、当該自治体用に設定された自治体端末4のディスプレイに表示されるホームページの一例を示す図である。
図10では、当該自治体が提供する複数のアプリ(サービス)が配置されたメニュー画面が、ホームページとして表示されている。
【0065】
以上説明した本実施形態の設定装置1では、端末4から送信される企業アカウントを受け付けて、当該企業アカウント用に割り当てられた特定用途サーバ2への接続先情報を設定情報記憶部15に設定し、端末4から接続要求を受信すると、設定情報記憶部15を参照して特定用途サーバ2の接続先情報を通知し、端末4を特定用途サーバ2に接続させる。
【0066】
これにより、本実施形態では、設定装置1(商用サーバ)に接続される一般端末4を、特定用途用の端末4に容易に切り替えることができる。すなわち、本実施形態では、特定用途用の端末4を設定する作業負荷を軽減し、また、設定装置1の運用管理者の手動作業による特定用途用の環境設定作業を軽減し、短時間で一般端末から特定用途用の端末4への切り替えを実現することができる。
【0067】
また、本実施形態の端末4は、設定装置1が提供する設定アプリをインストールすることで、当該端末4に設定された端末ID(端末情報)を自動で取得し、設定装置1に送信する。これにより、本実施形態では、端末IDの取得ミスにより、意図しない端末4を、特定用途用の端末4に切り替えてしまうなどのヒューマンエラーを防止することができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、企業アカウント毎に特定用途サーバ2を割り当てることとしたが、複数の企業アカウント(複数の特定用途)で1つの特定用途サーバ2を共有することとしてもよい。この場合、接続先サーバ情報テーブル152の設定ファイルのアドレスを異なるアドレスにすることで、複数の企業アカウントの共有は可能である。
【0069】
また、上記実施形態の設定装置1は、サービス提供部18を備え、端末4に所定のサービスを提供する商用サーバであるとしたが、これに限定されるのもではない。例えば、設定装置1は、サービス提供部18を備えることなく、所定の商用サーバに接続される端末4を、特定用途用の端末4に切り替える設定装置であってもよい。