(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っても適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0021】
また本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0022】
さらに、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見やすくするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見やすくするためにハッチングを付す場合もある。
【0023】
(実施の形態1)
<液晶表示装置>
本発明の一実施の形態である実施の形態1の液晶表示装置100を、図面を参照して説明する。以下では、液晶表示装置として、カラー表示の横電界方式としてのFFS(Fringe Field Switching)モードの液晶表示装置を例示して説明する。横電界方式とは、アレイ基板および対向基板のうちのいずれか一方の液晶層側に一対の電極を互いに絶縁して設け、概ね横方向の電界が液晶層に形成される方式である。また、FFSモードとは、横電界方式のうちの一方式であり、上記した一対の電極が、平面視において、重なるように配置されているものである。
【0024】
はじめに、
図1〜
図4を参照し、本実施の形態1の液晶表示装置100の概略の構成について説明する。
【0025】
図1および
図2は、実施の形態1の液晶表示装置の一例を示す平面図である。
図3は、実施の形態1の液晶表示装置の一例を示す断面図である。
図4は、実施の形態1の液晶表示装置の他の例を示す断面図である。
図3および
図4は、
図1のA−A線に沿った断面図である。なお、
図1および
図2では、理解を簡単にするために、対向基板3のうち、遮光部5およびスペーサ部7以外の部分、ならびに、液晶層4を除去して透視した状態を示している。また、
図1および
図2では、理解を簡単にするために、アレイ基板1のうち一部の図示を省略している。
【0026】
図1〜
図3に示すように、本実施の形態1の液晶表示装置100は、アレイ基板1と、対向基板3と、液晶層4と、を有する。アレイ基板1は、主面としての表面1aを有し、対向基板3は、主面としての表面3aを有する。対向基板3は、対向基板3の表面3aとアレイ基板1の表面1aとが対向するように、アレイ基板1と対向配置されている。液晶層4は、アレイ基板1の表面1aと対向基板3の表面3aとの間に挟まれている。
【0027】
本実施の形態1の液晶表示装置100は、遮光部5を有する。遮光部5は、平面視において、アレイ基板1および対向基板3と重なるように設けられており、光を遮光する遮光性を備えている。すなわち、遮光部5は、例えば光源から液晶層4に入射される入射光が液晶層4に到達しないように、入射光を遮光する。または、遮光部5は、例えば光源から液晶層4に入射され、液晶層4に入射された入射光が液晶層4を透過した透過光が、観察者に到達しないように、透過光を遮光する。このような遮光部5として、例えばアレイ基板1または対向基板3に設けられた、ブラックマトリクスと称される遮光膜を用いることができる。あるいは、遮光部5として、例えばアレイ基板1に設けられた、後述するゲート配線11またはソース配線13等の遮光性を備えた配線パターンを用いることができる。
【0028】
なお、本願明細書では、平面視において、とは、アレイ基板1の表面1aに垂直な方向、または、対向基板3の表面3aに垂直な方向から視た場合を意味する。
【0029】
以下では、遮光部5が、対向基板3に設けられた遮光膜からなる場合を例示して、説明する。また、
図1に示すように、平面視において、互いに交差、好適には直交する2つの方向を、X軸方向およびY軸方向とする。このとき、遮光部5は、平面視において、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に間隔を空けて配列された複数の延在部51と、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に間隔を空けて配列された複数の延在部52と、を含む。
【0030】
本実施の形態1の液晶表示装置100は、複数のサブ画素SPixを有する。複数のサブ画素SPixは、遮光部5に含まれる複数の延在部51と、遮光部5に含まれる複数の延在部52とにより区画されている。すなわち、複数のサブ画素SPixは、遮光部5に含まれる複数の延在部51と、遮光部5に含まれる複数の延在部52とにより区画された複数の開口領域53の各々に、それぞれ設けられている。この場合、開口領域53は、遮光部5に形成された開口領域である。したがって、複数のサブ画素SPixは、X軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列されており、複数の開口領域53は、X軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列されている。
【0031】
複数のサブ画素SPixの各々は、例えば赤(R)、緑(G)および青(B)の3色のいずれかを表示する。このとき、赤(R)、緑(G)および青(B)をそれぞれ表示する3つのサブ画素SPixにより、1つの画素が形成される。
【0032】
なお、本願明細書では、遮光部5が対向基板3に設けられている場合のサブ画素SPixおよび開口領域53とは、アレイ基板1と対向基板3とが互いにずれていないときに、複数の延在部51と、複数の延在部52とにより区画された領域を意味する。
【0033】
また、液晶表示装置100は、3色表示に限られない。例えば2色以下のサブ画素SPixにより1画素を構成することもでき、あるいは、4色以上のサブ画素SPixにより1画素を構成することもできる(以下の各実施の形態においても同様)。
【0034】
アレイ基板1は、基体として、透明基板10を有する。透明基板10は、一方の主面としての表面10aと、表面10aと反対側の面であって、他方の主面としての裏面10bと、を有する。透明基板10は、透明な絶縁性を有するガラス、石英またはプラスチック等からなる。
【0035】
透明基板10の表面10a上には、複数のゲート配線11が設けられている。すなわち、複数のゲート配線11は、アレイ基板1の表面1a側に設けられている。複数のゲート配線11は、平面視において、複数の延在部51の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置されており、X軸方向にそれぞれ延在する。複数のゲート配線11の各々は、例えばアルミニウム(Al)またはモリブデン(Mo)等の不透明な金属からなる。後述するソース配線13とゲート配線11との交差部において、ゲート配線11からは、ゲート電極11aが延設されている。
【0036】
なお、本願明細書において、アレイ基板1の表面1a側に設けられた、とは、透明基板10の表面10a上に表面10aと直接接して設けられた場合、および、透明基板10の表面10aの上方に表面10aから離れて設けられた場合を含むものとする。
【0037】
ゲート配線11およびゲート電極11aを覆うように、ゲート絶縁膜としての絶縁膜12が設けられている。すなわち、絶縁膜12は、アレイ基板1の表面1a側に設けられている。絶縁膜12は、例えば窒化ケイ素または酸化ケイ素等からなる透明な絶縁膜である。
【0038】
絶縁膜12上には、複数のソース配線13が設けられている。すなわち、複数のソース配線13は、アレイ基板1の表面1a側に設けられている。複数のソース配線13は、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置されており、Y軸方向にそれぞれ延在する。複数のソース配線13の各々は、例えばアルミニウム(Al)またはモリブデン(Mo)等の不透明な金属からなる。ソース配線13とゲート配線11との交差部において、ソース配線13からは、ソース電極13aが延設されている。
【0039】
平面視においてゲート電極11aと重なる部分の絶縁膜12上には、半導体層14が設けられている。半導体層14は、例えば非晶質シリコンまたは多結晶シリコン等からなる。前述したソース電極13aは、半導体層14の一部と接触している。
【0040】
また、絶縁膜12上には、ソース配線13およびソース電極13aと同一の材料からなるドレイン電極15が設けられている。ドレイン電極15は、ソース電極13aと近接配置されており、半導体層14と部分的に接触している。
【0041】
好適には、ドレイン電極15は、ソース配線13に含まれる導体膜と同層に形成された導体膜からなる。これにより、ドレイン電極15を、ソース配線13を形成する工程と同一の工程により形成することができる。
【0042】
このようにして、複数のゲート配線11と、複数のソース配線13とが交差する複数の交差部の各々に、それぞれTFT16が配置されることにより、複数のTFT16が設けられている。複数のTFT16の各々は、ゲート電極11a、絶縁膜12、ソース電極13a、半導体層14およびドレイン電極15により、形成されたスイッチング素子である。複数のTFT16は、アレイ基板1の表面1a側に設けられている。
【0043】
さらに、複数のソース配線13、複数のTFT16、および、絶縁膜12の露出した部分を覆うように、層間樹脂膜17が設けられている。層間樹脂膜17は、平坦化膜であり、複数のソース配線13、複数のTFT16、および、絶縁膜12の露出した部分を覆うとともに、複数のソース配線13、複数のTFT16および絶縁膜12の各々の上面からなる凹凸面を平坦化する。層間樹脂膜17は、例えばフォトレジスト等の透明樹脂材料からなる。
【0044】
層間樹脂膜17上には、共通電極18が設けられている。すなわち、共通電極18は、アレイ基板1の表面1a側に設けられている。共通電極18は、例えばITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電性材料からなる。共通電極18は、平面視において、複数のサブ画素SPixの各々と重なるように、連続して一体に設けられている。
図2に示す例では、共通電極18は、X軸方向に配列された複数のサブ画素SPixの各々と重なるように、連続して一体に設けられている。
図2に示す例では、共通電極18は、平面視において、X軸方向に配列された、後述する複数の画素電極20の各々と重なるように、設けられており、X軸方向に延在する。
【0045】
なお、共通電極18は、X軸方向に配列された複数のサブ画素SPixをサブ画素群とするとき、Y軸方向に配列された複数個のサブ画素群の各々と重なるように、連続して一体に設けられてもよい。あるいは、X軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列された複数のサブ画素SPixの各々と重なるように、単一の共通電極18が設けられてもよい。
【0046】
また、層間樹脂膜17上には、複数の補助配線6が設けられている。すなわち、複数の補助配線6は、アレイ基板1の表面1a側に設けられている。複数の補助配線6の各々は、金属膜からなり、この金属膜は、例えばアルミニウム(Al)またはモリブデン(Mo)等の不透明な金属からなる。
【0047】
複数の補助配線6は、平面視において、複数の延在部51の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置され、かつ、X軸方向にそれぞれ延在する。また、複数の補助配線6は、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側にそれぞれ突出して設けられている。アレイ基板1の表面1aとは、補助配線6が設けられていない部分の透明基板10の表面10a側に設けられた配向膜21の表面を意味する。
【0048】
なお、補助配線6は、複数の延在部51の各々が設けられた領域全ての内部に設けられていなくてもよく、1個おきまたは複数個おきに設けられていてもよい。すなわち、補助配線6は、複数の延在部51のいずれかの延在部51が設けられた領域内に配置されていればよい。
【0049】
図2に一例を示すように、共通電極18は、平面視において、共通電極18の周縁部が複数の延在部51のいずれかの延在部51と重なるように、設けられている。そして、
図3に示すように、複数の補助配線6のいずれかの補助配線6は、平面視において、当該いずれかの延在部51と重なる部分の共通電極18上に設けられている。そのため、当該いずれかの補助配線6は、共通電極18と電気的に接続されている。
【0050】
補助配線6は、共通電極18に含まれる例えばITOまたはIZO等の透明導電性材料の電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有する。したがって、補助配線6を共通電極18と電気的に接続することにより、共通電極18の電気抵抗を低減することができ、例えば時定数を短くすることができるなど、液晶表示装置の性能を向上させることができる。
【0051】
共通電極18を覆うように、電極間絶縁膜19が設けられている。すなわち、電極間絶縁膜19は、アレイ基板1の表面1a側に設けられている。電極間絶縁膜19は、例えば窒化ケイ素または酸化ケイ素等からなる透明な絶縁膜である。
【0052】
電極間絶縁膜19上には、複数の画素電極20が設けられている。複数の画素電極20の各々は、例えばITOまたはIZO等の透明導電性材料からなる。複数の画素電極20は、平面視において、複数のサブ画素SPixの各々の内部で、アレイ基板1の表面1a側にそれぞれ設けられている。したがって、共通電極18は、平面視において、例えばX軸方向に配列された複数の画素電極20の各々と重なるように、設けられている。そして、複数のサブ画素SPixの各々の内部で、共通電極18と画素電極20とは、電極間絶縁膜19を介して対向している。
【0053】
また、電極間絶縁膜19は、平面視において、延在部51が設けられた領域内では、共通電極18上に設けられた補助配線6を覆うように、設けられている。
【0054】
なお、図示は省略するが、平面視において、電極間絶縁膜19および層間樹脂膜17を貫通してドレイン電極15に達するコンタクトホールが形成され、画素電極20は、コンタクトホールの底部に露出したドレイン電極15と、電気的に接続されている。
【0055】
また、
図3に示す例では、共通電極18の上方に画素電極20が設けられているが、画素電極20の上方に共通電極18が設けられていてもよい。このような例を、
図4に示す。
図4に示す例では、共通電極18には開口部18aが形成されている。また、
図4に示す例では、共通電極18は、補助配線6上に設けられている。すなわち、補助配線6は、共通電極18の下に設けられていてもよい。
【0056】
なお、理解を簡単にするために、
図1および
図2では、画素電極20の図示を省略し、
図3および
図4では、各サブ画素SPixの内部に設けられた画素電極20は、例えばY軸方向に延在する延在部を1本だけ含むものとして図示されている。しかし、本実施の形態1の液晶表示装置は、FFSモードの液晶表示装置であるため、画素電極20は、平面視において、例えばY軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列された複数の延在部、すなわち櫛歯を含むなど、櫛歯形状を有していてもよい(以下、実施の形態2および実施の形態3でも同様)。このとき、互いに隣り合う2つの延在部、すなわち櫛歯の間に設けられたスリットを通じて、画素電極20と共通電極18との間でフリンジ電界が形成されることにより、液晶層4における液晶の配向状態が変化する(以下、実施の形態2および実施の形態3でも同様)。
【0057】
画素電極20、および、電極間絶縁膜19の露出した部分を覆うように、配向膜21が設けられている。すなわち、配向膜21は、アレイ基板1の表面1a側に設けられている。配向膜21は、例えばポリイミドからなる。配向膜21は、例えば
図1のY軸方向の正の方向にラビング処理が施されている。
【0058】
対向基板3は、基体として、透明基板30を有する。透明基板30は、一方の主面としての表面30aと、表面30aと反対側の面であって、他方の主面としての裏面30bと、を有する。透明基板30は、透明な絶縁性を有するガラス、石英またはプラスチック等からなる。透明基板30は、透明基板10の表面10aと透明基板30の表面30aとが互いに対向するように、透明基板10と対向配置されている。
【0059】
透明基板30の表面30a上には、遮光部5が設けられている。すなわち、遮光部5は、対向基板3の表面3a側に設けられている。遮光部5は、平面視において、複数のゲート配線11および複数のソース配線13の各々と重なるように、設けられている。遮光部5は、光を遮光する遮光性を有し、例えば樹脂または金属からなり、ブラックマトリクスと称される。前述したように、遮光部5は、平面視において、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に間隔を空けて配列された複数の延在部51と、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に間隔を空けて配列された複数の延在部52と、を含む。前述したように、複数の延在部51は、平面視において、複数の延在部51の各々が設けられた領域内にそれぞれゲート配線11が配置されるように、設けられる。また、複数の延在部52は、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内にそれぞれソース配線13が配置されるように、設けられる。
【0060】
なお、本願明細書において、対向基板3の表面3a側に設けられた、とは、透明基板30の表面30aと直接接して設けられた場合、および、透明基板30の表面30aから離れて設けられた場合を含むものとする。
【0061】
Y軸方向における延在部51の幅は、X軸方向における延在部52の幅よりも広い。このとき、ゲート配線11とソース配線13との交差部に設けられるTFT16を、延在部51が設けられた領域内に配置することができる。
【0062】
また、透明基板30の表面30a上には、複数のカラーフィルタ層32が設けられている。すなわち、複数のカラーフィルタ層32は、対向基板3の表面3a側に設けられている。複数のカラーフィルタ層32は、平面視において、複数のサブ画素SPixの各々の内部に、それぞれ配置されている。また、複数のサブ画素SPixの各々では、サブ画素SPixごとに異なる色の光を透過するカラーフィルタ層32が配置されている。
図3には、例えば赤(R)色の光を透過するカラーフィルタ層32としてのカラーフィルタ層32aと、例えば青(B)色の光を透過するカラーフィルタ層32としてのカラーフィルタ層32cとを、示している。
【0063】
遮光部5および複数のカラーフィルタ層32を覆うように、オーバーコート層33が設けられている。すなわち、オーバーコート層33は、対向基板3の表面3a側に設けられている。オーバーコート層33は、例えばフォトレジスト等の透明樹脂材料からなる。オーバーコート層33は、複数のカラーフィルタ層32の各々に起因する段差を平坦化する。あるいは、オーバーコート層33は、遮光部5または複数のカラーフィルタ層32のいずれかから流出する不純物が液晶層4内に入らないようにする。
【0064】
オーバーコート層33上には、スペーサ部7が設けられている。すなわち、スペーサ部7は、対向基板3の表面3a側に設けられている。スペーサ部7は、アレイ基板1と対向基板3との間隔を一定の間隔に維持し、液晶層4の厚さを一定の厚さに維持する。スペーサ部7は、例えばフォトレジスト等の透明樹脂材料からなるフォトスペーサである。
【0065】
スペーサ部7は、対向基板3の表面3aからアレイ基板1側に突出して設けられている。対向基板3の表面3aとは、スペーサ部7が設けられていない部分の透明基板30の表面30a側に設けられた配向膜35の表面を意味する。
【0066】
なお、
図1および
図2に示すように、スペーサ部7は、複数のサブ画素SPix全ての周辺に設けられていなくてもよい。すなわち、例えば、X軸方向に配列された複数のサブ画素SPixごとに1つのスペーサ部7が設けられていてもよい。また、Y軸方向に配列された複数のサブ画素SPixごとに1つのスペーサ部7が設けられていてもよい。
【0067】
スペーサ部7およびオーバーコート層33を覆うように、配向膜35が設けられている。すなわち、配向膜35は、対向基板3の表面3a側に設けられている。配向膜35は、例えばポリイミドからなる。配向膜35には、アレイ基板1に設けられた配向膜21とは逆方向のラビング処理が施されている。
【0068】
このようなアレイ基板1と対向基板3とは、補助配線6およびスペーサ部7を介して、互いに対向するように配置、すなわち対向配置されている。また、図示は省略するが、アレイ基板1の外周部と、対向基板3の外周部との間には、シール材が設けられている。そして、対向配置されたアレイ基板1と対向基板3との間には、液晶層4が充填されている。
【0069】
上述の構成により、各サブ画素SPixでは、TFT16がオン状態になると、複数の画素電極20の各々に電圧が印加されることにより、共通電極18と各画素電極20との間に電界が形成され、当該形成された電界によって、液晶層4における液晶の配向が変化する。これにより、液晶層4における光の透過率が変化して画像が表示される。また、共通電極18と複数の画素電極20の各々とが電極間絶縁膜19を介して対向する領域は、補助容量を形成し、TFT16がオフ状態になったときに、共通電極18と複数の画素電極20の各々との間の電界を所定時間保持する。
【0070】
<補助配線およびスペーサ部の配置>
次に、
図1〜
図3を参照し、本実施の形態1の液晶表示装置における補助配線およびスペーサ部の配置、ならびに、その効果について説明する。以下では、複数の補助配線6のうち、スペーサ部7と交差する補助配線6について説明する。
【0071】
前述したように、補助配線6は、平面視において、複数の延在部51のいずれかの延在部51が設けられた領域内に配置されており、X軸方向に延在する。補助配線6は、共通電極18と電気的に接続されている。また、補助配線6は、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側に突出して設けられている。
【0072】
一方、スペーサ部7は、平面視において、Y軸方向に長手を有する形状、例えば楕円形状または長方形状を有する。すなわち、平面視において、Y軸方向におけるスペーサ部7の長さLN1が、X軸方向におけるスペーサ部7の幅WD1よりも長い。そして、スペーサ部7は、平面視において、当該いずれかの延在部51と、複数の延在部52のいずれかの延在部52とが交差する交差領域CR1で、補助配線6と交差するように、配置されている。したがって、Y軸方向におけるスペーサ部7の長さLN1は、Y軸方向における補助配線6の幅WD2よりも長い。
【0073】
また、前述したように、スペーサ部7は、対向基板3の表面3aからアレイ基板1側に突出して設けられている。
【0074】
このような補助配線6が設けられていない場合、例えば液晶表示装置の製造工程時または使用時に、外部から力が加わることなどによりアレイ基板1または対向基板3が撓み、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向、すなわちアレイ基板1の表面1aまたは対向基板3の表面3aに平行な方向に、ずれることがある。このような場合、平面視において各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7が近接し、平面視において各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aに形成された配向膜21などに損傷が与えられるおそれがある。その結果、損傷が与えられた部分の配向膜21などから光漏れが発生するおそれがある。
【0075】
なお、本願明細書では、アレイ基板1の表面1aにスペーサ部7が近接する、とは、アレイ基板1の表面1aにスペーサ部7が近づくことの他、アレイ基板1の表面1aにスペーサ部7が接触すること、または、アレイ基板1の表面1aにスペーサ部7が配向膜35を介して接触することを意味する。
【0076】
一方、本実施の形態1では、
図2に示すように、補助配線6が設けられている。
図2には、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向にずれることにより、例えば、スペーサ部7が、本来の位置から斜め方向DR1にずれた場合が、図示されている。このような場合、スペーサ部7の中央部は、平面視において、開口領域53としての開口領域53a内に配置される部分のアレイ基板1に、重なるものの、スペーサ部7の端部71が、平面視において、補助配線6と重なっている。したがって、スペーサ部7が補助配線6により支持されるため、平面視において、開口領域53a内に配置される部分のアレイ基板1の表面1aとスペーサ部7との間には、依然として間隔が設けられるものとなって両者は接触しない。
【0077】
また、
図2には、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向にずれることにより、例えば、スペーサ部7が、本来の位置から斜め方向DR2にずれた場合が、図示されている。このような場合、スペーサ部7の中央部は、平面視において、開口領域53としての開口領域53b内に配置される部分のアレイ基板1に、重なるものの、スペーサ部7の端部72が、平面視において、補助配線6と重なっている。したがって、スペーサ部7が補助配線6により支持されるため、平面視において、開口領域53b内に配置される部分のアレイ基板1の表面1aとスペーサ部7との間には、依然として間隔が設けられるものとなって両者は接触しない。
【0078】
そのため、外部から力が加わることなどによりアレイ基板1または対向基板3が撓み、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向にずれた場合でも、平面視において、補助配線6とスペーサ部7とが重なった状態が維持される。これにより、平面視において、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7が近接することを防止または抑制し、表面1aに形成された配向膜21などに損傷が与えられることを防止または抑制することができる。
【0079】
ここで、アレイ基板1に対して対向基板3がY軸方向における片側に最もずれたときの最大ずれ量を最大ずれ量SH1とするとき、好適には、Y軸方向におけるスペーサ部7の長さLN1は、下記式(1)
LN1>SH1+WD2 (1)
を満たす。また、より好適には、長さLN1は、最大ずれ量SH1の2倍よりも長い。さらに好適には、延在部51の幅をWD3とするとき、長さLN1は、下記式(2)
LN1>2SH1+WD3 (2)
を満たす。これらの場合、アレイ基板1に対して対向基板3がY軸方向にずれた場合に、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7が近接することを、長さLN1が長くなるほど、より確実に防止することができる。
【0080】
すなわち、本実施の形態1では、製造工程時または使用時に、アレイ基板1と対向基板3とが互いに横方向にずれることを予め想定した上で、アレイ基板1と対向基板3とが互いに横方向にずれた場合でも、アレイ基板1の表面1aにスペーサ部7が近接することを防止または抑制するものである(以下、各実施の形態においても同様)。
【0081】
上記特許文献1に記載された技術では、液晶表示装置は、アレイ基板の表面から突出して設けられた凸部を有する。また、アレイ基板と対向基板とが、対向基板に設けられたスペーサ部と、アレイ基板に設けられた凸部とを介して対向配置されている。
【0082】
しかし、上記特許文献1に記載された技術では、アレイ基板の表面に凸部を形成するために、ソース線を覆うように形成された有機絶縁膜をハーフ露光した後、現像を行うことにより、凸部となる部分を残して有機絶縁膜をハーフエッチングする必要がある。そのため、凸部を設けるための露光回数が増加するなどして、製造工程数が増大する。
【0083】
あるいは、上記特許文献1に記載された技術では、アレイ基板の表面に凸部を形成するために、ソース線を覆うように形成された有機絶縁膜上に、有機絶縁膜とは別の膜を凸部として形成する必要がある。そのため、凸部を設けるための膜を形成する回数が増加するなどして、製造工程数が増大する。
【0084】
一方、本実施の形態1では、共通電極18と電気的に接続される補助配線6が、アレイ基板1の表面1aから突出して設けられる。すなわち、補助配線6が、対向基板3に設けられたスペーサ部7を支持する凸部として兼用される。したがって、凸部を設けるための工程を個別に行う必要がないので、上記特許文献1に記載された技術に比べ、液晶表示装置の製造工程数を削減することができる(以下、本実施の形態1の各変形例においても同様)。
【0085】
また、補助配線6は、金属膜からなるため、上記特許文献1に記載された技術において、アレイ基板1の表面1aに設けられる凸部が有機膜からなる場合に比べ、凸部の厚さや幅の精度が向上し、凸部の硬さも増加する。そのため、上記特許文献1に記載された技術に比べ、アレイ基板1の表面1aと対向基板3の表面3aとの間隔をより正確に維持することができる(以下、本実施の形態1の各変形例においても同様)。
【0086】
また、上記特許文献2に記載された技術では、TFT基板または対向基板が外部から押し圧力を受けた場合に、対向基板に設けられた柱状スペーサの先端が、TFT基板に設けられたバス電極および突起用ITOからなるストッパーに食い込むことにより、柱状スペーサの横方向への動きを防止する。
【0087】
すなわち、上記特許文献2に記載された技術では、柱状スペーサにバス電極および突起用ITOからなるストッパーが食い込むものとなるので、基板間のずれを許容するものではない。したがって、TFT基板と対向基板とが互いに横方向にずれてしまうような外力が作用する場合、当該ずれを許容しないためにストッパーと柱状スペーサ間との間に大きな応力が作用し、それによって当該ストッパーと柱状スペーサの当接部及びその周囲が損傷し、それによって当該箇所の透過率が大幅に低下してしまう恐れがある。
【0088】
一方、本実施の形態1では、補助配線6とスペーサ部7とは、外力等によりスペーサ部7がわずかに横方向へ動くことを許容し、そのように動いた場合でも、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aに、スペーサ部7が近接することを、防止するためのものである。そのため、スペーサ部7は、補助配線6が延在するX軸方向と交差するY軸方向に長手を有する形状を有する。すなわちY軸方向におけるスペーサ部7の長さLN1は、X軸方向におけるスペーサ部7の幅WD1よりも長い。
【0089】
これにより、アレイ基板1に対して対向基板3がX軸方向にずれた場合には、X軸方向におけるスペーサ部7の幅WD1が細い場合でも、補助配線6のうち、本来スペーサ部7を支持する部分とX軸方向で異なる位置に位置する部分により、スペーサ部7の中央部が支持される。また、アレイ基板1に対して対向基板3がY軸方向にずれた場合には、Y軸方向における補助配線6の幅WD2が細い場合でも、スペーサ部7のY軸方向における端部が、補助配線6のうち、本来スペーサ部7を支持する部分により、支持される。
【0090】
したがって、アレイ基板1と対向基板3とが互いに横方向にずれた場合でも、スペーサ部7の幅WD1、および、補助配線の幅WD2を広くすることなく、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aに、スペーサ部7が近接することを、防止または抑制することができる。したがって、上記特許文献2に記載された技術に比べ、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7が近接することを防止または抑制する効果を、増加させることができる(以下、本実施の形態1の各変形例においても同様)。
【0091】
また、スペーサ部7に補助配線6が食い込まないため、外力が除去されたのちは、アレイ基板1に対して対向基板3とは、アレイ基板1と対向基板3とが互いに横方向にずれる前の状態に戻る。すなわち、例えばスペーサ部7の中央部が、補助配線6のうち、本来スペーサ部7を支持する部分により、支持される状態に戻る。
【0092】
なお、前述したように、ゲート配線11とソース配線13とが交差する交差部に設けられるTFT16などを覆うため、Y軸方向における延在部51の幅は、X軸方向における延在部52の幅よりも広い。言い換えれば、X軸方向における延在部52の幅は、Y軸方向における延在部51の幅よりも狭い。したがって、X軸方向におけるスペーサ部7の幅WD1が、X軸方向における延在部52の幅と、略同程度の広さになることがある。
【0093】
このような場合、好適には、遮光部5は、
図1および
図2に示すように、スペーサ部7を遮光するスペーサ部用遮光部54を含む。また、スペーサ部7は、平面視において、スペーサ部用遮光部54が設けられた領域内に配置されている。具体的には、X軸方向におけるスペーサ部用遮光部54の幅は、X軸方向における延在部52の幅、および、X軸方向におけるスペーサ部7の幅WD1のいずれよりも広い。これにより、平面視において、スペーサ部用遮光部54により、スペーサ部7全体を覆うことができる。
【0094】
また、液晶表示装置においては、複数の画素がマトリクス状に配置され、画像を表示する表示領域のうち、遮光部に形成された開口領域の面積比率、すなわち開口率を向上させることが、表示される画像の輝度を向上させる観点で、重要である。特に、スマートフォンまたはタブレット端末などの電子機器で用いられる中小型の液晶表示装置においては、画素が高精細化されることにより高い開口率を確保することが困難になる傾向があるため、上記した開口率を向上させることが、重要である。
【0095】
本実施の形態1の液晶表示装置100では、延在部51の幅または延在部52の幅を広げることなく、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7が近接することを防止または抑制することができ、かつ、液晶表示装置100により表示される画像の輝度を容易に向上させることができる。そして、画素が高精細化されることにより高い開口率を確保することがより困難な中小型の液晶表示装置に本実施の形態1の液晶表示装置100を適用した場合、液晶表示装置により表示される画像の輝度を容易に向上させる効果がさらに大きくなる(以下、各実施の形態においても同様)。
【0096】
<補助配線およびスペーサ部の配置の第1変形例>
次に、
図5を参照し、本実施の形態1の液晶表示装置の補助配線およびスペーサ部の配置の第1変形例について説明する。
【0097】
図5は、実施の形態1の液晶表示装置の第1変形例を示す平面図である。なお、
図5では、対向基板3のうち、遮光部5およびスペーサ部7a以外の部分、ならびに、液晶層4を除去して透視した状態を示し、アレイ基板1のうち一部の図示を省略している。
【0098】
本第1変形例の液晶表示装置110でも、実施の形態1の液晶表示装置100と同様に、共通電極18は、平面視において、例えばX軸方向に配列された複数のサブ画素SPixの各々と重なるように、連続して一体に設けられている。したがって、本第1変形例でも、実施の形態1と同様に、共通電極18は、平面視において、例えばX軸方向に配列された複数の画素電極20の各々と重なるように、設けられており、X軸方向に延在する。
【0099】
また、本第1変形例では、複数の補助配線6としての複数の補助配線6aが、平面視において、複数の延在部51の各々が設けられた領域とそれぞれ重なるように、設けられている。複数の補助配線6aは、例えば複数の共通電極18の各々とそれぞれ電気的に接続されている。
【0100】
本第1変形例では、複数の補助配線6aの各々は、補助配線61aと、複数の補助配線62aとを含む。以下では、複数の補助配線6aのうち、平面視においてスペーサ部7aと交差するように配置された補助配線6aについて説明する。
【0101】
補助配線61aは、実施の形態1の補助配線6と同様に、平面視において、複数の延在部51のいずれかの延在部51が設けられた領域内に配置されており、X軸方向に延在する。また、
図3に示した補助配線6と同様に、補助配線61aは、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側に突出して設けられている。
【0102】
一方、複数の補助配線62aは、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置されており、Y軸方向に延在する。
図3に示した補助配線6と同様に、複数の補助配線62aは、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側にそれぞれ突出して設けられている。また、複数の補助配線62aは、平面視において、当該いずれかの延在部51と複数の延在部52の各々とが交差する交差領域で、補助配線61aとそれぞれ交差するように配置されている。
【0103】
一方、本第1変形例では、スペーサ部7としてのスペーサ部7aが設けられている。本第1変形例では、実施の形態1と異なり、スペーサ部7aは、平面視において、X軸方向に長手を有する形状、例えば楕円形状または長方形状を有する。すなわち、平面視において、X軸方向におけるスペーサ部7aの長さLN1が、Y軸方向におけるスペーサ部7aの幅WD1よりも長い。補助配線61aは、平面視において、当該いずれかの延在部51と、複数の延在部52のいずれかの延在部52とが交差する交差領域CR1で、複数の補助配線62aのいずれかの補助配線62aと交差するように、配置され、かつ、X軸方向に延在する。そして、スペーサ部7aは、平面視において、交差領域CR1で、当該いずれかの補助配線62aと交差するように、配置されている。したがって、X軸方向におけるスペーサ部7aの長さLN1は、X軸方向における補助配線62aの幅WD2よりも長い。
【0104】
なお、スペーサ部7aは、
図3に示したスペーサ部7と同様に、対向基板3の表面3aからアレイ基板1側に突出して設けられている。また、スペーサ部7aは、平面視において、当該いずれかの延在部51が設けられた領域内に配置されている。
【0105】
図5に示すように、例えば、スペーサ部7aが、本来の位置から斜め方向DR1にずれた場合でも、平面視において、スペーサ部7aの端部71が、補助配線62aと重なっているため、平面視において、開口領域53a内に配置される部分のアレイ基板1の表面1aには、スペーサ部7aは近接しない。また、例えば、スペーサ部7aが、本来の位置から斜め方向DR2にずれた場合でも、平面視において、スペーサ部7aの端部72が、補助配線62aと重なっているため、平面視において、開口領域53b内に配置される部分のアレイ基板1の表面1aには、スペーサ部7aは近接しない。
【0106】
そのため、外部から力が加わることなどによりアレイ基板1または対向基板3が撓み、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向にずれた場合でも、平面視において、補助配線62aとスペーサ部7aとが重なった状態が維持される。これにより、平面視において、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7aが近接することを防止または抑制し、表面1aに形成された配向膜21などに損傷が与えられることを防止または抑制することができる。
【0107】
また、本第1変形例では、実施の形態1と異なり、スペーサ部7aが、X軸方向に延在する。また、本第1変形例では、実施の形態1と異なり、延在部52の幅よりも広い幅を有する延在部51が設けられた領域内に、スペーサ部7aが配置される。したがって、実施の形態1に比べ、延在部51の幅と、Y軸方向におけるスペーサ部7aの幅WD1との差が大きいので、スペーサ部7aを形成するための露光方法などの製造条件により、幅WD1の形状精度が得られない場合に、スペーサ部用遮光部を設ける必要がない。したがって、実施の形態1に比べ、表示領域における開口率を向上させることができる(以下、実施の形態1の各変形例、および、実施の形態2以降の各実施の形態においても同様)。
【0108】
<補助配線およびスペーサ部の配置の第2変形例>
次に、
図6を参照し、本実施の形態1の液晶表示装置の補助配線およびスペーサ部の配置の第2変形例について説明する。
【0109】
図6は、実施の形態1の液晶表示装置の第2変形例を示す平面図である。なお、
図6では、対向基板3のうち、遮光部5およびスペーサ部7b以外の部分、ならびに、液晶層4を除去して透視した状態を示し、アレイ基板1のうち一部の図示を省略している。
【0110】
本第2変形例の液晶表示装置120では、共通電極18は、平面視において、例えばX軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列された複数のサブ画素SPixの各々と重なるように、連続して一体に設けられている。したがって、共通電極18は、平面視において、例えばX軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列された複数の画素電極20の各々と重なるように、設けられている。
【0111】
本第2変形例では、平面視において、複数の延在部51の各々が設けられた領域内に、それぞれ補助配線61bが配置されており、複数の延在部52の各々が設けられた領域内に、補助配線6としての補助配線6bが、それぞれ配置されている。すなわち、複数の補助配線61bは、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に間隔を空けて配置されている。また、複数の補助配線6bは、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に間隔を空けて配置されている。そして、複数の補助配線61bおよび複数の補助配線6bは、共通電極18とそれぞれ電気的に接続されている。
【0112】
図3に示した補助配線6と同様に、複数の補助配線61bは、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側にそれぞれ突出して設けられている。また、
図3に示した補助配線6と同様に、複数の補助配線6bは、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側にそれぞれ突出して設けられている。また、複数の補助配線61bの各々は、平面視において、複数の延在部51と複数の延在部52とが交差する複数の交差領域の各々で、複数の補助配線6bの各々とそれぞれ交差するように配置されている。
【0113】
一方、本第2変形例では、スペーサ部7としてのスペーサ部7bが設けられている。実施の形態1の第1変形例と同様に、スペーサ部7bは、平面視において、X軸方向に長手を有する形状、例えば楕円形状または長方形状を有する。すなわち、平面視において、X軸方向におけるスペーサ部7bの長さLN1が、Y軸方向におけるスペーサ部7bの幅WD1よりも長い。複数の補助配線61bのいずれかの補助配線61bは、平面視において、複数の延在部51のいずれかの延在部51と、複数の延在部52のいずれかの延在部52とが交差する交差領域CR1で、複数の補助配線6bのいずれかの補助配線6bと交差するように、配置され、かつ、X軸方向に延在する。そして、スペーサ部7bは、平面視において、交差領域CR1で、当該いずれかの補助配線6bと交差するように、配置されている。したがって、X軸方向におけるスペーサ部7bの長さLN1は、X軸方向における補助配線6bの幅WD2よりも長い。
【0114】
なお、スペーサ部7bは、
図3に示したスペーサ部7と同様に、対向基板3の表面3aからアレイ基板1側に突出して設けられている。また、スペーサ部7bは、平面視において、当該いずれかの延在部51が設けられた領域内に配置されている。
【0115】
図6に示すように、例えば、スペーサ部7bが、本来の位置から斜め方向DR1にずれた場合でも、平面視において、スペーサ部7bの端部71が、補助配線6bと重なっているため、平面視において、開口領域53a内に配置される部分のアレイ基板1の表面1aには、スペーサ部7bは近接しない。また、例えば、スペーサ部7bが、斜め方向DR2にずれた場合でも、平面視において、スペーサ部7bの端部72が、補助配線6bと重なっているため、平面視において、開口領域53b内に配置される部分のアレイ基板1の表面1aには、スペーサ部7bは近接しない。
【0116】
そのため、外部から力が加わることなどによりアレイ基板1または対向基板3が撓み、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向にずれた場合でも、平面視において、補助配線6bとスペーサ部7bとが重なった状態が維持される。これにより、平面視において、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7bが近接することを防止または抑制し、表面1aに形成された配向膜21などに損傷が与えられることを防止または抑制することができる。
【0117】
なお、本第2変形例では、実施の形態1および実施の形態1の第1変形例と異なり、各開口領域53すなわち各サブ画素SPixが、全周に亘って、補助配線61bおよび補助配線6bにより囲まれる場合がある。すなわち、本第2変形例では、隣り合う2つのサブ画素SPixの間に位置する部分のアレイ基板1の表面1aに必ず凸部が形成される場合がある。このような場合、配向膜21を例えば塗布法により形成する際に、各サブ画素SPixの内部で、配向膜21の原料としての塗布液を均一に塗布できないおそれがある。または、各サブ画素SPixの内部で、配向膜21のラビング処理を均一に行うことができないおそれがある。
【0118】
したがって、本第2変形例では、Y軸方向に配列された複数の延在部51のうち、1個おき、または、複数個おきに、補助配線61bが設けられてもよい。あるいは、本第2変形例では、X軸方向に配列された複数の延在部52のうち、1個おき、または、複数個おきに、補助配線6bが設けられてもよい。
【0119】
<補助配線およびスペーサ部の配置の第3変形例>
次に、
図7を参照し、本実施の形態1の液晶表示装置の補助配線およびスペーサ部の配置の第3変形例について説明する。
【0120】
図7は、実施の形態1の液晶表示装置の第3変形例を示す平面図である。なお、
図7では、対向基板3のうち、遮光部5およびスペーサ部7c以外の部分、ならびに、液晶層4を除去して透視した状態を示し、アレイ基板1のうち一部の図示を省略している。
【0121】
本第3変形例の液晶表示装置130では、共通電極18は、平面視において、例えばY軸方向に配列された複数のサブ画素SPixの各々と重なるように、連続して一体に設けられている。したがって、本第3変形例では、実施の形態1と異なり、共通電極18は、平面視において、例えばY軸方向に配列された複数の画素電極20の各々と重なるように、設けられており、Y軸方向に延在する。
【0122】
本第3変形例では、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内に、補助配線6としての補助配線6cが、それぞれ配置されている。すなわち、複数の補助配線6cは、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に間隔を空けて配置されている。複数の補助配線6cは、例えば複数の共通電極18のいずれかとそれぞれ電気的に接続されている。また、
図3に示した補助配線6と同様に、複数の補助配線6cは、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側にそれぞれ突出して設けられている。
【0123】
本第3変形例では、スペーサ部7としてのスペーサ部7cが設けられている。実施の形態1の第1変形例と同様に、スペーサ部7cは、平面視において、X軸方向に長手を有する形状、例えば楕円形状または長方形状を有する。すなわち、平面視において、X軸方向におけるスペーサ部7cの長さLN1が、Y軸方向におけるスペーサ部7cの幅WD1よりも長い。そして、スペーサ部7cは、平面視において、複数の延在部51のいずれかの延在部51と、複数の延在部52のいずれかの延在部52とが交差する交差領域CR1で、複数の補助配線6cのいずれかの補助配線6cと交差するように、配置されている。したがって、X軸方向におけるスペーサ部7cの長さLN1は、X軸方向における補助配線6cの幅WD2よりも長い。
【0124】
なお、スペーサ部7cは、
図3に示したスペーサ部7と同様に、対向基板3の表面3aからアレイ基板1側に突出して設けられている。また、スペーサ部7cは、平面視において、当該いずれかの延在部51が設けられた領域内に配置されている。
【0125】
図7に示すように、例えば、スペーサ部7cが、本来の位置から斜め方向DR1にずれた場合でも、平面視において、スペーサ部7cの端部71が、補助配線6cと重なっているため、平面視において、開口領域53a内に配置される部分のアレイ基板1の表面1aには、スペーサ部7cは近接しない。また、例えば、スペーサ部7cが、斜め方向DR2にずれた場合でも、平面視において、スペーサ部7cの端部72が、補助配線6cと重なっているため、平面視において、開口領域53b内に配置される部分のアレイ基板1の表面1aには、スペーサ部7cは近接しない。
【0126】
そのため、外部から力が加わることなどによりアレイ基板1または対向基板3が撓み、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向にずれた場合でも、平面視において、補助配線6cとスペーサ部7cとが重なった状態が維持される。これにより、平面視において、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7cが近接することを防止または抑制し、表面1aに形成された配向膜21などに損傷が与えられることを防止または抑制することができる。
【0127】
本第3変形例における補助配線6cとスペーサ部7cとの配置は、入力装置としてのタッチパネルを備えた液晶表示装置、すなわち駆動電極と検出電極とを備えたタッチ検出機能付き液晶表示装置にも適用可能である。以下では、本第3変形例における補助配線6cとスペーサ部7cとの配置を、タッチパネルを内蔵した液晶表示装置、すなわちインセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した例について説明する。
【0128】
まず、
図8および
図9を参照し、タッチ検出の原理について説明する。
図8は、タッチパネルに指が接触および近接した状態を表す説明図である。
図9は、タッチパネルに指が接触および近接した状態の等価回路の例を示す説明図である。
【0129】
図8に示すように、静電容量型タッチ検出においては、入力装置としてのタッチパネルは、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された駆動電極E1および検出電極E2を有する。これらの駆動電極E1および検出電極E2により容量素子C1が形成されている。
図9に示すように、容量素子C1の一端は、駆動信号源である交流信号源Sに接続され、容量素子C1の他端は、電圧検出器DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば積分回路からなる。
【0130】
交流信号源Sから容量素子C1の一端、すなわち駆動電極E1に、例えば数kHz〜数百kHz程度の周波数を有する交流矩形波Sgが印加されると、容量素子C1の他端、すなわち検出電極E2側に接続された電圧検出器DETを介して、出力波形である検出信号Vdetが発生する。
【0131】
指が接触および近接していない状態、すなわち非接触状態では、
図9に示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I
1が流れる。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I
1の変動を、電圧の変動に変換する。
【0132】
一方、指が接触または近接した状態、すなわち接触状態では、指によって形成される静電容量C2の影響を受け、駆動電極E1および検出電極E2により形成される容量素子C1の容量値が小さくなる。そのため、
図9に示す容量素子C1に流れる電流I
1が変動する。前述したように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I
1の変動を、電圧の変動に変換する。この電圧の変動分の絶対値が、例えばあらかじめ定められた基準値よりも大きいか否かを判定することにより、タッチ検出デバイスに指が接触または近接したか否かを判定する。
【0133】
図10は、駆動電極および検出電極の一例を示す斜視図である。
図10に示すように、本第3変形例の液晶表示装置130をタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した場合、液晶表示装置130は、複数の駆動電極22と複数の検出電極23とを有する。
【0134】
なお、駆動電極22は、
図8に示した駆動電極E1に対応するものであり、
図7に示した共通電極18に対応するものである。検出電極23は、
図8に示した検出電極E2に対応するものであり、
図7では二点鎖線により図示されている。
【0135】
図10に示すように、複数の検出電極23は、平面視において、複数の駆動電極22の各々が延在する方向と交差する方向にそれぞれ延在する。複数の検出電極23の各々は、アレイ基板1の表面1aに垂直な方向において、駆動電極22と対向している。複数の駆動電極22と複数の検出電極23とが交差する複数の交差部の各々には、静電容量が発生する。そして、複数の駆動電極22の各々と複数の検出電極23の各々との間の静電容量に基づいて、入力位置が検出される。
【0136】
本第3変形例の液晶表示装置130では、共通電極18が画像表示にもタッチ検出にも用いられるため、1フレーム期間が、表示期間とタッチ検出期間とに分割されている。表示期間においては、画素電極20に電圧が印加されることにより、共通電極18と画素電極20との間に電界が形成され、当該形成された電界によって、液晶層4における液晶の配向が変化する。これにより、液晶層4における光の透過率が変化して画像が表示される。
【0137】
一方、タッチ検出期間においては、駆動電極22としての共通電極18にタッチ検出信号としての交流矩形波Sg(
図8参照)が印加され、駆動電極22としての共通電極18と、検出電極23との間の静電容量の変化により、タッチ検出デバイスに指が接触または近接したか否かを検出する。具体的には、例えば、タッチ検出期間においてタッチ検出動作を行う際、駆動電極ドライバ(図示は省略)により、スキャン方向Scanに1つの検出ブロックが順次選択される。そして、選択された検出ブロックにおいて、駆動電極22には、駆動電極22と検出電極23との間の静電容量を測定するための駆動信号Vcomが入力され、検出電極23から、入力位置を検出するための検出信号Vdetが出力される。
【0138】
本第3変形例において、液晶表示装置130を、上記したようなタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した場合、当該タッチ検出機能付き液晶表示装置は、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列された複数の共通電極18を有する。この場合、共通電極18は、駆動電極22であり、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に間隔を空けて配置された複数の補助配線6cは、いずれかの駆動電極22と電気的に接続される。
【0139】
また、当該タッチ検出機能付き液晶表示装置は、
図7に示すように、複数の共通電極18の各々が延在する方向であるY軸方向と交差するX軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に間隔を空けて配置された複数の検出電極23を有する。隣り合う2つの検出電極23の間には、スリット23aが形成されている。検出電極23は、例えば対向基板3の表面1aと反対側、すなわち透明基板30の裏面30b(
図3参照)上に設けられている。複数の検出電極23の各々は、例えばITOまたはIZO等の透明導電性材料からなるものでもよい。あるいは、複数の検出電極23の各々は、例えばアルミニウム(Al)またはモリブデン(Mo)等の不透明な金属からなるものでもよい。
【0140】
(実施の形態2)
実施の形態1の液晶表示装置では、アレイ基板と対向基板とが、共通電極と電気的に接続された補助配線と、スペーサ部とを介して、互いに対向配置されていた。一方、実施の形態2の液晶表示装置では、アレイ基板と対向基板とが、入力位置を検出する検出電極と、スペーサ部とを介して、互いに対向配置されている。すなわち、実施の形態2の液晶表示装置は、入力装置としてのタッチパネルを備えた液晶表示装置である。
【0141】
なお、実施の形態2では、入力装置としてのタッチパネルを備えた液晶表示装置を、タッチパネルを内蔵した液晶表示装置、すなわちインセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した例について説明する。
【0142】
なお、本実施の形態2の液晶表示装置におけるタッチ検出の原理については、実施の形態1の第3変形例において、
図8および
図9を用いて説明したタッチ検出の原理と同様である。
【0143】
<液晶表示装置>
次に、
図11〜
図14を参照し、本実施の形態2の液晶表示装置140の概略の構成について説明する。
【0144】
図11および
図12は、実施の形態2の液晶表示装置の一例を示す平面図である。
図13は、実施の形態2の液晶表示装置の一例を示す断面図である。
図14は、実施の形態2の液晶表示装置の他の例を示す断面図である。
図13および
図14は、
図11のA−A線に沿った断面図である。なお、
図11および
図12では、対向基板3のうち、遮光部5およびスペーサ部7d以外の部分、ならびに、液晶層4を除去して透視した状態を示し、アレイ基板1のうち一部の図示を省略している。
【0145】
図11〜
図13に示すように、本実施の形態2の液晶表示装置140は、実施の形態1の液晶表示装置100と同様に、アレイ基板1と、対向基板3と、液晶層4と、を有する。また、本実施の形態2の液晶表示装置140は、遮光部5を有する。遮光部5は、実施の形態1における遮光部5と同様に、複数の延在部51と複数の延在部52とを含む。また、本実施の形態2の液晶表示装置140は、複数のサブ画素SPixを有する。複数のサブ画素SPixは、実施の形態1における複数のサブ画素SPixと同様に、複数の延在部51と複数の延在部52とにより区画された複数の開口領域53の各々に、それぞれ設けられている。
【0146】
アレイ基板1は、基体として、透明基板10を有する。本実施の形態2における透明基板10は、実施の形態1における透明基板10と同様に、表面10aおよび裏面10bを有する。
【0147】
透明基板10の表面10a上には、実施の形態1と同様に、複数のゲート配線11が設けられている。複数のゲート配線11は、平面視において、複数の延在部51の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置されており、X軸方向にそれぞれ延在する。ゲート配線11からは、ゲート電極11aが延設されている。
【0148】
本実施の形態2では、実施の形態1と異なり、透明基板10の表面10a上には、複数の駆動電極22が設けられている。複数の駆動電極22は、平面視において、複数の延在部51の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置されており、X軸方向にそれぞれ延在する。複数の駆動電極22の各々は、例えばアルミニウム(Al)またはモリブデン(Mo)等の不透明な金属からなる。
【0149】
なお、
図11および
図12に示すように、駆動電極22は、複数の延在部51の各々が設けられた領域全ての内部に設けられていなくてもよく、1個おきまたは複数個おきに設けられていてもよい。すなわち、駆動電極22は、複数の延在部51のいずれかの延在部51が設けられた領域内に設けられていればよい。
【0150】
ゲート配線11およびゲート電極11aを覆うように、実施の形態1と同様に、ゲート絶縁膜としての絶縁膜12が設けられている。ただし、本実施の形態2では、絶縁膜12は、ゲート配線11およびゲート電極11aに加え、駆動電極22も覆うように、設けられている。
【0151】
絶縁膜12上には、実施の形態1と同様に、複数のソース配線13が設けられている。複数のソース配線13は、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置されており、Y軸方向にそれぞれ延在する。ソース配線13からは、ソース電極13aが延設されている。
【0152】
平面視において、ゲート電極11aと重なる部分の絶縁膜12上には、実施の形態1と同様に、半導体層14が設けられている。前述したソース電極13aは、半導体層14の一部と接触している。また、絶縁膜12上には、実施の形態1と同様に、ソース配線13およびソース電極13aと同一の材料からなるドレイン電極15が設けられている。ドレイン電極15は、ソース電極13aと近接配置されており、半導体層14と部分的に接触している。
【0153】
このようにして、実施の形態1と同様に、複数のゲート配線11と、複数のソース配線13とが交差する複数の交差部の各々に、それぞれTFT16が配置されることにより、複数のTFT16が設けられている。さらに、実施の形態1と同様に、複数のソース配線13、複数のTFT16、および、絶縁膜12の露出した部分を覆うように、層間樹脂膜17が設けられている。
【0154】
層間樹脂膜17上には、実施の形態1と同様に、共通電極18が設けられている。共通電極18は、平面視において、複数のサブ画素SPixの各々と重なるように、連続して一体に設けられている。
図12では図示は省略するが、共通電極18は、平面視において、例えばY軸方向に配列された複数のサブ画素SPixの各々と重なるように、連続して一体に設けられていてもよい。このとき、共通電極18は、平面視において、例えばY軸方向に配列された複数の画素電極20の各々と重なるように、設けられており、Y軸方向に延在する。
【0155】
また、層間樹脂膜17上には、複数の検出電極23が設けられている。すなわち、複数の検出電極23は、アレイ基板1の表面1a側に設けられている。複数の検出電極23の各々は、金属膜からなり、この金属膜は、例えばアルミニウム(Al)またはモリブデン(Mo)等の不透明な金属からなる。
【0156】
複数の検出電極23は、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置され、かつ、Y軸方向にそれぞれ延在する。また、複数の検出電極23は、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側にそれぞれ突出して設けられている。アレイ基板1の表面1aとは、補助配線6dが設けられていない部分の透明基板10の表面10a側に設けられた配向膜21の表面を意味する。
【0157】
なお、検出電極23は、複数の延在部52の各々が設けられた領域全ての内部に設けられていなくてもよく、
図11および
図12に示すように、1個おきまたは複数個おきに設けられていてもよい。すなわち、検出電極23は、複数の延在部52のいずれかの延在部52が設けられた領域内に設けられていればよい。
【0158】
図13に示す例では、共通電極18は、検出電極23上に設けられている。そのため、検出電極23は、共通電極18と電気的に接続されている。検出電極23は、共通電極18に含まれる例えばITOまたはIZO等の透明導電性材料の電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有する。したがって、検出電極23を共通電極18と電気的に接続することにより、共通電極18の電気抵抗を低減することができ、例えば時定数を短くすることができるなど、液晶表示装置の性能を向上させることができる。
【0159】
共通電極18を覆うように、実施の形態1と同様に、電極間絶縁膜19が設けられている。
【0160】
電極間絶縁膜19上には、実施の形態1と同様に、複数の画素電極20が設けられている。複数の画素電極20の各々は、例えばITOまたはIZO等の透明導電性材料からなる。複数の画素電極20は、平面視において、複数のサブ画素SPixの各々の内部で、アレイ基板1の表面1a側にそれぞれ設けられている。したがって、共通電極18は、平面視において、例えばX軸方向に配列された複数の画素電極20の各々と重なるように、設けられている。そして、複数のサブ画素SPixの各々の内部で、共通電極18と画素電極20とは、電極間絶縁膜19を介して対向している。
【0161】
また、電極間絶縁膜19は、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内では、共通電極18を介して検出電極23を覆うように、設けられている。
【0162】
なお、
図13に示す例では、共通電極18の上方に画素電極20が設けられているが、画素電極20の上方に共通電極18が設けられていてもよい。このような例を、
図14に示す。
図14に示す例では、共通電極18には開口部18aが形成されている。また、
図14に示す例では、検出電極23は、共通電極18上に設けられている。すなわち、共通電極18は、検出電極23の下に設けられていてもよい。
【0163】
また、画素電極20、および、電極間絶縁膜19の露出した部分を覆うように、実施の形態1と同様に、配向膜21が設けられている。
【0164】
一方、対向基板3は、例えば実施の形態1における対向基板3と同様にすることができる。すなわち、対向基板3は、基体として、透明基板30を有する。透明基板30は、表面30aおよび裏面30bを有する。透明基板30の表面30a上には、遮光部5およびカラーフィルタ層32が設けられている。遮光部5およびカラーフィルタ層32を覆うように、オーバーコート層33が設けられている。オーバーコート層33上には、スペーサ部7としてのスペーサ部7dが、設けられている。スペーサ部7dおよびオーバーコート層33を覆うように、配向膜35が設けられている。
【0165】
このようなアレイ基板1と対向基板3とは、検出電極23およびスペーサ部7dを介して、互いに対向するように配置、すなわち対向配置されている。また、実施の形態1と同様に、対向配置されたアレイ基板1と対向基板3との間には、液晶層4が充填されている。
【0166】
上述の構成により、実施の形態1と同様に、各サブ画素SPixでは、TFT16がオン状態になると、複数の画素電極20の各々に電圧が印加されることにより、共通電極18と各画素電極20との間に電界が形成され、当該形成された電界によって、液晶層4における液晶の配向が変化する。これにより、液晶層4における光の透過率が変化して画像が表示される。
【0167】
一方、実施の形態1の第3変形例で
図10に示したのと同様に、本実施の形態2の液晶表示装置140は、複数の駆動電極22と複数の検出電極23とを有する。複数の検出電極23は、平面視において、複数の駆動電極22の各々が延在する方向と交差する方向にそれぞれ延在する。複数の検出電極23の各々は、アレイ基板1の表面1aに垂直な方向において、駆動電極22と対向している。複数の駆動電極22と複数の検出電極23とが交差する複数の交差部の各々には、静電容量が発生する。そして、複数の駆動電極22の各々と複数の検出電極23の各々との間の静電容量に基づいて、入力位置が検出される。
【0168】
なお、本実施の形態2では、
図12に示すように、平面視において、複数の延在部51の各々が設けられた領域内に、補助配線6としての補助配線6dが、それぞれ配置されていてもよい。複数の補助配線6dは、例えば複数の共通電極18の各々と電気的にそれぞれ接続されている。補助配線6dは、共通電極18に含まれる例えばITOまたはIZO等の透明導電性材料の電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有する。したがって、補助配線6dを共通電極18と電気的に接続することにより、共通電極18の電気抵抗を低減することができ、例えば時定数を短くすることができるなど、液晶表示装置の性能を向上させることができる。
【0169】
このような場合、好適には、補助配線6dは、検出電極23に含まれる導体膜と同層に形成された導体膜からなる。これにより、補助配線6dを、検出電極23を形成する工程と同一の工程により形成することができるので、液晶表示装置の製造工程数を削減することができる。
【0170】
あるいは、駆動電極22がゲート配線11と別個に設けられず、ゲート配線11のみが設けられ、ゲート配線11が接続される回路を、表示用の回路と検出用の回路との間で切り替えることにより、ゲート配線11が駆動電極22として兼用されることもできる。このとき、ゲート配線11と検出電極23との間の静電容量に基づいて、入力位置が検出される。
【0171】
<検出電極およびスペーサ部の配置>
次に、
図11〜
図13を参照し、本実施の形態2の液晶表示装置における検出電極およびスペーサ部の配置、ならびに、その効果について説明する。
【0172】
前述したように、検出電極23は、平面視において、複数の延在部52のいずれかの延在部52が設けられた領域内に配置されており、Y軸方向に延在する。検出電極23は、共通電極18と電気的に接続されている。また、検出電極23は、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側に突出して設けられている。
【0173】
一方、スペーサ部7dは、平面視において、X軸方向に長手を有する形状、例えば楕円形状または長方形状を有する。すなわち、平面視において、X軸方向におけるスペーサ部7dの長さLN1が、Y軸方向におけるスペーサ部7dの幅WD1よりも長い。そして、スペーサ部7dは、平面視において、当該いずれかの延在部52と、複数の延在部51のいずれかの延在部51とが交差する交差領域CR1で、検出電極23と交差するように、配置されている。したがって、X軸方向におけるスペーサ部7dの長さLN1は、X軸方向における検出電極23の幅WD2よりも長い。
【0174】
なお、本実施の形態2でも、実施の形態1と同様に、スペーサ部7dは、対向基板3の表面3aからアレイ基板1側に突出して設けられている。また、スペーサ部7dは、平面視において、当該いずれかの延在部51が設けられた領域内に配置されている。
【0175】
図12に示すように、例えば、スペーサ部7dが、本来の位置から斜め方向DR1にずれた場合でも、平面視において、スペーサ部7dの端部71が、検出電極23と重なっているため、平面視において、開口領域53a内に配置される部分のアレイ基板1の表面1aには、スペーサ部7dは近接しない。また、例えば、スペーサ部7dが、本来の位置から斜め方向DR2にずれた場合でも、平面視において、スペーサ部7dの端部72が、検出電極23と重なっているため、平面視において、開口領域53b内に配置される部分のアレイ基板1の表面1aには、スペーサ部7dは近接しない。
【0176】
そのため、外部から力が加わることなどによりアレイ基板1または対向基板3が撓み、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向にずれた場合でも、平面視において、検出電極23とスペーサ部7dとが重なった状態が維持される。これにより、平面視において、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7dが近接することを防止または抑制し、表面1aに形成された配向膜21などに損傷が与えられることを防止または抑制することができる。
【0177】
本実施の形態2では、実施の形態1と同様に、アレイ基板1の表面1aに凸部を設けるための工程を個別に行う必要がないので、上記特許文献1に記載された技術に比べ、液晶表示装置の製造工程数を削減することができる。また、検出電極23は、金属膜からなるため、実施の形態1と同様に、上記特許文献1に記載された技術において、アレイ基板の表面に設けられる凸部が有機膜からなる場合に比べ、アレイ基板1の表面1aと対向基板3の表面3aとの間隔をより正確に維持することができる。
【0178】
また、本実施の形態2では、実施の形態1と同様に、検出電極23とスペーサ部7dとは、スペーサ部7dが横方向へ動いた場合でも、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aに、スペーサ部7dが近接することを、防止するためのものである。そのため、X軸方向におけるスペーサ部7dの長さLN1は、Y軸方向におけるスペーサ部7dの幅WD1よりも長い。したがって、上記特許文献2に記載された技術に比べ、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7dが近接することを防止または抑制する効果を、増加させることができる。
【0179】
(実施の形態3)
実施の形態1の液晶表示装置では、サブ画素が設けられた領域内で、ゲート絶縁膜としての絶縁膜が設けられていた。一方、実施の形態3の液晶表示装置では、平面視において、サブ画素と重なる部分の絶縁膜に開口部が形成され、サブ画素と重なる部分の層間樹脂膜の上面に凹部が形成されている。
【0180】
<液晶表示装置>
次に、
図15〜
図18を参照し、本実施の形態3の液晶表示装置の概略の構成について説明する。
【0181】
図15および
図16は、実施の形態3の液晶表示装置の一例を示す平面図である。
図17は、実施の形態3の液晶表示装置の一例を示す断面図である。
図18は、実施の形態3の液晶表示装置の他の例を示す断面図である。
図17および
図18は、
図15のA−A線に沿った断面図である。なお、
図15および
図16では、対向基板3のうち、遮光部5およびスペーサ部7e以外の部分、ならびに、液晶層4を除去して透視した状態を示し、アレイ基板1のうち一部の図示を省略している。
【0182】
図15〜
図17に示すように、本実施の形態3の液晶表示装置150は、実施の形態1の液晶表示装置100と同様に、アレイ基板1と、対向基板3と、液晶層4と、を有する。また、本実施の形態3の液晶表示装置150は、遮光部5を有する。遮光部5は、実施の形態1における遮光部5と同様に、複数の延在部51と複数の延在部52とを含む。また、本実施の形態3の液晶表示装置150は、複数のサブ画素SPixを有する。複数のサブ画素SPixは、実施の形態1における複数のサブ画素SPixと同様に、複数の延在部51と複数の延在部52とにより区画された複数の開口領域53の各々に、それぞれ設けられている。
【0183】
アレイ基板1は、基体として、透明基板10を有する。本実施の形態3における透明基板10は、実施の形態1における透明基板10と同様に、表面10aおよび裏面10bを有する。
【0184】
透明基板10の表面10a上には、実施の形態1と同様に、複数のゲート配線11が設けられている。複数のゲート配線11は、平面視において、複数の延在部51の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置されており、X軸方向にそれぞれ延在する。ゲート配線11からは、ゲート電極11aが延設されている。ゲート配線11およびゲート電極11aを覆うように、実施の形態1と同様に、ゲート絶縁膜としての絶縁膜12が設けられている。
【0185】
絶縁膜12上には、実施の形態1と同様に、複数のソース配線13が設けられている。複数のソース配線13は、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置されており、Y軸方向にそれぞれ延在する。ソース配線13からは、ソース電極13aが延設されている。
【0186】
平面視において、ゲート電極11aと重なる部分の絶縁膜12上には、実施の形態1と同様に、半導体層14が設けられている。前述したソース電極13aは、半導体層14の一部と接触している。また、絶縁膜12上には、実施の形態1と同様に、ソース配線13およびソース電極13aと同一の材料からなるドレイン電極15が設けられている。ドレイン電極15は、ソース電極13aと近接配置されており、半導体層14と部分的に接触している。このようにして、実施の形態1と同様に、複数のゲート配線11と、複数のソース配線13とが交差する複数の交差部の各々に、それぞれTFT16が配置されることにより、複数のTFT16が設けられている。
【0187】
本実施の形態3では、平面視において、複数のサブ画素SPixの各々と重なる部分の絶縁膜12に、複数の開口部12aがそれぞれ設けられている。複数の開口部12aは、平面視において、複数のサブ画素SPixの各々と重なる部分の絶縁膜12をそれぞれ貫通して、透明基板10の表面10aにそれぞれ達する。絶縁膜12の膜厚を例えば1μm程度とすることができ、この場合、開口部12aの深さを例えば1μm程度とすることができる。
【0188】
さらに、複数の開口部12aの各々の内部を埋め込むように、かつ、複数のソース配線13、複数のTFT16、および、絶縁膜12の露出した部分を覆うように、層間樹脂膜17が設けられている。層間樹脂膜17は、平坦化膜であり、複数の開口部12aの各々の内部を埋め込み、複数のソース配線13、複数のTFT16、および、絶縁膜12の露出した部分を覆うとともに、複数のソース配線13、複数のTFT16および絶縁膜12の各々の上面からなる凹凸面を平坦化する。層間樹脂膜17は、例えばフォトレジスト等の透明樹脂材料からなる。
【0189】
一方、本実施の形態3では、開口部12aによる絶縁膜12の凹凸面は、層間樹脂膜17により完全には平坦化されない。したがって、複数のサブ画素SPixの各々と重なる部分の層間樹脂膜17の上面には、それぞれ凹部17aが形成される。
【0190】
前述したように、開口部12aの深さを例えば1μm程度とすることができ、この場合、凹部17aの深さを例えば0.2〜0.3μm程度とすることができる。
【0191】
層間樹脂膜17上には、実施の形態1と同様に、共通電極18が設けられている。共通電極18は、平面視において、複数のサブ画素SPixの各々と重なるように、連続して一体に設けられている。
図16では図示は省略するが、共通電極18は、
図7に示したように、平面視において、例えばY軸方向に配列された複数のサブ画素SPixの各々と重なるように、連続して一体に設けられていてもよい。このとき、共通電極18は、平面視において、例えばY軸方向に配列された複数の画素電極20の各々と重なるように、設けられており、Y軸方向に延在する。なお、複数のサブ画素SPixの各々の内部では、共通電極18は、凹部17aの底部に設けられている。
【0192】
また、層間樹脂膜17上には、複数の補助配線6としての複数の補助配線6eが設けられている。複数の補助配線6eの各々は、金属膜からなり、この金属膜は、例えばアルミニウム(Al)またはモリブデン(Mo)等の不透明な金属からなる。
【0193】
複数の補助配線6eは、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置され、かつ、Y軸方向にそれぞれ延在する。また、複数の補助配線6eは、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側にそれぞれ突出して設けられている。
【0194】
なお、
図15および
図16に示すように、補助配線6eは、複数の延在部52の各々が設けられた領域全ての内部に設けられていなくてもよく、1個おきまたは複数個おきに設けられていてもよい。すなわち、補助配線6eは、複数の延在部52のいずれかの延在部52が設けられた領域内に設けられていればよい。
【0195】
図17に示すように、複数の補助配線6eの各々は、平面視において、複数の延在部52のいずれかと重なる部分の共通電極18上に設けられている。そのため、例えば複数の補助配線6eの各々は、共通電極18と電気的に接続されている。補助配線6eは、共通電極18に含まれる例えばITOまたはIZO等の透明導電性材料の電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有する。したがって、補助配線6eを共通電極18と電気的に接続することにより、共通電極18の電気抵抗を低減することができ、例えば時定数を短くすることができるなど、液晶表示装置の性能を向上させることができる。
【0196】
共通電極18を覆うように、実施の形態1と同様に、電極間絶縁膜19が設けられている。
【0197】
電極間絶縁膜19上には、実施の形態1と同様に、複数の画素電極20が設けられている。複数の画素電極20は、平面視において、複数のサブ画素SPixの各々の内部で、アレイ基板1の表面1a側にそれぞれ設けられている。したがって、共通電極18は、平面視において、例えばX軸方向に配列された複数の画素電極20の各々と重なるように、設けられている。そして、複数のサブ画素SPixの各々の内部では、凹部17aの底部で、共通電極18と画素電極20とは、電極間絶縁膜19を介して対向している。
【0198】
また、電極間絶縁膜19は、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内では、共通電極18上に設けられた補助配線6eを覆うように、設けられている。
【0199】
なお、
図17に示す例では、共通電極18の上方に画素電極20が形成されているが、画素電極20の上方に共通電極18が設けられていてもよい。このような例を、
図18に示す。
図18に示す例では、共通電極18には開口部18aが形成されている。また、
図18に示す例では、共通電極18は、補助配線6e上に設けられている。すなわち、補助配線6eは、共通電極18の下に設けられていてもよい。
【0200】
また、画素電極20、および、電極間絶縁膜19の露出した部分を覆うように、実施の形態1と同様に、配向膜21が設けられている。
【0201】
なお、複数のサブ画素SPixの各々の内部では、配向膜21は、凹部17aの底部で、電極間絶縁膜19および画素電極20を覆うように設けられている。そして、配向膜21の上面として定義されたアレイ基板1の表面1aのうち、平面視において複数の開口部12aの各々と重なる部分には、凹部1cがそれぞれ形成されている。
【0202】
一方、対向基板3は、例えば実施の形態1における対向基板3と同様にすることができる。すなわち、対向基板3は、基体として、透明基板30を有する。透明基板30は、表面30aおよび裏面30bを有する。透明基板30の表面30a上には、遮光部5およびカラーフィルタ層32が設けられている。遮光部5およびカラーフィルタ層32を覆うように、オーバーコート層33が設けられている。オーバーコート層33上には、スペーサ部7としてのスペーサ部7eが、設けられている。スペーサ部7eおよびオーバーコート層33を覆うように、配向膜35が設けられている。
【0203】
このようなアレイ基板1と対向基板3とは、補助配線6eおよびスペーサ部7eを介して、互いに対向するように配置、すなわち対向配置されている。また、実施の形態1と同様に、対向配置されたアレイ基板1と対向基板3との間には、液晶層4が充填されている。
【0204】
上述の構成により、実施の形態1と同様に、各サブ画素SPixでは、TFT16がオン状態になると、複数の画素電極20の各々に電圧が印加されることにより、共通電極18と各画素電極20との間に電界が形成され、当該形成された電界によって、液晶層4における液晶の配向が変化する。これにより、液晶層4における光の透過率が変化して画像が表示される。
【0205】
<補助配線およびスペーサ部の配置>
次に、
図15〜
図17を参照し、本実施の形態3の液晶表示装置における補助配線およびスペーサ部の配置、ならびに、その効果について説明する。
【0206】
前述したように、複数の補助配線6eは、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内にそれぞれ配置されており、Y軸方向にそれぞれ延在する。複数の補助配線6eの各々は、共通電極18と電気的に接続されている。また、複数の補助配線6eは、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側にそれぞれ突出して設けられている。
【0207】
一方、スペーサ部7eは、平面視において、X軸方向に長手を有する形状、例えば楕円形状または長方形状を有する。すなわち、平面視において、X軸方向におけるスペーサ部7eの長さLN1が、Y軸方向におけるスペーサ部7eの幅WD1よりも長い。そして、スペーサ部7eは、平面視において、複数の延在部52のいずれかの延在部52と、複数の延在部51のいずれかの延在部51とが交差する交差領域CR1で、複数の補助配線6eのいずれかの補助配線6eと交差するように、配置されている。したがって、X軸方向におけるスペーサ部7eの長さLN1が、X軸方向における補助配線6eの幅WD2よりも長い。
【0208】
なお、本実施の形態3でも、実施の形態1と同様に、スペーサ部7eは、対向基板3の表面3aからアレイ基板1側に突出して設けられている。また、スペーサ部7eは、平面視において、当該いずれかの延在部51が設けられた領域内に配置されている。
【0209】
このような補助配線6eが設けられていない場合、例えば液晶表示装置の製造工程時または使用時に、外部から力が加わることなどによりアレイ基板1または対向基板3が撓み、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向にずれることがある。このような場合、平面視において各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7eが近接し、平面視において各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aに形成された配向膜21などに損傷が与えられるおそれがある。その結果、損傷が与えられた部分の配向膜21などから光漏れが発生するおそれがある。
【0210】
一方、本実施の形態3では、
図16に示すように、補助配線6eが設けられている。例えば、スペーサ部7eが、本来の位置から斜め方向DR1にずれた場合でも、平面視において、スペーサ部7eの端部71が、補助配線6eと重なっているため、平面視において、開口領域53a内に配置される部分のアレイ基板1の表面1a側には、スペーサ部7eは近接しない。また、例えば、スペーサ部7eが、本来の位置から斜め方向DR2にずれた場合でも、平面視において、スペーサ部7eの端部72が、補助配線6eと重なっているため、平面視において、開口領域53b内に配置される部分のアレイ基板1の表面1aには、スペーサ部7eは近接しない。
【0211】
そのため、外部から力が加わることなどによりアレイ基板1または対向基板3が撓み、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向にずれた場合でも、平面視において、補助配線6eとスペーサ部7eとが重なった状態が維持される。これにより、平面視において、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7eが近接することを防止または抑制し、表面1aに形成された配向膜21などに損傷が与えられることを防止または抑制することができる。
【0212】
さらに、本実施の形態3では、実施の形態1と異なり、アレイ基板1の表面1aのうち、平面視において複数の開口部12aの各々と重なる部分には、それぞれ凹部1cが形成されている。したがって、アレイ基板1と対向基板3とが、横方向にずれた場合に、平面視において、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7eが近接することを、さらに確実に防止または抑制することができる。
【0213】
本実施の形態3では、実施の形態1と同様に、アレイ基板1の表面1aに凸部を設けるための工程を個別に行う必要がないので、上記特許文献1に記載された技術に比べ、液晶表示装置の製造工程数を削減することができる。また、補助配線6eは、金属膜からなるため、実施の形態1と同様に、上記特許文献1に記載された技術において、アレイ基板の表面に設けられる凸部が有機膜からなる場合に比べ、アレイ基板1の表面1aと対向基板3の表面3aとの間隔をより正確に維持することができる。
【0214】
また、本実施の形態3では、実施の形態1と同様に、補助配線6eとスペーサ部7eとは、スペーサ部7eが横方向へ動いた場合でも、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aに、スペーサ部7eが近接することを、防止するためのものである。そのため、X軸方向におけるスペーサ部7eの長さLN1は、Y軸方向におけるスペーサ部7eの幅WD1よりも長い。したがって、上記特許文献2に記載された技術に比べ、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7eが近接することを防止または抑制する効果を、増加させることができる。
【0215】
また、本実施の形態3では、実施の形態1と異なり、平面視において、各サブ画素SPixの内部で、ゲート絶縁膜としての絶縁膜12に、開口部12aが形成されている。これにより、各サブ画素SPixにおいて、多層膜中の隣り合う2つの層の間で特定の波長を有する光が干渉することにより、透過光または反射光に色が着色されること、または、多層膜を透過することにより光の透過率が低下することを、防止または抑制することができる。
【0216】
なお、図示は省略するが、本実施の形態3と、実施の形態2とを組み合わせることができる。すなわち、実施の形態2において
図11〜
図13を用いて説明した、入力装置としてのタッチパネルを備えた液晶表示装置において、平面視において、複数のサブ画素SPixの各々と重なる部分の絶縁膜12に、開口部12a(
図17参照)がそれぞれ形成されていてもよい。これにより、実施の形態3と同様の効果が得られる。
【0217】
<補助配線およびスペーサ部の配置の第1変形例>
次に、
図19〜
図21を参照し、本実施の形態3の液晶表示装置における補助配線およびスペーサ部の配置の第1変形例について説明する。
【0218】
図19および
図20は、実施の形態3の液晶表示装置の第1変形例を示す平面図である。
図21は、実施の形態3の液晶表示装置の第1変形例を示す断面図である。
図21は、
図19のA−A線に沿った断面図である。なお、
図19および
図20では、対向基板3のうち、遮光部5およびスペーサ部7e以外の部分、ならびに、液晶層4を除去して透視した状態を示し、アレイ基板1のうち一部の図示を省略している。
【0219】
本第1変形例の液晶表示装置160でも、実施の形態3の液晶表示装置150と同様に、複数のサブ画素SPixの各々と重なる部分の絶縁膜12に、それぞれ開口部12aが形成されている。したがって、複数の開口部12aの各々と重なる部分の層間樹脂膜17の上面には、それぞれ凹部17aが形成されている。
【0220】
一方、本第1変形例では、実施の形態3と異なり、複数の補助配線6eに代え、複数の凸部17bが設けられている。複数の凸部17bは、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内で、層間樹脂膜17上にそれぞれ設けられている。したがって、複数の凸部17bは、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に間隔を空けて配置されている。また、複数の凸部17bは、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側にそれぞれ突出して設けられている。
【0221】
複数のソース配線13、複数のTFT16、および、絶縁膜12の露出した部分を覆うように、例えばフォトレジストからなる層間樹脂膜17を形成した後、複数の延在部52の各々が設けられた領域以外の領域で、層間樹脂膜17に対してハーフエッチングを行うことにより、複数の凸部17bを形成することができる。具体的には、複数の延在部52の各々が設けられた領域以外の領域で、層間樹脂膜17に対して、ハーフ露光を行った後、現像を行うことにより、層間樹脂膜17からなる凸部17bを複数個形成することができる。
【0222】
あるいは、例えばフォトレジストからなる層間樹脂膜17を形成した後、複数の延在部52の各々が設けられた領域内で、層間樹脂膜17上に、例えばアクリル樹脂からなる樹脂膜を形成することにより、樹脂膜からなる凸部17bを複数個形成することができる。
【0223】
本第1変形例でも、実施の形態3と同様に、スペーサ部7としてのスペーサ部7eは、平面視において、X軸方向に長手を有する形状、例えば楕円形状または長方形状を有する。すなわち、平面視において、X軸方向におけるスペーサ部7eの長さLN1が、Y軸方向におけるスペーサ部7eの幅WD1よりも長い。そして、スペーサ部7eは、平面視において、複数の延在部52のいずれかの延在部52と、複数の延在部51のいずれかの延在部51とが交差する交差領域CR1で、複数の凸部17bのいずれかの凸部17bと交差するように、配置されている。したがって、X軸方向におけるスペーサ部7eの長さLN1が、X軸方向における凸部17bの幅WD2よりも長い。
【0224】
なお、本第1変形例でも、実施の形態3と同様に、スペーサ部7eは、対向基板3の表面3aからアレイ基板1側に突出して設けられている。また、スペーサ部7eは、平面視において、当該いずれかの延在部51が設けられた領域内に配置されている。
【0225】
このような凸部17bが設けられていない場合、実施の形態3において補助配線6eが設けられていない場合と同様に、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向にずれることがある。このような場合、平面視において各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7eが近接し、平面視において各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aに形成された配向膜21などに損傷が与えられるおそれがある。
【0226】
一方、本第1変形例では、
図20に示すように、凸部17bが設けられている。例えば、スペーサ部7eが、本来の位置から斜め方向DR1にずれた場合でも、平面視において、スペーサ部7eの端部71が、凸部17bと重なっているため、平面視において、開口領域53a内に配置される部分のアレイ基板1の表面1a側には、スペーサ部7eは近接しない。また、例えば、スペーサ部7eが、本来の位置から斜め方向DR2にずれた場合でも、平面視において、スペーサ部7eの端部72が、凸部17bと重なっているため、平面視において、開口領域53b内に配置される部分のアレイ基板1の表面1a側には、スペーサ部7eは近接しない。
【0227】
そのため、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向にずれた場合でも、平面視において、凸部17bとスペーサ部7eとが重なった状態が維持される。これにより、平面視において、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7eが近接することを防止または抑制し、表面1aに形成された配向膜21などに損傷が与えられることを防止または抑制することができる。
【0228】
さらに、本第1変形例では、実施の形態3と同様に、アレイ基板1の表面1aのうち、平面視において複数の開口部12aの各々と重なる部分には、それぞれ凹部1cが形成されている。したがって、アレイ基板1と対向基板3とが、横方向にずれた場合に、平面視において、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7eが近接することを、さらに確実に防止または抑制することができる。
【0229】
本第1変形例では、上記特許文献1に記載された技術と同様に、アレイ基板の表面に凸部を形成するために、ソース配線を覆うように形成された層間樹脂膜をハーフ露光した後、現像を行うことにより、凸部となる部分を残して層間樹脂膜をハーフエッチングする。あるいは、本第1変形例では、アレイ基板の表面に凸部を形成するために、ソース配線を覆うように形成された層間樹脂膜上に、層間樹脂膜上とは別の膜を凸部として形成する。したがって、実施の形態3に比べ、液晶表示装置の製造工程数を削減する効果は小さくなる。
【0230】
しかし、本第1変形例において、アレイ基板1の表面1aに形成されている凹部1cは、上記特許文献1には記載されていない。したがって、アレイ基板1と対向基板3とが、横方向にずれた場合に、平面視において、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7eが近接することを防止または抑制する効果は、上記特許文献1に記載された技術に比べ、大きくなる。
【0231】
また、本第1変形例では、凸部17bとスペーサ部7eとは、スペーサ部7eが横方向へ動いた場合でも、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aに、スペーサ部7eが近接することを、防止するためのものである。そのため、X軸方向におけるスペーサ部7eの長さLN1は、Y軸方向におけるスペーサ部7eの幅WD1よりも長い。したがって、上記特許文献2に記載された技術に比べ、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7eが近接することを防止または抑制する効果を、増加させることができる。
【0232】
また、本第1変形例では、実施の形態3と同様に、平面視において、各サブ画素SPixの内部で、ゲート絶縁膜としての絶縁膜12に、開口部12aが形成されている。これにより、各サブ画素SPixにおいて、多層膜中の隣り合う2つの層の間で特定の波長を有する光が干渉することにより、透過光または反射光に色が着色されること、または、多層膜を透過することにより光の透過率が低下することを、防止または抑制することができる。
【0233】
(実施の形態4)
実施の形態1では、アレイ基板と対向基板とが、補助配線とスペーサ部とを介して対向配置された液晶表示装置を、横電界方式としてのFFSモードの液晶表示装置に適用した例について説明した。一方、実施の形態4では、アレイ基板と対向基板とが、補助配線とスペーサ部とを介して対向配置された液晶表示装置を、横電界方式としてのIPS(In-Plane Switching)モードの液晶表示装置に適用した例について説明する。前述したように、横電界方式とは、アレイ基板および対向基板のうちのいずれか一方の液晶層側に一対の電極を互いに絶縁して設け、概ね横方向の電界が液晶層に形成される方式である。また、IPSモードとは、横電界方式のうちの他の方式であり、上記した一対の電極が、平面視において、重ならないように配置されているものである。
【0234】
<液晶表示装置>
次に、
図22〜
図24を参照し、本実施の形態4の液晶表示装置の概略の構成について説明する。
【0235】
図22および
図23は、実施の形態4の液晶表示装置の一例を示す平面図である。
図24は、実施の形態4の液晶表示装置の一例を示す断面図である。
図24は、
図22および
図23のA−A線に沿った断面図である。なお、
図22および
図23では、対向基板3のうち、遮光部5およびスペーサ部7f以外の部分、ならびに、液晶層4を除去して透視した状態を示し、アレイ基板1のうち一部の図示を省略している。
【0236】
図22〜
図24に示すように、本実施の形態4の液晶表示装置170は、実施の形態1の液晶表示装置100と同様に、アレイ基板1と、対向基板3と、液晶層4と、を有する。また、本実施の形態4の液晶表示装置170は、遮光部5を有する。遮光部5は、実施の形態1における遮光部5と同様に、複数の延在部51と複数の延在部52とを含む。また、本実施の形態4の液晶表示装置170は、複数のサブ画素SPixを有する。複数のサブ画素SPixは、実施の形態1における複数のサブ画素SPixと同様に、複数の延在部51と複数の延在部52とにより区画された複数の開口領域53の各々に、それぞれ設けられている。
【0237】
アレイ基板1は、基体として、透明基板10を有する。本実施の形態4における透明基板10は、実施の形態1における透明基板10と同様に、表面10aおよび裏面10bを有する。
【0238】
透明基板10の表面10a上には、実施の形態1と同様に、複数のゲート配線11が設けられている。複数のゲート配線11は、平面視において、複数の延在部51の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置されており、X軸方向にそれぞれ延在する。ゲート配線11からは、ゲート電極11aが延設されている。
【0239】
本実施の形態4では、実施の形態1と異なり、透明基板10の表面10a上には、複数の補助容量線24が設けられている。複数の補助容量線24は、平面視において、複数の延在部51の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置されており、X軸方向にそれぞれ延在する。複数の補助容量線24の各々は、例えばアルミニウム(Al)またはモリブデン(Mo)等の不透明な金属からなる。複数の補助容量線24の各々は、複数のサブ画素SPixの各々の画素電極20に接続されるキャパシタと電気的に接続される配線層である。
【0240】
ゲート配線11およびゲート電極11aを覆うように、実施の形態1と同様に、ゲート絶縁膜としての絶縁膜12が設けられている。ただし、本実施の形態4では、絶縁膜12は、ゲート配線11およびゲート電極11aに加え、補助容量線24も覆うように、設けられている。
【0241】
絶縁膜12上には、実施の形態1と同様に、複数のソース配線13が設けられている。複数のソース配線13は、平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内に、それぞれ配置されており、Y軸方向にそれぞれ延在する。ソース配線13からは、ソース電極13aが延設されている。
【0242】
平面視において、ゲート電極11aと重なる部分の絶縁膜12上には、実施の形態1と同様に、半導体層14が設けられている。前述したソース電極13aは、半導体層14の一部と接触している。また、絶縁膜12上には、実施の形態1と同様に、ソース配線13およびソース電極13aと同一の材料からなるドレイン電極15が設けられている。ドレイン電極15は、ソース電極13aと近接配置されており、半導体層14と部分的に接触している。このようにして、実施の形態1と同様に、複数のゲート配線11と、複数のソース配線13とが交差する複数の交差部の各々に、それぞれTFT16が配置されることにより、複数のTFT16が設けられている。
【0243】
さらに、複数のソース配線13、複数のTFT16、および、絶縁膜12の露出した部分を覆うように、層間樹脂膜17が設けられている。層間樹脂膜17は、平坦化膜であり、複数の開口部12aの各々の内部を埋め込み、複数のソース配線13、複数のTFT16、および、絶縁膜12の露出した部分を覆うとともに、複数のソース配線13、複数のTFT16および絶縁膜12の各々の上面からなる凹凸面を平坦化する。層間樹脂膜17は、例えばフォトレジスト等の透明樹脂材料からなる。
【0244】
層間樹脂膜17上には、実施の形態1と同様に、共通電極18が設けられている。共通電極18は、平面視において、複数のサブ画素SPixの各々と重なるように、連続して一体に設けられている。
図23に示す例では、共通電極18は、平面視において、X軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列された複数のサブ画素SPixの各々と重なるように、連続して一体に設けられている。また、各サブ画素SPixが設けられた領域内で、共通電極18には、共通電極18を貫通して層間樹脂膜17に達する開口部18bが形成されている。したがって、共通電極18は、平面視において、格子形状を有する。
【0245】
また、層間樹脂膜17上には、複数の補助配線6としての複数の補助配線6fが設けられている。また、層間樹脂膜17上には、複数の補助配線61fが設けられている。複数の補助配線6fおよび複数の補助配線61fの各々は、金属膜からなり、この金属膜は、例えばアルミニウム(Al)またはモリブデン(Mo)等の不透明な金属からなる。
【0246】
平面視において、複数の延在部52の各々が設けられた領域内に、それぞれ補助配線6fが配置されている。また、平面視において、複数の延在部51の各々が設けられた領域内に、それぞれ補助配線61fが配置されている。したがって、複数の補助配線6fおよび複数の補助配線61fは、平面視において、全体として格子形状を有する。
【0247】
なお、補助配線6fは、複数の延在部52の各々が設けられた領域全ての内部に設けられていなくてもよく、1個おきまたは複数個おきに設けられていてもよい。また、補助配線61fは、複数の延在部51の各々が設けられた領域全ての内部に設けられていなくてもよく、1個おきまたは複数個おきに設けられていてもよい。
【0248】
図24に示すように、共通電極18は、複数の補助配線6fの各々の上に設けられており、
図24には示されないが、共通電極18は、複数の補助配線61fの各々の上に設けられている。そのため、複数の補助配線6fおよび複数の補助配線61fは、共通電極18とそれぞれ電気的に接続されている。補助配線6fおよび補助配線61fは、共通電極18に含まれる例えばITOまたはIZO等の透明導電性材料の電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有する。したがって、補助配線6fおよび補助配線61fを共通電極18と電気的に接続することにより、共通電極18の電気抵抗を低減することができ、例えば時定数を短くすることができるなど、液晶表示装置の性能を向上させることができる。
【0249】
なお、
図24に示す例では、共通電極18が、複数の補助配線6fの各々の上に設けられているが、複数の補助配線6fの各々が、共通電極18上に設けられていてもよい。また、同様に、複数の補助配線61fの各々が、共通電極18上に設けられていてもよい。
【0250】
また、層間樹脂膜17上には、複数の画素電極20が設けられている。複数の画素電極20の各々は、例えばITOまたはIZO等の透明導電性材料からなる。複数の画素電極20は、平面視において、共通電極18の開口部18bが形成された領域内で、層間樹脂膜17上に、共通電極18とそれぞれ離れて設けられている。したがって、複数の画素電極20は、平面視において、各サブ画素SPixの内部で、共通電極18と重ならない位置に、それぞれ配置されている。言い換えれば、共通電極18は、平面視において、複数の画素電極20の各々と離れて設けられている。これにより、IPSモードの液晶表示装置が構成される。
【0251】
サブ画素SPixの周辺では、平面視において、ドレイン電極15と重なる位置に、電極間絶縁膜19および層間樹脂膜17を貫通してTFT16のドレイン電極15に達するコンタクトホール25が形成されている。画素電極20は、コンタクトホール25の底部に露出したドレイン電極15と、電気的に接続されている。
【0252】
なお、理解を簡単にするために、
図22では、画素電極20の図示を省略し、
図23および
図24では、各サブ画素SPixの内部に設けられた画素電極20は、例えばY軸方向に延在する延在部を1本だけ含むものとして図示されている。しかし、本実施の形態4では、画素電極20は、平面視において、例えばY軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列された複数の延在部、すなわち櫛歯を含むなど、櫛歯形状を有していてもよい。また、本実施の形態4では、共通電極18も、平面視において、例えばY軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列された複数の延在部、すなわち櫛歯を含むなど、櫛歯形状を有していてもよく、画素電極20の櫛歯と、共通電極18の櫛歯とが互いに噛み合うように配置されていてもよい。このとき、互いに隣り合う画素電極20の櫛歯と、共通電極18の櫛歯との間に設けられたスリットにおいて、画素電極20と共通電極18との間で電界が形成されることにより、液晶層4における液晶の配向状態が変化する。
【0253】
また、画素電極20、共通電極18、および、層間樹脂膜17の露出した部分を覆うように、実施の形態1と同様に、配向膜21が設けられている。
【0254】
一方、対向基板3は、例えば実施の形態1における対向基板3と同様にすることができる。すなわち、対向基板3は、基体として、透明基板30を有する。透明基板30は、表面30aおよび裏面30bを有する。透明基板30の表面30a上には、遮光部5およびカラーフィルタ層32(
図3参照)が設けられている。遮光部5およびカラーフィルタ層32を覆うように、オーバーコート層33が設けられている。オーバーコート層33上には、スペーサ部7としてのスペーサ部7fが、設けられている。スペーサ部7fおよびオーバーコート層33を覆うように、配向膜35が設けられている。
【0255】
このようなアレイ基板1と対向基板3とは、補助配線6fおよびスペーサ部7fを介して、互いに対向するように配置、すなわち対向配置されている。また、実施の形態1と同様に、対向配置されたアレイ基板1と対向基板3との間には、液晶層4が充填されている。
【0256】
上述の構成により、実施の形態1と同様に、各サブ画素SPixでは、TFT16がオン状態になると、共通電極18と複数の画素電極20の各々との間に電界が形成され、液晶層4の液晶分子の配向が変化する。これにより、液晶層4における光の透過率が変化して画像が表示される。
【0257】
<補助配線およびスペーサ部の配置>
次に、
図22〜
図24を参照し、本実施の形態4の液晶表示装置における補助配線およびスペーサ部の配置、ならびに、その効果について説明する。
【0258】
前述したように、補助配線6fは、平面視において、延在部52が設けられた領域内に配置されており、Y軸方向に延在する。補助配線6fは、共通電極18と電気的に接続されている。また、補助配線6fは、アレイ基板1の表面1aから対向基板3側に突出して設けられている。
【0259】
一方、スペーサ部7fは、平面視において、X軸方向に長手を有する形状、例えば楕円形状または長方形状を有する。すなわち、平面視において、X軸方向におけるスペーサ部7fの長さが、Y軸方向におけるスペーサ部7fの幅よりも長い。そして、スペーサ部7fは、平面視において、延在部51と延在部52とが交差する交差領域CR1で、補助配線6fと交差するように、配置されている。したがって、X軸方向におけるスペーサ部7fの長さが、X軸方向における補助配線6fの幅よりも長い。
【0260】
なお、本実施の形態4でも、実施の形態1と同様に、スペーサ部7fは、対向基板3の表面3aからアレイ基板1側に突出して設けられている。また、スペーサ部7fは、平面視において、延在部51が設けられた領域内に配置されている。
【0261】
そのため、外部から力が加わることなどによりアレイ基板1または対向基板3が撓み、アレイ基板1と対向基板3とが、互いに横方向にずれた場合でも、平面視において、補助配線6fとスペーサ部7fとが重なった状態が維持される。これにより、平面視において、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aにスペーサ部7fが近接することを防止または抑制し、表面1aに形成された配向膜21などに損傷が与えられることを防止または抑制することができる。
【0262】
本実施の形態4では、実施の形態1と同様に、アレイ基板1の表面1aに凸部を設けるための工程を個別に行う必要がないので、上記特許文献1に記載された技術に比べ、液晶表示装置の製造工程数を削減することができる。また、補助配線6fは、金属膜からなるため、実施の形態1と同様に、上記特許文献1に記載された技術において、アレイ基板の表面に設けられる凸部が有機膜からなる場合に比べ、アレイ基板1の表面1aと対向基板3の表面3aとの間隔をより正確に維持することができる。
【0263】
また、本実施の形態4では、実施の形態1と同様に、補助配線6fとスペーサ部7fとは、スペーサ部7fが横方向へ動いた場合でも、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aに、スペーサ部7fが近接することを、防止するためのものである。そのため、上記特許文献2に記載された技術に比べ、各サブ画素SPixの内部に配置される部分のアレイ基板1の表面1aに、スペーサ部7fが近接することを、防止または抑制する効果を増加させることができる。
【0264】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、中小型の液晶表示装置から大型の液晶表示装置まで、特に限定することなく適用が可能であることはいうまでもない。
【0265】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0266】
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。