(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プッシング手段(6)は、前記支持構造(2)上に回転自在に係合させられているねじ要素(6a)と、前記ねじ要素(6a)と前記プランジャ(4)の前記当接表面(4d)との間に挿入されている弾性要素(6b)とを備え、前記ねじ要素(6a)が捻られる予め決められた度合いがその弾性要素(6b)の予め決められた圧縮の度合いに対応し、したがってその弾性要素(6b)が前記プランジャ(4)に対して予め決められた圧縮力を加える、請求項1に記載の装置(1)。
前記位置インジケータ(5)は、前記プランジャ(4)に対して横断方向に付加されており、かつ、その突出部(5a)が前記支持構造(2)から見かけ上は外方に突き出すように前記支持構造(2)の横方向開口(2e)内に挿入されている突出部(5a)を備える請求項1または2に記載の装置(1)。
前記基準要素(7)は、前記位置インジケータ(5)によって採られる位置を識別するための位置決め基準を画定するために、前記支持構造(2)の外側に取り付けられている請求項1から3のいずれか1項に記載の装置(1)。
前記ねじ要素(6a)を捻ることにより前記弾性要素(6b)上に加えられる圧縮の値を測定するために、前記プランジャ(4)の前記当接表面(4d)と前記弾性要素(6b)との間に挿入されている、センサ(8)を備える請求項2に記載の装置(1)。
前記力の強度を測定する前記段階は、既知の事前設定された荷重を前記プランジャに加えるように、予め決められたプリロードを有する弾性要素に前記プランジャ要素を連結する副次的段階を含む請求項10に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
一般的に言えば、プレス加工品(pressing)が完全に形成され終わるまで、プレス成形中に、雄型と雌型との間で適正な圧力を得るために、および、必要に応じて雄型と雌型の相対的な位置も得るために、ガススプリングが使用されることが知られている。
【0004】
業界の専門用語において「プレス加工品(pressing)」としても知られている半製品部品をプレス成形するプロセスが、雄型と雌型の間に挿入されたスラブ形のブランクに浮き出し形状および凹み形状を付与するために、雄型と雌型とを互いに接近したり互いから離れたりするように周期的に移動させることを含み、この雄型と雌型はそれぞれにラム(可動部分)とプレスベッドとに固定されている。
【0005】
上記により、型の予め決められた箇所にガススプリングが存在することが、これらの箇所におけるプレス加工圧力(stamping pressure)が、部品を正確に成形するために必要とされる正確な圧力であることを確実なものにする。さらに、雄型と雌型のための懸架を実現するためのガススプリングの使用が、プレスラム(press ram)の戻り行程中における型の2つの部分の分離を容易にする。
【0006】
本発明に関連して、上述したガススプリング、または、あるいは、ガス圧縮シリンダは、これらが通常は例えば窒素のような不活性ガスを充填されているので、このように呼ばれている。
【0007】
作られた半製品の部品が品質および寸法において同一であるように雄型と雌型の間の圧縮が各々のプレス成形サイクルにおいて同一かつ完全であるためには、ガススプリングのシリンダ内部のガスの正確な圧力が不可欠である。
【0008】
実際において、ガススプリングシリンダ内の圧力が過剰に低い場合には、特にガススプリングが据え付けられておりかつ相互作用する型または成形構造物の領域内において、より小さい力が圧縮システムによって加えられる。
【0009】
金属プレス加工品は大量に生産されるので、プレス成形プロセスは常に効率的でありかつ反復可能でなければならない。したがって、プレス成形プロセスで使用されるガススプリングの最適な作動条件を保証するためには、特にガススプリングの充填状態に関して、発生可能なガス漏洩を検出するために、定期的な検査が行われる。
【0010】
現時点の技術水準では、シリンダ内部のガス圧力の直接的な測定または計算された測定を含む、ガススプリングの充填状態を検査する幾つかの異なる方法、または、各々の特定のシリンダモデルに関する予め決められた公称値からガス圧力が過剰に逸脱していないことを単純に検査する幾つかの異なる方法がある。
【0011】
さらに詳細に述べると、第1の方法が、実験用動力計内で、または、力を測定することが可能なロードセルが適切に装着されているプレス内で、ガススプリングを設置して圧縮することによって、ガススプリングによって加えられる力を検査することを必要とする。この力の測定値が、充填状態の間接的な表示、すなわち、公称値に等しくなければならないガススプリング内のガス圧力の実効値を提供する。
【0012】
第2の、より最新の方法が、ガススプリングシリンダ内の特定の箇所に直接的に、ガススプリングシリンダ内の加圧状態のインジケータを恒久的に設置することを含む。
【0013】
一般的に述べると、加圧状態のインジケータが、ガススプリングシリンダの底部部分において、ガススプリングの充填弁が通常に設置される箇所とは異なる箇所に設置される。この解決策のために必要とされる機械加工作業の複雑性を部分的に減少させるために、充填弁を設置するための座と、ガス圧力の状態のインジケータを設置するための座とが、例えば、ガススプリングのシリンダを直径方向に貫通する単一の穴を穿孔することによって、ガススプリングのシリンダの底部キャップ上に、そのシリンダ上の直径方向に互いに反対側の位置に作られる。このことが、状態インジケータと充填弁とを互いに対面させるソウトダクト(thought duct)を生じさせる。このシステムは、シリンダの内側の圧力と接触している可とう性要素を備える。この可とう性要素は、公称圧力レベルの存在下で変形した形状構成を採用し、ユーザにとって目視可能でありかつガイド上をスライド可能であるインジケータを締り嵌め(interference)によって固定する。さらに具体的に述べると、この目視可能なインジケータは、ガス圧力が公称値に等しい時に、予め決められた位置を採る。圧力が予め決められた値よりも低下すると、この可とう性要素は、その変形した形状構成を失う傾向があり、および、インジケータがガイド上を少なくとも部分的に自由にスライドするまましておく。インジケータがガイドに沿って移動するにつれて、このインジケータは、このインジケータの位置と、したがってシリンダの充填状態とをさらにより明瞭にする着色領域を露出させる。
【0014】
関連技術分野の現状において公知である方法のすべてが、こうした方法を特定の場合において実施を困難にする欠点と実際的な問題点とを有する。
【0015】
さらに具体的に述べると、動力計または試験用プレスにおいて直接的にガススプリングを検査することを含む第1の方法は、適している機器と、測定されるべき圧力に構造が適しており、したがって、ガススプリングによって生じさせられる力にその構造が適している動力計またはプレスを必要とする。例えば、数トンの公称ガススプリング充填が、測定機器および装置の(より高くない場合には)同様の能力を必要とする。この種の機器のコストは高く、および、第1の方法は、一般的に、適している試験用機械および装置がすでに利用可能である時に使用される。さらに、多くの場合には、圧力測定値(pressure reading)から力値(force value)への移行(passage)が、人間の誤りおよび/または変換誤りを免れられない。
【0016】
第2の方法、すなわち、ガススプリングシリンダ上に直接的に設置される充填状態のインジケータも、幾つかの欠点を有する。さらに具体的に述べると、シリンダの本体内に特にこのインジケータを設置するための座を作ることが、このインジケータのためのこうした座がそのシリンダ内に機械加工されることを寸法が可能にする時にだけ、実現可能である。関連技術分野の現状においては、シリンダ内にインジケータ座を形成するために必要な機械加工作業は高コストであり、および、さらには、生産サイクルの中の追加的な段階を構成する。
【0017】
この解決策のさらに別の制約が、スプリングのシリンダ内の追加の穴に起因するガス漏洩の危険性の増大であり、このガス漏洩は、時間の経過と共に、ガススプリングの性能が劣化することを引き起こす。
【0018】
したがって、上述した解決策は、特にプレス成形プロセスのための、ガススプリングの充填状態の単純で正確で即時的な表示を提供するという問題を部分的にだけ解決するにすぎない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明による、および、本発明の好ましい実施形態における、ガススプリングの充填状態を検査するための装置を全体的に示す。
【0028】
全体が照合番号1で示されている検査装置が容器2を備え、この容器2は、内部空洞2aと末端(termination)2bを有し、かつ、その反対側に、内部空洞2aに対する到達を可能にする穴2cを有する。
【0029】
検査装置1の容器2が、中空の円筒形部材によって画定されており、かつ、この円筒形部材は、アクセス穴(access hole)2cとは反対側の側部上に容器2の横断面積よりも小さい横断面積を有し、かつ、上記末端2bを画定する突出部を有することが好ましい。
【0030】
容器2の末端2bは、内部空洞2aの中に通じており、かつ、したがってこの内部空洞2aと流体連通している、貫通穴2dを有する。
【0031】
この検査装置1は、貫通穴2d内に滑動自在に収容されているプランジャ4を備える。貫通穴2d内に収容されておりかつこの貫通穴2d内を滑動可能であるプランジャ4の一部分が、プランジャ4の棒4aによって画定されていることが好ましい。
【0032】
プランジャ4の棒4aは、末端2bの貫通穴2dから突き出すように適合させられている(内部空洞2aとは反対側の)第1の端部4bと、容器2の内部空洞2a内に滑動自在に挿入されておりかつ当接表面(abutment surface)4dを有する第2の端部4cとを有する。
【0033】
プランジャ4の当接表面4dは、棒4aに比較して横断面における拡幅を画定する。
【0034】
検査装置1は、外側からユーザにとって目視可能であるように、特に装置1の容器2の外側からユーザにとって目視可能であるように、プランジャ4に取り付けられた位置インジケータ5を備える。
【0035】
添付図面に示されている好ましい実施形態では、外側から効果的に目視可能であるために、位置インジケータ5は、プランジャ4に対して(棒4aまたは当接表面4dに対して)横断方向に付与されておりかつ容器2内の横方向開口2e内に挿入される突出部5aを備え、したがって、この突出部5aは、容器2から目視可能なように突き出しており、および、必要に応じて、手で触ることが可能である。この突出部5aは、例えばスロットの形状または他の適切な形状を有することがある上述の横方向の開口2eを通って、容器2の外側表面に対して、ある程度は突き出していることが好ましい。有利なことに、このことが、横方向開口2eに直接的に面するのではなく、異なる角度から、例えば、突出部5aの長さ方向に対して90度以上の外側角から、突出部5aを目視可能にする。
【0036】
この状態では、内部空洞2aは大気と連通しており、したがって、プランジャ4、および、特に当接表面4cを大気圧に対して露出させる。
【0037】
添付図面には示されていない実現可能な別の実施形態では、プランジャ4の位置が、透明カバーを有する横方向開口2eを通して目視可能である。容器2に直接的に固定されているこの透明カバーは、外側の大気から内部空洞2aを隔離する効果を有し、したがって、内部空洞2aと大気圧との間の圧力差が生じる可能性を生じさせる。
【0038】
検査装置1は、さらに、検査装置が使用されている時に必要に応じて予め決められたスラスト(thrust)を装置1のプランジャ4(特に、当接表面4)に加えるために、この装置1のプランジャ4(特に、当接表面4)と相互作用するように設計されているプッシング手段(pushing mean)6を備える。
【0039】
好ましい一実施形態では、プッシング手段6は、アクセス穴2c内に回転自在に係合させられている、すなわち、アクセス穴2c内にねじ込まれている、ねじ要素6aを備える。このようにして、アクセス穴2c内にねじ込まれているねじ要素6aの少なくとも一部分が内部空洞2aの内側に位置しており、および、プランジャ4の当接表面4dに対面する。この状況では、ねじ要素6aは、アクセス穴2cを閉じるキャップを画定し、および、(内部空洞2aに沿った)このキャップの位置は、アクセス穴2c内のねじ要素6aのねじ込み構成を変化させることによって調節可能である。
【0040】
プッシング手段6は、さらに、ねじ要素6a内のねじ込みが、プランジャ4の当接表面4dによる抵抗を受ける弾性要素6bの圧縮を生じさせるように、ねじ要素6aと当接表面4dとの間に挿入されている弾性要素6も備える。言い換えれば、プッシング手段6によって加えられる圧縮が、プランジャ4に対する力またはむしろスラストを生じさせる。したがって、プランジャ4に対するスラストは、当接表面4dに対面するねじ要素6aの前端部の軸方向位置の変化を結果的に生じさせるアクセス穴2c内のねじ要素6aのねじ込み構成を変化させることによって調節可能である。
【0041】
上述のプッシング手段6は、特に、弾性要素6bの測定された圧縮を生じさせるアクセス穴2c内のねじ要素6aのねじ込み構成を調節することによって、測定スラスト(measured thrust)をプランジャ4上に加えることが可能である。簡単に述べると、「測定スラスト」は、ユーザがその値を知っているスラストを意味する。術語「測定スラスト」に関しては、より詳細に後述する。
【0042】
プッシング要素6の弾性要素6bは、容器2の内部空洞2a内に収容されるようになっているコイルばねを備える。
【0043】
本発明による検査装置1は、さらに、特に容器2から外方に突き出す突出部5aによって、位置インジケータ5が採る位置を識別するための位置決め基準(locating reference)を画定するための、容器2の外側に付加される基準要素7も含むだろう。
【0044】
この基準要素7は、採用随意であると見なされなければならず、および、検査装置1の使用の動作状態中に、位置インジケータ5によって採られる位置、したがってプランジャ4によって採られる位置の識別を容易化するように設計されていなければならないと言うことに留意されたい。
【0045】
横方向開口2eがユーザにとって直接的に目視可能ではない時に、例えば、ユーザが位置インジケータ5の長さ方向に対して実質的に垂直な角度から容器2を目視する時に、基準要素7は、特に効果的である。実際には、位置インジケータ5の何らかの移動を評価するために位置基準を画定するためには、容器2の横方向開口2eの外壁だけしか必要ではないだろう。
【0046】
基準要素7は、リングまたはリングナット(ring nut)の形状を有し、および、広範囲の角度から基準要素7をユーザが観察するための基準を提供するように、線対称であることが好ましい。
【0047】
基準要素7は、さらに、検査装置1の容器2の外側にこの基準要素7を締め付け固定するための手段(添付図面には示されていない)を備える。例えば、上記手段は、クラブねじ、ボルト、ピン、ねじ式ボス等であるだろう。
【0048】
図2と
図3A−3Bは、上述の検査装置1を使用してガススプリング100を検査するための一連の作業段階を示す。
【0049】
さらに具体的には、検査装置1は、ガススプリング100上に形成されている対応するソケット105の中に上記末端2bを挿入することによって、ガススプリング100に安定的にかつ可逆的に取り付けられる。
【0050】
この目的のために、末端2bは、ガススプリング100の受け座(receiving seat)105に対する安定的でかつ可逆的な連結のための連結手段3を備えている。
【0051】
この連結手段3が、ガススプリング100の受け座105上に形成されている雌ねじに係合するように設計されている雄ねじ3aを備えることが好ましい。図示されていない変形例の実施形態では、この連結手段3は、ガススプリングの外側カバーを確実に把持するように設計されている1対のジョー(jaw)を備える。
【0052】
末端2b上の連結手段3は、さらに、確実な保持を確保するのに適している任意の他の方法(例えば、バヨネットまたは他の連結部)として実現されるだろう。
【0053】
本発明の技術的な文脈では、ガスシリンダ100は、互いに滑動自在に連結されており、かつ、互いに一体となって、圧力を受けたガスを収容する内部空間103を画定する、シリンダ101とピストン102とを含む要素として説明されている。
【0054】
受け座105が、シリンダ101の底部壁において、すなわち、ピストン102とは反対側の位置において、シリンダ101上に形成されていることが好ましい。
【0055】
詳細に述べると、ガススプリング100のシリンダ101は、座105の底部部分内に配置されていることが好ましい充填弁106を有する。概略的に述べると、ガススプリングの充填弁は、通常は閉じている弁である。この充填弁106の構成は、
図2、
図3A−3B、
図4A−4B、
図5、および、
図6A−6Bに示されているように、検査装置1がガススプリング100に連結されている形状構成において、(当接表面4dとは反対側の)プランジャ4の第1の端部4bが充填弁106の可動封止要素と接触しているような構成である。
【0056】
この接触は、シリンダ101の内部空間103内のガスの圧力が予め決められた公称圧力よりも低い時に、さらに具体的には、プッシング手段6の作用に打ち勝つのに十分なほどは高くない時に、充填弁106が開くことを生じさせるだろう。
【0057】
有利なことに、この予め決められた公称圧力は、上述の測定スラストに正確に一致し、この測定スラストの値は、ユーザには知られており、かつ、プッシング手段6によって生じさせられるプランジャ4の滑動移動に基づいて、加圧ガススプリングシステム(すなわち、シリンダ101と内部空間103とガスおよびピストン102とによって形成されているアセンブリ)の応答をユーザが直接的に解釈することが可能であるように、検査装置1上で設定されている。
【0058】
言い換えると、検査装置1のユーザは、測定スラストの値が検査対象のガススプリング100の公称圧力値に一致するように、プッシング手段6によって(必要に応じてねじ要素6aを回転させることによって)加えられる測定されたスラストの値を設定するだろう。このようにして、ガススプリング100内のガスの圧力が公称値よりも低い場合に、プッシング手段6は、ガススプリング100の充填弁106が開くことを生じさせ、これによって、ガススプリング100の中に収容されているガスを放出する。この状況では、プランジャ4は、貫通穴2dの外側の最大伸長位置(最も外側の位置)に到達し、すなわち、充填弁106に向かって到達する。
【0059】
他方では、ガススプリング100の内側のガスの圧力が上記公称値に等しいかまたはこれより大きい場合に、プッシング手段6は、ガス圧力の力に打ち勝つことが不可能であり、および、充填弁106は開位置に切り替わらない。この状況では、プランジャ4は、貫通穴2dの内側の引っ込み位置を採る。
【0060】
したがって、位置インジケータ5が採る位置を観察することによって、ユーザは、ガススプリング100内のガス圧力が過剰に低い(伸長位置にある位置インジケータ5)かまたは最適である(引っ込み位置にある位置インジケータ5)かを判断することが可能である。
【0061】
次に、特に
図2と
図3Aと
図3Bとを参照して、検査装置1の第1の使用形態を説明する。
【0062】
第1の使用形態では、対応する検査方法は、
− (例えば、上述のタイプの)ガススプリング100を用意する段階と、
− 上述した検査装置に類似した検査装置1を用意する段階と、
− 検査装置1の末端2bをガススプリング100の受け座105の中に挿入することによって、ガススプリング100を検査装置1に確実に連結する段階と、
− プッシング手段6の起動後に、位置インジケータ5が移動させられているか否かを観察し、および、このことがガススプリング100内のガスの圧力と公称値との間に差が存在するか否かを表示する段階
とを含む。
【0063】
この第1の使用形態では、プッシング手段6の作動は、検査装置1をガススプリング100に確実に連結した後に生じる。そうすることによって、プランジャ4は、プッシング手段6の作用を受けて、プッシング手段6とガススプリング100の充填弁106とが互いに連結され終わった後にのみ、ガススプリング100の充填弁106との当接状態になる。したがって、検査装置1のねじ要素6aが休止構成の状態にある時に、すなわち、このねじ要素6aが弾性要素6bを圧縮していないかまたは動作レベルよりも低いレベルに弾性要素6aを圧縮している形状構成にある時に、検査装置1をガススプリング100に連結する前に検査装置1を用意することが行われる。
【0064】
さらに、プッシング手段6は、ねじ要素6aを回転させることと、こうして弾性要素6bがプランジャ4に力を加えるように圧縮させられることを生じさせることとによって、ユーザによって手動で作動させられる。さらに具体的に述べると、ねじ要素6aのねじ込みが、弾性要素6bの圧縮を増大させる。
【0065】
ユーザに対する効果的な補助として、および、同じ圧縮状態を容易に再設定するための的確なシステムとして、ねじ要素6aは、例えば、容器2上の固定された基準マークに対して設定されるための、最小圧力値から最大圧力値までを範囲とする目盛り(graduated scale)(添付図面には示されていない)を有するだろう。この目盛り上の各々のマークはプランジャ4に加えられる力の値に対応し、および、したがって、充填弁106上にプランジャ4によって加えられる圧力の値に対応する。概略的に述べると、弾性要素6bの弾性特性(技術的な専門用語では「k」で表される)が既知である時に、この関係が当てはまる。
【0066】
有利なことに、プッシング手段6によって加えられる上述した測定スラスト値は、最小値から最大値までを範囲とする複数の値にしたがって、好ましくは連続的に、ユーザによって設定されることが可能である。
【0067】
例えば、ねじ要素6aが弾性要素6bから係合解除される(弾性要素6bが排出される)時には、検査装置1の最小測定スラスト値がゼロである。他方では、検査装置1の測定スラスト値は、それが内部空間103の内側のガスの圧力に打ち勝ち、かつ、好ましくは500バールの公称値に等しいかまたはこれより小さいような値である時に、その最大値にある。
【0068】
したがって、ガススプリング100の内部空間103の内側のガスの圧力が公称値よりも小さい(スプリングが排出されている)場合には、プランジャ4は、
図3Aに示されているように、充填弁106が開くことを生じさせ、および、したがって棒4aは末端2bから押し出される。他方では、ガスの圧力が公称値に等しいかまたはこれより大きい場合(最適なスプリング充填状態)には、
図3bに示されているように、プランジャ4は位置を変えず、および、弁106は閉じた状態のままである。
【0069】
基準要素7の使用は、検査装置1の第1の実施形態の2つの使用状態の一方にしたがって、プランジャ4が移動し終わったか否かをユーザが認識することを補助するだろう。
【0070】
さらに詳細に述べると、本発明の方法によって、検査装置1がガススプリング100に確実に連結されているがプッシング手段6がまだ作動させられていない(プランジャ4が最も引っ込んだ位置にある)状況において、基準要素7は、充填弁106と接触しており、かつ、例えば、ねじ式ボスによって容器2の外側上のその位置に固定されている、(さらには、その最も引っ込んだ位置における)位置インジケータ5に対して、当接するように調節されることが可能である。
【0071】
その次に、ユーザは、上述したようにプッシング手段6を作動させ、および、基準要素7に対して位置インジケータ5が移動するかどうかを検査し、このことはプランジャ4が移動し終わっていることと、したがってガススプリング100内のガスの圧力が過剰に低いということを示す。
【0072】
図4Aと
図4Bは、その異なる実施形態における検査装置1の第1の使用形態を示す。
【0073】
図4Aと
図4Bとを参照すると、検査装置1は、プランジャ4の当接表面4dとこの当接表面4dに面する弾性要素6bの端部との間に挿入されていることが好ましい電子センサ8を備える。
【0074】
センサ8は、当接表面4dと弾性要素6bの上記端部との間に加えられる力および/または圧力を電気信号に変換する。
【0075】
例えば、センサ8は圧力センサまたはロードセル(load cell)である。センサ8が、特にプッシング手段6が作動させられる時に、容器2の内部空洞2aの壁との干渉および摩擦を生じさせずに、そのセンサ8を検査装置1の内部空洞2aの内側に収容されることに適したものにする形状および/またはサイズを有することが好ましい。
【0076】
検査装置1は、さらに、センサ8によって発生させられる電気信号を処理および表示するための電子機器9も備える。
【0077】
この電子機器9が、センサ8によって発生させられる電気信号に関連付けられた物理量を表示ユニット9a上で表示することが好ましい。この電子機器9は、外部電気回路網によって給電されることが好ましい。
【0078】
センサ8が、同様に
図4Aおよび
図4Bに示されているように、電気配線によって電子機器9に接続されていることが好ましい。
【0079】
機械式マイクロスイッチ10、または、さらに一般的には、ON−OFF接点が、プランジャ4の位置インジケータ5と基準要素7との間に配置されている。この機械式マイクロスイッチ10が容器2の外側に収容されていることが好ましい。
【0080】
この機械式マイクロスイッチ10の状態は通常は開であり、すなわち、その接点が通常は閉じられておらず、したがって、センサ8よって電子機器9へ信号が送られることがない。
【0081】
基準要素7が位置インジケータ5との当接状態になる時に、この機械式マイクロスイッチ10は開状態から閉状態に切り替わる。
【0082】
さらに詳細に述べると、本発明の方法では、検査装置1がガススプリング100に確実に連結されている状態において、電子機器9は外部電力回路網に接続されており、ONの状態である。この段階では、プッシング手段6は依然として起動されておらず(プランジャ4がその最も引っ込んだ位置にある)、および、機械式マイクロスイッチ10は通常は開いている。
【0083】
次に、基準要素7が、充填弁106に接触しておりかつ容器2の外側上の所定位置に固着させられている(同様にその最も引っ込んだ位置にある)位置インジケータ5に当接するように、ユーザによって調節される。
【0084】
位置インジケータ5と基準要素7との間の当接が機械式マイクロスイッチの接点と相互作用し、この機械式マイクロスイッチ10が閉状態に切り替わることを可能にし、したがって、センサ8によって発生させられる電気信号が、すでに給電されておりかつONに切り替えられている電子機器9に到達することが可能にされる(
図4A)。
【0085】
この段階では、センサ8が動作中であり、かつ、電子機器9によって解釈される信号を適正に生成しているということをユーザに報告するために、電子機器9が視覚形態または他の形態の状態信号を放出する(例えば、表示ユニット9aが点滅する)。
【0086】
その次に、ユーザは、電子機器9の表示ユニット9aが状態を変更するまで、上述したようにプッシング手段6を作動させる。
【0087】
検査装置1の測定スラストがガススプリング100の内側のガスの圧力に打ち勝つようになった直後に、位置インジケータ5は、これと同時に、基準要素7に対して相対的に移動し、ガススプリング100の充填弁106を開くようにプランジャ4の移動を表示する。
【0088】
この移動、すなわち、位置インジケータ5と基準要素7との間の接触の欠如が、機械式マイクロスイッチ10が開状態に戻ることを生じさせる。
【0089】
機械式マイクロスイッチ10がその以前の状態に戻るように切り替わることが、電子機器9にセンサ8によって送られて電子機器9内に記憶されている最新の信号が電子機器9によって処理されることと、例えば力のような物理量に換算して表示ユニット9a上で表示されることとを可能にする。さらに、電子機器9が、ユーザに警報するために音響信号も放出することが好ましい。
【0090】
ユーザは、警報を受けると、プッシング手段6を作動させることを停止する(
図4B)。
【0091】
表示ユニット9a上に示されている、ガススプリング100の充填弁106が開く原因となった力の値が認識された直後に、ユーザは、ガススプリング100の異なるタイプに応じて分類されている用意された変換表を使用することによって、または、単一の変換式を使用することによって、ガススプリング100内の圧力の値を発見することが可能である。
【0092】
検査装置1は、さらに、例えば、より完全なユーザインタフェースを備えている、より高度な電子機器9を備えることがある。
【0093】
このより高度な電子機器9は、ガススプリング100の使用可能な全てのモデルの技術的仕様を電子記憶装置内に記憶することを可能にし、したがって、ユーザは、ガススプリング100が検査される毎に、ガススプリング100内の圧力の値と、したがって、ガススプリング100によって発生させられる力の値とを、表示ユニット9a上で即座に目視するために、ガススプリング100の特定のモデルを呼び出すことが可能である。
【0095】
この第2の使用形態では、対応する検査方法は、
− 上述したガススプリング100を用意する段階と、
− プッシング手段6がすでに作動させられている、上述した検査装置1を用意する段階と、
− 検査装置1の末端2bをガススプリング100の受け座105の中に挿入することによって、検査装置1にガススプリング100を確実に連結する段階と、
− ガススプリング100内のガスの圧力と公称値との間に差が存在するか否かを表示する、位置インジケータ5が移動させられているか否かを観察する段階
とを含む。
【0096】
第1の実施形態では、プッシング手段6は検査装置1のアセンブリ中に工場内で起動される。すなわち、検査装置1が、予め決められたタイプのガススプリング100に関してすでに起動(プリロード(preload))されかつ設定されているプッシング手段6を伴って販売されることが好ましい。これは、予め決められた形状構成の形にねじ要素6aがすでに締め付けられている上述した構造を有する検査装置1を使用することによって、または、例えば、溶接または他の締め付け固定システムによって安定的に固定されている汎用キャップを伴っており、および、したがって、ユーザによって変更されることが不可能な予め決められたスラスト値にしたがって工場設定されている、検査装置1のための異なる構造を使用することによって、実現されるだろう。
【0097】
上述の説明に対する代替案として、第2の使用形態においては、プッシング手段6は、例えば、上述した方法の諸段階にしたがってかつ予め決められた公称値にしたがって、ねじ要素6aを手動で完全に締めることによって、または、(例えば、異なる仕様を有する複数のガススプリング100を検査する時に)最大値よりも低い所望のレベルにまでねじ要素6aを締めることによって、ガススプリング100に対して検査装置1を取り付ける直前にユーザによって前もって起動させられることがある。
【0098】
好ましい実施形態では、工場設定されたプッシング手段6を伴う実施形態は、最適条件(ガススプリングが充填されている)の下でガススプリング100の充填弁106上に作用する公称スラストよりもわずかに低いレベルに、プランジャ4上のプッシング手段6をプリロードすることを含む。
【0099】
より詳細に述べると、検査装置1がすでに予め起動(pre−activate)されているプッシング手段6を有する状態において、位置インジケータ5の最も伸長した位置において位置インジケータ5に当接し、かつ、(
図5と
図6Aおよび
図6Bとに示されているように)位置インジケータ5が引っ込められることを可能にする位置において、基準要素7が容器2の外側上に固定され、これによって、検査装置1の第1の使用形態に関して上述した解決策とは反対のものである解決策を提供する。
【0100】
その次に、ユーザは、上述したように、検査装置1をガススプリング100に対して確実に連結し、および、位置インジケータ5が基準要素7に対して相対的に移動するかどうかを検査する。
【0101】
例えば、検査装置1の測定スラスト(測定されたプリロード)の最小値は、10バールの公称値に等しいかまたはこれより小さい内部空間103の内側のガス圧力に打ち勝つような値であり、一方、検査装置1の測定スラスト(測定されたプリロード)の最大値は、500バールの公称値に等しいかまたはこれより小さい内部空間103の内側のガス圧力に打ち勝つような値である。
【0102】
さらに具体的に述べると、上述した測定スラスト値(測定されたプリロード)が、上述した最小値から最大値までの範囲内の複数の値にしたがって、好ましくは連続的に、設定されることが可能である。
【0103】
簡単に、かつ、より概括的に述べると、本発明によるガススプリングの充填状態を検査するための方法は、
− ガススプリングのための充填弁に対してガススプリングをアクセス可能にするような仕方でガススプリングを用意する段階と、
− ガススプリング充填弁に対して力を加えるように構成されているプランジャ要素を用意する段階と、
− プランジャの働きによって充填弁に力を加える段階と、
− 充填弁に対してプランジャによって加えられる力の強度を測定する段階と、
− 充填弁に力を加える段階中に、ガススプリングを所定位置に確実に固定された状態に保持する段階と、
− 基準要素に対するプランジャの相対的な移動の度合いを検出する段階
とを含む。
【0104】
さらに具体的に述べると、力の強度を測定する段階は、力測定手段(好ましくは動力計)にプランジャ要素を関連付ける副次的段階を含む。あるいは、代替案として、かつ、より好ましくは、力の強度を測定する段階は、既知の事前設定された荷重をプランジャに加えるように予め決められたプリロードを有する弾性要素にプランジャ要素を連結するという副次的段階を含む。さらにより好ましくは、力の強度を測定する段階は、最小値から最大値までの範囲内の複数の値にしたがってその力の値を連続的に設定する副次的段階を含む。
【0105】
本発明による方法は、さらに、位置インジケータをプランジャ要素に関連付ける段階も含む。
【0106】
有利なことに、本発明による検査装置1は、あらゆる位置に、すなわち、水平位置に、垂直位置に、または、任意の他の中間位置に、さらには、逆さまに取り付けられているガススプリング100の充填状態を検査することに適している。
【0107】
有利なことに、本発明による検査装置1は、侵害的でなく、および、最適に充填されたガススプリング100の充填状態が検査される毎に、ガス漏洩を生じさせることがない。実際には、最適に充填されている時に、これらのスプリングの内側のガスの圧力は、充填弁106が検査装置1のプランジャ4によって開かれることを防止するのに十分なだけ高い。他方では、ガススプリング100内のガスの圧力が過剰に低い場合には、こうした場合にはガススプリングがすでに使用に不適な状態にあり、したがって再充填または廃棄を予定されているので、充填弁106の開放の結果として流出するガスが不都合と見なされてはならない。
【0108】
この点で、本発明によって提供される重要な利点が、使用に適している条件(検査装置1のプランジャ4がガススプリング100の充填弁106を開放することが不可能である)にあるガススプリング100と、使用に適していない条件(検査装置1のプランジャ4がガススプリング100の充填弁106を開放する)にあるガススプリング100との間の区別を可能にするスラスト値を、プッシング手段6を調節することによって、設定することが可能であるという利点である。したがって、そのスラスト値より低い場合にはガススプリング100がもはや使用不可能であると見なされなければならない予め決められたスラスト値を決定することによって、プッシング手段6を設定することで十分である。
【0109】
上記の内容が、検査装置の使用の融通性を向上させ、検査装置を様々な種類のガススプリング100に対する適用に適したものにし、および、検査対象のガススプリング100のタイプに応じて、必要に応じて予め決められた値にプッシング手段6がプリロードされるということだけを必要とする。
【0110】
さらに、(排出されたガススプリング100の再充填または廃棄の前に)ガススプリング100の内部空間103を完全に排出することが必要である場合には、検査装置1は、さらに、ガススプリング100の廃棄または再充填がスケジュール設定されることが可能であるように、外界大気の中にガスが直接的に放出されることを可能にする。
【0111】
いずれの場合にも、検査装置1によるガススプリング100の充填弁106の開放が、ガスが外部に逃げることを可能にしてはならない場合にさえ、行われることが必要なことは、弾性Oリングシールを連結手段3に備えることだけである。
【0112】
有利なことに、検査装置1は、プレスまたは動力計または他の特定の機器または装置を使用することなしに、ガススプリング100の充填状態が検査されることを可能にする。この側面が、ガススプリング100を検査するために必要とされる時間と、従来技術による検査のために適している機器(プレス、動力計、ロードセル、または、圧力計)のコストとに関する、多大な節約を可能にする。
【0113】
さらに、検査装置1が、検査されるべき圧力値の精密な測定と選択とを可能にするので、圧力および/またはスラストの測定値を変換する上での誤解釈および/または誤りの危険性がない。
【0114】
有利なことに、検査装置1は、従来の機械工具を使用して作ることが迅速かつ容易である単純な構成要素で作られている。
【0115】
有利なことに、検査装置1は、その構造的単純性の故に、多くの測定装置の場合に必要とされるメンテナンス、再調整、または、校正を必要とせずに、長寿命の動作が保証されている。有利なことに、検査装置1の内部の弾性要素6bは、サイズと(技術的専門用語では文字「k」で表される)弾性特性とにしたがってリストされる標準的な機械的構成要素として、市場で容易に入手可能である交換可能な構成要素である。
【0116】
有利なことに、必要に応じて、ユーザは(プッシング手段6が着脱自在な時に)弾性要素6bを置き換えることが可能であり、したがって、測定スラストの別の値によって、および、したがって、ガススプリング100の異なる組において検査されるべき圧力の値によって、検査装置1を再設定することが可能である。