特許第6356472号(P6356472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6356472
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】物体情報の集中管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20180702BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20180702BHJP
   G08B 13/14 20060101ALI20180702BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   H04M11/00 301
   G08B25/04 E
   G08B13/14 A
   H04Q9/00 311J
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-86541(P2014-86541)
(22)【出願日】2014年4月18日
(65)【公開番号】特開2015-207869(P2015-207869A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年1月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】593202025
【氏名又は名称】株式会社エイビット
(74)【代理人】
【識別番号】100077827
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 弘男
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】檜山 竹生
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−067455(JP,A)
【文献】 特開2005−280973(JP,A)
【文献】 特開2008−276275(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0111851(US,A1)
【文献】 特開2004−083274(JP,A)
【文献】 特開2004−175318(JP,A)
【文献】 特開2013−171331(JP,A)
【文献】 特開2000−105888(JP,A)
【文献】 特開2012−230587(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2161168(EP,A1)
【文献】 特表2010−530940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 19/00
G06Q 10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
G08B 13/00−15/02
23/00−31/00
H03J 9/00− 9/06
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
H04Q 9/00− 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を内蔵するボンベ物体と、該ボンベ物体に物理的に合体される情報管理ユニットと、集中管理センタとで構成され、前記情報管理ユニットは無線通信回路、GPS検知器、気体の使用量センサ、震度センサ、温度センサ、電池残量検出部、サンプリングパルス発生回路、ID情報メモリ、電池を有し、気体の使用量が前記サンプリングパルス発生回路により定期的に測定され、測定結果が、前記ID情報、GPS検知器情報とともに前記無線通信回路を介して前記集中管理センタに送信されるとともに、前記震度センサの出力、温度センサの出力も定期的に測定され、かつ前記電池残量検出部で電池残量が少ないと検知されたことも前記集中管理センタに送信され、前記使用量センサ、震度センサ、温度センサの測定周期を前記集中管理センタの指示で変化可能とし、前記ボンベ物体に生起した異常状態を検知・管理することを特徴とする物体情報の集中管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロパンガスのガスボンベ等の所在情報等物体に付属する情報を通信手段を用いて集中的に管理するシステムに関すものである。
【背景技術】
【0002】
近年、震度センサ、温度センサ、重量センサ等のセンサ素子の感知精度の向上、低省電力駆動技術が進化するとともに、制御コンピュータ(いわゆるマイコン)による低消費電力技術が進み、さらに、省電力化が可能なPHS無線通信を用いることで、これらの素子を搭載した電子回路が、電池で1年以上の期間にわたり駆動可能となってきた。
【0003】
物体の所在を知る技術としては、GPSセンサを利用することや、セルラ携帯電話技術を利用してもある範囲で推定可能なことが知られている。
【0004】
特許文献1には、PHS携帯電話通信システムにおいては、一つの基地局がカバーする通信エリア内の携帯電話の存在を検出できること、特許文献2には、携帯電話がGPS機能を具備することで、携帯電話の所有者が今どこにいるかを通知できる機能が明示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−134547
【特許文献2】特開2010−055583
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プロパンガスのボンベなどは家庭の屋外に多数設置され、かつ移動されることもあり、また、盗難の危険もある物体の所在地を、集中管理センタ(集中管理センタはガス供給会社で運営され、集中管理サーバが設置されている例が多い)で管理し、ガス使用量の変化や、ボンベの移動が適正な移動かどうかを管理しながら、適正な移動でない、あるいは使用量変化が正常でないと判断した時は、何らかの異常事態が発生したと推定し、所望の対策が採れるようにするものである。また、ガスユーザが転居の際、ガス販売店がガスボンベを撤収し、ボンベがガス販売店に保管されたりしているが、ガス販売店に頼る管理では、ガス販売店を統括するガス供給会社からみると保管管理状態が充分とは言い切れなく、正しく一元管理できないという不便さがある。
【0007】
本発明は上記の点にかんがみ、所在地や使用量等の情報の一元管理を実現可能とすることを目的とし、それら情報を観測する測定回路を電池駆動できるようにしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ボンベ一本一本に、情報管理ユニットを物理的に結合設置し、セル範囲の狭いPHS通信技術を用いてボンベの置かれている場所を、半径100メートルの精度で検知する。
【0009】
ユニットにGPSセンサを付加することで、正確な場所の検知ができる。ガスボンベは室外に設置されるケースがほとんどなので、GPSセンサは、物体がガスボンベならば、有効な手段である。情報管理ユニット内部に震度センサを設けることで、ボンベ移動に伴い発生する振動を検知できる。ガス販売店は引っ越しなどでボンベを撤収することがわかっているときは、この移動は正常と判断できるが、移動の予定がないのに移動を検知したら盗難と推定する。
【0010】
情報管理ユニット内部に重量センサを設け、ボンベ全体の重量を測定し、内容物(ガス)の容量を推定できる。ガスユーザーの通常的な使用量を把握管理することで、使用量の異常な増加や減少も検知でき、増加の場合は、ガス漏れあるいは盗ガスと推定され、減少(特に、一定期間使用量がゼロ)を検知したときは、一人暮らし老人の病弱化などユーザ宅内で異変が起きたことを検知できる。また温度センサを設けることで、ボンベ近傍の異常な温度上昇を検知でき、これは火災の検知に役立つ。
【0011】
これらのセンサ情報は情報管理ユニットと集中管理サーバとの30分おきとか一日おきとかの定期的な自動交信により、自動集中管理を可能にする。また、測定周期や通信周期を、センサ情報に応じて変化させることで、センス能力の向上と省電力化の効率的な整合が図れる。なお、集中管理サーバの設置規模は、県単位、市単位、区単位、町単位などあろうが、ガス供給のサービスエリア、ガスユーザの数などを考慮し、ガス供給会社が決めることになろう。
【発明の効果】
【0012】
ガスボンベユーザーの異常状態が推定できるとともに、ボンベの不正な移動を検知でき、かつ、ボンベの所在地を集中的に管理でき、新規ユーザーへの設置や、ボンベ交換などの作業が効率的に行える。また、ガス使用量の異常性や、ボンベ近傍の異常な温度上昇を検知でき、防災等の対策に有効活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による集中管理システムの全体構成を示す図である。
図2】情報管理ユニットの内部構成を示すブロック線図である。
図3】情報管理ユニットが、ガスボンベと物理的に結合されている図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面を参照して本発明を説明する。
【0015】
図1は、本発明による情報集中管理システムの全体構成を示しており、情報管理ユニット12が、ガスボンベ11と一体的に設置され、情報管理ユニット12と公衆PHS通信網13が無線通信されており、PHS通信網13が集中管理センタ14と通信されるように構成されている。情報管理ユニット12はガスボンベ11の重量を感知できるようガスボンベ11の底部に取り付けられる。情報管理ユニット12の形状は直方体状で、携帯電話を少し大きくした程度の大きさである。
【0016】
情報管理ユニット12は、図3に示すように、ガスボンベ11の底部を支えるボンベ受け台31に、ユニットホルダ34を介して取り付けられ重量センサ23がガスボンベ11の重量の一部を測定できるようになっている。
【0017】
情報管理ユニット12の電気的内部構成は、図2に示すように、震度センサ21、温度センサ22、重量センサ23、GPSセンサ24、時計25、サンプリングパルス発生回路26、電池27、電池残量検知部27b,PHS通信部28、センサ情報メモリ29a、端末IDメモリ29bよりなる。なお、時計25は、PHS通信部28が、PHS通信網13との通信の都度、PHS通信網13から時計情報は得られるので、省略してもよい。PHS通信部28はまた、サンプリングパルス発生回路26のパルス発生周期を変化させるため集中管理センタ14から送信される周期制御信号を、サンプリングパルス発生回路26に送る。
【0018】
図3は、ガスボンベ11と情報管理ユニット12の結合状態を例示するものである。
【0019】
ガスボンベ11は、圧接ゴム32とスペーサ37を介してボンベ受け台31上に置かれる。
【0020】
スペーサ37は、ボンベの重量を、ボンベ受け台31と重量センサ23に分散させるものである。ボンベ受け台31の中央には、情報管理ユニット12が、ガスボンベ11の底部に置かれるための窪み状のスペースSが設けられている。情報管理ユニット12の電子回路のすべては、プリント基板33に実装され、プリント基板33は、ユニットホルダ34に、二か所の止め具36で保持されている。またユニットホルダ34は、二カ所の止め具35でボンベ受け台31に固定されている。プリント基板33に実装されている重量センサ23はガスボンベ11の重量を感じるようプリント基板33の上側に置かれ、温度センサ22、震度センサ21、GPSセンサ24は、プリント基板33の下側に置かれ、外気に触れるようユニットホルダ34の下側は開口されている。
【0021】
図2を参照すると、情報管理ユニット12では、サンプリングパルス発生回路26からの出力信号により、定期的(5分とか、30分とか)な時間間隔でセンサ情報をモニタする。モニタされた情報は、その都度、PHS通信部28より、PHS通信網13を介して集中管理センタ14に送られる。センサによるサンプリングの都度集中管理センタ14にセンサ情報のすべてを送る方法もあるが、センサ情報メモリ29aに保存されているセンサ情報を、一日に1回、集中管理センタ14に送る方法、あるいは変化のあったセンサ情報のみを送り通信時間を短くするなどして、省電力化をはかる工夫もある。また、サンプリングの時間間隔は、センサ情報によって短くすることもできる。例えば、30分おきにモニタしていたGPSセンサ24の出力に変化を感じたら、時間間隔を5分おきにしてガスボンベ11の移動をより詳細にモニタできるようにするためである。
【0022】
ガスボンベ11に1対1で対応する情報管理ユニット12は、一つ一つにID番号が付与される。集中管理センタ14では、ガスボンベ11に対応したID番号を監視することで、ガス販売店に供給したガスボンベ11の設置保管場所を管理することができるが、それにはGPSセンサ24から得られるGPS情報とID番号を情報管理ユニット12のPHS通信部28から、PHS通信網13を介して集中管理センタ14に送信することが設置後すぐに行う必要がある。あわせて、PHS基地局情報も参照し、GPS情報が基地局エリアにあることを確認することにより、GPS情報が正確か不正確かが判断できる。GPS情報が正確でないと判断されたときは、ガスボンベ11の所在情報としては、GPS情報に替えPHS基地局情報を使用して管理する。
【0023】
ガスボンベ11の移動を検知する手段として、GPSセンサ24の出力が利用できるが、震度センサ21の出力情報も利用できる震度センサ21は加速度センサで構成され、地震に伴う揺れなどでも出力が変化するが、震度センサ24の出力波形の大きさ、時間を観察することで、地震による揺れか移動に伴う揺れかを識別できる。
ガスユーザが転居などの理由でガスボンベを撤収するときは、震度センサ21に変化があり、その情報は集中管理センタ14に届く。集中管理センタ14では、事前にガス販売店から届けのあった撤収作業計画書に記載された、ガスボンベ11の移動についての日時情報をもとに、その移動が正常かどうかが推定できる。もし、撤収作業計画書が、ガス販売会社に届けられていなければ、ガス供給会社は、ガス販売店に電話連絡し、「当該販売店のガスボンベ11に移動を検知したので盗難ではないか」などの警告をすることができ、盗難防止にも役立つ。
【0024】
重量センサ23の出力により、等価的にはガス使用量を計測することができ、ガスユーザーの1日あたりの使用量等を把握することが出来る。あるとき、把握している使用量を大幅に上回る使用が観察されたときは、ガスの盗難目的でガスを抜いているのではないか、あるいは、ユーザー宅内でガス漏れを起こしているのではないかと推定し、ガス供給会社からユーザーに電話し、ガス漏れの確認を行うことができる。ユーザー宅内でガス漏れが確認できない時は、誰かがガスを盗んでいるのではないかとの想定のもとに、ガス販売店が、ガス供給会社からの電話連絡を受け、ユーザー宅に出向き、ガスボンベ11の周辺にガス盗難の形跡があるかどうかをチェックする。
【0025】
ガスユーザーが一人暮らしで病気になり寝込んだりすると、ガスを使用しないので、ガス使用量が大幅に減少する。前記した1日あたりの使用量把握情報と比較しながら何かの異常が宅内で発生していると感じたときは、ガス供給会社が、ガスユーザーやユーザーが届けている緊急連絡先に電話連絡し、長期旅行等で不在とわかればそれでよし、不在理由がわからないときは異常発生の可能性が高いので連絡先の人に確認に行っていただく等の処置を採る。
【0026】
温度センサ22の出力によりガスボンベ11の周辺の温度を検知でき、正常な使用状態においては温度センサ22の出力は大気温度と大差はない。近年、放火などの事件が多発する傾向にあるが、ガスユーザー宅へ何者かが放火したとき、温度センサ22の出力が異常に増加する(高温を示す)はずで、このときは、PHS通信部28は、ユーザーの電話番号に直接電話し、ガスボンベ11の周辺温度が異常に高いことを知らせる。
【0027】
このような放火対策を行うには、サンプリング時間間隔を夜間は5分毎とかの設定にする方法も採れよう。
【0028】
PHS通信部28と集中管理センタ14との間の通信信号について次の表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
ガス供給会社はガス販売店に情報管理ユニット12をボンベ受け台31とともに供給するが、ガス販売店は、ボンベ受け台31をガスボンベ11に取り付けたら、まず、ガスボンベ11の管理番号と情報管理ユニットの管理番号と、ガスユーザーの電話番号と緊急連絡先電話番号を、ガス供給会社に書面などで報告する。報告を受けたガス供給会社は、どのガスボンベに、どの情報管理ユニットが取り付けられているのかを知るとともに、その関連付けられた情報を、端末ID信号として、集中管理センタ14から送信する。
【0031】
PHS通信部28は、前記ID信号の受信後、受信した情報を,端末IDメモリ29bに保存するとともに、4つのセンサの、センサ出力情報を集中管理センタ14に送り、集中管理センタ14は設置後の初期情報として、これらのセンサ情報を管理テーブルに置くことで初期登録が完了し、情報管理ユニット12の稼働が開始する。なお、このときガス供給会社は、集中管理センタ14から送られてきたセンサ情報が、初期情報として、正常でないと判断したときは、ガス販売店に電話連絡し、ガスボンベ11のボンベ受け台31への取付け作業の再確認を要求し、センサ情報の再度の送受信を行いながら、初期登録の修正を完了する。その後、情報管理ユニット12は30分おきとかの定期的な周期でセンサ情報をモニタし、センサ情報メモリ29aに情報を蓄える。センサ情報が正常な使用の範囲内であるときは、毎日、1日分のセンサ情報メモリ29aの内容を集中管理センタ14へ送信する。
【0032】
なお、センサ情報に変化がないときは、通信時間短縮のため、センサ情報の送信にかえ「変化なし」の情報を送信してもよいし、ガス使用量把握のため重量センサ23の情報だけでもよい。通信時間の短縮は電池寿命の長期化をもたらす。震度センサ21、GPSセンサ24の出力に変化があるときは、盗難の恐れがあるので、測定周期を30分から1分にときめ細かく測定し、集中管理センタ14へは測定の都度、測定データを送信する。温度センサ22の出力も火災の恐れがあるので、同様にきめ細かく測定し、センタへ情報を送信する。また、重量センサ23の出力が、定常的な使用量との間に大きなズレがあり、正常ではないと判断したときも同様である。異常通知信号としては、温度異常、場所異常、使用量異常に加え、電池残量検出部27bが、残量低下を検出したときにそのことを集中管理センタ14に知らせ、ガス販売店に電池交換を要求するための残量低下信号がある。
【0033】
ガスユーザーの転居などの理由で、ガスボンベを撤収・移動するときは、予めガス販売店は、ガス供給会社に「撤収作業計画書」を提出するが、その報告を受けると、集中管理センタ14は、PHS通信部28に「移動届」の情報を送り、測定周期を短くする必要のないことと、測定データのセンタへの送信が不要であることを伝える。「移動届」信号を受信したら前記した測定周期を1分とかに短くする必要はない。このことで、無駄な電池消耗が防げる。また、ガスユーザーが旅行などで長期不在になるとき、そのことをガス供給会社に連絡しておけば、ガス使用量がゼロであっても異常ではないと判断できるため、集中管理センタ14は「外出届」情報を送り、PHS通信部28は、センタへ異常通知信号の送信を行わない。
【0034】
「移動届」や「外出届」が出されてないときの、震度センサ21やGPSセンサ24による移動検出、重量センサ23によるガス使用量の異常検出、さらに温度センサ22による異常検出は、集中管理センタ14に異常状態を連絡するだけでなく、ガスユーザーが予め登録している緊急連絡先の電話番号にも自動発信し連絡する。
【0035】
上の例では、測定周期を30分とか5分とか1分とか1日とかの例で説明したが、測定周期は、集中管理センタ14から必要に応じて「測定周期」信号を送ることにより変更が可能である。測定周期を状況に応じて変化させることで、センス能力の向上と省電力化が効率よく図れる。
【0036】
また、図3に示す情報管理ユニットのガスボンベへの設置方法は、既存のガスボンベに対応した設置方法であるが、新規のガスボンベで、ガスメータ情報がメータから直接得られるときは、重量測定による必要はなく、設置場所はボンベの下である必要はない。
【0037】
プロパンガスボンベに取り付けられるガスメータは、プロパンガスボンベの頭部に置かれるであろうから、重量測定によらない方法では、情報管理ユニットは、ガスボンベの頭部に取り付けられようが、ガスメーターの数値が電気的に得られる場合は、設置場所、設置方法はさらに自由度を増す。
【0038】
GPS情報が正確に受信できるところでは、PHS通信網を利用せず、一般電話網や携帯電話などの他の公衆通信網を利用することも可能である。また、特定小電力無線通信のような自営の無線通信網の利用も可能である。
【0039】
また上の例ではプロパンガスボンベの管理について説明したが、酸素、アセチレン、水素などの気体を内蔵するボンベや、これに限らず、例えば、市中に多数設置され、時々設置場所が移動されたり交換されたりする監視カメラなどの物体にカメラの回転角度が正常に作動しているかを確認するセンサを設けたり、街路灯物体に対し光センサとともに、輝度の低下や点灯確認を行なったり、随所に多数設置される放射線量測定器物体や農場でのカラスや動物による被害監視物体が正常に作動しているかなど、プロパンガスのような気体内蔵ボンベを含めこれらの計測・監視物体が計測・監視する情報を定期的に確認し、物体とセンサとGPS検知器と無線通信技術を用いることで、計測・監視物体の、本来機能の発揮状況(プロパンガスの例ではガス使用量の測定、街路灯では輝度測定)や、異常検知(設置環境の異変(火災発生))、盗難対策(正常な移設か盗難か)を含め、物体の稼働状況を現在地とともに集中管理することができ、本発明を多方面に展開することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0040】
家庭用のプロパンガスボンベの所在に対し、一元的な管理が可能になるとともに、移動等の検出で、不正防止対策、さらに、火災、ガス漏れなどの異常状態の検出も可能となる。家庭用に限らず産業用のガス容器、またガス容器に限らず、あらゆる物体の一元管理が容易になる。
【0041】
物体の供給会社、物体の販売会社、物体のユーザー間で、緊密な情報連絡が自動的にな
され、利便性の向上が増す。
【符号の説明】
【0042】
11 ガスボンベ
12 情報管理ユニット
13 PHS通信網
14 情報管理センタ
21 震度センサ
22 温度センサ
23 重量センサ
24 GPSセンサ
25 時計
26 サンプリングパルス発生回路
27 電池
27b 電池残量検知部
28 PHS通信部
29a センサ情報メモリ
29b 端末IDメモリ
31 ボンベ受け台
32 圧接ゴム
33 プリント基板
34 ユニットホルダ
35 ユニットホルダ止め具
36 プリント基板止め具
37 スペーサ
図1
図2
図3