【実施例】
【0076】
以下の実施例および比較例において本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
以下の合成例で、とくに断りのない限り、操作は精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は脱水・脱酸素したものを用いた。
【0077】
1.評価法
(1)Tm,Tc:
以下のDSC測定により求めた。
Perkin Elmer社製PYRIS Diamond DSC示差走査熱量測定装置を使用して、試料(約5mg)を210℃で5分間融解後、10℃/分の速度で−10℃まで降温し、−10℃で5分保持した後に、10℃/分の速度で210℃まで昇温することにより融解曲線を得た。降温段階における主発熱ピークのピークトップ温度を結晶化温度Tcとした。また、融解曲線を得るために行った最後の昇温段階における主吸熱ピークのピークトップ温度を融点Tmとした。
【0078】
(2)重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnおよび分子量分布Mw/Mn:
以下のGPC測定により求めた。
はじめに、試料(約20mg)をポリマーラボラトリー社製高温GPC用前処理装置PL−SP260VS用のバイアル瓶に採取し、安定剤としてBHTを含有するo−ジクロロベンゼン(BHT濃度=0.5g/L)を加え、ポリマー濃度が0.1wt%になるように調整した。ポリマーを上記高温GPC用前処理装置PL−SP260VS中で135℃に加熱して溶解させ、グラスフィルターにて濾過して試料を調製した。なお、本発明におけるGPC測定において、グラスフィルターに捕捉されたポリマーはなかった。次に、カラムとして、東ソー社製TSKgel GMH−HT(30cmx4本)およびRI検出器を装着したウォーターズ社製GPCV2000を使用してGPC測定を行った。測定条件としては、試料溶液注入量:約520μL、カラム温度:135℃、溶媒:o−ジクロロベンゼン、流量:1.0mL/分を採用した。分子量の算出は以下のように行った。すなわち、標準試料として市販の単分散のポリスチレンを使用し、該ポリスチレン標準試料およびエチレン系重合体の粘度式から、保持時間と分子量に関する校正曲線を作成し、該校正曲線に基づいて分子量の算出を行った。なお、粘度式としては、[η]=KxM
αを使用し、ポリスチレンに対しては、K=1.38E
−4、α=0.70を使用し、エチレン系重合体に対しては、K=4.77E
−4、α=0.70を使用した。
【0079】
(3)IR分析:
熱プレスによってシートにしたサンプルをIR測定することでコモノマー含量([RA])を求めた。その際、エチレン/アクリル酸エステル共重合体は1,740cm
−1/730−720cm
−1の面積比を、以下の式を用いて換算した値である。
[RA]=1.3503(面積比)−0.2208
【0080】
(4)ポリマー嵩密度(BD)の測定:
JIS K 7365に準拠して測定した。
【0081】
2.配位子及び錯体の合成
合成例1:2−(2,6−ビスメトキシフェニル)(2,6−ジメトキシ−4−(3−ブタノン−1−イル)フェニル)ホスファニル−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−191)の合成
【0082】
(1)4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−ブテン−2−オン(B−191_2)の合成
3,5−ジメトキシベンズアルデヒド(8.30g,50.0mmol)とアセトン(37.0mL,29.2g,50.3mmol)の混合溶液に40分間かけて1N水酸化ナトリウム溶液(100mL)を滴下した後、1時間撹拌した。その混合溶液は6N塩酸水溶液(13.0mL)を加えることで中性になった。中和された溶液を酢酸エチルで抽出(150mLx2)し、その抽出液を飽和食塩水(80mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)することで目的化合物(B−191_2)を得た(6.00g,29.1mmol,58%収率)。
(2)4−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−ブタノン(B−191_3)の合成
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−ブテン−2−オン(B−191_2,1.00g,4.85mmol)と氷酢酸(9.45μL,0.99mg,16.5mmol)のエタノール(10.0mL)溶液を20分間アルゴン置換した後、その溶液にPd/C(97.0mg,10wt%)を加えた。その混合物を水素圧(1.4気圧)、25℃、2日間撹拌した後、水素をパージした。その反応混合物をセライトパットでろ過し、ろ別物を酢酸エチル(100mL)で洗浄した。ろ液と洗浄液との混合物を真空下で濃縮することで目的化合物(B−191_3)を薄黄色の液体として得た(0.85g,4.08mmol,84%収率)。
【0083】
(3)1,3−ジメトキシ−5−(2−メチル−1,3−ジオキサラン−2−イル)−2−エチル)ベンゼン(B−191_4)の合成
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−ブタノン(B−191_2,8.30g,39.9mmol)とエチレングリコール(12.5g,0.201mol)との混合溶液にオルトギ酸トリメチル(23.2g,0.219mol)とp−トルエンスルホン酸(0.275g,1.60mmol)をアルゴン雰囲気下15℃で添加した後、その混合物を14時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水(50mL)添加し、酢酸エチルで抽出を行った(100mLx2)。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水された抽出液をろ過し、そのろ液を濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物は、トリエチルアミン処理したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)することで、無色液体として目的化合物(B−191_4)を得た(5.20g,20.6mol,52%収率)。
【0084】
(4)1−ブロモ−2−(メトキシメトキシ)−3−(2,6−ジメトキシフェニル)(2,6−ジメトキシ−4−((2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)フェニル)ホスファニルベンゼン(B−191_18)の合成
(4−1)1,3−ジブロモ−2−(メトキシメトキシ)ベンゼン(4.40g,14.9mmol)の脱水テトラヒドロフラン(10mL)溶液にアルゴン雰囲気下−30℃でイソプロピルマグネシウムクロリド(7.0mL,2.0M,15.0mmol)を滴下し、その混合物を徐々に15℃まで昇温して1時間撹拌した。その後、その反応混合物を−78℃まで冷却した後、その混合物に三塩化リン(8.40g,61.2mmol)を滴下して更に1時間撹拌した。その後、真空下で溶媒を留去し、得られた残渣を脱水テトラヒドロフラン(15mL)で溶解させた。
(4−2)1,3−ジブロモベンゼン(2.07g,15.0mmol)の脱水テトラヒドロフラン(10.0mL)にアルゴン雰囲気下0℃で、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(6.0mL,2.5M,15.0mmol)を滴下した後、徐々に15℃まで昇温して2時間撹拌した。その反応混合溶液を−78℃まで冷却した後、そこに(4−1)で合成した反応溶液をゆっくり滴下した後、15℃まで徐々に昇温して1時間撹拌した。
【0085】
(4−3)化合物(B−191_4,3.78g,15.0mmol)の脱水テトラヒドロフラン(10mL)にアルゴン雰囲気下0℃で、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(6.0mL,2.5M,15.0mmol)を滴下した後、徐々に15℃まで昇温して2時間撹拌した。その反応混合物を、(4−2)で合成した反応溶液に−78℃で滴下した後、15℃まで徐々に昇温して16時間撹拌した。その反応混合物に氷水(300mL)加えた後、有機溶媒を減圧下で除去した。それを酢酸エチルで抽出(150mLx3)した後、抽出液は飽和食塩水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。得られたろ液を濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)することで、白色固体として目的化合物(B−191_18)を得た(4.80g,7.6mol,50%収率)。
【0086】
(5)1−(ペンタフルオロフェニル)−2−(メトキシメトキシ)−3−(2,6−ジメトキシフェニル)(2,6−ジメトキシ−4−((2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)フェニル)ホスファニルベンゼン(B−191_12)の合成
化合物(B−191_18,14.3g,22.5mmol)の脱水テトラヒドロフラン(50mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(9.0mL,2.5M,22.5mmol)を滴下した後、その混合物を−78℃で1時間撹拌した。そこにヘキサフルオロベンゼン(12.5g,67.2mmol)を滴下し、徐々に25℃まで昇温した後16時間撹拌した。その反応混合物に氷水(100mL)添加した後、有機溶媒を減圧下で留去した。それを酢酸エチルで抽出をした(150mLx3)。抽出液を飽和食塩水(150mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)することで目的化合物(B−191_12)を白色固体として得た(3.80g,5.3mmol,23%収率)。
【0087】
(6)2−(2,6−ビスメトキシフェニル)(2,6−ジメトキシ−4−(3−ブタノン−1−イル)フェニル)ホスファニル−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−191)の合成
化合物(B−191_12,0.200g,0.277mmol)の酢酸エチル(8.0mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で、塩化水素の酢酸エチル溶液(4M,5.00mL)を0℃で滴下した。その混合物を徐々に15℃まで昇温し、1.0時間攪拌を行った後、有機溶媒を減圧下で除去した。それに飽和炭酸水素ナトリウム水(30mL)を添加してから、酢酸エチルで抽出した(30mLx2)。抽出液を飽和塩化ナトリウム水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮したところ、目的化合物(B−191)を白色粉末として得た(0.150g,0.236mmol,85%収率)。
【0088】
1HNMR(CDCl
3,δ,ppm):7.72(ddd,J=13.2,7.6,1.6Hz,1H),7.24(t,J=8.4Hz,1H),7.12(d,J=7.2Hz,1H),6.90(t,J=7.2Hz,1H),6.51(dd,J=8.4,3.2Hz,2H),6.34(d,J=3.2Hz,2H),3.56(s,12H),2.87(t,J=6.8Hz,2H),2.77(t,J=6.8Hz,2H),2.17(s,3H),OHは見えず;
31PNMR(CDCl
3,δ,ppm):−60.5(s).
【0089】
合成例2:2−ビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスファニル−4−(3−ブタノン−1−イル)−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−195)の合成
(1)1,3−ジメトキシ−2−ヨードベンゼン(2)の合成
脱水テトラヒドロフラン(500mL)に1,3−ジメトキシベンゼン(50g,0.36mol)を溶解させた。ここに、窒素雰囲気下でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(166mL,2.5M,0.42mol)を0℃で徐々に加えた。ここで得られた溶液に、脱水テトラヒドロフラン(200mL)に溶解させたヨウ素(96.5g,0.38mol)の溶液を0℃で40分間かけて滴下した。得られた溶液を室温で終夜攪拌した。終了後、メタノール(80mL)を滴下し、得られた混合物を減圧下に濃縮し、水(200mL)を加えた後、酢酸エチル(250mL)で3回抽出した。抽出液をチオ硫酸ナトリウム水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮したところ、1,3−ジメトキシ−2−ヨードベンゼン(2)が黄色の固体として得られた(63g,66%収率)。
【0090】
(2)ビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィンクロリド(3)の合成
化合物(2,19.4g,73.5mmol)を脱水テトラヒドロフラン(50mL)に溶解させ、イソプロピルマグネシムクロライドのテトラヒドロフラン溶液(36.8mL,2.0M,73.6mmol)を−30℃で徐々に添加し、得られた混合物を15℃で1時間攪拌した。次に、その混合物を−78℃に冷却し、そこに三塩化リン(5.0g,36.4mmol)をゆっくり添加した。徐々に15℃まで昇温し、15℃で1時間攪拌した後、溶媒を真空除去した。得られたビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィンクロリド(3)を含む反応中間体に脱水テトラヒドロフラン(150mL)添加し、次の反応に使用した。
【0091】
(3)4−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン(B−195_5)の合成
4−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン(150g,0.91mol)のアセトン(1L)/水(1L)混合溶液に臭化ナトリウム(231g,2.25mol)とオキソン(登録商標)(一過硫酸塩化合物)(843g,1.37mol)をアルゴン雰囲気下0℃で添加した後、その混合物を14時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ別物を酢酸エチルで洗浄した(500mLx3)。ろ液と洗浄液を減圧濃縮し、得られた濃縮物を酢酸エチルで抽出した(800mLx3)。その抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水した後ろ過し、ろ液を濃縮することで目的化合物(B−195_5)を得た(250g,0.78mol,86%収率)。
【0092】
(4)2−メチル−2−(2−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−195_6)の合成
化合物(B−195_5,430g,1.34mol)とエチレングリコール(415g,6.69mol)との混合溶液にオルトギ酸トリメチル(709g,6.68mol)とp−トルエンスルホン酸(43g,0.20mol)をアルゴン雰囲気下15℃で添加した後、その混合物を14時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水(500mL)添加し、酢酸エチルで抽出を行った(1Lx3)。抽出液は無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した後、そのろ液を濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)することで、白色固体として目的化合物(B−195_6)を得た(420g,1.15mol,86%収率)。
【0093】
(5)2−メチル−2−(2−(3,5−ジブロモ−4−(メトキシメトキシ)フェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−195_7)の合成
水素化ナトリウム(54.4g,1.36mol,ミネラルオイル40wt%)の脱水テトラヒドロフラン(500mL)懸濁液に化合物(B−195_6,246g,0.67mol)をアルゴン雰囲気0℃で添加した後、その混合物を1時間撹拌した。そこにクロロメチルメチルエーテル(112g,1.39mol)をアルゴン雰囲気下0℃で添加した後、その混合物を4時間撹拌した。その混合物に氷水(500mL)を添加した後、酢酸エチルで抽出した(500mLx3)。得られた抽出液は飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した後、ろ液を濃縮することで粗生成物を得た。粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)することで、無色透明液体の目的化合物(B−195_7)を得た(250g,0.61mol,90%収率)。
【0094】
(6)2−メチル−2−(2−(3−ブロモ−4−(メトキシメトキシ)−5−ビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスファニルフェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−195_8)の合成
化合物(B−195_7,30.2g,73.6mmol)の脱水テトラヒドロフラン(75mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(29.4mL,2.5M,73.5mmol)を滴下した後、その混合物を1時間撹拌した。−78℃に冷やしたその反応混合物に、(2)で得られた化合物の溶液(3,73.5mmol)を滴下し、徐々に15℃まで昇温した後、14時間撹拌した。その反応混合物に氷水(100mL)添加した後、塩化メチレンで抽出をした(150mLx3)。抽出液を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水抽出液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)することで目的化合物(B−195_8)を無色透明液体として得た(15.0g,23.6mmol,32%収率)。
【0095】
(7)2−メチル−2−(2−(3−(ペンタフルオロフェニル)−4−(メトキシメトキシ)−5−ビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスファニルフェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−195_9)の合成
化合物(B−195_8,8.0g,12.6mmol)の脱水テトラヒドロフラン(40mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(5.0mL,2.5M,12.5mmol)を滴下した後、その混合物を−78℃で1時間撹拌した。−78℃の反応混合物に、ヘキサフルオロベンゼン(7.7g,41.4mmol)を滴下し、徐々に15℃まで昇温した後、14時間撹拌した。その反応混合物に氷水(50mL)添加した後、塩化メチレンで抽出をした(75mLx3)。抽出液を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水抽出液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)することで目的化合物(B−195_9)を無色の液体として得た(4.0g,5.5mmol,44%収率)。
【0096】
(8)2−ビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスファニル−4−(3−ブタノン−1−イル)−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−195)の合成
化合物(B−195_9,4.0g,5.5mmol)の酢酸エチル(20mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で、塩化水素の酢酸エチル溶液(4M,40mL)に0℃で加えた。その混合物を徐々に25℃まで昇温し、1時間攪拌を行った。その反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水(50mL)を添加し、酢酸エチルで抽出した(60mLx2)。抽出液を飽和塩化ナトリウム水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水した抽出液を減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)することで目的化合物(B−195)を白色粉末として得た(1.3g,2.1mmol,38%収率)。
1HNMR(C
6D
6,δ,ppm):7.72(dd,J=14.0,2.0Hz,1H),7.73(s,1H),6.99(t,J=8.4Hz,2H),6.89(s,1H),6.20(dd,J=8.4,2.4Hz,4H),3.17(s,12H),2.73(t,J=7.6Hz,2H),2.16(t,J=7.6Hz,2H),1.55(s,3H);
31PNMR(C
6D
6,δ,ppm):−58.4(s).
【0097】
合成例3:2−ビス(2,6−ジメトキシ−4−(3−ブタノン−1−イル)フェニル)ホスファニル−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−200)の合成
(1)1−ブロモ−2−(メトキシメトキシ)−3−ビス(2,6−ジメトキシ−4−((2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)フェニル)ホスファニルベンゼン(B−200_5A)の合成
(1−1)1,3−ジブロモ−2−(メトキシメトキシ)ベンゼン(14.8g,50.0mmol)の脱水テトラヒドロフラン(60mL)溶液にアルゴン雰囲気下−30℃でイソプロピルマグネシウムクロリド(25.0mL,2.0M,50.0mmol)を滴下し、その混合物を徐々に25℃まで昇温して2時間撹拌した。その後、その反応混合物を−78℃まで冷却して15分間撹拌した後、−78℃に冷却した混合物に三塩化リン(20.5g,149mmol)を滴下した。その混合物を25℃まで徐々に昇温して1時間撹拌した後、真空化で溶媒を留去した。得られた残渣を脱水テトラヒドロフラン(100mL)で溶解した
(1−2)1,3−ジメトキシ−5−(2−メチル−1,3−ジオキサラン−2−イル)−2−エチル)ベンゼン(B−191_4,25.2g,99.9mmol)の脱水テトラヒドロフラン(100mL)にアルゴン雰囲気下0℃で、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(40.0mL,2.5M,100mmol)を滴下した後、徐々に25℃まで昇温して2時間撹拌した。その反応混合物を、(1−1)で合成した混合物に−78℃で滴下した後、25℃まで徐々に昇温して16時間撹拌した。その反応混合物に氷水(300mL)加えた後、有機溶媒を減圧下で除去した。それを酢酸エチルで抽出(150mLx3)した後、抽出液は飽和食塩水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。得られたろ液を濃縮することで得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)することで、白色固体として目的化合物(B−200_5A)を得た(13.8g,18.4mol,37%収率)。
【0098】
(2)1−(ペンタフルオロフェニル)−2−(メトキシメトキシ)−3−ビス(2,6−ジメトキシ−4−((2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)フェニル)ホスファニルベンゼン(B−200_6)の合成
化合物(B−200_5A,13.8g,18.4mmol)の脱水テトラヒドロフラン(20mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(7.3mL,2.5M,18.3mmol)を滴下した後、その混合物を−78℃で1時間撹拌した。そこにヘキサフルオロベンゼン(11.3g,60.7mmol)を滴下し、徐々に25℃まで昇温した後、16時間撹拌した。その反応混合物に氷水(100mL)添加した後、有機溶媒を減圧下で除去した。それを酢酸エチルで抽出をした(50mLx3)。抽出液を飽和食塩水(100mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)することで目的化合物(B−200_6)を白色固体として得た(5.80g,6.9mmol,38%収率)。
【0099】
(3)2−ビス(2,6−ジメトキシ−4−(3−ブタノン−1−イル)フェニル)ホスファニル−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−200)の合成
化合物(B−200_6,0.200g,0.239mmol)の酢酸エチル(6.0mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で、塩化水素の酢酸エチル溶液(4M,10.0mL)を滴下した。その混合物を徐々に15℃まで昇温して1.0時間攪拌を行った後、有機溶媒を減圧下で除去した。そこに飽和炭酸水素ナトリウム水(30mL)を添加してから、酢酸エチルで抽出した(30mLx2)。抽出液を飽和塩化ナトリウム水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮した粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)することで目的化合物(B−200)を白色固体として得た(0.100g,0.142mmol,59%収率)。
1HNMR(C
6D
6,δ,ppm):7.72(ddd,J=13.2,7.6,1.2Hz,1H),7.83(br(s),1H),7.03(d,J=7.2Hz,1H),6.84(t,J=7.6Hz,1H),6.15(d,J=2.8Hz,4H),3.24(s,12H),2.72(t,J=7.6Hz,4H),2.18(t,J=7.6Hz,4H),1.62(s,6H);
31PNMR(C
6D
6,δ,ppm):−59.7(s).
【0100】
合成例4:2−(2,6−ジメトキシフェニル)(2,6−ジフェノキシフェニル)ホスファニル−4−(3−ブタノン−1−イル)−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−203)の合成
(1)2−メチル−2−(2−(3−ブロモ−4−(メトキシメトキシ)−5−(2,6−ジメトキシフェニル)(2,6−ジフェノキシフェニル)ホスファニルフェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−203_11A)の合成
(1−1)1,3−ジメトキシ−2−ヨードベンゼン(2,13.2g,50.0mmol)を脱水テトラヒドロフラン(60mL)に溶解させ、イソプロピルマグネシムクロライドのテトラヒドロフラン溶液(25.0mL,2.0M,50.0mmol)を−30℃で徐々に添加し、得られた混合物を15℃で1時間攪拌した。次に、その混合物を−78℃に冷却し、そこに三塩化リン(8.40g,61.2mmol)を添加してから、さらに1時間撹拌した。その後、溶媒と過剰の三塩化リンを真空除去した後、残渣に脱水テトラヒドロフラン(80mL)を添加し、次の反応に使用した。
(1−2)1,3−ジフェノキシベンゼン(13.1g,49.9mmol)の脱水テトラヒドロフラン(40mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(20.0mL,2.50M,50.0mmol)を滴下した後、徐々に15℃まで昇温して2時間撹拌した。その混合溶液を、(1−1)で得たテトラヒドロフラン溶液に−78℃で滴下した後、徐々に15℃まで昇温して1時間撹拌した。
【0101】
(1−3)2−メチル−2−(2−(3,5−ジブロモ−4−(メトキシメトキシ)フェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−195_7,20.5g,50.0mmol)の脱水テトラヒドロフラン(50mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃で−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(20.0mL,2.50M,50.0mmol)を滴下した後、更に1時間撹拌した。その混合物を、(1−2)で得られた混合物の溶液に−78℃で滴下した後、徐々に15℃まで昇温して16時間撹拌した。その反応混合物に氷水(300mL)添加した後、有機溶媒を減圧下で留去した後、酢酸エチルで抽出をした(150mLx3)。抽出液を飽和食塩水(300mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。その後、ろ液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)することで目的化合物(B−203_11A)を白色固体として得た(13.8g,18.2mmol,36%収率)。
【0102】
(2)2−メチル−2−(2−(3−(ペンタフルオロフェニル)−4−(メトキシメトキシ)−5−(2,6−ジメトキシフェニル)(2,6−ジフェノキシフェニル)ホスファニルフェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−203_12A)の合成
化合物(B−203_11A,13.8g,18.2mmol)の脱水テトラヒドロフラン(50mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(7.3mL,2.5M,18.3mmol)を滴下した後、その混合物を−78℃で1時間撹拌した。そこにヘキサフルオロベンゼン(12.5g,67.2mmol)を滴下した後、徐々に15℃まで昇温して16時間撹拌した。その反応混合物に氷水(100mL)添加した後、有機溶媒を減圧下で留去した。その残渣を酢酸エチルで抽出をした(150mLx3)。抽出液を飽和食塩水(150mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)することで目的化合物(B−203_12A)を白色固体として得た(9.50g,11.2mmol,62%収率)。
【0103】
(3)2−(2,6−ジメトキシフェニル)(2,6−ジフェノキシフェニル)ホスファニル−4−(3−ブタノン−1−イル)−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−203)の合成
化合物(B−203_12A,0.403g,0.486mmol)の酢酸エチル(8mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で、塩化水素の酢酸エチル溶液(4M,15mL)に滴下した。その混合物を徐々に25℃まで昇温し、1時間攪拌した後、有機溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水(30mL)を添加し、その後酢酸エチルで抽出した(30mLx2)。その抽出液を飽和塩化ナトリウム水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮したところ、目的化合物(B−203)を白色粉末として得た(0.36g,0.474mmol,98%収率)。
1HNMR(CDCl
3,δ,ppm):7.68(s,1H),7.64(dd,J=13.2,2.0Hz,1H),6.99−6.94(m,4H),6.90(t,J=8.4Hz,1H),6.80−6.71(m,8H),6.50(dd,J=8.0,2.8Hz,2H),6.09(dd,J=8.0,2.8Hz,2H),3.17(s,6H),2.53(t,J=7.6Hz,2H),1.98(t,J=7.6Hz,2H),1.53(s,3H);
31PNMR(CDCl
3,δ,ppm):−59.2(s).
【0104】
合成例5:2−(2−メトキシ−6−フェノキシフェニル)(2,6−ジフェノキシフェニル)ホスファニル−4−(3−ブタノン−1−イル)−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−207)の合成
(1)1−メトキシ−3−フェノキシヨードベンゼン(B−207_4)の合成
1−メトキシ−3−フェノキシベンゼン(6.00g,30mmol)の脱水テトラヒドロフラン(30.0mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(12.0mL,2.50M,30.0mmol)を滴下した後、徐々に室温まで昇温して2時間撹拌した。ここで得られた溶液に、ヨウ素(8.40g,33.1mol)の溶液を0℃で滴下した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。そして、飽和チオ硫酸ナトリウム水(20mL)を添加した後、減圧下で留去した。その残渣を酢酸エチル(30mLx3)で抽出した後、抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル)することで目的物(B−207_4)が得られた(6.00g,18.4mmol,61%収率)。
【0105】
(2)2−メチル−2−(2−(3−ブロモ−4−(メトキシメトキシ)−5−(2−メトキシ−6−フェノキシフェニル)(2,6−ジフェノキシフェニル)ホスファニルフェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−207_11A)の合成
(2−1)1−メトキシ−3−フェノキシ−2−ヨードベンゼン(B−207_4,15.6g,47.8mmol)を脱水テトラヒドロフラン(60mL)に溶解させ、イソプロピルマグネシムクロライドのテトラヒドロフラン溶液(23.9mL,2.0M,47.9mmol)を−30℃で徐々に添加し、得られた混合物を15℃で1時間攪拌した。次に、その混合物を−78℃まで冷却し、そこに三塩化リン(8.40g,61.2mmol)を添加してから、さらに1時間撹拌した。その後、溶媒と過剰の三塩化リンを真空除去した後、残渣に脱水テトラヒドロフラン(80mL)を添加し、次の反応に使用した。
(2−2)1,3−ジフェノキシベンゼン(12.5g,47.7mmol)の脱水テトラヒドロフラン(40mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(19.1mL,2.50M,47.8mmol)を滴下した後、徐々に15℃まで昇温して2時間撹拌した。その混合溶液を、(2−1)で得たテトラヒドロフラン溶液に−78℃で滴下した後、徐々に15℃まで昇温して1時間撹拌した。
【0106】
(2−3)2−メチル−2−(2−(3,5−ジブロモ−4−(メトキシメトキシ)フェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−195_7,19.6g,47.8mmol)の脱水テトラヒドロフラン(50mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(19.1mL,2.50M,47.8mmol)を滴下した後、更に1時間撹拌した。その混合物を、(2−2)で得られた混合物に−78℃で滴下した後、徐々に15℃まで昇温して16時間撹拌した。その反応混合物に氷水(300mL)添加した後、有機溶媒を減圧下で留去した後、酢酸エチルで抽出をした(150mLx3)。抽出液を飽和食塩水(300mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。その後、ろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)することで目的化合物(B−207_11A)を白色固体として得た(14.8g,18.0mmol,38%収率)。
【0107】
(3)2−メチル−2−(2−(3−(ペンタフルオロフェニル)−4−(メトキシメトキシ)−5−(2−メトキシ−6−フェノキシフェニル)(2,6−ジフェノキシフェニル)ホスファニルフェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−207_12A)の合成
化合物(B−207_11A,14.8g,18.0mmol)の脱水テトラヒドロフラン(50mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(7.2mL,2.5M,18.0mmol)を滴下した後、その混合物を−78℃で1時間撹拌した。そこにヘキサフルオロベンゼン(12.5g,67.2mmol)を滴下した後、徐々に25℃まで昇温して16時間撹拌した。その反応混合物に氷水(100mL)添加した後、有機溶媒を減圧下で留去した。その残渣を酢酸エチルで抽出をした(150mLx3)。抽出液を飽和食塩水(150mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)することで目的化合物(B−207_12A)を白色固体として得た(9.00g,9.90mmol,55%収率)。
【0108】
(4)2−(2−メトキシ−6−フェノキシフェニル)(2,6−ジフェノキシフェニル)ホスファニル−4−(3−ブタノン−1−イル)−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−207)の合成
化合物(B−207_12A,0.450g,0.495mmol)の酢酸エチル(8mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で、塩化水素の酢酸エチル溶液(4M,15mL)に0℃で滴下した。その混合物を徐々に15℃まで昇温し、1.0時間攪拌した後、有機溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水(30mL)を添加し、その後酢酸エチルで抽出した(30mLx2)。その抽出液を飽和塩化ナトリウム水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮したところ、目的化合物(B−207)を白色粉末として得た(0.38g,0.463mmol,94%収率)。
1HNMR(C
6D
6,δ,ppm):9.43−8.72(br,1H),7.56(dd,J=13.2,2.0Hz,1H),7.00−6.95(m,7H),6.80−6.76(m,10H),6.42(t,J=7.6Hz,1H),6.40(dd,J=8.0,3.2Hz,2H),6.37(dd,J=8.0,3.2Hz,1H),6.14(dd,J=8.0,3.2Hz,1H),3.18(s,3H),2.47(t,J=7.6Hz,2H),1.93(t,J=7.6Hz,2H),1.55(s,3H);
31PNMR(C
6D
6,δ,ppm):−53.9(s).
【0109】
合成例6:2−ビス(2,6−イソプロポキシフェニル)ホスファニル−4−(3−ブタノン−1−イル)−6−トリメチルシリルフェノール配位子(B−271)の合成
(1)2−メチル−2−(2−(3−ブロモ−4−(メトキシメトキシ)−3−トリメチルシリルフェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−271_6)の合成
2−メチル−2−(2−(3,5−ジブロモ−4−(メトキシメトキシ)フェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−195_7,8.20g,20.0mmol)の脱水テトラヒドロフラン(40mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(8.0mL,2.50M,20.0mmol)を滴下した後、更に1時間撹拌した。その混合物にトリメチルシリルクロリド(4.40g,40.5mmol)を−78℃で滴下した後、徐々に15℃まで昇温して14時間撹拌した。その反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)を添加した後、酢酸エチルで抽出をした(100mLx3)。抽出液を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。その後、ろ液を濃縮して得られた粗生成物(B−271_6)を得た。
【0110】
(2)ビス(1,3−イソプロポキシフェニル)ホスフィン(B−271_11)の合成
1,3−ジイソプロポキシ−2−ヨードベンゼン(Macromol.Chem.Phys.2009年,210巻,p1891参照)(6.40g,20mmol)の脱水テトラヒドロフラン(5.0mL)溶液にイソプロピルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(10mL,2.0M,20.0mmol)をアルゴン雰囲気下−30℃で滴下した後、徐々に15℃まで昇温して1時間撹拌した。その反応混合物を−78℃まで冷やした後、そこに三塩化リン(1.37g,10.0mmol)を滴下して、更に1時間撹拌した。その反応混合物にリチウム水素化アルミニウム(0.76g,20.0mmol)を−78℃で添加した後、15℃まで徐々に昇温して14時間撹拌した。反応溶液にゆっくり氷水(50mL)を添加した後、酢酸エチルで抽出した(100mLx3)。抽出液は飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル)することで目的物(B−271_11)が得られた(3.20g(純度90%),6.9mmol,35%収率)。
【0111】
(3)2−メチル−2−(2−(3−(トリメチルシリル)−4−(メトキシメトキシ)−5−ビス(2,6−ジイソプロポキシフェニル)ホスファニル)フェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−271_8)の合成
化合物(B−271_11,2.10g,5.02mmol)の脱水トルエン(30mL)溶液にアルゴン雰囲気下15℃で化合物(B−271_6,2.01g,4.98mmol),Pd
2(dba)
3(0.45g,0.49mmol),DPEphos(0.538g,0.10mmol)、とt−ブトキシナトリウム(0.93g,9.68mmol)を添加した。その混合物を12時間、100℃で撹拌した後、15℃まで冷却して、セライトパットを用いてろ過した。そのろ液を濃縮して得られた粗生成物を分取HPLCによって精製(塩基条件:0.1%NH
4OH添加)して、目的化合物(B−271_8)を無色液体として得た(1.50g,2.02mmol,40%収率)。
【0112】
(4)2−ビス(2,6−ジイソプロポキシフェニル)ホスファニル−4−(3−ブタノン−1−イル)−6−トリメチルシリルフェノール配位子(B−271)の合成
化合物(B−271_8,3.60g,4.86mmol)の酢酸エチル(30mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で、塩化水素の酢酸エチル溶液(4M,50mL)に滴下した。その混合物を徐々に20℃まで昇温し、2.0時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水(30mL)を添加し、その後酢酸エチルで抽出した(100mLx2)。その抽出液を飽和塩化ナトリウム水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)したころ、目的化合物(B−271)を白色粉末として得た(2.30g(純度95%),3.35mmol,69%収率)。
1HNMR(CDCl
3,δ,ppm)異性体含む:7.72−7.38(m,2H),7.09(t,J=8.0Hz,2H),7.01(s,1H),6.38(d,J=8.0Hz,4H),4.38(seq,J=6Hz,4H),2.82−2.61(m,4H),2.18と2.07(s,3H),0.965−1.03(m,24H),0.289と0.197(s,9H);
31PNMR(CDCl
3,δ,ppm):−54.3(s).
【0113】
合成例7:2−ビス(2,6−イソプロポキシフェニル)ホスファニル−4−(3−ブタノン−1−イル)−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−272)の合成
(1)2−メチル−2−(2−(3−ブロモ−4−(メトキシメトキシ)−3−(ペンタフルオロフェニル)フェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−272_15)の合成
2−メチル−2−(2−(3,5−ジブロモ−4−(メトキシメトキシ)フェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−195_7,15.0g,36.6mmol)の脱水テトラヒドロフラン(50mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(14.7mL,2.5M,36.7mmol)を滴下した後、更に1時間撹拌した。その混合物にヘキサフルオロベンゼン(18.6g,100.2mmol)を−78℃で滴下した後、徐々に15℃まで昇温して14時間撹拌した。その反応混合物に氷水(15mL)を添加した後、酢酸エチルで抽出をした(100mLx2)。抽出液を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。その後、ろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製で精製(石油エーテル)して目的化合物(B−272_15)を無色透明液体として得た(10.0g(純度85%),17.1mmol,47%収率)。
【0114】
(2)2−メチル−2−(2−(3−(ペンタフルオロフェニル)−4−(メトキシメトキシ)−5−ビス(2,6−ジイソプロポキシフェニル)ホスファニル)フェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−272_8)の合成
ビス(1,3−イソプロポキシフェニル)ホスフィン(B−271_11,2.10g,5.02mmol)の脱水トルエン(30mL)溶液にアルゴン雰囲気下15℃で化合物(B−272_15,2.50g,5.03mmol),Pd
2(dba)
3(0.45g,0.49mmol),DPEphos(0.538g,0.10mmol)、とt−ブトキシナトリウム(0.93g,9.68mmol)を添加した。その混合物を12時間、100℃で撹拌した後、15℃まで冷却して、セライトパットを用いてろ過した。そのろ液を濃縮して得られた粗生成物を分取HPLCによって精製(塩基条件:0.1%NH
4OH添加)して、目的化合物(B−271_8)を得た(2.00g,2.40mmol,49%収率)。
【0115】
(3)2−ビス(2,6−ジイソプロポキシフェニル)ホスファニル−4−(3−ブタノン−1−イル)−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−272)の合成
化合物(B−272_8,0.30g,0.36mmol)の酢酸エチル(2mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で、塩化水素の酢酸エチル溶液(4M,15mL)に0℃で滴下した。その混合物を徐々に20℃まで昇温し、1時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水(20mL)を添加し、その後酢酸エチルで抽出した(50mL)。その抽出液を飽和塩化ナトリウム水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮したころ、目的化合物(B−272)を白色粉末として得た(0.15g,0.20mmol,56%収率)。
1HNMR(CDCl
3,δ,ppm)異性体含む:7.95−7.53(m,2H),7.12(t,J=8.0Hz,2H),6.98と6.89(s,1H),6.40(dd,J=8.4,2.8Hz,4H),4.41(seq,J=6Hz,4H),2.89−2.67(m,4H),2.17と2.08(s,3H),1.05と1.00(d,J=6.0Hz,24H);
31PNMR(CDCl
3,δ,ppm):−54.1(s).
【0116】
合成例8:2−ビス(2,6−ジメトキシ−4−(3−ブタノン−1−イル)フェニル)ホスファニル−6−トリメチルシリルフェノール配位子(B−302)の合成
(1)1−(トリメチルシリル)−2−(メトキシメトキシ)−3−ビス(2,6−ジメトキシ−4−((2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)フェニル)ホスファニルベンゼン(B−302_10)の合成
1−ブロモ−2−(メトキシメトキシ)−3−ビス(2,6−ジメトキシ−4−((2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)フェニル)ホスファニルベンゼン(B−200_5A,12.5g,16.7mmol)の脱水テトラヒドロフラン(60mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(6.70mL,2.5M,16.8mmol)を滴下した後、その混合物を−78℃で1時間撹拌した。そこにトリメチルシリルクロリド(2.20g,20.3mmol)を滴下し、徐々に15℃まで昇温した後、14時間撹拌した。その反応混合物に氷水(100mL)添加した後、酢酸エチルで抽出した(100mLx3)。抽出液を飽和食塩水(150mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)することで目的化合物(B−302_10)を白色固体として得た(7.50g,10.1mmol,60%収率)。
【0117】
(2)2−ビス(2,6−ジメトキシ−4−(3−ブタノン−1−イル)フェニル)ホスファニル−6−トリメチルシリルフェノール配位子(B−302)の合成
化合物(B−302_10,3.00g,4.04mmol)の酢酸エチル(60mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で、塩化水素の酢酸エチル溶液(4M,20.0mL)を滴下し、更に1時間攪拌を行った。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水(60mL)を添加してから、酢酸エチルで抽出した(60mLx2)。抽出液を飽和塩化ナトリウム水(60mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮した粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)することで目的化合物(B−302)を白色固体として得た(1.50g,2.46mmol,61%収率)。
1HNMR(C
6D
6,δ,ppm):7.72(ddd,J=12.8,7.2,1.6Hz,1H),7.55(d,J=4.8Hz,1H),7.39(d,J=7.2,1.6Hz,1H),6.89(t,J=7.2Hz,1H),6.15(d,J=2.8Hz,4H),3.24(s,12H),2.73(t,J=7.6Hz,4H),2.19(t,J=7.6Hz,4H),1.63(s,6H),0.40(s,9H);
31PNMR(C
6D
6,δ,ppm):−61.9(s).
【0118】
合成例9:2−ビス(2,6−ジメトキシ−4−(3−ブタノン−1−イル)フェニル)ホスファニル−6−(9H−カルバゾール−9−イル)フェノール配位子(B−303)の合成
(1)2−(メトキシメトキシ)ブロモベンゼン(B−303_8)の合成
2−ブロモフェノール(86.0g,0.50mol)の脱水塩化メチレン(600mL)溶液にジイソプロピルエチルアミン(129g,1.00mol)とクロロメチルメチルエーテル(81.0g,1.01mol)をアルゴン雰囲気下15℃で添加し、その混合物を15℃で14時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水(300mL)を添加してから、塩化メチレンで抽出した(300mLx3)。抽出液を飽和塩化ナトリウム水(500mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮することで目的化合物(B−303_8)を無色透明液体として得た(107g(純度90%),0.44mmol,89%収率)。
【0119】
(2)化合物(B−303_8,107g,0.49mol)の脱水ジオキサン(1L)に、カルバゾール(81.2g,0.49mol)、ヨウ化銅(I)(9.30g,48.8mmol)、ジアミノシクロヘキサン(11.4g,99.8mmol)、リン酸三カリウム(212g,1.00mol)をアルゴン雰囲気下15℃で添加し、その混合物を14時間還流した。室温まで冷却後、セライトパッドを用いてろ過して、そのろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで粗精製(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)した後、石油エーテル/酢酸エチル=2/1で再結晶することで目的化合物(B−303_9)を得た(12.0g(純度90%),35.6mmol,7%収率)。
【0120】
(3)1−(9H−カルバゾール−9−イル)−2−(メトキシメトキシ)−3−ビス(2,6−ジメトキシ−4−((2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル)フェニル)ホスファニルベンゼン(B−303_11)の合成
(3−1)1,3−ジメトキシ−5−(2−メチル−1,3−ジオキサラン−2−イル)−2−エチル)ベンゼン(B−191_4,3.60g,14.3mmol)の脱水テトラヒドロフラン(20mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(5.60mL,2.5M,14.0mmol)を滴下した後、更にその混合物を0℃で1時間撹拌した。
(3−2)化合物(B−303_9,2.00g,6.60mmol)の脱水テトラヒドロフラン(30mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(2.70mL,2.5M,6.60mmol)を滴下した後、更にその混合物を0℃で1時間撹拌した。その反応混合物を−78℃まで冷却してから、そこに三塩化リン(2.74g,20.0mmol)を添加した後、混合物を15℃まで徐々に昇温して1時間撹拌した。溶媒と過剰な三塩化リンを減圧下で除去した後、残渣に脱水テトラヒドロフラン(50mL)を加えた。その溶液を−78℃まで冷却した後、そこに(3−1)で得られた反応溶液を添加した。その混合物は15℃まで徐々に昇温して14時間撹拌した。得られた反応混合物に氷水(50mL)添加した後、塩化メチレンで抽出した(80mLx3)。抽出液を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=2/1)することで目的化合物(B−303_11)を白色固体として得た(1.80g,2.20mmol,33%収率)。
【0121】
(4)2−ビス(2,6−ジメトキシ−4−(3−ブタノン−1−イル)フェニル)ホスファニル−6−(9H−カルバゾール−9−イル)フェノール配位子(B−303)の合成
化合物(B−303_11,3.80g,4.55mmol)の酢酸エチル(20mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で、塩化水素の酢酸エチル溶液(4M,40.0mL)を滴下した後、徐々に15℃まで徐々に昇温して1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水(80mL)を添加してから、酢酸エチルで抽出した(80mLx2)。抽出液を飽和塩化ナトリウム水(80mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮した粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)することで目的化合物(B−303)を白色固体として得た(2.20g,3.13mmol,69%収率)。
1HNMR(C
6D
6,δ,ppm):8.07−8.03(m,3H),7.39(s(br),1H),7.32−7.21(m,6H),7.11(d,J=8.0,1.6Hz,1H),6.80(t,J=7.2Hz,1H),6.14(d,J=2.4Hz,4H),3.20(s,12H),2.72(t,J=7.6Hz,4H),2.18(t,J=7.6Hz,4H),1.61(s,6H);
31PNMR(C
6D
6,δ,ppm):−59.2(s).
【0122】
合成例10:2−ビス(2,6−メトキシフェニル)ホスファニル−4−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−304)の合成
(1)3,5−ジブロモ−4−(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(B−304_6)の合成
1,3−ジブロモ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(90.8g,0.324mol)の脱水塩化メチレン(500mL)溶液にアルゴン雰囲気下15℃でジイソプロピルエチルアミン(84.1g,0.651mol)とクロロメチルメチルエーテル(52.4g,0.651mol)を添加した後、更に14時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水(300mL)を添加してから、塩化メチレンで抽出した(300mLx3)。抽出液を飽和塩化ナトリウム水(300mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮することで目的化合物(B−304_6)を白色固体として得た(97.0g,0.299mol,92%収率)。
【0123】
(2)3,5−ジブロモ−4−(メトキシメトキシ)ベンゼンメタノール(B−304_7)の合成
化合物(B−304_6,97.0g,0.324mol)の脱水テトラヒドロフラン(200mL)と脱水メタノール(200mL)の溶液にアルゴン雰囲気下0℃で水素化ホウ素ナトリウム(84.1g,2.22mol)を添加した後、更に1時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)を添加してから、塩化メチレンで抽出した(300mLx3)。抽出液を飽和塩化ナトリウム水(300mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮することで目的化合物(B−304_7)を白色固体として得た(82.4g,0.253mol,78%収率)。
【0124】
(3)3,5−ジブロモ−4−(メトキシメトキシ)ベンジルブロミド(B−304_8)の合成
化合物(B−304_7,18.0g,55.2mol)の脱水塩化メチレン(100mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃でトリフェニルホスフィン(21.9g,83.5mmol)とN−ブロモスクシンイミド(14.9g,83.7mmol))を添加した後、更に1時間撹拌した。反応混合物に氷水(100mL)を添加してから、塩化メチレンで抽出した(100mLx3)。抽出液を飽和塩化ナトリウム水(100mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)することで目的化合物(B−304_8)を白色固体として得た(14.0g,36.0mmol,65%収率)。
【0125】
(4)1−(メトキシメトキシ)−2,6−ジブロモ−4−(2−(1−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エトキシメチル)ベンゼン(B−304_10)の合成
2−(1−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エタノール(3.80g,26.0mmol)の脱水テトラヒドロフラン(60mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で水素化ナトリウム(1.10g,27.5mmol,ミネラルオイル40wt%)を添加した後、更に15分間撹拌した。そこに、化合物(B−304_8,10.0g,25.7mmol)の脱水テトラヒドロフラン(20mL)溶液をアルゴン雰囲気下0℃で滴下した後、徐々に15℃まで昇温して2時間撹拌した。反応混合物に氷水(100mL)を添加してから、塩化メチレンで抽出した(100mLx3)。抽出液を飽和塩化ナトリウム水(100mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)することで目的化合物(B−304_10)を白色固体として得た(7.94g,17.5mmol,68%収率)。
【0126】
(5)1−(メトキシメトキシ)−2−ブロモ−4−(2−(1−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エトキシメチル)−6−(ビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスファニル)ベンゼン(B−304_11)の合成
(5−1)2,6−ジメトキシヨードベンゼン(2,11.0g,41.7mmol)を脱水テトラヒドロフラン(40mL)に溶解させ、イソプロピルマグネシムクロライドのテトラヒドロフラン溶液(21.0mL,2.0M,42.0mmol)を−30℃で徐々に添加した後、徐々に15℃まで昇温して1時間撹拌した。次に、その混合物を−78℃に冷却し、そこに三塩化リン(2.90g,21.1mmol)をゆっくり添加した後、徐々に15℃まで昇温して1時間攪拌した。反応混合物から溶媒を真空除去した後、残渣に脱水テトラヒドロフラン(50mL)を添加した。
(5−2)化合物(B−304_10,9.50g,20.9mmol)の脱水テトラヒドロフラン(60mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(8.4mL,2.5M,21.0mmol)を滴下した後、その混合物を1時間撹拌した。そこに(5−1)で得られた反応溶液を−78℃で滴下した後、徐々に15℃まで昇温して14時間撹拌した。その反応混合物に氷水(100mL)添加した後、塩化メチレンで抽出をした(150mLx3)。抽出液を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水抽出液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=2/1)することで目的化合物(B−304_11)を無色透明の液体として得た(13.0g,19.1mmol,91%収率)。
【0127】
(6)1−(メトキシメトキシ)−2−(ビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスファニル)−4−(2−(1−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エトキシメチル)−6−ペンタフルオロフェニルベンゼン(B−304_12)の合成
化合物(B−304_11,13.0g,19.1mmol)の脱水テトラヒドロフラン(100mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(7.80mL,2.5M,19.5mmol)を滴下した後、更にその混合物を−78℃で1時間撹拌した。そこにヘキサフルオロベンゼン(9.60g,51.6mmol)を滴下した後、徐々に15℃まで昇温して14時間撹拌した。その反応混合物に氷水(100mL)添加した後、酢酸エチルで抽出をした(100mLx3)。抽出液を飽和食塩水(150mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)することで目的化合物(B−304_12)を白色固体として得た(5.00g,6.52mmol,34%収率)。
【0128】
(7)2−ビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスファニル−4(2−(1−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エトキシメチル)−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−304)の合成
化合物(B−304_12,4.00g,5.22mmol)の塩化メチレン(30mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で塩化水素の酢酸エチル溶液(2M,30mL)に0℃で滴下した後、更に15分間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水(60mL)を添加し、その後酢酸エチルで抽出した(60mLx2)。その抽出液を飽和塩化ナトリウム水(60mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)することで目的化合物(B−304)を白色固体として得た(1.00g,1.57mmol,30%収率)。
1HNMR(C
6D
6,δ,ppm):8.20(dd,J=13.6,2.0Hz,1H),7.96(br(s),1H),7.21(s,1H),7.07(t,J=8.4,Hz,2H),6.27(dd,J=8.4,2.8Hz,4H),4.30(s,2H),3.56(br,2H),3.32(t,J=4.0Hz,2H),3.23(s,12H),1.75(br(s),1H);
31PNMR(C
6D
6,δ,ppm):−58.6(s).
【0129】
合成例11:2−(2,6−ジメトキシフェニル)(2,6−ジフェノキシフェニル)ホスファニル−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−111)
B−111の合成は、特開2013−043871号公報、合成例1を参考に合成した。
【0130】
(A)触媒組成物の形成
ビス−1,5−シクロオクタジエンニッケル(0)をNi(COD)
2と称する。
(A−1)B−191/Ni触媒組成物トルエン溶液の調製:
Ni(COD)
2(76.2mg,0.28mmol)をトルエン(13.9mL)に溶解させ、その溶液(0.02mol/mL,11.4mL)をB−191(144.8mg,0.23mmol)に添加した後、室温で30分攪拌することで、B−191Ni組成物触媒トルエン溶液(0.02mol/mL)を調製した。
【0131】
(A−2)B−200/Ni触媒組成物トルエン溶液の調製:
Ni(COD)
2(105.2mg,0.38mmol)をトルエン(19.1mL)に溶解させ、その溶液(0.02mol/mL,14.4mL)をB−200(203.0mg,0.29mmol)に添加した後、室温で30分攪拌することで、B−200/Ni触媒組成物トルエン溶液(0.02mol/mL)を調製した。
【0132】
(A−3)B−203/Ni触媒組成物トルエン溶液の調製:
Ni(COD)
2(77.1mg,0.28mmol)をトルエン(14.0mL)に溶解させ、その溶液(0.02mol/mL,10.4mL)をB−203(157.6mg,0.207mol)に添加した後、室温で30分攪拌することで、B−203/Ni触媒組成物トルエン溶液(0.02mol/mL)を調製した。
【0133】
(A−4)B−207/Ni触媒組成物トルエン溶液の調製:
Ni(COD)
2(90.5mg,0.33mol)をトルエン(16.5mL)に溶解させ、その溶液(0.02mol/mL,11.8mL)をB−207(193.4mg,0.24mol)に添加した後、室温で30分攪拌することで、B−207/Ni触媒組成物トルエン溶液(0.02mol/mL)を調製した。
【0134】
(A−5)B−271/Ni触媒組成物トルエン溶液の調製:
Ni(COD)
2(66.5mg,0.24mol)をトルエン(12.1mL)に溶解させ、その溶液(0.02mol/mL,8.4mL)をB−271(108.9mg,0.167mmol)に添加した後、室温で30分攪拌することで、B−271/Ni触媒組成物トルエン溶液(0.02mol/mL)を調製した。
【0135】
(A−6)B−304/Ni触媒組成物トルエン溶液の調製:
Ni(COD)
2(116.1mg,0.42mol)をトルエン(21.1mL)に溶解させ、その溶液(0.02mol/mL,11.6mL)をB−304(148.2mg,0.23mol)に添加した後、室温で30分攪拌することで、B−304/Ni触媒組成物トルエン溶液(0.02mol/mL)を調製した。
【0136】
(B)シリカ担体のトリイソブチルアルミニウム処理
600℃で焼成したシリカ(Grace948,0.36g)に、トルエンを10mL加えた。その後、撹拌しながらトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.5mmol/mL,2mL)を加え、室温で30分撹拌した。撹拌後、上澄みを除いた。そこに脱水トルエン(20mL)を添加して、1分撹拌後、上澄み液を除いた。この操作を合計3回繰り返し、トリイソブチルアルミニウムで処理したシリカ担体を得た。
【0137】
(C)担持触媒組成物の合成
(C−1)B−191/Niのシリカ担持触媒の合成
(B)で得られたシリカ担体に、触媒組成物(A−1)のトルエン溶液(10mL,0.20mmol)を加え、室温で1時間撹拌後、上澄みを除いた。そこに脱水トルエン(20mL)を添加して、1分撹拌後上澄み液を除いた。この操作を合計3回繰り返し、その後真空乾燥することで、担持触媒組成物0.43gを得た。
【0138】
(C−2〜C−6)
触媒組成物(A−1)を(A−2)〜(A−6)に変えること以外、同様な操作をすることで、担持触媒組成物(C−2)〜(C−6)を得た。
【0139】
(C−7)B−195/Niの造粒モンモリロナイト担持触媒合成
造粒モンモリロナイト(水澤化学)400gに、75%硫酸890gを脱塩水2040gに溶解した水溶液を加え、室温で撹拌混合し、昇温後90℃で3時間反応させた。その後、水洗したものに、ZnSO
4・7H
2O(30g)脱塩水(1000g)に溶解した水溶液を添加し、室温で2時間反応させた。これを水洗した後、乾燥させた。この乾燥品を100g採取し、脱塩水LiOH(0.0085wt%,100g)を添加して、室温で30分反応させた。その後水洗して、100℃で乾燥させ、さらに200℃で1時間、減圧乾燥させたものを担体として用いた。この担体を1.01g採取し、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.51M,4.0mL,2.0mmol)を室温で加え、1時間撹拌した。その後、トルエン20mLで3回洗浄した後に減圧乾燥し、トリイソブチルアルミニウムで処理した造粒モンモリロナイトを1.04g得た。これに上記(A−2)と同様の方法で調製したB−195/Ni触媒組成物のトルエン溶液(0.02mol/mL,11mL)を加え、室温で1時間撹拌後、上澄みを除去した。そこに脱水トルエン(20mL)を添加して、1分撹拌後上澄みを除いた。この操作を2回繰り返した。さらに脱水ヘキサンを25mL加え、1分間撹拌した後に上澄みを除去した。この操作を2回繰り返した後に、減圧乾燥し担持触媒組成物を1.13g得た。
【0140】
(C−8)B−111/Niのシリカ担持触媒の合成
600℃で焼成したシリカ(Grace948,1.03g)に、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.5mmol/mL,4mL,2.0mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。撹拌後、上澄みを除いた。そこに脱水トルエン(20mL)を添加して、1分撹拌後、上澄み液を除いた。この操作を合計3回繰り返し、トリイソブチルアルミニウムで処理したシリカ担体を得た。
次に、Ni(COD)
2(36.6mg,0.133mmol)をトルエン(4mL)に溶解させ、その溶液(0.033mol/mL,4mL)をB−111(103.8mg,0.15mol)に添加した後、室温で30分攪拌することでB−111/Ni触媒組成物トルエン溶液(0.033mol/mL)を調製した。トリイソブチルアルミニウムで処理したシリカ担体に、B−111/Ni触媒組成物トルエン溶液(0.033mol/mL,4mL,0.13mmol)を添加し、室温で1時間撹拌後、上澄みを除いた。そこに脱水トルエン(20mL)を添加して、1分撹拌後上澄み液を除いた。この操作を合計4回繰り返し、その後真空乾燥することで、担持触媒組成物を1.15g得た。
【0141】
(D)酢酸エチルで処理したトリn−オクチルアルミニウムの合成
酢酸エチル(177.2mg,2.0mmol)にトリn−オクチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.53mmol/mL,3.8mL,2.0mmol)を室温で添加した後に、ヘキサンを36mL加え、酢酸エチルで処理したトリn−オクチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.05mmol/mL)を合成した。
【0142】
3.重合評価
(実施例1)エチレンのホモ重合
内容積2Lの誘導攪拌式オートクレーブ内に、ヘキサン(1000mL)、(D)で調製したヘキサン溶液(2mL、0.1mmol)あるいはn−オクチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.50mmol/mL,0.2mL,0.1mmol)、(C−1)で調製した担持触媒組成物のトルエンスラリー(0.19g,8mL)を導入し、70℃まで昇温し、同温度で3.0MPaに保つようにエチレンを追加しながら30分間攪拌を継続した。攪拌終了後、未反応エチレンをパージして重合を停止した。オートクレーブを開放して、濾過及び洗浄後、271gの重合体が得られた。
【0143】
(実施例2〜7)エチレンのホモ重合
担持触媒組成物(C−1)を(C−2)〜(C−7)に変え、担持触媒組成物量を変える以外は、同様な操作をして、エチレンホモ重合を行った。これらの結果は表6にまとめた。
【0144】
(実施例8)エチレン・n−ブチルアクリレート共重合
内容積2Lの誘導攪拌式オートクレーブ内に、ヘキサン(1000mL)、(D)で調製したヘキサン溶液(2mL,0.1mmol)、(C−3)で調製した担持触媒組成物のトルエンスラリー(0.19g,8mL)及びn−ブチルアクリレート(50mL,343mmol)を導入し、90℃まで昇温し、同温度で3.0MPaに保つようにエチレンを追加しながら30分間攪拌を継続した。攪拌終了後、未反応エチレンをパージして重合を停止した。オートクレーブを開放して、濾過及び洗浄後、5.5gの重合体が得られた。
n−ブチルアクリレートは、Aldrich社製のAldrichInhibitorRemoverを充填したカラムを用いて、高純度アルゴン雰囲気下、室温で精製した後に使用した。
【0145】
(比較例)エチレンホモ重合
(比較例1)
内容積2Lの誘導攪拌式オートクレーブ内に、ヘキサン(1000mL)、n−オクチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.50mmol/mL,0.2mL,0.1mmol)、(C−8)で調製した担持触媒組成物のヘキサンスラリー(26.5mg/mL,305.6mg)を導入し、70℃まで昇温し、同温度で3.0MPaに保つようにエチレンを追加しながら1時間攪拌を継続した。攪拌終了後、未反応エチレンをパージして重合を停止した。オートクレーブを開放して、濾過及び洗浄後、0.7gの重合体が得られた。
【0146】
【表6】