(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0014】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0015】
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
【0016】
(実施の形態1)
<半導体装置の構造について>
本実施の形態の半導体装置を図面を参照して説明する。本実施の形態の半導体装置は、容量素子を有する半導体装置である。
【0017】
図1は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図であり、
図2および
図3は、本実施の形態の半導体装置の要部平面図である。
【0018】
図1では、図面の簡略化のために、配線M1および電極DE1が形成された配線層よりも下層の構造については、図示を省略し、また、バリア絶縁膜B2よりも上層の構造も、図示を省略している。また、
図2と
図3とは、同じ平面領域(容量素子CPが形成された平面領域)が示されており、
図2から電極DE2と配線M2とバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bとを削除したものが、
図3に対応している。但し、
図3では、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bを点線で示し、また、電極DE1に接続する配線M2b用のビアホールVH2の位置も示してある。また、
図1のキャパシタ領域1Aに示されている断面は、
図2および
図3のA−A線の位置での断面にほぼ対応している。
【0019】
本実施の形態の半導体装置は、半導体基板(後述の半導体基板SBに対応)上に、複数の配線層を有する配線構造(多層配線構造)が形成された半導体装置であり、その配線構造にMIM(Metal Insulator Metal)型の容量素子CPが形成されている。
【0020】
詳細は後述するが、本実施の形態では、配線(M1)を覆うためのバリア絶縁膜(B1)を、MIM型の容量素子(CP)の容量絶縁としても使用し、容量素子(CP)の電極(DE1,DE2)間のバリア絶縁膜(B1)の厚みを、配線(M1)を覆う部分のバリア絶縁膜(B1)の厚みよりも厚くしている。
【0021】
以下、
図1〜
図3を参照して具体的に説明する。
【0022】
本実施の形態の半導体装置は、半導体基板(後述の半導体基板SBに対応)と、半導体基板(SB)上に形成されかつ複数の配線層を含む配線構造とを有している。この配線構造は、層間絶縁膜IL1と、層間絶縁膜IL1に埋め込まれた配線M1および電極DE1と、層間絶縁膜IL1上に配線M1および電極DE1を覆うように形成されたバリア絶縁膜B1と、バリア絶縁膜B1上に形成された層間絶縁膜IL2と、層間絶縁膜IL2に埋め込まれた配線M2および電極DE2とを含んでいる。
【0023】
すなわち、本実施の形態の半導体装置は、半導体基板SBの上方に形成された層間絶縁膜IL1と、層間絶縁膜IL1に埋め込まれた配線M1および電極DE1と、層間絶縁膜IL1上に配線M1および電極DE1を覆うように形成されたバリア絶縁膜B1と、バリア絶縁膜B1上に形成された層間絶縁膜IL2と、層間絶縁膜IL2に埋め込まれた配線M2および電極DE2とを有している。
【0024】
また、層間絶縁膜IL2上には、配線M2および電極DE2を覆うようにバリア絶縁膜B2が形成されている。バリア絶縁膜B2上には、更に層間絶縁膜や配線などを形成することができるが、ここではその図示および説明は省略する。
【0025】
配線M1は、配線構造を構成する複数の配線層のうち任意の配線層の配線であり、配線M2は、配線M1が形成された配線層よりも1つ上層の配線層の配線である。
【0026】
層間絶縁膜IL1には、少なくとも1つの配線M1が埋め込まれており、実際には、複数の配線M1が埋め込まれている。また、層間絶縁膜IL2には、少なくとも1つの配線M2が埋め込まれており、実際には複数の配線M2が埋め込まれている。
【0027】
配線M1は、層間絶縁膜IL1に形成された配線溝TR1に埋め込まれており、ダマシン法により形成されたダマシン配線(ダマシン埋込配線)である。また、配線M2は、層間絶縁膜IL2に形成された配線溝TR2に埋め込まれており、ダマシン法により形成されたダマシン配線(ダマシン埋込配線)である。また、配線M1,M2は、いずれも、銅を主体(主成分)とする銅配線である。従って、配線M1と配線M2は、いずれも銅を主体(主成分)とするダマシン配線(ダマシン銅配線、埋込銅配線)である。
【0028】
配線M2は、デュアルダマシン法により形成されたデュアルダマシン配線である。また、
図1の場合は、配線M1は、配線構造における第1層目(最下層)の配線層の配線の場合が示されており、配線M1はシングルダマシン法により形成されたシングルダマシン配線であるが、配線M1は、配線構造における第1層目の配線層よりも上層の配線層の配線であってよく、また、配線M1は、デュアルダマシン法により形成されたデュアルダマシン配線であってもよい。
【0029】
電極DE1は、層間絶縁膜IL1に形成された開口部OP1に埋め込まれており、ダマシン法により形成されている。また、電極DE2は、層間絶縁膜IL2に形成された開口部OP2に埋め込まれており、ダマシン法により形成されている。
【0030】
電極DE1と配線M1とは、同工程で形成されている。すなわち、電極DE1は、配線M1と同工程で、ダマシン法により形成されている。また、電極DE2と配線M2とは、同工程で形成されている。すなわち、電極DE2は、配線M2と同工程で、ダマシン法により形成されている。
【0031】
このため、電極DE1と配線M1とは、同じ(共通の)導電膜を用いて形成されているため、配線M1だけでなく、電極DE1も銅(Cu)を主体(主成分)として形成されている。また、電極DE2と配線M2とは、同じ(共通の)導電膜を用いて形成されているため、配線M2だけでなく、電極DE2も銅(Cu)を主体(主成分)として形成されている。
【0032】
バリア絶縁膜B1は、銅配線(ここでは配線M1)のバリア絶縁膜として機能する。すなわち、バリア絶縁膜B1は、銅配線(ここでは配線M1)中の銅(Cu)が層間絶縁膜IL2中に拡散するのを抑制または防止するバリア絶縁膜として機能する。また、バリア絶縁膜B1は、電極DE1も覆っているため、電極DE1中の銅(Cu)が層間絶縁膜IL2中に拡散するのを抑制または防止する機能も有することができる。このため、バリア絶縁膜B1は、銅(Cu)に対するバリア性に優れた(銅の拡散を抑制または防止する機能が高い)材料膜を用いることが好ましい。また、バリア絶縁膜B1は、層間絶縁膜IL2にビアホールVH2を形成するエッチング工程で、エッチングストッパとして機能することもできる。このため、バリア絶縁膜B1としては、好ましくは、窒化シリコン(SiN)膜、炭化シリコン(SiC)膜または炭窒化シリコン(SiCN)膜を用いることができる。
【0033】
また、層間絶縁膜IL1,IL2としては、酸化シリコン膜または低誘電率絶縁膜を好適に用いることができる。なお、低誘電率絶縁膜とは、酸化シリコンよりも誘電率(比誘電率)が低い絶縁膜を意味する。
【0034】
層間絶縁膜IL2の誘電率は、バリア絶縁膜B1の誘電率よりも低い。言い換えると、バリア絶縁膜B1の誘電率は、層間絶縁膜IL2の誘電率よりも高い。層間絶縁膜IL2の誘電率を、バリア絶縁膜B1の誘電率よりも低くすることにより、隣り合う配線M2間の寄生容量を低減することができる。また、配線M2と配線M1との間の寄生容量を低減することができる。
【0035】
すなわち、バリア絶縁膜B1の材料としては、バリア絶縁膜の機能(例えば銅の拡散防止など)に相応しい材料を選択し、一方、層間絶縁膜IL2の材料としては、配線間の寄生容量を低減させるために、誘電率が低い材料を選択することで、配線構造の、ひいてはその配線構造を有する半導体装置の、信頼性や性能を向上させることができる。
【0036】
また、層間絶縁膜IL1の誘電率は、バリア絶縁膜B1の誘電率よりも低い。層間絶縁膜IL1の誘電率を低くすることにより、隣り合う配線M1間の寄生容量を低減することができる。
【0037】
また、バリア絶縁膜B2は、銅配線(ここでは配線M2)のバリア絶縁膜として機能する。すなわち、バリア絶縁膜B2は、銅配線(ここでは配線M2)中の銅(Cu)がバリア絶縁膜B2上に形成した層間絶縁膜(図示せず)中に拡散するのを抑制または防止するバリア絶縁膜として機能する。また、バリア絶縁膜B2は、電極DE2も覆っているため、電極DE2中の銅(Cu)がバリア絶縁膜B2上に形成した層間絶縁膜(図示せず)中に拡散するのを抑制または防止する機能も有することができる。このため、バリア絶縁膜B2は、バリア絶縁膜B1と同様の材料により形成することができ、好ましくは、窒化シリコン(SiN)膜、炭化シリコン(SiC)膜または炭窒化シリコン(SiCN)膜を用いることができる。
【0038】
配線M1および電極DE1のそれぞれは、配線溝TR1または開口部OP1の内面(底面および側壁)上に形成されたバリア導体膜BR1と、バリア導体膜BR1上に形成されて配線溝TR1または開口部OP1を埋め込む主導体膜MC1とにより形成されている。バリア導体膜BR1は、例えば、タンタル膜または窒化タンタル膜あるいはそれらの積層膜からなる。また、主導体膜MC1は、銅(Cu)を主成分とする導電膜であり、例えば銅(Cu)膜である。バリア導体膜BR1は、主導体膜MC1中の銅(Cu)が層間絶縁膜IL1中に拡散するのを抑制または防止するバリア導体膜として機能する。また、バリア導体膜BR1は、配線M1および電極DE1と、層間絶縁膜IL1との密着性を向上させる機能も有している。
【0039】
配線M2および電極DE2のそれぞれは、配線溝TR2または開口部OP2の内面(底面および側壁)上に形成されたバリア導体膜BR2と、バリア導体膜BR2上に形成されて配線溝TR2または開口部OP2を埋め込む主導体膜MC2とにより形成されている。バリア導体膜BR2は、例えば、タンタル膜または窒化タンタル膜あるいはそれらの積層膜からなる。また、主導体膜MC2は、銅(Cu)を主成分とする導電膜であり、例えば銅(Cu)膜である。バリア導体膜BR2は、主導体膜MC2中の銅(Cu)が層間絶縁膜IL2中に拡散するのを抑制または防止するバリア導体膜として機能する。また、バリア導体膜BR2は、配線M2および電極DE2と、層間絶縁膜IL2との密着性を向上させる機能も有している。
【0040】
配線M2の下面は、層間絶縁膜IL2の厚みの途中に位置している。すなわち、層間絶縁膜IL2に形成された配線溝TR2に配線M2が埋め込まれているが、配線溝TR2の底面(ビアホールVH2を除く)は、層間絶縁膜IL2の厚みの途中に位置している。つまり、ビアホールVH2は層間絶縁膜IL2とバリア絶縁膜B1とを貫通しているが、配線溝TR2は層間絶縁膜IL2を貫通しておらず、配線溝TR2の底面は、層間絶縁膜IL2の厚みの途中に位置している。このため、配線M2のビア部(ビアホールVH2を埋め込む部分)を除き、配線M2の下面とバリア絶縁膜B1の上面との間には、層間絶縁膜IL2の一部(厚みの一部)が介在している。
【0041】
配線M2は、配線M2のビア部(ビアホールVH2を埋め込む部分)を介して、配線M1と電気的に接続されている。配線M2のビア部は、配線M2のうち、ビアホールVH2を埋め込む部分に対応している。ビアホール(孔部)VH2は、配線溝TR2に平面視で内包されるように形成されており、ビアホールVH2は、層間絶縁膜IL2とバリア絶縁膜B1とを貫通し、ビアホールVH2の底部では、配線M1の上面が露出されている。このため、配線M2は、配線溝TR2内に埋め込まれているが、配線M2のビア部は、ビアホールVH2内に埋め込まれている。配線M2は、デュアルダマシン配線であるため、配線M2のビア部(ビアホールVH2を埋め込む部分)は、その配線M2(配線溝TR2に埋め込まれた配線M2)と一体的に形成されている。配線M2のビア部は、配線M1の上面に接してその配線M1に電気的に接続されている。これにより、配線M2を配線M2のビア部を介して、配線M1と電気的に接続することができる。
【0042】
なお、配線M2のうち、配線M2bのビア部が埋め込まれたビアホールVH2の底部では、電極DE1が露出されており、それによって、配線M2bのビア部が電極DE1に接して電気的に接続されている。このため、配線M2bは、配線M2bのビア部を介して、電極DE1と電気的に接続されている。
【0043】
電極DE2の下面は、バリア絶縁膜B1に接している。すなわち、層間絶縁膜IL2に形成された開口部OP2に電極DE2が埋め込まれているが、開口部OP2は、層間絶縁膜IL2を貫通してバリア絶縁膜B1に達しており、開口部OP2の底部ではバリア絶縁膜B1が露出されている。このため、電極DE2の下面は、開口部OP2の底部で露出するバリア絶縁膜B1に接している。
【0044】
従って、電極DE1と電極DE2とは、層間絶縁膜IL2を介在せずに、バリア絶縁膜B1を介在して対向している部分を有している。すなわち、電極DE1と電極DE2とは、バリア絶縁膜B1を間に挟んで平面視で重なっている。
【0045】
但し、電極DE1全体が、バリア絶縁膜B1を間に挟んで電極DE2と対向してもよいが、電極DE1は、バリア絶縁膜B1を間に挟んで電極DE2と対向する部分と、電極DE2と対向しない部分とを有することもできる。また、電極DE2全体が、バリア絶縁膜B1を間に挟んで電極DE1と対向してもよいが、電極DE2は、バリア絶縁膜B1を間に挟んで電極DE1と対向する部分と、電極DE1と対向しない部分とを有することもできる。
【0046】
電極DE1と、電極DE2と、電極DE1および電極DE2間に介在するバリア絶縁膜B1とにより、容量素子CPが形成されている。すなわち、電極DE1は容量素子CPの下部電極(第1電極)として機能し、電極DE2は容量素子CPの上部電極(第2電極)として機能する。そして、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1は、容量素子CPの容量絶縁膜(誘電体膜)として機能する。
【0047】
このため、バリア絶縁膜B1は、配線M1のバリア絶縁膜として機能するともに、容量素子CPの容量絶縁膜(誘電体膜)として機能することができる。つまり、配線M1上に位置する部分のバリア絶縁膜B1が、その配線M1中の銅(Cu)が層間絶縁膜IL2中に拡散するのを抑制または防止するバリア絶縁膜として機能することができる。そして、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1は、容量素子CPの容量絶縁膜(誘電体膜)として機能する。従って、同じ(共通の)絶縁膜(ここではバリア絶縁膜B1)を、配線M1(銅配線)のバリア絶縁膜と容量素子CPの容量絶縁膜として、用いていることになる。
【0048】
本実施の形態では、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1は、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1よりも厚い。言い換えると、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1は、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1よりも薄い。すなわち、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1の厚み(膜厚)T3は、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1の厚みT2よりも大きい(T3>T2)。言い換えると、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1の厚みT2は、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1の厚み(膜厚)T3よりも小さい(T3>T2)。
【0049】
ここで、バリア絶縁膜B1は、均一な厚みを有した膜ではない。具体的には、バリア絶縁膜B1は、薄膜部B1aと薄膜部B1aよりも厚い厚膜部B1bとを有している。そして、電極DE1と電極DE2との間には、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bが介在しており、一方、配線M1上には、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aが形成されている。バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aは、ほぼ均一な厚みを有しており、その厚みが厚みT2に対応している。
【0050】
開口部OP2および開口部OP2に埋め込まれた電極DE2は、平面視でバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bに内包されている。これにより、電極DE2の下面は、平面視でバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bに内包され、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bに接することになる。つまり、電極DE2の下面は、全体がバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bに接するため、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aには接しなくなる。これにより、電極DE2がバリア絶縁膜B1の薄膜部B1a上に形成されてしまうのを防止することができ、それによって、電極DE1と電極DE2とが、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aを介して対向するのを防止することができる。従って、電極DE1と電極DE2とがバリア絶縁膜B1の薄膜部B1aを介して対向することで電極DE1,DE2間の耐圧が低下してしまうのを、防ぐことができる。
【0051】
例えば、電極DE2の平面形状は、矩形状とすることができ、その場合、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bの平面形状も、電極DE2の平面形状を構成する矩形よりも若干大きな矩形状とすることができる。
【0052】
バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bのうち、電極DE2の下面と接している部分の厚膜部B1bの厚み(すなわち電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1の厚みT3)は、電極DE2の下面と接していない部分の厚膜部B1bの厚みT1よりも小さくなっている(すなわちT3<T1)。
【0053】
電極DE1の上面のうち、層間絶縁膜IL2を介さずにバリア絶縁膜B1を介して電極DE2の下面と対向している部分は、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bで覆われている必要がある。これにより、電極DE1と電極DE2とは、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bを介して対向することができる。このため、電極DE1の上面のうち、平面視で電極DE2と重なる部分は、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bで覆われているようにする。一方、電極DE1の上面のうち、平面視で電極DE2と重ならない部分は、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bで覆われていても、あるいは、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aで覆われていてもよい。なお、電極DE1に電気的に接続する配線M2bは、平面視で電極DE2に重ならない位置に配置されおり、電極DE1の上面のうち、配線M2bのビア部を接続する領域とその近傍は、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aで覆っておき、そのバリア絶縁膜B1の薄膜部B1aを配線M2bのビア部が貫通して電極DE1に接続するようにする。
【0054】
また、電極DE2と一体的に配線M2を形成することもできる。
図1および
図2の場合、配線M2のうちの配線M2aが電極DE2と一体的に形成されている。
【0055】
配線M2aは、配線M2と同様に、層間絶縁膜IL2に形成された配線溝TR2a内にダマシン法により埋め込まれており、銅を主体(主成分)とするダマシン配線(ダマシン銅配線、埋込銅配線)である。配線M2aが埋め込まれた配線溝TR2aは、配線溝TR2と同工程で形成され、配線溝TR2と同様の深さを有しており、層間絶縁膜IL2の厚みの途中に位置している。すなわち、配線溝TR2と同様に、配線溝TR2aも層間絶縁膜IL2を貫通しておらず、配線溝TR2aの底面は、層間絶縁膜IL2の厚みの途中に位置している。但し、配線溝TR2aは開口部OP2と繋がっている。このため、電極DE2と配線M2aとは、同工程で一体的に形成される。
【0056】
配線M2aの幅は、電極DE2の幅よりも小さくすることができる。また、配線M2aは、形成しない場合もあり得る。配線M2aを形成しない場合は、電極DE2は、電極DE2よりも上層の配線か、あるいは電極DE2よりも下層の配線と接続すればよい。例えば、電極DE2および配線M2が形成された配線層よりも1つ上層の配線層の配線(図示せず)を電極DE2上に配置し、その配線のビア部を電極DE2の上面に接触させて電気的に接続させることができる。これにより、電極DE2を、電極DE2および配線M2が形成された配線層よりも1つ上層の配線層の配線(図示せず)に電気的に接続することができる。
【0057】
電極DE2が埋め込まれた開口部OP2は、層間絶縁膜IL2を貫通してバリア絶縁膜B1(より特定的にはバリア絶縁膜B1の厚膜部B1b)に達しているため、開口部OP2に埋め込まれた電極DE2の下面は、バリア絶縁膜B1(より特定的にはバリア絶縁膜B1の厚膜部B1b)に接している。一方、配線M2aが埋め込まれた配線溝TR2は、層間絶縁膜IL2を貫通していないため、配線M2aの下面は、層間絶縁膜IL2の厚みの途中に位置しており、配線M2aの下面とバリア絶縁膜B1の上面との間には、層間絶縁膜IL2の一部(厚みの一部)が介在している。
【0058】
なお、
図2の平面図において、斜線のハッチングを付した領域が電極DE2に対応し、層間絶縁膜IL2を貫通してバリア絶縁膜B1(より特定的にはバリア絶縁膜B1の厚膜部B1b)に接している電極DE2が形成されている領域に対応している。また、
図2の平面図において、ドットのハッチングを付した領域が配線M2aに対応し、この領域では、配線M2aの下面はバリア絶縁膜B1には接しておらず、配線M2aとバリア絶縁膜B1との間には、層間絶縁膜IL2の一部(厚みの一部)が介在している。
【0059】
また、容量素子CPの下部電極として機能する電極DE1は、上面全体がバリア絶縁膜B1で覆われている。
図1〜
図3の場合は、配線M2のうちの配線M2bが、電極DE1と電気的に接続されている。配線M2bのビア部(ビアホールVH2を埋め込む部分)が電極DE1の上面に接続されている場合は、その配線M2bのビア部(ビアホールVH2を埋め込む部分)は、バリア絶縁膜B1を貫通して電極DE1の上面に接続されている。ここで、電極DE1の一部上にバリア絶縁膜B1の薄膜部B1aが形成されており、配線M2bのビア部(ビアホールVH2を埋め込む部分)は、電極DE1上に形成されたバリア絶縁膜B1の薄膜部B1aを貫通して電極DE1に接続されている。配線M2bは、配線M2と同様に、層間絶縁膜IL2に形成された配線溝TR2内にダマシン法により埋め込まれており、銅を主体(主成分)とするダマシン配線(ダマシン銅配線、埋込銅配線)である。
【0060】
なお、電極DE1と電極DE2とが層間絶縁膜IL2を介在せずにバリア絶縁膜B1を介して対向する領域では、電極DE1と電極DE2との間に介在するバリア絶縁膜B1は、薄膜部B1aではなく厚膜部B1bとなっている。このため、電極DE1において、配線M2bのビア部(ビアホールVH2を埋め込む部分)を接続する領域とその近傍では、電極DE1上にバリア絶縁膜B1の薄膜部B1aを形成しているが、電極DE1のうち、電極DE2と平面視で重なる領域では、電極DE1上にバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bが形成されている。
【0061】
<半導体装置の製造方法について>
図4〜
図22は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【0062】
まず、
図4に示されるように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)SBを準備する。
【0063】
次に、半導体基板SBに素子分離領域STを形成する。素子分離領域STは、STI(Shallow Trench Isolation)法により形成することができる。
【0064】
次に、半導体基板SBに、nチャネル型のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)Qnおよびpチャネル型のMISFETQpなどの半導体素子を形成する。MISFETQn,Qpは、例えば次のようにして形成することができる。
【0065】
すなわち、半導体基板SBにp型ウエルPWおよびn型ウエルNWを、それぞれイオン注入法などを用いて形成する。それから、p型ウエルPW上に、ゲート絶縁膜GFを介してnチャネル型のMISFETQn用のゲート電極GE1を形成し、n型ウエルNW上に、ゲート絶縁膜GFを介してpチャネル型のMISFETQp用のゲート電極GE2を形成する。例えば、半導体基板SBの主面にゲート絶縁膜GF用の絶縁膜(例えば酸化シリコン膜)とゲート電極GE1,GE2用の導電膜(例えばドープトポリシリコン膜)とを順に形成してから、その導電膜をパターニングすることで、ゲート電極GE1,GE2およびゲート絶縁膜GFを形成することができる。
【0066】
それから、ゲート電極GE1をマスクとして用いてp型ウエルPWにn型不純物をイオン注入することにより、p型ウエルPWにおいて、ゲート電極GE1の両側にn
-型半導体領域EX1を形成し、また、ゲート電極GE2をマスクとして用いてn型ウエルNWにp型不純物をイオン注入することにより、n型ウエルNWにおいて、ゲート電極GE2の両側にp
-型半導体領域EX2を形成する。
【0067】
それから、ゲート電極GE1,GE2を覆うようにサイドウォールスペーサSW形成用の絶縁膜を形成してから、その絶縁膜を異方性エッチングすることにより、ゲート電極GE1,GE2の側壁上にサイドウォールスペーサ(側壁絶縁膜)SWを形成する。
【0068】
それから、ゲート電極GE1およびその側壁上のサイドウォールスペーサSWをマスクとして用いてp型ウエルPWにn型不純物をイオン注入することにより、p型ウエルPWにおいて、ゲート電極GE1およびその側壁上のサイドウォールスペーサSWからなる構造体の両側に、n
-型半導体領域EX1よりも高不純物濃度のn
+型半導体領域SD1を形成する。また、ゲート電極GE2およびその側壁上のサイドウォールスペーサSWをマスクとして用いてn型ウエルNWにp型不純物をイオン注入することにより、n型ウエルNWにおいて、ゲート電極GE2およびその側壁上のサイドウォールスペーサSWからなる構造体の両側に、p
-型半導体領域EX2よりも高不純物濃度のp
+型半導体領域SD2を形成する。n
-型半導体領域EX1およびn
+型半導体領域SD1により、nチャネル型のMISFETQnのLDD構造を有するソース・ドレイン領域が形成され、p
-型半導体領域EX2およびp
+型半導体領域SD2により、pチャネル型のMISFETQpのLDD構造を有するソース・ドレイン領域が形成される。その後、これまでに導入した不純物を活性化させるための熱処理である活性化アニールを行う。また、ゲート電極GE1,GE2、n
+型半導体領域SD1およびp
+型半導体領域SD2の表面(表層部分)に、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術などにより、それぞれ金属シリサイド層SLを形成することもできる。
【0069】
このようにして、半導体基板SBに、nチャネル型のMISFETQnおよびpチャネル型のMISFETQpを形成することができる。なお、半導体基板SBに形成する半導体素子は、nチャネル型のMISFETQnおよびpチャネル型のMISFETQpに限定されず、種々の半導体素子を半導体基板SBに形成することができる。
【0070】
次に、
図5に示されるように、半導体基板SBの主面全面上に、ゲート電極GE1,GE2およびサイドウォールスペーサSWを覆うように、層間絶縁膜SOをCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法などを用いて形成する。層間絶縁膜SOは、例えば、酸化シリコン膜の単体膜、あるいは、窒化シリコン膜と該窒化シリコン膜上の酸化シリコン膜との積層膜などからなる。層間絶縁膜SOの成膜後、層間絶縁膜SOの上面をCMP法により研磨するなどして、層間絶縁膜SOの上面を平坦化することもできる。
【0071】
次に、層間絶縁膜SO上にフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(図示せず)を形成し、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして層間絶縁膜SOをエッチングすることにより、層間絶縁膜SOにコンタクトホールCTを形成する。
【0072】
次に、コンタクトホールCT内に、導電性のプラグPGを形成する。プラグPGを形成するには、まず、コンタクトホールCTの内部(底部および側壁上)を含む層間絶縁膜SO上に導電性バリア膜(例えばチタン膜、窒化チタン膜、あるいはそれらの積層膜)をスパッタリング法などによって形成した後、タングステン(W)膜などからなる主導体をCVD法などによって導電性バリア膜上にコンタクトホールCTを埋めるように形成する。それから、コンタクトホールCTの外部の不要な主導体膜および導電性バリア膜をCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法またはエッチバック法などによって除去する。これにより、コンタクトホールCT内に埋め込まれて残存する主導体膜および導電性バリア膜からなるプラグPGを形成することができる。なお、図面の簡略化のために、
図5では、プラグPGを構成するバリア導体膜と主導体膜とを一体化して示してある。
【0073】
次に、
図6に示されるように、プラグPGが埋め込まれた層間絶縁膜SO上に、層間絶縁膜IL1を形成する。層間絶縁膜IL1は、酸化シリコン膜または低誘電率絶縁膜などを好適に用いることができ、例えばCVD法などを用いて形成することができる。
【0074】
次に、ダマシン法(ここではシングルダマシン法)により第1層目の配線M1と電極DE1とを形成するが、具体的には、次のようにして配線M1と電極DE1とを形成することができる。
【0075】
まず、
図7に示されるように、層間絶縁膜IL1上にフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(図示せず)を形成してから、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして層間絶縁膜IL1をエッチングすることにより、層間絶縁膜IL1に開口部OP1と配線溝(溝部、開口部)TR1とを形成する。
【0076】
それから、
図8に示されるように、半導体基板SBの主面上に、すなわち配線溝TR1および開口部OP1の内面(底部および側壁)上を含む層間絶縁膜IL1上に、バリア導体膜(バリアメタル膜)BR1を形成する。バリア導体膜BR1は、例えば、タンタル膜または窒化タンタル膜あるいはそれらの積層膜からなる。
【0077】
それから、バリア導体膜BR1上に、開口部OP1および配線溝TR1内を埋める(満たす)ように、銅を主成分とする主導体膜MC1を形成する。主導体膜MC1は、例えば、バリア導体膜BR1上にCVD法またはスパッタリング法などを用いて形成した相対的に薄い銅のシード層と、この銅のシード層上に電解めっき法などを用いて形成した相対的に厚い銅めっき膜とからなり、この銅めっき膜により、開口部OP1および配線溝TR1内を埋め込むことができる。主導体膜MC1は、バリア導体膜BR1よりも厚い。
【0078】
それから、
図9に示されるように、開口部OP1および配線溝TR1の外部の不要な主導体膜MC1およびバリア導体膜BR1をCMP法による研磨処理などで除去し、開口部OP1および配線溝TR1内に主導体膜MC1およびバリア導体膜BR1を残すことにより、電極DE1および配線M1を形成する。電極DE1は、開口部OP1内に埋め込まれた主導体膜MC1およびバリア導体膜BR1からなり、配線M1は、配線溝TR1内に埋め込まれた主導体膜MC1およびバリア導体膜BR1からなる。層間絶縁膜IL1の上面が露出され、層間絶縁膜IL1の上面と、電極DE1の上面と、配線M1の上面とは、ほぼ平坦な面を形成する。
【0079】
このようにして、配線M1と電極DE1とを形成することができる。なお、ここでは、容量素子CPの電極DE1を第1層目の配線層に形成する場合について説明したが、他の形態として、容量素子CPの電極DE1を第1層目の配線層よりも上の配線層に形成することもできる。電極DE1および電極DE1と同工程で形成される配線M1とを、第1層目の配線層よりも上の配線層に形成するのであれば、電極DE1と配線M1とは、シングルダマシン法で形成しても、あるいはデュアルダマシン法で形成してもよい。
【0080】
なお、以降の
図10〜
図22では、図面の簡略化のために、層間絶縁膜IL1よりも下の構造については、図示を省略している。
【0081】
次に、
図10に示されるように、電極DE1および配線M1が埋め込まれた層間絶縁膜IL1上に、電極DE1および配線M1を覆うように、バリア絶縁膜B1を形成する。バリア絶縁膜B1は、好ましくは、窒化シリコン(SiN)膜、炭化シリコン(SiC)膜または炭窒化シリコン(SiCN)膜からなり、CVD法などを用いて形成することができる。バリア絶縁膜B1を成膜した段階では、バリア絶縁膜B1はほぼ均一な厚み(膜厚)を有しており、バリア絶縁膜B1の厚み(膜厚)は、厚みT1となっている。成膜した段階のバリア絶縁膜B1の厚み(形成膜厚)は、例えば、60〜300nm程度とすることができる。
【0082】
次に、バリア絶縁膜B1上にフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(レジストパターン、マスク層)PR1を形成する。フォトレジストパターンPR1は、エッチングマスク層として用いるため、マスク層とみなすことができる。
【0083】
次に、
図11に示されるように、フォトレジストパターンPR1をエッチングマスクとして用いてバリア絶縁膜B1をエッチングすることにより、フォトレジストパターンPR1で覆われずに露出する部分のバリア絶縁膜B1の厚み(膜厚)を薄くする。この際、フォトレジストパターンPR1で覆われずに露出する部分のバリア絶縁膜B1は、全厚みをエッチングするのではなく、厚みの一部が残存するようにする。その後、
図12に示されるように、フォトレジストパターンPR1を除去する。
【0084】
これにより、バリア絶縁膜B1は、薄膜部B1aと薄膜部B1aよりも厚い厚膜部B1bとを有したものとなる。フォトレジストパターンPR1で覆われていた部分のバリア絶縁膜B1が、厚膜部B1bとなり、フォトレジストパターンPR1で覆われずに露出していた部分のバリア絶縁膜B1が、薄膜部B1aとなる。フォトレジストパターンPR1で覆われずに露出する部分のバリア絶縁膜B1は、エッチングにより厚みが薄くなるが、フォトレジストパターンPR1で覆われていた部分のバリア絶縁膜B1は、フォトレジストパターンPR1がエッチングマスクとして機能するためにエッチングされず、従って、エッチングの前後で厚みは変わらない。このため、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bの厚みは、バリア絶縁膜B1の成膜時の厚みT1と同じであり、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aの厚み(T2)は、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bの厚み(T1)よりも薄くなる(すなわちT1>T2)。バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aは、ほぼ均一な厚みを有している。また、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bは、ほぼ均一な厚みを有している。バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aの厚み(T2)は、例えば、30〜100nm程度とすることができる。
【0085】
この段階でも、配線M1および電極DE1は、バリア絶縁膜B1で覆われた状態が維持されている。但し、配線M1の上面は、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bではなく、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aで覆われている。一方、電極DE1の上面は、少なくとも一部がバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bで覆われている。電極DE1の上面のうち、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bで覆われていない領域がある場合は、その領域は、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aで覆われている。
【0086】
次に、
図13に示されるように、薄膜部B1aと厚膜部B1bとを有するバリア絶縁膜B1上に、層間絶縁膜IL2を形成する。層間絶縁膜IL2は、酸化シリコン膜または低誘電率絶縁膜などを好適に用いることができ、例えばCVD法などを用いて形成することができる。層間絶縁膜の厚み(形成膜厚)は、例えば、300〜600nm程度とすることができる。
【0087】
次に、層間絶縁膜IL2に、ビアホール(孔部)VH2および開口部OP2を形成する。ビアホールVH2および開口部OP2は、例えば次のようにして形成することができる。
【0088】
まず、
図13に示されるように、バリア絶縁膜B1上にフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(レジストパターン、マスク層)PR2を形成する。フォトレジストパターンPR2は、エッチングマスク層として用いるため、マスク層とみなすことができる。フォトレジストパターンPR2は、ビアホールVH2を形成する予定領域を露出する開口部PR2aと、開口部OP2を形成する予定領域を露出する開口部PR2bとを有している。
【0089】
それから、
図14に示されるように、フォトレジストパターンPR2をエッチングマスクとして用いて層間絶縁膜IL2をエッチングすることにより、層間絶縁膜IL2にビアホールVH2および開口部OP2を形成する。この際、フォトレジストパターンPR2の開口部PR2aから露出する部分の層間絶縁膜IL2がエッチングされてビアホールVH2が形成され、フォトレジストパターンPR2の開口部PR2bから露出する部分の層間絶縁膜IL2がエッチングされて開口部OP2が形成される。
【0090】
層間絶縁膜IL2をエッチングしてビアホールVH2および開口部OP2を形成する際は、バリア絶縁膜B1をエッチングストッパ膜として機能させることができる。このため、層間絶縁膜IL2に比べてバリア絶縁膜B1がエッチングされにくいエッチング条件で、層間絶縁膜IL2をエッチングすることが好ましい。言い換えると、バリア絶縁膜B1に比べて層間絶縁膜IL2がエッチングされやすいエッチング条件で、層間絶縁膜IL2をエッチングすることが好ましい。
【0091】
その後、
図15に示されるように、フォトレジストパターンPR2を除去する。
【0092】
このようにして、層間絶縁膜IL2に、ビアホールVH2および開口部OP2を形成することができる。ビアホールVH2と開口部OP2とは、同工程で形成される。
【0093】
ビアホールVH2と開口部OP2は、いずれも層間絶縁膜IL2を貫通して底部でバリア絶縁膜B1を露出する。但し、ビアホールVH2の底部で露出するのは、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aであり、開口部OP2の底部で露出するのは、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bである。開口部OP2は、平面視でバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bに内包されるように形成されているため、開口部OP2の底部では、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aは露出せずに、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bが露出する。一方、ビアホールVH2は、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1a上に形成されているため、ビアホールVH2の底部では、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bは露出せずに、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aが露出する。開口部OP2の平面寸法(平面積)は、ビアホールVH2の平面寸法(平面積)よりも大きい。
【0094】
次に、層間絶縁膜IL2に配線溝(溝部)TR2を形成する。配線溝TR2は、例えば次のようにして形成することができる。
【0095】
まず、
図16に示されるように、ビアホールVH2および開口部OP2内を埋める(満たす)ように、層間絶縁膜IL2上に、絶縁膜CB1を形成する。絶縁膜CB1は、後で選択的に除去しやすい材料により形成することが好ましく、例えば有機膜(有機絶縁膜)またはレジスト膜(レジスト材料膜)などからなる。それから、絶縁膜CB1上に、酸化シリコン膜などからなるハードマスク用の絶縁膜HD1を形成する。それから、絶縁膜HD1上に、フォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(レジストパターン、マスク層)PR3を形成する。フォトレジストパターンPR3は、エッチングマスク層として用いるため、マスク層とみなすことができる。フォトレジストパターンPR3は、配線溝TR2を形成する予定領域を露出する開口部を有している。ハードマスク用の絶縁膜HD1が不要な場合は、ハードマスク用の絶縁膜HD1の形成を省略することもできる。
【0096】
それから、
図17に示されるように、フォトレジストパターンPR3をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜HD1、絶縁膜CB1および層間絶縁膜IL2をエッチングすることにより、層間絶縁膜IL2に配線溝TR2を形成する。その後、
図18に示されるように、フォトレジストパターンPR3、絶縁膜HD1および絶縁膜CB1を除去する。この除去の際は、層間絶縁膜IL2やバリア絶縁膜B1が除去されてしまうのを抑制しながら、フォトレジストパターンPR3、絶縁膜HD1および絶縁膜CB1を選択的に除去することが好ましい。
【0097】
なお、
図17では、エッチングを終了した段階で、フォトレジストパターンPR3および絶縁膜CB1が残存している場合が示されている。しかしながら、エッチングを終了した段階で、フォトレジストパターンPR3が残存していない場合(すなわちエッチングによって全て除去された場合)もあり得、その場合は絶縁膜HD1が層間絶縁膜IL2をエッチングするためのエッチングマスクとして機能することができる。また、エッチングを終了した段階で、フォトレジストパターンPR3および絶縁膜HD1が残存していない場合(すなわちエッチングによって全て除去された場合)もあり得、その場合は絶縁膜CB1が層間絶縁膜IL2をエッチングするためのエッチングマスクとして機能することができる。
【0098】
このようにして、層間絶縁膜IL2に配線溝TR2を形成することができる。配線溝TR2の底面は、層間絶縁膜IL2の厚みの途中に位置している。すなわち、配線溝TR2は、層間絶縁膜IL2を貫通しておらず、配線溝TR2の底面は、層間絶縁膜IL2の厚みの途中に位置している。なお、配線溝TR2のうち、配線溝TR2aは開口部OP2と繋がっており、配線溝TR2a以外の配線溝TR2は、開口部OP2とは繋がっていない。
【0099】
このように、層間絶縁膜IL2には、開口部OP2とビアホールVH2と配線溝TR2とが形成される。開口部OP2とビアホールVH2と配線溝TR2とが形成されると、ビアホールVH2は、配線溝TR2に平面視で内包され、ビアホールVH2を除く配線溝TR2の底面は、層間絶縁膜IL2の厚みの途中に位置し、ビアホールVH2は層間絶縁膜IL2を貫通し、ビアホールVH2の底部では、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aが露出される。また、開口部OP2とビアホールVH2と配線溝TR2とが形成されると、配線溝TR2のうち、配線溝TR2aは、開口部OP2と繋がり、配線溝TR2aの底面は層間絶縁膜IL2の厚みの途中に位置し、開口部OP2は層間絶縁膜IL2を貫通し、開口部OP2の底部では、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bが露出される。
【0100】
なお、本実施の形態では、層間絶縁膜IL2に開口部OP2およびビアホールVH2を形成してから、層間絶縁膜IL2に配線溝TR2を形成している。他の形態として、層間絶縁膜IL2に配線溝TR2を形成してから、その後で、層間絶縁膜IL2に開口部OP2およびビアホールVH2を形成することもできる。
【0101】
次に、
図19に示されるように、ビアホールVH2の底部から露出する部分のバリア絶縁膜B1をエッチングにより除去する。これにより、ビアホールVH2の底部で配線M1の上面が露出される。このエッチングの際、開口部OP2から露出するバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bもエッチングされて、厚みが薄くなる。なお、このエッチング(エッチング工程)を、簡略化のために、以降では
図19のエッチング工程と称することとする。
【0102】
図19のエッチング工程では、バリア絶縁膜B1に比べて層間絶縁膜IL2がエッチングされにくいエッチング条件で、バリア絶縁膜B1をエッチングすることが好ましい。言い換えると、
図19のエッチング工程では、層間絶縁膜IL2に比べてバリア絶縁膜B1がエッチングされやすいエッチング条件で、バリア絶縁膜B1をエッチングすることが好ましい。これにより、
図19のエッチング工程において、層間絶縁膜IL2がエッチングされるのを抑制または防止しながら、ビアホールVH2の底部のバリア絶縁膜B1をエッチングにより除去して、ビアホールVH2の底部で配線M1(の上面)を露出させることができる。
【0103】
図19のエッチング工程においては、エッチングによりビアホールVH2の底部でバリア絶縁膜B1が除去されるだけでなく、開口部OP2から露出するバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bもエッチングされて、厚みが薄くなる。
【0104】
ここで、
図19のエッチング工程を行う前の段階においては、ビアホールVH2の底部に存在していたのはバリア絶縁膜B1の薄膜部B1aであり、開口部OP2の底部に存在していたのはバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bであり、厚膜部B1bの厚み(T1)は、薄膜部B1aの厚み(T2)よりも厚くなっていた。このため、
図19のエッチング工程を行うと、ビアホールVH2の底部ではバリア絶縁膜B1の薄膜部B1aが除去されてビアホールVH2の底部で配線M1(の上面)が露出し、一方、開口部OP2の底部では、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bの厚みはエッチング前よりも薄くなるが、開口部OP2の底部でバリア絶縁膜B1が層状に残存した状態は維持することができる。すなわち、
図19のエッチング工程が終了すると、開口部OP2の底部でバリア絶縁膜B1が層状に残存し、開口部OP2から電極DE1は露出されない。
【0105】
また、
図19のエッチング工程を終了した段階で、開口部OP2の底部で露出する部分のバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bの厚み(T3)は、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aの厚み(T2)よりも厚い(T3>T2)ことが好ましい。このため、
図19のエッチング工程で開口部OP2の底部で露出する部分のバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bが薄くなることを考慮して、上記
図10でバリア絶縁膜B1を成膜するときの厚み(T1)を設定すればよい。
【0106】
例えば、
図19のエッチング工程の後に、開口部OP2の底部で露出する部分のバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bが60nmの厚みを有している必要があり、
図19のエッチング工程において開口部OP2の底部でのバリア絶縁膜B1のエッチング量が40nmである場合は、上記
図10でバリア絶縁膜B1を成膜するときの厚み(T1)を100nmに設定すればよい。また、例えば、
図19のエッチング工程の後に、開口部OP2の底部で露出する部分のバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bが120nmの厚みを有している必要があり、
図19のエッチング工程において開口部OP2の底部でのバリア絶縁膜B1のエッチング量が80nmである場合は、上記
図10でバリア絶縁膜B1を成膜するときの厚み(T1)を200nmに設定すればよい。また、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aの厚み(T2)は、上記
図11のエッチング工程でのバリア絶縁膜B1のエッチング量を調整することによって、所望の厚みに制御することができる。従って、
図19のエッチング工程を終了した段階において、開口部OP2の底部で露出する部分のバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bの厚み(T3)と、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aの厚み(T2)とは、それぞれ所望の厚みに制御することができる。このため、
図19のエッチング工程を終了した段階で、開口部OP2の底部で露出する部分のバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bの厚み(T3)は、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aの厚み(T2)よりも厚く(T3>T2)することができる。
【0107】
次に、ダマシン法(ここではデュアルダマシン法)により配線M2と電極DE2とを形成するが、具体的には、次のようにして配線M2と電極DE2とを形成することができる。
【0108】
まず、
図20に示されるように、半導体基板SBの主面上に、すなわち配線溝TR2、ビアホールVH2および開口部OP2の内面(底部および側壁)上を含む層間絶縁膜IL2上に、バリア導体膜(バリアメタル膜)BR2を形成する。バリア導体膜BR2は、例えば、タンタル膜または窒化タンタル膜あるいはそれらの積層膜からなる。
【0109】
それから、バリア導体膜BR2上に、開口部OP2、配線溝TR2およびビアホールVH2内を埋める(満たす)ように、銅を主成分とする主導体膜MC2を形成する。主導体膜MC2は、例えば、バリア導体膜BR2上にCVD法またはスパッタリング法などを用いて形成した相対的に薄い銅のシード層と、この銅のシード層上に電解めっき法などを用いて形成した相対的に厚い銅めっき膜とからなり、この銅めっき膜により、開口部OP2、配線溝TR2およびビアホールVH2内を埋め込むことができる。主導体膜MC2は、バリア導体膜BR2よりも厚い。
【0110】
それから、
図21に示されるように、開口部OP2および配線溝TR2の外部の不要な主導体膜MC2およびバリア導体膜BR2をCMP法による研磨処理などで除去し、開口部OP2、配線溝TR2およびビアホールVH2内に主導体膜MC2およびバリア導体膜BR2を残すことにより、電極DE2および配線M2を形成する。電極DE2は、開口部OP2内に埋め込まれた主導体膜MC2およびバリア導体膜BR2からなり、配線M2は、配線溝TR2内に埋め込まれた主導体膜MC2およびバリア導体膜BR2からなり、配線M2のビア部は、ビアホールVH2内に埋め込まれた主導体膜MC2およびバリア導体膜BR2からなる。層間絶縁膜IL2の上面が露出され、層間絶縁膜IL2の上面と、電極DE2の上面と、配線M2の上面とは、ほぼ平坦な面を形成する。
【0111】
このようにして、配線M2と電極DE2とを形成することができる。電極DE1と、電極DE2と、電極DE1および電極DE2間に介在するバリア絶縁膜B1(厚膜部B1b)とにより、容量素子CPが形成される。なお、配線溝TR2aは開口部OP2に繋がっていたため、配線M2のうち、配線溝TR2aに埋め込まれた配線M2aは、電極DE2と一体的に形成される。配線M2a以外の配線M2は、電極DE2から離間して形成される。
【0112】
次に、
図22に示されるように、電極DE2および配線M2が埋め込まれた層間絶縁膜IL2上に、電極DE2および配線M2を覆うように、バリア絶縁膜B2を形成する。バリア絶縁膜B2は、好ましくは、窒化シリコン(SiN)膜、炭化シリコン(SiC)膜または炭窒化シリコン(SiCN)膜からなり、CVD法などを用いて形成することができる。
【0113】
その後、バリア絶縁膜B2上に、更に層間絶縁膜や配線などが形成されるが、ここではその図示および説明は省略する。
【0114】
<本発明者の検討について>
本発明者は、半導体基板上に複数の配線層を有する配線構造(多層配線構造)を形成する場合に、この配線構造内にMIM型の容量素子を形成する技術について検討した。
【0115】
MIM型の容量素子の特性として、高い耐圧(絶縁耐圧)が要求される場合がある。MIM型の容量素子の耐圧を高めるためには、容量素子の上部電極と下部電極との間に介在する容量絶縁膜の物理的な膜厚を大きくすることが有効である。
【0116】
また、配線構造を形成するのに必要な膜とは別の膜を、MIM型の容量素子の容量絶縁膜として用いると、配線構造内に容量素子を形成することに伴い増加する工程数が多くなってしまい、半導体装置の製造時間の増大や半導体装置の製造コストの増加につながってしまう。
【0117】
このため、層間絶縁膜をMIM型の容量素子の容量絶縁膜として用いることが考えられる。しかしながら、層間絶縁膜をMIM型の容量素子の容量絶縁膜として用いると、層間絶縁膜の誘電率が低いことから、容量素子の容量値の低下を招いてしまう。容量値を稼ぐために層間絶縁膜の誘電率を高くしてしまうと、その層間絶縁膜に埋め込まれた配線において、隣接配線間の寄生容量が増大してしまうため、半導体装置の性能の低下を招いてしまう虞がある。
【0118】
そこで、配線を埋め込んだ層間絶縁膜上に形成するバリア絶縁膜を、MIM型の容量素子の容量絶縁膜として用いることを、検討した。
【0119】
しかしながら、その場合、バリア絶縁膜を厚くしてしまうと、配線上を覆うバリア絶縁膜が厚くなることで、その配線とそれよりも1つ上層の配線との間に形成される寄生容量が増加することにつながり、半導体装置の性能を低下させる虞がある。なぜなら、バリア絶縁膜として相応しい絶縁材料は誘電率が高いため、バリア絶縁膜の厚みを厚くすることは、上下の配線間の寄生容量の増加につながるためである。かといって、バリア絶縁膜を薄くしてしまうと、上部電極と下部電極との間に介在して容量絶縁膜として機能するバリア絶縁膜も薄くなってしまい、上部電極と下部電極との間の耐圧(絶縁耐圧)が低くなり、MIM型の容量素子の信頼性が低下してしまう。
【0120】
また、バリア絶縁膜は、配線上の層間絶縁膜にビアホール(上記ビアホールVH2に相当するもの)を形成する際にエッチングストッパ膜としても機能させることができるが、バリア絶縁膜の厚みが厚すぎると、ビアホールの底部でバリア絶縁膜を除去して配線を露出させる際に、オーバーエッチングが発生して配線がダメージを受ける虞がある。なぜなら、開口すべき絶縁膜の厚みが厚くなるほど、開口不良を防ぐためにオーバーエッチング量を多くする必要があるからである。
【0121】
このため、バリア絶縁膜を、MIM型の容量素子の容量絶縁膜としても用いることは、上記のような課題を発生させてしまう。
【0122】
<主要な特徴と効果について>
本実施の形態の半導体装置は、半導体基板(SB)と、半導体基板(SB)上に形成されかつ複数の配線層を含む配線構造と、この配線構造に形成された容量素子CPとを有する半導体装置である。
【0123】
この配線構造は、層間絶縁膜IL1(第1層間絶縁膜)と、層間絶縁膜IL1に埋め込まれた配線M1(第1配線)および容量素子CP用の電極DE1(第1電極)と、層間絶縁膜IL1上に配線M1および電極DE1を覆うように形成されたバリア絶縁膜B1とを有している。この配線構造は、更に、バリア絶縁膜B1上に形成された層間絶縁膜IL2(第2層間絶縁膜)と、層間絶縁膜IL2に埋め込まれた配線M2(第2配線)および容量素子CP用の電極DE2(第2電極)とを含んでいる。そして、配線M2の下面は、層間絶縁膜IL2の厚みの途中に位置し、電極DE2の下面は、バリア絶縁膜B1に接しており、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1は、容量素子CPの容量絶縁膜として機能し、かつ、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1よりも厚い。
【0124】
本実施の形態の主要な特徴のうちの一つは、電極DE2の下面がバリア絶縁膜B1に接し、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1が容量素子CPの容量絶縁膜として機能することである。
【0125】
本実施の形態では、バリア絶縁膜を容量素子CPの容量絶縁膜として用いているため、容量素子CPを形成しやすくなり、また、半導体装置の製造工程数を低減しやすくなる。また、層間絶縁膜IL2を容量絶縁膜として用いる場合に比べて、容量素子CPの容量値を大きくしやすくなる。
【0126】
本実施の形態の主要な特徴のうちの他の一つは、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1は、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1よりも厚いことである。
【0127】
本実施の形態とは異なり、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1の厚みが、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1の厚みと同じである場合を仮定する。この場合、バリア絶縁膜B1の厚みを薄くすると、電極DE1と電極DE2との間に介在して容量絶縁膜として機能するバリア絶縁膜B1も薄くなってしまい、電極DE1と電極DE2との間の耐圧(絶縁耐圧)が低くなり、容量素子CPの信頼性が低下してしまう。また、この場合、バリア絶縁膜B1の厚みを厚くすると、配線M1上を覆うバリア絶縁膜B1が厚くなることで、その配線M1とそれよりも1つ上層の配線M2との間に形成される寄生容量が増加することにつながり、半導体装置の性能を低下させる虞がある。なぜなら、バリア絶縁膜B1として相応しい絶縁材料は誘電率が高いため、配線M1上のバリア絶縁膜B1の厚みを厚くすることは、配線M1と配線M2との間の寄生容量の増加につながるためである。また、この場合、バリア絶縁膜B1を厚くすると、ビアホールVH2の底部でバリア絶縁膜B1を除去して配線M1を露出させる際に、オーバーエッチング量を多めに設定する必要が生じるため、配線M1がダメージを受ける虞がある。
【0128】
それに対して、本実施の形態では、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1は、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1よりも厚くなっている。
【0129】
すなわち、本実施の形態では、容量素子CPの容量絶縁膜と、配線M1の上面を覆うバリア絶縁膜とに、同じ膜(ここではバリア絶縁膜B1)を用いているが、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1の厚みと、容量絶縁膜として機能する部分のバリア絶縁膜B1(すなわち電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1)の厚みとは同じではない。配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1の厚み(T2)よりも、容量絶縁膜として機能する部分のバリア絶縁膜B1(すなわち電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1)の厚み(T3)が、厚くなっているのである(すなわちT3>T2)。
【0130】
配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1の厚み(T2)を薄くしたことにより、配線M1とそれよりも1つ上層の配線M2との間に形成される寄生容量を抑制することができる。また、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1の厚み(T2)を薄くすることにより、ビアホールVH2の底部でバリア絶縁膜B1を除去して配線M1を露出させる際に(上記
図19のエッチング工程に対応)、オーバーエッチング量を少なめに設定することが可能になり、オーバーエッチングによって配線M1がダメージを受けてしまうのを抑制または防止することができるようになる。
【0131】
また、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1の厚み(T3)を厚くしたことにより、電極DE1と電極DE2との間の耐圧(絶縁耐圧)を高くすることができ、容量素子CPの信頼性を向上させることができる。
【0132】
従って、本実施の形態では、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1を、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1よりも厚くしたことにより、配線M1と配線M2との間に形成される寄生容量を抑制することと、電極DE1と電極DE2との間の耐圧(絶縁耐圧)を高くすることとを、両立させることができる。また、ビアホールVH2の底部で配線M1を露出させる際の配線M1のダメージを抑制または防止することもできる。これにより、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0133】
また、本実施の形態では、バリア絶縁膜B1が、薄膜部B1aと薄膜部B1aよりも厚い厚膜部B1bとを有するようにし、電極DE1と電極DE2との間には、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bが介在し、配線M1上には、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aが形成されているようにしている。これにより、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1を、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1よりも厚くすることが、容易かつ的確に行えるようになる。
【0134】
また、本実施の形態では、電極DE1の一部上に、バリア絶縁膜B1の薄膜部B1aが形成され、層間絶縁膜IL2に埋め込まれた配線M2b(第3配線)のビア部が、電極DE1上に形成されたバリア絶縁膜B1の薄膜部B1aを貫通して、電極DE1に接続されている。配線M2bのビア部が、バリア絶縁膜B1の厚い厚膜部B1bではなく薄膜部B1aを貫通して電極DE1に接続されているため、配線M2bのビア部を埋め込むためのビアホールVH2を形成しやすくなり、そのビアホールVH2の底部で電極DE1の一部を的確に露出させることができるようになる。従って、配線M2bのビア部と電極DE1との接続不良をより的確に防止することができるようになり、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
【0135】
また、本実施の形態の半導体装置の製造工程は、配線M1および電極DE1が埋め込まれた層間絶縁膜IL1上に、薄膜部B1aと薄膜部B1aよりも厚い厚膜部B1bとを有するバリア絶縁膜B1を形成する工程を有している(上記
図12参照)。配線M1はバリア絶縁膜B1の薄膜部B1aで覆われ、電極DE1の少なくとも一部はバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bで覆われる。本実施の形態の半導体装置の製造工程は、更に、バリア絶縁膜B1上に形成した層間絶縁膜IL2にビアホールVH2(孔部)と電極DE2用の開口部OP2とを形成する工程を有しており、この工程では、開口部OP2の底部でバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bが露出され、ビアホールVH2の底部でバリア絶縁膜B1の薄膜部B1aが露出される(上記
図14参照)。そして、開口部OP2内に形成された(埋めこまれた)電極DE2と、電極DE1との間には、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bが介在し、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1は、容量素子CPの容量絶縁膜として機能する。
【0136】
本実施の形態では、配線M1および電極DE1が埋め込まれた層間絶縁膜IL1上に、薄膜部B1aと薄膜部B1aよりも厚い厚膜部B1bとを有するバリア絶縁膜B1を形成し、配線M1はバリア絶縁膜B1の薄膜部B1aで覆われ、電極DE1の少なくとも一部はバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bで覆われるようにしている。そして、容量素子CPの電極DE2と電極DE1との間には、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bが介在するようにし、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bを、容量素子CPの容量絶縁膜として機能させている。このため、薄膜部B1aの厚みと厚膜部B1bの厚みとを調整しておくことにより、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1の厚みと、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1の厚み(すなわち容量絶縁膜として機能する部分のバリア絶縁膜B1の厚み)とを、それぞれ独立して所望の厚みに制御することができる。
【0137】
従って、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1を、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1よりも厚くすることができる。これにより、配線M1と配線M2との間に形成される寄生容量を抑制することと、電極DE1と電極DE2との間の耐圧を高くすることとを、両立させることができる。また、ビアホールVH2の底部で配線M1を露出させる際の配線M1のダメージを抑制または防止することもできる。これにより、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0138】
また、本実施の製造工程では、配線構造内に容量素子CPを形成するにあたって追加された工程は、薄膜部B1aと薄膜部B1aよりも厚い厚膜部B1bとを有するバリア絶縁膜B1を形成する工程である。薄膜部B1aと厚膜部B1bとを有するバリア絶縁膜B1を形成しておけば、配線構造を形成する工程に従って、容量素子CPも一緒に形成することができる。このため、容量素子CPを形成することに伴い半導体装置の製造工程数が増加するのを抑制することができる。従って、半導体装置の製造時間や製造コストを抑制することができる。
【0139】
また、本実施の形態では、薄膜部B1aと薄膜部B1aよりも厚い厚膜部B1bとを有するバリア絶縁膜B1を形成する工程は、具体的には、層間絶縁膜IL1上にバリア絶縁膜B1を形成する工程と、そのバリア絶縁膜B1を部分的に薄くすることにより、薄膜部B1aと薄膜部B1aよりも厚い厚膜部B1bとを有するバリア絶縁膜B1を形成する工程と、を含んでいる。より具体的には、層間絶縁膜IL1上にバリア絶縁膜B1を形成する工程と、バリア絶縁膜B1上にマスク層を形成する工程と、そのマスク層をエッチングマスクとして用いてバリア絶縁膜B1をエッチングして、マスク層から露出する部分のバリア絶縁膜B1の厚みを薄くすることにより、薄膜部B1aと厚膜部B1bとを有するバリア絶縁膜B1を形成する工程と、を含んでいる。なお、マスク層とは、フォトレジストパターンPR1に対応している。
【0140】
これにより、薄膜部B1aと薄膜部B1aよりも厚い厚膜部B1bとを有したバリア絶縁膜B1を、容易かつ的確に形成することができる。
【0141】
また、本実施の形態では、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bのうち、電極DE2の下面と接している部分の厚膜部B1bの厚み(すなわち電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1の厚みT3)は、電極DE2の下面と接していない部分の厚膜部B1bの厚みT1よりも小さくなっている(すなわちT3<T1)。これは、上記
図19のエッチング工程において、開口部OP2から露出される部分のバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bがエッチングされて厚みが薄くなったためである。
【0142】
これにより、電極DE2の下面の角部は、バリア絶縁膜B1で覆われた状態になる。すなわち、電極DE2の下面がバリア絶縁膜B1に接するとともに、電極DE2の側面の下部もバリア絶縁膜B1に接した(覆われた)状態になる。すなわち、電極DE2の下面の角部の近傍では、電極DE2の側面もバリア絶縁膜B1に接した(覆われた)状態になる。電極DE2においては、電界は電極DE2の下面の角部に集中しやすい。バリア絶縁膜B1と層間絶縁膜IL2とを比べると、単位厚み当たりの耐圧は、バリア絶縁膜B1の方が高いため、電界が集中しやすい電極DE2の下面の角部がバリア絶縁膜B1で覆われた状態になることで、電極DE1と電極DE2との間の耐圧を、更に向上させることができる。従って、半導体装置の信頼性を、更に向上させることができる。
【0143】
(実施の形態2)
図23は、本実施の形態2の半導体装置の要部断面図であり、
図24〜
図27は、本実施の形態2の半導体装置の要部平面図である。
【0144】
上記実施の形態1の上記
図1と同様に、
図23でも、図面の簡略化のために、配線M1および電極DE1が形成された配線層よりも下層の構造については、図示を省略している。また、
図23では、図面の簡略化のために、層間絶縁膜IL4よりも上層の構造は、図示を省略している。また、
図24〜
図27は、同じ平面領域(容量素子CPが形成された平面領域)が示されている。
図24から電極DE4とバリア絶縁膜B3の厚膜部B3bとを削除したものが、
図25に対応し、
図25から電極DE3と配線M3とバリア絶縁膜B2の厚膜部B2bとを削除したものが、
図26に対応し、
図26から電極DE2と配線M2とバリア絶縁膜B1の厚膜部B1bとを削除したものが、
図27に対応している。また、
図27では、バリア絶縁膜B1の厚膜部B1bを点線で示している。また、
図23の容量素子が形成されている領域(
図23の左側部分)は、
図24〜
図27のA−A線の位置での断面にほぼ対応している。
【0145】
本実施の形態2の半導体装置も、半導体基板(上記半導体基板SBに対応)上に、複数の配線層を有する配線構造(多層配線構造)が形成された半導体装置であり、その配線構造(多層配線構造)にMIM型の容量素子が形成されており、この点は、上記実施の形態1と同様である。
【0146】
しかしながら、本実施の形態2では、容量素子を構成する電極は、3層以上の配線層に形成されており、
図23の場合は4つの配線層に形成されている。すなわち、配線M1が形成された配線層に、配線M1と電極DE1とが形成され、それよりも1つ上層の配線層に配線M2と電極DE2とが形成され、それよりも1つ上層の配線層に配線M3と電極DE3とが形成され、それよりも1つ上層の配線層に配線M4と電極DE4とが形成されており、これらの電極DE1,DE2,DE3,DE4は、MIM型の容量素子を構成する電極である。
【0147】
なお、ここでは、MIM型の容量素子を構成する電極DE1,DE2,DE3,DE4が4層の配線層に形成された場合を図示および説明するが、MIM型の容量素子を構成する電極は、3層の配線層、あるいは5層以上の配線層に形成することもできる。
【0148】
以下、
図23〜
図27を参照して具体的に説明する。
【0149】
図23に示される半導体装置(配線構造)は、層間絶縁膜IL1と、層間絶縁膜IL1に埋め込まれた配線M1および電極DE1と、配線M1および電極DE1が埋め込まれた層間絶縁膜IL1上に形成されたバリア絶縁膜B1と、バリア絶縁膜B1上に形成された層間絶縁膜IL2と、層間絶縁膜IL2に埋め込まれた配線M2および電極DE2とについては、上記実施の形態1と同様である。すなわち、バリア絶縁膜B2よりも下の構造は、
図23の場合も、上記
図1の場合と基本的には同じであり、ここではその繰り返しの説明は省略する。
【0150】
配線M2および電極DE2が埋め込まれた層間絶縁膜IL2上には、配線M2および電極DE2を覆うようにバリア絶縁膜B2が形成されている。バリア絶縁膜B2上には、層間絶縁膜IL3が形成され、層間絶縁膜IL3には配線M3および電極DE3が埋め込まれている。配線M3および電極DE3が埋め込まれた層間絶縁膜IL3上には、配線M3および電極DE3を覆うようにバリア絶縁膜B3が形成されている。バリア絶縁膜B3上には、層間絶縁膜IL4が形成され、層間絶縁膜IL4には配線M4および電極DE4が埋め込まれている。
【0151】
層間絶縁膜IL4上には、配線M4および電極DE4を覆うようにバリア絶縁膜(図示せず)が形成され、更にその上には、層間絶縁膜や配線などを形成することができるが、ここではその図示および説明は省略する。
【0152】
上記配線M2と同様に、配線M3,M4も、銅を主体(主成分)とするダマシン配線(ダマシン銅配線、埋込銅配線)であり、より特定的には、デュアルダマシン法により形成されている。バリア絶縁膜B2は、銅配線(ここでは配線M2)のバリア絶縁膜として機能し、バリア絶縁膜B3は、銅配線(ここでは配線M3)のバリア絶縁膜として機能する。バリア絶縁膜B2,B3として好ましい材料は、上記バリア絶縁膜B1と同様である。また、層間絶縁膜IL3,IL4としては、酸化シリコン膜または低誘電率絶縁膜を好適に用いることができる。層間絶縁膜IL3,IL4の誘電率は、バリア絶縁膜B2,B3の誘電率よりも低い。
【0153】
電極DE3は、配線M3と同工程で、ダマシン法により形成され、また、電極DE4は、配線M4と同工程で、ダマシン法により形成されている。このため、電極DE3と配線M3とは、同じ(共通の)導電膜を用いて形成されているため、配線M3だけでなく、電極DE3も銅(Cu)を主体(主成分)として形成されている。また、電極DE4と配線M4とは、同じ(共通の)導電膜を用いて形成されているため、配線M4だけでなく、電極DE4も銅(Cu)を主体(主成分)として形成されている。配線M3,M4および電極DE3,DE4がバリア導体膜と銅(Cu)を主成分とする主導体膜とにより形成されているのは、上記配線M1,M2および電極DE1,DE2と同様である。
【0154】
電極DE3は、層間絶縁膜IL3に形成された開口部OP3に埋め込まれており、電極DE4は、層間絶縁膜IL4に形成された開口部OP4に埋め込まれている。開口部OP3は層間絶縁膜IL3を貫通しており、電極DE3の下面は、バリア絶縁膜B2に接している。開口部OP4は層間絶縁膜IL4を貫通しており、電極DE4の下面は、バリア絶縁膜B3に接している。
【0155】
配線M3は、層間絶縁膜IL3に形成された配線溝TR3に埋め込まれており、配線M4は、層間絶縁膜IL4に形成された配線溝TR4に埋め込まれている。
【0156】
配線溝TR3は層間絶縁膜IL3を貫通しておらず、配線溝TR3の底面は、層間絶縁膜IL3の厚みの途中に位置し、また、配線溝TR4は層間絶縁膜IL4を貫通しておらず、配線溝TR4の底面は、層間絶縁膜IL4の厚みの途中に位置している。ビアホール(孔部)VH3は、配線溝TR3に平面視で内包されるように形成されており、ビアホールVH3は、層間絶縁膜IL3とバリア絶縁膜B2とを貫通し、ビアホールVH3の底部では、配線M2の上面が露出されている。ビアホール(孔部)VH4は、配線溝TR4に平面視で内包されるように形成されており、ビアホールVH4は、層間絶縁膜IL4とバリア絶縁膜B3とを貫通し、ビアホールVH4の底部では、配線M3の上面が露出されている。
【0157】
このため、配線M3のビア部(ビアホールVH3を埋め込む部分)を除き、配線M3の下面は、層間絶縁膜IL3の厚みの途中に位置し、配線M3の下面とバリア絶縁膜B2の上面との間には、層間絶縁膜IL3の一部(厚みの一部)が介在している。また、配線M4のビア部(ビアホールVH4を埋め込む部分)を除き、配線M4の下面は、層間絶縁膜IL4の厚みの途中に位置し、配線M4の下面とバリア絶縁膜B3の上面との間には、層間絶縁膜IL4の一部(厚みの一部)が介在している。
【0158】
配線M3は、配線M3のビア部(ビアホールVH3を埋め込む部分)を介して配線M2と電気的に接続され、配線M4は、配線M4のビア部(ビアホールVH4を埋め込む部分)を介して配線M3と電気的に接続されている。配線M3と配線M3のビア部とは一体的に形成され、配線M4と配線M4のビア部とは一体的に形成されている。
【0159】
バリア絶縁膜B2,B3については、上記バリア絶縁膜B1の特徴を踏襲している。このため、バリア絶縁膜B2,B3については、上記実施の形態1のバリア絶縁膜B1と同様の構成を適用することができる。但し、上記実施の形態1におけるバリア絶縁膜B1に関連した説明を、バリア絶縁膜B2に適用する場合は、層間絶縁膜IL1を層間絶縁膜IL2と読み替え、層間絶縁膜IL2を層間絶縁膜IL3と読み替え、配線M1を配線M2と読み替え、配線M2を配線M3と読み替え、電極DE1を電極DE2と読み替え、電極DE2を電極DE3と読み替え、開口部OP2を開口部OP3と読み替える。また、上記実施の形態1におけるバリア絶縁膜B1に関連した説明を、バリア絶縁膜B3に適用する場合は、層間絶縁膜IL1を層間絶縁膜IL3と読み替え、層間絶縁膜IL2を層間絶縁膜IL4と読み替え、配線M1を配線M3と読み替え、配線M2を配線M4と読み替え、電極DE1を電極DE3と読み替え、電極DE2を電極DE4と読み替え、開口部OP2を開口部OP4と読み替える。
【0160】
以下では、バリア絶縁膜B2,B3については、主要な特徴について説明するが、それ以外でも、上記バリア絶縁膜B1の構成を適用することができる。
【0161】
本実施の形態2では、上記実施の形態1のバリア絶縁膜B1と同様に、バリア絶縁膜B2は、薄膜部B2aと薄膜部B2aよりも厚い厚膜部B2bとを有し、また、バリア絶縁膜B3は、薄膜部B3aと薄膜部B3aよりも厚い厚膜部B3bとを有している。そして、電極DE2と電極DE3との間には、バリア絶縁膜B2の厚膜部B2bが介在し、電極DE3と電極DE4との間には、バリア絶縁膜B3の厚膜部B3bが介在しており、一方、配線M2上にはバリア絶縁膜B2の薄膜部B2aが形成され、配線M3上にはバリア絶縁膜B3の薄膜部B3aが形成されている。
【0162】
開口部OP3および開口部OP3に埋め込まれた電極DE3は、平面視でバリア絶縁膜B2の厚膜部B2bに内包されている。また、開口部OP4および開口部OP4に埋め込まれた電極DE4は、平面視でバリア絶縁膜B3の厚膜部B3bに内包されている。
【0163】
電極DE3の下面は、バリア絶縁膜B2の厚膜部B2bに接し、電極DE4の下面は、バリア絶縁膜B3の厚膜部B3bに接している。バリア絶縁膜B2の厚膜部B2bのうち、電極DE3と接している部分の厚膜部B2bの厚み(すなわち電極DE2と電極DE3との間に介在する部分のバリア絶縁膜B2の厚み)は、電極DE3と接していない部分の厚膜部B2bの厚みよりも小さくなっている。また、バリア絶縁膜B3の厚膜部B3bのうち、電極DE4と接している部分の厚膜部B3bの厚み(すなわち電極DE3と電極DE4との間に介在する部分のバリア絶縁膜B3の厚み)は、電極DE4と接していない部分の厚膜部B3bの厚みよりも小さくなっている。このため、電極DE3の下面の角部は、バリア絶縁膜B2で覆われており、電極DE4の下面の角部は、バリア絶縁膜B3で覆われている。
【0164】
従って、電極DE2と電極DE3とは、層間絶縁膜IL3を介在せずに、バリア絶縁膜B2の厚膜部B2bを介在して対向している部分を有している。すなわち、電極DE2と電極DE3とは、バリア絶縁膜B2の厚膜部B2bを間に挟んで平面視で重なっている。
【0165】
電極DE2と電極DE3との間に介在する部分のバリア絶縁膜B2は、容量素子の容量絶縁膜として機能し、かつ、配線M2を覆う部分のバリア絶縁膜B2よりも厚い。また、電極DE3と電極DE4との間に介在する部分のバリア絶縁膜B3は、容量素子の容量絶縁膜として機能し、かつ、配線M3を覆う部分のバリア絶縁膜B3よりも厚い。
【0166】
すなわち、電極DE2と電極DE3との間に介在する部分のバリア絶縁膜B2の厚み(膜厚)T5は、配線M2を覆う部分のバリア絶縁膜B2の厚みT4よりも大きい(T5>T4)。また、電極DE3と電極DE4との間に介在する部分のバリア絶縁膜B3の厚み(膜厚)T7は、配線M3を覆う部分のバリア絶縁膜B3の厚みT6よりも大きい(T7>T6)。
【0167】
電極DE1,DE2,DE3,DE4と、それらの電極DE1,DE2,DE3,DE4間のバリア絶縁膜B1,B2,B3(より特定的には厚膜部B1b,B2b,B3b)とにより、MIM型容量素子が形成される。電極DE1,DE2,DE3,DE4間のバリア絶縁膜B1,B2,B3(より特定的には厚膜部B1b,B2b,B3b)が、そのMIM型容量素子の容量絶縁膜として機能することができる。
【0168】
なお、電極DE1と電極DE3とが電気的に接続されて、MIM型容量素子の一方の電極を構成し、電極DE2と電極DE4とが電気的に接続されて、MIM型容量素子の他方の電極を構成している。
図23の場合は、電極DE3と一体的に形成された配線M3aのビア部が、配線M2bに接続され、その配線M2bのビア部が電極DE1に接続されており、これら配線M3a,M2bを介して、電極DE3と電極DE1とが電気的に接続されている。また、電極DE4と一体的に形成された配線M4aのビア部が、配線M3bに接続され、その配線M3bのビア部が、電極DE2と一体的に形成された配線M2aに接続されており、これら配線M4a,M3bを介して、電極DE4と電極DE2とが電気的に接続されている。
【0169】
配線M2aが埋め込まれた配線溝TR2aは、開口部OP2と繋がっているため、開口部OP2に埋め込まれた電極DE2と、配線溝TR2aに埋め込まれた配線M2aとは、同工程で一体的に形成されている。また、配線M3aが埋め込まれた配線溝TR3aは、開口部OP3と繋がっているため、開口部OP3に埋め込まれた電極DE3と、配線溝TR3aに埋め込まれた配線M3aとは、同工程で一体的に形成されている。また、配線M4aが埋め込まれた配線溝TR4aは、開口部OP4と繋がっているため、開口部OP4に埋め込まれた電極DE4と、配線溝TR4aに埋め込まれた配線M4aとは、同工程で一体的に形成されている。
【0170】
次に、本実施の形態2の半導体装置の製造工程について、
図28〜
図39を参照して説明する。
【0171】
上記
図21の構造を得るまでは、本実施の形態2の製造工程も、上記実施の形態1と同様であるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
【0172】
上記実施の形態1と同様にして上記
図21の構造を得た後、
図28に示されるように、電極DE2および配線M2が埋め込まれた層間絶縁膜IL2上に、電極DE2および配線M2を覆うように、薄膜部B2aと薄膜部B2aよりも厚い厚膜部B2bとを有するバリア絶縁膜B2を形成する。
【0173】
薄膜部B2aと薄膜部B2aよりも厚い厚膜部B2bとを有するバリア絶縁膜B2を形成する手法は、上記実施の形態1において薄膜部B1aと薄膜部B1aよりも厚い厚膜部B1bとを有するバリア絶縁膜B1を形成する手法(
図10〜
図12を参照して説明した手法)と基本的には同じであるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
【0174】
次に、
図29に示されるように、薄膜部B2aと厚膜部B2bとを有するバリア絶縁膜B2上に、上記層間絶縁膜IL2と同様の層間絶縁膜IL3を、同様の手法により形成する。
【0175】
次に、
図30に示されるように、層間絶縁膜IL3に、ビアホールVH3および開口部OP3を形成する。ビアホールVH3および開口部OP3を形成する手法は、上記実施の形態1において層間絶縁膜IL2にビアホールVH2および開口部OP2を形成する手法(
図13〜
図15を参照して説明した手法)と基本的には同じであるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
【0176】
ビアホールVH3と開口部OP3とは、同工程で形成され、いずれも層間絶縁膜IL3を貫通して底部でバリア絶縁膜B2を露出する。但し、ビアホールVH3の底部で露出するのは、バリア絶縁膜B2の薄膜部B2aであり、開口部OP3の底部で露出するのは、バリア絶縁膜B2の厚膜部B2bである。開口部OP3は、平面視でバリア絶縁膜B2の厚膜部B2bに内包されるように形成されているため、開口部OP3の底部では、バリア絶縁膜B2の薄膜部B2aは露出せずに、バリア絶縁膜B2の厚膜部B2bが露出する。一方、ビアホールVH3は、バリア絶縁膜B2の薄膜部B2a上に形成されているため、ビアホールVH3の底部では、バリア絶縁膜B2の厚膜部B2bは露出せずに、バリア絶縁膜B2の薄膜部B2aが露出する。
【0177】
次に、
図31に示されるように、層間絶縁膜IL3に配線溝TR3を形成する。配線溝TR3を形成する手法は、上記実施の形態1において層間絶縁膜IL2に配線溝TR2を形成する手法(
図16〜
図18を参照して説明した手法)と基本的には同じであるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
【0178】
次に、
図32に示されるように、ビアホールVH3の底部から露出する部分のバリア絶縁膜B2をエッチングにより除去する。これにより、ビアホールVH3の底部で配線M2の上面が露出される。このエッチングの際、開口部OP3から露出するバリア絶縁膜B2の厚膜部B2bもエッチングされて、厚みが薄くなる。なお、このエッチング(エッチング工程)を、簡略化のために、以降では
図32のエッチング工程と称することとする。
【0179】
図32のエッチング工程を終了した段階で、開口部OP3の底部で露出する部分のバリア絶縁膜B2の厚膜部B2bの厚みは、バリア絶縁膜B2の薄膜部B2aの厚みよりも厚いことが好ましい。このため、
図32のエッチング工程で開口部OP3の底部で露出する部分のバリア絶縁膜B2の厚膜部B2bが薄くなることを考慮して、上記
図28でバリア絶縁膜B2を形成したときのバリア絶縁膜B2の厚膜部B2bの厚みを設定すればよい。
【0180】
次に、
図33に示されるように、ダマシン法(ここではデュアルダマシン法)により配線M3および電極DE3を形成する。配線M3および電極DE3を形成する手法は、上記実施の形態1において配線M2および電極DE2を形成する手法(
図20および
図21を参照して説明した手法)と基本的には同じであるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
【0181】
電極DE3は、開口部OP3内に埋め込まれた主導体膜MC3およびバリア導体膜BR3からなり、配線M3は、配線溝TR3内に埋め込まれた主導体膜MC3およびバリア導体膜BR3からなり、配線M3のビア部は、ビアホールVH3内に埋め込まれた主導体膜MC3およびバリア導体膜BR3からなる。主導体膜MC3は、上記主導体膜MC2と同様の膜であり、バリア導体膜BR3は、上記バリア導体膜BR2と同様の膜である。配線M3および電極DE3を形成すると、層間絶縁膜IL3の上面が露出され、層間絶縁膜IL3の上面と、電極DE3の上面と、配線M3の上面とは、ほぼ平坦な面を形成する。なお、配線溝TR3aは開口部OP3に繋がっていたため、配線M3のうち、配線溝TR3aに埋め込まれた配線M3aは、電極DE3と一体的に形成される。配線M3a以外の配線M3は、電極DE3から離間して形成される。
【0182】
次に、
図34に示されるように、電極DE3および配線M3が埋め込まれた層間絶縁膜IL3上に、電極DE3および配線M3を覆うように、薄膜部B3aと薄膜部B3aよりも厚い厚膜部B3bとを有するバリア絶縁膜B3を形成する。
【0183】
薄膜部B3aと薄膜部B3aよりも厚い厚膜部B3bとを有するバリア絶縁膜B3を形成する手法は、上記実施の形態1において薄膜部B1aと薄膜部B1aよりも厚い厚膜部B1bとを有するバリア絶縁膜B1を形成する手法(
図10〜
図12を参照して説明した手法)と基本的には同じであるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
【0184】
次に、
図35に示されるように、薄膜部B3aと厚膜部B3bとを有するバリア絶縁膜B3上に、上記層間絶縁膜IL2と同様の層間絶縁膜IL4を、同様の手法により形成する。
【0185】
次に、
図36に示されるように、層間絶縁膜IL4に、ビアホールVH4および開口部OP4を形成する。ビアホールVH4および開口部OP4を形成する手法は、上記実施の形態1において層間絶縁膜IL2にビアホールVH2および開口部OP2を形成する手法(
図13〜
図15を参照して説明した手法)と基本的には同じであるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
【0186】
ビアホールVH4と開口部OP4とは、同工程で形成され、いずれも層間絶縁膜IL4を貫通して底部でバリア絶縁膜B3を露出する。但し、ビアホールVH4の底部で露出するのは、バリア絶縁膜B3の薄膜部B3aであり、開口部OP4の底部で露出するのは、バリア絶縁膜B3の厚膜部B3bである。開口部OP4は、平面視でバリア絶縁膜B3の厚膜部B3bに内包されるように形成されているため、開口部OP4の底部では、バリア絶縁膜B3の薄膜部B3aは露出せずに、バリア絶縁膜B3の厚膜部B3bが露出する。一方、ビアホールVH4は、バリア絶縁膜B3の薄膜部B3a上に形成されているため、ビアホールVH4の底部では、バリア絶縁膜B3の厚膜部B3bは露出せずに、バリア絶縁膜B3の薄膜部B3aが露出する。
【0187】
次に、
図37に示されるように、層間絶縁膜IL4に配線溝TR4を形成する。配線溝TR4を形成する手法は、上記実施の形態1において層間絶縁膜IL3に配線溝TR3を形成する手法(
図16〜
図18を参照して説明した手法)と基本的には同じであるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
【0188】
次に、
図38に示されるように、ビアホールVH4の底部から露出する部分のバリア絶縁膜B3をエッチングにより除去する。これにより、ビアホールVH4の底部で配線M3の上面が露出される。このエッチングの際、開口部OP4から露出するバリア絶縁膜B3の厚膜部B3bもエッチングされて、厚みが薄くなる。なお、このエッチング(エッチング工程)を、簡略化のために、以降では
図38のエッチング工程と称することとする。
【0189】
図38のエッチング工程を終了した段階で、開口部OP4の底部で露出する部分のバリア絶縁膜B3の厚膜部B3bの厚みは、バリア絶縁膜B3の薄膜部B3aの厚みよりも厚いことが好ましい。このため、
図38のエッチング工程で開口部OP4の底部で露出する部分のバリア絶縁膜B3の厚膜部B3bが薄くなることを考慮して、上記
図34でバリア絶縁膜B3を形成したときのバリア絶縁膜B3の厚膜部B3bの厚みを設定すればよい。
【0190】
次に、
図39に示されるように、ダマシン法(ここではデュアルダマシン法)により配線M4および電極DE4を形成する。配線M4および電極DE4を形成する手法は、上記実施の形態1において配線M2および電極DE2を形成する手法(
図20および
図21を参照して説明した手法)と基本的には同じであるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
【0191】
電極DE4は、開口部OP4内に埋め込まれた主導体膜MC4およびバリア導体膜BR4からなり、配線M4は、配線溝TR4内に埋め込まれた主導体膜MC4およびバリア導体膜BR4からなり、配線M4のビア部は、ビアホールVH4内に埋め込まれた主導体膜MC4およびバリア導体膜BR4からなる。主導体膜MC4は、上記主導体膜MC2と同様の膜であり、バリア導体膜BR4は、上記バリア導体膜BR2と同様の膜である。配線M4および電極DE4を形成すると、層間絶縁膜IL4の上面が露出され、層間絶縁膜IL4の上面と、電極DE4の上面と、配線M4の上面とは、ほぼ平坦な面を形成する。なお、配線溝TR4aは開口部OP4に繋がっていたため、配線M4のうち、配線溝TR4aに埋め込まれた配線M4aは、電極DE4と一体的に形成される。配線M4a以外の配線M4は、電極DE4から離間して形成される。
【0192】
その後、電極DE4および配線M4が埋め込まれた層間絶縁膜IL4上に、電極DE4および配線M4を覆うようにバリア絶縁膜(図示せず)を形成し、更にその上には、層間絶縁膜や配線などを形成することができるが、ここではその図示および説明は省略する。
【0193】
本実施の形態2では、上記
図10〜
図21の工程を繰り返してMIM型の容量素子を形成している。これにより、3層以上の電極(ここでは4層の電極DE1,DE2,DE3,DE4)をバリア絶縁膜(B1,B2,B3)の厚膜部(B1b,B2b,B3b)を介して積み重ねることができる。
【0194】
このため、
図10〜
図13で形成したバリア絶縁膜B1における薄膜部B1aの厚みと厚膜部B1bの厚みとを調整しておくことにより、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1の厚みと、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1の厚みとを、それぞれ独立して所望の厚みに制御することができる。また、
図28で形成したバリア絶縁膜B2における薄膜部B2aの厚みと厚膜部B2bの厚みとを調整しておくことにより、配線M2を覆う部分のバリア絶縁膜B2の厚みと、電極DE2と電極DE3との間に介在する部分のバリア絶縁膜B2の厚みとを、それぞれ独立して所望の厚みに制御することができる。また、
図34で形成したバリア絶縁膜B3における薄膜部B3aの厚みと厚膜部B3bの厚みとを調整しておくことにより、配線M3を覆う部分のバリア絶縁膜B3の厚みと、電極DE3と電極DE4との間に介在する部分のバリア絶縁膜B3の厚みとを、それぞれ独立して所望の厚みに制御することができる。
【0195】
従って、電極DE1と電極DE2との間に介在する部分のバリア絶縁膜B1を、配線M1を覆う部分のバリア絶縁膜B1よりも厚くすることができる。また、電極DE2と電極DE3との間に介在する部分のバリア絶縁膜B2を、配線M2を覆う部分のバリア絶縁膜B2よりも厚くすることができる。また、電極DE3と電極DE4との間に介在する部分のバリア絶縁膜B3を、配線M3を覆う部分のバリア絶縁膜B3よりも厚くすることができる。
【0196】
これにより、配線M1と配線M2との間に形成される寄生容量を抑制することと、電極DE1と電極DE2との間の耐圧(絶縁耐圧)を高くすることとを、両立させることができる。また、ビアホールVH2の底部で配線M1を露出させる際の配線M1のダメージを抑制または防止することもできる。また、配線M2と配線M3との間に形成される寄生容量を抑制することと、電極DE2と電極DE3との間の耐圧(絶縁耐圧)を高くすることとを、両立させることができる。また、ビアホールVH3の底部で配線M2を露出させる際の配線M2のダメージを抑制または防止することもできる。また、配線M3と配線M4との間に形成される寄生容量を抑制することと、電極DE3と電極DE4との間の耐圧(絶縁耐圧)を高くすることとを、両立させることができる。また、ビアホールVH4の底部で配線M3を露出させる際の配線M3のダメージを抑制または防止することもできる。これにより、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0197】
また、本実施の製造工程では、配線構造内にMIM型の容量素子を形成するにあたって追加された工程は、薄膜部B1aと厚膜部B1bとを有するバリア絶縁膜B1を形成する工程と、薄膜部B2aと厚膜部B2bとを有するバリア絶縁膜B2を形成する工程と、薄膜部B3aと厚膜部B3bとを有するバリア絶縁膜B3を形成する工程である。薄膜部B1aと厚膜部B1bとを有するバリア絶縁膜B1を形成し、薄膜部B2aと厚膜部B2bとを有するバリア絶縁膜B2を形成し、薄膜部B3aと厚膜部B3bとを有するバリア絶縁膜B3を形成すれば、配線構造を形成する工程に従って、容量素子CPも一緒に形成することができる。このため、容量素子CPを形成することに伴い半導体装置の製造工程数が増加するのを抑制することができる。従って、半導体装置の製造時間や製造コストを抑制することができる。
【0198】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。