(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開口穴群が設けられた領域は、前記試料上における前記複数の荷電粒子ビームのうち対応する荷電粒子ビームが照射される領域と、前記複数の検出部のうち対応する検出部の検出面との間を遮る位置に配置される請求項1から5のいずれか一項に記載の露光装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、一実施形態に係る電子線露光装置(単に、露光装置と呼ぶ)100の概略構成を示す。露光装置100は、電子線を照射することにより試料面(照射対象である試料の被露光面)にパターンを転写(描画)する露光装置であり、試料面から散乱する電子の少なくとも一部を電子検出器に導くとともに電子線の試料面への被りを防止することを目的とする。露光装置100は、大別して、試料を露光する露光部150及び露光部150の構成各部を制御する制御系140を備える。なお、図中、電子線の光軸(後述する電子光学系108の中心軸)LAが一点鎖線を用いて示されている。光軸LAに平行な方向を光軸方向、光軸方向で電子線源(後述する電子銃12)を向く方向を上方、試料(ウエハW)を向く方向を下方とする。
【0013】
露光部150は、電子線を生成し、さらに成形、縮小、偏向して試料面に照射する電子光学系108、マスクMを保持するマスクステージMS及びマスクステージMSを駆動するマスクステージ駆動部MD、試料を保持するウエハステージWS及びウエハステージWSを駆動するウエハステージ駆動部WD、試料面から散乱する電子を検出する電子検出器44、並びに電子線の試料面への被りを防止する被り防止機構70から構成される。これらの構成各部は鏡筒10内に収容されている。なお、マスクMには、電子線を整形するための複数の開口パターンが形成されている。また、試料は、一例として、半導体ウエハ(単にウエハと呼ぶ)Wとする。ウエハWの表面にはレジスト層が設けられている。
【0014】
電子光学系108は、電子線生成系110、マスク用投影系112、焦点調整レンズ系114、及びウエハ用投影系116を含む。これらの系は、1つの電子線を生成して、ウエハW上の1点(1つのフィールド内)に照射する1つの電子線カラム(光学系カラムとも呼ぶ)を構成する。
【0015】
電子線生成系110は、電子線を生成して射出する系であり、電子線を発生する電子線源である電子銃12、電子線の焦点位置を調整する第1電子レンズ14、及び電子線のビームプロファイル(断面形状)を整形するスリット部16を有する。第1電子レンズ14として、磁界によりレンズ作用を発現する電磁レンズ(磁界レンズ)が採用される。スリット部16には、矩形状の開口(スリット)が形成されている。電子銃12により生成された電子線は、第1電子レンズ14により集束され、スリット部16の開口を通ることで、そのビームプロファイルが矩形状に整形される。
【0016】
マスク用投影系112は、電子線生成系110から射出される電子線をマスクM上に投影(結像)して、マスクM上の所定の領域(照射領域)を照らす系であり、電子線をマスクM上の照射領域に偏向する偏向器(マスク用偏向系とも呼ぶ)18、及び電子線の焦点位置を調整する第2電子レンズ(マスク用焦点系とも呼ぶ)20を有する。偏向器18として、電界により電子線の軌道を曲げる電界偏向(静電偏向)が採用される。第2電子レンズとして、電磁レンズが採用される。
【0017】
焦点調整レンズ系114は、マスク用投影系112から出射する電子線のウエハW上における結像位置を調整する系であり、マスクM(マスクステージMS)の上方及び下方にそれぞれ配置された第3及び第4電子レンズ22,26を有する。第3及び第4電子レンズ22,26として、電磁レンズが採用される。第3電子レンズ22は、マスクMを透過する前の電子線の結像条件を調整する。第4電子レンズ26は、マスクMを通過した後の電子線の結像条件を調整する。なお、マスクM上の照射領域内に、マスクMに形成されたいずれかの開口パターンが位置決めされている。電子線がその開口パターンを通ることで、ビームプロファイル(断面形状)がその開口パターンの形状に整形される。
【0018】
ウエハ用投影系116は、焦点調整レンズ系114から出射(マスクMを透過)する電子線をウエハW上に投影(結像)するとともに、ウエハW上に転写されるパターン像の向き及びサイズを調整する系であり、ブランキング電極28及びアパーチャ(ブランキング絞り)34、第5電子レンズ30、第6電子レンズ32、第7電子レンズ36、及び第8電子レンズ38、並びに主偏向器40及び副偏向器42を有する。
【0019】
ブランキング電極28及びアパーチャ(ブランキング絞り)34は、高速度でパターン像をウエハW上に転写するために、電子線を高速でオン・オフするビームブランキング機構を構成する。アパーチャ34には、例えば円形状の開口が形成されている。ブランキング電極28は、電子線をアパーチャ34上の開口内に偏向することで電子線をオンにし、開口外に偏向することで電子線をカット(オフ)する。
【0020】
第5電子レンズ30は、ウエハW上に転写されるパターン像の回転量を調整する。第6及び第7電子レンズ32,36は、集束レンズの機能を有し、ウエハW上に転写されるパターン像の縮小率を調整する。第8電子レンズ38は、対物レンズの機能を有し、電子線を集光してウエハW上にパターン像を結像する。第5〜第8電子レンズ30,32,36,38として、電磁レンズが採用される。
【0021】
主偏向器40及び副偏向器42は、電子線をウエハW上のフィールドに向けて偏向するとともに、そのフィールドを走査する。主偏向器40として電磁コイルが発生する磁界により電子線の軌道を曲げる磁界偏向(電磁偏向)、副偏向器42として先述の電界偏向(静電偏向)が採用される。
【0022】
上述の構成の電子光学系108により、電子線を用いてマスクMの開口パターンの像が例えば20分の1の縮小率でウエハW上のフィールド内に転写され、電子線を偏向してフィールドを走査することでそのフィールド内にパターンが描画される。
【0023】
マスクステージMSは、先述の焦点調整レンズ系114を構成する第3及び第4電子レンズ22,26の間に配置されている。マスクステージMSは、マスクMを保持して、マスクステージ駆動部MDにより駆動される。
【0024】
マスクステージ駆動部MDは、マスクステージMSの位置を計測する位置計測器(不図示)及びマスクステージMSを駆動する駆動装置(不図示)を有する。位置計測器によるマスクステージMSの位置の計測結果は、後述するマスクステージ制御部84に供給される。
【0025】
ウエハステージWSは、電子光学系108の下方に配置され、ウエハWを保持してウエハステージ駆動部WDにより駆動される。
【0026】
ウエハステージ駆動部WDは、ウエハステージWSの位置を計測する位置計測器(不図示)、及びウエハステージWSを駆動する駆動装置(不図示)を有する。位置計測器によるウエハステージWSの位置の計測結果は、後述するウエハステージ制御部92に供給される。
【0027】
電子検出器44及び被り防止機構70については後述する。
【0028】
制御系140は、大別して、統括制御部130及び個別制御部120を備える。統括制御部130は、例えばワークステーションを用いて構成され、個別制御部120に含まれる各制御部を統括制御する。個別制御部120は、偏向制御部80、マスクステージ制御部84、ブランキング電極制御部86、電子レンズ制御部88、電子処理部90、及びウエハステージ制御部92を含む。
【0029】
偏向制御部80は、偏向器18、主偏向器40、及び副偏向器42(印加電圧又は励磁電流)を制御して、電子線を偏向する。偏向器18を制御することで、電子線を偏向して、マスク上の照射領域を照らす。主偏向器40及び副偏向器42をパターンデータに従って制御することで、電子線を偏向し、ウエハ上のフィールド内を走査してパターンを描画する。または、ウエハWの表面に付与されたマークを検出する。
【0030】
マスクステージ制御部84は、マスクステージ駆動部MDを構成する位置計測系(不図示)からマスクステージMSの位置計測結果を受信し、それに従って駆動装置(不図示)を制御することでマスクステージMSを駆動(駆動制御)する。それにより、マスクステージMSに保持されるマスクMに形成された開口パターンのいずれかが照射領域内に位置決めされる。
【0031】
ブランキング電極制御部86は、ブランキング電極28を制御して、電子線を高速でオン・オフする。ウエハWに転写するパターン(の形状)を変更するためにマスクステージMSを駆動してマスクMの別の開口パターンを照射領域内に位置決めするとき、パターンを転写(描画)するウエハ上のフィールドを変更するためにウエハWを保持するウエハステージWSをステッピング駆動するとき等に、電子線がウエハに照射されないようカット(オフ)される。
【0032】
電子レンズ制御部88は、第1〜第8電子レンズ14,20,22,26,30,32,36,38(に供給する励磁電流)を制御して、各レンズを透過する電子線を集束或いは結像する。
【0033】
電子処理部90は、電子検出器44から散乱電子の量に関する検出結果を受信し、それを処理して統括制御部130に供給する。例えば、電子線をウエハ上で走査して散乱電子を検出することで、ウエハの表面に付与されたマークの位置、ウエハ上に形成されたパターンの線幅等が検出される。
【0034】
ウエハステージ制御部92は、ウエハステージ駆動部WDを構成する位置計測系(不図示)からウエハステージWSの位置計測結果を受信し、それに従って駆動装置(不図示)を制御することでウエハステージWSを駆動(駆動制御)する。主偏向器40及び副偏向器42による電子線の偏向範囲は、通常、ウエハの表面より小さい。そこで、ウエハステージWSをステッピング駆動して、逐次、隣接するフィールドを光軸LA上に位置決めし、そのフィールド内にパターンを描画するステップアンドリピート法により、ウエハの表面全体にパターンを露光する。
【0035】
図2は、被り防止機構70及びその周辺の構成各部(特に電子検出器44)を拡大して示す。電子検出器44及び被り防止機構70は、電子光学系108(ウエハ用投影系116)とウエハステージWS(に保持されウエハW)との間に配置されている。
【0036】
電子検出器44は、試料面から散乱する電子を検出する検出器であり、例えばフォトダイオード等の半導体検出器、或いはマイクロチャンネルプレート(MCP)等の光電子増幅型検出器を採用することができる。電子検出器44は、例えば外径10mm及び内径4mmの円環状の検出面を有し、その検出面を下方(ウエハステージWS上のウエハW)に向け、その中心を光軸LA上に位置決めして、光学系カラム(電子光学系108)の下に支持部材(不図示)を用いて固定されている。それにより、電子検出器44の検出面は、一例として、ウエハWの表面と光軸LAとの交点から光軸LAに対する傾斜角約20〜30度の立体角範囲(検出立体角)をカバーする。なお、電子検出器44の検出結果は電子処理部90に供給される。
【0037】
電子検出器44は、例えば、ウエハWの表面に付与された位置合せマーク(単にマークとも呼ぶ)を検出するために用いられる。マークは、予め、ウエハWの表面に凹部を形成する、或いは金などの原子番号の大きな物質を埋設することで形成されている。露光装置100は、主偏向器40及び副偏向器42により電子線を偏向してウエハWの表面を走査しつつ、電子検出器44によりマークから散乱する電子を検出する。露光装置100は、電子検出器44の検出結果と、主偏向器40及び副偏向器42の制御出力(電子線の偏向量)と、ウエハステージWSの位置計測結果とから、電子線の照射位置とウエハステージWSに保持されたウエハW(フィールド)の位置との相対的な位置関係を決定する。この位置関係に従って、露光装置100は、ウエハステージWSを駆動してウエハW上のフィールド(フィールドの中心)を電子線の偏向範囲(光軸LA上)に位置決めし、そのフィールド内で電子線を走査することで、ウエハW上に形成済みのパターンに重ねて次のパターンを描画する。
【0038】
被り防止機構70は、電子線の試料面への被りを防止する、すなわち試料面から散乱する電子の飛散を低減する機構であり、例えば光学系カラム(電子光学系108)の下部又はこれを支持するフレーム(不図示)から吊り下げ支持されて、電子検出器44とウエハステージWS(に保持されウエハW)との間に配置される。なお、帯電防止のため、被り防止機構70(後述する基板71)を導電体を用いて構成し、且つグランド電位にクランプしてもよい。
【0039】
被り防止機構70は、電子線の試料面への被りを防止するために、その下面での電子の散乱を抑えるだけでなく、適当なS/N比で検出可能な量の電子を背面側(上方)の電子検出器44に導く。ただし、被り防止機構70の中央に電子検出器44の検出面と同程度の大きさの窓を設けるなどして試料面から散乱する電子を遮ることなく電子検出器44に導くと、電子検出器44により検出可能な十分な量の電子が飛来するが、その電子が検出面等で散乱されて試料面に向かって飛散するおそれがある。従って、電子検出器44に導かれた電子が試料面に戻るのを防止するために、試料面から散乱する電子を適度に減衰して電子検出器44に導く必要がある。
【0040】
図3A及び
図3Bは、被り防止機構70の構造を示す。
図3Aは
図3B内の基準線AAについての断面図であり、
図3Bは底面図である。被り防止機構70は、一例として、シリコン製の円形状の基板71から構成され、その直径φは300mm及び厚さHは500μmである。
【0041】
基板71には、その中心に円形状の断面を有する通過孔71c、外縁近傍に一例として4つの取付孔(不図示)、上面中央に円形状の断面を有する凹部71dが形成されている。通過孔71cは、電子光学系108から射出される電子線I
0を通すための孔であり(
図2参照)、その内径dは一例として2〜3mmである。取付孔(不図示)は、被り防止機構70を光学系カラムの下部から吊下げ支持するための孔であり、例えば、光学系カラムの下部から4つの支持部材(不図示)を吊り下げ、その下端を取付孔を介して基板71に掛けることで、
図2よりわかるように通過孔71cの中心を光軸LA上に位置決めして、被り防止機構70を吊下げ支持することができる。凹部71dは、後述する開口穴71a
0の貫通深さhを調整する役割を有し、一例として凹部71dの外径Dは10mm、深さ(H−h)は400μmである。通過孔71c及び取付孔(不図示)は、例えば基板71を機械加工することにより形成することができる。凹部71dは、例えば基板71を機械加工することにより或いは半導体プロセスによる加工により形成することができる。
【0042】
上述の構成の基板71は、保持部71bと開口穴部71aを含む。保持部71bは、円環状の外枠(外径φ及び内径D)を形成する厚肉部(厚さH)から構成され、その内側の薄肉部(厚さh)を保持する役割を有する。なお、保持部71bにより薄肉部を保持することで、基板71を一体成形することができる。開口穴部71aは、一例として、基板71の底面中央の正方形状の領域に設けられる。その一辺の長さlは、一例として40mmである。開口穴部71aの中心に通過孔71cが位置する。
【0043】
図4は、開口穴部71a(
図3Aの円C内の部分)を拡大して示す。開口穴部71aには、被り防止機能を発現する微細な複数の開口穴71a
0が密に形成されている。(密に形成された複数の開口穴71a
0は開口穴群を構成する。)開口穴71a
0は、開口幅b(一例として4〜12μm)の正方形状の開口を有し、厚さc(一例として0.35μm)の側壁を介して格子状に配列されている。なお、開口の形状は正方形に限らず、例えば円形、楕円形、矩形、矩形以外の多角形等でもよい。開口穴71a
0の配列も格子状に限らず、例えば六角格子状でもよい。ただし、厚さcについて、特に基板71の薄肉部(厚さh)に設けられた開口穴部71aが自重に対してその形状を維持するのに必要な剛性が得られる厚さに定めることとする。また、側壁に衝突した電子が透過することなく散乱し、且つ適当な吸収率で基材に吸収される厚さに定めることとする。
【0044】
開口穴71a
0は、基板71の下面を、例えば半導体プロセス技術(リアクティブイオンエッチング(RIE)等の異方性エッチング)により加工することで形成することができる。開口穴71a
0の深さは、基板71の薄肉部の厚さhに等しい、すなわち開口幅bに対して十分大きい。ここで、開口穴部71aが設けられた領域(一辺の長さlの正方形)に対して保持部71bの内縁(薄肉部の外縁(直径Dの円形))は小さい(D<l)ため、開口穴71a
0は薄肉部を貫通する貫通穴と、基板71(保持部71b)内に閉じられる非貫通穴と、を含むこととなる。なお、複数の非貫通穴は非貫通穴群を構成する。
【0045】
基板71の底面を、
図3Bに示すように、薄肉部の底面に対応する外径D及び内径dの円環状の第1領域71a
1と、開口穴部71aが設けられた矩形状の領域のうち第1領域71a
1の外周の第2領域71a
2(開口穴部71aのうちの第2領域71a
2を低減部とも呼ぶ)と、その外周の第3領域71a
3と、に区画する。
図4より分かるように、第1領域71a
1に位置する開口穴71a
0は凹部71dに通じて薄肉部を貫通し、第2領域71a
2に位置する開口穴71a
0は保持部71b内で閉じられて貫通しない。
【0046】
被り防止機能を十分に発現するために、
図2に示すように、基板71の中心を光軸LA上に配置し、且つ薄肉部(第1領域71a
1)を、ウエハWの表面と光軸LAとの交点(より適切には電子線I
0の照射位置)から電子検出器44の検出面を見込む立体角範囲(検出立体角)の少なくとも一部に配置する。それにより、ウエハWの表面から散乱する電子(散乱電子)のうち電子検出器44の検出立体角内に散乱する電子Iは、薄肉部(第1領域71a
1)に設けられた開口穴71a
0(貫通穴)を通って検出面に導かれることとなる。ここで、電子検出器44の検出面のサイズ(〜1mm)に対して開口穴71a
0の開口幅bは極小さい(〜10μm)ため、電子は複数の開口穴71a
0から漏れ出て検出面に導かれることとなる。
【0047】
なお、電子Iは、開口穴71a
0を通ることでその内壁で散乱を繰り返し、基材に吸収されて減衰する。開口穴71a
0の深さhを、特に開口幅b(或いは開口面積b
2)に対して適切に定めることで、電子検出器44により適当なS/N比で検出可能な量であるとともに、検出面等で散乱されて再度開口穴71a
0を通って試料面に被ることのない量の電子Iを電子検出器44の検出面に導くことができる。
【0048】
一方、散乱電子のうち検出立体角外に散乱する電子iは、保持部71b(第2領域71a
2(低減部))に設けられた開口穴71a
0(非貫通穴)に入る。電子iは、開口穴71a
0に入ることで、その内壁で散乱を繰り返して基材に吸収される。電子iの一部は基材に吸収されずにウエハWの表面に被り得るが、開口穴71a
0の深さhを適切に定めることで、ウエハWの表面に被る電子iの量を十分抑えることができる。その結果、電子検出器44の検出面に導かれる電子Iに対して、ウエハWの表面に被る電子iの量は十分小さくなる。
【0049】
なお、より大きな立体角範囲に散乱する電子は、基板71の底面の第3領域71a
3に入射する。この領域には開口穴71a
0は設けられていないため、電子は底面で散乱してウエハWの表面に向かって飛散する。ただし、散乱角が大きいため、ウエハWの表面に被る量は小さい。言い換えれば、電子の散乱角が小さくウエハWの表面に被るおそれのある基板71の底面の領域を第2領域71a
2(低減部)に定め、開口穴71a
0を設けることとする。
【0050】
以上詳細に説明したように、本実施形態の露光装置100は、被り防止機構70を有し、被り防止機構70は底面の第1領域71a
1に上面に貫通する開口穴71a
0(貫通穴)と第2領域71a
2(低減部)に内部で閉じられる開口穴71a
0(非貫通穴)とが形成された基板71を含んで構成される。第1領域71a
1は、ウエハW上の電子線の照射位置から電子検出器44の検出面を見込む立体角範囲(検出立体角)の少なくとも一部に配される。それにより、ウエハWの表面から検出立体角内に散乱する電子Iが開口穴71a
0(貫通穴)を通って検出面に導かれる。第2領域71a
2(低減部)は、第1領域71a
1の周囲に配される。それにより、検出立体角外に散乱する電子iが開口穴71a
0(非貫通穴)に入り、その中で散乱を繰り返して基材に吸収されることで、電子の飛散が低減し、電子線のウエハWの表面への被りが抑えられる。
【0051】
図5は、本実施形態の変形例に係る露光装置200における被り防止機構70及びその周辺の構成各部を拡大して示す。露光装置200は、
図1の露光装置100と同様の電子線露光装置であり、試料面から散乱する電子の少なくとも一部を電子検出器に導くとともに電子線の試料面への被りを防止することを目的とする。ただし、露光装置200は電子線を生成する電子線カラム(光学系カラム)を複数(一例として25)備え、これらを用いてウエハW上の複数点(複数のフィールド内)に電子線を照射するマルチカラム型の露光装置である。なお、本変形例に係る露光装置200の主要構成は先述の露光装置100のそれとほぼ同様のため、以下では、相違点を中心に説明する。また、先述の露光装置100と同一又は同等の部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。露光装置200は、大別して、試料(ウエハW)を露光する露光部150及び露光部150の構成各部を制御する制御系140を備える。
【0052】
露光部150は、複数の電子光学系108、複数の電子光学系108のそれぞれに対応してマスク(不図示)を保持するマスクステージ(不図示)及びマスクステージを駆動するマスクステージ駆動部(不図示)、試料を保持するウエハステージWS及びウエハステージWSを駆動するウエハステージ駆動部(不図示)、複数の電子光学系108のそれぞれに対応して試料面から散乱する電子を検出する複数の電子検出器44、並びに電子線の試料面への被りを防止する被り防止機構70から構成される。これらの構成各部は鏡筒10内に収容されている。
【0053】
複数の電子光学系108は、それぞれが1つの電子線I
0を生成して、ウエハW上の1点(1つのフィールド内)に照射する1つの電子線カラムを構成する。電子光学系108は、試料面に平行な面内で一方向(紙面左右方向)に5及びこれに直交する方向(紙面垂直方向)に5の計25配列されている。これら25の電子光学系108により電子線I
0を偏向してそれぞれ異なる25のフィールドを走査することで、それらのフィールド内にパターンが描画される。なお、
図5には、直交する方向について3列目の5つの電子光学系108が示されている。
【0054】
複数の電子検出器44は、それぞれ、対応する電子光学系108とウエハステージWS(に保持されウエハW)との間に配置され、
図5において矢印を用いて示すように、その電子光学系108から射出される電子線I
0を試料面に照射することによりその電子線I
0の照射位置から散乱する電子Iを検出する。
【0055】
被り防止機構70は、複数の電子検出器44とウエハステージWS(に保持されウエハW)との間に配置される。本変形例に係る被り防止機構70では、複数の電子光学系108により射出される電子線I
0の被りを防止するために、先述の被り防止機構70に対してさらに、電子線I
0を試料面に照射することによりその照射位置から散乱する電子を対応する電子検出器44のみに導き、異なる電子線I
0に対応する電子検出器44に対して遮る必要がある。
【0056】
図6A及び
図6Bは、本変形例に係る被り防止機構70の構造を示す。
図6Aは
図6B内の基準線AAについての断面図であり、
図6Bは底面図である。被り防止機構70は、一例として円形状の基板171から構成される。
【0057】
基板171には、紙面左右方向(行方向)に5及び紙面上下方向(列方向)に5の計25箇所に円形状の断面を有する通過孔171c、それらの周囲に円形状の断面を有する凹部171d、及び外縁近傍に一例として4つの取付孔(不図示)が形成されている。取付孔(不図示)を利用して、
図5よりわかるように、通過孔171cの中心をそれぞれ対応する光軸LA上に位置決めして、被り防止機構70をフレーム(不図示)から吊下げ支持することができる。
【0058】
上述の構成の基板171は、保持部171bと開口穴部171aを含む。保持部171bは、平面視において複数の凹部171dの外縁内部を除く厚肉部(厚さH)から構成され、凹部171dの外縁内部の薄肉部(厚さh)を保持する役割を有する。なお、保持部171bにより複数の薄肉部を保持することで、基板171を一体成形することができる。それにより、簡素な構成で且つ複数の電子光学系108について共用可能な大きさの被り防止機構70を構成することができる。開口穴部171aは、基板171の底面中央の正方形状の領域に設けられている。その一辺の長さlは、一例として200mmである。開口穴部171aが設けられた領域内に、複数の通過孔171cが位置する。
【0059】
開口穴部171aには、被り防止機能を発現する微細な複数の開口穴171a
0が密に形成されている。(密に形成された複数の開口穴171a
0は開口穴群を構成する。)その構成及び製法は、先と同様である。開口穴171a
0の深さは、基板171の薄肉部の厚さhに等しい。ここで、基板171の底面を、
図6Bに示すように、薄肉部の底面に対応する外径D及び内径dの円環状の複数(25)の第1領域171a
1と、開口穴部171aが設けられた矩形状の領域のうち隣接する第1領域171a
1の間に連続する第2領域171a
2(開口穴部171aのうちの第2領域171a
2を低減部とも呼ぶ)と、その外側の第3領域171a
3と、に区画する。第1領域171a
1に位置する開口穴171a
0は凹部171dに通じて薄肉部を貫通し、第2領域171a
2に位置する開口穴171a
0は保持部171b内で閉じられて貫通しない。つまり、開口穴171a
0は、貫通穴と非貫通穴を含む。なお、複数の非貫通穴は非貫通穴群を構成する。
【0060】
被り防止機能を十分に発現するために、
図5に示すように、複数の通過孔171cの中心を複数の電子光学系108の光軸LA(複数の光軸LA)上にそれぞれ配置し、且つ複数の薄肉部(複数の第1領域171a
1)をウエハWの表面と光軸LAとの交点(より適切には電子線I
0の照射位置)から対応する電子検出器44の検出面を見込む立体角範囲(検出立体角)の少なくとも一部にそれぞれ配置する。それにより、電子線I
0の照射位置から散乱する電子のうち対応する電子検出器44の検出立体角内に散乱する電子は、図中に矢印を用いて示すように、それぞれ薄肉部(第1領域171a
1)に設けられた開口穴171a
0(貫通穴)を通って対応する電子検出器44の検出面に導かれることとなる。ここで、電子検出器44の検出面のサイズに対して開口穴171a
0の開口幅は極小さいため、電子は複数の開口穴171a
0から漏れ出て検出面に導かれることとなる。
【0061】
一方、電子線I
0の照射位置から(対応する電子検出器44の)検出立体角外に散乱する電子は、保持部171b(第2領域171a
2(低減部))に設けられた開口穴171a
0(非貫通穴)に入る。電子は、開口穴171a
0に入ることで、その内壁で散乱を繰り返して基材に吸収される。ここで、例えば、
図5内に破線を用いて示すように、中央の電子光学系108から射出される電子線I
0の照射位置から対応する電子検出器44と異なる電子検出器44の検出面を見込む立体角範囲には、保持部171bの底面、すなわち第2領域171a
2(低減部)が配置されている(第1領域171aは配置されていない)。それにより、電子線I
0の照射位置から散乱する電子のうち異なる電子検出器44の検出面を見込む立体角範囲に散乱する電子は、第2領域171a
2に設けられた開口穴171a
0(非貫通穴)に入り、その内壁で散乱を繰り返して基材に吸収されることで、異なる電子検出器により検出されるのが防止される。
【0062】
なお、本変形例では、被り防止機構70を構成する基板171の底面に設けられる開口穴部171aについて、電子線I
0の照射位置から対応する電子検出器44と異なるすべての電子検出器44の検出面を見込む立体角範囲に保持部171bの底面、すなわち第2領域171a
2を配置する(第1領域171aを配置しない)のが望ましい。しかし、これに限らず、対応する電子検出器44と異なる電子検出器44の一部、例えば対応する電子検出器44に隣接する電子検出器44の検出面を見込む立体角範囲に第2領域171a
2を配置することとしてもよい。
【0063】
また、本変形例では、被り防止機構70を構成する基板171の底面に設けられる開口穴部171aについて、開口穴171a
0(非貫通穴)が形成される第2領域171a
2を第1領域171a
1を除く開口穴部171aの全領域(基板171の底面のほとんどの領域)に配設したが、電子の散乱角(散乱立体角)が小さい場合には、第2領域171a
2を、電子線I
0の照射位置に対応して、例えば第1領域171a
1のそれぞれの周囲に配設することとしてもよい。
【0064】
なお、本実施形態(変形例)では、第1領域71a
1(171a
1)の形状を円環としたが、これに限らず、任意の形状としてよい。また、第2領域71a
2(171a
2)の外縁の形状を矩形(正方形)としたが、これに限らず、任意の形状としてよい。
【0065】
また、本実施形態(変形例)では、第2領域71a
2(171a
2)を基板71(171)の底面に第1領域71a
1(171a
1)と外縁近傍(第3領域71a
3(171a
3))を除く残りの領域に設けたが、電子の散乱角(散乱立体角)が大きい場合等には、第1領域71a
1(171a
1)を除く基板71(171)の底面全体に設けてもよい。すなわち、第3領域71a
3(171a
3)を設けなくてもよい。
【0066】
また、本実施形態(変形例を含む)に係る被り防止機構70では、シリコン製の基板71,171を用いて被り防止機構70を構成することとしたが、電子の散乱を防止するのに適当なその他の物質を基材として用いてもよい。被り防止の目的より基板71,171の高い導電性が望ましく、そのために基板71,171の底面にベリリウム、アルミニウム等の原子番号の比較的小さい物質をドーピングする、或いはそれらの物質からなる薄膜を用いて底面をカバーすることとしてもよい。
【0067】
また、第1領域71a
1,171a
1と第2領域71a
2,171a
2と第3領域71a
3,171a
3とで異なる物質を用いて基板71,171を構成してもよい。例えば、電子を電子検出器44に導く目的の第1領域71a
1,171a
1(すなわち薄肉部)に対して、被り防止の目的の第2領域71a
2,171a
2(すなわち保持部71b,171b)については電子の散乱の少ない(電子の吸収の強い)原子番号の小さい物質(ベリリウム、アルミニウム等)を用いて構成してもよい。
【0068】
また、被り防止の目的の第2領域71a
2,171a
2(すなわち保持部71b,171b)について、基板71,171に正の電位を印加して、ウエハから散乱する電子(荷電粒子)を基板71,171に向けて加速して、吸収することとしてもよい。イオンビーム露光の場合、イオンビームの電荷と逆符号の電位を基板71,171に印加して、ウエハから散乱するイオンビームを基板71,171に向けて加速して、吸収することとしてもよい。
【0069】
また、本実施形態(変形例を含む)に係る被り防止機構70では、第1領域71a
1,171a
1及び第2領域71a
2,171a
2に形成した開口穴71a
0,171a
0の深さを等しく定めたが、異なる深さを採用してもよい。例えば、十分な量の電子を電子検出器44に導くために第1領域71a
1,171a
1の開口穴71a
0,171a
0の深さを小さく、電子線の被りを十分に抑えるために第2領域71a
2,171a
2の開口穴71a
0,171a
0の深さを大きくしてもよい。逆に、電子線の被りが十分に抑えられている場合には、第2領域71a
2,171a
2の開口穴71a
0,171a
0の深さを小さくしてもよいし、或いはゼロにする、すなわち第2領域71a
2,171a
2に開口穴71a
0,171a
0を設けなくてもよい。
【0070】
また、第1領域71a
1,171a
1の開口穴71a
0,171a
0の深さhは、基板71,171の薄肉部を厚く又は薄く成形する、すなわち凹部71d,171dを浅く又は深く形成することで調整することができる。
【0071】
また、本実施形態(変形例を含む)に係る被り防止機構70では、基板71,171の保持部71b,171bと薄肉部(或いは開口穴部71a,171a)とを一体的に成形したが、これに限らず、別部材としてそれぞれ成形してもよい。例えば、厚さ100μm程度のシリコン製のメンブレンを異方性エッチングにより加工することで厚さ方向に貫通する開口穴71a
0,171a
0を一面に形成し、これを薄肉部(或いは開口穴部71a,171a)として保持部71b,171bの下面に接着することで基板71,171を構成してもよい。また、一面に開口穴71a
0,171a
0が形成されたメンブレンを、間隙を挟んで又は挟まないで、複数重ねることで基板71,171を構成してもよい。
【0072】
また、薄肉部(開口穴部71a,171a)が自重に対してその形状を維持するのに十分な剛性を有する場合、保持部71b,171bの厚さを薄肉部のそれに等しくしてもよい。かかる場合、基板71,171の底面上の第1領域71a
1,171a
1内の開口穴71a
0,171a
0をその深さを厚さHに等しくして貫通穴とし、第2領域71a
2,171a
2内の開口穴71a
0,171a
0をその深さを厚さH以下として非貫通穴としてもよい。
【0073】
なお、本実施形態に係る露光装置100は、電子線のビーム形状より分類されるポイントビーム型、固定成形ビーム型、或いは可変成形ビーム型のいずれの露光装置であってもよい。また、複数の電子線を生成し、これを用いてウエハにパターンを描画するマルチビーム型或いはマルチカラム型の露光装置であってもよい。
【0074】
また、本実施形態に係る露光装置100では、電子線を整形するための複数の開口パターンが形成されたマスクMを用いたが、これに代えて、開口パターンのサイズを変えることのできる可変矩形パターン等を用いてもよい。
【0075】
また、本実施形態に係る露光装置100では、ウエハ(半導体ウエハ)を被露光対象(試料)としたが、これは一例であり、例えば光露光装置等で使用されるマスク又はレチクル(マスクブランクス)、ガラス基板、セラミック基板、フィルム部材等であってもよい。
【0076】
また、本実施形態に係る露光装置100は、一例として、電子線を用いて試料を露光する電子線露光装置としたが、これに限らず、イオンビーム等の荷電粒子線を用いて試料を露光する荷電粒子線露光装置としてもよい。本実施形態に係る被り防止機構70は、荷電粒子線露光装置においても有効である。
【0077】
また、本実施形態に係る露光装置100の電子線照射部を構成する電子光学系108等は、電子線露光装置の他、電子顕微鏡、電子線テスタ等に適用することもできる。
【0078】
また、半導体集積回路等の電子デバイスは、デバイス(パターン)を設計する工程、シリコン基板(ウエハ)を製作する工程、ウエハの表面にレジストを塗布してレジスト層を設ける工程、先述の実施形態に係る露光装置によりウエハを露光する(ウエハ上にパターンを描画する)工程、露光したウエハを現像する工程、レジストパターンをエッチングマスクにしてウエハを加工(エッチング、ドーピング等)する工程、レジストを除去する工程、デバイスを組み立てる工程(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程等を含む)、組み立てられたデバイスを検査する工程等により製造される。露光する工程において、先述の実施形態に係る露光装置を用いてウエハを露光することで、微細なパターンが精度良く位置合わせして形成され、高い集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
【0079】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0080】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
[項目1]
複数の荷電粒子ビームを発生する複数の荷電粒子ビーム源と、
上記複数の荷電粒子ビームの照射対象となる試料を載置するステージと、
上記複数の荷電粒子ビーム源と上記ステージとの間に配置され、上記複数の荷電粒子ビームを通過させる複数のビーム通過孔と、上記複数の荷電粒子ビームのそれぞれの照射に応じた上記試料からの荷電粒子が上記試料側に戻るのを低減する開口穴群が設けられた板部と、
上記板部に対して上記複数の荷電粒子ビーム源側に配置され、上記開口穴群を通過した上記試料からの荷電粒子をそれぞれ検出する複数の検出部と、
を備える露光装置。
[項目2]
上記複数の検出部のそれぞれは、上記開口穴群の少なくとも2以上の開口穴から漏れ出る上記試料からの荷電粒子を検出する項目1に記載の露光装置。
[項目3]
上記開口穴群の開口穴は上記板部を貫通する貫通穴であり、
上記板部は、上記開口穴群が設けられていない領域の少なくとも一部において、上記試料からの荷電粒子が上記試料側に戻るのを低減する低減部を有する
項目1または2に記載の露光装置。
[項目4]
上記低減部は、上記ステージ側に開口を有し上記板部を貫通しない非貫通穴群を含む項目3に記載の露光装置。
[項目5]
上記開口穴群は、上記複数のビーム通過孔のうち対応するビーム通過孔の周囲に設けられ、
上記低減部は、上記複数のビーム通過孔のそれぞれに対応して、当該ビーム通過孔の周囲に設けられた上記開口穴群の外周に設けられる
項目3または4に記載の露光装置。
[項目6]
上記開口穴群は、上記複数のビーム通過孔のうち対応するビーム通過孔の周囲に設けられ、
上記低減部は、隣接する上記開口穴群の間に連続して設けられる
項目3から5のいずれか一項に記載の露光装置。
[項目7]
上記開口穴群は、上記複数のビーム通過孔のうち対応するビーム通過孔の周囲における円形状の領域内に設けられる項目3から6のいずれか一項に記載の露光装置。
[項目8]
上記低減部は、上記複数のビーム通過孔のそれぞれに対し、上記開口穴群が設けられた領域の周囲における矩形状の領域内に設けられる
項目3から5のいずれか一項に記載の露光装置。
[項目9]
上記開口穴群が設けられた領域は、上記試料上における上記複数の荷電粒子ビームのうち対応する荷電粒子ビームが照射される領域と、上記複数の検出部のうち対応する検出部の検出面との間を遮る位置に配置される項目3から8のいずれか一項に記載の露光装置。
[項目10]
上記開口穴群が設けられた領域における上記板部の厚さは、上記低減部が設けられた領域における厚さと比較し小さい項目3から9のいずれか一項に記載の露光装置。
[項目11]
上記低減部は、上記ステージ側に開口を有し上記板部を貫通しない非貫通穴群を含み、
上記非貫通穴群の非貫通穴の深さは、上記開口穴群が設けられた領域における上記板部の厚さ以上である項目3から10のいずれか一項に記載の露光装置。
[項目12]
上記開口穴群を通過する荷電粒子量は、当該領域から上記試料側へと戻る荷電粒子量よりも大きい項目3から11のいずれか一項に記載の露光装置。
[項目13]
荷電粒子ビームを発生する荷電粒子ビーム源と、
上記荷電粒子ビームの照射対象となる試料を載置するステージと、
上記荷電粒子ビーム源と上記ステージとの間に配置され、上記荷電粒子ビームを通過させるビーム通過孔と、上記荷電粒子ビームの照射に応じた上記試料からの荷電粒子が上記試料側に戻るのを低減する開口穴群とが設けられた板部と、
上記板部に対して上記荷電粒子ビーム源側に配置され、上記開口穴群を通過した上記試料からの荷電粒子を検出する検出部と、
を備え、
上記開口穴群の開口穴は上記板部を貫通する貫通穴であり、
上記板部は、上記ビーム通過孔の周囲に設けられた上記開口穴群の外周に設けられ、上記試料からの荷電粒子が上記試料側に戻るのを低減する低減部を有する
露光装置。
[項目14]
上記検出部は、上記開口穴群の少なくとも2以上の開口穴から漏れ出る上記試料からの荷電粒子を検出する項目13に記載の露光装置。
[項目15]
上記低減部は、上記ステージ側に開口を有し上記板部を貫通しない非貫通穴群を含む項目13または14に記載の露光装置。
[項目16]
上記開口穴群は、上記ビーム通過孔の周囲における円形状の領域内に設けられ、
上記低減部は、上記開口穴群が設けられた領域の周囲における矩形状の領域内に設けられる
項目13から15のいずれか一項に記載の露光装置。
[項目17]
上記開口穴群が設けられた領域は、上記試料上における上記荷電粒子ビームが照射される領域と、上記検出部の検出面との間を遮る位置に配置される項目13から16のいずれか一項に記載の露光装置。
[項目18]
上記開口穴群が設けられた領域における上記板部の厚さは、上記低減部が設けられた領域における厚さと比較し小さい項目13から17のいずれか一項に記載の露光装置。