(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されるカラオケ選曲システムでは、携帯端末のGPS機能を使用してペアリング許可範囲を判定している。このGPS機能においては、建物内部にいる場合、GPS衛星を補足することが困難となり、位置の把握に対する精度が極端に悪くなってしまう。特に、建物の中心にいる等、完全にGPS衛星を補足できない場合、建物の外にいると位置検出をしてしまい、選曲操作が禁止されてしまうことが考えられる。
【0006】
本発明はこのような課題に基づくものであり、ユーザが所持する携帯端末を使用して、適切にカラオケシステムを遠隔操作することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明に係るカラオケ用プログラムは、
カラオケ装置とネットワークを介して通信接続可能であって、アクセスポイントからの
Wifi電波を受信可能な電波受信部を備える携帯端末で実行可能なカラオケ用プログラムであって、
対応付け処理と、遠隔操作処理と、判定処理を実行可能とし、
対応付け処理は、携帯端末とカラオケ装置を対応付け、
遠隔操作処理は、携帯端末の入力部の入力に基づくコマンド情報を、携帯端末に対応付けられているカラオケ装置に送信可能とし、
判定処理は、携帯端末とカラオケ装置が対応付けられている状態において、電波受信部が受信した
Wifi電波に含まれる
アクセスポイントの識別情報を使用して適合性を判定し、判定した適合性に基づいて、携帯端末に対応付けられているカラオケ装置との対応付けを解除させる。
【0008】
さらに、本発明に係るカラオケ用プログラムにおいて、
判定処理は、電波受信部が受信した
Wifi電波に含まれる
アクセスポイントの識別情報の一部箇所と、携帯端末に記憶する適合情報とを比較することで適合性の判定を行う。
【0009】
さらに、本発明に係るカラオケ用プログラムにおいて、
判定処理は、電波受信部が受信した
Wifi電波に含まれる
アクセスポイントの識別情報について、所定条件を満たしている
アクセスポイントの識別情報の数を使用して適合性の判定を行う。
【0010】
さらに、本発明に係るカラオケ用プログラムにおいて、
判定処理は、電波受信部が受信した
Wifi電波に含まれる
アクセスポイントの識別情報と、対応付け処理を行ったときに、電波受信部が受信した
Wifi電波に含まれる識別情報とを比較することで適合性の判定を行う。
【0011】
さらに、本発明に係るカラオケ用プログラムにおいて、
判定処理は、適合性を満たしていない状態が所定時間継続したことを条件として、携帯端末に対応付けられているカラオケ装置との対応付けを解除させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るカラオケ用プログラムによれば、携帯端末の電波受信部で受信した電波を使用して、携帯端末が使用対象となるカラオケシステムの付近に位置しているか否かを判定し、付近に位置していないと判定した場合には、携帯端末と使用対象となるカラオケシステムの対応付けを解除することで、カラオケ店舗外からの遠隔操作等、不適切な遠隔操作の抑制を図ることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、カラオケ店舗、及び、その周辺の様子を示す図である。建物Aには、カラオケ店舗が入居している。カラオケ店舗には、受付カウンタの他、部屋a〜fが設けられている。各部屋a〜fには、来店したユーザが、カラオケシステム3a〜3fが設置されている。来店したユーザは、受付カウンタにて割り当てられた部屋a〜fに入室し、カラオケシステム3a〜3fを使用して歌唱を楽しむことが可能となっている。
【0015】
図2は、各部屋a〜fに設置されるカラオケシステム3a〜3fの構成例を示す図である。なお、以下の説明では、各部屋に対応して付された符号a〜fは省略して説明を行う。本実施形態におけるカラオケシステム3は、カラオケ装置2(コマンダ)と、リモコン装置1を含んで構成されている。カラオケ装置2とリモコン装置1は、LAN100及びアクセスポイント110を利用してネットワークを形成するように接続されている。
【0016】
カラオケ店舗等に設置されるカラオケ装置2は、楽曲を演奏するための演奏手段として音響制御部25を備えている。また、カラオケ装置2は、ユーザからの各種入力を受け付けるスイッチなどで構成されるカラオケ装置2側の入力手段としての操作部21を備える。カラオケ装置2は、操作部21からの入力を解釈して制御部30に伝達する操作処理部22を備える。また、カラオケ装置2は、各種情報を記憶するカラオケ装置側記憶手段としてのHDD32(ハードディスク)を備える。カラオケ装置2は、LAN100に接続してネットワークに加入するためのカラオケ装置側通信手段としてのLAN通信部24を備えている。
【0017】
また、カラオケ装置2は、モニタ41に対して歌詞映像、背景映像を表示させる映像再生手段を備える。この映像再生手段は、映像情報に基づいて映像を再生する映像再生部29、再生する映像を一時的に蓄積するビデオRAM28、再生された映像に対する歌詞テロップの重畳表示、映像効果等を実行する映像制御部31を備えている。
【0018】
さらに、このカラオケ装置2では、外部に接続されたモニタ41以外に、タッチパネルモニタ33に対しても各種情報を表示することを可能としている。タッチパネルモニタ33は映像制御部31から入力された映像情報を表示する表示部33aと、タッチ入力された位置を操作処理部22に出力するタッチパネル33bが重畳されて構成されている。また、カラオケ装置2に対する各種操作は、カラオケ装置2のフロントパネル等に設けられた操作部21を介して行うことも可能となっている。
【0019】
本実施形態のタッチパネルモニタ33は、リモコン装置1の操作手段であるタッチパネルモニタ11と同様の操作手段として機能することも可能としている。ユーザはタッチパネルモニタ33から楽曲を選択して、直接カラオケ装置2に予約をさせるなど、リモコン装置1と同等の操作手段として機能することが可能である。
【0020】
さらに、カラオケ装置2は、各構成を統括して制御するための制御手段として、CPUにて構成される制御部30、各種プログラムを実行するにあたって必要となる情報を一時記憶するためのメモリ27を備えている。
【0021】
このような構成にてカラオケ装置2は、各種処理を実行することとなるが、カラオケ装置2の主な機能として、楽曲指定処理、再生処理などを実行可能としている。楽曲指定処理は、ユーザからの指定に基づいて楽曲を指定、予約するための処理であってリモコン装置1と連携して実行される。リモコン装置1から送信された予約情報をメモリ27に記憶する予約テーブルに登録する。再生処理は、予約された楽曲を再生させる処理であって、演奏処理と歌詞再生処理とが同期して実行される処理である。
【0022】
演奏処理は、楽曲データに含まれる演奏データを音響制御部25にて演奏させる処理である。音響制御部25にて演奏された楽曲は、歌唱用マイク44a、44bから入力される歌唱音声と一緒にスピーカ42から放音される。歌詞再生処理は、楽曲データに含まれる歌詞データをモニタ41に表示させることで歌唱補助を行う処理である。この歌詞再生処理で表示される歌詞に、背景映像を重畳させて表示させる背景映像表示処理を実行することとしてもよい。
【0023】
一方、リモコン装置1は、予約情報などカラオケ装置2に対して各種指示を送信するとともに、カラオケ装置2あるいはインターネット上に接続されたサーバ装置5から各種情報を受信する。本実施形態では、ユーザインターフェイスとしてボタンなどの操作部17と、タッチパネルモニタ11を備えている。タッチパネルモニタ11は、表示部11aとタッチパネル11bを有して構成され、表示部11aに各種インターフェイスを表示するとともに、ユーザからのタッチ入力を受付可能としている。
【0024】
さらにリモコン装置1は、楽曲検索に必要とされるデータベース、各種プログラム、並びに、プログラム実行に伴って発生する各種情報を記憶するリモコン側記憶手段としてメモリ14、そして、これら構成を統括して制御するためのリモコン側制御手段を備えて構成される。リモコン側制御手段には、CPUにて構成される制御部15、表示部11aに対して表示する映像を形成する映像制御部13、表示する映像情報を一時的に蓄えるビデオRAM12、操作部17からの入力を解釈して制御部15に伝達する操作処理部18が含まれている。
【0025】
リモコン装置1は、無線LAN通信部16によって、アクセスポイント110と無線接続されることで、LAN100によって構成されるネットワークに接続される。なお、各リモコン装置1は、特定のカラオケ装置2に対して事前に対応付けされている。リモコン装置1から出力される各種指令は、対応付けされたカラオケ装置2にて受信されることとなる。
【0026】
次に、本発明においてユーザが所持する携帯端末6について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る携帯端末6の構成を示す図である。この携帯端末6としては、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等を使用することが可能である。この携帯端末6に、本発明に係るプログラム(アプリ)をインストールし、プログラム上において対応付け処理を実行することで、携帯端末6をカラオケ装置2のリモコンとして使用することが可能となる。
【0027】
本実施形態の携帯端末6は、制御部61、RAM62、記憶部63、画像処理部64、音響処理部66を含んで構成された制御手段を有している。記憶部63には、ハードディスク、SSD等の不揮発性の記憶手段を採用することが可能である。この記憶部63には、本実施形態における各種処理を実行可能なプログラム、そして、当該プログラムで使用する各種データが記憶される。
【0028】
制御部61は、CPU等、携帯端末6全体を統括して制御する手段であり、記憶部63に記憶されたプログラム、データに基づいて各種制御を実行する。RAM62には、制御部61の制御によって生成されたデータを一時的に格納する。
【0029】
音響処理部66は、携帯端末6の音響関係の入出力を行う手段である。制御部61の制御によりスピーカ67aに放音させる手段である。また、音響処理部66は、マイクロホン67bと接続され、マイクロホン67bから周囲の音声を取り込み可能としている。
【0030】
タッチパネル表示部68は、画像を表示する表示部68bとその表面あるいは裏面に配設されるタッチパネル68aを有して構成されている。タッチパネル68aには、静電容量方式などユーザのタッチ位置を認識可能とする各種タイプを採用することが可能である。制御部61は、表示部68bに表示を行うとともに、タッチパネル68aからのタッチ入力にて、表示させている画像中のどの部分にタッチ入力されたかを判定することが可能である。
【0031】
画像処理部64は、携帯端末6の画像関係の入出力を行う手段である。画像処理部64は、制御部61で形成された画像情報を表示部68bに表示出力する。また画像処理部64は、携帯端末6の前面(タッチパネル表示部68側)に配置されたフロントカメラ65F、もしくは、携帯端末6の背面に配置されたリアカメラ65Rから画像を取り込む機能を有する。
【0032】
本実施形態の携帯端末6は、外部と通信を行うため、携帯網通信部69aと、無線LAN通信部69b(本発明における「電波受信部」)を備えている。携帯網通信部69aは、携帯無線網を介した無線通信を行うことが可能であり、無線基地局と無線通信することで、通話、あるいは、インターネットを使用した通信を行うことが可能である。無線LAN通信部69bは、LAN上に接続されたアクセスポイントに無線接続することで無線LAN通信を行うことが可能である。アクセスポイントに無線接続することで、LAN上のネットワーク、あるいは、インターネットに通信接続することが可能である。
【0033】
携帯端末6は、このような携帯網通信部69a、あるいは、無線LAN通信部69bを使用して、インターネット上のサーバから各種処理を実行可能なプログラムを含む各種プログラム(「アプリ」とも呼ばれる)をダウンロードすることが可能である。なお、プログラムは、通信回線を利用した形態以外に、外部メモリ接続端子72に接続された外部メモリEXからインストールすることとしてもよい。なお、このような携帯網通信部69a、無線LAN通信部69b以外に、近距離通信手段(赤外線通信、Bluetooth(商標)など)をさらに設けることとしてもよい。
【0034】
本実施形態の携帯端末6は、入力手段としてタッチパネル68a以外に入力スイッチ70を備えて構成されている。この入力スイッチ70には、電源スイッチ、音量調整スイッチ、実行するプログラムによって入力用途が変更されるスイッチ等、各種スイッチを設けることが可能である。
【0035】
本実施形態の携帯端末6は、カラオケ業者が提供するプログラムをインストール、実行することで、携帯端末6と操作対象となるカラオケ装置2とを対応付け、携帯端末6からカラオケ装置2に対して楽曲の予約コマンド等、各種コマンドを送信することを可能としている。
【0036】
図2で説明したカラオケ店舗に設置されるカラオケシステム3において、カラオケ店舗に来店したユーザは、自己の所持する携帯端末6を使用対象となるカラオケシステムのリモコンとして機能させることを可能としている。そのため、本実施形態のカラオケ管理システムでは、ユーザが所持する携帯端末6と、使用対象となるカラオケシステムを対応付ける対応付け処理を行う。ここで、本実施形態におけるカラオケ管理システムとは、サーバ装置5と、携帯端末6で実行可能なプログラムと、少なくともカラオケ装置2を有するカラオケシステムと、を含んで構成されている。ユーザが所持する携帯端末6はカラオケ管理システムに含まれない。
【0037】
では、携帯端末6をカラオケ装置2のリモコンとして機能させるための対応付け処理の一例を紹介する。なお、対応付け処理には、ここで紹介する例の他に各種形態が存在する。本発明では、ユーザが所持する携帯端末6と使用対象となるカラオケシステム3とを対応付ける対応付け処理であれば、様々な形態の対応付け処理を採用できるものであって、利用通信環境や、サーバ装置5の使用有無等の各種条件を問うものではない。
【0038】
図4には、本実施形態のカラオケ管理システムにおける対応付け処理を示すフロー図が示されている。また、
図5には、カラオケ管理システムにおける対応付け処理を示す模式図が示されている。本実施形態の対応付け処理は、ユーザが使用対象となるカラオケシステム3にログインするとともに、同じアカウントを使用して携帯端末6でログインすることでユーザの携帯端末6とカラオケシステム3との対応付けを行うこととしている。
【0039】
カラオケ店舗に来店したユーザは、リモコン装置1等の入力手段を使用して、自分のアカウント情報を入力する(S301)。カラオケシステム3は、アカウント情報の入力に基づき、サーバ装置5に対して装置側ログイン要求を送信する(S301)。なお、この装置側ログイン要求には、どのカラオケシステム3からの要求であるかを特定するため、カラオケ装置ID(カラオケ装置識別情報)が含まれている。装置側ログイン要求を受信(S201)したサーバ装置5は、受信した端末側ログイン要求に含まれるアカウント情報を利用して認証を行う(S202)。認証は、アカウント情報に含まれるユーザIDとパスワードの対が、サーバ装置5側の記憶部51に記憶しているものと一致するか否かで行われる。認証に成功した場合(S203:Yes)、要求のあったカラオケシステム3に対してログイン完了を通知する(S204)。ログインが完了したカラオケシステム3では、ログインしたユーザに対応するユーザ情報を使用した各種サービスを受けることが可能となる(S302)。一方、認証に失敗した場合(S203:No)には、サーバ装置5は、要求のあったカラオケシステム3に対して認証エラー情報を送信する。
【0040】
サーバ装置5は、カラオケシステム3からのログインに成功した場合、記憶部51に記憶している対応付けテーブルにカラオケ装置IDとユーザIDとを追加する(S205)。この対応付けテーブルにて、サーバ装置5側では、どのユーザがどのカラオケシステム3にログインしているかを判別することが可能となる。
【0041】
一方、ユーザは、自分が所持する携帯端末6において、プログラムを起動し、端末側ログイン要求をサーバ装置5に送信する(S101)。この端末側ログイン要求には、ユーザのアカウント情報(ユーザIDとパスワード)が含まれている。端末側ログイン要求を受信したサーバ装置5は、装置側ログイン要求の場合と同様、受信した端末側ログイン要求に含まれるアカウント情報を利用して認証を行う(S206)。認証に成功した場合(S207:Yes)、サーバ装置5は、記憶部51に記憶している対応付けテーブルに、端末側ログイン要求を行ったユーザのユーザIDがあるか否かを判定し、当該ユーザIDが有る場合(S208:Yes)、携帯端末6とカラオケシステム3との対応付けを完了する(S209)。そして、要求のあった携帯端末6に対応付け完了通知を送信する(S210)。対応付けの完了した携帯端末6では、対応付けられたカラオケシステム3を遠隔操作する遠隔操作処理(S110)が実行可能となる。
【0042】
以上、本実施形態の対応付け処理について説明を行ったが、装置側ログイン要求と端末側ログイン要求は、どちらが先にあるかを問うものではない。次に、対応付けられた携帯端末6において実行される遠隔操作処理(S110)の詳細について説明を行う。
【0043】
図6は、本実施形態のカラオケ管理システムにおける遠隔操作処理を示すフロー図であり、
図7は、本実施形態のカラオケ管理システムにおける遠隔操作処理を示す模式図である。
図5の模式図の例に示されるように、ユーザ(ユーザA)が所持する携帯端末6と、当該ユーザが使用対象とするカラオケ装置2(カラオケ装置a)と、が対応付けられたカラオケ管理システムでは、携帯端末6からカラオケシステム3に対して、楽曲の予約等、カラオケシステム3を遠隔操作するための各種コマンド情報を送信することが可能である。
【0044】
本実施形態では、遠隔操作処理の開始時に携帯端末6は、Wifi電波状況を確認する電波状況確認処理を実行することとしている。電波状況確認処理は、対応付け処理が完了したときの携帯端末6の位置でのWifi電波(アクセスポイントから発せられる)の状況を確認することとしている。電波状況確認処理で確認したWifi電波状況は、後の判定処理で使用することが可能である。なお、判定処理は、Wifi電波状況を使用しない形態も考えられる。その場合、この電波状況確認処理は省略することも可能である。
【0045】
電波状況確認処理では、携帯端末6は、無線LAN通信部69bを使用して、Wifi電波を受信して、周囲のアクセスポイントを探索する。まず、携帯端末6は、無線LAN通信部69bを使用してWifi電波を受信する(S111)。受信したWifi電波を解析(S112)し、周囲のアクセスポイントの識別情報(SSID名)を抽出し、記憶部63に記憶する(S113)。
図1に示すカラオケ店舗の部屋a内において、電波状況確認処理を実行した場合、例えば、カラオケ店舗内のカラオケ店舗内のアクセスポイント110a〜110cに加え、外部のアクセスポイント(建物B内のアクセスポイント110d、建物C内のアクセスポイント110e)を検出することが考えられる。
【0046】
図12には、カラオケ店舗内(部屋a)におけるWifi電波状況が示されている。各アクセスポイント110a〜110eには、SSID名が付与されており、携帯端末6は、対応付け処理を行ったときの電波状況として、SSID名を記憶部63に記憶する。なお、本実施形態では、カラオケ店舗内に設置したアクセスポイント110a〜110cについては所定規則のSSID名が付与されている。本実施形態では、先頭に「karaoke」を付与し、その後に4桁のシリアル番号を付与したSSID名を使用している。このようにカラオケ店舗内に設置したアクセスポイント110a〜110cのSSID名を所定規則とすることで、カラオケ店舗のアクセスポイントと外部のアクセスポイントを判別することが可能となる。
【0047】
また、Wifi電波からは、各アクセスポイント110a〜110eの無線LAN電波強度を取得することが可能である。この無線LAN電波強度を合わせて記憶することとしてもよい。あるいは、この無線LAN電波強度が所定値以下のアクセスポイントについては、そのSSID名を記憶の対象から除外することとしてもよい。無線LAN電波強度が小さい場合、Wifi電波が不安定であることが考えられる。Wifi電波が不安定なアクセスポイントを除外することで、後の判定処理の精度向上を図ることが可能である。
【0048】
遠隔操作処理では、電波状況確認処理の終了後、S120〜S116の処理を繰り返し実行することで、携帯端末6によるカラオケシステム3の操作を行う。判定処理(S120)は、携帯端末6が使用対象となるカラオケシステム3の付近に位置しているか否かを、Wifi電波状況を利用して判定する処理である。カラオケ店舗を退店した後も、携帯端末6とカラオケシステム3が対応付けられていた場合、携帯端末6を使用して、店外からカラオケシステム3を操作されてしまうことが考えられる。本実施形態では、この判定処理(S120)を実行することで、携帯端末6が使用対象となるカラオケシステム3の付近に位置してない場合、携帯端末6とカラオケシステム3の対応付けを解除することとしている。この判定処理(S120)の詳細については後で説明を行う。
【0049】
図8には、携帯端末6のタッチパネル表示部68に表示される楽曲確認画面が示されている。楽曲確認画面は、ユーザにより指定された楽曲名、歌手名等に基づいて指定された楽曲の詳細を示す画面であり、ユーザは楽曲確認画面にて楽曲を予約することが可能である。楽曲確認画面には、歌手名、曲名、歌い出し、楽曲に関するサムネイル画像といった楽曲関連情報601の他、キー設定、曲タイプ設定、投稿機能設定等、楽曲設定情報602が表示される。ユーザは、予約ボタン603を操作することで、表示されている楽曲を対応付けられたカラオケ装置2に予約することが可能となる。
【0050】
携帯端末6では、楽曲確認画面上、予約ボタン603をタッチ操作する等の行為により、コマンド入力があったことを判定した場合(S114:Yes)、サーバ装置5に対して送信コマンド情報を送信する(S115)。送信コマンド情報には、コマンド入力に対応するコマンド(コマンドA)と、携帯端末6に記憶しているユーザID(ユーザA)が含まれている。
【0051】
サーバ装置5は、対応付けテーブルに基づいて転送処理を実行する。転送処理では、まず、対応付けテーブル上に、携帯端末6から送られてきた送信コマンド情報内のユーザID(ユーザA)が存在するか否かを判定する。対応付けテーブル上に、送信コマンド情報内のユーザIDがある場合、転送対象となるカラオケ装置2に対して転送コマンド情報を送信する。転送コマンド情報には、送信コマンド情報内のコマンド(コマンドA)と、宛先としてのカラオケ装置ID(カラオケ装置a)と、コマンドを入力したユーザのユーザID(ユーザA)が含まれている。転送コマンド情報を受信したカラオケ装置2(カラオケ装置a)は、転送コマンド情報に含まれるコマンド(コマンドA)に従って処理を実行する。
【0052】
携帯端末6を使用した遠隔操作処理は、携帯端末6において終了指示(ログアウト、あるいは、対応付け解除の指示)が入力される(S116:Yes)まで、繰り返し実行される。終了指示が入力された場合(S116:Yes)、携帯端末6は、サーバ装置5に対応付け解除指示を送信する(S117)。対応付け解除指示を受信したサーバ装置5は、対応付けテーブルから該当する項目(カラオケ装置IDとユーザIDの対)を削除する。
【0053】
ログインした携帯端末6では、サーバ装置5から受信したユーザ情報を使用した各種処理を実行することが可能である。
図9には、ログインしたユーザに各種サービスを提供するため、サーバ装置5の記憶部51に記憶管理するユーザ情報のデータ構成が示されている。このユーザ情報は、ユーザ毎(アカウント情報毎)に記憶管理され、ユーザIDとパスワードで構成されたアカウント情報の他、個人情報、マイうたテーブル、マイアーティストテーブルといった、ユーザに関する各種情報を含んで構成される。ユーザ情報は、サーバ装置5の記憶部51に予め記憶されている。個人情報には、ユーザ名(実際の名前に限ったものでなく、ニックネームであってもよい)、性別、年齢、うた年齢、居住地、趣味などを含んで構成される。
【0054】
マイうたテーブルは、ユーザによって登録された楽曲を記憶するテーブルであって、楽曲識別情報、音程調整値、過去の歌唱採点情報(最高点、もしくは、過去複数回のもの)などを含んで構成されている。ユーザは、このマイうたテーブルに基づいて、過去に登録したお気に入りの楽曲を呼び出して予約、演奏することが可能となる。その際、登録した音程調整値を利用することで、自分の歌唱にあった音程で演奏(再生)を行うこともできる。
【0055】
マイアーティストテーブルは、ユーザによって登録されたアーティスト(歌手)を記憶するテーブルであって、歌手識別情報を含んで構成されている。ユーザは、このマイアーティストテーブルに基づいて、登録したお気に入りのアーティストの楽曲(持ち歌、あるいは、関連楽曲)を呼び出して予約、演奏することが可能となる。
【0056】
履歴テーブルは、ユーザが過去に演奏した楽曲に関する各種情報を記録した情報であって、本実施形態では、過去に演奏した(当該ユーザが予約、演奏した)楽曲について、楽曲の楽曲識別情報、演奏した日時を示す歌唱日時、採点情報などを含んで構成されている。ユーザは、この履歴テーブルに基づいて、過去に演奏した楽曲を呼び出して歌唱することができる。
【0057】
本実施形態では、ユーザはカラオケシステム3にもログインしているため、リモコン装置1では、ログインしているユーザ(ユーザA)のユーザ情報を使用した遠隔操作処理を行うことが可能である。
図10には、カラオケシステムにログインした際、リモコン装置1のタッチパネルモニタ11に表示されるアクティブユーザトップ画面が示されている。アクティブユーザトップ画面では、複数人がログインした状態ではログインユーザ欄103にログインしたユーザの分身像103a〜103e(本実施形態では顔部分)が表示される。またログインユーザ欄103中、右端に背景がハイライトで示されるユーザは、アクティブユーザ103eであって、図に示す状態では、このアクティブユーザ103eに対するサービス、すなわち、アクティブユーザ103eのユーザ情報を利用したサービスが実行されている状態となっている。このアクティブユーザトップ画面では、「曲を探す」を選択することで、従来の歌本と同様、歌手名、楽曲名に基づく検索を行うことができる。
【0058】
リモコン装置1の操作により、入力されたコマンド(コマンドB)は、ユーザID(ユーザA)と一緒に、コマンド情報としてカラオケ装置2に送信される。コマンド情報を受信したカラオケ装置2(カラオケ装置a)は、コマンド情報に含まれるコマンド(コマンドB)に従って処理を実行する。ユーザ情報を受信したカラオケ装置2(カラオケシステム)では、携帯端末6の場合と同様、受信したユーザ情報中の各種テーブル(マイうたテーブル、マイアーティストテーブル、履歴テーブル等)を使用した各種処理を実行することが可能である。
【0059】
次に、本実施形態の判定処理について詳細に説明する。
図11には、カラオケ管理システムにおける判定処理を示すフロー図が示されている。また、
図13には、カラオケ管理システムにおける判定処理を示す模式図が示されている。判定処理は、ユーザの携帯端末6と、使用対象となるカラオケシステム3が対応付けされている期間(遠隔操作処理の期間中に対応)、繰り返し実行される処理であり、携帯端末6の無線LAN通信部69bにて受信するWifi電波状況を使用して、携帯端末6が使用対象となるカラオケシステム3の付近に位置しているか否かを判定する。
【0060】
まず、携帯端末6で実行されるプログラムは、制御部61に対して計時タイマをリセットし、初期値0からカウントを開始させる(S121)。計時タイマが所定時間(この例では、5分)経過したことを判定した場合(S122:Yes)、プログラムは、無線LAN通信部69bにWifi電波を受信させ(S123)、受信したWifi電波を解析し、Wifi電波に含まれるアクセスポイントの識別情報(SSID名)を抽出する(S124)。そして、抽出したSSID名が所定条件に適合するか否かを判定する(S125)。所定条件に適合していた場合(S125:Yes)には、判定処理の先頭に戻り、次の所定時間の経過に備える。一方、所定条件に適合していない場合(S125:No)には、携帯端末6は、サーバ装置5に対応付け解除指示を送信(S126、
図13の第2の丸)し、判定処理を終了する。対応付け解除指示を受信したサーバ装置5は、対応付けテーブルから該当する項目(カラオケ装置IDとユーザIDの対)を削除する(
図13の第3の丸)。
【0061】
ここで、S125で判定する所定条件について説明する。携帯端末6を所持するユーザがカラオケ店舗から退店した場合(
図13の第1の丸)、Wifi電波状況が変化することが考えられる。本実施形態では、Wifi電波状況を使用して、携帯端末6が使用対象となるカラオケシステム3の付近に位置しているか否かを判定する。以下にいくつかの判定処理の実施例を説明する。
【0062】
(第1実施例)
図6のフロー図で説明したように、電波状況確認処理において、携帯端末6は、対応付け処理を行ったときの電波状況(SSID名)を記憶している。この対応付け処理を行ったときの電波状況(SSID名)と、判定処理時に取得した電波状況(SSID名)とを対比して、適合性を判定することが考えられる。
図13の例では、カラオケ店舗(部屋a)内において、対応付け処理を行ったときの電波状況と、退店後の電波状況が示されている。判定処理では、対応付け処理で取得したSSID名と、判定処理時に取得したSSID名の一致によって適合性を判定する。対応付け処理で取得したSSID名と、判定処理時に取得したSSID名が全て一致している形態の他、所定数以上のSSID名が一致することで適合性を判定することが考えられる。
図13の模式図では、退店したこと(第1の丸)により、対応付け処理時に取得したSSID名が、5から1に減少している。このような場合、適合性を満たしていないと判定される。
【0063】
なお、第1実施例の判定処理では、カラオケ店舗内に設置したアクセスポイント110a〜110cのみを判定の対象としてもよい。言い換えると、外部のアクセスポイント110d、110eを判定の対象としないこととなる。前述したように、本実施形態では、カラオケ店舗内に設置したアクセスポイント110a〜110cは、所定規則に従うSSID名(先頭に「karaoke」が付与されたSSID名)が付与されている。このようなSSID名を判定の対象とすることで、電波状況が不安定な外部のアクセスポイント110d、110eを排除して判定を行い、精度の高い判定結果を得ることが可能となる。
【0064】
(第2実施例)
また、判定処理では、電波状況確認処理を使用しない形態も考えられる。この場合、判定処理で取得したSSID名内に、所定規則に従うSSID名(先頭に「karaoke」が付与されたSSID名)の有無により適合性が判定される。このような形態では、カラオケ店舗で用意したアクセスポイント110a〜110cのSSID名が、Wifi電波に含まれるか否かを判定することで、携帯端末6が使用対象となるカラオケシステム3の付近に位置しているか否かを判定することが可能となる。なお、この形態では、所定規則に従うSSID名の数nが所定値以上であるか否かを適合性に使用することも可能である。
【0065】
(第3実施例)
また、判定処理では、来店しているカラオケ店舗で管理しているアクセスポイント110a〜110cのSSID名を携帯端末6に送信し、これを判定の対象として使用することとしてもよい。
図4で説明した対応付け処理では、サーバ装置5は、携帯端末6を使用しているユーザが、どのカラオケシステム3を使用しているか(どのカラオケ店舗にいるのか)を判別することが可能である。このような場合、サーバ装置5は、携帯端末6に対して、カラオケ店舗で管理しているアクセスポイント110a〜110cのSSID名を携帯端末6に送信することが可能である。携帯端末6に対するSSID名の送信は、このような形態に限らず、カラオケシステム3側から携帯端末6に送信する等、各種形態を採用することが可能である。各カラオケ店舗で使用しているアクセスポイント110a〜110cのSSID名を使用することで、SSID名の全ての桁を判定の対象とすることが可能となり、判定精度の向上を図ることが可能となる。
【0066】
また、第3実施例では、携帯端末6を使用しているユーザが、どのカラオケシステム3を使用しているかが分かるため、使用しているカラオケシステム3に対応したSSID名を送信することも可能である。広いカラオケ店舗、あるいは、複数階にわたるカラオケ店舗では、カラオケシステム3に対応したSSID名を使用することで、より精度高く、携帯端末6が使用対象となるカラオケシステム3の付近に位置しているか否かを判定することが可能となる。
【0067】
(応用例)
以上、説明した第1〜第3実施例において、以下の形態を追加することも可能である。判定処理では、適合性を満たしていない状態が所定時間継続したことを条件としてもよい。カラオケ店舗では、携帯端末6で電話をかける、あるいは、トイレに行く等、一時的に部屋を離れる場合がある。このような場合に、対応付けが解除されてしまうと、再度、対応付け処理を行う必要があり、ユーザに面倒をかけてしまうことが考えられる。適合性を満たしていない状態が所定時間継続することを条件に追加することで、再度、対応付け処理を行うことの抑制を図ることが可能となる。
【0068】
また、判定処理では、SSID名を使用することに加え、判定処理内で都度取得するWifi電波について、無線LAN電波強度を使用することとしてもよい。Wifi電波は、遠くまで届くように設定されている場合がある。例えば、所定値以下の無線LAN電波強度のSSID名は、判定の対象から除外することで、判定の精度向上を図ることが可能となる。
【0069】
以上、各種実施例で説明したように判定処理では、Wifi電波状況を使用して、携帯端末6が使用対象となるカラオケシステム3の付近に位置しているか否かを判定し、付近に位置していないと判定した場合には、携帯端末6と使用対象となるカラオケシステム3の対応付けを解除することで、カラオケ店舗外からの遠隔操作等、不適切な遠隔操作の抑制を図ることが可能となる。