(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)第1半導体チップが上面に搭載された第1チップ搭載部、および前記第1チップ搭載部の近傍に配置された第1リードを含む複数のリードを有する第1デバイス領域と、第2半導体チップが上面に搭載された第2チップ搭載部、および前記第2チップ搭載部の近傍に配置され、前記第1リードと連結された第2リードを含む複数のリードを有し、前記第1デバイス領域の隣に配置された第2デバイス領域と、前記第1デバイス領域と前記第2デバイス領域を一括して封止する封止体と、を備え、第1方向に延在する前記第1および第2リードのそれぞれの第1リード下面に連通するように前記第1方向に延在し、前記第1方向と直交する第2方向における幅が前記第1および第2リードのそれぞれの前記第1リード下面の幅よりも狭い溝部が形成されたリードフレームを準備する工程と、
(b)前記第1リード下面側から前記第1および第2リードの連結部の一部を前記第2方向に進行する第1ブレードを用いて切削することにより、前記第1および第2リードの前記連結部に切り込み部を形成する工程と、
(c)前記(b)工程の後、前記溝部内に形成された金属屑を除去する工程と、
(d)前記(c)工程の後、前記切り込み部を含めた前記第1および第2リードの前記封止体から露出した部分にめっき法により第1金属膜を形成する工程と、
(e)前記(d)工程の後、前記第1リード下面側から前記第1および第2リードの前記連結部の残部を前記第2方向に進行し、前記第1ブレードの幅よりもその幅が狭い第2ブレードを用いて切削することにより、前記第1デバイス領域と前記第2デバイス領域とを分離する工程と、を有し、
前記(d)工程では、前記第1リードの厚さ方向において、前記切り込み部の深さは、前記溝部の深さより大きく、
前記(e)工程は、前記第1および第2リードのそれぞれの前記第1リード下面に連なり、前記切り込み部を構成する第1リード側面に前記第2ブレードが接触しないように前記残部を切削する、半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(本願における記載形式・基本的用語・用法の説明)
本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクション等に分けて記載するが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、記載の前後を問わず、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しの説明を省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0017】
同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、A以外の要素を含むものを排除するものではない。例えば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。例えば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。また、金めっき、Cu層、ニッケル・めっき等といっても、そうでない旨、特に明示した場合を除き、純粋なものだけでなく、それぞれ金、Cu、ニッケル等を主要な成分とする部材を含むものとする。
【0018】
さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0019】
また、実施の形態の各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0020】
また、本願では、上面、あるいは下面という用語を用いる場合があるが、半導体パッケージの実装態様には、種々の態様が存在するので、半導体パッケージを実装した後、例えば上面が下面よりも下方に配置される場合もある。本願では、半導体チップの素子形成面側の平面を表面、表面の反対側の面を裏面として記載する。また、配線基板のチップ搭載面側の平面を上面あるいは表面、上面の反対側に位置する面を下面として記載する。
【0021】
また、添付図面においては、却って、煩雑になる場合または空隙との区別が明確である場合には、断面であってもハッチング等を省略する場合がある。これに関連して、説明等から明らかである場合等には、平面的に閉じた孔であっても、背景の輪郭線を省略する場合がある。更に、断面でなくとも、空隙でないことを明示するため、あるいは領域の境界を明示するために、ハッチングやドットパターンを付すことがある。
【0022】
以下の実施の形態では、外部端子である複数のリードが、封止体の下面(実装面)において封止体から露出する半導体装置の例として、QFNタイプの半導体装置に適用した実施態様を取り上げて説明する。
【0023】
<半導体装置>
まず、本実施の形態の半導体装置1の構成の概要について、
図1〜
図6を用いて説明する。
図1は本実施の形態の半導体装置の上面図、
図2Aは、
図1に示す半導体装置の下面図である。また、
図2Bは、
図2Aに示す複数のリードのうちの一部を拡大して示す拡大平面図である。また、
図3は、
図2Aに示すリードの周辺の拡大斜視図である。また、
図4は、
図1に示す封止体を取り除いた状態で半導体装置の内部構造を示す平面図である。また、
図5は
図1のA−A線に沿った断面図である。また、
図6は
図4のA−A線に沿った断面図である。
【0024】
本実施の形態の半導体装置1は、ダイパッド(チップ搭載部、タブ)DP(
図2A、
図4および
図5参照)と、ダイパッドDP上にダイボンド材DB(
図4および
図5参照)を介して搭載された半導体チップCHP(
図4および
図5参照)と、を備えている。また、半導体装置1は、半導体チップCHP(ダイパッドDP)の周囲に配置された複数のリード(端子、外部端子)LDと、半導体チップCHPの複数のパッド(電極、ボンディングパッド)PD(
図4および
図5参照)および複数のリードLDをそれぞれ電気的に接続する複数のワイヤ(導電性部材)BW(
図4および
図5参照)と、を有している。また、ダイパッドDPには、複数の吊りリードTLが連結(接続)されている。また、半導体装置1は半導体チップCHP、複数のワイヤBW、および複数のリードLDの一部を封止する封止体(樹脂体)MRを備えている。
【0025】
<外観構造>
まず、半導体装置1の外観構造について説明する。
図1に示す封止体(樹脂体)MRの平面形状は四角形からなる。封止体MRは上面(封止体上面)MRtと、この上面MRtとは反対側の下面(裏面、実装面、封止体下面)MRb(
図2A参照)と、この上面MRtと下面MRbとの間に位置する側面(封止体側面)MRsとを有している。
図5に示す例では、側面MRsは上面MRtおよび下面MRbと直交する。
【0026】
また、
図2Aに示すように、半導体装置1の下面(実装面)、言い換えれば、封止体MRの下面MRbの周縁部には、段差部GPが形成されている。段差部GPは、封止体MRの下面MRbの周縁部に、全周に亘って連続的に形成されている。段差部GPの構成は、以下のように表現することもできる。すなわち、封止体MRは、側面MRsに連なり、かつ、下面MRbと上面MRt(
図1参照)の間(詳しくは間の高さ)に位置する下面(段差面、中間面)MRgを備えている。また、側面MRsの内側には、下面MRbと下面MRgに連なる側面MRsg(
図3参照)を備えている。詳細は後述するが、段差部GPは、半導体装置1の製造工程において、回転刃を用いて切削加工を施すことで形成された切削溝の一部である。このため、
図2Aに示す封止体MRの下面MRbの平面積は
図1に示す上面MRtの平面積よりも小さい。
【0027】
また、詳細は後述するが、本実施の形態の半導体装置1は、複数のデバイス領域を一括して覆うような封止体MRを形成した後、回転刃を用いて個片化する一括封止方式の半導体パッケージである。このような半導体パッケージを、MAP(Multi Array Package)型の半導体装置と呼ぶ。MAP型の半導体装置の場合、封止体MRの複数の側面MRsのそれぞれは、切削加工面となり、上面MRtと直交する。また、
図2Aに示す下面MRbの平面積と、下面MRgの平面積と、リードLDの下面LDgの平面積の合計は、
図1に示す封止体MRの上面MRtの平面積と同一になる。なお、上記した「平面積が同一」とは、平面積が同程度であるという意味であり、加工精度等の影響により僅かな差が生じる場合を除外するものではない。
【0028】
また、
図2Aに示すように、半導体装置1では、封止体MRの各辺(側面MRs)に沿って、それぞれ複数のリードLDが配置されている。複数のリードLDは、それぞれ金属材料からなり、本実施の形態では、例えば銅(Cu)を主成分とする金属から成る。
【0029】
複数のリードLDのそれぞれは、封止体MRに覆われる上面(リード上面)LDt(
図5参照)と、上面LDtの反対側の面であり、封止体MRの下面MRbにおいて封止体MRから露出する下面(リード下面)LDbと、を有する。
【0030】
また、
図2Bに示す下面LDb側から見た平面視において、複数のリードLDのそれぞれは、複数のリードLDが配列される配列方向と同じ方向である幅方向DWと、幅方向DWに対して直交する延在方向DLとを有する。なお、
図2Aに示すように、封止体MRの各辺(側面MRs)に沿って、それぞれ複数のリードLDが配置されている場合には、リードLDが配列される辺に対応して、延在方向DLと幅方向DWが異なる。また、
図2Bに示す例では、リードLDの延在方向DLにおける下面LDbの長さは、リードLDの幅方向DWにおける下面LDbの長さよりも長い。例えば、延在方向DLにおける下面LDbの長さは0.35mmである。これに対し、幅方向DWにおける下面LDbの長さは、0.25mmである。
【0031】
また、
図3に示すように複数のリードLDには、段差部GPの一部を構成する、下面(段差面、中間面、リード下面)LDgが形成されている。
図3に示す例では、複数のリードLDのそれぞれは、最も周縁部側の側面(リード側面)LDsに連なり、かつ、厚さ方向において、下面LDbと上面LDt(
図5参照)の間に位置する下面LDgを備えている。また、
図3に示す例では、下面LDgは、下面LDbと同一の方向(Z方向)を向くように形成されている。また、
図3に示す例では、側面LDsは、下面LDbが向いた方向と直交する方向(
図3ではY方向)を向くように形成されている。また、
図3に示すようにリードLDの側面LDsは金属膜SDに覆われず、下地の金属が露出している。
【0032】
また、複数のリードLDのそれぞれは、側面LDsの内側に、下面LDbと下面LDgに連なる側面(リード側面)LDsgを有する。言い換えれば、リードLDの下面LDb側から見た時、側面LDsは、側面LDsgよりも外側に位置する。
図3に示す例では、側面LDsgは、側面LDsと同一の方向(
図3ではY方向)、言い換えれば、下面LDbが向いた方向と直交する方向(
図3ではY方向)を向くように形成されている。
【0033】
また、上記したように段差部GPは、回転刃を用いて切削加工を施すことにより形成された切削溝の一部である。したがって、リードLDの下面LDgは、封止体MRの下面MRgから露出し、かつ、下面MRgと同一の平面になっている。また、リードLDの側面LDsgは、封止体MRの下面MRgから露出し、かつ、下面MRgと同一の平面になっている。また、詳細は後述するが、リードLDの側面LDsおよび封止体MRの側面MRsは、半導体装置1の製造工程において、回転刃を用いて切削加工を施すことで半導体装置1を個片化する際に一括して形成される面である。したがって、リードLDの側面LDsと封止体MRの側面MRsは、同一な平面になっている。
【0034】
なお、上記した「同一な平面」とは、二つの面の間に段差がなく、平坦な状態であることを意味する。ただし、回転刃による切削加工時の力の加わり方によっては、二つの面の間に意図しない段差が発生する場合もある。したがって、上記した「同一な平面」とは、二つの面の間に意図的に形成された段差がなく、平坦な状態であることを意味する。また、
図3に示す複数のリードLDの封止体MRからの露出面において、側面LDs以外の各面には、金属膜SDが形成されている。したがって、厳密に言えば、リードLDの露出面と封止体の面の間には、金属膜SDの膜厚に対応した僅かな段差が存在する。上記した「同一な平面」には、二つの面の間に、金属膜SDの膜厚に対応した段差が形成されている場合も含まれる。
【0035】
また、
図2Bおよび
図3に示すように、複数のリードLDのそれぞれは、下面LDb側に形成された凹部(リセス、ディンプル、窪み部)LDdを有する。リードLDの下面LDb側から見た時に、凹部LDdの幅(
図2Bに示すリードLDの幅方向DWにおける開口長さ)は、複数のリードLDの幅よりも狭い。凹部LDdは、リードLDの幅方向DW(
図2B参照)において中央部分に形成されている。言い換えれば、下面LDb側から見た時、下面LDbはリードLDの延在方向DL(
図2B参照)に沿って延び、かつ互いに対向する辺FbS1と辺FbS2を有し、凹部LDdは、辺FbS1と辺FbS2の間に形成されている。このため、リードLDの幅方向DW(
図2B参照)において、凹部LDdの両隣には、凹部LDdの内側面を持つ壁部LDwが形成されている。
【0036】
また、
図3に示すように、凹部LDdは、リードLDの延在方向DL(
図2B参照)において中央部よりも周縁部側、すなわち、側面LDs側に形成されている。また、側面LDsgのうち、凹部LDdと重なる部分は開口している。言い換えれば、リードLDの下面LDb側から見た時、凹部LDdの一方の端部(封止体MRの周縁部側の端部)は、段差部GPを構成する側面LDsgに到達している。また、凹部LDdの他方の端部(封止体MRの周縁部から遠い側の端部)は、リードLDの下面LDb内で終端している。
【0037】
詳細は後述するが、リードLDの実装面の周縁部に、側面LDsgの一部が開口するような凹部LDdを形成することにより、半導体装置を実装基板に実装した後、開口部内が半田で満たされているか否かが容易に判断できるようになるので、実装後の検査効率を向上することができる。また、リードLDの実装面の周縁部に、凹部LDdを形成することにより、リードLDの半田付けされる実装面の表面積が増加するので、リードLDと実装基板側の端子との接続強度を向上させることができる。また、凹部LDdの周縁部とは反対側の端部がリードLDの下面LDb内で終端していることにより、製造工程中に、凹部LDd内に封止体MRの原料である樹脂が流れ込むことを抑制することができる。
【0038】
また、
図2Bに示す例では、リードLDの延在方向DLにおける凹部LDdの長さは、リードLDの幅方向DWにおける凹部LDdの長さよりも長い。例えば、延在方向DLにおける凹部LDdの長さは0.20mmである。これに対し、幅方向DWにおける凹部LDdの長さは、0.15mmである。
【0039】
また、上記したように複数のリードLDのそれぞれが有する複数の面のうちの一部は、封止体MRから露出する露出面になっている。これらの露出面のうち、下面LDb、凹部LDdの内面、段差部GPの側面LDsg、および段差部GPの下面LDgには、金属膜(めっき層、半田材、半田膜、めっき半田膜)SDが形成される。一方、リードLDの封止体MRからの露出面のうち、側面LDsには金属膜SDが形成されていない。このような構造は、半導体装置1の製造方法に起因して形成される構造である。すなわち、金属膜SDを形成する工程と、各露出面を形成する工程の工程順序によって、金属膜SDが形成されるかどうかが規定される。
【0040】
金属膜SDは、例えばめっき法により形成されためっき膜、詳しくは、電解めっき法により形成された電解めっき膜である。また、例えば金属膜SDは、例えば半田材から成り、リードLDを後述する実装基板側の端子と接合する際に接合材として機能する。詳しくは、金属膜SDは、鉛(Pb)を実質的に含まない、所謂、鉛フリー半田からなり、例えば錫(Sn)のみ、錫−ビスマス(Sn−Bi)、または錫−銅−銀(Sn−Cu−Ag)など、錫を主要な成分とする金属材料である。ここで、鉛フリー半田とは、鉛(Pb)の含有量が0.1wt%以下のものを意味し、この含有量は、RoHS(Restriction of Hazardous Substances)指令の基準として定められている。以下、本実施の形態において、半田材、あるいは半田成分について説明する場合には、特にそうでない旨明示した場合を除き、鉛フリー半田を指す。
【0041】
上記したリードLDの封止体MRからの露出面のうち、側面LDs以外の各面(下面LDb、凹部LDdの内面、段差部GPの側面LDsg、および段差部GPの下面LDg)は、めっき膜である金属膜SDが形成される前に形成された面である。このため、下面LDb、凹部LDdの内面、段差部GPの側面LDsg、および段差部GPの下面LDgには、金属膜SDが形成される。一方、側面LDsは、めっき膜である金属膜SDが形成された後に回転刃を用いた切削加工により形成された面である。このため、側面LDsには、めっき膜が形成されない。このように、めっき膜を形成した後で金属部材の一部を切断する方式で製造する場合、めっき膜の製造方法として、電解めっき法を採用することができる。
【0042】
また、
図3に示すように、複数のリードLDのそれぞれには、封止体MRの側面MRsgに沿って金属バリMbr1が、下面MRgに沿って金属バリMbr2が、側面MRsに沿って金属バリMbr3が、それぞれ形成されている。金属バリMbr1は、リードLDの側面LDsgの外縁を構成する複数の辺のうち、一つの辺から延びるように形成されている。
【0043】
詳しくは、複数のリードLDの配列方向(
図3の例ではX方向)に沿って、リードLDの側面LDsgは、互いに対向する辺FS1と辺FS2を有する。また、側面LDsgの辺FS1には、X方向に沿って延びる金属バリMbr1が形成され、辺FS2には金属バリMbr1は形成されていない。この金属バリMbr1は、段差部GPを形成する際に、回転刃を用いて切削加工を施した時に発生するものである。金属を回転刃により切削する場合、回転刃の進行方向に切削された金属の一部が引きずられて金属バリMbr1が形成される。
図3に示す例では、側面LDsgの辺FS2から辺FS1の方向に向かって回転刃が回転したことが判る。この金属バリMbr1は、主に辺FS1側の壁部LDwを構成する金属が引きずられて形成される。
【0044】
一方、辺FS2から辺FS1に向かって回転刃が回転すると、辺FS2側の壁部LDwの金属が引きずられて金属屑となり、凹部LDd内に溜まる。詳細は後述するが、本実施の形態では、凹部LDd内にたまった金属屑を除去した後で金属膜SDを形成する。したがって、完成した半導体装置1のリードLDの側面LDsgの辺FS2側や凹部LDd内に、金属バリMbr1が形成されていない、
図3に示すような半導体装置1が得られる。
【0045】
また、複数のリードLDの配列方向(
図3の例ではX方向)に沿って、リードLDの下面LDgは、互いに対向する辺FS3と辺FS4を有する。また、下面LDgの辺FS3には、X方向に沿って延びる金属バリMbr2が形成され、辺FS4には金属バリMbr2は形成されていない。この金属バリMbr2は、上記した金属バリMbr
1と同様に、段差部GPを形成する際に、回転刃にリードLDの金属が引きずられて発生するものである。したがって、金属バリMbr2の延在方向と金属バリMbr1の延在方向は同じである。
【0046】
また、複数のリードLDの配列方向(
図3の例ではX方向)に沿って、リードLDの側面LDsは、互いに対向する辺FS5と辺FS6を有する。また、側面LDsの辺FS5には、X方向に沿って延びる金属バリMbr3が形成され、辺FS6には金属バリMbr3は形成されていない。この金属バリMbr3は、上記金属バリMbr1や金属バリMbr2とは異なり、段差部GPを形成した後、段差部形成用(切り込み部形成用)よりも切削加工幅が狭い回転刃を用いて更に切削加工を施すことで発生する。言い換えれば、金属バリMbr3は、複数のデバイス領域を分割する個片化工程において用いる個片化用の回転刃の進行方向に切削された金属の一部が引きずられて形成される。したがって、
図3に示す例では、金属バリMbr3の延在方向は金属バリMbr1、Mbr2の延在方向と同じであるが、変形例としては、金属バリMbr3の延在方向は金属バリMbr1、Mbr2の延在方向の反対方向である場合もある。
【0047】
また、詳細は後述するが、本実施の形態では、段差部GPを形成し、段差部を覆うように金属膜SDを形成した後で、側面LDsを露出させる個片化工程を行う。このため、金属バリMbr1、Mbr2にはめっきが形成され、金属バリMbr3にはめっきが形成されていない。
【0048】
なお、
図3では、金属バリMbr1、Mbr3の形成位置などを判り易く示すため、大きな金属バリMbr1、Mbr2、Mbr3を描いている。しかし、半導体装置1の製造工程で、洗浄を行うことにより、金属バリMbr1、Mbr2、Mbr3の大部分は除去できる。したがって、
図3に示すように大きい金属バリMbr1、Mbr2、Mbr3が残留している場合よりも、バリMbr1、Mbr2、Mbr3の一部が残留している場合の方が多い。
【0049】
また、半導体装置1の実装信頼性を向上させる観点からは、リードLDの露出面の大部分が金属膜SDで覆われていることが好ましい。例えば、本実施の形態では、金属膜SDに覆われない側面LDsの面積を小さくすることで、
図3に示す側面LDsgの最も厚い部分(凹部LDdが形成されていない部分)の厚さは、側面LDsの厚さよりも厚い。
図3に示す例では、側面LDsgの最も厚い部分の厚さは、リードLDの全体の厚さ(
図5に示す上面LDtから下面LDbまでの距離)に対して、3/4以上になるように形成されている。例えば、リードLDの全体の厚さが0.2mmである場合、側面LDsgの最も厚い部分の厚さは、0.15mm程度であり、側面LDsの厚さは、0.05mm程度である。
【0050】
また、詳細は後述するが、本実施の形態では、
図3に示す段差部GPを設けることにより、側面LDsを露出させる個片化工程において回転刃が凹部LDdと接触しないようにすることで、凹部LDd内に金属屑が生じることを防止する。このため、段差部GPの深さは、凹部LDdの深さよりも深くすることが好ましい。本実施の形態では、リードLDの下面LDbを基準面とした時に、基準面から凹部LDdの最も深い部分(底面)までの距離は、基準面から下面LDgまでの距離よりも短い。このため、側面LDsを露出させる個片化工程において回転刃が凹部LDdと接触することを防止できる。
【0051】
上記した段差部GPと凹部LDdの関係を以下のように表現することができる。すなわち、
図3に示すように、凹部LDdは、下面LDgおよび側面LDsには形成されていない。側面LDsを露出させる個片化工程において回転刃が凹部LDdと接触することを防止することができれば、
図3に示すように、凹部LDdは、下面LDgおよび側面LDsには形成されない。
【0052】
また、
図2Bに示すように、下面LDb側から見た時、リードLDの延在方向DLにおける下面LDgの長さは、リードLDの延在方向DLにおける下面LDbの長さよりも短い。側面LDsを露出させる個片化工程において回転刃が凹部LDdと接触することを防止する観点からは、Y方向における下面LDgの長さは、回転刃による加工精度を考慮した長さがあれば、短くても良い。一方、リードLDの実装面の露出面積を大きくして、実装強度を向上させる観点からは、凹部LDdの長さを長くすることが好ましい。したがって、
図2Bに示すように、リードLDの延在方向DLにおける下面LDgの長さは、リードLDの延在方向DLにおける下面LDbの長さよりも短くなっていれば、実装強度を向上させ、かつ、回転刃が凹部LDdと接触することを防止できる。
【0053】
また、
図2Bに示すように、下面LDb側から見た時、リードLDの延在方向DLにおける凹部LDdの長さは、リードLDの延在方向DLにおける下面LDbの凹部LDdが形成されていない部分の長さよりも長い。上記したように、凹部LDdの周縁部から遠い側の端部は、リードLDの下面LDb内で終端している。これにより、製造工程中に、凹部LDd内に封止体MRの原料である樹脂が流れ込むことを抑制できる。詳細は後述するが、封止体MRを形成する工程において、凹部LDdの周囲が下面LDbに囲まれていれば、封止体MRの原料である樹脂が流れ込むことを抑制できる。したがって、
図2Bに示すように、リードLDの延在方向DLにおける凹部LDdの長さが、リードLDの延在方向DLにおける下面LDbの凹部LDdが形成されていない部分の長さよりも長い場合、実装強度を向上させ、かつ、封止体MRの原料である樹脂が流れ込むことを抑制できる。
【0054】
次に、
図2Aに示すように、ダイパッド(チップ搭載部、タブ)DPの下面DPbは、封止体MRの下面MRbにおいて、封止体MRから露出している。つまり、半導体装置1は、ダイパッド露出型(タブ露出型)の半導体装置である。また、ダイパッドDPは、封止体MRよりも熱伝導率が高い金属材料からなり、本実施の形態では、例えば例えば銅(Cu)を主成分とする金属から成る。このように、ダイパッド露出型の半導体装置は、熱伝導率が封止体MRよりも高い、例えば、銅(Cu)などの金属部材(ダイパッドDP)を露出させることで、ダイパッドDPが露出しない半導体装置と比較して、パッケージの放熱性を向上させることができる。また、
図2Aに示す例では、ダイパッドDPの下面DPbには、実装時に接合材として機能する金属膜SDが形成され、上記基材の下面を覆っている。金属膜SDは上記したように例えばめっき法(詳しくは電解めっき法)により形成されためっき膜(半田膜、電解めっき膜)である。
【0055】
また、
図2Aに示すように、半導体装置1は、封止体MRの角部MRk(側面MRsの交点)の近傍において、吊りリードTLの一部が封止体MRから露出している。詳しくは、
図4に示すように、吊りリードTLの一方の端部は、ダイパッドDPに接続される。一方、吊りリードTLの他方の端部は、
図4に示すように角部MRkの近傍で二方向に分岐して、
図2Aに示すように封止体MRの周縁部において、封止体MRから露出している。
【0056】
吊りリードTLは、ダイパッドDPと一体に形成されるので、吊りリードTLはダイパッドDPと同じ金属材料から成る。本実施の形態では、例えば銅(Cu)を主成分とする金属から成る。また、
図2Aに示すように本実施の形態では、封止体MRの下面MRb側の周縁部を囲むように、段差部GPが形成されている。したがって、吊りリードTLの露出部TL2(
図6参照)の下面(吊りリード下面)TLb2の一部が段差部GPにおいて、封止体MRから露出している。また、
図2Aに示すように、吊りリードTLの露出部の下面TLb2には、金属膜SDが形成される。
【0057】
<内部構造>
次に半導体装置1の内部構造について説明する。
図4に示すように、ダイパッドDPの上面(チップ搭載面)DPtは、平面形状が四角形(四辺形)から成る。本実施の形態では、例えば正方形である。また、
図4に示す例では、半導体チップCHPの外形サイズ(裏面CPbの平面サイズ)よりも、ダイパッドDPの外形サイズ(平面サイズ)の方が大きい。このように半導体チップCHPを、その外形サイズよりも大きい面積を有するダイパッドDPに搭載し、ダイパッドDPの下面DPbを封止体MRから露出させることで、放熱性を向上させることができる。
【0058】
また、
図4に示すようにダイパッドDP上には、半導体チップCHPが搭載されている。半導体チップCHPはダイパッドDPの中央に搭載されている。
図5に示すように半導体チップCHPは、裏面CPbがダイパッドDPの上面DPtと対向した状態で、ダイボンド材(接着材)DBを介してダイパッドDP上に搭載されている。つまり、複数のパッドPDが形成された表面(主面)CPtの反対面(裏面CPb)をチップ搭載面(上面DPt)と対向させる、所謂、フェイスアップ実装方式により搭載されている。このダイボンド材DBは、半導体チップCHPをダイボンディングする際の接着材である。ダイボンド材DBとしては、例えば樹脂接着材、樹脂接着材に、銀(Ag)などから成る金属粒子を含有させた導電性接着材、あるいは半田材などを用いることができる。ダイボンド材DBとして半田材を用いる場合には、融点を上昇させる目的で、鉛を含む半田材を用いる場合がある。
【0059】
図4に示すように、ダイパッドDP上に搭載される半導体チップCHPの平面形状は四角形から成る。また、
図5に示すように、半導体チップCHPは、表面(主面、上面)CPtと、表面CPtとは反対側の裏面(主面、下面)CPbと、この表面CPtと裏面CPbとの間に位置する側面CPsとを有している。そして、
図4および
図5に示すように、半導体チップCHPの表面CPtには、複数のパッド(ボンディングパッド)PDが形成されており、本実施の形態では、複数のパッドPDが表面CPtの各辺に沿って形成されている。また、図示は省略するが、半導体チップCHPの主面(詳しくは、半導体チップCHPの基材(半導体基板)の上面に設けられた半導体素子形成領域)には、複数の半導体素子(回路素子)が形成されている。また、複数のパッドPDは、半導体チップCHPの内部(詳しくは、表面CPtと図示しない半導体素子形成領域の間)に配置される配線層に形成された配線(図示は省略)を介して、この半導体素子と電気的に接続されている。
【0060】
半導体チップCHP(詳しくは、半導体チップCHPの基材)は、例えばシリコン(Si)から成る。また、表面CPtには、半導体チップCHPの基材および配線を覆う絶縁膜が形成されており、複数のパッドPDのそれぞれの表面は、この絶縁膜に形成された開口部において、絶縁膜から露出している。また、このパッドPDは金属からなり、本実施の形態では、例えばアルミニウム(Al)、あるいはアルミニウム(Al)を主体とする合金層から成る。
【0061】
また、
図4に示すように、半導体チップCHPの周囲(詳しくは、ダイパッドDPの周囲)には、例えば、ダイパッドDPと同じ銅(Cu)から成る複数のリードLDが配置されている。そして、半導体チップCHPの表面CPtに形成された複数のパッド(ボンディングパッド)PDは、複数のリードLDと、複数のワイヤ(導電性部材)BWを介してそれぞれ電気的に接続されている。ワイヤBWは、例えば、金(Au)あるいは銅(Cu)から成り、ワイヤBWの一方の端部がパッドPDに接合され、他方の端部がリードLDの上面LDtのボンディング領域に接合されている。また、
図4および
図5に示すように、リードLDの上面LDtのボンディング領域(ワイヤBWが接続された部分)には、金属膜(めっき、めっき膜)BMが形成されている。金属膜BMは例えば、銀(Ag)を主要な成分とする金属から成る。本実施の形態に対する変形例としては、
図5に示す金属膜BMを形成せず、リードLDの上面LDtのボンディング領域に直接ワイヤBWを接合することもできる。本実施の形態のように、リードLD(インナリード部)のボンディング領域(ワイヤボンディング領域)の表面に、銀(Ag)から成る金属膜BMを形成すれば、ワイヤBWとリードLDの接続部分における接続強度を向上させることができる。
【0062】
また、
図5に示すように、リードLDは封止体MRに封止される上面(ワイヤボンディング面、リード上面)LDtと上面LDtの反対側に位置し、封止体MRの下面MRbにおいて封止体MRから露出する下面(実装面、リード下面)LDbを有する。また、リードLDは、外周側に側面LDsを有する。また、上記したようにリードLDは、側面LDsに連なり、かつ、下面LDbと上面LDtの間に位置する下面(段差面、中間面)LDgを備えている。また、側面LDsの内側には、下面LDbと下面LDgに連なる側面LDsgを備えている。
【0063】
また、
図4に示すように、ダイパッドDPには、複数の吊りリードTLが接続(連結)されている。複数の吊りリードTLは、それぞれ一方の端部が、平面視において四角形を成すダイパッドDPの角部(角)に接続されている。また複数の吊りリードTLはそれぞれ他方の端部が封止体MRの角部MRkに向かって延び、角部MRkの近傍で二方向に分岐している。
【0064】
また、
図6に示すように、吊りリードTLの一部(封止部TL1)には、下面側からハーフエッチング処理が施され、下面側が封止体MRにより封止されている。言い換えれば、吊りリードTLの上面TLtから下面TLb1までの厚さは、
図5に示すリードLDの上面LDtから下面LDbまでの厚さよりも薄い。このため、
図2Aに示すように、封止体MRの下面MRb側から見た時に、封止体MRの下面MRbには吊りリードTLは露出していない。つまり、吊りリードTLの一部(封止部TL1)を封止体MRにより封止することで、吊りリードTLを封止体MRに固定することができるので、吊りリードTLが封止体MRから抜け落ちることを防止することができる。
【0065】
ただし、
図2Aに示すように封止体MRの下面MRbの周囲には、全周に亘って段差部GPが形成されている。このため、吊りリードTLの一部(
図6に示す露出部TL2)も段差部GPの一部を構成する。吊りリードTLの露出部TL2は、段差部GPを形成する際に、吊りリードTLの下面側が切削加工され、吊りリードTLの下面TLb2が封止体MRから露出する。また、吊りリードTLの下面TLb2には、金属膜SDが形成される。
【0066】
また、上記したように、吊りリードTLは下面側からハーフエッチング処理により形成されるので、
図6に示す吊りリードTLの上面TLtの高さは、封止部TL1と露出部TL2で同じ高さになっている。また、吊りリードTLの上面TLtの高さは、ダイパッドDPの上面DPtの高さと同一になっている。また、
図6に示す吊りリードTLの上面TLtの高さは、
図5に示すリードLDの上面LDtの高さと同じになっている。
【0067】
<半導体装置の実装方法>
次に、
図1〜
図5を用いて説明した半導体装置を実装基板に実装する方法の例について説明する。
図7は
図5に示す半導体装置を実装する実装基板の実装面に接合材を塗布した状態を示す拡大断面図である。また、
図8は、
図7に示す実装基板の実装面側を示す拡大平面図である。また、
図9は、
図7に示す実装基板上に
図5に示す半導体装置を配置した状態を示す拡大断面図、
図10は、
図9に示す接合材を加熱してリードとランドを接合した状態を示す拡大断面図である。
【0068】
なお、
図8では、実装基板MB側のランドLNDaを示すため、
図7に示す接合材SPを塗布する前の状態を示している。
【0069】
本実施の形態で説明する半導体装置の実装方法では、まず、
図7および
図8に示す実装基板MBを準備する(基板準備工程)。実装基板(マザーボード、配線基板)MBは、電子部品搭載面である上面(搭載面)MBtを有し、
図1〜
図5を用いて説明した半導体装置1は、上面MBt上に搭載される。上面MBtには、実装基板側の端子である複数のランド(端子)LNDが配置される。
図8に示す例では、実装基板MBは、複数のランド(リード接続用端子)LNDaおよびランド(ダイパッド接続用端子)LNDbを備える。上面MBtは、絶縁膜(ソルダレジスト膜)SRmに覆われるが、絶縁膜SRmは、複数のランドLNDと重なる位置に開口部が形成され、この開口部において、複数のランドLNDは絶縁膜SRmから露出している。
【0070】
次に、
図7に示すように、実装基板MBの上面MBtに設けられた複数のランドLND上に、それぞれ接合材SPを配置(塗布)する(接合材配置工程)。
図7に示す例では、接合材SPは、クリーム半田(あるいは、ペースト半田)と呼ばれる半田材である。クリーム半田には、導電性の接合材となる半田成分と、接合部の表面を活性化させるフラックス成分とが含まれ、常温でペースト状である。また、接合材の塗布方法は、例えばスクリーン印刷により、塗布することができる。本工程により、複数のランドLND上にそれぞれ接合材SPが配置される。
図2Aに示す例では、半導体装置1は、複数のリードLDおよびダイパッドDPのそれぞれが封止体MRの下面MRbにおいて露出しており、これらをそれぞれ実装基板MBのランドLNDに接続する。このため、本工程では、
図8に示す複数のランドLNDa、およびランドLNDb上に、それぞれ
図7に示す接合材SPを塗布する。
【0071】
次に、
図9に示すように、半導体装置1を実装基板MBの上面MBt上に配置する(パッケージマウント工程)。本工程では、半導体装置1の端子の位置と実装基板MB上のランドLNDの位置が重なるように位置合わせをして、実装基板MBの実装面である上面MBt上に半導体装置1を配置する。詳しくは、本工程では、半導体装置1のダイパッドDPが実装基板MBのランドLNDb上に、複数のリードLDが複数のランドLNDa上にそれぞれ配置される。
【0072】
次に、実装基板MB上に半導体装置1が配置された状態で加熱処理を施し、
図10に示すように、複数のリードLDと複数のランドLNDaのそれぞれを、接合材JMを介して接合する(リフロー工程)。
図10に示す接合材JMは、
図9に示す接合材SPに含まれる半田成分と、金属膜SDの半田成分が一体化して形成された導電性部材(半田材)である。また、接合材JMの一方の面はリードLDの下面LDbに接合され、接合材JMの他方の面は、ランドLNDaの露出面に接合される。つまり、本工程では、複数のリードLDと複数のランドLNDaのそれぞれが、接合材JMを介して電気的に接続される。
【0073】
また、ダイパッド接続用端子であるランドLNDb上では、接合材JMの一方の面はダイパッドDPの下面DPbに接合され、接合材JMの他方の面は、ランドLNDbの露出面に接合される。つまり、本工程では、ダイパッドDPから実装基板MBに接続される放熱経路が形成される。また、ダイパッドDPを例えば基準電位供給用などの端子として用いる場合には、本工程で、ダイパッドDPとランドLNDbが、接合材JMを介して電気的に接続される。
【0074】
本工程では、
図9に示す接合材SPが加熱されると、接合材SPに含まれるフラックス成分が流れ出て、金属膜SDやランドLNDの露出面を活性化させる。これにより、接合材SPに含まれる半田成分と金属膜SD、ランドLNDが濡れ易い状態になる。さらに加熱すると、半田成分の融点に到達し、半田成分が溶融する。
【0075】
この時、金属膜SDおよびランドLNDは半田と濡れ易い状態(半田濡れ性が高い状態)になっているので、半田成分はランドLNDの露出面および金属膜SDの形成面に濡れ広がる。これにより、
図10に示すように、接合材JMはランドLNDの露出面全体に濡れ広がる。また、接合材JMはダイパッドDPの露出面である下面DPb全体に濡れ広がる。また、接合材JMは、リードLDの露出面のうち、下面LDbおよび段差部GPに濡れ広がる。
【0076】
一方、
図9に示すように、側面LDsには金属膜SDが形成されていないため、側面LDsには、
図10に示す接合材JMは一般的に濡れ広がり難い。
【0077】
ここで、半導体装置1の実装強度について説明する。半導体装置1は、実装基板MBに実装された後、使用環境において温度サイクル負荷が印加される。温度サイクル負荷とは、実装基板MB上に半導体装置1が実装された実装構造体の環境温度が繰り返し変化することにより生じる負荷である。温度サイクル負荷としては、例えば、実装構造体を構成する各部材の線膨張係数の違いに起因して発生する応力がある。この応力は、半導体装置1の実装面の周縁部に集中し易い。このため、温度サイクル寿命(温度サイクル負荷により接続部が損傷するまでの温度サイクル回数)を延ばすためには、実装面の周縁部に配置されるリードLDとランドLNDの接続部の強度を向上させることが好ましい。
【0078】
本実施の形態の半導体装置1は、リードLDの実装面の周縁部側に側面LDsに連なる段差部GPを設けている。これにより、温度サイクルにより発生する応力が最も集中しやすい側面LDsの直下において、接合材JMの厚さを厚くすることができる。したがって、リードLDとランドLNDaの接合部のうち、特に応力が集中し易い部分の強度を向上させて半導体装置1の接続信頼性を向上させることができる。
【0079】
また、本実施の形態のリードLDは、
図3を用いて説明したように、段差部GPの側面LDsgの一部が開口するように形成された凹部LDdを有する。言い換えれば、リードLDは、互いに交差する複数の面が接合材JM(
図10参照)と接合される。
図3に示す例では、下面LDg、下面LDgに連なる側面LDsg、凹部LDdを構成する湾曲面、およびリードLDの下面LDbが
図10に示す接合材JMに接合される。このため、接合材JMとリードLDの接合強度を向上させることができる。
【0080】
また、単に段差部GPのみを形成する場合と比較すると、本実施の形態によれば、接合材JM(
図10参照)とリードLDの接触面積を増大させることができる。したがって、接合材JMとリードLDの接触面積が増加したことに伴う効果として、リードLDと接合材JMの接合強度を向上させることができる。
【0081】
特に、半導体装置1を小型化する場合、各リードLDの寸法が小さくなるので、実装面である下面LDbの面積が小さくなる。本実施の形態によれば、リードLDの下面LDbの面積が小型化により、小さくなった場合でも、凹部LDdおよび段差部GPを設けることで、実装強度の低下を抑制できる。言い換えれば、リードLDの実装強度を向上させることにより、リードLDの下面LDbの面積は小さくすることができるので、半導体装置1を小型化することができる。
【0082】
本実施の形態の半導体装置の実装方法では、次に、実装基板MB上に搭載された半導体装置1と実装基板MBの接続部、すなわち、接合材JMによる接合状態を検査する(検査工程)。本工程では、例えば半導体装置1の上面側(
図10に示す封止体MRの上面MRt側)から目視により接続状態の外観を検査することもできるが、検査を効率的に行う観点から画像処理を利用して検査することが好ましい。
【0083】
例えば、
図11に模式的に示す検査装置(外観検査装置)10を用いて検査することができる。
図11は、
図10に示す実装構造体の外観検査工程の構成を模式的に示す説明図である。
【0084】
検査装置10は、被検査対象部分に光を照射する光照射部11、被検査対象部で反射される光を検出して撮像する撮像部12、および撮像部12と電気的に接続される制御部13を備えている。制御部13には、例えば、撮像部12で得られたデータに処理(画像処理)を施す画像処理部、および画像処理後のデータを評価し、良否判定を行う判定部などが含まれる。上記したように、本工程では、特に、接合材JMによる接合状態を検査するので、光照射部11は、半導体装置1の上面側(封止体MRの上面MRt側)に配置され、接合材JMに向かって光が照射される。また、撮像部12も、半導体装置1の上面側(封止体MRの上面MRt側)に配置され、接合材JMで反射された光を検知し、撮像する。
【0085】
ここで、リードLDに段差部GPや凹部LDdが形成されていない場合、接合材JMの量の調整が難しい。このため、リードLDとランドLNDaの接合強度を向上させる観点から接合材JMの量を増やすと、リードLDの外側において、接合材JMの一部が上方に盛り上がった形状になり易い。しかし、この場合、以下の問題が生じる。
【0086】
すなわち、上記したように、検査工程では、リードLDの外側の接合材JMを撮影し、得られた画像データを利用して良否判定を行う。ところが、リードLDの外側で、接合材JMが上方に盛り上がっている場合、盛り上がった部分の形状によって、光の反射方向が不安定になる。このため、撮像部12に到達する反射光の量が減少し、誤判定の原因となる。
【0087】
一方、本実施の形態の半導体装置1の場合、
図10に示すように、リードLDの実装面側に段差部GPおよび凹部LDdが設けられている。このため、段差部GPとランドLNDaの間、および凹部LDdとランドLNDaの間に接合材JMを埋め込むスペースが生じる。また、凹部LDdおよび段差部GPにより形成されたスペースに接合材JMを埋め込むことにより、接合材JMの一部が上方に盛り上がった形状にはなり難く、例えば
図10および
図11に示すように露出面が平坦または、若干窪んだ、フィレット形状になり易い。
【0088】
図11に示すように、接合材JMの露出面が、平坦または、若干窪んだ、フィレット形状となっている場合、接合材JMに照射された光の反射方向が安定する。このため、撮像部12に到達する反射光の量が増加し、正確な判定処理を行うことが可能となる。
【0089】
このように、本実施の形態によれば、接合材JMによる接合部の接合強度を向上させることにより、半導体装置1の温度サイクル寿命を延ばすことができる。つまり、半導体装置1の信頼性を向上させることができる。また、
図11に示すように、本実施の形態によれば、接合材JMの露出面が、平坦または、若干窪んだ、フィレット形状になるので、実装時の不具合を容易に検出することができる、この結果、半導体装置1の実装信頼性を向上させることができる。
【0090】
<半導体装置の製造方法>
次に、
図1〜
図11に示す半導体装置1の製造方法について、説明する。本実施の形態における半導体装置1は、
図12に示す組立てフローに沿って製造される。
図12は、
図1に示す半導体装置の組み立てフローを示す説明図である。
【0091】
1.リードフレーム準備工程;
まず、
図12に示すリードフレーム準備工程として、
図13に示すようなリードフレームLFを準備する。
図13は、
図12のリードフレーム準備工程で準備するリードフレームの全体構造を示す平面図、
図14は、
図13に示す複数のデバイス領域のうち、2つのデバイス領域周辺の拡大平面図である。また、
図15は、
図14に示すリードフレームの実装面側の平面を示す拡大平面図、
図16は、
図15のA部の拡大平面図である。また、
図17は、
図16のA−A線に沿った拡大断面図である。
【0092】
本工程で準備するリードフレームLFは、外枠LFfの内側に複数のデバイス領域(製品形成領域)LFdを備えている。
図13に示す例では、リードフレームLFは、行方向に16個、列方向に4個のデバイス領域LFdが、マトリクス状に配置され、合計64個のデバイス領域LFdを備えている。リードフレームLFは、金属から成り、本実施の形態では、例えば銅(Cu)、または銅(Cu)からなる基材の表面に例えばニッケル(Ni)からなる金属膜(図示は省略)が形成された積層金属膜から成る。
【0093】
また、各デバイス領域LFdの間には、各デバイス領域LFdの周囲をそれぞれ囲むダイシング領域LFcが配置されている。このダイシング領域LFcは、後述する個片化工程(
図12参照)において、切断される領域である。また、
図14に示すようにダイシング領域LFcは、複数のリードLDの周囲を囲むように形成される。また、ダイシング領域LFcには、デバイス領域LFdの周囲を囲むようにタイバー(リード連結部)LFtbが配置される。タイバーLFtbは複数のリードLD、および
図13に示す外枠(枠体)LFfと一体に形成されている。
【0094】
図14に示すように、各デバイス領域LFdの中央部には、平面視において四角形を成すダイパッドDPが形成されている。ダイパッドDPは複数の吊りリードTL、およびタイバーLFtbを介して
図13に示す外枠LFfに支持される。詳しくは、ダイパッドDPの4つの角部には、それぞれ吊りリードTLが接続される。吊りリードTLは、デバイス領域LFdの角部に向かって延び、角部周辺で二股に分岐してタイバーLFtbに接続される。各デバイス領域LFdの複数の吊りリードTLのそれぞれは、ダイシング領域LFcにおいてタイバーLFtbに連結されている。また、最外周に設けられたデバイス領域LFdでは、外枠LFfが、
図14に示すタイバーLFtbの機能を兼ねる。
【0095】
また、ダイパッドDPの周囲には、複数の吊りリードTLの間に、それぞれ複数のリードLDが形成されている。また、複数のリードLDは、ダイパッドDPに対して、複数のリードLDよりも外側のダイシング領域LFcに配置されるタイバーLFtbにそれぞれ接続されている。
【0096】
言い換えれば、リードフレームLFは、タイバーLFtb、平面視においてタイバーLFtbの内側に配置されたダイパッドDP、ダイパッドDPとタイバーLFtbを連結する複数の吊りリードTL、およびダイパッドDPとタイバーLFtbの間に配置される複数のリードLD、を備える。
【0097】
さらに言い換えれば、
図14に示すようにリードフレームLFは、互いに隣り合うデバイス領域LFdを有し、各デバイス領域LFdには、それぞれ複数のリードLDが設けられている。また、一方のデバイス領域LFdと他方のデバイス領域LFdの間には、タイバーLFtbが設けられ、タイバーLFtbには、複数のリードLDがそれぞれ繋がる。
【0098】
また、リードフレームLFの裏面側では一部の領域において、板厚が薄くなるように、予め加工が施されている。詳しくは、
図15にハッチングを付して示すように、リードフレームLFは、他の領域よりも板厚が薄い、薄肉部(ハーフエッチング部)LFhfを有する。
図15に示す例では、リードフレームLFの下面側から厚さ方向に途中までエッチング処理を施す、所謂、ハーフエッチング処理により、薄肉部LFhfを形成している。吊りリードTLおよびタイバーLFtbのうち、吊りリードTLに連結される部分の厚さが、リードLDの他部の厚さよりも薄くなっている。例えば、
図15に示すダイパッドDPの厚さは0.2mm程度であるが、吊りリードTLおよびタイバーLFtbの薄肉部LFhfの厚さは0.1mm程度である。このように吊りリードTLの少なくとも一部を他の部分(例えばダイパッドDP)よりも薄く形成することで、
図12に示す封止工程において、吊りリードTLの下面側を封止することができる。このため、ダイパッドDPを封止体MR(
図1参照)から露出させた場合でもダイパッドDPが封止体MRから脱落することを抑制できる。
【0099】
また、
図15に示すように、各デバイス領域LFdに形成された複数のリードLDには、溝部(ディンプル、凹部、窪み部)LDtrが形成されている。詳しくは、
図16および
図17に示すように、溝部LDtrは、隣り合う二つのデバイス領域LFdを跨ぐように延びる。
図16および
図17に示す例では、溝部LDtrは、リードLD1、LD2の延在方向と同じ、X方向に沿って延びるように形成されている。本実施の形態では、
図12に示す切り込み部形成工程において、溝部LDtrを長手方向(延在方向)に分断することで、溝部LDtrの両隣に、
図3を用いて説明した凹部LDdが形成される。
【0100】
図16に示すように、リードフレームLFは、ダイシング領域LFcを介して互いに隣り合うデバイス領域LFd1とデバイス領域LFd2とを有する。また、デバイス領域LFd1はリードLD1を、デバイス領域LFd2はリードLD2を、それぞれ有する。リードLD1とリードLD2は、連結されている。
図16に示す例では、リードLD1とリードLD2は、タイバーLFtbを介して対向する位置に配置され、リード連結部であるタイバーLFtbを介して連結されている。また、
図16に示す例では、リードLD1とリードLD2は、平面視において、X方向に沿って直線状に配置される。溝部LDtrは、リードLD1およびリードLD2の下面LDb側において、リードLD1とリードLD2を連通するように形成される。
図16に示す例では、溝部LDtrは、リードLD1およびリードLD2の下面LDb側において、タイバーLFtbを跨いでX方向に延びるように形成される。
【0101】
リードLDの下面LDb側から見た時に、溝部LDtrの幅(
図16に示す例では、複数のリードLDのそれぞれが延在するX方向に直交するY方向の開口長さ)は、複数のリードLD1およびリードLD2の幅よりも狭い。溝部LDtrは、リードLDの幅方向において中央部分に形成されている。
【0102】
言い換えれば、下面LDb側から見た時、下面LDbは、延在方向に沿って延び、かつ互いに対向する辺FbS1と辺FbS2を有し、溝部LDtrは、辺FbS1と辺FbS2の間に形成されている。このため、リードLDの幅方向において、溝部LDtrの両隣には、溝部LDtrの内側面を持つ壁部LDwが形成されている。
【0103】
また、溝部LDtrは、連結されたリードLD1およびリードLD2の長手方向(延在方向)(
図16および
図17ではX方向)において中央部分に形成されている。言い換えれば、溝部LDtrの長手方向(延在方向)の両端部は、リードLD1、LD2の下面LDb内で終端している。
【0104】
このため、
図17に示すようにリードLDの長手方向(延在方向)において、溝部LDtrの両隣には、リードLDの上面LDtおよび下面LDbを持つ、厚肉部分(溝部LDtrよりも厚さが大きい部分)が形成されている。
図12に示すワイヤボンディング工程では、リードLDの厚肉部分にワイヤBW(
図5参照)を接続する。
【0105】
また、平面視における溝部LDtrの位置は、以下のように表現することができる。すなわち、
図16に示すように、平面視において、溝部LDtrの周囲は、リードLDの下面LDbに連続的に囲まれている。言い換えれば、溝部LDtrは、リードLDの側面と重ならない位置に形成されている。
【0106】
図16に示す溝部LDtrは、リードフレームLFの下面側から厚さ方向に途中までエッチング処理を施す、所謂、ハーフエッチング処理により形成することができる。つまり、リードフレームLFを製造する際に、
図15に示す薄肉部LFhfと、溝部LDtrは、ハーフエッチング処理により、一括して形成することができる。
【0107】
2.半導体チップ搭載工程;
次に、
図12に示す半導体チップ搭載工程として、
図18および
図19に示すように半導体チップCHPを、ダイパッドDP上にダイボンド材DBを介して搭載する。
図18は、
図14に示すダイパッド上に、ボンディング材を介して半導体チップを搭載した状態を示す拡大平面図、
図19は、
図18のA−A線に沿った拡大断面図である。
【0108】
図19に示す例では、半導体チップCHPの裏面CPb(複数のパッドPDが形成された表面CPtの反対側の面)をダイパッドDPの上面DPtと対向させた状態で搭載する、所謂フェイスアップ実装方式で搭載する。また、
図18に示すように、半導体チップCHPはダイパッドDPの中央部に、表面CPtの各辺が、ダイパッドDPの各辺に沿って配置されるように搭載する。
【0109】
本工程では、例えば、エポキシ系の熱硬化性樹脂であるダイボンド材DBを介して半導体チップCHPを搭載するが、ダイボンド材DBは、硬化(熱硬化)させる前には流動性を有するペースト材である。このようにペースト材をダイボンド材DBとして用いる場合には、まず、ダイパッドDP上に、ダイボンド材DBを塗布し、その後、半導体チップCHPの裏面CPbをダイパッドDPの上面DPtに接着する。そして、接着後に、ダイボンド材DBを硬化させる(例えば硬化温度まで加熱する)と、
図19に示すように、半導体チップCHPはダイボンド材DBを介してダイパッドDP上に固定される。
【0110】
また、本工程では、複数のデバイス領域LFdのそれぞれに設けられたダイパッドDP上にダイボンド材DBを介して半導体チップCHPを搭載する。
図18に示す例では、デバイス領域LFd1に設けられたダイパッドDP上に半導体チップCHPを搭載し、デバイス領域LFd1の隣のデバイス領域LFd2に設けられたダイパッドDP上に別の半導体チップCHPを搭載する。
【0111】
なお、本実施の形態では、ダイボンド材DBに、熱硬化性樹脂からなるペースト材を用いる実施態様について説明したが、種々の変形例を適用することができる。例えば、樹脂ではなく、半田などの導電性材料を介して半導体チップCHPを搭載することができる。
【0112】
3.ワイヤボンディング工程;
次に、
図12に示すワイヤボンディング工程として、
図20および
図21に示すように、半導体チップCHPの複数のパッドPDと複数のリードLDとを、複数のワイヤ(導電性部材)BWを介して、それぞれ電気的に接続する。
図20は、
図18に示す半導体チップと複数のリードを、ワイヤを介して電気的に接続した状態を示す拡大平面図、
図21は、
図20のA−A線に沿った拡大断面図である。
【0113】
本工程では、例えば、各デバイス領域LFdのダイパッドDP上に半導体チップCHPが搭載されたリードフレームLFを、
図21に示すようにヒートステージ(リードフレーム加熱台)HS上に固定する。そして、半導体チップCHPのパッドPDとリードLDとを、ワイヤBWを介して電気的に接続する。ワイヤBWをパッドPDおよびリードLDに接続するワイヤボンディングは、例えば
図21に示すワイヤボンディングツールであるキャピラリCPを用いて行う。
【0114】
詳しくは、まず、キャピラリCPから突出するワイヤBWの先端を溶融させてボール部を形成する。次に、ボール部を第1ボンド側(例えばパッドPD)に押し付けて、圧着する。この時、ワイヤBWにキャピラリCPを介して、ワイヤBWのボール部に超音波を印加すれば、圧着時における被圧着部分の温度を低減することができる。
【0115】
次に、キャピラリCPからワイヤBWを繰り出しながら、キャピラリCPを移動させて、ワイヤループ形状を形成する。そして、キャピラリCPを第2ボンド側(例えば、リードLDのボンディング領域に形成された金属膜BM上)に移動させて、ワイヤBWとリードLDを接続する。リードLDの一部(インナリード部の先端に配置されたボンディング領域)には、例えば、銀(Ag)、あるいは金(Au)から成る金属膜BMが形成されている。ワイヤBWの一部は、この金属膜BMを介してリードLDと電気的に接続される。また、ワイヤBWは金属からなり、本実施の形態では、例えば金(Au)からなる。
【0116】
また、リードLDのボンディング領域は、下面LDbの反対側に位置する。つまり、リードLDのうち、板厚の厚い部分にワイヤBWを接合する。これにより、ワイヤBWをリードLDに接合する際に十分な荷重を付与することができるので、接合強度を向上させることができる。
【0117】
また、本工程では、複数のデバイス領域LFdにそれぞれ設けられた複数のリードLDにワイヤBWを接合する。これにより各デバイス領域LFdにおいて、半導体チップCHPと複数のリードLDが複数のワイヤBWを介して電気的に接続される。
【0118】
4.封止工程;
次に、
図12に示す封止工程として、
図22および
図23に示すように、封止体(封止体)MRを形成し、半導体チップCHP(
図23参照)、複数のワイヤBW(
図23参照)、および複数のリードLD(
図23参照)のそれぞれ一部を封止する。
図22は、
図20に示すリードフレームのデバイス領域に、封止体を形成した状態を示す平面図、
図23は
図22のA−A線に沿った拡大断面図である。また、
図24は封止工程において、成形金型内にリードフレームを配置した状態を示す断面図である。なお、
図23では、
図24に示す成形金型MDの一部を図示している。
【0119】
本工程では、
図23に示すように、各デバイス領域LFdに設けられた複数のリードLDの下面LDbがそれぞれ露出するように、封止体MRを形成する。また、本実施の形態では、
図23に示すように、各デバイス領域LFdに設けられたダイパッドDPの下面DPbがそれぞれ露出するように、封止体MRを形成する。本工程では、例えば、
図24に示す成形金型MDでリードフレームLFを挟んだ状態で、成形金型MD内に軟化した樹脂を圧入した後、硬化させる、所謂トランスファモールド方式により
図22に示す封止体MRを形成する。
【0120】
成形金型MDは、リードフレームLFの上側に配置する上型(第1金型)MD1と、リードフレームLFの下側に配置する下型(第2金型)MD2と、を備える。上型MD1は、リードフレームLFを押さえるクランプ面(金型面、押し付け面、面)MDc1と、クランプ面MDc1の内側に形成されたキャビティ(凹部)CBTを備える。また、下型MD2は、クランプ面MDc1と対向するように配置されてリードフレームLFを押さえるクランプ面(金型面、押し付け面、面)MDc2を備える。なお、下型MD2のクランプ面MDc2の内側にはキャビティは形成されていない。
【0121】
封止工程では、キャビティCBTに封止用の樹脂を圧入し、半導体チップCHP(
図23参照)、複数のワイヤBW(
図23参照)、および複数のリードLD(
図23参照)のそれぞれ一部を封止する。そして、キャビティCBTに供給した樹脂を熱硬化させることで、
図22に示す封止体MRを形成する。
【0122】
本実施の形態では、複数のデバイス領域LFdを一括して封止するように封止体MRを形成する。言い換えれば、
図24に示すように、封止工程では、リードフレームLFの複数のデバイス領域LFdが一つのキャビティCBT内に収まるように、リードフレームLFを成形金型MD内に配置する。
【0123】
また、
図23および
図24に示す例では、リードフレームLFと下型MD2の間には、樹脂フィルム(フィルム材)LMFが配置される。リードフレームLFは、下面側に樹脂フィルムLMFが貼り付けられた状態で、成形金型MD内に配置される。
【0124】
トランスファモールド方式の場合、成形金型の対向するクランプ面MDc1、MDc2(
図24参照)でリードフレームLFを挟むことによりリードフレームLFを固定する。しかし、一括封止方式の場合、デバイス領域LFd毎にキャビティCBTを設ける個片モールド方式と比較して、クランプ面MDc1、MDc2の面積が小さい。このため、
図23に示すように、リードLDの下面LDbと樹脂フィルムLMFを密着させるためには、樹脂フィルムLMFを予めリードフレームの下面側に貼り付けておくことが好ましい。
【0125】
これにより、
図23に示すように、リードLDの下面LDbおよびダイパッドDPの下面DPbを、樹脂フィルムLMFと密着させることができる。そして樹脂フィルムLMFを密着させることにより、リードLDの下面LDbおよびダイパッドDPの下面DPbに封止用の樹脂が回り込むことを抑制できる。つまり、リードLDの下面LDbおよびダイパッドDPの下面DPbを露出させることができる。
【0126】
また、本実施の形態では、リードLDの下面LDb側には、溝部LDtrが形成されている。また、
図16を用いて説明したように、平面視において、溝部LDtrの周囲は、リードLDの下面LDbに連続的に囲まれている。このため、リードLDの下面LDbの下面DPbを樹脂フィルムLMFと密着させれば、溝部LDtrへの樹脂の侵入を防止することができる。
【0127】
なお、
図15に示す吊りリードTLなどの薄肉部LFhfは、溝部LDtr(
図16参照)とは異なり、本工程において樹脂が回り込む構造になっている。このため、
図24に示すキャビティCBT内に樹脂を供給すると、樹脂の一部が吊りリードTL(
図15参照)と樹脂フィルムLMFの間に回り込み、吊りリードTLは樹脂によって封止される。
【0128】
5.切り込み部形成工程(第1カット工程);
次に、
図12に示す切り込み部形成工程として、
図25に示すリードLDの下面LDb側から回転刃であるブレードBD1(
図27参照)を用いて切削加工を施し、
図26および
図27に示すように切り込み部(切削溝、段差部)STを形成する。
図25は、
図22に示すリードフレームの実装面側において、リードおよび吊りリードの周辺を拡大して示す拡大平面図である。また、
図26は、
図25に示すリードフレームに切削加工を施し、切り込み部を形成した状態を示す拡大平面図である。また、
図27は
図26のA−A線に沿った拡大断面図である。また、
図28は
図26のB−B線に沿った拡大断面図である。なお、ブレードBD1の回転方向と進行方向を見やすくするため、
図26ではブレードBD1の進行方向に矢印を付して模式的に示し、
図27および
図28ではブレードBD1の回転方向に矢印を付して模式的に示す。
【0129】
本工程では、リードLDの下面LDb側からリードLD1とリードLD2の連結部(タイバーLFtbおよびリードLD1、LD2のタイバーLFtbに接続される部分)の下面LDb側の一部を切削する。本工程で使用するブレード(回転刃)BD1は、環状(リング状)または円盤状の切削加工治具であって、円の周縁に配置される切削加工部に複数の砥粒が固着されている。そして複数の砥粒が固着されたブレードBD1の切削加工部を被加工物に押し当てることで、被加工部を切削除去することができる。
【0130】
ブレードBD1を用いた切削加工処理の場合、ブレードBD1を回転させながら、回転軸に対して直交する方向にブレードBD1を進行させる。例えば
図26および
図27に示す例では、
図26および
図27にそれぞれ矢印を付して模式的に示すように、ブレードBD1を回転軸AXを中心に回転させながら、回転軸AXと直交するY方向(
図26参照)に沿ってブレードBD1を進行させる。
【0131】
また、
図26に示す例では、平面視において、リードLD1、LD2の下面LDbのうち、辺FbS2から辺FbS1に向かって、Y方向に沿ってブレードBD1を進行させる。また、ブレードBD1は、リードLD1とリードLD2を連結する連結部、
図26の場合にはタイバーLFtbと重なる位置を進行する。これによりブレードBD1の進行方向に沿って切削溝である切り込み部STを形成することができる。すなわち、リードLD1とリードLD2の連結部であるタイバーLFtbの延在方向に沿って溝状の切り込み部STが形成される。
【0132】
また、
図26に示すように、本工程において、
図3を用いて説明したリードLDが有する複数の面のうち、側面LDsg、および下面LDgが形成される。ブレードBD1の幅(回転軸に沿った方向の長さ)、言い換えれば本工程における切削加工幅は、後述する個片化工程(
図12参照)における切削加工幅よりも大きい。
図26に示す例では、切り込み部の幅(X方向の長さ)は、ダイシング領域LFcの幅よりも大きく、例えば0.4mmである。したがって、ブレードBD1の幅は、少なくともタイバーLDtbの幅(
図26に示す例では例えば0.20mm)よりも広い。なお、ダイシング領域LFcの幅は、例えば0.35mmである。このため、切り込み部の内側面である側面LDsgは、平面視において、デバイス領域LFd1およびデバイス領域LFd2の内側に形成される。この結果、
図3を用いて説明したように、側面LDsg、および下面LDgの一部は、半導体装置1の段差部GPとして残る。
【0133】
また、
図26に示すように、本工程では、ブレードBD1の進行方向に切削された金属の一部が引きずられて金属バリMbr2が形成される。
図26では、金属バリMbr2を示しているが、
図3に示す金属バリMbr1も本工程で形成される。ただし、本工程は、
図12に示すようにめっき工程の前に実施するので、本工程が終了した段階では、金属バリMbr1(
図3参照)、および金属バリMbr2にはめっき膜である金属膜SDは形成されていない。
【0134】
連結されたリードLD1およびリードLD2を下面LDb側から見た時、ブレードBD1の進行方向と交差する辺に金属バリMbr1、Mbr2は形成される。ただし、ブレードBD1の進行方向において、上流側の辺には金属バリMbr1、Mbr2は形成されず、下流側の辺に金属バリMbr1、Mbr2が形成される。このため、
図3を用いて説明したように、本工程では、側面LDsgの辺FS1には、X方向に沿って延びる金属バリMbr1が形成され、辺FS2には金属バリMbr1は形成されない。また、下面LDgの辺FS3には、X方向に沿って延びる金属バリMbr2が形成され、辺FS4には金属バリMbr2は形成されない。
【0135】
また、本工程では、連結されたリードLD1とリードLD2を連通するように形成された溝部LDtr(
図25参照)の延在方向の両端部の間を分断するように、切り込み部STを形成する。これにより、リードLD1とリードLD2を跨いで形成された溝部LDtrが分割され、
図26に示すように、リードLD1とリードLD2がそれぞれ有する凹部LDdが形成される。
【0136】
ここで、本工程では、ブレードBD1による切削加工処理に起因して、
図26および
図27に示すような金属屑SCMが発生する。回転するブレードBD1を用いて金属部材の切削加工を行う場合、ブレードBD1により切削された切削屑の多くは、回転するブレードBD1に掻き出され、外部に排出されるが、切削屑の一部が切削後の金属部材と切り離されずに残留する。
図26に示す金属バリMbr2や金属屑SCMは、切削後のリードLDと切り離されずに残留した切削屑である。
【0137】
このため、金属バリMbr2は、ブレードBD1の進行方向の下流側にある辺から延びるように形成される。また、
図25に示すように、ブレードBD1(
図26参照)の進行方向において、溝部LDtrの両隣には壁部LDwが形成されている。このうち、ブレードBD1の進行方向の下流側に配置される壁部LDw1で発生する切削屑の一部は、
図3を用いて説明した金属バリMbr1として残留する。また、溝部LDtrの両隣の壁部LDwのうち、ブレードBD1の進行方向の上流側に配置される壁部LDw2で発生する切削屑の一部は、
図26に示す金属屑SCMとして凹部LDd内に残留することが判った。
【0138】
凹部LDdの内部に残留する金属屑SCMを除去しないまま
図12に示すめっき工程を行うと、凹部LDdを覆うように金属膜SD(
図5参照)を形成することが難しくなる。また、仮に、めっき工程の後で、ブレードBD1により
図25に示す溝部LDtrを分断するような切削加工を行った場合、凹部LDdの内部に、基材である銅成分および半田成分を含む金属屑SCMが溜まる。この金属屑SCMを除去すると、凹部LDdを覆うように形成された金属膜SD(
図5参照)の一部が剥離して基材である銅が露出する懸念がある。
【0139】
また、金属屑SCMは、一部がリードLDの壁部LDw2に接続されているため、凹部LDdから除去するためには、例えば加圧水を吹き付けるなどの工程が必要になる。したがって、
図12に示す金属屑除去工程は、各デバイス領域LFdを分離して個片化した後で実施することは難しい。
【0140】
そこで本実施の形態では、
図12に示すように、切り込み部形成工程、および金属屑除去工程を行った後、めっき工程および個片化工程を行う。詳細は後述するが、本工程において、切削加工溝である切り込み部STを形成し、個片化工程において、切り込み部STの溝幅よりも幅が狭いブレードを用いて切断する。これにより、個片化工程では、ブレードが凹部LDdに接触することを防止できる。したがって、個片化工程の前に、金属屑SCMを取り除き、金属屑SCMが除去された凹部LDdにめっき膜を形成すれば、凹部LDdを覆うように金属膜SDを安定的に形成することができる。
【0141】
また、本工程で形成する切り込み部STの溝深さ(リードLDの厚さ方向における切り込み部STの長さ)、言い換えれば、リードLDの側面LDsgの厚さ方向の長さは、以下が好ましい。すなわち、後述する個片化工程において、ブレードと凹部LDdの接触を防止する観点からは、切り込み部STの溝深さは、凹部LDd(溝部LDtr)の最も深い位置(底面)と同じ深さ以上にする必要がある。また、
図8〜
図10を用いて説明したように、実装時の半田濡れ性、あるいはフィレット形状を考慮すると、切り込み部STの溝深さは、リードLDの最も厚い部分の厚さに対して2/3以上であることが好ましい。
【0142】
また、本工程では、リードLD1とリードLD2の連結部のうちの一部、詳しくは下面側(実装面側)の一部を切削する。つまり、連結部の他の一部は、本工程の完了後も残留する。本実施の形態のように一括封止方式の場合、複数のデバイス領域LFdを跨ぐように封止体MRが形成される。したがって、本工程において、封止体MRの一部が残っていれば、リードLDの連結部を切断しても、個片化はされない。
【0143】
しかし、以下の理由から、本工程では、リードLDの連結部の一部が残るように切り込み部STを形成することが好ましい。すなわち、リードLDの連結部は、リードLDと同じ金属材料により形成されているので、
図12に示すめっき工程において、連結部の一部がリードLDに接続されていれば、連結部を介して、リードLDに電位を供給することができる。このため、リードLDに電解めっき法により金属膜SD(
図5参照)を形成することができる。電解めっき法の場合、金属膜形成時の電流を制御することで金属膜SDの膜質を容易に制御できる点で好ましい。
【0144】
また、本工程において、リードLDの連結部を切断した場合、封止体MRによって、複数のデバイス領域LFdが繋がった状態になる。しかし、封止体MRの剛性のみでは、リードフレームLFのハンドリングが困難になる場合が考えられる。したがって、リードフレームLFのハンドリング特性を向上させる観点から、本工程では、リードLDの連結部の一部が残るように切り込み部STを形成することが好ましい。
【0145】
また、本工程では、格子状に切り込み部STを形成するので、複数のリードLDの他、封止体MR、および吊りリードTLに対しても切削加工が施される。このため、
図26に示すように本工程において、吊りリードTLの一部(露出部TL2)の下面TLb2が、封止体MRから露出する。
【0146】
詳しくは、吊りリードTLは、上述したように下面側からハーフエッチング加工が施されているので、封止工程において、吊りリードTLの全体が封止体MRにより封止される。したがって、
図25に示すように、切削加工を行う前には、吊りリードTLは露出していない。しかし、本工程でブレードBD1を用いて切削加工を施すことにより、
図26に示すように、吊りリードTLのうちの切削加工領域に配置される部分の下面TLb2が露出する。
【0147】
また、上記したように、本実施の形態では、切り込み部STの溝深さ(リードLDの厚さ方向における切り込み部STの長さ)は、凹部LDd(溝部LDtr)の最も深い位置(底面)と同じ深さ以上になっている。
図25に示す溝部LDtrをエッチングにより形成する場合、吊りリードTLに対してハーフエッチング処理を行う時に一括して形成する方が製造効率を向上させされる点で好ましい。このため、凹部LDdの深さは、リードLDの最も厚い部分の厚さに対して1/2程度であって、凹部LDd(溝部LDtr)の最も深い位置は、ハーフエッチング処理後の吊りリードTLの封止部TL1の下面TLb1と同じ高さになっている。したがって、本工程で、切り込み部STを形成すると、
図28に示すように、切り込み部STを構成する吊りリードTLの側面(吊りリード側面)TLsg、および下面TLb2がそれぞれ露出する。
【0148】
また、
図26に示すように、本工程が完了すると、吊りリードTLの下面TLb2には、ブレードBD1を用いた切削加工に起因して発生する金属バリMbr2が形成される。また、図示は省略するが
図28に示す側面TLsgには、
図3を用いて説明したような金属バリMbr1が形成される。金属バリMbr1および金属バリMbr2は、ブレードBD1の進行方向に対して、下流側の辺にそれぞれ形成され、上流側の辺には形成されない。
【0149】
6.金属屑除去工程;
次に、
図12に示す金属屑除去工程として、
図26および
図27に示す金属屑SCMを除去する。
図29は、
図27に示す金属屑に加圧された洗浄水を噴射した状態を示す拡大断面図である。また、
図30は、
図29に示すノズルの平面視における移動方向を模式的に示す拡大平面図である。
【0150】
本工程では、
図27に示す金属屑SCMを確実に除去することができれば、以下に説明する方法以外に種々の変形例があるが、本実施の形態では、多数の凹部LDdのそれぞれに形成された金属屑SCMを効率的に除去する観点から特に好ましい実施態様を取り上げて説明する。
【0151】
本実施の形態では、金属屑除去工程において、
図29に示すように、大気圧よりも高い圧力で加圧された洗浄液WF1を金属屑SCMに対して噴射することにより、金属屑SCMを除去する。金属屑SCMは、切削加工時に生じる切削屑であり、
図26に示すように、一部がリードLDの壁部LDw2に接続されている。このため、金属屑SCMを確実に除去するためには、加圧された洗浄液WF1を金属屑SCMに衝突させて、金属屑SCMとリードLDの壁部LDw2の接続部分を剥離させる方法が有効である。本実施の形態では、洗浄液WF1は例えば水であり、圧力(水圧)は、50MPa±5MPa程度である。
【0152】
また、金属屑SCMを除去する効率を向上させる観点から、
図29に示すように複数のノズルNZ1を用意して、複数のノズルNZ1のそれぞれから洗浄液WF1を噴射させることが好ましい。
【0153】
また、
図26に示す金属屑SCMとリードLDの壁部LDw2の接続部分を剥離させるためには、単に、金属屑SCMの上方から洗浄液WF1を噴射するよりも、リードLD1およびリードLD2の延在方向(
図29に示す例ではX方向)に沿って力を加えることが好ましい。したがって、ノズルNZ1と凹部LDdの平面視における相対的な位置を移動させながら、洗浄液WF1を噴射することが好ましい。例えば、本実施の形態では、
図30にノズルNZ1の軌跡を模式的に示すように、複数のノズルNZ1のそれぞれの先端が螺旋を描くように回転しながら
図29に示す洗浄液WF1を噴出する。
【0154】
これにより、
図29に示す凹部LDdの底面に沿って金属屑SCMを押し出すように洗浄液WF1が当たる。例えば、凹部LDdの底面に吹き付けられた洗浄液WF1は、凹部LDdの底面に沿って金属屑SCMに向かって移動して、金属屑SCMを切り込み部STの方向に押し出す。このため、本実施の形態によれば、
図26に示す金属屑SCMとリードLDの壁部LDw2の接続部分を剥離させ易くなる。
【0155】
7.めっき工程;
次に、
図12に示すめっき工程として、
図31に示すように、複数のリードLDおよびダイパッドDPの露出面に金属膜SDを形成する。
図31は、
図26に示すリードおよびダイパッドの露出面に金属膜を形成した状態を示す拡大断面図、
図32は、電解めっき法によるめっき工程の概要を示す説明図である。
【0156】
まず、
図32に示すように、本工程では、
図32に示すように、被めっき加工物であるリードフレームLFを、めっき液MPTfが入っためっき槽MPTtMPTt内に配置する。このとき、被加工物をめっき槽MPTt内の陰極CTに接続する。例えば、
図32に示す例ではリードフレームLFの外枠LFfを陰極CTと電気的に接続する。そして、この陰極CTと、同じくめっき槽MPTt内に配置された陽極ANとの間に例えば直流電圧をかけることによって、リードフレームLFの外枠LFfと接続された金属部材の露出面に金属膜SD(
図31参照)を形成する。つまり、本実施の形態では所謂、電解めっき法により金属膜SDを形成する。
【0157】
本実施の形態の金属膜SDは、上記したように、鉛(Pb)を実質的に含まない、所謂、鉛フリー半田からなり、例えば錫(Sn)のみ、錫−ビスマス(Sn−Bi)、または錫−銅−銀(Sn−Cu−Ag)などである。このため、本めっき工程で使用するめっき液MPTfは、例えばSn
2+、あるいはBi
3+などの金属塩が含まれる、電解めっき液である。なお、以下の説明では、鉛フリー半田めっきの例としてSn−Biの合金化金属めっきについて説明するが、BiをCuやAgなどの金属に置き換えることができる。
【0158】
本実施の形態では、上記したように、複数のリードLDが連結部であるタイバーLFtbを介して外枠LFfと電気的に接続された状態で、めっき工程を行う。また、ダイパッドDPは、タイバーLFtbおよび吊りリードTL(
図15参照)を介して外枠LFfと電気的に接続されている。したがって、リードフレームLFをめっき液MPTfに浸した状態で、
図32に示す陽極ANと陰極CTの間に電圧をかけると、両電極間(陽極ANと陰極CTの間)で通電する。上記したように、リードフレームLFの外枠LFfは陰極CTと電気的に接続されているので、めっき液MPTf中のSn
2+、およびBi
3+が所定の割合で
図31に示すリードLDおよびダイパッドDPの露出面に析出し、金属膜SDが形成される。
【0159】
また、
図12に示すように、本実施の形態では、めっき工程を行う前に、切り込み部形成工程を行い、
図31に示すように連結されるリードLDの間に、切り込み部STを形成する。また、切り込み部STは封止体MRから露出する。このため、本めっき工程において、切り込み部STの露出面には、金属膜SDが形成される。金属膜SDの膜厚は、製品仕様に応じて変更することができるが、例えば、10μm〜20μm程度の膜を成膜する。
【0160】
ところで、めっき法により金属膜を形成する方法として、電解めっき法の他、無電解めっき法がある。ただし、電解めっき法の場合、金属膜形成時の電流を制御することで金属膜SDの膜質を容易に制御できる点で好ましい。また、電解めっき法は、金属膜SDの形成時間が無電解めっき法よりも短くすることができる点で好ましい。
【0161】
また、本工程では、めっき処理により金属膜SDを形成する前に、リードLDやダイパッドDPの封止体MRからの露出面に対して、前処理を施す。この前処理は、露出面に形成された酸化金属膜を除去して、めっき膜である金属膜SDと基材の露出面との密着性を向上させるために行う処理である。前処理には、酸性あるいはアルカリ性の溶液で露出面を洗浄した後、溶液を除去することにより、酸化金属膜を除去する工程が含まれる。また前処理には、洗浄液を露出面に吹き付けて、樹脂バリなどを除去する工程が含まれる場合もある。
【0162】
ここで、めっき工程の前処理により、
図12に示す切り込み部形成工程で形成された金属屑SCM(
図27参照)が確実に除去できるのであれば、上記した金属屑除去工程を省略することも考えられる。ただし、前処理が完了した後で、金属屑SCMが取り除かれた場合、金属屑SCMが剥離した部分に前処理されていない金属面が露出する懸念がある。したがって、本実施の形態のように、めっき工程の前処理とは別に、かつ、めっき工程の前処理の前に金属屑除去工程を行い、金属屑SCMが確実に除去された状態で、めっき工程の前処理を実施することが好ましい。
【0163】
また、上記した切り込み部形成工程において、
図26に示す金属バリMbr2や
図3に示す金属バリMbr1が形成され、金属屑除去工程の後も残留している場合、本工程では、金属バリMbr1および金属バリMbr2のそれぞれの露出表面に、金属膜SDが析出する。つまり、金属バリMbr1および金属バリMbr2のそれぞれに対してめっき処理が施され、めっき膜である、金属膜SDが形成される。
【0164】
8.個片化工程(第2カット工程);
次に、
図12に示す個片化工程として、
図33に示すように、リードLDの下面LDb側から、リードLD1、LD2の連結部の残部、および封止体MRを、ブレードを用いて切削することにより、デバイス領域LFd1とデバイス領域LFd2とを分離する。
【0165】
図33は、
図29に示すリードフレームをデバイス領域毎に個片化した状態を示す拡大断面図である。また、
図34は、
図12に示す個片化工程においてリードおよび吊りリードが切断された状態を拡大して示す拡大平面図である。なお、ブレードBD2の回転方向と進行方向を見やすくするため、
図34ではブレードBD2の進行方向に矢印を付して模式的に示し、
図34ではブレードBD1の回転方向に矢印を付して模式的に示す。
【0166】
本工程では、まず、封止体MRが形成されたリードフレームLFをテープ(ダイシングテープ)DTを介して図示しないフレーム(リングフレーム)に固定する。この時、リードフレームLFの下面側(裏面側、実装面側)から切削加工を施すので、
図33に示すように、封止体MRの上面MRtをテープDTと接着させ、リードフレームLFの下面側(裏面側、実装面側)が上方を向くように固定する。
【0167】
次に、
図33に示すブレード(回転刃)BD2を回転させながら、リードフレームLFのダイシング領域LFcに沿って進行させる。ブレードBD2は、切削加工幅以外は、
図27に示すブレードBD1と同様である。すなわち、ブレードBD2は、環状(リング状)または円盤状の側面形状を有する切削加工時具であって、円の周縁に配置される切削加工部に複数の砥粒が固着されている。そして複数の砥粒が固着されたブレードBD2の切削加工部を被加工物に押し当てることで、被加工部を切削除去することができる。
【0168】
本工程では、切り込み部形成工程により形成された切削溝である切り込み部ST内に、回転するブレード(回転刃)BD2を挿入し、このブレードBD2をリードフレームLFのダイシング領域LFcに沿って進行させる。これにより、
図31に示すタイバーLFtbと、このタイバーLFtbの直上に形成された金属膜SDの一部(タイバーLFtbと重なる部分)は除去(切断)され、互いに隣り合うデバイス領域LFdを分離する。
【0169】
また、
図34に示すように、ブレードBD2の幅、すなわち、本個片化工程での切削加工幅は、タイバーLFtbの幅よりも太く(大きく)、かつ、
図27に示すブレードBD1の幅よりも狭い(小さい)。言い換えれば、ブレードBD2の幅は、タイバーLFtbの幅よりも太く(大きく)、かつ、上記切り込み部形成工程で形成された溝(切り込み部ST)の溝幅よりも狭い(小さい)。具体的な寸法の一例を挙げれば、タイバーLFtbの幅は例えば0.20mm、ブレードBD1の幅は例えば0.40mm、ブレードBD2の幅は例えば0.35mmとする。
【0170】
このように、ブレードBD2の幅をブレードBD1の幅よりも狭くすることで、本工程において、リードLDの側面LDsgにブレードBD2が接触することを防止できる。このため、上記切り込み部形成工程で説明した金属屑SCM(
図26参照)は、本工程では発生しない。
【0171】
ところで、上記した切削加工幅やタイバーLFtbの幅の例は一例であって種々の変形例が適用できる。例えば、ブレードBD2の幅をさらに狭くすれば、切削加工位置精度のマージンを大きくすることができるので、切り込み部STの側面LDsgに接触する懸念を低減することができる。例えば、ブレードBD2の加工幅は、封止体MRを厚さ方向に切断するために必要な強度が得られる範囲内で狭くすることが好ましい。上記した一例の場合、ブレードBD2の幅が0.35mm以上であれば、封止体MRの厚さによらず、強度を確保することができる。したがって、切削加工装置の汎用性を向上させる点では好ましい。
【0172】
また、本工程では、リードLDの連結部の残部を切断することにより、リードLDの側面LDsが露出する。側面LDsは、金属膜SDが形成された下面LDgに対して直交する方向に連なる面である。また、側面LDsは、本工程で形成される切削面なので、側面LDsには、金属膜SDは形成されず、基材である銅が露出している。また、
図3を用いて説明したように、側面LDsの辺FS5には、X方向に沿って延びる金属バリMbr3が形成され、辺FS6には金属バリMbr3は形成されていない。言い換えれば、本工程では、
図34に示すブレードBD2の進行方向の下流側の辺には、
図3に示す金属バリMbr3が形成され、進行方向の上流側の辺には金属バリMbr3が形成されない。
【0173】
また、本工程では、吊りリードTLのうち、ダイシング領域LFcに配置される部分を切断することにより、
図34に示す側面TLsが露出する。側面TLsは、金属膜SDが形成された下面TLb2に対して直交する方向に連なる面である。また、側面TLsは、本工程で形成される切削面なので、側面TLsには、金属膜SDは形成されず、基材である銅が露出している。また、図示は省略するが、側面TLsには、ブレードBD2の進行方向の下流側の辺に金属バリMbr3(
図3参照)が形成され、進行方向の上流側の辺には金属バリMbr3が形成されない。
【0174】
本工程により、切り込み部STは、下面LDgの一部が切断され、
図3を用いて説明したように、封止体MRの側面MRsg、封止体MRの下面MRg、リードLDの側面LDsg、およびリードLDの下面LDgを有する段差部GPが形成される。
【0175】
本工程の後、外観検査、電気的試験など、必要な検査、試験を行い、合格したものが、
図1に示す完成品の半導体装置1となる。そして、半導体装置1は出荷され、あるいは
図7〜
図11を用いて説明したように実装基板MBに実装される。
【0176】
<変形例>
以上、本願発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる。
【0177】
例えば、上記実施の形態では、化学反応を利用したエッチング処理により、リードLDの外形形状や、溝部LDtrを形成する実施態様について説明した。化学反応を利用したエッチング処理の場合、被処理部分の端部が丸くなる。このため、リードLDの寸法や、エッチング液などの選択によっては、
図3に示すようにリードLDの端部が丸く形成される。また、凹部LDdの内面が湾曲面になる。しかし、
図3に対する変形例として、
図35に示す半導体装置1Aのように、リードLDの下面LDbの端部に角を形成することもできる。また、半導体装置1Aのように、凹部LDdの内面を、互いに交差する複数の面で構成することができる。
図35は、
図3に対する変形例を示す拡大斜視図である。
【0178】
図3に示す半導体装置1のように、リードLDの下面LDbの端部が丸く形成されている場合、
図35に示す半導体装置1Aと比較すると、実装時に隣り合うリードLDに接続された半田同士が接触してしまう懸念は小さい。また、凹部LDdの内面が湾曲面になっている場合、凹部LDd内に半田が濡れ広がりやすい。
【0179】
一方、
図35に示す半導体装置1Aのように、リードLDの下面LDbの端部に角が形成されている場合、半導体装置1よりもリードLDの下面LDbの面積を大きくできる。また、凹部LDdの内面を、互いに交差する複数の面で構成した場合、半田と凹部LDdの接触面積が大きくなるので、実装強度を向上させることができる。
【0180】
また、例えば、上記実施の形態では、吊りリードTLにハーフエッチング処理を施すことにより、吊りリードTLの一部を封止してダイパッドDPが封止体MRから脱落し難くする構成について説明した。このハーフエッチング処理の変形例として、吊りリードTLの他、ダイパッドDPや、リードLDの一部にハーフエッチング処理を施すことができる。
図36は、
図15に対する変形例であるリードフレームの実装面側を示す拡大平面図である。また、
図37は、
図36に示すリードフレームを用いて製造した半導体装置の断面図であって、
図5に対する変形例である。
【0181】
図36に示すリードフレームLF1は、ダイパッドDPの下面DPbの周囲、およびリードLDのダイパッドDP側の端部に、ハーフエッチング処理が施され、薄肉部LFhfが形成されている点で
図15に示すリードフレームLFと相違する。上記以外の点では、
図15に示すリードフレームLFと同じ構造である。リードフレームLF1のように、ダイパッドDPの下面DPbの周囲を囲むように、薄肉部LFhfを形成すると、
図37に示すように、ダイパッドDPの周縁部が、封止体MRにより封止される。これにより、ダイパッドDPが封止体MRから脱落することをさらに確実に抑制できる。
【0182】
また、リードフレームLF1のように、複数のリードLDそれぞれのダイパッドDP側の端部に薄肉部LFhfを形成すると、
図37に示す半導体装置1Bのように、リードLDの薄肉部LFhfが、封止体MRにより封止される。これにより、リードLDが封止体MRから脱落することを抑制できる。
【0183】
また例えば、上記した種々の変形例同士を組み合わせることもできる。
【0184】
その他、上記実施の形態に記載された内容の一部を以下に記載する。
【0185】
〔付記1〕
半導体チップと、
前記半導体チップが搭載された上面と、前記上面とは反対側の面である下面と、を有するチップ搭載部と、
それぞれが前記チップ搭載部の近傍に配置され、前記半導体チップと電気的に接続された複数のリードと、
第1封止体上面、前記第1封止体上面とは反対側の面である第1封止体下面、およびその厚さ方向において前記第1封止体上面と前記第1封止体下面との間に位置する複数の側面を有し、前記半導体チップと、前記複数のリードのそれぞれの一部と、を封止する封止体と、を備え、
前記複数のリードのそれぞれは、
第1リード上面と、
前記第1リード上面とは反対側の面である第1リード下面と、
その厚さ方向において、前記第1リード上面と前記第1リード下面との間に位置する第2リード下面と、
その厚さ方向において、前記第1リード下面と前記第2リード下面との間に位置し、かつ前記第1リード下面と前記第2リード下面とに連なる第1リード側面と、
その厚さ方向において、前記第2リード下面と前記第1リード上面との間に位置し、かつ前記第2リード下面と前記第1リード上面とに連なり、前記第1リード側面より外側に位置する第2リード側面と、を有し、
前記第1リード上面は、前記封止体により覆われ、
前記第1リード下面は、前記封止体の前記第1封止体下面より露出し、
前記第1リード側面は、前記封止体の前記複数の側面の内、前記第1封止体下面に連なる第1封止体側面から露出し、かつ前記第1封止体側面と同一の平面になっており、
前記第2リード側面は、前記封止体の前記複数の側面の内、前記第1封止体上面に連なり、前記第1封止体側面より外側に位置する第2封止体側面から露出し、かつ前記第2封止体側面と同一の平面になっており、
前記第1リード下面側から見た時に、前記第1リード下面には前記複数のリードのそれぞれが延在する第1方向と直交する第2方向における幅が前記複数のリードのそれぞれの幅よりも狭い凹部が形成され、
前記第1リード下面側から見た時に、前記凹部の第1端部は前記第1リード側面に到達し、前記凹部の前記第1端部とは反対側に位置する第2端部は前記第1リード下面内で終端し、半導体装置。
【0186】
〔付記2〕
付記1に記載の半導体装置において、
前記第1リード下面側から見た時に、前記第1方向における前記第1リード下面の長さは、前記第2方向における前記第2リード下面の幅よりも長く、
前記第1リード下面側から見た時に、前記第1方向における前記凹部の長さは、前記第2方向における前記凹部の幅よりも長い、半導体装置。
【0187】
〔付記3〕
付記1に記載の半導体装置において、
前記チップ搭載部の前記下面は、前記封止体の前記第1封止体下面から露出している、半導体装置。
【0188】
〔付記4〕
付記1に記載の半導体装置において、
前記封止体は、前記第1封止体側面と前記第2封止体側面とに連なる第2封止体下面を有し、
前記複数のリードのそれぞれの前記第2リード下面は、前記封止体の前記第2封止体下面から露出し、かつ前記第2封止体下面と同一の平面になっており、
第1吊りリード上面と、前記第1吊りリード上面とは反対側の面である第1吊りリード下面と、を有し、前記チップ搭載部に連結された吊りリードをさらに有し、
前記吊りリードの前記第1吊りリード上面から前記第1吊りリード下面までの厚みは、前記複数のリードのそれぞれの前記第1リード上面から前記第1リード下面までの厚みより薄く、
前記封止体の前記第1封止体下面側から見た時に、前記封止体の前記第1封止体下面に前記吊りリードは露出しておらず、前記封止体の前記第2封止体下面に前記吊りリードの前記第1吊りリード下面の一部が露出している、半導体装置。
【0189】
〔付記5〕
付記4に記載の半導体装置において、
前記チップ搭載部の厚さ方向において、前記チップ搭載部の前記上面の高さと前記吊りリードの前記第1吊りリード上面の高さは同一となっている、半導体装置。
【0190】
〔付記6〕
付記1に記載の半導体装置において、
前記半導体チップの表面には複数の電極パッドが形成され、
前記複数の電極パッドのそれぞれと前記複数のリードのそれぞれの前記第1リード上面とは複数の金属ワイヤを介してそれぞれ電気的に接続されている、半導体装置。
【0191】
〔付記7〕
付記6に記載の半導体装置において、
前記複数のリードのそれぞれの前記第1リード上面の前記金属ワイヤが接続された部分には第2金属膜が形成されている、半導体装置。
【0192】
〔付記8〕
付記7に記載の半導体装置において、
前記第2金属膜は、銀を主要な成分とする金属で構成されている、半導体装置。