特許第6356659号(P6356659)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6356659センサモジュール及びセンサモジュールの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6356659
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】センサモジュール及びセンサモジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 9/00 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
   G01L9/00 303E
   G01L9/00 303H
   G01L9/00 303M
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-255017(P2015-255017)
(22)【出願日】2015年12月25日
(65)【公開番号】特開2016-126017(P2016-126017A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年10月13日
(31)【優先権主張番号】特願2014-264220(P2014-264220)
(32)【優先日】2014年12月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000150707
【氏名又は名称】長野計器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】羽田 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】宮下 香織
(72)【発明者】
【氏名】武田 英嗣
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4452526(JP,B2)
【文献】 特許第3523193(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイアフラム部と、前記ダイアフラム部の平面部に形成され圧力を検出する検出部とを備え、
前記検出部は、歪量を検出する複数の歪ゲージと、前記歪ゲージのうち隣合う歪ゲージの間にそれぞれ接続された抵抗素子接続部と、前記抵抗素子接続部の一部を覆う導電体部とを有し、
前記抵抗素子接続部のうち前記導電体部から露出する直線部分と前記導電体部の前記直線部分を横切る辺とが直交する
ことを特徴とするセンサモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサモジュールにおいて、
前記抵抗素子接続部は前記歪ゲージの両端にそれぞれ接続され、
これらの抵抗素子接続部のうち前記導電体部から露出する直線部分を横切る辺は、互いに平行である
ことを特徴とするセンサモジュール。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のセンサモジュールにおいて、
前記歪ゲージは、前記ダイアフラム部の中央部に2個以上配置された中央部用歪ゲージと、前記ダイアフラム部の外周部に2個以上配置された外周部用歪ゲージとを備え、
前記中央部用歪ゲージは、それぞれ両端部に前記抵抗素子接続部が接続され、これらの抵抗素子接続部の直線部分と前記導電体部のうち前記直線部分を横切る辺とが互いに平行である
ことを特徴とするセンサモジュール。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のセンサモジュールにおいて、
前記歪ゲージと前記抵抗素子接続部とは同一の材料から形成されている
ことを特徴とするセンサモジュール。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のセンサモジュールにおいて、
前記ダイアフラム部は筒状部の端部に形成され、前記筒状部の内部に被測定流体が導入される
ことを特徴とするセンサモジュール。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載されたセンサモジュールを製造する方法であって、
前記ダイアフラム部に前記歪ゲージ及び前記抵抗素子接続部をパターン形成し、
前記抵抗素子接続部の直線部分の一部に導電性材料を重ねて前記検出部を形成する
ことを特徴とするセンサモジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサモジュール及びセンサモジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力センサを構成するセンサモジュールには、歪量を検出する4つの歪みゲージと、これらの歪みゲージに接続される抵抗素子接続部及び電極部とをダイアフラム部に形成し、抵抗素子接続部の一部と電極部とを導電体部で覆ったものがある。
導体は、抵抗素子用電極と端子部等とを接続するためのものであり、所定の配線パターンを有する。
【0003】
従来、ダイアフラム部の表面に酸化シリコン層、多結晶シリコン層及びアルミニウム層を堆積し、フォトリソエッチングによりアルミニウム層パターンを形成し、このアルミニウム層パターンと多結晶シリコン層をエッチングにより選択的に除去して感圧抵抗層パターンと電極配線パターンとを形成する薄膜圧力センサがある(特許文献1)。
さらに、起歪部の絶縁膜に薄膜抵抗体を蒸着やスパッタリングで形成し、薄膜抵抗体の上に電極薄膜を蒸着やスパッタリングで形成した歪検出素子がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−228764号公報
【特許文献2】特許第4452526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1や特許文献2では、抵抗素子や導体を蒸着等によってパターン形成するが、抵抗素子と導体とに相対的なパターンずれが生じた場合には、複数の抵抗素子の面積がそれぞれ設計値より増減することになる。
各抵抗素子の面積が増減すると、抵抗素子の抵抗値が所定値よりずれることになり、抵抗素子の出力にばらつきが生じる。抵抗素子の出力に生じるばらつきは、好ましくないので、出力調整が必要となるが、この出力調整は煩雑である。
【0006】
従来例の課題を図8に示される概略図を用いて説明する。
図8(A)には、特許文献1,2から想定される検出部200Aが示されている。
検出部200Aは、図示しないダイアフラム部の平面部に形成されたものであり、4個の歪ゲージ700を有する。
歪ゲージ700は、2個の中央部用歪ゲージ710,720と、2個の外周部用歪ゲージ730,740とを備えており、これらの間に抵抗素子接続部800を構成する第一抵抗素子接続部810、第二抵抗素子接続部820、第三抵抗素子接続部830及び第四抵抗素子接続部840がそれぞれ接続されている。
【0007】
第一抵抗素子接続部810には第一電極部910が接続され、第二抵抗素子接続部820には第二電極部920が接続され、第三抵抗素子接続部830には第三電極部930が接続され、第四抵抗素子接続部840には第四電極部940が接続される。
第一抵抗素子接続部810の一部と第一電極部910は第一導電体部1100に覆われており、第二抵抗素子接続部820の一部と第二電極部920は第二導電体部1200に覆われており、第三抵抗素子接続部830の一部と第三電極部930は第三導電体部1300に覆われており、第四抵抗素子接続部840の一部と第四電極部940は第四導電体部1400に覆われている。
第一導電体部1100から第四導電体部1400より導電体部1000が構成され、この導電体部1000に覆われていない歪ゲージ700と抵抗素子接続部800の領域がS1〜S4とされる。
【0008】
以上の構成の検出部200Aにおいて、図8(B)に示される通り、導電体部1000の歪ゲージ700及び抵抗素子接続部800に対する形成位置が上下にずれたり、図8(C)に示される通り、導電体部1000の歪ゲージ700及び抵抗素子接続部800に対する形成位置が左右にずれたりすると、領域S1〜S4は、図8(A)で示される領域S1〜S4に対して面積が変化することになる。その結果、複数の歪ゲージ間の出力にばらつきが生じる。
【0009】
本発明の目的は、複数の歪ゲージ間の出力にばらつきが少なく、出力調整が容易なセンサモジュール及びセンサモジュールの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のセンサモジュールは、ダイアフラム部と、前記ダイアフラム部の平面部に形成され圧力を検出する検出部とを備え、前記検出部は、歪量を検出する複数の歪ゲージと、前記歪ゲージのうち隣合う歪ゲージの間にそれぞれ接続された抵抗素子接続部と、前記抵抗素子接続部の一部を覆う導電体部とを有し、前記抵抗素子接続部のうち前記導電体部から露出する直線部分と前記導電体部の前記直線部分を横切る辺とが直交することを特徴とする。
【0011】
本発明では、ダイアフラム部の上に蒸着等で歪ゲージ及び抵抗素子接続部を形成し、抵抗素子接続部のうち一部を覆うように導電体部をCVD、スパッタ等で形成する。ここで、導電体部を形成する際に、抵抗素子接続部と直交方向に沿ったパターンずれを生じることがある。
導電体部は、抵抗素子接続部のうち前記導電体部から露出する直線部分と前記導電体部の前記直線部分を横切る辺とが直交するようになっているので、抵抗素子接続部と直交方向に沿ったパターンずれを生じても、歪ゲージ及び抵抗素子接続部のうち導電体部から露出した部分の面積は変化せず、複数の歪ゲージでの間の抵抗値の変化がない。そのため、複数の歪ゲージ間の出力にばらつきが少ないものとなり、出力調整を容易に行える。
【0012】
本発明のセンサモジュールでは、前記抵抗素子接続部は前記歪ゲージの両端にそれぞれ接続され、これらの抵抗素子接続部のうち前記導電体部から露出する直線部分を横切る辺は、互いに平行である構成が好ましい。
この構成では、導電体部を形成する際に、直線部分と平行にパターンずれを生じることがあるが、この場合、歪ゲージの両端に接続された抵抗素子接続部のうち一方の面積が所定値より小さくなっても、抵抗素子接続部の他方の面積が所定値より大きくなり、面積の増減は相殺される。そのため、歪ゲージ及び抵抗素子接続部の面積は、パターンずれをおこしても、変化しないので、複数の歪ゲージでの抵抗値の変化がない。従って、複数の歪ゲージ間の出力にばらつきがより少ないものとなる。
【0013】
本発明のセンサモジュールでは、前記歪ゲージは、前記ダイアフラム部の中央部に2個以上配置された中央部用歪ゲージと、前記ダイアフラム部の外周部に2個以上配置された外周部用歪ゲージとを備え、前記中央部用歪ゲージは、それぞれ両端部に前記抵抗素子接続部が接続され、これらの抵抗素子接続部の直線部分と前記導電体部のうち前記直線部分を横切る辺とが互いに平行である構成が好ましい。
この構成では、ダイアフラム部の中央部に配置された2個以上の中央部用歪ゲージにおいて、それぞれ両端側に設けられた導電体部の辺が互いに平行となる。そのため、中央部用歪ゲージにおいて、前述と同様の効果を奏することができる。
【0014】
本発明のセンサモジュールでは、前記歪ゲージと前記抵抗素子接続部とは同一の材料から形成されている構成が好ましい。
この構成では、歪ゲージと抵抗素子接続部とが同一工程でダイアフラム部に形成できるので、製造が簡単となる。
【0015】
本発明のセンサモジュールでは、前記ダイアフラム部は筒状部の端部に形成され、前記筒状部の内部に被測定流体が導入される構成が好ましい。
この構成では、圧力測定に適したセンサモジュールにおいて前述の効果を奏することができる。
【0016】
本発明のセンサモジュールの製造方法は、前述の構成のセンサモジュールを製造する方法であって、前記ダイアフラム部に前記歪ゲージ及び前記抵抗素子接続部をパターン形成し、前記抵抗素子接続部の直線部分の一部に導電性材料を重ねて前記検出部を形成することを特徴とする。
本発明では、前述と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態にかかるセンサモジュールを示す平面図。
図2】中央部用歪ゲージ及びその周辺を示す平面図。
図3】センサモジュールを製造する方法を説明する概略図。
図4】本発明の第2実施形態にかかるセンサモジュールを示す平面図。
図5】センサモジュールを製造する方法を説明する概略図。
図6】本発明の第3実施形態にかかるセンサモジュールを示す平面図。
図7】本発明の第4実施形態にかかるセンサモジュールを示す平面図。
図8】従来例の課題を説明するための概略図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
図1から図3には本発明の第1実施形態が示されている。
図1にはセンサモジュール1の平面の全体構成が示されている。
図1において、センサモジュール1は、平面円形のダイアフラム部10と、ダイアフラム部10の平面部に形成され圧力を検出する検出部20と、を備えて構成されている。
本実施形態のセンサモジュール1は、被測定流体の圧力により、ダイアフラム部10が変位し、この変位を検出部20で検知する圧力センサ素子である。
ダイアフラム部10は、筒状部10Aの端部に形成され、筒状部10Aの内部には被測定流体が導入されるための凹部が形成されている。ダイアフラム部10と筒状部10Aとは金属材料等から一体に形成されており、ダイアフラム部10の平面には図示しない絶縁膜が設けられている。絶縁膜の平面上に検出部20が形成されている。検出部20の上には、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなる保護膜(図示せず)が設けられている。
【0019】
検出部20は、歪量を検出する歪ゲージ3と、歪ゲージ3に接続された抵抗素子接続部4と、抵抗素子接続部4に接続された電極部5と、抵抗素子接続部4の一部及び電極部5を覆う導電体部6とを有する。
ダイアフラム部10の変位に伴って、歪ゲージ3で検知された電流は、抵抗素子接続部4、電極部5及び導電体部6を通って、外部に送られる。
【0020】
歪ゲージ3、抵抗素子接続部4及び電極部5は、同一の材料、例えば、ポリシリコンから形成されている。
歪ゲージ3は、ダイアフラム部10の中央部に配置された2個の中央部用歪ゲージ31,32と、ダイアフラム部10の外周部に配置された2個の外周部用歪ゲージ33,34とを備えている。
2個の中央部用歪ゲージ31,32は、それぞれ、図1のX方向に沿って直線状に形成されている。
2個の中央部用歪ゲージ31,32は、ダイアフラム部10の円中心Oを挟んで互いに近接して平行に配置されている。
2個の外周部用歪ゲージ33,34は、それぞれ平面コ字状に形成されており、図1中、X方向に延びた一対の接続部分を有するものであり、これらの接続部分の先端が開口されている。
【0021】
抵抗素子接続部4は、第一抵抗素子接続部41、第二抵抗素子接続部42、第三抵抗素子接続部43及び第四抵抗素子接続部44を備える。
第一抵抗素子接続部41は、中央部用歪ゲージ31の一端部と接続される端部41Aと、端部41Aに接続される第一直線部分411と、第一直線部分411に接続される第二直線部分412とを有するもので、第二直線部分412は外周部用歪ゲージ33の一端部と接続されている。
端部41Aは、第二抵抗素子接続部42から離れる方向に延びて形成されている。
第一直線部分411は、中央部用歪ゲージ31,32と平行に伸びて形成されている。
第二直線部分412は、第一直線部分411とは直角に折れ曲がって形成されている。
第二直線部分412と外周部用歪ゲージ33との接続部分は直角に折れ曲がって形成されている。つまり、第一直線部分411はX方向に沿って形成され、端部41A及び第二直線部分412は、それぞれY方向に沿って形成されている。
【0022】
第二抵抗素子接続部42は、中央部用歪ゲージ32の一端部と接続される端部42Aと、端部42Aに接続される第一直線部分421と、第一直線部分421に接続される第二直線部分422とを有するもので、第二直線部分422は外周部用歪ゲージ33の他端部と接続されている。
端部42Aは、端部41Aの同一直線上において端部41Aから離れる方向に伸びて形成されている。
第一直線部分421は、第一直線部分411と平行に伸びて形成され、かつ、幅寸法が同じである。
第二直線部分422は、第一直線部分421とは直角に折れ曲がって形成されている。
第二直線部分422と外周部用歪ゲージ33との接続部分は直角に折れ曲がって形成されている。つまり、第一直線部分421はX方向に沿って形成され、端部42A及び第二直線部分422は、それぞれY方向に沿って形成されている。
【0023】
第三抵抗素子接続部43は、中央部用歪ゲージ32の他端部と接続される端部43Aと、端部43Aに接続される第一直線部分431と、第一直線部分431に接続される第二直線部分432とを有するもので、第二直線部分432は外周部用歪ゲージ34の一端部と接続されている。
端部43Aは、第四抵抗素子接続部44から離れる方向に延びて形成されている。
第一直線部分431は、第一直線部分421と同一線上に伸びて形成され、かつ、幅寸法が同じである。
第二直線部分432は、第一直線部分431とは直角に折れ曲がって形成されている。
つまり、第一直線部分431はX方向に沿って形成され、端部43A及び第二直線部分432は、それぞれY方向に沿って形成されている。
【0024】
第四抵抗素子接続部44は、中央部用歪ゲージ31の他端部と接続される端部44Aと、端部44Aに接続される第一直線部分441と、第一直線部分441に接続される第二直線部分442とを有するもので、第二直線部分442は外周部用歪ゲージ34の他端部と接続されている。
端部44Aは、端部43Aの同一直線上において端部43Aから離れる方向に伸びて形成されている。
第一直線部分441は、第一直線部分411と同一線上に伸びて形成され、かつ、幅寸法が同じである。
第二直線部分442は、第一直線部分441とは直角に折れ曲がって形成されている。
つまり、第一直線部分441はX方向に沿って形成され、端部44A及び第二直線部分442は、それぞれY方向に沿って形成されている。
【0025】
電極部5は、第一電極部51、第二電極部52、第三電極部53及び第四電極部54を備える。
第一電極部51は、線状に形成されており、その一端が第一直線部分411に接続されている。第一電極部51の他端部はパッドを形成するためのスペースが形成されている。
第二電極部52は、線状に形成されており、その一端が第一直線部分421に接続されている。第二電極部52の他端部はパッドを形成するためのスペースが形成されている。
第三電極部53は、線状に形成されており、その一端が第一直線部分431に接続されている。第三電極部53の他端部はパッドを形成するためのスペースが形成されている。
第四電極部54は、線状に形成されており、その一端が第一直線部分441に接続されている。第四電極部54の他端部はパッドを形成するためのスペースが形成されている。
【0026】
導電体部6は、金、その他の導電性材料から形成されるもので、第一導電体部61、第二導電体部62、第三導電体部63及び第四導電体部64を備える。
第一導電体部61は、第一直線部分411の一部、第二直線部分412の一部及び第一電極部51を覆うものである。
第二導電体部62は、第一直線部分421の一部、第二直線部分422の一部及び第二電極部52を覆うものである。
第三導電体部63は、第一直線部分431の一部、第二直線部分432の一部及び第三電極部53を覆うものである。
第四導電体部64は、第一直線部分441の一部、第二直線部分442の一部及び第四電極部54を覆うものである。
なお、図1において、導電体部6は、複数の縦線を設けて領域をわかりやすく図示されている。
【0027】
図2には、中央部用歪ゲージ31,32及びその周辺が示されている。
図2に示される通り、第一抵抗素子接続部41の第一直線部分411は、第一導電体部61から一部が露出しており、この露出した部分のX方向と第一導電体部61の第一直線部分411を横切る辺61Aとは互いに直交する。
第二抵抗素子接続部42の第一直線部分421は、第二導電体部62から一部が露出しており、この露出した部分のX方向と第二導電体部62の第一直線部分421を横切る辺62Aとは互いに直交する。辺61Aと辺62Aとは同一線上に位置する。
【0028】
第三抵抗素子接続部43の第一直線部分431は、第三導電体部63から一部が露出しており、この露出した部分のX方向と第三導電体部63の第一直線部分431を横切る辺63Aとは互いに直交する。辺62Aと辺63Aとは互いに平行である。
第四抵抗素子接続部44の第一直線部分441は、第四導電体部64から一部が露出しており、この露出した部分のX方向と第四導電体部64の第一直線部分441を横切る辺64Aとは互いに直交する。辺63Aと辺64Aとは同一線上に位置する。辺64Aと辺61Aとは互いに平行である。
【0029】
中央部用歪ゲージ31,32の長手方向に直交する方向(Y方向)の寸法、つまり、幅寸法は、それぞれtである。
端部41A,42A,43A,44Aの中央部用歪ゲージ31,32の長手方向(X方向)に沿った寸法、つまり、幅寸法は、taである。
中央部用歪ゲージ31,32で検知された電流は、端部41A,42A,43A,44A、第一直線部分411,421,431,441、電極部5及び導電体部6を通って外部に送られる。端部41A,42A,43A,44Aの幅寸法taは、電流が流れる方向と直交する方向の寸法である。
【0030】
図1に戻り、外周部用歪ゲージ33,34の第二直線部分412,422,432,442と接続される部分の長手方向に直交する方向(Y方向)の寸法、つまり、幅寸法は、それぞれtである。
第二直線部分412,422,432,442の外周部用歪ゲージ33,34の長手方向(X方向)に沿った寸法、つまり、幅寸法は、tbである。
外周部用歪ゲージ33,34で検知された電流は、第二直線部分412,422,432,442、第一直線部分411,421,431,441、電極部5及び導電体部6を通って外部に送られる。第二直線部分412,422,432,442の幅寸法tbは、電流が流れる方向と直交する方向の寸法である。
【0031】
本実施形態では、中央部用歪ゲージ31,32の幅寸法tに対する端部41A,42A,43A,44Aの幅寸法taの比(ta/t)は、5未満であり、外周部用歪ゲージ33,34の幅寸法tに対する第二直線部分412,422,432,442の幅寸法tbの比(tb/t)は、5未満である。
具体的には、ダイアフラム部10の直径が5mmである場合、中央部用歪ゲージ31,32と外周部用歪ゲージ33,34の幅寸法tを40μmとし、端部41A,42A,43A,44Aの幅寸法taを120μmとし、第二直線部分412,422,432,442の幅寸法tbを160μmとすると、ta/t=3であり、tb/t=4である。これに対して、特許文献2で示されるパターンが形成された直径5mmの既存の圧力センサ素子では、歪ゲージの幅寸法が40μmであり、歪ゲージと接続される抵抗素子接続部の幅寸法が200μmであるため、これらの比は5である。
【0032】
次に、第1実施形態のセンサモジュールを製造する方法を図3に基づいて説明する。
図3(A)に示される通り、ダイアフラム部の上にCVD、スパッタ等で歪ゲージ3、抵抗素子接続部4及び電極部5をパターン形成する。その後、想像線に示される通り、抵抗素子接続部4のうち第一直線部分411,421,431,441の一部、第二直線部分412,422,432,442の一部及び電極部5を覆う導電体部6を蒸着等で形成する。導電体部6の蒸着は、導電性材料を歪ゲージ3、抵抗素子接続部4及び電極部5の上から重ねるものであり、ダイアフラム部に対してX方向又はY方向に沿って実施される。このように形成された検出部20の上に保護層を形成する。なお、図3(A)は、導電体部6が本来の正しい位置に形成された場合を示す。
歪ゲージ3、抵抗素子接続部4及び電極部5のうち第一導電体部61と第二導電体部62との間で露出した領域をS1、第二導電体部62と第三導電体部63との間で露出した領域をS2、第三導電体部63と第四導電体部64との間で露出した領域をS3、第四導電体部64と第一導電体部61との間で露出した領域をS4とする。
【0033】
ここで、導電体部6を形成する際に、歪ゲージ3、抵抗素子接続部4及び電極部5のパターンと、導電体部6のパターンとが図3(B)で示される通り、Y方向にずれたり、図3(C)で示される通り、X方向にずれたり、することがある。
図3(B)で示される通り、歪ゲージ3、抵抗素子接続部4及び電極部5のパターンと、導電体部6のパターンとがY方向、つまり、正しい位置に導電体部6が形成された図3(A)に比べて、導電体部6が下方にずれたとする。
すると、第一抵抗素子接続部41を構成する第二直線部分412の第一導電体部61から露出する部分は、ずれた寸法だけ短くなるが、第二抵抗素子接続部42を構成する第二直線部分422の第二導電体部62から露出する部分は、ずれた寸法だけ長くなる。第二直線部分412と第二直線部分422との幅寸法は同じtbであるため、ずれによる第二直線部分412,422の面積の変化は生じない。
同様に、第四抵抗素子接続部44を構成する第二直線部分442の第四導電体部64から露出する部分は、ずれた寸法だけ短くなるが、第三抵抗素子接続部43を構成する第二直線部分432の第三導電体部63から露出する部分は、ずれた寸法だけ長くなる。
第二直線部分442と第二直線部分432との幅寸法は同じtbであるため、ずれによる第二直線部分432,442の面積の変化は生じない。
【0034】
一方において、第一導電体部61の第一直線部分411を横切る辺61Aは、Y方向に沿った直線であり、第二導電体部62の第一直線部分421を横切る辺62Aは、Y方向に沿った直線であり、第三導電体部63の第一直線部分431を横切る辺63Aは、Y方向に沿った直線であり、第四導電体部64の第一直線部分441を横切る辺64Aは、Y方向に沿った直線である。
そのため、歪ゲージ3、抵抗素子接続部4及び電極部5のパターンと、導電体部6のパターンとがY方向にずれたとしても、第一直線部分411,421,431,441及び端部41A,42A,43A,44Aの面積の変化は生じない。
【0035】
図3(C)で示される通り、歪ゲージ3、抵抗素子接続部4及び電極部5のパターンと、導電体部6のパターンとがX方向、つまり、正しい位置に導電体部6が形成された図3(A)に比べて、導電体部6が右方にずれたとする。
すると、第一導電体部61の第一直線部分411から露出する部分は、ずれた寸法だけ短くなるが、第四導電体部64の第一直線部分441から露出する部分は、ずれた寸法だけ長くなる。第一直線部分411と第一直線部分441とは同じ幅寸法であるため、ずれによる第一直線部分411,441の面積の変化は生じない。
同様に、第二導電体部62の第一直線部分421から露出する部分は、ずれた寸法だけ短くなるが、第三導電体部63の第一直線部分431から露出する部分は、ずれた寸法だけ長くなる。第一直線部分431と第二直線部分432とは同じ幅寸法であるため、ずれによる第一直線部分421,431の面積の変化は生じない。
【0036】
一方において、第一導電体部61の第二直線部分412を横切る辺61Bは、X方向に沿った直線であり、第二導電体部62の第二直線部分422を横切る辺62Bは、X方向に沿った直線であり、第三導電体部63の第二直線部分432を横切る辺63Bは、X方向に沿った直線であり、第四導電体部64の第二直線部分442を横切る辺64Bは、X方向に沿った直線である。
そのため、歪ゲージ3、抵抗素子接続部4及び電極部5のパターンと、導電体部6のパターンとがX方向にずれたとしても、第二直線部分412,422,432,442の面積の変化は生じない。
以上の通り、領域S1〜S4は、歪ゲージ3、抵抗素子接続部4及び電極部5のパターンと、導電体部6のパターンとがY方向にずれたり、X方向にずれたり、したとしても、面積に変化がない。
【0037】
従って、第1実施形態では、次の効果を奏することができる。
(1)ダイアフラム部10の平面部に形成された検出部20は、歪量を検出する複数の歪ゲージ3と、隣合う歪ゲージ3の間にそれぞれ接続された抵抗素子接続部4と、抵抗素子接続部4の一部を覆う導電体部6とを有し、抵抗素子接続部4のうち導電体部6から露出する第一直線部分411,421,431,441及び第二直線部分412,422,432,442と、導電体部6の第一直線部分411,421,431,441及び第二直線部分412,422,432,442を横切る辺61A,61B,62A,62B,63A,63B,64A,64Bとが直交する。そのため、歪ゲージ3及び抵抗素子接続部4と導電体部6とにX方向又はY方向に沿ったパターンずれが生じても、抵抗素子接続部4のうち導電体部6から露出した部分の面積は変化しない。従って、複数の歪ゲージ3での間の抵抗値の変化がないため、検出精度を向上させることができる。
【0038】
(2)抵抗素子接続部4は歪ゲージ3の両端にそれぞれ接続され、これらの抵抗素子接続部4のうち導電体部6から露出する第一直線部分411,421,431,441を横切る辺61A,62A,63A,64Aを互いに平行にし、第二直線部分412,422,432,442を横切る辺61B,62B,63B,64Bを互いに平行にした。そのため、導電体部6を形成する際に、第一直線部分411,421,431,441や第二直線部分412,422,432,442と平行にパターンずれを生じる場合、歪ゲージ3及び抵抗素子接続部4の面積が変化しない。そのため、複数の歪ゲージ3での抵抗値の変化がなく、歪ゲージ3間の出力にばらつきが少ないものとなって、出力調整が容易となる。
【0039】
(3)歪ゲージ3は、ダイアフラム部10の中央部に2個配置された中央部用歪ゲージ31,32と、ダイアフラム部10の外周部に2個配置された外周部用歪ゲージ33,34とを備え、中央部用歪ゲージ31は、第一抵抗素子接続部41と第四抵抗素子接続部44とが接続され、中央部用歪ゲージ32は、第二抵抗素子接続部42と第三抵抗素子接続部43とが接続され、これらの第一直線部分411,421,431,441と導電体部6のうち第一直線部分411,421,431,441を横切る辺61A,62A,63A,64Aとが互いに平行である。そのため、2個の中央部用歪ゲージ31,32での間の抵抗値の変化がないので、この点からも、複数の歪ゲージ3間の出力にばらつきが少ないものとなる。
【0040】
(4)歪ゲージ3、抵抗素子接続部4及び電極部5を同一の材料から形成したから、これらの成形工程を同一工程でダイアフラム部10に形成できるので、センサモジュール1の製造が簡易となる。
【0041】
(5)ダイアフラム部10が筒状部10Aの端部に形成され、筒状部10Aの内部には被測定流体が導入される凹部が形成されるので、圧力センサ素子において前述の効果を奏することができる。
【0042】
(6)中央部用歪ゲージ31,32の幅寸法tに対する抵抗素子接続部4の端部41A,42A,43A,44Aの幅寸法taの比(ta/t)は、5未満であり、外周部用歪ゲージ33,34の幅寸法tに対する抵抗素子接続部4の第二直線部分412,422,432,442の幅寸法tbの比(tb/t)は、5未満である。そのため、歪ゲージ3の幅寸法を小さくするとともに、抵抗素子接続部4を構成する直線部分の幅寸法を小さくすることで、全体として検出部20の面積を小さくしてセンサモジュール1を小型化することが可能となる。
【0043】
(7)検出部20の上には保護膜が設けられているので、検出部20が露出することに伴う不都合を回避することができる。
【0044】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図4及び図5に基づいて説明する。
第2実施形態は、第1実施形態とは、検出部の平面形状が異なるもので、他の構成は第1実施形態と同じである。第2実施形態の説明において、第1実施形態と同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図4は第2実施形態にかかるセンサモジュールの平面を示すものである。
図4において、センサモジュール2は、ダイアフラム部10と、ダイアフラム部10の平面部に形成された検出部20Aとを備えて構成されている。
【0045】
検出部20Aは、歪量を検出する4個の歪ゲージ7と、歪ゲージ7に接続された抵抗素子接続部8と、抵抗素子接続部8に接続された電極部9と、抵抗素子接続部8の一部及び電極部9を覆う導電体部100とを有する。
歪ゲージ7、抵抗素子接続部8及び電極部9は、同一の材料、例えば、ポリシリコンから形成されている。
歪ゲージ7は、ダイアフラム部10の中央部に配置された2個の中央部用歪ゲージ71,72と、ダイアフラム部10の外周部に配置された2個の外周部用歪ゲージ73,74とを備えている。
【0046】
2個の中央部用歪ゲージ71,72は、それぞれ、図4のX方向に沿って直線状に形成されており、かつ、互いに平行とされている。
2個の中央部用歪ゲージ71,72は、ダイアフラム部10の円中心Oを挟んで互いにX方向に離れる方向にオフセットされている。
外周部用歪ゲージ73は、直線状に形成され、かつ、中央部用歪ゲージ71と同一線上に配置されている。
外周部用歪ゲージ74は、直線状に形成され、かつ、中央部用歪ゲージ72と同一線上に配置されている。
中央部用歪ゲージ71,72及び外周部用歪ゲージ73,74の幅寸法はtである。
【0047】
抵抗素子接続部8は、第一抵抗素子接続部81、第二抵抗素子接続部82、第三抵抗素子接続部83及び第四抵抗素子接続部84を備える。
第一抵抗素子接続部81は、中央部用歪ゲージ71の一端部と接続される直線部分81Sを有する。直線部分81Sの他端部は、外周部用歪ゲージ73の一端部と接続されている。直線部分81Sは、歪ゲージ7と平行に形成されており、かつ、そのY方向に沿った寸法、つまり、幅寸法はtcである。
第二抵抗素子接続部82は、一端部が外周部用歪ゲージ73の他端部と接続される第一直線部分821と、第一直線部分821の他端部と一端部が接続される平面U字状の接続部分82Cと、接続部分82Cの他端部と一端部が接続される第二直線部分822とを有する。第二直線部分822の他端部は中央部用歪ゲージ72の一端部と接続されている。第一直線部分821と第二直線部分822とは、中央部用歪ゲージ71の長手方向(X方向)に延びて形成され、かつ、互いに平行とされている。第一直線部分821と第二直線部分822との幅寸法は、それぞれtcである。
【0048】
第三抵抗素子接続部83は、中央部用歪ゲージ72の他端部と接続される直線部分83Sを有するもので、直線部分83Sの他端部は、外周部用歪ゲージ74の一端部と接続されている。直線部分83Sは、歪ゲージ7と平行に形成されており、かつ、そのY方向に沿った寸法、つまり、幅寸法はtcである。
第四抵抗素子接続部84は、一端部が外周部用歪ゲージ74の他端部と接続される第一直線部分841と、第一直線部分841の他端部と一端部が接続される平面U字状の接続部分84Cと、接続部分84Cの他端部と一端部が接続される第二直線部分842とを有するもので、第二直線部分842の他端部は中央部用歪ゲージ71の他端部と接続されている。第一直線部分841と第二直線部分842とは、中央部用歪ゲージ71の長手方向に延びて形成され、かつ、互いに平行とされている。第一直線部分841と第二直線部分842との幅寸法は、それぞれtcである。
【0049】
電極部9は、第一電極部91、第二電極部92、第三電極部93及び第四電極部94を備える。
第一電極部91は、その一端が直線部分81Sに接続されており、その他端部はパッドを形成するための円形スペースが形成されている。
第二電極部92は、その一端が接続部分82Cに接続されており、その他端部はパッドを形成するための円形スペースが形成されている。
第三電極部93は、その一端が直線部分83Sに接続されており、その他端部はパッドを形成するための円形スペースが形成されている。
第四電極部94は、その一端が接続部分84Cに接続されており、その他端部はパッドを形成するための円形スペースが形成されている。
【0050】
導電体部100は、金、その他の導電性材料から形成されるもので、第一導電体部101、第二導電体部102、第三導電体部103及び第四導電体部104を備える。
第一導電体部101は、直線部分81Sの一部及び第一電極部91を覆うものである。
第二導電体部102は、第一直線部分821の一部、第二直線部分822の一部、接続部分82C及び第二電極部92を覆うものである。
第三導電体部103は、直線部分83Sの一部及び第三電極部93を覆うものである。
第四導電体部104は、第一直線部分841の一部、第二直線部分842の一部、接続部分84C及び第四電極部94を覆うものである。
なお、図4において、導電体部100は、複数の縦線を設けて領域をわかりやすく図示されている。
【0051】
本実施形態では、中央部用歪ゲージ71,72の幅寸法tに対する直線部分81S,83S、第一直線部分821,841及び第二直線部分822,842の幅寸法tcの比(tc/t)は、5未満である。
具体的には、ダイアフラム部10の直径が5mmである場合、中央部用歪ゲージ71,72の幅寸法tを40μmとし、直線部分81S,83S、第一直線部分821,841及び第二直線部分822,842の幅寸法tcを120μmとすると、tc/t=3である。
【0052】
第一抵抗素子接続部81の直線部分81Sは、その両端がそれぞれ第一導電体部101から露出しており、これらの露出した部分のX方向と第一導電体部101の直線部分81Sを横切る辺101A,101Bとは互いに直交する。
第三抵抗素子接続部83の直線部分83Sは、その両端がそれぞれ第三導電体部103から露出しており、これらの露出した部分のX方向と第三導電体部103の直線部分83Sを横切る辺103A,103Bとは互いに直交する。
第二抵抗素子接続部82の第一直線部分821は、第二導電体部102から露出しており、この露出した部分のX方向と第一直線部分821と第一直線部分821を横切る辺102Aとは互いに直交する。
第二抵抗素子接続部82の第二直線部分822は、第二導電体部102から露出しており、この露出した部分のX方向と第二導電体部102と第二直線部分822を横切る辺102Bとは互いに直交する。
第四抵抗素子接続部84の第一直線部分841は、第四導電体部104から露出しており、この露出した部分のX方向と第一直線部分841と第一直線部分841を横切る辺104Aとは互いに直交する。
第四抵抗素子接続部84の第二直線部分842は、第四導電体部104から露出しており、この露出した部分のX方向と第二直線部分842と第二直線部分842を横切る辺104Bとは互いに直交する。
【0053】
次に、第2実施形態のセンサモジュールを製造する方法を図5に基づいて説明する。
図5(A)に示される通り、ダイアフラム部の上に蒸着等で歪ゲージ7、抵抗素子接続部8及び電極部9をパターン形成する。その後、想像線に示される通り、抵抗素子接続部8のうち直線部分81S、83Sの一部、第一直線部分821,841の一部、第二直線部分822,842の一部、接続部分82C,84C、第一電極部91、第二電極部92、第三電極部93及び第四電極部94を導電体部100で覆う。導電体部100は、導電性材料を歪ゲージ7、抵抗素子接続部8及び電極部9の上から蒸着等するものであり、ダイアフラム部に対してX方向又はY方向に沿って実施される。このように形成された検出部20Aの上に保護層を形成する。なお、図5(A)は、導電体部100が本来の正しい位置に形成された場合を示す。
歪ゲージ7、抵抗素子接続部8及び電極部9のうち第一導電体部101と第二導電体部102との間で露出した領域をS1、第二導電体部102と第三導電体部103との間で露出した領域をS2、第三導電体部103と第四導電体部104との間で露出した領域をS3、第四導電体部104と第一導電体部101との間で露出した領域をS4とする。
【0054】
ここで、導電体部100を形成する際に、歪ゲージ7、抵抗素子接続部8及び電極部9のパターンと、導電体部100のパターンとが図5(B)で示される通り、Y方向にずれたり、図5(C)で示される通り、X方向にずれたり、することがある。
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、領域S1〜S4は、歪ゲージ7、抵抗素子接続部8及び電極部9のパターンと、導電体部100のパターンとがY方向にずれたり、X方向にずれたり、したとしても、面積に変化がない。
従って、第2実施形態では、第1実施形態の(1)〜(7)の効果と同様の効果を奏することができる。
【0055】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図6に基づいて説明する。
第3実施形態は、第1実施形態とは、中央部用歪ゲージの平面形状が異なるもので、他の構成は第1実施形態と同じである。第3実施形態の説明において、第1実施形態と同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図6は第3実施形態にかかるセンサモジュールの平面を示すものである。
図6において、第3実施形態の検出部20Bは、歪ゲージ35Aを備えて構成されている。
歪ゲージ35A、抵抗素子接続部4及び電極部5は、同一の材料、例えば、ポリシリコンから形成されている。
【0056】
歪ゲージ35Aは、ダイアフラム部10の中央部に配置された2個の中央部用歪ゲージ36,37と、ダイアフラム部10の外周部に配置された2個の外周部用歪ゲージ33,34とを備えている。
2個の中央部用歪ゲージ36,37は、それぞれ、平面S字状に形成されており、その一端が端部41A,42Aに接続され、その他端が第二直線部分432,442に接続されている。
2個の中央部用歪ゲージ36,37は、ダイアフラム部10の円中心Oを挟んで互いに近接して平行に配置されている。
第3実施形態において、センサモジュール2の製造方法は第1実施形態と同じである。
第3実施形態は第1実施形態の(1)〜(7)と同様の効果を奏することができる。
【0057】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図7に基づいて説明する。
第4実施形態は、第1実施形態とは、外周部用歪ゲージ、抵抗素子接続部及び電極部の平面形状が異なるもので、他の構成は第1実施形態と同じである。第4実施形態の説明において、第1実施形態と同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図7は第4実施形態にかかるセンサモジュールの平面を示すものである。
図7において、第4実施形態の検出部20Bは、歪ゲージ35B、抵抗素子接続部4及び電極部5を備えて構成されている。
歪ゲージ35B、抵抗素子接続部4及び電極部5は、同一の材料、例えば、ポリシリコンから形成されている。
【0058】
歪ゲージ35Bは、ダイアフラム部10の中央部に配置された2個の中央部用歪ゲージ31,32と、ダイアフラム部10の外周部に配置された2個の外周部用歪ゲージ38,39とを備えている。
2個の外周部用歪ゲージ38,39は、それぞれ、外側に向けて開口された平面コ字状とされ、かつ、端部が第二直線部分412,422,432,442に接続されている。
第一抵抗素子接続部41は、端部41A、第一直線部分411及び第二直線部分412の他に、第一直線部分411と第二直線部分412とを接続する平面L形の接続辺部410を有する。
第一電極部51は、接続辺部410と第二直線部分412との接続部分に接続されている。
【0059】
第二抵抗素子接続部42は、端部42A、第一直線部分421及び第二直線部分422の他に、第一直線部分421と第二直線部分422とを接続する平面L形の接続辺部420を有する。
第二電極部52は、接続辺部420と第二直線部分422との接続部分に接続されている。
第三抵抗素子接続部43は、端部43A、第一直線部分431及び第二直線部分432の他に、第一直線部分431と第二直線部分432とを接続する平面L形の接続辺部430を有する。
第三電極部53は、接続辺部430と第二直線部分432との接続部分に接続されている。
【0060】
第四抵抗素子接続部44は、端部44A、第一直線部分441及び第二直線部分442の他に、第一直線部分441と第二直線部分442とを接続する平面L形の接続辺部440を有する。
第四電極部54は、接続辺部440と第二直線部分442との接続部分に接続されている。
第4実施形態において、センサモジュール1の製造方法は第1実施形態と同じである。
第4実施形態は第1実施形態の(1)〜(7)と同様の効果を奏することができる。
【0061】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、歪ゲージ3,7,35A,35B、抵抗素子接続部4,8及び電極部5,9を同一の材料から形成したが、本発明では、これらの材料を異なるものとしてもよい。
さらに、端部41A,42A,43A,44Aの幅寸法は同じtaであったが、本発明では、これらの幅寸法は異なるものであってもよい。同様に、第二直線部分412,422,432,442の幅寸法は同じtbであったが、本発明では、これらの幅寸法は異なるものであってもよい。
また、前記各実施形態では、センサモジュール1を被測定流体の圧力を検知する圧力センサ素子として説明したが、本発明では、温度等を検出するための物理量測定用センサとしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…センサモジュール、10…ダイアフラム部、10A…筒状部、20,20A,20B…検出部、3,7,35A,35B…歪ゲージ、31,32,36,37,71,72…中央部用歪ゲージ、33,34,38,39,73,74…外周部用歪ゲージ、4,8…抵抗素子接続部、41,81…第一抵抗素子接続部、42,82…第二抵抗素子接続部、43,83…第三抵抗素子接続部、44,84…第四抵抗素子接続部、5…電極部、51…第一電極部、52…第二電極部、53…第三電極部、54…第四電極部、6…導電体部、61…第一導電体部、62…第二導電体部、63…第三導電体部、64…第四導電体部、411,421,431,441,821,841…第一直線部分、412,422,432,442,822,842…第二直線部分、81S,83S…直線部分、61A,61B,62A,62B,63A,63B,64A,64B,101A,101B,102A,102B,103A,103B,104A,104B…辺
図1
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