特許第6356734号(P6356734)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6356734部分的又は単顆ベアリング膝関節置換のための人工脛骨コンポーネント、このような人工脛骨コンポーネントの選択方法、このような人工脛骨コンポーネントの埋入方法、および外科医のためのキット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6356734
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】部分的又は単顆ベアリング膝関節置換のための人工脛骨コンポーネント、このような人工脛骨コンポーネントの選択方法、このような人工脛骨コンポーネントの埋入方法、および外科医のためのキット
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/38 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
   A61F2/38
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-121851(P2016-121851)
(22)【出願日】2016年6月20日
(62)【分割の表示】特願2012-556591(P2012-556591)の分割
【原出願日】2011年3月11日
(65)【公開番号】特開2016-193218(P2016-193218A)
(43)【公開日】2016年11月17日
【審査請求日】2016年6月28日
(31)【優先権主張番号】1004068.1
(32)【優先日】2010年3月11日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512236146
【氏名又は名称】オコナー ジョン
(73)【特許権者】
【識別番号】512236157
【氏名又は名称】ドッド クリス
(73)【特許権者】
【識別番号】512236168
【氏名又は名称】マーレイ デイビッド
(73)【特許権者】
【識別番号】308013595
【氏名又は名称】バイオメット ユーケー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】512236179
【氏名又は名称】ハンスリー コリン
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オコナー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ドッド クリス
(72)【発明者】
【氏名】マーレイ デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】グッドフェロー ジョン
【審査官】 伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−514470(JP,A)
【文献】 特開2000−000255(JP,A)
【文献】 特表2005−515810(JP,A)
【文献】 特表2009−513187(JP,A)
【文献】 特表2002−532126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝関節置換のための脛骨インプラントであって、
脛骨の一方の顆に配置されるように構成され、周縁領域に所定の厚さを有し、前後方向に所定の長さを有するプレートと、
前記プレートの遠位側表面から所定の奥行き長を有して突出するキールと、を備え、
記厚さ、前記長さ、及び、前記奥行き長のうちの少なくとも1つは、脛骨インプラントが埋入される患者の身体的な特性と線形的に関連しており、前記身体的な特性は、前記患者の身長及び前記患者の体格指数のいずれか1つ又は複数の身体的特徴である、膝関節置換のための脛骨インプラント。
【請求項2】
前記前後方向における前記プレートの前記長さは、前記周縁領域の前記厚さが3mm未満の場合に当該厚さに比例し、前記長さの前記厚さに対する割合は、20.25±1.0、20.25±0.5、20.25±0.3、20.25±0.2、及び、20.25±0.1のいずれか1つである、請求項1に記載の脛骨インプラント。
【請求項3】
前記キールは9.00mm未満の奥行き長を有する、請求項1又は2に記載の脛骨インプラント。
【請求項4】
前記前後方向における前記プレートの前記長さは、前記キールの前記奥行き長に比例し、前記プレートの前記長さの前記キールの前記奥行き長に対する割合は、6.75±2.0、6.75±1.0、6.75±0.5、6.75±0.3、6.75±0.2、及び、6.75±0.1のいずれか1つである、請求項1〜3の何れか1項に記載の脛骨インプラント。
【請求項5】
前記プレートの前記厚さは3mm未満である、請求項1〜4の何れか1項に記載の脛骨インプラント。
【請求項6】
前記キールは、前後の端部のそれぞれが3.5mmと4.5mmとの間の曲率半径を有する、請求項1〜5の何れか1項に記載の脛骨インプラント。
【請求項7】
前記キールからウェブが延出し、前記キールが前記プレートに対して固定される、請求項1〜6の何れか1項に記載の脛骨インプラント。
【請求項8】
前記キールの前記奥行き長は、前記プレートの前記長さに対して、比例関係において線形的に関連している、請求項1〜7の何れか1項に記載の脛骨インプラント。
【請求項9】
前記プレートの前記長さは、前記患者の前記身長と線形的に関連している、請求項8に記載の脛骨インプラント。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、部分的又は単顆ベアリング膝関節置換のための、具体的には部分的又は単顆半月板ベアリング膝関節置換のための人工脛骨コンポーネントと、このような人工脛骨コンポーネントの選択方法と、このような人工脛骨コンポーネントを膝の手術中に埋入する(implant)方法と、外科医のためのキットとに関する。
【0002】
膝は3つの相互に依存する関節を3つの別々の部分に備え、これらの関節は全て皮膚に覆われた繊維性被膜に囲まれている。内側の脛骨−大腿骨関節は、下肢の内側において腿の骨(大腿骨)と足の骨(脛骨)との接触に関係する。外側の脛骨−大腿骨関節は、下肢の外側において大腿骨と脛骨との接触に関係する。膝蓋骨−大腿骨関節は、下肢の前側において大腿骨と膝頭(膝蓋骨)との接触に関係する。
【0003】
大腿骨の下(遠位)端の前側には、フランジ状の窪んだ溝が備えられており、膝蓋骨の通り道が設けられている。大腿骨の遠位端の後側は、2つの独立したほぼ球体の凸状顆部に分割され、脛骨に接触している。脛骨の上面はプラトー(plateau)のようになっており、内側がわずかに窪んで、内側の脛骨−大腿骨の関節を形成している大腿顆と接触し、また、外側がわずかに凸状になっていて、関節の間を前側から後側へと延出する突起(脛骨隆起)を有する外側の脛骨−大腿骨関節を形成する外側の大腿顆と接触している。
【0004】
各関節における関節間の表面は、軟骨と呼ばれる薄い何層もの強靭な保護膜によって覆われており、膝を覆っている繊維性被膜の内側面にある膜組織から分泌される滑液によって潤滑化されている。脛骨−大腿骨関節の表面は更に、半円、半月状の膠原線維束が円周方向に配置された半月板によって分離されている。各束はそれぞれの端部において脛骨に固く付着しており、また周辺の被膜には緩く付着している。半月板は大腿顆のための密着した可動性のソケットを形成し、大腿骨と脛骨との形状の異なる表面を密接に適合させつつ、大腿顆が脛骨上をある程度前後に移動することを可能にしている。
【0005】
骨は関節に架かる腱と共に、筋肉によって能動的に保持され、靭帯および関節包によって受動的に保持される。靭帯は、主に長手方向に延出する膠原線維の束を備えている。側副靭帯は、内側および外側の顆部の外表面から生じている。内側側副靭帯は、脛骨近位端の内側表面に挿入している。内側側副靭帯は、外側側副靭帯よりもはるかに大きく、堅い構造である。十字靭帯は大腿骨顆の内側表面から生じ、脛骨隆起へと挿入している。
【0006】
靭帯および骨は共に、骨の互いに対する動きの複雑なパターンを制御するメカニズムを形成している。無負荷の状態において、膝が横軸を中心として130°屈曲すると、脛骨の軸を中心として約25°回転し(軸回転)、前後軸を中心として約5°回転する(外転−内転)。これらの動きは、主に脛骨−大腿骨の接触領域の前後移動によって調整され、骨が互いの上を回転かつ滑動する。また、大腿骨顆は脛骨の軸を中心とする角運動が可能である。負荷がある状態において、靭帯は伸長し、関節面は窪んで、屈曲と軸回転と外転−内転との関係、および屈曲と接触領域の移動との関係を著しく修正する。従って、膝における動きは、負荷および活性依存的である。関節面あるいは靭帯の損傷は、骨の互いに対する動きのパターンおよび負荷に対する関節の反応を変化させる。
【0007】
変形性関節症は、該3つの関節のうちの1つ、あるいはそのうちのいずれかの関節において軟骨が衰弱することから起こり、骨と骨との接触を起こし、痛みが始まる。変形性関節症はしばしば、最初に内側の部分からそれ自体が現れ、その間靭帯は無損傷のままである。該疾患は、前側十字靭帯が機能しなくなるまでは、内側の部分だけにとどめられるが、その後、該疾患はその他の2つの部分へと広がる。これらの進行を一時的に止めたり防止したりする、薬での治療方法は見つかっていない。
【0008】
膝関節全置換は、変形性関節症の最も一般的な外科的治療方法であるが、3つの部分全ての関節面を置換し、靭帯の一部を犠牲にすることも伴う。部分的膝関節置換は、1つの部分の関節面のみが置換され、他の2つの部分の無損傷の表面、および全ての靭帯は残される。部分的膝関節置換は予防的な役割を果たし、該疾患が他の部分で発症する割合を減らす。部分的膝関節置換は、外科的な要求水準が高いため、指示されても必ずしも用いられるわけではない。
【0009】
膝関節置換の人工コンポーネントを埋入するために、十分な切片の骨が脛骨および大腿骨から切除される必要がある。
小さな膝関節を持つ人にとっては、人工脛骨コンポーネントを埋入するために脛骨の切片を切除してしまうと、骨折や靭帯分離を引き起すほどまでに、該コンポーネントの周辺の骨が弱体化してしまうということは言うまでもない。更に、膝関節内側部分置換において、骨を過度に切除してしまうと、内側側副靭帯に不用意な損傷を与え、置換部分に過度な詰込み、および無損傷の外側部分に過度に負荷をかけすぎることとなり、結果的に変性を引起してしまうことになる。
【0010】
現在、様々な体格の患者に用いるための、様々なサイズの脛骨インプラントが提供されている。実施例の1つであるオックスフォード膝関節(Oxford Knee)の場合、サイズAAからFまでの内側プレートがある。これらのプレートは周縁の厚さが2.95mmの中央プレートと、深さが9mmで厚さが2.75mmのキール(keel)とを有する。異なるサイズに形成された脛骨インプラントは全て、同一の厚さのプレートと、同一の深さおよび厚さのキールとを有する。サイズAの脛骨インプラントは長さが45.4mm、サイズBは長さ48.6mm、サイズCは長さ51.8mm、サイズDは長さ55mm、そしてサイズFは長さ58.2mmである。A〜Fのインプラントのキールの長さは、28mm、30mm、33mm、35mm、38mm、そして40mmである。
[発明の実現]
大柄な人と小柄な人に同一の深さを有するプレートを用いるのは、間違いであることに気付いた。その間違いは、必然的に小柄な人にとって好ましい量よりも多くの骨が脛骨から切除されてしまうことを引き起こす。また、キールの深さと幅が同一であることは、小柄な人にとって問題となり得、脛骨を不必要に弱体化させてしまうことになりかねない。
【0011】
今のところ、大柄な人や特別に大柄な人には、脛骨インプラントが弱すぎるといった目立った問題はない。逆説的ではあるが、小さな脛骨インプラントは、長さは短いものの、プレートの厚さとキールの幅が同一であるため、使用の際にはより小さな応力に対応しなければならないと言いながら、大きなインプラントよりも堅固である。我々は、現在の小柄な人のための脛骨インプラントは過剰な機能を有しており、これらのインプラントは、より薄いプレートおよび/あるいは浅いキール、および/あるいはより薄いキールで作製することが可能であると考える。
【0012】
概して、小柄な人のための脛骨インプラントは、大きなインプラントと同様の応力に耐えるように、あるいはパラメータ的には強度をより小さく(例えば、身長、体重、BMI等に線形的に一致して)作製することが可能であると考える。
[発明の概要]
本発明の第1の局面によると、脛骨の脛骨プラトーを形成するためのプレートを備え、前記プレートの周縁領域は3mmより小さな、好ましくは2.5mmより小さな、任意には2.25あるいは2.0mm±0.5mmあるいは±0.2mm、あるいは±0.1mmの厚さを有することを特徴とする、人工脛骨コンポーネントが提供される。
【0013】
いくつかの実施例においては、プレートの周縁領域は、2.0mmより小さな厚さを有していてもよく、また1.8mmより小さな、あるいは1.7mmよりも小さな厚さを有していてもよい。いくつかの実施例においては、プレートの周縁領域は、1.9mmあるいは1.8mm〜1.5mmの間の厚さを有していてもよい。
【0014】
いくつかの実施例においては、患者の身長から脛骨コンポーネントの適切な厚さを決定することが可能である。これは以下の制約下で有効である:
・患者の体格指数(BMI)が設定値(30〜35前後)を超えない。
【0015】
BMI=体重(kg)/(身長(m))
・全てのサイズのコンポーネントに同一の材料を用い、一定の最大許容応力を与える。
・所与の最大BMIの下では、コンポーネントの長さ、コンポーネントの幅および患者の身長は全て互いに比例する。
【0016】
これらの制約を用いることによって、コンポーネントの厚さは患者の身長に比例することが分かった。
有限要素応力解析を用い、キールの前後の長さを許容限界内で変化させることによって、脛骨プレートは、最大の厚さの因数0.25で縮小可能であることが分かった。
【0017】
このことから、本来のプレートの厚さ3mmを最大の厚さとして用いると、「最小」の厚さは2.25mmとなる。例えば「最大」のプレートの厚さが3mmより小さい場合には、これよりも薄くしてもよい
比例に関する制約があるため、この割合は患者の身長の適切な範囲を決定するのにも用いられる。例えば、最大身長6’4”に対して、最小の身長は4’10”になる。この範囲は患者記録に基づいて調整可能である。
【0018】
プレートの周縁領域の厚さが従来のプレートの厚みである現在の3mmよりも小さいため、プレートの周縁領域を受容するために切除する脛骨の領域は、より薄い領域である必要がある。従って、骨が極度に弱体化したり、脛骨に付着した靭帯が損傷したりする可能性も減る。少なくとも小柄な人には、通常膝にかかる力に耐えるためにプレートの厚さが3mmでなくてもよいことから、プレートの厚さは縮小可能であることが分かっている。これらの利点は概して、プレートが、使用される際にかかる力に耐えるのには薄すぎてしまう厚さになるまで、プレートがより薄く形成されるほどに増大する。従って、プレートの周縁領域の厚さは、配置される部分に通常かかる力に耐えるのに必要とされる厚さよりも、大きいかあるいは同じであることが望ましい。2.5mmよりも小さい厚さ、および好ましくは1〜2.5mmの間の厚さ、例えば1〜1.9mmの間、例えば1.5および1.8mm、がこれらの要件を満たしていると考えられている。
【0019】
前記人工脛骨コンポーネントは、前記プレートから突出するキールを備えていてもよく、前記キールは、使用の際には、脛骨の中へと延出するように設けられている。前記キールは、外内方向の幅よりも前後方向に長い長さを有する長尺状の突出部を備えていてもよい。前記キールはアンカーとしての役割を果たし、前記プレートを脛骨の所定の位置に固定する。このようなキールはオックスフォード膝関節およびその他の膝の脛骨コンポーネントにおいて知られている。
【0020】
前記キールの突出部は、使用の際にプレートの内側半分の領域から下方向に延出していてもよい。こうすることによって、キールと脛骨の外面との距離が増し、人工コンポーネントの埋入による脛骨の弱体化や剥離の可能性を減らす。
【0021】
前記突出部の大部分の表面は、プレートの垂直面に対して所定の角度で設けられ、埋入された時に脛骨の外面とほぼ平行に、あるいは脛骨の外面から離れるように延出していてもよい。前記突出部の大部分の表面は、使用される際に、脛骨の外面の屈曲と並行して、あるいは該屈曲から離れるように屈曲していてもよい。前記突出部は平面状に延出していてもよく、使用される際に該平面が垂直線に対して所定の角度になるように/プレートの平面に対して垂直になるように設けられていてもよい。前記突出部は、使用される際に、脛骨顆の外面と前記突出部の大部分の表面および端部との間の距離が、ほぼ一定であるように、あるいは突出部の範囲に沿って下方に移動するに従って増加するように設けられていてもよい。
【0022】
使用される際に後方および/あるいは前方に配置される前記突出部の端部は、該突出部の長手方向に対して90°よりも小さい角度で延出していてもよい。ある実施例において、使用される際に後方に配置される前記突出部の端部は、少なくとも2.0、および場合によっては約2.5あるいは3.0mmあるいはそれ以上の曲率半径で屈曲している。該端部の曲率半径は、前記キールの深さのおよそ半分、すなわち3.5mm〜4.5mmの間(これらの値を含む)、であってもよい。前記キールの端部の曲率半径が高いほど(現在の1.5より高い)、応力に対処する能力がより大きく、場合によっては前記キールをより浅くおよび/あるいは前後方向により短く形成することを可能にするということが分かった。これは独立した発明であってもよい。より浅くおよび/あるいはより浅いキールを有することによって、脛骨の後方(あるいは前方)で切除されなければならない骨の量を減らし、キールを有する従来より公知であるオックスフォード(Oxford)人工脛骨コンポーネントと比較して、この領域における骨の弱体化を減少させる。
【0023】
前記キールは、前記突出部から延出するウェブを備え、前記キールをプレートに対して固定している。該ウェブは、前記突出部に対するプレートの接続を強化し、および/あるいはウェブがない場合よりも前記突出部を強く固定し、使用される際にキールが破損して外れてしまったり屈曲してしまったりする可能性を減らしている。またウェブは、ウェブがない場合と比較して、プレートを強化/補強しており、より薄いプレートが使用できるようにしている。またウェブは、各ウェブと前記突出部とプレートとの間に間隙が生じないように、連続した留め具を備えていてもよい。あるいはウェブは、穴を有する支柱あるいは連続した留め具を、各ウェブおよび前記突出部および/あるいはプレートの中あるいは間に間隙ができるように、備えていてもよい。間隙を設けることで、長期にわたって骨が間隙の中に成長し、人工コンポーネントを所定の位置に更に固定することができる。また、ハイドロキシアパタイトを含んだ、あるいはハイドロキシアパタイトを含まない、専門的な多孔質コーティングが加えられ、骨の内方成長を促進してもよい。
【0024】
前記キールの突出部は、場合によってはセメントあるいは成長する骨を受容するためのスロットを、中に備えていてもよい。
上述のとおり、プレートの厚さは患者の身長(あるいはその他の特徴、例えば体重)に比例していてもよい。プレートのその他の寸法は、プレートの厚さ(および患者の特徴)に比例するように設けられていてもよい。例えば、プレートの長さはプレートの厚さに比例していてもよい。従って、患者に適したプレートが、プレートの厚さよりはプレートの長さを基に(厚さは長さに比例するため)選択される。
【0025】
代替的に、あるいは付加的に、プレートの幅(プレートの最長の寸法、すなわちプレートの一番幅広の部分)はプレートの厚さおよび/あるいは長さに比例していてもよい。
代替的に、あるいは付加的に、キール(もしあれば)の深さおよび/あるいは長さは、プレートの長さおよび/あるいは厚さおよび/あるいは幅に比例していてもよい。従ってプレートの寸法は、患者の身長に比例して拡大縮小する。
【0026】
プレートの長さのプレートの厚さに対する割合(長さ/厚さ)は、およそ20.25±5、あるいは±2、あるいは±1、あるいは±0.5、あるいは±0.3、あるいは±0.2あるいは±0.1であってもよい。プレートの長さのキールの深さに対する割合(長さ/キールの深さ)は、6.75±2、あるいは±1、あるいは±0.5、あるいは±0.3、あるいは±0.2あるいは±0.1であってもよい。
【0027】
プレートの厚さおよび/あるいはキールの深さおよび/あるいはプレートの長さは患者の身長以外の(あるいは身長に加えて)その他の身体的特徴、例えば患者の体重、脛骨の外側あるいは内側顆部のサイズ、脛骨の長さ、大腿骨の長さ、および脛骨と大腿骨との間の間隙に比例するように設けられていてもよい。
【0028】
3mmよりも小さな厚さを有するプレートの周縁領域は、脛骨の端部と実質的に一直線上に配置されるように設けられた端部を有する周縁領域であってもよい。例えば、人工脛骨外側コンポーネントについて、プレートの周縁領域は、使用される際に脛骨の外前側および外後側と実質的に一直線上に配置されるように設けられた端部を有していてもよい。人工脛骨内側コンポーネントにについて、プレートの周縁領域は、使用される際に脛骨の内前側および内外側と実質的に一直線上に配置されるように設けられた端部を有していてもよい。使用される際に脛骨の顆間隆起および/あるいはプレートの中央領域に隣接する、プレートの最も内側の周縁部分は、3mmあるいはそれより大きな厚さを有していてもよい。
【0029】
使用される際に、フランジはプレートの最も内側の周縁部分から上方に(場合によってはプレートの平面に対して垂直に)延出していてもよい。前記フランジが、人工膝関節の半月板ベアリングを位置決めするための、隣接面を提供してもよい。
【0030】
骨を許容できない程度に弱体化させてしまうことなく、より深い陥凹を、脛骨の外端から離れた脛骨の領域に設けることが可能であってもよく、このことは、使用される際に脛骨の外端に近接して位置するプレートの周縁領域の厚さが、縮小された厚さである場合にのみ必要であってもよい。しかし、好適な実施例において、プレートの面積の全て、あるいは大部分は、3mmより小さな厚さを有している。例えば、プレートは、キールおよび/あるいはフランジが存在するためにより厚く形成された領域を除いては、3mmより小さな厚さを有していてもよい。「プレートの面積の大部分」とは、50%より多くの、あるいは=70%、あるいは=80%、あるいは=90%であってもよいということである。
【0031】
プレートの中央領域の厚さは、例えばセメント、あるいはセメントを用いない埋入の場合は多孔質材料、を受容するためのポケットを下面に設けるために、プレートの周縁の厚さよりも小さくてもよい。
【0032】
プレートの厚さは変化していてもよい。プレートの上面は凸状あるいは凹状でもよく、プレートの下面は実質的に平坦であってもよい。しかし、代替的な実施例においては、プレートの下面は、使用される際にプレートの周縁領域以外の領域が、プレートの周縁領域よりも多く脛骨の中へと延出するように形成されている。例えば、下面を、プレートの周縁領域から内側に進むにしたがって、場合によっては3mmあるいはそれより大きい厚さになるまで、厚さが大きくなるように、凸状あるいは階段状にすることも可能である。
【0033】
本発明の第2の局面によると、人工脛骨コンポーネントが埋入される個人の身体的特性の少なくとも1つの測定結果を用いて、プレートの厚さおよび/あるいはキールの深さが異なるコンポーネントの中から、人工脛骨コンポーネントを選択するステップを備えた人工脛骨コンポーネントの選択方法が提供される。
【0034】
現在のところ、実際には、外科医は脛骨インプラントを受容するために脛骨の薄片を3mmの厚さまで切除し、骨の薄片を(反対側の膝の)試作の鋳型と比較することによって、切除した薄片を適切なサイズの脛骨インプラントを選別するのに用いる。
【0035】
我々の新たな認識を用いることによって、人工脛骨コンポーネントが埋入される個人に適切な人工脛骨コンポーネントを提供することが可能である。前記身体的特性は、前記個人の身長、前記個人の体重、脛骨の外側あるいは内側顆のサイズ、脛骨の長さ、大腿骨の長さ、脛骨と大腿骨との間の間隙のうちの1つ、あるいはそれより多くであってもよい。例えばレントゲンあるいはMRIなどの画像技術を用いて、その人の脛骨を撮像することができ、取得した画像がサイズの指標となり得る。例えば、選択される脛骨顆のサイズはその画像から推定することが可能であり、必要とされる脛骨コンポーネントのサイズに関する予備的な見解が得られる。適切なサイズの脛骨コンポーネントの脛骨プレートの厚さに一致する深さの脛骨が切除される。
【0036】
本発明の別の局面は、部分的又は単顆人工半月板膝関節のための、複数の異なるサイズの人工脛骨コンポーネント(あるいはコンポーネントの試作品)のキットであって、各人工脛骨コンポーネントは、使用される際に半月板ベアリングに接触するように構成され、該脛骨インプラントのうち少なくとも大きな脛骨インプラントは、少なくとも小さな脛骨インプラントよりも厚いプレートを有することを特徴とするキットを備えている。
【0037】
前記キットの各脛骨コンポーネントは、特定の身長を有する個人、あるいは所定の範囲の身長を有する個人に対して用いられてもよい。
前記脛骨コンポーネントは、キールを有していてもよい。
【0038】
前記キットは、様々なサイズのインプラントを有していてもよく、異なるサイズのインプラントは異なる厚さのプレートを有していてもよい。しかし、インプラントのサイズの違いよりも、プレートの厚さの違いは少なく、場合によってはプレートの厚さの違いは2種類あるいは3種類のみであることが好ましい。例えば、インプラントのサイズにはサイズA〜Fまでがあり、サイズA〜BあるいはCあるいはDはより小さい同一の厚さのプレートを有し、サイズCあるいはDあるいはE〜Fは大きな厚さのプレートを有していてもよい。
【0039】
厚いプレートの厚さは3.0mm(±0.3mm、あるいは0.2mm、あるいは0.1mm)、および薄いプレートの厚さは2.0mmあるいは2.25mm(±0.5mm、あるいは0.4mm、あるいは0.3mm、あるいは0.2mm、あるいは0.1mm)であってもよい。
【0040】
興味深いことに、サイズAの脛骨インプラントの長さの、サイズFの脛骨プラントに対する割合は、およそ3/4である。プレートの厚さは比例して線形的に縮小することが可能であると我々は考える。グレードFのプレートの厚さは3.0mmであるので(現在までプレートの厚さは全て3.0mmである)、グレードAの脛骨インプラントについて3/4(3.0)mm=2.25mmの厚さのプレートは、十分な強度を備えているであろうと考える。
【0041】
プレートの長さのプレートの厚さに対する割合(長さ/厚さ)は、約20.25±0.5、あるいは±0.3、あるいは±0.2あるいは±0.1であってもよく、該プレートの厚さは3mmより小さくてもよい。例えばグレードAのプレートは2.25mmの厚さを有していてもよく、グレードBのプレートは2.4mmの厚さを有していてもよく、グレードCのプレートは2.55mmの厚さを有していてもよく、グレードDのプレートは2.7mmの厚さを有していてもよく、グレードEのプレートは2.85mmの厚さを有していてもよい。
【0042】
プレートの長さと厚さとが、その他の比例関係を有していてもよい。ただし、そのキットの中でプレートの厚さがプレートの長さに比例するように、各グレードのプレートが、プレートの長さの割合と実質的に同一の割合(例えば5%)のプレートの厚さを有していることが好ましい。また、プレートの厚さおよびプレートの長さは、患者の特性、例えば患者の身長あるいはBMI、に比例していてもよい。
【0043】
小さなグレードの脛骨インプラントに関しては、薄いプレートの有無にかかわらず、小さな(例えば浅い)キールを有していてもよいと考える。
この場合もやはり、従来の技術では、全てのサイズの脛骨インプラントに対して一定のキールの深さを設けてきた。小さなインプラントには、キールの深さを小さくすべきであると我々は考える。また、付加的にあるいは代替的に、小さなインプラントに対しては、キールの厚さおよび/あるいはキールの長さを小さくすべきである。
【0044】
プレートの長さのキールの深さに対する割合(長さ/キールの深さ)は、6.75±0.5、あるいは±0.3、あるいは±0.2あるいは±0.1であってもよく、該キールの深さは9mmより小さくてもよい。例えばグレードAのプレートは6.75mmのキールの深さを有していてもよく、グレードBのプレートは7.2mmのキールの深さを有していてもよく、グレードCのプレートは7.7mmのキールの深さを有していてもよく、グレードDのプレートは8.15mmのキールの深さを有していてもよく、グレードEのプレートは8.6mmのキールの深さを有していてもよい。
【0045】
プレートの長さとキールの深さとが、その他の関係を有していてもよい。ただし、キットの中でキールの深さがプレートの長さに比例するように、各グレードのプレートが、プレートの長さの割合と実質的に同一の割合(例えば15%)のキールの深さを有していることが好ましい。また、キールの深さおよびプレートの長さは、患者の特性、例えば患者の身長あるいはBMI、に比例していてもよい。
【0046】
代替的に、脛骨コンポーネントのサイズの違いよりも、キールの深さの違いは少なく、場合によってはキールの深さは2種類あるいは3種類のみであることが好ましい。例えば、サイズA、Bおよび場合によってはCおよび/あるいはDの脛骨コンポーネントは「小さな」キールの深さを有し、サイズF、Eおよび場合によってはDおよび/あるいはCは「大きな」キールの深さを有していてもよい(すなわち、サイズCおよびDは、両方が大きな、あるいは両方が小さな、あるいはCが小さくDが大きなサイズのいずれかでもよい)。
【0047】
また、キールの深さはプレートの厚さに比例していてもよく、キールの長さおよび/あるいはプレートの幅に比例していてもよい。
本発明の他の局面では、脛骨コンポーネントと、大腿骨コンポーネントと、半月板ベアリングとを有する、部分的又は単顆人工半月板膝関節のための異なるサイズに形成された脛骨インプラントコンポーネント(あるいはインプラントコンポーネントの試作品)のセットであって、該脛骨コンポーネントは、使用の際に該半月板ベアリングの負荷に耐えるベアリング面と、該ベアリング面から使用の際に脛骨の中へと延出するキールとを有し、大きなサイズの脛骨コンポーネントのキールの深さは、小さなサイズの脛骨コンポーネントのキールの深さよりも深いことを特徴とするセットを備える。
【0048】
前記キットの各脛骨コンポーネントは、特定の身長を有する個人、あるいは所定の範囲の身長を有する個人に対して用いられてもよい。
脛骨コンポーネントのサイズの違いよりも、キールの深さの違いは少なく、場合によってはキールの深さの違いは2種類あるいは3種類のみであることが好ましい。例えば、サイズA、Bおよび場合によってはCおよび/あるいはDの脛骨コンポーネントは「小さな」キールの深さを有し、サイズF、Eおよび場合によってはDおよび/あるいはCは「大きな」キールの深さを有していてもよい(すなわち、サイズCおよびDは、両方が大きな、あるいは両方が小さな、あるいはCが小さくDが大きなサイズのいずれかでもよい)。
【0049】
サイズAのコンポーネントあるいはコンポーネントの試作品の適切なキールの深さは、6.75mmである。
脛骨コンポーネントのキールの深さは、部分的又は単顆人工半月板膝関節を使用している脛骨の上部において骨折が起こった場合、特に患者が小柄である場合には、重要な役割を持っていると考えられる。例えば東洋人の多く(例えば女性)は、脛骨インプラントの西ヨーロッパのサイズでは「小」あるいは「特小」にあたる。キールの深さ(および場合によってはキールの長さ)は、脛骨コンポーネントのプレートの長さに対して線形的に比例し、支障なく縮小することが可能であるため、概して患者の身長に対して線形的に関連していると考える。従って、非常に長身な人(6フィート4インチ)の75%の身長の患者は、現在使用されている最大のキールの深さ(オックスフォード膝関節のキールの深さは現在のところ全て9mm)のたった75%であるキールの深さを、享受することができるのではないかと考える。
【0050】
患者の身体的パラメータ(例えば身長)に伴ってキールの深さをパラメータ的に変化させることは、小柄な患者における問題を減らすのに役立ち得る。キールの深さは、患者のパラメータに比例して設けられてもよい。また、キールの深さは、プレートの長さに比例していてもよく、またプレートの厚さおよび/あるいはキールの長さおよび/あるいはプレートの幅に比例していてもよい。プレートの長さのキールの深さに対する割合(長さ/キールの深さ)は、6.75±2、あるいは±1、あるいは±0.5、あるいは±0.3、あるいは±0.2、あるいは±0.1であってもよい。
【0051】
キールは脛骨プレートに隣接し、その接合箇所は湾曲した接続点を有している。該接続点の曲率半径は、コンポーネントの強度に影響し、従って、プレートをどれだけ薄くできるか、およびキールがどれだけ浅くできるかに影響するということも分かった。従来技術において、該曲率半径は1.5mmである。3.0mmあるいはそれより大きければ、よりよい結果が生まれるであろうと考える。
【0052】
外科医が脛骨コンポーネントの鋳型のセット、「ダミー」あるいは「試作」片を手術室に持込み、脛骨コンポーネントの適切なサイズを選択するのに用い、脛骨に試験的に適合させるということは言うまでもない。「脛骨コンポーネント」に関する発明の定義は、脛骨コンポーネントの試作品/鋳型にも、脛骨コンポーネントの試作品あるいは鋳型のセットにも同様に適用される。コンポーネントの試作品およびコンポーネントの試作品のセットあるいはキットは、保護の対象である。
【0053】
2.25mm(あるいは3.00mmより小さいその他の深さ)の骨を脛骨から切除するには(従来技術の3.00mmの代わりに)、当該深さに合わせて別に用意された、のこぎり治具を有する必要がある。その様な治具は、キットとして提供されるツールセットの部品の1つであってもよい。1つ以上の深さの異なるのこぎり治具が提供されてもよい。
【0054】
浅いキール(あるいは薄いキール)が用いられる場合、新たな深さを切断するために、別の切断のこぎりが必要になるかもしれない。このような別ののこぎりが、外科医に提供されるキットのツールの一部を形成してもよい。1つ以上の深さの異なるのこぎりが提供されてもよい。
【0055】
上述された本発明の局面の1つに関連して説明された脛骨コンポーネントの特徴は、適切な場合には、本発明の他の局面のいずれにおいても採用されてもよいということは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
本発明の実施例は、付随の図を参照し、単に例として以下に説明される。
図1a】膝関節の骨の斜視図である。
図1b】関節炎を患わっている一個人の膝関節の骨の斜視図である。
図1c】前内側型変形性膝関節症の影響を示した写真である。
図2】本発明の実施例の人工部分的膝関節置換材が埋入された膝関節の斜視図である。
図3】本発明の実施例の1つの人工脛骨コンポーネントを上から見たときの斜視図である。
図4図3に示された人工脛骨コンポーネントを下から見たときの斜視図である。
図5図3に示された人工脛骨コンポーネントの側面図である。
図6A図3に示された人工脛骨コンポーネントの底面図である。
図6B】脛骨にキールスロットを切込む時に用いられる「歯ブラシ型」のこぎりを示している。
図7】脛骨に埋入された人工脛骨コンポーネントを、図3の線A−Aで切り欠いた断面図である。
図8】脛骨に埋入された人工脛骨コンポーネントを、図3の線B−Bで切り欠いた断面図である。
図9】従来よりも1mm薄い脛骨プレートを有する、脛骨コンポーネントを示す。
図10】従来の標準的なキールと、奥行きを縮小した新しいキールとの比較を示す。
図11】サイズCの脛骨インプラントのための従来のキール(左側)と、新しいキール(右側)との長さを比較したものを示す。
図12】従来のキールと新しいキールの曲率半径をそれぞれ示す。
図13】従来のキールと新しいキールの曲率半径をそれぞれ示す。
図14】従来のキールに新しいキールを重ね合せた図を示す。
図15A】キールを脛骨プレートに接合するための、異なる2つの新しい処理方法を示す。
図15B】キールを脛骨プレートに接合するための、異なる2つの新しい処理方法を示す。
図16】内側単顆インプラントを示す。
図17】内側単顆インプラントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
[実施例の説明]
図1aは健康な膝関節1を示し、図1bは進行性の変形性膝関節症が見られる膝を示している。膝関節1は、大腿骨15の端部が脛骨16の上部に出合うところである。大腿骨15の端部は2つの顆部60,70で構成されている。これらの顆部60,70はプラットフォームのような脛骨16の上部に載置されている。従って、関節1の各側面には、2つの骨が接触する領域が存在する。膝が曲がると、大腿骨15の顆部60,70は、これらの2つの接触領域において、脛骨16の上部を回転し滑動する。3つ目の骨である膝の皿(膝蓋骨)80は、大腿骨15の前端上を滑るように動く。
【0058】
健康な膝関節において(図1a)、これらの骨の表面は非常に滑らかであって、強靭な保護組織である軟骨に覆われている。膝関節の関節円板は、関節腔を単に部分的に分けているため、半月板91,92と呼ばれる。これらの2つの円板、内側の半月板91および外側の半月板92は、軟骨のような細胞を含む膠原線維が広範に周囲に広がった結合組織で構成されている。強靭な線維が半月板91,92に沿って連結部分の一方から他方へと延出しており、このような強靭な線維には弱い放射状線維が織合されている。半月板91,92は膝関節の中心において扁平になっており、外側が滑液と結合されて、脛骨16の表面上を移動することが可能である。また、健康な膝関節においては、硝子軟骨とも呼ばれる滑らかで光沢のある白色の組織である関節軟骨90が、人間の体における可動関節全ての表面を覆っている。
【0059】
半月板91,92は、脛骨から大腿骨への圧縮力の伝達を促進し、骨の端部が互いに擦れ合うのを防ぎ、大腿骨15が接合される脛骨ソケットを効果的に深める役目を果たす。また半月板91,92は、緩衝材としての役割も担うが、膝が強く回転させられたりおよび/あるいは曲げられたりすると、割れたり損傷したりする場合がある。図1bは、関節炎によって、骨が互いに擦れ合う箇所において骨の表面および軟骨が1か所以上損傷した、膝関節1を示している。具体的には変形性関節症とは、関節の表面が損傷することによって骨が骨に接触してしまう状態である。この接触によって激しい痛みが生じ、結果的に動かすことができなくなってしまう。場合によっては、関節の片側にのみ顕著な損傷が生じ、従って一方の顆部のみが損傷していることもある。このような場合には、膝関節の部分的な(単顆)置換を考慮してもよい。膝関節の部分的な置換においては、関節1の片側のみが再現される。
【0060】
関節炎、具体的には前内側の変形性関節症の影響は、図1cにより明確に示されている。図1cは、大腿骨顆と脛骨プラトーのむき出しになった骨とが直接接触することによって、62において内側の大腿骨顆が損傷している状態を示している。
【0061】
図2を参照すると、膝の部分置換部材20が示されており、該置換部材20は人工脛骨コンポーネント40と、可動性半月板ベアリング50と、人工大腿骨コンポーネント30とを備える。人工脛骨コンポーネント40および人工大腿骨コンポーネント30は、脛骨顆65および大腿骨顆60に切込まれた陥凹にそれぞれ埋入され、接着剤を用いて、あるいは術後に骨が成長することによって、骨に固定される。
【0062】
次に図3〜8を参照すると、人工脛骨コンポーネント40は、脛骨15の損傷した脛骨プラトーを交換するための、D型の金属プレート100を備える。本実施例において、該プレートの大部分の厚さx(図5を参照)は、3mmより小さい。ただし、他の実施例においては、該プレートの周縁の領域(端部120を有する領域以外の周縁領域)は、3mmより小さな厚さを備え、プレートの残りの部分の厚さは異なる厚さを有していてもよく、例えば該周縁領域から遠ざかるほどに3mmを超えて増加しても、あるいは周縁領域の厚さから更に減少しても(あるいは一定の厚さであっても)よいということは理解されるべきである。図3の例において、xは2.0mm+/−0.1mmあるいは1.5mm+/−0.1mm、あるいは2.5mm+/−0.1mmである。その他の実施例においてxは2.4mmと1.7mmとの間、あるいは1.9mmと1.5mmとの間である。
【0063】
プレート100はほぼ平坦状に延出しており、線A−AおよびB−Bを包含している。
キール110はプレート100から突出しており、使用の際にキール110が脛骨16の中へと延出するように設けられている。キール110は、外内方向の幅よりも前後方向に長い、細長い突出部112を備えている。突出部112は、プレート100の最も内側の端部120とほぼ平行に、長手方向に延出している。プレート100の該突出部112が延出している領域は、顆間隆起に最も近い、プレート100の内側半分に配置されている。
【0064】
使用の際に後方に配置されるキール110の曲端面116は、使用の際に前方に配置されるキールの曲端面114よりも、プレート100の平面に対してより大きな角度で延出している。曲端面116,114の曲率はそれぞれ、脛骨16の顆部65の後部の外面および前部の外面の形状に近似させてもよい。他の実施例においては、キールの前方および後方の曲端は、同一の曲率を有する。
【0065】
キール110は更に、突出部112の両側面から延出し、突出部112をプレート100に固定してプレート100を補強するためのウェブ118を備える。本実施例においてウェブ118は、湾曲した斜辺を有し実質的に三角形の形状をした8つのセクションを備え、突出部112の各側面沿いに4つのセクションが配置される。ただし、異なる数および形状のウェブ118が用いられ得るということは理解されるべきである。ウェブ118はプレート100の突出部112への接続を強化し、使用の際に突出部112が壊れて外れてしまったり、屈曲してしまったりする可能性を減らし、プレート100を堅固にする。突出部112は更に、骨セメントを受容するためおよび/あるいは骨が内方成長するためのスロット119を突出部112の中に備えている。
【0066】
フランジ130は使用される際に、プレート100の最も内側の周縁領域から上方に延出していてもよく、本実施例においては、プレート100の平面に対して垂直に延出している。フランジ130は使用される際に顆間隆起67に対向するように配置されてもよい。また該フランジ130は半月板ベアリング50の位置を決めるための隣接面を備えていてもよい。
【0067】
下方に延出しているリム140は、プレート100の周辺、本実施例においてはプレート100の周辺全体、に設けられており中央の窪み145を画定している。該フランジによって画定された中央の領域の厚さは、プレートの周縁の厚さよりも小さい。該中央の窪みは、その下面にセメント、あるいはセメントを用いない埋入の場合には多孔材料、を受容するための窪みを設けるために用いられてもよい。
【0068】
プレート100の上面150は、脛骨コンポーネントが外側の顆部に用いられる場合、(本例においては)前後および外内の両方の方向に凸状になっている。脛骨コンポーネントが内側の顆部に用いられる場合、該プレートは平坦あるいは凹状である。ベアリング50が移動する面150の面積を広げることによって、面150とベアリング50との間の有効な接触面積が増え、ベアリングおよび人工脛骨コンポーネントの摩耗が減少する。
【0069】
人工脛骨コンポーネントの埋入を行うために、脛骨の顆部に陥凹が設けられる。当該陥凹は、本例においては、深さ2.25mmである。
プレート100の厚さが3mmより小さいため、陥凹の深さは、従来の3mmの厚さを有する人工脛骨コンポーネントのための陥凹のように、深くする必要はない。少なくとも小柄な人については、通常膝にかかる力に耐えるためにプレートを3mmの厚さにする必要がないため、プレートの厚さを縮小することが可能であるということが分かっている。陥凹の深さを縮めることによって、陥凹付近の骨が剥離してしまうという可能性が減る。このことは、垂直な端部を有する突出部の場合と比較して、キール110の端部114,116と顆部65の外面との距離が増しているということからも、更に促進されている。従って、キール110は脛骨の所定の位置にプレートを固定するためのアンカーとして機能し、屈曲端114,116は、人工脛骨コンポーネントが埋入されることによって脛骨が過度に弱体化してしまうという可能性を減らし、キールとプレートとの接続を強化するのに役立っている。
【0070】
3mmの厚さのプレートを全ての体格の人に用いるのは、最適ではないということが分かっている。3mmの厚さのプレートは、例えば2mの体格の良い男性に用いるのには十分な強度を備えているが、1.5mの華奢な女性には著しく過度に設計されているものであることが分かった。2mの体格の良い男性から3mmの骨を脛骨顆から切除しても、許容できないほどに骨の強度が損なわれることはないが、1.5mの華奢な女性から3mmの骨を脛骨顆から切除するということは、脛骨の頭部を許容できないほどに弱体化させてしまう可能性があり、内側あるいは外側の側副靭帯に不用意な損傷を与えてしまうことになり得る。本発明の人工コンポーネントは、体格の小さな人に使用可能な、厚さを縮小したプレートを提供することによって、この問題を軽減している。また、小柄な患者には浅いキールを薄いプレートと共に用いて、骨折のリスクを軽減することが可能であることも分かっている。
【0071】
人工脛骨コンポーネントを所定の位置に固定するために、セメントが中央の窪み145に入れられる。セメントを入れる場所を提供するとともに、骨が長期の間に成長して該中央の窪み145の中に入り込むことによって、該人工コンポーネントが所定の位置に更に固定されてもよい。
【0072】
他の実施例は、セメントが不要な例である。該実施例では通常、脛骨に設けられるキールスロットが多少狭く形成され、キールが該スロットに押込まれる必要がある。セメントで固定されるキールあるいはセメント不要なキールは、キールの中に貫通孔を備えていても、あるいは備えていなくてもよい。セメント不要のコンポーネントは、骨の内方成長を促進するために、多孔質のコーティングが施されていてもよい。
【0073】
許容できないような程度にまで骨を弱体化させてしまうことなく、脛骨の外端から離れた脛骨の領域に、より深い陥凹を設けることも可能であるかもしれない。それは、使用の際に脛骨の外端付近に配置されることになるプレートの周縁領域が、縮小された厚さである場合にのみ必要となる。従って、代替の実施例において、プレートの下面は、プレートの周縁領域以外の部分が、使用の際にプレートの周縁領域よりも脛骨の中へと延出するような形状となっており、プレートのこれらの領域は場合によっては3mmあるいはそれより大きな厚さを有している。
【0074】
本発明を実現することによって、異なる体格の人に異なるサイズの人工脛骨コンポーネントが必要となるであろう。従って、本発明の実施例の1つにおいて、その人に合った人工脛骨コンポーネントの選び方が提供される。
【0075】
人工脛骨コンポーネントが埋入される人の身体的な特性の少なくとも1つが測定される。あるいは、実際には外科医はその患者が新しい薄い脛骨プレートコンポーネントを受容するのに十分華奢であると判断した上で、脛骨顆の薄片(例えば深さ2.25mmの薄片)を切除するであろう、と我々は考える。その後、この切除された薄片を身体的な特性を示すものとして使用し、1つあるいはそれよりも多くの、異なったサイズの脛骨コンポーネントの試作品あるいは脛骨コンポーネントの鋳型に、外形/面積あるいは重複部分が適合しているか納得のいくものが見つかるまで重ね合わせ、その適合しているサイズの脛骨コンポーネントを選択する。外科医たちは、より薄い脛骨コンポーネントを用いるであろうという予備的な見解を持っていてもよく(例えば患者の脛骨の画像(例:レントゲンの画像)、あるいは患者の身長を観察することによって)、従って手術の前に脛骨の薄片を切除しておいてもよい。
【0076】
外科医は、脛骨コンポーネントのキールを受容するためのキールスロットを脛骨にカットして設ける。図6Bに図示される「歯ブラシ」のこぎり202を用いてこれを行う。「歯ブラシ」のこぎり202は、用いられるキールに適合するように設計された、208にて参照されるのこぎりのヘッドから所定量209延出する、一組の平行する刃204,206を備えている。
【0077】
1つの実施例においては、外科医に特注の人工コンポーネントを供給する代わりに、外科医が人工膝関節のためのパーツのキットを持っていてもよい。該キットは複数の人工コンポーネントを備え、外科医が、目の前の特定の患者に対してどのパーツを用いるか、という選択ができるようにしている。
【0078】
該パーツのキットは、キットの中の各コンポーネントが、所定の特性に関して特定の値を有する、あるいは当該所定の特性に関する値が所定の範囲内に入るような値を有する患者に対して用いられるように用意されていてもよい。例えば、該特性とは身長であってもよく、キットの各コンポーネントは、特定の範囲の身長を有する患者に対して用いられるよう設計されていてもよい。あるいは、該特性とは、例えば脛骨プラトーの前後の長さ、あるいは患者の体重、患者のBMI、あるいはその他の適当な患者のパラメータであってもよい。
【0079】
このようなキットにおいて、各脛骨コンポーネントは、周縁の厚さが所望の患者の特性に比例するような大きさになっている。例えば、該コンポーネントの厚さは、患者の身長に比例していてもよい。
【0080】
また、1つのコンポーネントの長さを、そのコンポーネントの周縁の厚さに確実に比例させることによって、より便利になり得る。例えば、コンポーネントの長さのコンポーネントの厚さに対する割合(すなわち長さ割る厚さ)が定数(±許容誤差、例えば0.5mm、あるいは0.2mmあるいは0.1mmでもよい)となるように、コンポーネントが用意されてもよい。あるキットの例において、コンポーネントの長さの厚さに対する割合は20.25mm±0.2mmである。
【0081】
従って、短いコンポーネントは厚さも小さくなっている。特定の患者に対して的確な厚さを有するコンポーネントは、上述の通り、キットの中の脛骨コンポーネントの長さを患者から切除された骨の薄片と、最適なものが見つかるまで比較することによって、選択することが可能である。
【0082】
脛骨コンポーネントのその他の箇所の寸法も、比例的に拡大縮小されてもよい。例えば、コンポーネントの長さはプレートの厚さと同様に、プレートの幅に比例していてもよい。
【0083】
また(あるいは代替的に)、コンポーネントの長さはキールの深さおよび/あるいはキールの長さに比例していてもよい。キットの一例では、コンポーネントの長さのキールの深さに対する割合(すなわちコンポーネントの長さ割るキールの深さ)は6.75mm±0.2mmである。
【0084】
コンポーネントの長さがコンポーネントの厚さ、キールの深さ、キールの長さおよびプレートの幅に比例していることが好ましい。脛骨コンポーネントのキットの一例には、6つのコンポーネントが含まれていてもよい。最も大きなコンポーネントは既知の寸法の組合せ(長さ、厚さ、キールの深さ、幅、キールの長さ)を有しており、その他のコンポーネントはそれぞれ、最も大きなコンポーネントに比例して縮小された、対応した寸法の組合せを有している(各寸法は、最も大きなプレートの対応する箇所の寸法の所定の割合、例えば±2%の許容誤差)。一例において、最も小さなコンポーネントは、最も大きなコンポーネントの寸法の約75%の寸法を有する。次に小さなコンポーネントは、最も大きなコンポーネントの寸法の約78%の寸法を有する。3番目に小さなコンポーネントは、最も大きなコンポーネントの寸法の約84%の寸法を有する。3番目に大きなコンポーネントは、最も大きなコンポーネントの寸法の約90%の寸法を有する。2番目に大きなコンポーネントは、最も大きなコンポーネントの寸法の約95%の寸法を有する。
【0085】
別の例のキットでは、コンポーネントの寸法は、プレートの所与の寸法に比例して変化させてもよい。例えば、プレートの厚さは、プレートの長さの所定の割合(例えば5%、±2%、あるいは1%)でもよい。キールの深さはプレートの長さの所定の割合(例えば15%、±2%、あるいは1%)でもよい。
【0086】
全ての寸法が比例関係で変化する必要はない。例えば、いくつかのコンポーネントは、キールの深さが同じであってもよい。このことは、外科医が必要とするツールの数を減らすのに役立つ。
【0087】
本明細書中に定義される本発明の範囲を逸脱することなく、記載された実施例に変更や修正を加えることが可能であるということは理解されるべきである。
より小さな脛骨インプラントを、コンポーネントが破損するリスクが許容レベルを超えて増加することなく、より小さなサイズに形成することが可能であると述べたが、パラメータ設計が用いられている場合(すなわち厚さが長さに比例する場合)、および最大BMI限度が想定されている場合には、それが正しいという根拠がある。
【0088】
図9は、従来の脛骨コンポーネントとほぼ同じものであるが、従来のものよりも1mm薄いプレートを有する脛骨コンポーネントを示している。1mmの金属の「薄片」がコンポーネントから取除かれている。この構成要素についての応力解析によると、患者、特に小型のコンポーネント/小柄な患者、に用いられるのに十分な強度があるということが示されている。
【0089】
図10Aおよび10Bは、2.7mmの幅を有する従来の標準的なキールと、2.2mmの幅を有する縮小されたサイズのキールとを示す。中央の厚さは、セメントおよび/あるいは骨の内方成長を受容するため、周縁の厚さよりも小さくなっている。
【0090】
いくつかの実施例においても、キールの深さが縮小されている。またいくつかの実施例においては、キールの幅は従来と同じであるが、キールの深さが縮小されている。この場合においても、小柄な人のためのこれらのコンポーネントが通常、大柄な人のための「通常サイズ」のコンポーネントがさらされるような応力と同様な応力にほぼ耐えることが可能であるということが、有限要素応力解析によって示されている。
【0091】
図11は、従来の最大限の長さ36.54mmを有するキールと、縮小された長さ29.23mmを有するキールとを示している。この場合においても、短い長さを有するキールが、小柄な患者において十分に機能することが解析によって示されている。
【0092】
図12および13は、新しい小さな脛骨プレートを従来の脛骨プレートと比較して、小さいプレートにおいては、キールがプレートに接続する部分の曲率半径がきつくなっていることを示している。
【0093】
図14は、新しい小さな脛骨プレートを従来の大きなプレートの上に重ね合わせたものを示す。
図15Aおよび15Bは、キールがプレートに接続される部分の隅肉を処理する2つの方法を示している。一方は化粧継手、テーパ継手を示し、他方は平坦にカットされた広い鼻を取付けるような継手を示している。
【0094】
本発明が外側および内側両方のインプラントに用いられることが可能であることは、言うまでもない。
図16および17は、内側の単顆人工装具に用いられている、本発明の1つの局面に基づいた脛骨コンポーネントを示している。実際には、統計的には内側の置換は外側の置換よりも多く行われている。図16および17では、半月板ベアリングは図示されていない。半月板ベアリングは通常、脛骨コンポーネントと大腿骨コンポーネントとの組合せにおいて用いられることは言うまでもないが、半月板ベアリングを用いない(ただし、本発明の複数の局面基づいた脛骨コンポーネントを用いている)人工装具というものの実現の可能性も想定される。
【0095】
英国およびヨーロッパでは、人体あるいは動物に施される手術の方法というものは、それ自体には特許性がないということは言うまでもない。しかし、「生きている」患者以外のものに施される手術の方法には特許性がある。例えば、体を治療することが目的ではない、解剖用の死体あるいは骨(本物あるいは人工のもの)に施される手術の方法などがそうである。このような方法については保護の対象となる。
【0096】
また、米国およびその他の国々では、患者や動物に施される手術の方法に特許を付与することが認められており、また付与が認められているこれらの国々においては、これらの方法を保護することも求められている。
【0097】
いくつかの実施例において、脛骨インプラントが、従来のものよりも薄いプレートと浅いキールとの両方を有するということは言うまでもない。
プレートの厚さおよびキールの深さ(例えば)に関して、本発明の最適で好適な特徴のいくつかが、絶対的なサイズ(例えばmm)で示されてきたが、これらは代替的にあるいは付加的に、脛骨インプラントの長さあるいはキールの長さのパーセンテージで示されてもよい。例えば、プレートの厚さおよびキールの深さが、記載あるいは図示された新しいインプラントのうちのいずれかのインプラント(あるいはキール)の長さと同じ割合である場合には、プラスあるいはマイナス1%、あるいは3%、あるいは5%、あるいは10%、あるいは15%、あるいは20%と示されてもよい。本発明の脛骨インプラントの長さおよび/あるいはキールの長さは、従来のものと同じであっても、ほぼ同じであってもよい。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17