特許第6356814号(P6356814)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6356814光源の最適化されたパワースペクトル分布
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6356814
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】光源の最適化されたパワースペクトル分布
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
   H05B37/02 L
   H05B37/02 J
【請求項の数】22
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-542830(P2016-542830)
(86)(22)【出願日】2014年9月12日
(65)【公表番号】特表2016-535422(P2016-535422A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】US2014055501
(87)【国際公開番号】WO2015038962
(87)【国際公開日】20150319
【審査請求日】2017年3月23日
(31)【優先権主張番号】61/877,844
(32)【優先日】2013年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507031918
【氏名又は名称】コニカ ミノルタ ラボラトリー ユー.エス.エー.,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン, ポーチエ
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−512652(JP,A)
【文献】 特表2013−513914(JP,A)
【文献】 特開2013−041719(JP,A)
【文献】 特開平09−092213(JP,A)
【文献】 特表2001−500274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタムパワースペクトル分布(PSD)を決定するためにコンピューター上で実行する方法であって、
コンピューターメモリーから複数の光源に対応するPSD及び制約を取得するステップと、
前記コンピューターメモリーに操作可能に接続されたプロセッサーにより、前記PSD及び所望しない光関数で構成される評価関数を前記制約に従って最適化することによって前記カスタムPSDを決定するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記所望しない光関数はダメージ関数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所望しない光関数はipRGC反応関数である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所望しない光関数は波長閾値条件を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記制約は、相関色温度(CCT)、完全放射体軌跡からの距離(Duv)、及び演色評価数(Ra)によって構成されたグループから少なくとも一つ選択されたものである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
カスタムパワースペクトル分布(PSD)を決定するためにコンピューター上で実行する方法であって、
コンピューターメモリーから複数の光源に対応するPSD及び制約を取得するステップと、
前記コンピューターメモリーに操作可能に接続されたプロセッサーにより、前記PSD及び色図又は色空間の面積で構成される評価関数を前記制約に従って最大化することによって前記カスタムPSDを決定するステップと、
を有する方法。
【請求項7】
前記制約は、相関色温度(CCT)、完全放射体軌跡からの距離(Duv)、及び演色評価数(Ra)によって構成されたグループから少なくとも一つ選択されたものである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
カスタムパワースペクトル分布(PSD)を決定するための、プロセッサーに実行させるプログラムであって、コンピューターを
複数の光源に対応するPSDを取得するPSD取得手段、
制約を取得する制約取得手段、
前記PSD及び所望しない光関数で構成される評価関数を前記制約に従って最適化することによって前記カスタムPSDを決定するカスタムPSD決定手段、
として機能させるプログラム。
【請求項9】
前記所望しない光関数はダメージ関数である、請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記所望しない光関数はipRGC反応関数である、請求項8に記載のプログラム。
【請求項11】
前記所望しない光関数は波長閾値条件を含む、請求項8に記載のプログラム。
【請求項12】
前記制約は、相関色温度(CCT)、完全放射体軌跡からの距離(Duv)、及び演色評価数(Ra)によって構成されたグループから少なくとも一つ選択されたものである、請求項8に記載のプログラム。
【請求項13】
カスタムパワースペクトル分布(PSD)を決定するための、プロセッサーに実行させるプログラムであって、コンピューターを
複数の光源に対応するPSDを取得するPSD取得手段、
制約を取得する制約取得手段、
前記PSD及び色図又は色空間の面積で構成される評価関数を前記制約に従って最大化することによって前記カスタムPSDを決定するカスタムPSD決定手段、
として機能させるプログラム。
【請求項14】
前記制約は、相関色温度(CCT)、完全放射体軌跡からの距離(Duv)、及び演色評価数(Ra)によって構成されたグループから少なくとも一つ選択されたものである、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
カスタムパワースペクトル分布(PSD)を有する光を出力する照明システムであって、
コントローラーと、
複数の光源と、を備え、前記複数の光源によって出力される混合光は前記カスタムPSDを有し、前記カスタムPSDは当初PSD及び所望しない光関数で構成される評価関数を制約に従って最適化した結果のPSDとして定義される、システム。
【請求項16】
前記所望しない光関数はダメージ関数である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記所望しない光関数はipRGC反応関数である、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記所望しない光関数は波長閾値条件を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記制約は、相関色温度(CCT)、完全放射体軌跡からの距離(Duv)、及び演色評価数(Ra)によって構成されたグループから少なくとも一つ選択されたものである、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記評価関数は所望する光関数を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
カスタムパワースペクトル分布(PSD)を有する光を出力する照明システムであって、
コントローラーと、
複数の光源と、を備え、前記複数の光源によって出力される混合光は前記カスタムPSDを有し、前記カスタムPSDは当初PSD及び色図又は色空間の面積で構成される評価関数を制約に従って最大化した結果のPSDとして定義される、システム。
【請求項22】
前記制約は、相関色温度(CCT)、完全放射体軌跡からの距離(Duv)、及び演色評価数(Ra)によって構成されたグループから少なくとも一つ選択されたものである、請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2013年9月13日に提出されたUS暫定特許出願番号61/877,844号について特許協力条約8条及び米国特許法119条(e)に基づき優先権を主張し、全開示内容は、すべて本願に組み込まれる。
本発明は光源の最適化されたパワースペクトル分布に関する。
【背景技術】
【0002】
照明システムによる電力消費は現代社会の大きな懸念事項である。例えば、政府は、より効率的な光源やこのような光源のスマートコントロールの開発を奨励することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光の効率を向上させるための方法によっては照明装置自体に元々用いられる材料や構造を改良させるものがある。その他の方法は色の質や発光効率を満たすカスタマイズされたスペクトラム分布を設計するものがある。さらに他の方法によれば、周辺光、占有率、利用率等に従って、複雑なセンサーやアルゴリズムによって照明の強度を制御する光管理システムの設計が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般に、本発明の一以上の実施形態の一側面によれば、カスタムパワースペクトル分布(PSD)を決定するための方法である。複数の光源に対応するPSD及び制約を取得するステップと、前記PSD及び所望しない光関数で構成される評価関数を前記制約に従って最適化(最小化又は最大化)することによって前記カスタムPSDを決定するステップと、を有する方法である。
【0005】
一般に、本発明の一以上の実施形態の一側面によれば、カスタムPSDを決定するための方法である。複数の光源に対応するPSD及び制約を取得するステップと、前記PSD及び色図又は色空間の面積で構成される評価関数を前記制約に従って最大化することによって前記カスタムPSDを決定するステップと、を有する方法である。
【0006】
一般に、本発明の一以上の実施形態の一側面によれば、カスタムPSDを決定するための、プロセッサーに実行させるプログラムである。前記プログラムは、コンピューターを、複数の光源に対応するPSDを取得するPSD取得手段、制約を取得する制約取得手段、前記PSD及び所望しない光関数で構成される評価関数を前記制約に従って最適化(最小化又は最大化)することによって前記カスタムPSDを決定するカスタムPSD決定手段として機能させる
【0007】
一般に、本発明の一以上の実施形態の一側面によれば、カスタムPSDを決定するためのプログラムである。前記プログラムは、コンピューターを、複数の光源に対応するPSDを取得するPSD取得手段、制約を取得する制約取得手段、前記PSD及び色図又は色空間の面積で構成される評価関数を前記制約に従って最大化することによって前記カスタムPSDを決定するカスタムPSD決定手段として機能させる
【0008】
一般に、本発明の一以上の実施形態の一側面によれば、カスタムPSDを有する光を出力する照明システムである。コントローラーと、複数の光源と、を備える、システムである。前記複数の光源によって出力される混合光はカスタムPSDを有する。前記カスタムPSDは当初PSD及び所望しない光関数で構成される評価関数を制約に従って最適化(最小化又は最大化)した結果のPSDとして定義される。
【0009】
一般に、本発明の一以上の実施形態の一側面によれば、カスタムPSDを有する光を出力する照明システムである。コントローラーと、複数の光源と、を備える、システムである。前記複数の光源によって出力される混合光は前記カスタムPSDを有する。前記カスタムPSDは当初PSD及び色図又は色空間の面積で構成される評価関数を制約に従って最大化した結果のPSDとして定義される。
【0010】
本発明のその他の特徴は以下の明細書の記載及び添付されるクレームにおいて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明の一以上の実施形態におけるフローチャートを図示する。
【0012】
図2(A)】図2(A)は本発明の一以上の実施形態による最適化PSDを図示する。
【0013】
図2(B)】図2(B)は本発明の一以上の実施形態による例示的な評価関数を図示する。
【0014】
図3(A)】図3(A)は本発明の一以上の実施形態による最適化PSDを図示する。
【0015】
図3(B)】図3(B)は本発明の一以上の実施形態による例示的な評価関数を図示する。
【0016】
図4(A)】図4(A)は本発明の一以上の実施形態による最適化PSDを図示する。
【0017】
図4(B)】図4(B)は本発明の一以上の実施形態による例示的な評価関数を図示する。
【0018】
図5(A)】図5(A)は本発明の一以上の実施形態による最適化PSDを図示する。
【0019】
図5(B)】図5(B)は本発明の一以上の実施形態による例示的な評価関数を図示する。
【0020】
図6図6は本発明の一以上の実施形態のコンピューティングシステムを図示する。
【0021】
図7図7は本発明の一以上の実施形態による例示的な当初PSDを図示する。
【0022】
図8図8は本発明の一以上の実施形態による例示的な当初PSDを図示する。
【0023】
図9(A)】図9(A)は本発明の一以上の実施形態による照明システムを図示する。
【0024】
図9(B)】図9(B)は本発明の一以上の実施形態による照明システムから出力される複合光のPSDの一例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明する。整合性を図るため、各図面における類似の要素には同様の参照符号が付加される。
【0026】
以下の本発明の実施形態の詳細な説明においては、本発明のより深い理解を提供するため、具体的な詳細について説明がされる。しかし、これらの具体的な詳細によらなくても本発明を実施しうることは当業者にとっては明らかであろう。その他の場面において、不必要に複雑な説明を回避するため、周知の要素については詳細な説明が省略されている。
【0027】
一般に、本発明の実施形態は光源に用いられる最適化されたスペクトルパワー分布(PSD)を決定する方法及び最適化されたスペクトルパワー分布を有する光源に関するものである。本明細書において、最適化、究極、極値の用語は区別しないで用いられ、最適化という用語と同じ意味で用いられる。また、例えば、複数の制約に従う評価関数gの最小化等、以下に記載される特定の最適化については、このような用語を用いる場合、評価関数gの最小化及び評価g−1の逆の最大化を含める意図を有する。説明の便宜上、不必要な重複により本明細書が乱雑なものとなることを防ぐため、上記のように最大化と最小化を同義とすることは本明細書全体にわたる。本発明の実施形態においては、特定の環境や用途に最適化された光源に用いられる最適化PSDを計算する方法が含まれうる。光源の最適化PSDを決定する方法を用いて以下のような光源に用いられるPSDを計算しうる、例えば、最も広い色域がもたらされる光源、美術品に最小の影響を与える光源(つまり美術品への光源による損傷を最も少なくするもの)、少ない光の環境において用いられて人間の暗所に対応する視覚の維持を補助する光源、半導体製造のクリーンルームにおいて用いるのに最適化された光源、等があげられる。これらの例示は本発明を限定するものではなく、本発明の範囲を逸脱することなくその他の光源を適用しうる。
【0028】
一以上の実施形態において、最適化PSDは、評価関数(費用関数ともいう)を定義し、適用可能であれば、完全放射体軌跡及び演色評価数(CRI)に相関色温度(CCT)を設定することによって計算しうる。最適化PSDを決定するには、評価関数は数値的非線形最適化ルーチンを用いて最適化しうる、例えば、非線形反復一般化簡約勾配法(GRG2)アルゴリズムを用いうる。本明細書においては、最適化という用語の範囲は評価関数の少なくとも最小化と最大化の両方を含む。平均演色評価数、Ra、は多くの場合CRIとして用いられるが、R9−R14等の特別演色評価数もCRIとして用いうる。あらゆる指標、例えば、色判別指標(CDI)、色品質基準(CQS)等がCRIとして用いることができる。CRIに用いるのに適切な指標のその他の例は北米照明学会から出版された「照明ハンドブック(第10版)」の6.24−25ページに記載されている。
【0029】
図1は本発明の一以上の実施形態に基づいて最適化PSDを決定する方法を図示するフローチャートを示す。
【0030】
ステップ101において初期PSDL(λ)を取得する。一以上の実施形態によれば、初期PSDは任意に定義され、最適化ルーチンの入力とされる。よって、初期PSDはデータ記憶部、コンピューターメモリー、外部記憶装置等に記憶しうる。図6は本発明の方法が適用されるコンピューターシステムの一例を示し、ここでは初期PSDが入力装置610を介して初めて入力され、記憶装置606又はメモリー604に記憶される。一以上の実施形態において、L(λ)は複数の異なる光源を重ね合わせた近似混合白色光源でありうる。例えば、wを最適化処理の際に調整しうる重量変数(非負)とし、Li(λ)が構成する各光源のスペクトラムとすると、L(λ)は、以下のように定義されうる


【数0】

L(λ)としてあらゆる混合光源が用いられうる。例えば、図7はi=81の異なる単色光源を有する単色スパイク光源を図示する。このような光源はPo−Chieh Hung et alによる「最大白色発光放射効率対演色評価数及び色温度:正確な結果及び有用な解析的表現」(“Maximum White Luminous Efficacy of Radiation Versus Color Rendering Index and Color Temperature:Exact Results and a Useful Analytic Expression” Journal of Display Technology、 第9巻、第6号、2013年6月、405〜412ページ)に記載され、引用によって本出願に組み込まれる。一以上の実施形態によれば、MWLER光源はあらゆるプログラマブル光源によって実施され、例えば顕微鏡及び分光撮像システムに用いられるのに現在製造されるプログラマブル光源を用いうる。その他の例としては、量子ドット光源により各L(λ)を求めうる。例示的なL(λ)はあらゆる数の量子ドット光源により形成されうる。一以上の実施形態においては、量子ドット光源として量子ドットLEDが挙げられ、QD−LEDとも称される。一以上の実施形態においては、採用される量子ドットの大きさ及び形状によって有益なスペクトル特性が得られうる、例えば、QD−LEDは電磁スペクトラムの極端に特定の領域に光を出射するように設計し、ガウシアンスクトル分布を有する光を出射するように設計しうる。一以上の実施形態において、様々な大きさの量子ドットにおいて、より小さいドットはより青く(より高いエネルギーで)放射し、より大きいドットはより赤く(より低いエネルギーで)放射する。例えば、量子ドットは半導体物質のナノクリスタルが他の物質のシェル(例えば、CdSe量子ドットとCdSシェル、大きさは5〜50nmの範囲)と合成されることによって形成されうる。QD−LED光源からのL(λ)の一例は図8に図示される。量子ドットは様々な方法によって形成され、本発明の実施形態は特定の量子ドット技術に限定されない。
【0031】
L(λ)の他の例として、混合LED光源によって生成される複数の異なるスペクトラムにより形成されうる。このような光源は、スペクトル同調可能光源(STLS)とも呼ばれ、i=22の異なるサブスペクトラムを有し、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)において近年開発されたものである。http://www.nist.gov/pml/div685/grp03/vision_lighting.cfmを参照されたい。このようなスペクトル同調可能LED光源は複数のハイパワーLED(場合によっては1000を超える)を有し、それぞれがコンピューター制御により光源の光学特性が制御され、例えば照射の色度が精密に制御される。
【0032】
その他の例として、一以上の実施形態によれば、初期パワースペクトル強度は対象となる波長の範囲において平坦に分布されうる。ここで開示される例においては、380−780の範囲内で5nmのインクリメントが行われる一定で非負の初期PSDが用いられうる。
【0033】
上述の説明は一例に過ぎず、よって本発明の実施形態は上述の特定の光源によって具現化される特定のL(λ)に限定されない。本発明の範囲を逸脱することなくあらゆる光源が用いられうる。
【0034】
ステップ103において、最適化課題において用いられる制約値が取得される。初期PSDについては図6のコンピューターシステムにおいて実施される実施形態については、制約値はコンピューターメモリー604及び/又は記憶装置606にあらかじめ記憶されうる。一以上の実施形態においては、複数の異なる制約値を用いうる、例えばCCT、Duv、及び/又はRaの値が本発明の範囲から逸脱することなく用いられうる。
【0035】
ステップ105において、評価関数が取得される。この場合もまた、一以上の実施形態においては図6に示されるように、評価関数はあらかじめ設定され、コンピューターメモリー604及び/又は記憶装置606に記憶されうる。一以上の実施形態においては、評価関数は最適パワースペクトル強度を決定するために最適化される関数である。本明細書で用いられる「関数」という用語は、閉じた形式か否かに関わらず、広く関数及び汎関数を含むものとして用いられる。一以上の実施形態においては、評価関数は当初パワースペクトル分布と所望の光源の種類(例えば、美術館の光、クリーンルームの光等)に関連する少なくとも一以上の関数とに基づく。例えば、一以上の実施形態においては、図2(A)〜図2(B)を参照して後述されるが、最大色域PSDを決定する場合のように、評価関数は最大化される関数となりうる。同様に、評価関数は最小化される関数でありうる。例えば、図3図5を参照して後述される評価関数は最小化される関数である。一以上の実施形態においては、評価関数は所望しない光関数と所望の光関数との組み合わせでありうる。この場合、最適化により、CCT、DUV、R等の後述の各制約に従って、所望する光を最大化しながら、所望しない光を最小化する、最適化PSDがつくられる。
【0036】
ステップ107において、評価関数の結果が初期PSD及び制約に基づいて計算される。コンピューターによって実行される一以上の実施形態において、図6に示すように評価関数はコンピュータープロセッサー602によって計算され、繰り返すたびに、計算値はコンピューターメモリー604及び/又は記憶装置606に記憶される。
【0037】
ステップ109において、計算結果は収束条件により分析され、最適化ルーチンが収束したか判断される、つまり評価関数が最小化又は最大化されたか判断される。例えば、結果は以前の反復と比較され、二つの値の差がある閾値より大きい場合、PSDはステップ111に進められ、当該方法はステップ107へ戻る。
【0038】
ステップ109において収束条件を満たす場合は、当該方法は終了し、当該PSDは最適化PSDとして出力されるか、あとで使用するために記憶されうる。当業者は本明細書の教示により、ステップ105、107、109及び111は、評価関数を用いて、制約に従って最適化PSD(カスタムPSDとも称される)を決定することに対応することを理解しうるであろう。
【0039】
図2(A)〜図2(B)は本発明の一以上の実施形態による「最大色域光」の評価関数及びカスタムPSDの一例を示す。このような実施形態においては、最大色域が得られる最適化PSDを見つけうる。このような光は最大色域(MGA)光と称される。本発明の一以上の実施形態において、MGA光は対象の彩度を可能な限り増加させる光である。一以上の実施形態において、図2(B)に示すように、MGA光源のPSDは彩度、つまりu’v’色度図のCIE13.3に定義される8つのカラーパッチによって形成される八角形の面積を最大化させるものである。一以上の実施形態においては、面積は隣接する二つのカラーパッチによって形成される三角形の合計と8つのカラーパッチの重心によって計算される。図2(B)に示す例は3999KのCCTについてである。図2(A)はMGA光源についての最適化PSDを示す、つまり3つのスパイクした分布が図2(B)に示されるu’v’色度図のCIE13.3に定義される8つのカラーパッチによって形成される八角形の面積によって定義される評価関数を最大化するものであり、これがCCT制約とDuv制約に従う。
【0040】
本発明の範囲から逸脱せずにu’v’色度図の代わりにxy色度図、uv色度図、及び/又はCIELAB、CIELUV、CIECAM02等の三次元色空間を用いうる。また、Duvは非ゼロでありうる、つまり、光の色度は完全放射体軌跡上にみられない。完全放射体軌跡の代わりに、昼光軌跡が5000K以上で用いられうる。これは色度の目標として少し緑っぽい色が選択されることを意味する。逆に低い色温度については心理的に白を満たすために少しピンクっぽい色が選択されうる。
【0041】
つまり、この例における最適化PSDは以下の最適化問題の解答となるPSDであることがわかる。

【数1】
【0042】
(s.t.)に従う
【数2】
【数3】
【0043】
図2(A)に示される例において、C=3999K及びD=0、並びに面積(i)は二つの隣接するカラーパッチと8つのカラーパッチの重心によって形成されるi番目の三角形の面積である。
【0044】
図3(A)〜図3(B)は一以上の実施形態において、美術館の光等、美術品への影響が最も少ない光源についての評価関数及びカスタムPSDの一例を示す。CIE157はUV領域においてより重みのある美術品の波長に関するダメージ関数を定義する。例えば、bが物質依存定数であり、物質定数と呼ばれるものとして、ダメージ関数damage(λ)は以下のように定義される

【数4】

一般に見受けられる物質定数の例として、低品質紙の0.0380、ラグペーパーの0.0125、キャンバス上の油彩の0.0115、織物の0.0100、ラグペーパー上の水彩の0.0115等が挙げられる。一以上の実施形態において、美術品に対する影響を最小化するには、コスト関数の形式の評価関数が取得され、これはダメージ関数damage(λ)(所望しない光関数とも称される)とPSDL(λ)との組み合わせに依存し、PSDL(λ)と所望する光関数V(λ)との組み合わせにより正規化される。一以上の実施形態においては、V(λ)は、例えば人間の目の明所反応機能等、目の特定の反応を表現する関数でありうる。
【0045】
図3(B)は一以上の実施形態における美術館光の最適化PSDを決定する方法で用いられる、ダメージ関数301と所望光関数303の例示である。ダメージ関数301はdamage(λ)と称されプロットにおいて点線で示される。所望光関数303はV(λ)と称され、実線で示される。この例においては、コスト関数は以下のように記述される。

【数5】

【0046】
最適化PSDは各制約に従うコスト関数を最小化するかコスト関数cost−1の逆を同様に最大化することによって得られる。例えば、図3(A)は制約CCT、Duv、及びRa−に従うコスト関数(5)を用いて計算された二つの最適化PDSの例を示す。つまり、美術館光の最適化PSDは以下の最適化問題を解くことによって得られる。

【数6】
【0047】
この最適化の結果は図3(A)に示され、点線のPSDはDuv=0、Ra=95、及びCCT=5000Kであり、実線のPSDはCCT=2856Kである。図3(A)に示されるように、CCT=5000Kの最適化PSDは6つの比較的狭い帯域幅のスペクトル要素305、307、309、311、313、及び315によって構成され、それぞれ約460nm、510nm、525nm、580nm、620nm、及び635nmである。スペクトル要素305、307、309、311、313、及び315の相対強度はそれぞれ約45、3、24、34、42及び3である。図3(A)に示されるように、CCT=2856Kの最適化PSDは5つの比較的狭い帯域幅のスペクトル要素317、319、321、323、及び325によって構成され、それぞれ約465nm、515nm、556nm、580nm、及び620nmである。スペクトル要素317、319、321、323、及び325の相対強度はそれぞれ約20、35、6、24、及び71である。本発明の実施形態はこれらの特定の数値に限定されず、おおよその数値は例示に過ぎない。
【0048】
図4(A)〜図4(B)は一以上の実施形態における、暗所対応光などの瞳孔への影響が最も少ない光源についての評価関数及びカスタムPSDを例示する。瞳孔の大きさの調整の一部は、元来感光性網膜神経節細胞(ipRGC)によって制御され、その反応のピークは約480nmである。夜になると、目の暗所への適応を保つため、つまり暗所で視覚を用いる上で瞳孔を大きく保ったままにするため、多くの場合船舶の乗員室においては赤い光が用いられる。例えば、ナビゲーションのため船舶の乗員はしばしばチャートを見る必要があり、他の船舶及び/又は障害を見るために外を見る必要がある。赤い光はipRGCを刺激するほどの短い波長を有しないので多くの場合赤い光が用いられる。しかし、このような光は多くの場合単色であり、快適に見るには十分ではない。一以上の実施形態においては、本明細書に開示される方法によってipRGCへの刺激を最小限にしつつ従来の赤い光源ほど単色に見えない最適化PSDを決定しうる。
【0049】
一以上の実施形態においては、ipRGC感度関数401は図4(B)における点線で示されるように評価関数に用いうる。例えば、約480nmのピークを有するスペクトル感度を有し、最大半量の全幅は約100nmである。よって、この例においては、ipRGC感度関数は所望しない光関数となる。この例においても所望光関数403は、上述の図3(B)と同様に目の明所反応となる。よって、この例における暗所対応光の最適化PSDを得る最適化問題は以下の通りである。

【数7】
【0050】
図4(A)はCCT=2000K、Duv=0、及びR=50を用いて上述の最適化問題を解いて得られた最適化PSDを示す。図4(A)にもみられるように、最適化PSDは3つの比較的狭い帯域幅のスペクトル要素405、407、及び409によって構成され、それぞれ約425nm、570nm及び630nmである。スペクトル要素405、407、及び409の相対強度はそれぞれ約18、65、及び100である。本発明の実施形態はこれらの特定の数値に限定されず、おおよその数値は例示に過ぎない。
【0051】
図5(A)〜図5(B)は一以上の実施形態における、クリーンルーム光源の例示的な評価関数及びカスタムPSDを示す。半導体が製造されるクリーンルームにおいては、青色領域のない黄色光が望ましい。一般的な解決策としては蛍光管に黄色フィルターをかぶせることである。しかし、結果として得られる光はほぼ単色のものとなり、作業員にとって快適な環境で見ることができない。一以上の実施形態に基づく最適なクリーンルーム光を決定する方法においては、所望しない光関数501を用いて500nmなどの閾値波長よりも短い波長を有する光を排除する。例えば、ステップ関数を所望しない光関数として用いることができ、ここでステップ、つまり閾値は図5(B)の点線で示されるように500nmに設定される。本明細書において、この所望しない光関数はblue_region(λ)と定義される。この例においても、所望する光関数403は、図3(B)を参照して上述した目の明所反応である。よって、以下の最適化問題を解くことによってクリーンルーム光の最適化PSDが得られうる。
【数8】
【0052】
図5(A)はCCT=2000K、Duv=0、及びR=50として、上述の最適化問題を解くことによって得られるクリーンルーム光の最適化PSDを示す。図4(A)にもみられるように、最適化PSDは3つの比較的狭い帯域のスペクトル要素505、507、及び509で構成されており、それぞれ約505nm、590nm、及び675nmである。スペクトル要素405、407、及び409の相対強度はそれぞれ、70、50、及び725である。本発明の実施形態はこれらの特定の数値に限定されず、おおよその数値は例示に過ぎない。
【0053】
図6は本発明の一以上の実施形態における、光源PSD最適化システム600を示す。当該システムは、PSD演算モジュール602(これ自体例えば、CPU(中央演算処理装置)、集積回路、ASIC、プログラマブル論理回路、FPGA等の一以上のプロセッサーと、関連付けられたメモリーとを含みうる)、メモリーモジュール604(例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)、キャッシュメモリー、フラッシュメモリー等)、記憶装置606(例えば、ハードディスクドライブ、固体ドライブ、コンパクトディスクドライブやデジタルビデオディスクドライブ(DVD)等の光学ドライブ、フラッシュメモリースティック等、あらゆる非一時的コンピューター読取可能記録媒体)等を有しうる。光源PSD最適化システム600は、キーボード608やマウス610等の入力装置を有しうる。さらに、光源PSD最適化システム600は、モニター612(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、ブラウン管(CRT)モニター等)等の出力手段を有しうる。一以上の実施形態においては、モニター612はタッチスクリーン等の入力手段として機能しうる。
【0054】
一以上の実施形態において、図1〜5を参照して説明されるPSDを最適化する方法は光源PSD最適化システム600において実施しうる。一以上の実施形態において、最適化における制約をあらかじめ設定し、記憶装置606に記憶しうる。例えば、記憶装置はCCT、Duv及びRの各数値を記憶しうる。また、記憶装置は、特定のアプリケーションの最適化PSDを演算するために必要なすべての関係するパラメーターを記憶しうる。例えば、記憶装置606は目の明所反応V(λ)等、一以上の所望光関数を記憶しうる。また、例えば上述のような美術品ダメージ関数damage(λ)を少なくとも一以上の物質定数bと記憶する場合のように、一以上の所望しない光関数を関連するパラメーターとともに記憶装置606に記憶しうる。
【0055】
一以上の実施形態において、記憶装置606は初期PSDを構築するために用いられる候補光源スペクトラムのデータベースを有し、初期PSD自体も後に最適化ルーチンで用いるために記憶しうる。例えば、図7図8、及び図9に示すスペクトラムはそれぞれ最大白色発光放射効率(MLER)光源、量子ドット光源、LED光源の例を示す。当業者は本明細書の教示により、本発明の範囲を逸脱することなく、初期PSDは、周知又は仮想の光源のあらゆる組み合わせを用いて、まったく任意の方法で構築しうるものであることを理解しうるであろう。
【0056】
一以上の実施形態において、PSD演算モジュール602は、操作可能に記憶装置及びメモリーモジュール604に接続され、記憶装置606に記憶されたデータに基づいて最適化PSDを演算するようにプログラムされている。例えば、PSD演算モジュール602は、評価関数の数値を演算した後に、非線形反復減少傾度(GRG2)アルゴリズム等の数値的非線形最適化ルーチンを用いて関連する最適化問題を解きうる。
【0057】
本発明の一以上の実施形態において、上述の光源PSD最適化システム600を構成する一以上の手段は離れた場所に設けられ、ネットワークを通じて他の手段と接続されうる。また、本発明の実施形態は複数のノードを有する分散システムにおいて実行しうる。本発明の各部は分散システムの異なるノードに位置しうる。本発明の一つの実施形態においては、ノードはコンピューターシステムと対応する。また、ノードは物理メモリーと関連付けられたプロセッサーと対応しうる。ノードはまた、共用メモリー及び/又はリソースを有するプロセッサー又はプロセッサーのマイクロコアと対応しうる。さらに、本発明の実施形態を実行するソフトウェア命令がコンピューターに読取可能な信号の形式で一時的又は永久に、コンパクトディスク(CD)、ディスケット、固体メモリー装置、テープ、メモリー又はその他の非一時的で有形のコンピューター読取可能記憶装置等のような有形のコンピューター読取可能記憶媒体に記憶されうる。
【0058】
本発明の一以上の実施形態における光源PSD最適化システム600は、最適化PSD光源の設計及び製造のためのさらに大きなシステムに接続又は統合されうる。このようなシステムにおいては、光源PSD最適化システム600に演算された最適化PSDに関連付けられたデータは、製造される光源が、最適化PSDによって設定されたものとなるように関連する製造装置に送信される。例えば、製造システムによって、最適化PSDに基づいて波長と出力強度が設定されたあらゆる数の独立した光出射要素を有する最適化PSD光源を作成しうる。
【0059】
図9(A)は本発明の一以上の実施形態における最適化PSDを採用する照明システム901の一例を示す。下記に記載されるように、このようなシステムはプログラマブル光源として実施され、当該技術分野においては「光レプリケーター」とも称される。照明システムはコントローラー903を有し、照明要素905a、905b、…、905nが操作可能に接続されうる。本発明の一以上の実施形態において、コントローラー903は一以上の電圧及び/又は電流(つまり一以上の電力)を照明要素905a、905b、…、905nに供給する電源903cを含む。任意に、コントローラー903はさらにプロセッサー903a及びメモリー903bを有する。一以上の実施形態において、メモリーは最適化PSDに関連する情報を記憶しうる。例えば、上述の図1の処理に基づいて最適化PSDを取得しうる。結果として得られる最適化PSDはある意味、所望の用途に応じた最適な光を生成するための最適な波長及び電力のリストである。
【0060】
例えば、図4(A)〜図4(B)を参照して上述した暗視環境で用いられる最適化PSDを有する照明システム901については、最適化PSDは3つの中央波長、λ、λ、λと3つの強度I、I、Iを有し、各強度は出射スペクトラムが対応する中央波長を中心とする比較的狭い帯域(例えば、約10nmの帯域)である光源の強度に対応する。この例においては、照明システム901は少なくとも3つの光源を有し、これらの中央波長はそれぞれλ=630nm、λ=575nm、λ=425nmであり、相対強度はそれぞれI=100、I=65、I=15である。図9(B)は本発明の一以上の実施形態における、照明システムによって出力光のPSDの一例を示す。
【0061】
よって、一以上の実施形態において、最適化PSDを有する出力光を生成するには、コントローラー903は相互接続907を介して一以上の信号(電圧及び/又は電流)を光源905a、905b、及び905nに出力し、その結果、これらの光源はそれぞれ、630nmの光で相対強度が100のもの、575nmの光で相対強度が65のもの、425nmの光で相対強度が15のものがそれぞれ生成される。一以上の実施形態において、最適化PSDはメモリー903bに記憶され、プロセッサー903aはこれを用いて電源903cに必要な制御信号を出力させる。その他の実施形態においては、最適化PSDを有する光を出力するために求められる信号を生成するのに必要な回路は、用いられる光源の種類に基づいてコントローラーに組み込まれている。
【0062】
上述の照明システム901は、一以上の実施形態に基づく最適化PSD光源を実施するための数多くの例のうちの一つである。上述の実施形態においては3つの光源905a、905b、及び905nが記載されているが、本発明の範囲を逸脱することなく、あらゆる数や種類の光源を用いうる。さらに、各光源905a、905b、…、905nはそれ自体、一つの光出射要素又は複数の光出射要素の配列によって構成され、それぞれの光出射要素がPSDの一以上のスペクトルピークを出力しうる。さらに、光源905a、905b、…、905nは、最適化PSDに必要な特定の光を生成するために、特定の周波数の光を直接出射するように設計し、及び/又は一以上の固定された又はプログラマブルスペクトルフィルター(図示せず)に光を出射するような幅の広い帯域を有する光源でありうる。一以上の実施形態において、図1〜5を参照して上述したように、複数の制約に従い所望しない光関数及び/又は所望の光関数等を最小化又は最大化することによって得られたPSDにできる限り近いPSDを有する複合光を出力するような光源905a、905b、…、905nが選択される。
【0063】
例えば、制約の結果、特定のCCT、Duv及び/またはRaを有する光源905a、905b、…、905nによって出力される合成光が得られうる。例えば、照明システム901が図3(B)に図示されるような最適化PSDを採用した場合、Duv=0、Ra=95、CCT=5000Kとなる。
【0064】
さらに、本発明の一以上の実施形態において、図1〜5を参照して上述したように、光源905a、905b、…、905nによって出力される合成光のPSDは、例えば美術館光、クリーンルーム光等、光の特定の用途のために設計された評価関数を最大化するPSDである。例えば、本発明の一以上の実施形態において、図2(A)〜2(B)を参照して上述したように、光源905a、905b、…、905nによって出力される合成光のPSDによって、最大色域PSDを作成するように設計された評価関数を最大化しうる。
【0065】
同様に一以上の実施形態において、光源905a、905b、…、905nによって出力される合成光のPSDは評価関数を最小化するPSDとなりうる。例えば、図3図5を参照して後述する評価関数は最小化した関数である。一以上の実施形態において、光源905a、905b、…、905nによって出力される合成光のPSDは、所望しない光(例えば、照射対象にダメージを与える光)の関数と所望する光(例えば、より見やすくなる光)との間の妥協となりうる。つまり、光源905a、905b、…、905nによって出力される合成光のPSDは、所望する光を最大化しつつ、所望しない光を最小化する最適化PSDであり、詳細は上述したようにCCT、Duv、Ra等の制約に従う。
【0066】
本発明は限られた数の実施形態により説明されたが、当業者は本明細書を利用することによって、本明細書において開示される本発明の範囲を逸脱することなく、その他の実施形態を考案することが可能であることを理解するであろう。よって、本発明の範囲は添付されたクレームのみによって限定される。
図1
図2(A)】
図2(B)】
図3(A)】
図3(B)】
図4(A)】
図4(B)】
図5(A)】
図5(B)】
図6
図7
図8
図9(A)】
図9(B)】