(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6356816
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】電力を伝送する装置および方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20180702BHJP
G06F 3/00 20060101ALI20180702BHJP
G06F 13/38 20060101ALI20180702BHJP
H04L 12/10 20060101ALN20180702BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
G06F3/00 Q
G06F13/38 350
!H04L12/10
【請求項の数】30
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-545906(P2016-545906)
(86)(22)【出願日】2014年1月10日
(65)【公表番号】特表2017-511099(P2017-511099A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(86)【国際出願番号】CN2014070446
(87)【国際公開番号】WO2015103767
(87)【国際公開日】20150716
【審査請求日】2016年8月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】フ ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハン ジャンフイ
【審査官】
杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平5−137267(JP,A)
【文献】
特開2013−247745(JP,A)
【文献】
特表2014−524232(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3193395(JP,U)
【文献】
中国特許出願公開第101252313(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第101299164(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第102545296(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0045112(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0236975(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0144370(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0200982(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0090644(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0074360(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0151291(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0268094(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0009470(US,A1)
【文献】
On-The-Go and Embedded Host Supplement to the USB Revision 2.0 Specification, Revision 2.0,2009年 5月 8日,p.22-24,URL,http://www.usb.org/developers/onthego/USB_OTG_and_EH_2-0.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/00
G06F 13/38
H02J 7/00
H04L 12/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと;
電力出力が可能なユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタと;
電力出力制御信号を生成するように構成された電力管理ユニットと;
前記電力出力制御信号が直接出力状態のものであることに応答して、前記バッテリまたはバッテリスロットから前記USBコネクタに電力が直接出力されるよう前記バッテリまたは前記バッテリスロットと前記USBコネクタとの間の経路を接続し、前記電力出力制御信号が間接出力状態のものであることに応答して、前記バッテリまたは前記バッテリスロットから出力される電圧が昇圧回路によってより高い電圧に増大されてから前記USBコネクタに出力されるよう前記バッテリまたは前記バッテリスロットと前記昇圧回路との間の経路を接続するように構成された電力出力スイッチと;
を備える装置。
【請求項2】
前記電力管理ユニットは、生成されるべき前記電力出力制御信号の前記状態をユーザの指示に基づいて判断するようにさらに構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記USBコネクタに出力される電流を監視するように構成された電流監視手段をさらに備え、
前記電力管理ユニットは、生成されるべき前記電力出力制御信号の前記状態を、前記監視された電流に基づいて判断するようにさらに構成されている、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記電力管理ユニットは、前記監視された電流が最小電流と最大電流との間の電流範囲内にある場合、生成されるべき前記電力出力制御信号は前記直接出力状態のものであると判断し、前記監視された電流が前記最小電流未満である場合、生成されるべき前記電力出力制御信号は前記間接出力状態のものであると判断するようにさらに構成されており;
前記最小電流は、前記USBコネクタの漏れ電流より大きい電流であり;
前記最大電流は、過電流保護のための最大出力電流未満の電流である;
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記電力管理ユニットは、前記監視された電流が前記最大電流を上回る場合、何らの電力出力制御信号も生成しないようにさらに構成され、前記電力出力スイッチは、電力出力制御信号がないことに応答して、前記バッテリもしくは前記バッテリスロットと前記USBコネクタとの間の前記経路または前記バッテリもしくは前記バッテリスロットと前記昇圧回路との間の前記経路を開くようにさらに構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記より高い電圧は、USB規格により定められた電圧である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記電力管理ユニットは、電力入力制御信号を生成するようにさらに構成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の装置であって、
前記電力入力制御信号が直接入力状態のものであることに応答して、電力が前記USBコネクタから前記電力管理ユニットに直接入力されるよう前記電力管理ユニットと前記USBコネクタとの間の経路を接続することと、前記電力入力制御信号が間接入力状態であることに応答して、前記電力管理ユニットと前記バッテリまたは前記バッテリスロットとの間の経路を接続すること、ここで、前記バッテリが前記USBコネクタから入力される前記電力を用いて充電回路により充電されさらに電力を前記電力管理ユニットに供給するよう、前記バッテリまたは前記バッテリスロットは前記充電回路と接続される、前記電力管理ユニットと前記バッテリまたは前記バッテリスロットとの間の経路を接続することと、をするように構成された電力入力スイッチをさらに備える、装置。
【請求項8】
前記USBコネクタから入力される電圧を監視するように構成された電圧監視手段をさらに備え、
前記電力管理ユニットは、生成されるべき前記電力入力制御信号の前記状態を、前記監視された電圧に基づいて判断するようにさらに構成されている、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記電力管理ユニットは、前記監視された電圧が第1の電圧範囲内にある場合、生成されるべき前記電力入力制御信号は前記直接入力状態のものであると判断し、前記監視された電圧が第2の電圧範囲内にある場合、生成されるべき前記電力入力制御信号は前記間接入力状態のものであると判断するようにさらに構成されており、
前記第1の電圧範囲は、前記バッテリの動作電圧に基づくものであり、前記第2の電圧範囲は、USB規格により定められた前記電圧に基づくものである、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記電力管理ユニットは、前記監視された電圧が他の範囲内にある場合、何らの電力入力制御信号も生成しないようにさらに構成されており、前記電力入力スイッチは、電力入力制御信号がないことに応答して、前記電力管理ユニットと前記USBコネクタとの間の前記経路および前記電力管理ユニットと前記バッテリまたは前記バッテリスロットとの間の前記経路を開くようにさらに構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記電力が前記バッテリから前記USBコネクタに出力されている場合、前記電力管理ユニットは、前記電力入力スイッチが前記電力管理ユニットと前記バッテリまたは前記バッテリスロットとの間の前記経路を接続するよう、前記間接入力状態の前記電力入力制御信号を生成するようにさらに構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記昇圧回路および前記充電回路は、並列接続されるか、または互いに統合されており、
前記電力が前記USBコネクタから入力されている場合であって、前記電力管理ユニットと前記バッテリまたは前記バッテリスロットとの間の前記経路が接続されている場合、前記電力管理ユニットは、前記バッテリまたは前記バッテリスロットが前記充電回路と接続されることを可能にするために、前記電力出力スイッチが前記バッテリまたは前記バッテリスロットと前記昇圧回路との間の前記経路を接続するよう、前記間接出力状態の前記電力出力制御信号を生成するようにさらに構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項13】
電力出力制御信号を生成することと;
前記電力出力制御信号が直接出力状態のものであることに応答して、電力が、搭載するバッテリまたはバッテリスロットからユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタに直接出力されるよう前記バッテリまたは前記バッテリスロットと前記USBコネクタとの間の経路を接続することと;
前記電力出力制御信号が間接出力状態のものであることに応答して、前記バッテリまたは前記バッテリスロットから出力される電圧が昇圧回路によってより高い電圧に増大されてから前記USBコネクタに出力されるよう前記バッテリまたは前記バッテリスロットと前記昇圧回路との間の経路を接続することと;
を含む方法。
【請求項14】
電力入力制御信号を生成するように構成された電力管理ユニットと;
電力入力スイッチと;
を備える装置であって、前記電力入力スイッチは、
前記電力入力制御信号が直接入力状態のものであることに応答して、電力がユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタから前記電力管理ユニットに直接入力されるよう前記電力管理ユニットと前記USBコネクタとの間の経路を接続し、
前記電力入力制御信号が間接入力状態であることに応答して、搭載するバッテリまたは前記バッテリスロットを充電回路に接続すると共に、前記電力管理ユニットと前記バッテリまたはバッテリスロットとの間の経路を接続し、前記バッテリが、前記USBコネクタから入力される前記電力を用いて充電回路により充電されさらに電力を前記電力管理ユニットに供給しうるように構成される、装置。
【請求項15】
前記USBコネクタから入力される電圧を監視するように構成された電圧監視手段をさらに備え、
前記電力管理ユニットは、生成されるべき前記電力入力制御信号の前記状態を、前記監視された電圧に基づいて判断するようにさらに構成されている、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記電力管理ユニットは、前記監視された電圧が第1の電圧範囲内にある場合、生成されるべき前記電力入力制御信号は前記直接入力状態のものであると判断し、前記監視された電圧が第2の電圧範囲内にある場合、生成されるべき前記電力入力制御信号は前記間接入力状態のものであると判断するようにさらに構成されており、
前記第1の電圧範囲は、前記バッテリの動作電圧に基づくものであり、前記第2の電圧範囲は、USB規格により定められた前記電圧に基づくものである、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記電力管理ユニットは、前記監視された電圧が他の範囲内にある場合、何らの電力入力制御信号も生成しないようにさらに構成されており、前記電力入力スイッチは、電力入力制御信号がないことに応答して、前記電力管理ユニットと前記USBコネクタとの間の前記経路および前記電力管理ユニットと前記バッテリまたは前記バッテリスロットとの間の前記経路を開くようにさらに構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記電力管理ユニットは、電力出力制御信号を生成するように構成されている、請求項14〜17のいずれかに記載の装置であって、
前記電力出力制御信号が直接出力状態のものであることに応答して、電力が前記バッテリまたは前記バッテリスロットから前記USBコネクタに直接出力されるよう前記バッテリまたは前記バッテリスロットと前記USBコネクタとの間の経路を接続し、前記電力出力制御信号が間接出力状態のものであることに応答して、前記バッテリまたは前記バッテリスロットから出力される電圧が昇圧回路によってより高い電圧に増大されてから前記USBコネクタに出力されるよう前記バッテリまたは前記バッテリスロットと前記昇圧回路との間の経路を接続するように構成された電力出力スイッチをさらに備える、装置。
【請求項19】
前記電力管理ユニットは、生成されるべき前記電力出力制御信号の前記状態をユーザの指示に基づいて判断するようにさらに構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記USBコネクタに出力される電流を監視するように構成された電流監視手段をさらに備え、
前記電力管理ユニットは、生成されるべき前記電力出力制御信号の前記状態を、前記監視された電流に基づいて判断するようにさらに構成されている、
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記電力管理ユニットは、前記監視された電流が最小電流と最大電流との間の電流範囲内にある場合、生成されるべき前記電力出力制御信号は前記直接出力状態のものであると判断し、前記監視された電流が前記最小電流未満である場合、生成されるべき前記電力出力制御信号は前記間接出力状態のものであると判断するようにさらに構成されており;
前記最小電流は、前記USBコネクタの漏れ電流より大きい電流であり;
前記最大電流は、過電流保護のための最大出力電流未満の電流である;
請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記電力管理ユニットは、前記監視された電流が前記最大電流を上回る場合、何らの電力出力制御信号も生成しないようにさらに構成され、前記電力出力スイッチは、電力出力制御信号がないことに応答して、前記バッテリもしくは前記バッテリスロットと前記USBコネクタとの間の前記経路または前記バッテリもしくは前記バッテリスロットと前記昇圧回路との間の前記経路を開くようにさらに構成されている、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記より高い電圧は、USB規格により定められた電圧である、請求項18に記載の装置。
【請求項24】
前記電力が前記バッテリから前記USBコネクタに出力されている場合、前記電力管理ユニットは、前記電力入力スイッチが前記電力管理ユニットと前記バッテリまたは前記バッテリスロットとの間の前記経路を接続するよう、前記間接入力状態の前記電力入力制御信号を生成するようにさらに構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項25】
前記充電回路および前記昇圧回路は、並列接続されるか、または互いに統合されており、
前記電力が前記USBコネクタから入力されている場合であって、前記電力管理ユニットと前記バッテリまたは前記バッテリスロットとの間の前記経路が接続されている場合、前記電力管理ユニットは、前記バッテリまたは前記バッテリスロットが前記充電回路と接続されることを可能にするために、前記電力出力スイッチが前記バッテリまたは前記バッテリスロットと前記昇圧回路との間の前記経路を接続するよう、前記間接出力状態の前記電力出力制御信号を生成するようにさらに構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項26】
電力入力制御信号を生成することと;
前記電力入力制御信号が直接入力状態のものであることに応答して、電力がユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタから電力管理ユニットに直接入力されるよう前記電力管理ユニットと前記USBコネクタとの間の経路を接続することと;
前記電力入力制御信号が間接入力状態であることに応答して、搭載するバッテリまたは前記バッテリスロットを充電回路に接続すると共に、前記電力管理ユニットとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路を接続し前記バッテリが、前記USBコネクタから入力される前記電力を用いて充電回路により充電されさらに電力を前記電力管理ユニットに供給するようにすることと;
を含む方法。
【請求項27】
USB OTG規格に準拠する、請求項1から12のいずれかに記載の装置であって、
前記間接出力状態において前記USBコネクタから出力される電圧は、USB OTG規格に従う、装置。
【請求項28】
USB OTG規格に準拠する装置の動作方法であって、
前記間接出力状態において前記USBコネクタから出力される電圧は、USB OTG規格に従う、請求項13に記載の方法。
【請求項29】
USB OTG規格に準拠する、請求項14から25のいずれかに記載の装置であって、
前記間接入力状態において前記USBコネクタから入力される電圧は、USB OTG規格に従う、
装置。
【請求項30】
USB OTG規格に準拠する装置の動作方法であって、
前記間接入力状態において前記USBコネクタから入力される電圧は、USB OTG規格に従う、
請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、全般的に、電気回路の分野に関し、特に、携帯デバイス間で電力を伝送する装置および方法に関する。
【0002】
ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)On−The−Go(OTG)は、デバイス同士を接続するためのUSB規格の拡張である
(非特許文献1)。従来のUSB技術と比較すると、USB OTG技術では、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)または携帯電話などのUSBデバイスは、別のUSBデバイスと通信するときにホストまたはスレーブのいずれかとして機能することができる。言い換えれば、2つのUSB OTGデバイスがUSBケーブルを介して接続されると、USB OTGデバイスの一方から他方へデータを転送することができる。
【非特許文献1】On-The-Go and Embedded Host Supplement to the USB Revision 2.0 Specification, Revision 2.0, May 8, 2009, USB Implementers Forum, Inc.
【0003】
携帯デバイス間で電力を伝送する手段が提供される。電力を伝送する装置および方法を含む本発明の実施形態によって複数の技術的利点が広く実現される。
【0004】
本発明の実施形態の様々な側面が、添付の特許請求の範囲に記載され、かつこのセクションに要約される。
【0005】
本発明の第1の側面によれば、装置が提供され、この装置は、電力出力制御信号を生成するように構成された電力管理ユニットと;電力出力制御信号が直接出力状態のものであることに応答して、電力がバッテリまたはバッテリスロットからUSBコネクタに直接出力されるようバッテリまたはバッテリスロットとUSBコネクタとの間の経路を閉じ、電力出力制御信号が間接出力状態のものであることに応答して、バッテリまたはバッテリスロットから出力される電圧が昇圧回路によってより高い電圧に増大されてからUSBコネクタに出力されるようバッテリまたはバッテリスロットと昇圧回路との間の経路を閉じるように構成された電力出力スイッチとを備える。
【0006】
本発明の一実施形態では、電力管理ユニットは、生成されるべき電力出力制御信号の状態をユーザの指示に基づいて判断するようにさらに構成されている。
【0007】
本発明の別の実施形態では、装置は、USBコネクタに出力される電流を監視するように構成された電流監視手段をさらに備える。電力管理ユニットは、生成されるべき電力出力制御信号の状態を、監視された電流に基づいて判断するようにさらに構成されている。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態では、電力管理ユニットは、監視された電流が最小電流と最大電流との間の電流範囲内にある場合、生成されるべき電力出力制御信号は直接出力状態のものであると判断し、監視された電流が最小電流未満である場合、生成されるべき電力出力制御信号は間接出力状態のものであると判断するようにさらに構成されている。最小電流は、USBコネクタの漏れ電流より大きい電流であり、最大電流は、過電流保護のための最大出力電流未満の電流である。
【0009】
本発明の別の実施形態では、電力管理ユニットは、監視された電流が最大電流を上回る場合、何らの電力出力制御信号も生成しないようにさらに構成されている。電力出力スイッチは、電力出力制御信号がないことに応答して、バッテリもしくはバッテリスロットとUSBコネクタとの間の経路またはバッテリもしくはバッテリスロットと昇圧回路との間の経路を開く(break)ようにさらに構成されている。
【0010】
本発明のさらに別の実施形態では、より高い電圧とは、USB規格により定められた電圧である。
【0011】
本発明の第2の側面によれば、方法が提供され、本方法は、電力出力制御信号を生成することと;電力出力制御信号が直接出力状態のものであることに応答して、電力がバッテリまたはバッテリスロットからUSBコネクタに直接出力されるようバッテリまたはバッテリスロットとUSBコネクタとの間の経路を閉じることと;電力出力制御信号が間接出力状態のものであることに応答して、バッテリまたはバッテリスロットから出力される電圧が昇圧回路によってより高い電圧に増大されてからUSBコネクタに出力されるようバッテリまたはバッテリスロットと昇圧回路との間の経路を閉じることとを含む。
【0012】
本発明の一実施形態では、本方法は、生成されるべき電力出力制御信号の状態をユーザの指示に基づいて判断することをさらに含む。
【0013】
本発明の別の実施形態では、本方法は、USBコネクタに出力される電流を監視することと、生成されるべき電力出力制御信号の状態を、監視された電流に基づいて判断することとをさらに含む。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態では、本方法は、監視された電流が最小電流と最大電流との間の電流範囲内にある場合、生成されるべき電力出力制御信号は直接出力状態のものであると判断することと;監視された電流が最小電流未満である場合、生成されるべき電力出力制御信号は間接出力状態のものであると判断することとをさらに含む。最小電流は、USBコネクタの漏れ電流より大きい電流であり、最大電流は、過電流保護のための最大出力電流未満の電流である。
【0015】
本発明の別の実施形態では、本方法は、監視された電流が最大電流を上回る場合、何らの電力出力制御信号も生成しないことと、電力出力制御信号がないことに応答して、バッテリまたはバッテリスロットとUSBコネクタとの間の経路およびバッテリまたはバッテリスロットと昇圧回路との間の経路を開くこととをさらに含む。
【0016】
本発明の第3の側面によれば、装置が提供され、この装置は、電力入力制御信号を生成するように構成された電力管理ユニットと;電力入力制御信号が直接入力状態のものであることに応答して、電力がUSBコネクタから電力管理ユニットに直接入力されるよう電力管理ユニットとUSBコネクタとの間の経路を閉じることと、電力入力制御信号が間接入力状態であることに応答して、電力管理ユニットとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路を閉じること、ここで、バッテリがUSBコネクタから入力される電力を用いて充電回路により充電されさらに電力を電力管理ユニットに供給するよう、バッテリまたはバッテリスロットは充電回路と接続される、該電力管理ユニットとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路を閉じることと、をするように構成された電力入力スイッチとを備える。
【0017】
本発明の一実施形態では、装置は、USBコネクタから入力される電圧を監視するように構成された電圧監視手段をさらに備える。電力管理ユニットは、生成されるべき電力入力制御信号の状態を、監視された電圧に基づいて判断するようにさらに構成されている。
【0018】
本発明の別の実施形態では、電力管理ユニットは、監視された電圧が第1の電圧範囲内にある場合、生成されるべき電力入力制御信号は直接入力状態のものであると判断し、監視された電圧が第2の電圧範囲内にある場合、生成されるべき電力入力制御信号は間接入力状態のものであると判断するようにさらに構成されている。第1の電圧範囲は、バッテリの動作電圧に基づくものであり、第2の電圧範囲は、USB規格により定められた電圧に基づくものである。
【0019】
本発明のさらに別の実施形態では、電力管理ユニットは、監視された電圧が他の範囲内にある場合、何らの電力入力制御信号も生成しないようにさらに構成されている。電力入力スイッチは、電力入力制御信号がないことに応答して、電力管理ユニットとUSBコネクタとの間の経路および電力管理ユニットとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路を開くようにさらに構成されている。
【0020】
本発明の別の実施形態では、電力がバッテリからUSBコネクタに出力されている場合、電力管理ユニットは、電力入力スイッチが電力管理ユニットとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路を閉じるよう、間接入力状態の電力入力制御信号を生成するようにさらに構成されている。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態では、昇圧回路および充電回路は、並列接続されるか、または互いに統合されている。電力がUSBコネクタから入力されている場合であって、電力管理ユニットとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路が閉じられている場合、電力管理ユニットは、バッテリまたはバッテリスロットが充電回路と接続されることを可能にするために、電力出力スイッチがバッテリまたはバッテリスロットと昇圧回路との間の経路を閉じるよう、間接出力状態の電力出力制御信号を生成するようにさらに構成されている。
【0022】
本発明の第4の側面によれば、方法が提供され、本方法は、電力入力制御信号を生成することと、電力入力制御信号が直接入力状態のものであることに応答して、電力がUSBコネクタから電力管理ユニットに直接入力されるよう電力管理ユニットとUSBコネクタとの間の経路を閉じることと;電力入力制御信号が間接入力状態であることに応答して、電力管理ユニットとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路を閉じること、ここで、バッテリがUSBコネクタから入力される電力を用いて充電回路により充電されさらに電力を電力管理ユニットに供給するよう、バッテリまたはバッテリスロットは充電回路と接続される、該電力管理ユニットとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路を閉じることとを含む。
【0023】
本発明の一実施形態では、本方法は、USBコネクタから入力される電圧を監視することと、生成されるべき電力入力制御信号の状態を、監視された電圧に基づいて判断することとをさらに含む。
【0024】
本発明の別の実施形態では、本方法は、監視された電圧が第1の電圧範囲内にある場合、生成されるべき電力入力制御信号は直接入力状態のものであると判断することと;監視された電圧が第2の電圧範囲内にある場合、生成されるべき電力入力制御信号は間接入力状態のものであると判断することとをさらに含む。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態では、本方法は、監視された電圧が他の範囲内にある場合、何らの電力入力制御信号も生成しないことと;電力入力制御信号がないことに応答して、電力管理ユニットとUSBコネクタとの間の経路および電力管理ユニットとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路を開くこととをさらに含む。
【0026】
本発明の別の実施形態では、本方法は、電力がバッテリからUSBコネクタに出力されている場合、電力入力スイッチが電力管理ユニットとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路を閉じるよう、間接入力状態の電力入力制御信号を生成することをさらに含む。
【0027】
本発明のさらに別の実施形態では、本方法は、充電回路と昇圧回路とを並列接続するか、または充電回路と昇圧回路とを互いに統合することと;電力がUSBコネクタから入力されている場合であって、電力管理ユニットとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路が閉じられている場合、バッテリまたはバッテリスロットが充電回路と接続されることを可能にするために、バッテリまたはバッテリスロットと昇圧回路との間の経路が閉じられるよう、間接出力状態の電力出力制御信号を生成することとをさらに含む。
【0028】
本発明の実施形態によれば、バッテリ電力を1つの携帯デバイスから別の携帯デバイスへ直接伝送可能であり、それによって、電力損失およびバッテリの予備充電時間遅延(pre−charge time delay)が回避される。
【0029】
さらに、添付の図面と併せて下記の具体的実施形態の説明を読むことで、本発明の実施形態の他の特徴および利点が理解される。図面は、本発明の実施形態の原理を例として示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の様々な実施形態の上記および他の側面、特徴、および利点が、例として下記の詳細な説明および添付の図面からさらに全体的に明らかになる。
【0031】
【
図1】
図1は、2つの携帯デバイス間の例示の充電プロセスを示す。
【0032】
【
図2】
図2は、従来技術のUSB OTGリニアチャージャを示す。
【0033】
【
図3】
図3は、従来技術のUSB OTGスイッチングチャージャを示す。
【0034】
【
図4】
図4は、
図3に示されているUSB OTGスイッチングチャージャの効率を示す例示のグラフである。
【0035】
【
図5】
図5は、本発明の実施形態による携帯デバイスの一部を示す概略図である。
【0036】
【
図6】
図6は、本発明の実施形態による単極双投スイッチを示す概略図である。
【0037】
【
図7】
図7は、本発明の実施形態による電流監視手段の概略図である。
【0038】
【
図8】
図8は、本発明の実施形態による電圧監視手段の概略図である。
【0039】
【
図9】
図9は、本発明の実施形態による、携帯デバイス間で電力を伝送する方法900のフローチャートである。
【0040】
【
図10】
図10は、本発明の実施形態による、携帯デバイス間で電力を伝送するための例示の動作方法1000を示す。
【0041】
【
図11】
図11は、本発明の実施形態による、携帯デバイス間で電力を伝送するための方法1100のフローチャートである。
【0042】
【
図12】
図12は、本発明の実施形態による、携帯デバイス間で電力を伝送するための例示の動作方法1200を示す。
【0043】
本発明の実施形態は、携帯デバイス間で電力を伝送する手段を提供し、携帯デバイスは、内蔵バッテリの電力を電圧変換なしで別の携帯デバイスへ直接出力する。
【0044】
USB OTGデバイス間で、データ転送に加えて電力伝送がなされ得る。USB OTG携帯電話が電池切れのとき、別のUSB OTG携帯電話が、それ自体のバッテリ電力を使用して電池切れの携帯電話を充電することができる。
図1は、2つの携帯デバイス間の例示の充電プロセスを示す。
図1に示されているように、バッテリが切れた携帯デバイス1が、バッテリがフル充電されている携帯デバイス2により充電され、バッテリ電力はUSBケーブルを介して伝送される。
【0045】
ほとんどの携帯デバイスは、電圧3.3〜4.2Vの単セルリチウムイオンまたはリチウムポリマーバッテリを使用する。しかしながら、USB OTG規格によれば、
図1に示されるUSBコネクタのVBUSピンの電圧は、4.75〜5.25Vである
(非特許文献1の14頁参照)。したがって、携帯デバイス2のバッテリから出力された電圧(例えば3.3〜4.2V)は、USBコネクタに出力される前に、USB OTG規格により定められた、より高い電圧(例えば4.75〜5.25V)に変換される必要がある。さらに、USBコネクタからの電圧がバッテリに入力される前に電圧を低下させる必要がある。
【0046】
一般に、USB OTG充電モードには、(
図2に示される)リニア方式および(
図3に示される)スイッチング方式の2つがある。
図2のリニア方式では、バッテリ電圧を増大させるためにチャージポンプが使用され、バッテリを充電するために金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が使用される。
図3のスイッチング方式では、MOSFETの組み合わせが、充電コントローラの制御下で昇圧または充電いずれかのために使用される。
【0047】
不都合なことに、上記の電圧変換は、電圧損失および電流損失を含む電力損失を生じることがある。一般に、スイッチング方式の効率はリニア方式よりも少し高い。
図4は、
図3に示されたUSB OTGスイッチングチャージャの効率を示す例示のグラフである。
図4に示されているように、効率は約90%である。USB OTG出力を有するデバイスが内蔵スイッチングチャージャを有する別のデバイスを充電するとすれば、あるバッテリから別のバッテリへの総エネルギー伝送効率は、90%×90%=81%未満に近くなる。
【0048】
電力損失に加えて、既存のUSB OTG充電ソリューションにはバッテリの予備充電時間遅延が存在し得る。例えば、携帯デバイスのバッテリが切れかけているとき、例としてバッテリ電圧が2.8V未満のときなどには、エンドユーザは、バッテリが一定電圧、例えば3.3Vに再充電されるまで携帯デバイスの使用を待たなければならないこともある。
【0049】
本発明の例示の実施形態について、下記のとおり詳細に説明する。
【0050】
図5は、本発明の実施形態による携帯デバイスの一部を示す概略図である。本願明細書では、携帯デバイスは、PDA、携帯電話、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットなど、USB OTGをサポートする任意のバッテリ電源式携帯デバイスとすることができる。さらに、バッテリの動作電圧は、USB OTG規格により定められている電圧より低くてもよい。
【0051】
図5に示されているとおり、携帯デバイスは、メインプロセッサおよび電力管理ユニット(PMU:power management unit)を備えてもよい。PMUはメインプロセッサに電力を供給し、さらにメインプロセッサはPMUを制御する。携帯デバイスは、USBケーブルを差し込むためのUSBコネクタも備える。
【0052】
本発明の実施形態によれば、携帯デバイスは2つのスイッチを備えてもよく、一方は電力出力用(
図5でスイッチ1と標示)、他方は電力入力用(
図5でスイッチ2と標示)である。スイッチの一例は単極双投スイッチであり、その実装が
図6に示されている。
図6に示されているとおり、制御論理が、端子Dと端子Aとの間の経路が閉じられるか、または端子Dと端子Bとの間の経路が閉じられるかを制御する。
【0053】
本発明の実施形態では、スイッチの制御論理はPMUによってさらに制御される。PMUは、2つの制御信号を生成して各スイッチに出力する。各制御信号は、直接電力伝送を有効化するか否かを示す2つの状態を有する。その状態に応答して、制御論理は、それぞれの経路を閉じ、または開くべく制御を行う。
【0054】
以降、本発明の実施形態による、電力出力および電力入力の場合におけるPMUおよび2つのスイッチの例示の動作プロセスについて、
図5、
図7、および
図8に関連して説明する。
【0055】
図5に示されているとおり、電力出力の場合、スイッチ1の端子D1がバッテリまたはバッテリスロットに結合され、スイッチ1の端子A1がUSBコネクタに結合され、スイッチ1の端子B1が昇圧回路に結合される。PMUは、端子A1およびB1のどちらがスイッチ1の端子D1に接触するかを制御する電力出力制御信号を生成する。
【0056】
本発明の実施形態によれば、電力出力制御信号は2つの状態を有し、一方は直接出力状態であり、他方は間接出力状態である。電力出力制御信号が直接出力状態のものであれば、端子D1は端子A1に接触し、その結果、バッテリ(またはバッテリスロット)とUSBコネクタとの間の経路が閉じられる。このようにして、電力をバッテリまたはバッテリスロットからUSBコネクタへ直接出力することができ、それによって、例えば電圧変換などに起因する電力損失が回避される。
【0057】
さらに、電力出力制御信号が間接出力状態のものであれば、端子D1は端子B1に接触し、その結果、バッテリ(またはバッテリスロット)と昇圧回路との間の経路が閉じられる。したがって、バッテリまたはバッテリスロットから出力される3.3〜4.2Vなどの電圧をUSB OTG規格の定める電圧などのより高い電圧(例えば4.75〜5.25V)へと昇圧回路によって増大させてからUSBコネクタに出力することができる。このようにして、本発明による携帯デバイスをUSB OTG出力技術に準拠させることができる。
【0058】
本発明の実施形態では、PMUは、生成されるべき電力出力制御信号の状態をユーザの指示に基づいて判断してもよい。例えば、(
図1に示されるように)電力をもつ携帯デバイス2がUSBケーブルを介して電力切れの携帯デバイス1に接続された後、デバイス2のエンドユーザは、デバイス2に表示されるメニューを操作してバッテリ電力をデバイス1に直接出力するかどうかを指示してもよい。エンドユーザがデバイス2によるバッテリ電力の直接出力を有効化すれば、PMUは直接出力状態の電力出力制御信号を生成してもよい。
【0059】
携帯デバイス2がバッテリ電力を携帯デバイス1に直接出力し始めると、デバイス2からUSBケーブルに出力される電流は電力伝送の信頼性を反映し得る。例えば、デバイス2から出力される電圧がデバイス1にとって十分に高くない場合、2つのデバイス間の電力伝送経路が実は破損(broken)していて、出力電流が非常に小さくなっているかもしれない。デバイス1の内部回路が短絡していれば、出力電流は許容不可能なほど大きく、USBケーブルを介したデバイス1と2との直接接続が安全でない可能性もある。
【0060】
本発明の実施形態では、
図5に示されているとおり、携帯デバイスは、USBコネクタに出力される電流を監視するように構成された電流監視手段を備える。本発明の実施形態による電流監視手段の例示の実装が
図7に示されている。
図7では、電流監視回路が、USBコネクタに出力される電流を監視して監視結果をPMUに出力する。電流監視手段は、
図5または
図7においてPMUとは別個の回路として示されているが、当業者であれば、電流監視機能をPMUにより実現可能であること、電流監視手段がPMUに統合されてもよいことに想到することができる。
【0061】
本発明の実施形態によれば、電力出力中、PMUは、生成されるべき電力出力制御信号の状態を、監視された電流に基づいて判断し続ける。監視された電流が最小電流Iminと最大電流Imaxとの間の電流範囲内にあれば、PMUは、生成されるべき電力出力制御信号は直接出力状態のものであると判断する。監視された電流がImin未満であれば、PMUは、生成されるべき電力出力制御信号は間接出力状態のものであると判断する。デバイス1と2との間の導通経路(continuous path)を確保する目的で、Iminは、例えば10mAなど、USBコネクタの漏れ電流より大きくてもよい。さらに、デバイス1と2との安全な接続を保証する目的で、Imaxは、例えば800mAなど、過電流保護のための最大出力電流未満にしてもよい。さらに、監視された電流が最大電流を上回ると、PMUは、何らの電力出力制御信号も生成しない。これに応答して、スイッチ1は、バッテリもしくはバッテリスロットとUSBコネクタとの間の経路またはバッテリもしくはバッテリスロットと昇圧回路との間の経路を開き、それによって、デバイス1と2との安全な接続を確保する。
【0062】
電力出力の場合については
図5および
図7に関連して上述している。以下、電力入力の場合について
図5および
図8に関連して説明する。
【0063】
上述のとおり、
図5のスイッチ2は電力入力に使用される。
図5に示されているとおり、端子D2がPMUに結合され、端子B2がUSBコネクタに結合され、端子A2がバッテリまたはバッテリスロットに結合される。PMUは、同様に、端子A2およびB2のどちらが端子D2に接触するかを制御する電力入力制御信号を生成する。電力入力制御信号も2つの状態を有し、一方が直接入力状態であり、他方が間接入力状態である。
【0064】
電力入力制御信号が直接入力状態のものであれば、端子D2は端子B2に接触し、その結果、USBコネクタとPMUとの間の経路が閉じられる。このようにして、電力をUSBコネクタからPMUに直接入力することができ、その結果、例えば電圧変換などに起因する電力損失が回避され、電池切れの携帯デバイスをバッテリの予備充電時間遅延なしに直ちに使用することができる。
【0065】
電力入力制御信号が間接入力状態のものであれば、端子D2は端子A2に接触し、その結果、バッテリ(またはバッテリスロット)とPMUとの間の経路が閉じられる。この場合、バッテリが、USBコネクタから入力される電力を用いて充電回路により充電されるとともに、さらに電力をPMUに供給できるよう、バッテリは充電回路にも接続される。このようにして、携帯デバイスをUSB OTG充電技術に準拠させることができる。
【0066】
本発明の実施形態では、PMUは、生成されるべき電力入力制御信号の状態を、USBコネクタから入力される電圧に基づいて判断してもよい。
図5に示されているとおり、携帯デバイスは、USBコネクタから入力される電圧を監視するように構成された電圧監視手段を備える。
【0067】
本発明の実施形態によれば、携帯デバイス1の電力がなくなり、電力をもつ携帯デバイス2にUSBケーブルを介して接続された後、次にデバイス1の電圧監視手段がUSBコネクタのVBUSピンの電圧を監視する。
図8は、本発明の実施形態による電圧監視手段の例を示す。この電圧監視手段も同じく、
図8に示されているようにPMUとは別個のものであってもよいし、あるいはPMUに統合されてもよい。
【0068】
その結果、PMUは、生成されるべき電力入力制御信号の状態を、監視された電圧に基づいて判断してもよい。監視された電圧が第1の電圧範囲内にあれば、PMUは、生成されるべき電力入力制御信号は直接入力状態のものであると判断する。監視された電圧が第2の電圧範囲内にあれば、PMUは、生成されるべき電力入力制御信号は間接入力状態のものであると判断する。本願明細書では、第1の電圧範囲は、3.3〜4.2Vなど、バッテリの動作電圧に基づくものであり、第2の電圧範囲は、4.75〜5.25Vなど、USB電圧に基づくものである。USBコネクタから入力される電圧が他の電圧範囲内に入る場合、PMUは、何らの電力入力制御信号も生成しない。その結果、電力入力制御信号がないことに応答して、スイッチ2は、安全確保のためにバッテリもしくはバッテリスロットとUSBコネクタとの間の経路、またはバッテリもしくはバッテリスロットと昇圧回路との間の経路を開く。
【0069】
本発明の実施形態では、携帯デバイスは、電力出力用または電力入力用いずれかの、1つのみのスイッチを備えてもよい。携帯デバイスが電力出力用スイッチのみを備える場合、携帯デバイスは、電力入力用スイッチを備える別の携帯デバイスにバッテリ電力を直接出力することができ、逆の場合も同じである。本発明の実施形態によれば、電力入力用スイッチのみを備えた携帯デバイスは、バッテリ電力を直接出力することはできないが、USB OTG出力モードでバッテリ電力を出力することはできる。この場合、バッテリまたはバッテリスロットは、バッテリから出力される電圧をUSBコネクタへの出力の前に増大させる昇圧回路に、固定的に接続されてもよい。
【0070】
携帯デバイスが電力出力用スイッチのみを備える場合、携帯デバイスは、バッテリ電力を直接出力することはできるが、外部バッテリから電力を直接得ることはできない。そのような携帯デバイスでは、PMUとバッテリ(またはバッテリスロット)とは固定的に相互接続される。
【0071】
あるいは、
図5に示されているように、スイッチ1などの電力出力用スイッチおよびスイッチ2などの電力入力用スイッチが、ともに1つの携帯デバイスに備えられてもよい。この場合、電力出力プロセス中、PMUは、電力出力制御信号に加えて、間接入力状態の電力入力制御信号を生成する。電力入力制御信号が間接入力状態のものであることに応答して、スイッチ2はPMUとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路を閉じる。このように、PMUとバッテリまたはバッテリスロットとの間の電力供給および制御機能が実現され得る。電力入力プロセス中、スイッチ2がPMUとバッテリ(またはバッテリスロット)との間の経路を閉じると、バッテリがUSBコネクタから入力される電力を用いて充電回路により充電されるとともにさらにPMUに電力を供給できるよう、スイッチ1がバッテリとOTG対応充電回路との間の経路を閉じる。
【0072】
図5に示されているとおり、充電回路および昇圧回路は並列接続される。本発明の別の実施形態によれば、この2つの回路は、まさに
図3に示されるスイッチングチャージャのように、互いに統合されてもよい。このように、スイッチ1は、電力出力制御信号が間接出力状態のものであることに応答して、バッテリと充電回路との間の経路(バッテリと昇圧回路との間の経路と等しい)を閉じてもよい。本願明細書では、昇圧回路および充電回路の実装は、
図2および
図3に示されるように、既存のUSB OTGモードに基づいてもよい。
【0073】
なお、スイッチの実装は、上述の単極双投スイッチに限定されず、等価な機能を実現し得る任意の種類のスイッチを含むことができる。例えば、2つの単極単投スイッチの組み合わせが単極双投スイッチの代わりとされてもよく、この場合、1つの単極単投スイッチが1つの経路の導通または切断を制御する。なお、「結合」という用語は、導線による直接接続または別の回路を介した間接接続を含む任意の種類の接続を指す。
【0074】
本発明の実施形態による携帯デバイスおよび電力伝送のための内蔵装置については、
図5〜
図8に関連して上述されている。次に、本発明の実施形態による動作方法のフローについて
図9〜
図12に関連して説明する。
【0075】
図9は、本発明の実施形態による、携帯デバイス間で電力を伝送する方法900のフローチャートである。
【0076】
図9に示されるように、方法900が開始した後、ステップS901で、電力出力制御信号が生成される。次にステップS902で、電力出力制御信号が直接出力状態であることに応答して、電力がバッテリからUSBコネクタに直接出力されるよう、バッテリまたはバッテリスロットとUSBコネクタとの間の経路が閉じられる。このようにして、例えば電圧変換などに起因する電力損失なしに、電力を携帯デバイス間で効率的に伝送可能である。
【0077】
次にステップS903で、電力出力制御信号が間接出力状態であることに応答して、バッテリから出力された電圧が昇圧回路によってより高い電圧に増大されてからUSBコネクタに出力されるよう、バッテリまたはバッテリスロットと昇圧回路との間の経路が閉じられる。そうすることにより、本発明の実施形態によるバッテリ電力の直接出力を可能にする携帯デバイスは、USB OTG出力技術もサポートすることができる。
【0078】
以下、本発明の実施形態による、携帯デバイス間で電力を伝送する例示の動作方法1000について、
図10に関連して詳細に説明する。
【0079】
図10に示されるように、電力切れの携帯デバイス1と、電力がある携帯デバイス2とがUSBケーブルにより接続(S1001)された後、デバイス2のエンドユーザが、例えばデバイス2に表示されるメニューを操作することによって、デバイス2によるバッテリ電力の直接出力を有効化する(S1002)。
【0080】
次にデバイス2は、バッテリまたはバッテリスロットとUSBコネクタとの間の直接出力経路を介して、USBコネクタのVBUSピンにバッテリ電力を出力する(S1003)。本発明の実施形態によれば、ユーザの指示に基づいて電力管理ユニットにより生成される電力出力制御信号に応答して、デバイス2においてスイッチがバッテリまたはバッテリスロットとUSBコネクタとの間の経路を閉じる。
【0081】
次にステップS1004で、デバイス2は、USBコネクタに出力される電流を監視する。次に、監視された電流がIminとImaxとの間の電流範囲内にあるかどうかが判断される(S1005)。肯定であれば、デバイス2は、バッテリ電力の直接出力を続け(S1006)、出力電流の監視を継続する(S1004)。監視された電流がImin未満であれば、デバイス2はUSB OTG出力を実行する(S1007)。例えばデバイス2は、4.75〜5.25Vの電圧をUSBコネクタのVBUSピンに出力する。次にデバイス2は、監視された電流がIminとImaxとの間の電流範囲内にあるかどうかの判断に進む(S1008)。肯定であれば、デバイス2は、例えば4.75〜5.25VのOTG出力を続ける(S1009)。否定であれば、デバイス2は出力を停止する(S1010)。監視された電流がImaxを上回ると判断された場合も、デバイス2は出力を停止する。出力を停止した後、デバイス2は、電力出力が停止した旨のプロンプトをエンドユーザに表示する(S1011)。
【0082】
本発明の実施形態による携帯デバイスに関連して記載されるとおり、デバイス2から出力される電圧がデバイス1にとって十分高いことを確認できるよう、Iminは、USBコネクタの漏れ電流より大きくともよい(例えば10mA)。さらに、デバイス1と2との安全な接続を確保するために、Imaxは、過電流保護のための最大出力電流未満としてもよい(例えば800mA)。
【0083】
図11は、本発明の実施形態による、携帯デバイス間で電力を伝送する方法1100のフローチャートである。
【0084】
図11に示されるとおり、方法1100が開始した後、ステップS1101で電力入力制御信号が生成される。次にステップS1102で、電力入力制御信号が直接入力状態のものであることに応答して、電力がUSBコネクタからPMUに直接入力されるよう、PMUとUSBコネクタとの間の経路が閉じられる。このようにして、ここでも、例えば電圧変換などに起因する電力損失なしに電力を携帯デバイス間で効率的に伝送可能である。
【0085】
次にステップS1103で、電力入力制御信号が間接入力状態のものであることに応答して、電力管理ユニットとバッテリまたはバッテリスロットとの間の経路が閉じられ、バッテリがUSBコネクタから入力される電力を用いて充電回路により充電されるとともにさらに電力管理ユニットに電力を供給できるよう、バッテリまたはバッテリスロットが充電回路と接続される。そうすることにより、本発明の実施形態によるバッテリ電力の直接出力を可能にする携帯デバイスは、USB OTG充電技術もサポートすることができる。
【0086】
次に、本発明の実施形態による、携帯デバイス間で電力を伝送する例示の動作方法1200について、
図12に関連して詳細に説明する。
【0087】
図12に示されるとおり、電力切れの携帯デバイス1と電力がある携帯デバイス2とがUSBケーブルにより接続(S1201)された後、デバイス1は、USBコネクタのVBUSピンの入力電圧を監視する(S1202)。次にデバイス1は、監視された電圧を分析し、監視された電圧が、バッテリの動作電圧(例えば3.3〜4.2V)などの第1の電圧範囲内にあるか、または規定のUSB電圧(例えば4.75〜5.25)などの第2の電圧範囲内にあるかを判断する(S1203)。監視された電圧が第1の範囲内にあれば、デバイス1における直接電力入力経路が有効化され(S1206)、続いてデバイス1は、USBコネクタから入力される電圧の監視を継続する(S1203)。監視された電圧が第2の範囲内にあれば、USB OTG充電経路が有効化され(S1204)、続いてデバイス1は、USBコネクタから入力される電圧の監視を継続する(S1203)。そうすることにより、例えば電圧変換などに起因する電力損失を回避することもでき、電池切れの携帯デバイスを予備充電時間遅延なしに直ちに使用することができ、かつUSB OTG充電技術を矛盾なくサポートすることができる。
【0088】
監視された電圧が第1および第2の電圧範囲ではなく他の電圧範囲内にあれば、直接電力入力経路およびOTG充電経路はいずれも開かれ(S1205)、デバイス1は、USBコネクタから入力される電圧の監視を継続する(S1203)。
【0089】
なお、方法900、1000、1100、および1200は、
図5〜
図8に関連して記載された携帯デバイスにより実行されてもよい。したがって、携帯デバイスに関連して説明された動作プロセスに関係する実施形態が、方法900、1000、1100、および1200にも適用されてもよい。簡潔さのために、対応する方法ステップの説明は省略される。
【0090】
なお、加えて、USB OTGは単なる例であり、本発明の実装は、USB OTG規格に限定されず、USBケーブルを介してデバイスが相互に電力を伝送することを可能にする任意の規格を含む。
【0091】
本願明細書では、本開示の実施形態が、添付の図面を参照しながら、実施形態を通して詳細に説明される。本明細書は、実装の特定の詳細を数多く含むが、こうした詳細は、いずれの発明の範囲に対しても、または特許請求の範囲に対しても、その限定として解釈されるべきではなく、特定の発明の特定の実施形態に特有であることもある特徴の記載として解釈されるべきである。本明細書において別々の実施形態の文脈の中で記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実装することも可能である。逆に、単一の実施形態の文脈の中で記載される様々な特徴を、複数の実施形態において別々に、または任意の適切な部分的組み合わせとして実装することも可能である。さらに、各特徴は、特定の組み合わせで動作するものとして上述されているかもしれないし、さらにそのようなものとして当初に特許請求されることさえもあり得るが、場合によっては特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴がその組み合わせから削除されることも可能であり、特許請求された組み合わせが、部分的組み合わせまたは部分的組み合わせの変形を対象とするものになることもある。
【0092】
図面では各動作が特定の順序で示されているが、このことから、所望の結果を実現するために当該動作が図示された特定の順序で実行されもしくは順次に実行されること、または図示される動作すべてが実行されることを要求するものと解されてはならない。一定の状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利なこともある。
【0093】
本発明の様々な実施形態の説明が例示目的で提示されたが、網羅的なものとすることも、開示された実施形態に限定されることも意図されてはいない。記載された実施形態の範囲および意図から逸脱することなく、当業者には多数の変更および変形が明らかとなろう。