特許第6356820号(P6356820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6356820256直交振幅変調のユーザ機器カテゴリのハンドリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6356820
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】256直交振幅変調のユーザ機器カテゴリのハンドリング
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/38 20060101AFI20180702BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20180702BHJP
   H04L 27/00 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   H04L27/38
   H04L1/00 E
   H04L27/00 Z
【請求項の数】30
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2016-549286(P2016-549286)
(86)(22)【出願日】2015年1月28日
(65)【公表番号】特表2017-509233(P2017-509233A)
(43)【公表日】2017年3月30日
(86)【国際出願番号】IB2015050653
(87)【国際公開番号】WO2015114541
(87)【国際公開日】20150806
【審査請求日】2016年9月27日
(31)【優先権主張番号】61/933,414
(32)【優先日】2014年1月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】ラーソン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジュン−フ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、メン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ユ
【審査官】 吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−505582(JP,A)
【文献】 特表2011−507397(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/123961(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/187824(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/38
H04L 1/00
H04L 27/00
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線デバイスにおいて転送ブロックを復号する方法であって、
第1の変調符号化方式に従って変調された転送ブロックの第1の送信を受信すること(1110)と、
前記無線デバイスのカテゴリタイプに少なくとも基づいて、前記転送ブロックの前記第1の送信におけるソフトチャネルビットの数SB1を判定すること(1111)と、
を含み、
前記カテゴリタイプの無線デバイスは、前記第1の変調符号化方式及び前記第1の変調符号化方式とは次数の異なる第2の変調符号化方式をサポート可能であり、前記第1の変調符号化方式及び前記第2の変調符号化方式の双方は、同じ数のソフトチャネルビット及びソフトバッファサイズに関連付けられ、
前記方法は、
ソフトバッファ内に前記転送ブロックの前記第1の送信のSB1個のソフトチャネルビットを記憶すること(1112)
前記第2の変調符号化方式を用いて復調を実行するための標識を受信することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第2の変調符号化方式に従って変調された前記転送ブロックの第2の送信を受信することと、
前記無線デバイスの前記カテゴリタイプに少なくとも基づいて、前記転送ブロックの前記第2の送信におけるソフトチャネルビットの数SB2を判定することと、SB2はSB1に等しいことと、
前記ソフトバッファ内に前記転送ブロックの前記第2の送信のSB2個のソフトチャネルビットを記憶することと、
をさらに含む、請求項の方法。
【請求項3】
前記第1の送信の復号の失敗後に、前記第2の送信を、前記転送ブロックの記憶された前記SB1個のソフトチャネルビットと合成すること(1118)、をさらに含む、請求項の方法。
【請求項4】
前記第1の変調符号化方式の変調方式は、256直交振幅変調(256QAM)方式である、請求項1〜のいずれかの方法。
【請求項5】
前記第2の変調符号化方式の変調方式は、64直交振幅変調(64QAM)方式である、請求項1〜のいずれかの方法。
【請求項6】
前記無線デバイスに関連付けられる前記カテゴリタイプは、3GPP(third generation partnership project)カテゴリタイプ4、5、6、7及び8のうちの1つである、請求項1〜のいずれかの方法。
【請求項7】
前記無線デバイスが256QAMをサポート可能であるという標識を送信すること、をさらに含む、請求項1〜のいずれかの方法。
【請求項8】
256QAMを使用するための標識を受信すること、をさらに含む、請求項1〜のいずれかの方法。
【請求項9】
ネットワークノードにおける転送ブロックを送信する方法であって、
前記転送ブロックの第1の送信のための第1の変調符号化方式を決定すること(1010)と、
無線デバイスのカテゴリタイプに少なくとも基づいて、前記転送ブロックのためのソフトチャネルビットの数SB1を決定すること(1012)と、
を含み、
前記カテゴリタイプの無線デバイスは、前記第1の変調符号化方式及び前記第1の変調符号化方式とは次数の異なる第2の変調符号化方式をサポート可能であり、前記第1の変調符号化方式及び前記第2の変調符号化方式の双方は、同じ数のソフトチャネルビット及びソフトバッファサイズに関連付けられ、
前記方法は、
前記第1の変調符号化方式及び決定したソフトチャネルビットの前記数SB1に従って、前記転送ブロックを符号化すること(1014)と、
前記転送ブロックを前記無線デバイスへ送信すること(1016)と、
前記第2の変調符号化方式を用いて変調を実行するための標識を受信することと、
を含む方法。
【請求項10】
前記無線デバイスの前記カテゴリタイプに少なくとも基づいて、前記転送ブロックのためのソフトチャネルビットの数SB2を決定することと、SB2はSB1に等しいことと、
前記第2の変調符号化方式及び決定したソフトチャネルビットの前記数SB2に従って、前記転送ブロックを符号化することと、
前記転送ブロックを前記無線デバイスへ送信することと、
をさらに含む、請求項の方法。
【請求項11】
前記第1の変調符号化方式の変調方式は、256QAM方式である、請求項9又は請求項10の方法。
【請求項12】
前記第2の変調符号化方式の変調方式は、64QAM方式である、請求項9〜11のいずれかの方法。
【請求項13】
前記無線デバイスに関連付けられる前記カテゴリタイプは、3GPP(third generation partnership project)カテゴリタイプ4、5、6、7及び8のうちの1つである、請求項9〜12のいずれかの方法。
【請求項14】
前記無線デバイスが256QAMをサポート可能であるという標識を受信すること、をさらに含む、請求項9〜13のいずれかの方法。
【請求項15】
256QAMを使用するための標識を前記無線デバイスへ通信すること、をさらに含む、請求項9〜14のいずれかの方法。
【請求項16】
プロセッサ(1320)を備える無線デバイス(110)であって、前記プロセッサは、
第1の変調符号化方式に従って変調された転送ブロック(150)の第1の送信を受信し、
前記無線デバイス(110)のカテゴリタイプに少なくとも基づいて、前記転送ブロック(150)の前記第1の送信におけるソフトチャネルビットの数SB1を判定する、
ように動作可能であり、
前記カテゴリタイプの無線デバイス(110)は、前記第1の変調符号化方式及び前記第1の変調符号化方式とは次数の異なる第2の変調符号化方式をサポート可能であり、前記第1の変調符号化方式及び前記第2の変調符号化方式の双方は、同じ数のソフトチャネルビット及びソフトバッファサイズに関連付けられ、
前記プロセッサは、ソフトバッファ内に前記転送ブロック(150)の前記第1の送信のSB1個のソフトチャネルビットを記憶し、前記第2の変調符号化方式を用いて復調を実行するための標識を受信する、ように動作可能である、
無線デバイス。
【請求項17】
前記プロセッサ(1320)は、
前記第2の変調符号化方式に従って変調された前記転送ブロック(150)の第2の送信を受信し、
前記無線デバイス(110)の前記カテゴリタイプに少なくとも基づいて、前記転送ブロック(150)の前記第2の送信におけるソフトチャネルビットの数SB2を判定し、
前記ソフトバッファ内に前記転送ブロック(150)の前記第2の送信のSB2個のソフトチャネルビットを記憶する、
ようにさらに動作可能であり、SB2はSB1に等しい、
請求項16の無線デバイス。
【請求項18】
前記プロセッサ(1320)は、前記第1の送信の復号の失敗後に、前記第2の送信を、前記転送ブロック(150)の記憶された前記SB1個のソフトチャネルビットと合成する、ようにさらに動作可能である、請求項17の無線デバイス。
【請求項19】
前記第1の変調符号化方式の変調方式は、256QAM方式である、請求項1618のいずれかの無線デバイス。
【請求項20】
前記第2の変調符号化方式の変調方式は、64QAM方式である、請求項1619のいずれかの無線デバイス。
【請求項21】
前記無線デバイス(110)に関連付けられる前記カテゴリタイプは、3GPP(third generation partnership project)カテゴリタイプ4、5、6、7及び8のうちの1つである、請求項1620のいずれかの無線デバイス。
【請求項22】
前記プロセッサは、前記無線デバイス(110)が256QAMをサポート可能であるという標識を送信する、ようにさらに動作可能である、請求項1621のいずれかの無線デバイス。
【請求項23】
前記プロセッサは、256QAMを使用するための標識を受信する、ようにさらに動作可能である、請求項1622のいずれかの無線デバイス。
【請求項24】
プロセッサ(1420)を備えるネットワークノード(120)であって、前記プロセッサは、
送ブロック(150)の第1の送信のための第1の変調符号化方式を決定し、
無線デバイス(110)のカテゴリタイプに少なくとも基づいて、前記転送ブロック(150)のためのソフトチャネルビットの数SB1を決定する、
ように動作可能であり、
前記カテゴリタイプの無線デバイス(110)は、前記第1の変調符号化方式及び前記第1の変調符号化方式とは次数の異なる第2の変調符号化方式をサポート可能であり、前記第1の変調符号化方式及び前記第2の変調符号化方式の双方は、同じ数のソフトチャネルビット及びソフトバッファサイズに関連付けられ、
前記プロセッサは、
前記第1の変調符号化方式及び決定したソフトチャネルビットの前記数SB1に従って、前記転送ブロック(150)を符号化し、
前記転送ブロック(150)を前記無線デバイス(110)へ送信し、
前記第2の変調符号化方式を用いて変調を実行するための標識を受信する、
ように動作可能である、ネットワークノード。
【請求項25】
前記プロセッサ(1420)は、
前記無線デバイス(110)の前記カテゴリタイプに少なくとも基づいて、前記転送ブロック(150)のためのソフトチャネルビットの数SB2を決定し、
前記第2の変調符号化方式及び決定したソフトチャネルビットの前記数SB2に従って、前記転送ブロック(150)を符号化し、
前記転送ブロック(150)を前記無線デバイス(110)へ送信する、
ようにさらに動作可能であり、SB2はSB1に等しい、
請求項24のネットワークノード。
【請求項26】
前記第1の変調符号化方式の変調方式は、256QAM方式である、請求項24又は請求項25のネットワークノード。
【請求項27】
前記第2の変調符号化方式の変調方式は、64QAM方式である、請求項2426のいずれかのネットワークノード。
【請求項28】
前記無線デバイス(110)に関連付けられる前記カテゴリタイプは、3GPP(third generation partnership project)カテゴリタイプ4、5、6、7及び8のうちの1つである、請求項2427のいずれかのネットワークノード。
【請求項29】
前記プロセッサ(1420)は、前記無線デバイス(110)が256QAMをサポート可能であるという標識を受信する、ようにさらに動作可能である、請求項2428のいずれかのネットワークノード。
【請求項30】
前記プロセッサ(1420)は、256QAMを使用するための標識を前記無線デバイス(110)へ通信する、ようにさらに動作可能である、請求項2429のいずれかのネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
具体的な実施形態は、概して、通信ネットワークにおける無線信号の変調に関し、より具体的には、256直交振幅変調(256QAM)の利点を維持しながら既存のユーザ機器カテゴリタイプについて256QAMをサポートすることに関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)は、ダウンリンクにおいて直交周波数分割多重(OFDM)を、アップリンクにおいてDFT拡散OFDMを使用する。図1は、例示的なOFDMシンボルを示している。基本的なLTEダウンリンク物理リソースは、図1に示したような時間−周波数グリッドを含み、各リソースエレメントは1つのOFDMシンボルインターバルの期間中の1つのOFDMサブキャリアに相当する。
【0003】
図2は、例示的な無線フレームを示している。時間ドメインにおいて、LTEのダウンリンク送信は、10msの無線フレームへと編成され、各無線フレームは10個の長さ1msで等サイズのサブフレームからなる。図2は、このLTEの時間ドメイン構造の概略図である。
【0004】
さらに、LTEにおけるリソース割り当ては、典型的には、リソースブロックの単位で記述され、1つのリソースブロックは、時間ドメインにおいて1スロット(0.5ms)に、周波数ドメインにおいて12個の連続するサブキャリアに相当する。時間方向(1.0ms)に隣接する2つのリソースブロックのペアは、リソースブロックペアとして知られている。リソースブロックは、周波数ドメインにおいては、システム帯域幅の一端から0で始まる形で付番される。
【0005】
LTEは、仮想リソースブロック(VRB)及び物理リソースブロック(PRB)を含む。リソースは、VRBペアの単位でUEへ割り当てられる。リソース割り当ては、局所化されてもよく、又は分散されてもよい。局所化型のリソース割り当てについて、VRBペアはPRBペアへと直接的にマッピングされ、よって2つの連続する局所化VRBが周波数ドメインにおいて連続するPRBとして設定される。分散型のリソース割り当てについて、分散されるVRBは周波数ドメインにおいて連続するPRBにはマッピングされず、それら分散されるVRBを用いて送信されるデータチャネルについて周波数ダイバーシティが提供される。
【0006】
ダウンリンク送信は動的にスケジューリングされる。各サブフレームについて、基地局は、該当するダウンリンクサブフレームにおいてどのリソースブロック上でどの端末がデータを受信することになるかに関する制御情報を送信する。この制御シグナリングは、典型的には、各サブフレーム内の最初から1、2、3又は4個のOFDMシンボルにおいて送信される。シンボルの数(即ち、1、2、3又は4)は、制御フォーマットインジケータ(CFI)として知られている。ダウンリンクサブフレームは、共通リファレンスシンボルをも含み、共通リファレンスシンボルは、受信機にとって既知であって、制御情報の復調などのコヒーレント復調のために使用される。
【0007】
図3は、例示的なダウンリンクサブフレームを示している。図示されたサブフレームは、制御情報のために3つのOFDMシンボル(CFI=3)を含む。いくつかのLTEリリースについては、上で説明したリソース割り当ては、拡張物理ダウンリンク制御チャネル(EPDCCH)上でスケジューリングされるかもしれない。
【0008】
LTEなどの無線システムは、無線リンクのその時点の条件に基づいて、リンク適応を用いて無線リンクのパラメータを適応させ得る。フェージングチャネル条件への高速なリンク適応は、システムスループットキャパシティと共に、ユーザ体験及びサービス品質を向上させ得る。高速リンク適応において、受信機から送信機へとチャネル条件がフィードバックされる。フィードバックは、例えば、信号対雑音比(SNR)、信号対干渉及び雑音比(SINR)、受信信号レベル(電力若しくは強度)、サポート可能なデータレート、変調符号化レートのサポート可能な組合せ、及び/又はサポート可能なスループットを含み得る。フィードバック情報は、W−CDMAのように周波数帯域の全体に適用されてもよく、又はLTEなどのOFDMシステムのようにその特定の部分に適用されてもよい。“チャネル品質インジケータ(CQI)”との用語は、そうした情報を含む何らかのそうしたフィードバック情報又はメッセージへの言及であり得る。
【0009】
LTEのダウンリンクにおいて、基地局が無線リソース割り当てを決定することを支援するために、移動局から基地局へとCQIメッセージがフィードバックされる。フィードバック情報を用いて、複数の受信機の間での送信のスケジューリングを決定し、適切な送信方式(アクティブ化すべき送信アンテナの数など)を選択し、適切な量の帯域幅を割り当て、及び対象の受信機にとってサポート可能な変調符号化レートを形成することができる。LTEのアップリンクでは、基地局は、移動局により送信される復調リファレンスシンボル又はサウンディングリファレンスシンボルからチャネル品質を推定することができる。
【0010】
表1は、LTEシステムについてのある範囲のCQIレポートメッセージを示している。このCQIテーブルは、広帯域無線通信チャネルにわたる変調符号化方式(MCS)適応をサポートする。低次の変調法から高次の変調法への遷移ポイントは、リンク性能評価に基づいて判定される。異なる変調法の間のそれら固有の遷移ポイントは、最適なシステム動作のためのガイドラインを提供し得る。
【0011】
【表1】
【0012】
移動局からのCQIレポートに基づいて、基地局は、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上でデータを送信するために最良のMCSを選択することができる。MCS情報は、ダウンリンク制御情報の5ビットの“変調符号化方式(modulation and coding scheme)”フィールド(IMCS)内で選択された移動局へと伝達される。MCS情報は、MCSインデックスにより伝達され得る。
【0013】
表2は、MCSインデックスと、具体的なMCS及び転送ブロックサイズ(TBS)インデックスとの間の関連付けを示している。割り当てられるリソースブロックの合計数と共に、TBSインデックスは、PDSCH送信において使用される転送ブロックサイズを左右する。表2における最後の3つのMCSエントリは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)の再送信のためのものである。再送の送信について、TBSは元の送信と同一に維持される。
【0014】
【表2】
【0015】
割り当てられる無線ブロックの様々な数について固有のTBSが、3GPP TS36.213において列挙されている。それらTBSは、CQIレポートに基づいてスペクトル効率を達成するように選択される。より具体的には、TBSは、PDSCHについて利用可能なOFDMシンボルの数が11である場合には、表3に示されているスペクトル効率を達成するように選択される。
【0016】
【表3】
【0017】
LTEは、HARQを増分式の冗長性(incremental redundancy)と共に使用する。符号語の同じ部分を再送する代わりに、異なる冗長性バージョンが再送され、Chase合成での追加利得が提供される。
【0018】
端末の複雑さ及びコストが要因でなければ、受信機は、全ての受信ソフト値を記憶するために十分に大きいソフトバッファを含むことができるはずである。しかしながら、複雑さ及びコストが懸案となる場合、端末内のソフトバッファのサイズには、概して限界がある。送信機が大きい符号語を送信する高レート送信について、UEは、限界のあるバッファ内に完全な符号語を記憶することができないかもしれない。従って、eNB及び端末の双方は、ソフトバッファのサイズを知る必要がある。さもなければ、eNBはUEが記憶し得ない符号化ビットを送信するかもしれず、あるいは、UEは他のビットが存在することを知らずに記憶済みのビットと混同しかねない。
【0019】
図4は、例示的な符号語を示している。図示された例は、簡略化された完全な符号語と、端末が記憶可能なソフト値の数とを表している。完全な符号語は、システマティックビット及びパリティビットを含む。ソフトバッファのサイズは、これらビットのサブセットを記憶するようなサイズにされ得る。eNB及び端末の双方がソフトバッファサイズを知っているならば、eNBは、端末が記憶可能でない符号語を送信しないであろう。eNBは、端末がいくつの符号語を記憶するかを知っており、よってeNBはそれらビットを送信又は再送のために使用することができる。
【0020】
図5は、転送ブロックの送信及び再送のための例示的な循環バッファを示している。完全円は、符号語全体ではなく端末のソフトバッファサイズに相当する。符号レートに依存して、初回の送信では、eNBは、いくつか/全てのシステマティックビットと、ゼロ個/いくつかのパリティビットとを送信する。再送においては、開始位置が変化し、eNBは、円周の他の部分に対応するビットを送信する。
【0021】
特定のLTEリリースにおいて、各端末は、コンポーネントキャリアごとに8つまでのHARQプロセスを含み、各HARQプロセスは、デュアル符号語でのMIMO送信をサポートするために2つまでのサブプロセスを含み得る。この特定のリリースは、利用可能なソフトバッファを、構成されるHARQプロセスの数で均等に分割する。分割後のソフトバッファの各々を用いて、受信される符号語のソフト値を記憶することができる。デュアル符号語MIMO送信のケースでは、分割後のソフトバッファは、受信される2つの符号語のソフト値を記憶するためにさらに等分され得る。
【0022】
図6は、8つの部分へと分割された例示的なソフトバッファを示している。図示された例は、シングル符号語送信モードについてのバッファ割り当てを表す。各バッファが1つの符号語に対応する。こうした割り当ては、モード3、4、8、9又は10ではないPDSCH送信モードについてのLTEソフトバッファ割り当てを表現し得る。
【0023】
図7は、16個の部分へと分割された例示的なソフトバッファを示している。図示された例は、デュアル符号語送信モードについてのバッファ割り当てを表す。各バッファは、図6の対応するバッファのサイズの半分である。こうした割り当ては、PDSCH送信モード3、4、8、9又は10についてのLTEソフトバッファ割り当てを表現し得る。
【0024】
3GPP文書が仕様化しているところでは、エンコーダにより想定されるソフトバッファサイズは、以下のように計算される:
【0025】
【数1】
【0026】
【数2】
【0027】
【数3】
【0028】
3GPP文書において定義されているように、送信モード3、4、8、9又は10に基づいてUEがPDSCH送信を受信するように構成される場合、KMIMOは2に等しく、そうでない場合、KMIMOは1に等しい。
DL_HARQは、3GPP文書において定義されている通りのダウンリンクHARQプロセスの最大数である。
limitは、8に等しい定数である。
【0029】
LTEは、ハイブリッドARQ(HARQ)を使用し、HARQにおいて、端末は、サブフレーム内のダウンリンクデータの受信後にデータの復号を試行し、復号が成功したか(ACK)又は成功しなかったか(NACK)を基地局へレポートバックする。復号の試行に失敗すると、基地局は、データを再送し得る。
【0030】
UEがPUSCH送信のためのアップリンク許可を有するサブフレームにおいて、UEは、PUSCHにHARQフィードバックメッセージを組み入れ得る。UEがサブフレーム内でPUSCH送信のためのアップリンクリソースを割り当てられていない場合、UEは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を使用して、HARQフィードバックメッセージを送信し得る。
【0031】
リリース11までのLTEシステムにおいて、ダウンリンク及びアップリンクの双方のための変調方式のセットは、直交位相変位変調(QPSK)、16直交振幅変調(16QAM)及び64直交振幅変調(64QAM)を含み、それぞれ変調シンボルごとに2、4及び6ビットに相当する。LTEにおいて、端末がサービングeNBに近接するスモールセル環境などの、高SINRを伴うシナリオについては、所与の送信帯域幅でのより高いデータレートの提供は、変調シンボルごとにより多くの情報ビットを搬送することを可能にする高次の変調法を用いることにより達成される。例えば、256QAMの導入では、変調シンボルごとに8ビットが送信される。これにより、図8に示したように、最大で33%ピークデータレートを改善することができる。
【0032】
図8は、特定のSNRレベルにおける特定の変調方式についての例示的なビット情報を示している。図示されたグラフ上の線は、QPSKの線80、16QAMの線82、64QAMの線84、及び256QAMの線86を含む。
【0033】
図示したように、256QAMは、ある複数のシナリオにおいてSINRが十分に高い場合に利得を提供する。実際上、256QAMの性能は送信機のEVM(Error vector magnitude)及びRx障害(Rx impairments)に敏感である。
【0034】
3GPPにおいて、256QAMのためのサポートは、CQI/MCS/TBSテーブルの設計及びUEカテゴリハンドリングに影響し得る。UEカテゴリは、アップリンク及びダウンリンクのケイパビリティの組合せを定義する。UEカテゴリにより設定されるパラメータは、3GPP TS36.306 V11.1.0の第4.1節〜第4.2節において定義されている。上記標準のセクション4.2では、様々なUEカテゴリについてのダウンリンクケイパビリティが記述されている。具体的なケイパビリティとして、“1TTI内で受信されるDL−SCH転送ブロックビットの最大数”及び“ソフトチャネルビットの合計数”が含まれる。
【0035】
“1TTI内で受信されるDL−SCH転送ブロックビットの最大数(Maximum number of DL-SCH transport block bits received within a TTI)”というフィールドは、TTI又はサブフレームごとにUEがいくつの情報ビットを受信可能であるかを定義する。大きい値は、UEの復号ケイパビリティがより高いことに相当する。この値は、使用される最高の変調次数と共に最大の転送ブロックサイズを用いることに対応する。
【0036】
“1TTI内で受信されるDL−SCH転送ブロックのビットの最大数(Maximum number of bits of a DL-SCH transport block received within a TTI)”というフィールドは、HARQ処理のために利用可能なソフトチャネルビットの合計数を定義する。この数は、システム情報の復号のための専用ブロードキャストHARQプロセスにより要するソフトチャネルビットを含まない。
【0037】
“ソフトチャネルビットの合計数(Total number of soft channel bits)”というフィールドは、上述したパラメータNsoft用の値を定義する。当該パラメータは、UEがいくつのソフトチャネルビットを記憶できるか(即ち、受信されるいくつの符号化ビットを記憶できるか)を制御する。より高い値は、UEのソフトバッファサイズがより大きいことに対応する。このパラメータは、eNBでの転送ブロックの符号化のためにも使用される。
【0038】
UEカテゴリ6〜8はLTEリリース10において導入されたのに対し、残りのUEカテゴリはリリース8において導入された。UEカテゴリ6〜8と後方互換的であるために、カテゴリ6又は7を示すUEはカテゴリ4を示し、カテゴリ8を示すUEはカテゴリ5をも示すものとされている。表4は、多様なUEカテゴリとそれらのパラメータとを示している。
【0039】
【表4】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0040】
本開示は、既存のソフトバッファサイズと共により多くの転送ブロックサイズを用いることにより、既存のUEカテゴリを基準として256QAMを取り入れるための、コスト効率的なやり方を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0041】
いくつかの実施形態によれば、無線デバイスにおいて転送ブロックを復号する方法は、転送ブロックの第1の送信を受信すること、を含む。当該転送ブロックは、第1の変調符号化方式に従って変調されている。上記方法は、上記無線デバイスのカテゴリタイプに少なくとも基づいて、上記転送ブロックの上記第1の送信におけるソフトチャネルビットの数SB1を判定すること、をさらに含む。上記カテゴリタイプの無線デバイスは、上記第1の変調符号化方式及び上記第1の変調方式とは次数の異なる第2の変調符号化方式をサポート可能であり、上記第1の変調方式及び上記第2の変調方式の双方は、同じ数のソフトチャネルビット及びソフトバッファサイズに関連付けられる。上記方法は、ソフトバッファ内に上記転送ブロックの上記第1の送信のSB1個のソフトチャネルビットを記憶すること、をさらに含む。
【0042】
具体的な実施形態において、上記方法は、上記転送ブロックの第2の送信を受信すること、を含む。上記第2の送信は、上記第2の変調符号化方式に従って変調されている。上記方法は、上記無線デバイスの上記カテゴリタイプに少なくとも基づいて、上記転送ブロックの上記第2の送信におけるソフトチャネルビットの数SB2を判定することと、SB2はSB1に等しいことと、上記ソフトバッファ内に上記転送ブロックの上記第2の送信のSB2個のソフトチャネルビットを記憶することと、をさらに含む。
【0043】
具体的な実施形態において、上記第1の送信ブロックの復号の失敗後に、上記方法は、上記第2の送信ブロックを、上記第1の転送ブロックの記憶された上記SB1個のソフトチャネルビットと合成すること、をさらに含む。
【0044】
具体的な実施形態において、上記第1の変調方式は、256直交振幅変調(256QAM)方式である。具体的な実施形態において、上記第2の変調方式は、64直交振幅変調方式(64QAM)である。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、無線ネットワークにおいて転送ブロックを送信する方法は、上記転送ブロックの第1の送信のための第1の変調符号化方式を決定することと、無線デバイスのカテゴリタイプに少なくとも基づいて、上記転送ブロックのためのソフトチャネルビットの数SB1を決定することと、を含む。上記カテゴリタイプの無線デバイスは、上記第1の変調符号化方式及び上記第1の変調方式とは次数の異なる第2の変調符号化方式をサポート可能であり、上記第1の変調方式及び上記第2の変調方式の双方は、同じ数のソフトチャネルビット及びソフトバッファサイズに関連付けられる。上記方法は、上記第1の変調符号化方式及び決定した上記ソフトチャネルビットの数SB1に従って、上記第1の転送ブロックを符号化することと、上記転送ブロックを上記無線ネットワークエレメントへ送信することと、をさらに含む。
【0046】
具体的な実施形態において、上記方法は、上記無線デバイスの上記カテゴリタイプに少なくとも基づいて、上記転送ブロックのためのソフトチャネルビットの数SB2を決定することと、SB2はSB1に等しいことと、上記第2の変調符号化方式及び決定したソフトチャネルビットの上記数SB2に従って、上記転送ブロックを符号化することと、上記転送ブロックを上記無線デバイスへ送信することと、をさらに含む。
【0047】
具体的な実施形態において、上記第1の変調符号化方式は、256QAM方式である。具体的な実施形態において、上記第2の変調符号化方式は、64QAM方式である。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスを実行する方法は、HARQプロセスを実行する無線デバイスにより、当該無線デバイスのカテゴリタイプ及び第1の変調符号化方式に従って符号化された第1の転送ブロックを受信することと、上記HARQプロセスにより、ソフトビットの数Nを用いて上記第1の転送ブロックを復号することと、上記無線ネットワークエレメントにより、上記カテゴリタイプ及び上記第1の変調符号化方式とは異なる第2の変調符号化方式に従って符号化された第2の転送ブロックを受信することと、上記HARQプロセスにより、ソフトビットの上記数Nを用いて、上記第2の転送ブロックを復号することと、を含む。
【0049】
具体的な実施形態において、上記HARQプロセスの動作状態は、上記第2の変調方式が上記第1の変調方式とは異なるとの判定の後、上記第2の送信ブロックの復号の前に、リセットされない。
【発明の効果】
【0050】
具体的な実施形態は、以下の技術的な利点のうちのいくつかを呈し得る。具体的な実施形態は、256QAMケイパビリティについてのサポートを伴う低コストでのUE実装と、LTEでの256QAMサポートについての迅速な実用化とを含み得る。具体的な実施形態において、システム性能全体が改善されるように、リンク性能がより効率的に使用され得る。以下の図面、説明及び特許請求の範囲から、他の技術的な利点が当業者にとって容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
本発明並びにその特徴及び利点のより完全な理解のために、次の添付図面と併せて以下の説明への言及がこれよりなされる。
【0052】
図1】例示的な直交周波数分割多重(OFDM)シンボルを示している。
図2】例示的な無線フレームを示している。
図3】例示的なダウンリンクサブフレームを示している。
図4】例示的な符号語を示している。
図5】転送ブロックの送信及び再送についての例示的な循環バッファを示している。
図6】8個の部分へと分割される例示的なソフトバッファを示している。
図7】16個の部分へと分割される例示的なソフトバッファを示している。
図8】多様な信号対雑音レベルでの多様な変調方式についての例示的なビット情報を示している。
図9】いくつかの実施形態に係る無線ネットワークの一例を示すブロック図である。
図10】いくつかの実施形態に係る転送ブロックを送信する例示的な方法のフローチャートである。
図11】いくつかの実施形態に係る転送ブロックを受信する例示的な方法のフローチャートである。
図12】ハイブリッド自動再送要求プロセスを実行する例示的な方法のフローチャートである。
図13】無線デバイスの例示的な実施形態を示すブロック図である。
図14】無線ネットワークノードの例示的な実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
256QAMは、LTEにおいて現在サポートされているよりも高いデータレートをサポートする。最大の2つの空間多重化レイヤをサポートするUEについて、1TTI内で受信されるDL−SCH転送ブロックのビットの最大数は、256QAMのサポートの導入と共に、75376から88892へと増加し得る。最大4つの空間多重化レイヤをサポートするUEについて、1TTI内で受信されるDL−SCH転送ブロックのビットの最大数は、149776から177456へと増加し得る。最大8つの空間多重化レイヤをサポートするUEについて、1TTI内で受信されるDL−SCH転送ブロックのビットの最大数は、299856から354936へと増加し得る。
【0054】
受信されるビット数のこれら増加をハンドリングするためのあり得る解決策は、増加したデータレート及び追加的な合計ソフトチャネルビットの双方を伴う新たなUEカテゴリを定義することである。表5は、256QAMをサポートするための新たなUEカテゴリタイプ(例えば、14〜18)の一例を示している。
【0055】
【表5】
【0056】
この解決策は、しかしながら、追加的な受信ビットを記憶するUEのメモリハードウェアの増加に依拠している。例えば、カテゴリ16のUEは、カテゴリ6のUE用の3654144ソフトチャネルビットの代わりに、4308480ソフトチャネルビットを記憶するために十分なメモリを必要とするはずである。そうした解決策は高価であり得る。
【0057】
しかしながら、特定のシナリオにおいてのみ256QAMが利用可能であるならば、増加するハードウェアコストは正当化されないかもしれない。例えば、256QAMは、UEが良好な無線条件下に位置する場合(例えば、UEが周波数帯域内に他の干渉無線信号の無い状態で近くのeNBによりサービスされている場合)に使用され得る。そうした条件は、頻繁には起こらず、限定的な恩恵のためには追加的なハードウェアコストは正当化されないであろう。
【0058】
本開示の目的は、少なくともこれら不利を軽減し、既存のUEカテゴリタイプと共に256QAMをサポートする改善された方法を提供することである。以下に説明する具体的な実施形態は、256QAMケイパビリティについてのサポートを伴う低コストでのUE実装と、LTEでの256QAMサポートについての迅速な実用化とを含み得る。
【0059】
具体的な実施形態が添付図面のうちの図1図14への参照と共に説明されており、類似の符号が多様な図面の類似の及び対応する部分について使用されている。例示的なセルラーシステムとして本開示を通じてLTEが使用されているが、ここで提示されるアイディアは、いかなる無線通信システムにもあてはまる。
【0060】
図9は、具体的な実施形態に係るネットワークの一例を示すブロック図である。ネットワーク100は、無線ネットワークノード120(基地局又なeNodeBなど)といったネットワークエレメントと、無線デバイス110(携帯電話、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、MTC、又は無線通信を提供可能な任意の他のデバイス)とを含む。概して、無線ネットワークノード120のカバレッジの内部の無線デバイス110は、無線信号130を送受信することにより、無線ネットワークノード120と通信する。例えば、無線デバイス110及び無線ネットワークノード120は、音声トラフィック、データトラフィック及び/又は制御信号を含む無線信号130を通信し得る。無線信号130は、ダウンリンク送信(無線ネットワークノード120から無線デバイス110)及びアップリンク送信(無線デバイス110から無線ネットワークノード120)の双方を含み得る。物理レイヤにおいては、無線信号130は、転送ブロック(transport block)150を含み得る。
【0061】
転送ブロック150は、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM又は他の任意の適した変調方式などの多様な変調方式に従って変調され得る。転送ブロック150の変調方式は、無線条件に従って時間にわたって変化し得る。例えば、無線ネットワークノード120は、良好な無線条件下においてより高次の変調方式(例えば、256QAM)で転送ブロック150を変調し、又は良好でない無線条件下においてより低次の変調方式(例えば、16QAM)で転送ブロック150を変調し得る。
【0062】
無線ネットワークノード120は、アンテナ140を用いて無線信号130を送受信する。具体的な実施形態において、無線ネットワークノード120は、複数のアンテナ140を備え得る。例えば、無線ネットワークノード120は、2、4又は8個のアンテナ140を伴うMIMO(multi-input multi-output)システムを備え得る。
【0063】
ネットワーク100において、各無線ネットワークノード120は、LTE(long term evolution)、LTE−Advanced、UMTS、HSPA、GSM、cdma2000、WiMax、WiFi及び/又は他の適した無線アクセス技術などの、いかなる適した無線アクセス技術を使用してもよい。ネットワーク100は、1つ以上の無線アクセス技術のいかなる適した組合せを含んでもよい。例示の目的で、多様な実施形態が、ある無線アクセス技術の文脈で説明され得る。しかしながら、本開示の範囲は、それら例には限定されず、他の実施形態として異なる無線アクセス技術が使用されてもよい。
【0064】
上述したように、ネットワークの実施形態は、1つ以上の無線デバイスと、無線デバイスと通信可能な様々なタイプの1つ以上の無線ネットワークノードとを含み得る。また、ネットワークは、無線デバイス間又は無線デバイスと他の通信デバイス(固定電話など)との間の通信をサポートするために適したいかなる追加的なエレメントを含んでもよい。無線デバイスは、ハードウェア及び/又はソフトウェアのいかなる適した組合せを含んでもよい。例えば、具体的な実施形態において、無線デバイス110などの無線デバイスは、以下に図13を基準として説明されるコンポーネントを含み得る。同様に、無線ネットワークノードは、ハードウェア及び/又はソフトウェアのいかなる適した組合せを含んでもよい。例えば、具体的な実施形態において、無線ネットワークノード120などの無線ネットワークノードは、以下に図14を基準として説明されるコンポーネントを含み得る。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、本開示は、既存のUEカテゴリ内で256QAMを包含するコスト効率的なやり方を説明する。いくつかの実施形態において、これら恩恵は、転送ブロックの最大サイズを増加させて256QAMのより高いデータレートをサポートさせ、但し256QAMについて使用されるソフトチャネルビットの数を増加させないことにより達成される。例えば、256QAM用のサポートは、いくつかのUEカテゴリのために、“1TTI内で受信されるDL−SCH転送ブロックビットの最大数”及び“1TTI内で受信されるDL−SCH転送ブロックのビットの最大数”について増加した値をサポートすることを含み得る。これら2つのフィールドにおいて増加した値は、より大きい転送ブロックサイズを無線ネットワークノードが用いて無線デバイスへより高いデータレートでの送信を行うことを促進する。しかしながら、無線デバイスが記憶するソフトチャネルビットの固有の数は、無線デバイスが256QAMをDLセルから受信するように構成されるかに関わらず、特定のカテゴリの無線デバイスについて同一であってよい。無線デバイスは、転送ブロックの復号が失敗すると、より少ない量の受信ソフトチャネルビットを記憶し得る。
【0066】
具体的な例として、無線ネットワークノードは、カテゴリ4の無線デバイスが256QAMを使用するように構成される場合、当該無線デバイスへ88896という転送ブロックサイズを用いてデータを送信し得る。この転送ブロックサイズの受信ソフトチャネルビットの最大数は、3×88896+12=266700である。この実施形態によれば、無線デバイスは、復号失敗後に1827072/8=228384個のソフトチャネルビットのみを記憶し得る。言い換えれば、無線デバイスは、256QAM向けに他の変調方式について定義されているもの比較してより大きい転送ブロックサイズサポートし、但し依然として他の変調方式で使用されるものと同じ“ソフトチャネルビットの合計数”を使用し得る。よって、既存のUEカテゴリの処理要件を変更することにより、既存のUEカテゴリの再利用が可能である。そうした恩恵は、(例えば、同じ時間量の間により大きい転送ブロックサイズを処理するための)より高速なプロセッサを有し、但し(例えば以前のデバイスと同じ量のソフトビットを記憶するための)同じ量のソフトバッファメモリを有する無線デバイスにより実現され得る。そうした実施形態は、プロセッサのスピードと比較して相対的にソフトバッファメモリが高価である場合に、コスト効率的であり得る。そうした振る舞いは、表4を修正することにより、例えば表6により示されている通りに表され得る。表6を基準として記述される具体的な実施形態によれば、無線デバイスは、無線デバイスがDLセルから256QAMを受信するように構成されるかに関わらず、その最大数のソフトチャネルビットを記憶し得る。
【0067】
【表6】
【0068】
送信機側で増加した転送ブロックサイズをサポートするために、エンコーダは、循環バッファのパラメータを計算する際に大きいソフトバッファを想定し得る。具体的な実施形態において、3GPP文書を基準として上で説明したソフトバッファサイズを決定するための方法は、次のように修正され得る:
【0069】
【数4】
【0070】
【数5】
【0071】
【数6】
【0072】
3GPP文書において定義されているように、送信モード3、4、8、9又は10に基づいて無線デバイスがPDSCH送信を受信するように構成される場合、KMIMOは2に等しくてよく、そうでない場合、KMIMOは1に等しくてよい。
DL_HARQは、3GPP文書において定義されている通りのDL HARQプロセスの最大数であってよい。
limitは、8に等しい定数であってよい。
【0073】
当業者は、上の説明及び表において与えられた値が例に過ぎないことを理解するはずであり、例示的な実施形態における無線デバイスがその無線デバイスが256QAMをサポートするかに依存して異なる処理要件を有することを認識するであろう。いくつかの実施形態において、256QAMは、全てのUEカテゴリで動作してもよく又は動作しなくてもよい。例えば、表6は、無線デバイスの特定のカテゴリにより256QAMがサポートされない例としての行を含む。
【0074】
いくつかの実施形態において、256QAMについてのサポートと、表6に示したような新たな処理ケイパビリティとを、無線デバイスケイパビリティビットでネットワークによってシグナリングしてもよい。いくつかの実施形態において、あるリリースレベル及びカテゴリの無線デバイスが、256QAMをサポートすることを要件とされてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、256QAMについてのサポートを示す無線デバイスは、より大きい受信される転送ブロックを処理することが可能であってもよい。しかしながら、256QAMの使用が、無線デバイスがどの送信モードを使用するように構成されるかによって又は何らかの他の固有の構成パラメータによって制御される場合、無線デバイスのために256QAMの使用が構成されるまで、より高度な処理ケイパビリティは使用されない。さらに、無線デバイスが256QAMを使用するように構成されるとしても、無線デバイスは256QAMでスケジューリングされないかもしれない。無線ネットワークノードは、無線条件に左右される適切なMCSの選択に基づいて、無線デバイスをどの変調次数でスケジューリングすべきかを選択し得る。具体的な実施形態において、256QAMについてのサポートのシグナリングは、無線デバイスが変調次数256QAMと共にスケジューリングされてよいことを意味する。
【0076】
具体的な実施形態において、無線ネットワークノードが256QAMで無線デバイスを構成する場合、無線ネットワークノードは、無線デバイス向けの転送ブロックを符号化する際に想定される“ソフトチャネルビットの合計数”(即ち、Nsoft)に影響を与えることなく、256QAMに対応するより大きい転送ブロックサイズで無線デバイスをスケジューリングし得る。
【0077】
具体的な実施形態において、無線デバイスが256QAMで変調された転送ブロックを復号する際、無線デバイスは、256QAMが構成されない場合と比較してパラメータ“ソフトチャネルビットの合計数”(即ち、Nsoft)に違いが無いことを想定してよい。無線デバイス内でのソフトチャネルビットの記憶は、無線デバイスが256QAMを使用するように構成されるかによっては影響されなくてよい。
【0078】
旧来の無線デバイスにおいて、256QAMの使用が256QAM未使用時とは異なる量の“ソフトチャネルビットの合計数”(即ち、Nsoft)を要したとすると、無線デバイスは、256QAMを使用し又は使用しないように構成される際に自身のHARQプロセスをリセットしたはずである。開示されている実施形態では、無線デバイスの処理要件のみが256QAMの構成と共に変化し、HARQプロセスはリセットされる必要が無い。なぜなら、“ソフトチャネルビットの合計数”(即ち、Nsoft)が256QAMの構成に依存することなく同一のままだからである。具体的な実施形態において、無線デバイスは、256QAMが構成されるかに基づいて自身のHARQプロセスをリセットすることがない。
【0079】
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノードが、何らかの他の変調方式の使用から256QAMを使用するように無線デバイスを構成する場合に、HARQプロセスが無線ネットワークノードにより依然としてスケジューリングされてもよく、それに対応して、無線ネットワークノードは、その構成よりも前にスケジューリングしたHARQプロセスを引き続きスケジューリングしてもよい。具体的な実施形態において、無線ネットワークノードは、DLリソースを割り当てるDCIメッセージにおいて進行中のHARQプロセスの少なくとも1つについてのNDI(New Data Indicator)フラグを切り替えないことにより、転送ブロックが再送されることを示してもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノードが、無線デバイスを256QAMの使用から他の変調方式を使用するように構成する場合に、大きい(例えば、現行のLTEによりサポートされるものよりも大きい)転送ブロックサイズに関連付けられていないHARQプロセスが無線デバイスにより依然としてスケジューリングされてもよく、それに対応して、無線ネットワークノードは、その構成よりも前にスケジューリングしたHARQプロセスを引き続きスケジューリングすることができる。具体的な実施形態において、無線ネットワークノードは、DLリソースを割り当てるDCIメッセージにおいて進行中のHARQプロセスの少なくとも1つについてのNDIフラグを切り替えないことにより、転送ブロックが再送されることを示してもよい。
【0081】
図10は、いくつかの実施形態に従って転送ブロックを送信する例示的な方法のフローチャートである。具体的な実施形態において、方法1000の1つ以上のステップは、図1図9を参照しながら説明したネットワーク100のコンポーネントにより実行され得る。
【0082】
当該方法は、ステップ1010において開始し、ネットワークノードは第1の送信についての第1の変調方式を決定する。例えば、無線ネットワークノード120は、無線デバイス110が良好な無線条件下で動作していること、及び無線デバイス110が256QAMをサポートすることを判定し得る。無線デバイス110は、カテゴリ8の無線デバイスであってもよい。無線ネットワークノード120は、第1の送信を256QAMで変調すると決定し得る。変調方式とカテゴリタイプとの具体的な組合せに基づき、一例としての表6を用いて、無線ネットワークノード120は、“1TTI内で受信されるDL−SCH転送ブロックビットの最大数”が3549360であり、“1TTI内で受信されるDL−SCH転送ブロックのビットの最大数”が354936であると決定してもよい。
【0083】
ステップ1012において、ネットワークノードは、第2の変調方式に基づいて、ソフトチャネルビットの数を決定し得る。例えば、無線ネットワークノード120は、無線デバイス110が256QAMをサポートするにも関わらず64QAMに関連付けられているソフトチャネルビット数のみを記憶できると判定してもよい。言い換えれば、無線デバイス110は、256QAM及び64QAMの双方をサポート可能であり、但し双方のために同じサイズのソフトバッファを使用し得る。一例としての表6に基づいて、無線ネットワークノード120は、“ソフトチャネルビットの合計数”を35982720であると決定し得る。
【0084】
ステップ1014において、上述したサイズ及びソフトチャネルビット数に基づいて、ネットワークノードは、第1の変調符号化方式に従って転送ブロックを符号化する。例えば、無線ネットワークノード120は、256QAMと、上述した一例としての表6により決定したサイズ及びソフトチャネルビット数とを用いて、転送ブロック150を符号化する。
【0085】
ステップ1016において、ネットワークノードは、転送ブロックを無線デバイスへ送信する。具体的な実施形態において、再送すべき具体的なビットの選択は、上で決定したソフトチャネルビット数に対応するサイズの循環バッファに基づいてよい。例えば、無線ネットワークノード120は、転送ブロック150を無線デバイス110へ送信し得る。
【0086】
方法1000に対して修正、追加又は省略がなされてもよい。追加的に、図10の方法1000における1つ以上のステップが並列的に又は任意の適した順序で実行されてもよい。いくつかの実施形態において、無線デバイスが無線ネットワークノードへ転送ブロックを送信するために同じステップ群を用いてもよい。
【0087】
図11は、いくつかの実施形態に従って転送ブロックを受信する例示的な方法のフローチャートである。具体的な実施形態において、方法1100の1つ以上のステップは、図1図9を参照しながら説明したネットワーク100のコンポーネントにより実行され得る。
【0088】
当該方法は、ステップ1110において開始し、無線デバイスは、第1の変調符号化方式に従って変調された転送ブロックを受信する。転送ブロック内のビットの合計数は、第1の変調符号化方式に基づいてよい。
【0089】
ステップ1111において、無線デバイスは、転送ブロック内のソフトチャネルビットの数を判定する。具体的な実施形態において、転送ブロック内のソフトチャネルビットの数は第2の変調符号化方式に基づいてよい。例えば、無線デバイス110は、カテゴリ8の無線デバイスであって、256QAMで変調された転送ブロック150を無線ネットワークノード120から受信してよい。転送ブロック150の長さは、カテゴリ8の無線デバイスと256QAMとに基づいてよい。ソフトチャネルビットの数は、64QAMに基づいてよい。
【0090】
ステップ1112において、無線デバイスは、ソフトバッファ内にソフトチャネルビットを記憶する。記憶されるソフトチャネルビットの数は、第2の変調方式と無線デバイスのカテゴリタイプとに基づく。例えば、カテゴリ8デバイスである無線デバイス110は、64QAMに基づく数のソフトチャネルビットを自身のソフトバッファ内に記憶してよい。
【0091】
ステップ1114において、無線デバイスは、前回の送信ブロックの復号の際にエラーが検出されたかを判定する。例えば、無線デバイス110は、転送ブロック150が新たな転送ブロック150であるか又は再送であるかを示すNDIが切り替えられているかをチェックしてよい。
【0092】
前回のエラーが検出されない場合、無線デバイスは、ステップ1116へ続行し、転送ブロックを復号する。前回のエラーが検出されると、無線デバイスは、ステップ118へ続行し、受信した転送ブロック内のビットをソフトバッファ内のビットと合成する。具体的な実施形態において、前回の転送ブロックは、異なる変調方式に従って符号化されていてもよい。例えば、その時点の転送ブロック150は、256QAMで符号化されてもよい。前回の転送ブロック150は、64QAMで符号化されていてもよい。その時点の転送ブロック150及び前回の転送ブロック150について記憶されるソフトチャネルビットの数が同一であれば、それら転送ブロック150は合成され得る。ステップ116において、無線デバイスは、ステップ1118からの合成された転送ブロックを復号する。
【0093】
方法1100に対して修正、追加又は省略がなされてもよい。追加的に、図11の方法1100における1つ以上のステップが並列的に又は任意の適した順序で実行されてもよい。いくつかの実施形態において、無線ネットワークノードが無線デバイスから転送ブロックを受信するために同じステップ群を用いてもよい。
【0094】
図12は、ハイブリッド自動再送要求プロセスを実行する例示的な方法のフローチャートである。具体的な実施形態において、方法1200の1つ以上のステップは、図1図9を参照しながら説明したネットワーク100のコンポーネントにより実行され得る。
【0095】
ステップ1210において、無線デバイスは、第1の変調方式で符号化された第1の転送ブロックを受信する。例えば、カテゴリ8の無線デバイスである無線デバイス110は、256QAMに従って符号化された第1の転送ブロック150を受信してよい。
【0096】
ステップ1212において、無線デバイスは、ソフトチャネルビットの数Nを用いて、第1の転送ブロックを復号する。例えば、無線デバイス110は、自身のソフトバッファ内にN個のソフトチャネルビットを記憶してよく、Nは、256QAMを用いるカテゴリ8の無線デバイスについて一例としての表6から判定される。
【0097】
ステップ1214において、無線デバイスは、第2の変調方式で符号化された第2の転送ブロックを受信してよい。例えば、無線デバイス110は、64QAMに従って符号化された第2の転送ブロック150を受信してよい。
【0098】
ステップ1216において、無線デバイスは、ソフトチャネルビットの数Nを用いて、第2の転送ブロックを復号する。例えば、無線デバイス110は、自身のソフトバッファ内にN個のソフトチャネルビットを記憶してよく、Nは、64QAMを用いるカテゴリ8の無線デバイスについて一例としての表6から判定され得る。
【0099】
具体的な実施形態において、HARQプロセスは、第1の転送ブロック150からのソフトチャネルビットを第2の転送ブロック150からのソフトチャネルビットと合成することにより、エラー訂正を実行してよい。具体的な実施形態において、HARQプロセスは、変調方式が変化する際にリセットしない。
【0100】
方法1200に対して修正、追加又は省略がなされてもよい。追加的に、図12の方法1200における1つ以上のステップが並列的に又は任意の適した順序で実行されてもよい。いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード120などの無線ネットワークノードがHARQプロセスを実行するために同じステップ群を用いてもよい。
【0101】
図13は、無線デバイスの例示的な実施形態を示すブロック図である。この無線デバイスは、図9に示した無線デバイス110の一例である。具体的な例は、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルコンピュータ(例えば、ラップトップ、タブレット)、センサ、モデム、MTC(machine type)デバイス/M2M(machine to machine)デバイス、LEE(laptop embedded equipment)、LME(laptop mounted equipment)、USBドングル、デバイスツーデバイス対応デバイス、又は無線通信を提供可能な任意の他のデバイスを含む。無線デバイスは、送受信機1310、プロセッサ1320及びメモリ1330を含む。いくつかの実施形態において、送受信機1310は、無線ネットワークノード120への無線信号の送信及び無線ネットワークノード120からの無線信号の受信を(例えば、アンテナを介して)遂行し、プロセッサ1320は、無線デバイスにより提供されるものとしてここで説明した機能性のいくつか又は全てを提供する命令を実行し、メモリ1330は、プロセッサ1320により実行される命令を記憶する。
【0102】
プロセッサ1320は、無線デバイスの説明した機能のいくつか又は全てを行うために命令を実行し及びデータを操作する1つ以上の集積回路及びモジュール内に実装される、ハードウェア及びソフトウェアの任意の適した組合せを含む。いくつかの実施形態において、プロセッサ1320は、例えば、1つ以上のコンピュータ、1つ以上のプログラマブルロジックデバイス、1つ以上のCPU(central processing units)、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のアプリケーション、及び/若しくは他のロジック、及び/又はそれらの任意の適した組合せを含んでよい。プロセッサ1320は、無線デバイス110の説明した機能のいくつか又は全てを実行するように構成されるアナログ及び/又はデジタル回路を含んでもよい。例えば、プロセッサ1320は、レジスタ、キャパシタ、インダクタ、トランジスタ、ダイオード、及び/又は任意の他の適した回路素子を含んでよい。
【0103】
メモリ1330は、概して、コンピュータにより実行可能なコード及びデータを記憶するように動作可能である。メモリ1330の例は、コンピュータメモリ(例えば、RAM(Random Access Memory)若しくはROM(Read Only Memory))、マスストレージメディア(例えば、ハードディスク)、リムーバブルストレージメディア(例えば、CD(Compact Disk)若しくはDVD(Digital Video Disk))、並びに/又は、情報を記憶する任意の他の揮発性若しくは不揮発性の、非一時的なコンピュータ読取可能な及び/若しくはコンピュータ実行可能なメモリデバイスを含む。
【0104】
具体的な実施形態において、プロセッサ1320は、送受信機1310と共に、ネットワークノード120から転送ブロックを受信する。プロセッサ1320は、受信した転送ブロックについて復調及びエラー訂正を実行し得る。無線デバイスの他の実施形態は、上述した機能性のいずれか及び/又は(上述した解決策をサポートするために必要な何らかの機能性を含む)何らかの追加的な機能性を含む、無線デバイスの機能性のある側面を提供する責任を有する(図13に示したもの以外の)追加的なコンポーネントを含んでもよい。
【0105】
具体的な実施形態において、無線デバイス110は、符号化/復号モジュール、HARQモジュール及び通信モジュールを含み得る。符号化/復号モジュールは、特定の変調符号化方式に従って転送ブロックを符号化し又は復号することに関する無線デバイス110の処理機能を実行し得る。例えば、符号化/復号モジュールは、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM又は任意の他の適したMCSを用いて、転送ブロックを符号化してもよい。また、符号化/復号モジュールは、そうした送信ブロックを復号してもよい。ある実施形態において、符号化/復号モジュールは、プロセッサ1320を含んでもよく、又はプロセッサ1320に含まれてもよい。符号化/復号モジュールは、符号化/復号モジュール及び/又はプロセッサ1320の機能のいずれかを実行するように構成されるアナログ及び/又はデジタル回路を含んでもよい。
【0106】
HARQモジュールは、転送ブロックを復号するためのエラー検出及び訂正に関する無線デバイスの処理機能を実行し得る。例えば、HARQモジュールは、転送ブロックの復号が成功したかを示すACK/NACKを送信してよい。他の例として、HARQモジュールは、エラー訂正のために同じ転送ブロックの複数の冗長性バージョンを合成してもよい。ある実施形態において、HARQモジュールは、プロセッサ1320を含んでもよく、又はプロセッサ1320に含まれてもよい。符号化/復号モジュールは、HARQモジュール及び/又はプロセッサ1320の機能のいずれかを実行するように構成されるアナログ及び/又はデジタル回路を含んでもよい。
【0107】
通信モジュールは、無線デバイス110の送信機能及び受信機能を実行し得る。例えば、通信モジュールは、無線ネットワークノード120から送信ブロックを受信し得る。他の例として、通信モジュールは、ネットワーク100の無線ネットワークノード120に対し、構成メッセージを受信し又は送信し得る。構成メッセージは、256QAMケイパビリティについてのサポートを示し得る。ある実施形態において、通信モジュールは、送受信機1310を含んでもよく、又は送受信機1310に含まれてもよい。通信モジュールは、送信機及び/又は送受信機を含み得る。ある実施形態において、通信モジュールは、プロセッサ1320を含んでもよく、又はプロセッサ1320に含まれてもよい。通信モジュールは、メッセージ及び/又は信号を無線で送信するように構成される回路を含み得る。具体的な実施形態において、通信モジュールは、符号化/復号モジュールとの間又はHARQモジュールとの間で送信用のメッセージ及び/又は信号を受け付けてもよい
【0108】
図14は、無線ネットワークノードの例示的な実施形態を示すブロック図である。無線ネットワークノード120は、eNodeB、ノードB、基地局、無線アクセスポイント(例えば、Wi−Fiアクセスポイント)、低電力ノード、基地送受信局(BTS)、送信ポイント若しくはノード、リモートRFユニット(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)、又は他の無線アクセスノードであり得る。無線ネットワークノード120は、少なくとも1つの送受信機1410、少なくとも1つのプロセッサ1420、少なくとも1つのメモリ1430、及び少なくとも1つのネットワークインタフェース1440を含む。送受信機1410は、無線デバイス110などの無線デバイスとの間の無線信号の送信及び無線信号の受信を(例えば、アンテナを介して)遂行し、プロセッサ1420は、無線ネットワークノード120により提供されるものとして上で説明した機能性のいくつか又は全てを提供する命令を実行し、メモリ1430は、プロセッサ1420により実行される命令を記憶し、ネットワークインタフェース1440は、ゲートウェイ、スイッチ、ルータ、インターネット、PSTN(Public Switched Telephone Network)、コントローラ、及び/又は他のネットワークノード120などのバックエンドネットワークコンポーネントへ信号を通信する。プロセッサ1420及びメモリ1430は、上の図13のプロセッサ1320及びメモリ1330を基準として説明したものと同じ種類であってよい。
【0109】
いくつかの実施形態において、ネットワークインタフェース1440は、プロセッサ1420に通信可能に連結され、無線ネットワークノード120向けの入力を受信し、無線ネットワークノード120からの出力を送信し、入力若しくは出力又は双方の適切な処理を実行し、他のデバイスと通信し、又はそれらの何らかの組合せを行うように動作可能な任意の適したデバイスをいう。ネットワークインタフェース1440は、適切なハードウェア(例えば、ポート、モデム、ネットワークインタフェースカードなど)と、ネットワークを通じた通信のためのプロトコル変換及びデータ処理のケイパビリティを含むソフトウェアとを含む。
【0110】
具体的な実施形態において、プロセッサ1420は、送受信機1410と共に、無線デバイス110へ転送ブロックを送信する。転送ブロックは、特定のMCSに従って変調され得る。具体的な実施形態において、プロセッサ1420は、送受信機1410と共に、上述したように無線デバイス110へ転送ブロックを送信する。
【0111】
無線ネットワークノード120の他の実施形態は、上述した機能性のいずれか及び/又は(上述した解決策をサポートするために必要な何らかの機能性を含む)何らかの追加的な機能性を含む、ネットワークノードの機能性のある側面を提供する責任を有する(図14に示したもの以外の)追加的なコンポーネントを含む。多様な異なるタイプの無線ネットワークノードが、同じ物理的な、但し異なる無線アクセス技術をサポートするように(例えばプログラミングを介して)構成されるハードウェアを有するコンポーネントを含んでもよく、又は部分的に若しくは全体として異なる物理的コンポーネントを表してもよい。
【0112】
具体的な実施形態において、無線ネットワークノード120は、符号化/復号モジュール、HARQモジュール及び通信モジュールを含み得る。符号化/復号モジュールは、特定の変調符号化方式に従って転送ブロックを符号化し又は復号することに関する無線ネットワークノード120の処理機能を実行し得る。例えば、符号化/復号モジュールは、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM又は任意の他の適したMCSを用いて、転送ブロックを符号化してもよい。また、符号化/復号モジュールは、そうした送信ブロックを復号してもよい。ある実施形態において、符号化/復号モジュールは、プロセッサ1420を含んでもよく、又はプロセッサ1420に含まれてもよい。符号化/復号モジュールは、符号化/復号モジュール及び/又はプロセッサ1420の機能のいずれかを実行するように構成されるアナログ及び/又はデジタル回路を含んでもよい。
【0113】
HARQモジュールは、転送ブロックを復号するためのエラー検出及び訂正に関する無線ネットワークノード120の処理機能を実行し得る。例えば、HARQモジュールは、転送ブロックの復号が成功したかを示すACK/NACKを受信してよい。他の例として、HARQモジュールは、エラー訂正のために同じ転送ブロックの複数の冗長性バージョンを送信してもよい。ある実施形態において、HARQモジュールは、プロセッサ1420を含んでもよく、又はプロセッサ1420に含まれてもよい。符号化/復号モジュールは、HARQモジュール及び/又はプロセッサ1420の機能のいずれかを実行するように構成されるアナログ及び/又はデジタル回路を含んでもよい。
【0114】
通信モジュールは、無線ネットワークノード120の送信機能及び受信機能を実行し得る。例えば、通信モジュールは、無線デバイス110から送信ブロックを受信し得る。他の例として、通信モジュールは、ネットワーク100の無線デバイス110に対し、構成メッセージを受信し又は送信し得る。構成メッセージは、256QAMケイパビリティについてのサポートを示し得る。ある実施形態において、通信モジュールは、送受信機1410を含んでもよく、又は送受信機1410に含まれてもよい。通信モジュールは、送信機及び/又は送受信機を含み得る。ある実施形態において、通信モジュールは、プロセッサ1420を含んでもよく、又はプロセッサ1420に含まれてもよい。通信モジュールは、メッセージ及び/又は信号を無線で送信するように構成される回路を含み得る。具体的な実施形態において、通信モジュールは、符号化/復号モジュールとの間又はHARQモジュールとの間で送信用のメッセージ及び/又は信号を受け付けてもよい
【0115】
本開示のいくつかの実施形態は、1つ以上の技術的な利点を提供し得る。一例として、いくつかの実施形態において、ここで開示した方法及び装置は、256QAMケイパビリティについてのサポートを伴う低コストでのUE実装の開発と、LTEでの256QAMサポートについての迅速な実用化とを容易にする。具体的な実施形態において、システム性能全体が改善されるように、リンク性能がより効率的に使用され得る。
【0116】
ある実施形態は、これら利点のうちのいくつか若しくは全てから恩恵を受け、又は恩恵を受けない。他の技術的な利点は、当業者によって容易に判明するであろう。
【0117】
本発明の範囲から逸脱することなく、ここで開示したシステム及び装置に対し、修正、追加又は省略がなされてよい。システム及び装置のコンポーネントは、一体化されてもよく又は分離されてもよい。そのうえ、システム及び装置の動作は、より多くの、より少ない又は別のコンポーネントにより実行されてもよい。追加的に、システム及び装置の動作は、ソフトウェア、ハードウェア及び/又は他のロジックを含むいかなる適したロジックを用いて実行されてもよい。本文書において使用されているところでは、“各々”は、集合の各メンバ又は集合のサブセットの各メンバをいう。
【0118】
本発明の範囲から逸脱することなく、ここで開示した方法に対し、修正、追加又は省略がなされてよい。方法は、より多くの、より少ない又は別のステップを含んでもよい。追加的に、ステップは、いかなる適した順序で実行されてもよい。
【0119】
本開示はある実施形態の観点で説明されてきたが、当業者にとっては、実施形態の変形例及び置換例が明白であろう。従って、実施形態の上の説明は、本開示を制約しない。本開示の思想及びスコープから逸脱することなく、以下の特許請求の範囲により定義されるように、他の変更、代入及び変形が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14