(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6356861
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】缶エンド、缶エンド用の複動式タブ、工具アセンブリ、及び関連方法
(51)【国際特許分類】
B65D 17/34 20060101AFI20180702BHJP
B21D 51/44 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
B65D17/34
B21D51/44 E
B21D51/44 F
B21D51/44 J
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-82020(P2017-82020)
(22)【出願日】2017年4月18日
(62)【分割の表示】特願2014-525034(P2014-525034)の分割
【原出願日】2012年7月20日
(65)【公開番号】特開2017-159962(P2017-159962A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2017年4月21日
(31)【優先権主張番号】61/510,262
(32)【優先日】2011年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マクラング,ジェームズ エイ.
(72)【発明者】
【氏名】カーステンズ,アーロン イー.
(72)【発明者】
【氏名】スタメン,デニス シー.
【審査官】
西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−274834(JP,A)
【文献】
米国特許第05819973(US,A)
【文献】
実開昭60−076630(JP,U)
【文献】
特公昭53−026191(JP,B2)
【文献】
実開平07−015537(JP,U)
【文献】
米国特許第03307737(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D17/00−17/52
B21D51/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベント式缶エンド(100)をもたらす方法において、
タブ(2)を形成する工程であって、タブ(2)は、
第1の端部(6)と、第1の端部(6)の反対側にて、第1の端部(6)に対して遠位に配置された第2の端部(8)と、上面とを備える本体(4)と、
第1の端部(6)に、又は第1の端部(6)の付近に位置するノーズ部(10)と、
第2の端部(8)に、又は第2の端部(8)の付近に位置するリフト部(12)と、
ノーズ部(10)の近くに配置されており、リベット孔(16)を備えているリベット受け部(14)と、
第2の端部(8)の近くからリベット受け部(14)に向かって延びており、リベット孔(26)を備えている凹パネル(24)と、
凹パネル(24)とリベット受け部(14)を隔てる中間部であって、上部と、第1の下方延出部と、第2の下方延出部とを備えている中間部と、
を備える工程と、
缶エンド(100)のエンドパネル(102)に第1のリベット(20)を形成する工程であって、
エンドパネル(102)は、表面と、製品面と、缶エンド(100)に開口をもたらすべくエンドパネル(102)にティアパネル(106)を定める、表面のスコアライン(104)とを備えており、第1のリベット(20)は、表面から外側に延びてタブ(2)のリベット受け部(14)を缶エンド(100)に固定する工程と、
エンドパネル(102)に、表面から外側に延びてタブ(2)の別の一部分と協働する第2のリベット(22)を形成する工程と、
を含んでおり、
第2のリベット(22)は、リベット孔(26)を通って延びて凹パネル(24)に固定されるように構成されており、
エンドパネル(102)は、第2のリベット(22)に隣接した追加のスコアライン(110)をさらに備えており、
タブ(2)のリフト部(12)の引き上げに応じて、タブ(2)が第2のリベット(22)を中心にして枢動することで、追加のスコアライン(110)の少なくとも一部分が裂けて、缶エンド(100)が通気し、
上部は、タブの本体(4)の上面とほぼ同一平面上にあり、
第1の下方延出部は、上部から凹パネル(24)へと延びており、
第2の下方延出部は、上部からリベット受け部(14)に向かって延びている、方法。
【請求項2】
タブ(2)のリフト部(12)が引き上げられると、リフト部(12)は、第2のリベット(22)をエンドパネル(102)から分離させることによって缶エンド(100)に通気孔を生じるように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
タブ(2)の本体(4)は、タブ(2)の中央を通って第1の端部(6)と第2の端部(8)との間を延びる長手軸(300)と、複数のスロット(30、32)とをさらに備えており、
複数のスロット(30、32)は、ノーズ部(10)とリフト部(12)との間においてタブ(2)の両側に配置され、長手軸(300)に対してほぼ横方向に延びる支点(400)を形成するように協働し、
支点(400)は、ノーズ部(10)に対するリフト部(12)の上方又は下方への枢動を可能にする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数のスロット(30、32)の各々は、第2のリベット(22)と第2の端部(8)との間に配置されており、支点(400)は、第2のリベット(22)から離れている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
タブ(2)の両側は、第1の側と、第1の側の反対側にある第2の側とを含んでおり、
複数のスロット(30、32)は、第1の側に配置された第1のスロットと、第2の側に配置された第2のスロットとを含んでおり、
凹パネル(24)は、第1のスロットの近くから第2のスロットの近くへと延びている、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
タブ(2)は単一の金属片からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
本体(4)には指孔がない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
タブ(2)のリフト部(12)を持ち上げても、ティアパネル(106)は、エンドパネル(102)に付けられたままであるように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ティアパネル(106)は、エンドパネル(102)の第1の側にほぼ配置されている、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願:本出願は、2011年8月11日に出願された仮出願第61/510,262号、名称「CAN END, DOUBLE ACTION TAB THEREFOR, TOOLING ASSEMBLY, AND ASSOCIATED METHOD」の利益を主張し、当該仮出願は、引用を以て本明細書の一部となる。
【0002】
本発明は、概して容器に関しており、より詳しくは、ビール缶や飲料缶などの容器の缶エンドに関する。さらに、本発明は、缶エンド用の複動式タブ(double action tab)に関する。また、本発明は、缶エンド及び缶エンド用のタブのための工具アセンブリと関連する方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば液体、飲料、又は食品などの製品を保持するための金属製の容器(例えば、缶)は、通常、イージーオープン缶エンドを備えており、当該缶エンドには、プルタブなどの開放機構が開封帯又は破れパネル(severable panel)に(例えば、これに限られるわけではないが、リベットで)取り付けられている。通常、開封帯は、缶エンドの外側面(例えば、表面)のスコアラインによって定められている。プルタブは、持ち上げられ、引っ張られ、及び/又は回転させられて、スコアラインを切断して開封帯を曲げるように構成されており、これにより、缶の中身を取り出すための開口が生じる。
【0004】
缶エンドは、製作時に、金属薄板製品(例えば、これらに限られるわけではないが、アルミニウム板、鋼板)から形成された缶エンドシェルとして出発する。次いで、シェルは、連続的な幾つかの工具ステーションを有する変換プレスへと運ばれる。ある工具ステーションから次の工具ステーションへとシェルが進むにつれて、例えば、これに限られるわけではないが、リベット形成、パネル形成、スコアライン形成、型押し、タブの固定、及びタブの接続などの変換工程が、所望の缶エンドへとシェルが完全に変換されて、プレスから排出されるまでに行われる。通常、変換プレスの各工具ステーションは、プレスラムの作動時に下側工具部材に向かって進められるように構成された上側工具部材を備えている。シェルは、上側工具部材及び下側工具部材の間に受け入れられる。従って、上側工具部材がシェルに係合すると、上側及び/又は下側工具部材はシェルの表面及び/又は製品面(例えば、缶ボディに向いた内面)にそれぞれ作用し、上述の幾つかの変換工程を実行する。所与の工程が完了すると、プレスラムは上側工具部材を引っ込めて、部分的に変換されたシェルは隣の工具ステーションへと移動させられ、或いは同じステーション内で工具が変更されて、次の変換工程が実行される。
【0005】
製缶産業においては、缶の中身が出される速度及び態様を改善することが、現在も望まれている。具体的には、缶エンドのデザインが、缶の注ぎの特性に大きく影響し得る。例えば、空気の流れと、それに関係した缶の内部と外部の間の圧力差とに起因して、流れが断続的又は不連続になることが度々起こる。結果として、ゴボゴボ音(glugging)及び/又は跳ね散り、注ぎ又は流れの速度が所望よりも遅くなること、及び/又は、出される液体の炭酸又は発泡が過度になることが起こり得る。これらの問題に対処するこれまでの提案は、種々の欠点を抱えている。それらの欠点は、とりわけ、複雑な設計、及び/又は多数の構成部品からなるプルタブ若しくは開封機構であって、製造が高コスト及び/又は非現実的であり、或いは所望の結果を達成することができない。また、多くの公知の設計は、缶エンドの大幅な変更又は完全な再設計により、例えば開封帯及びそれに関連する開口の形状を変更し、及び/又は幾つかの追加の開封帯を加えることを必要としている。
【0006】
従って、ビール及び飲料缶などの容器、缶エンド及び缶エンド用のタブ、並びに、関連する工具アセンブリ及び方法に、改善の余地が存在する。
【発明の概要】
【0007】
これらのニーズ及び他のニーズは、缶エンドと、容器用の複動式タブと、関連の工具及び方法とに関する本発明の実施の形態によって満たされる。他の利点のなかでもとりわけ、複動式タブは、容器の中身が出る速度及び態様を改善する。
【0008】
本発明の一形態では、缶エンド用のタブが提供される。缶エンドは、エンドパネルと、缶エンドに開口をもたらすためにエンドパネルにティアパネル(tear panel)を規定するスコアラインとを備えている。タブは、第1の端部と、第1の端部の反対側にて、第1の端部に対して遠位に配置された第2の端部とを備える本体と、タブの第1の端部又はその付近に位置するノーズ部と、タブの第2の端部又はその付近に位置するリフト部と、ノーズ部の近くに配置され、リベット孔を備えているリベット受け部と、エンドパネルから外へと延びて、タブのリベット受け部を缶エンドへと固定するように構成された第1のリベットと、エンドパネルから外へと延びて、引き上げ部の近くにある本体の一部と協働するように構成された第2のリベットとを備える。
【0009】
上述のタブを使用する缶エンド及び缶、並びに、関連する工具及び方法も、開示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の充分な理解を、好ましい実施の形態についての以下の説明を、添付の図面と併せて検討することによって得ることができる。
【
図1】本発明の実施の形態による缶エンド及び缶エンド用複動式タブの斜視図である。
【
図2】
図1の缶エンド及び缶エンド用複動式タブの上面図である。
【
図4】
図4A、
図4B、及び
図4Cは、
図3の缶エンド及び缶エンド用複動式タブの側面図であり、本発明の実施の形態による缶エンドを開封及び通気するタブの操作を順に示している。
【
図5】
図5A〜
図5Eは、本発明の実施の形態による一連の形成工程を実行する工具の一部分を示す側面断面図である。
【
図6A】本発明の実施の形態に基づいてベント式缶エンドを形成する手順を示す上面図である。
【
図6B】本発明の実施の形態に基づいてベント式缶エンドを形成する手順を示す上面図である。
【
図6C】本発明の実施の形態に基づいてベント式缶エンドを形成する手順を示す上面図である。
【
図6D】本発明の実施の形態に基づいてベント式缶エンドを形成する手順を示す上面図である。
【
図6E】本発明の実施の形態に基づいてベント式缶エンドを形成する手順を示す上面図である。
【
図6F】本発明の実施の形態に基づいてベント式缶エンドを形成する手順を示す上面図である。
【
図6G】本発明の実施の形態に基づいてベント式缶エンドを形成する手順を示す上面図である。
【
図6H】本発明の実施の形態に基づいてベント式缶エンドを形成する手順を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示の目的で、本発明の実施の形態を、飲料/ビール缶の缶エンドに適用されるものとして説明するが、それらは、例えばこれらに限られるわけではないが、ビール及び飲料以外の液体のための缶や食品缶などの他の容器に適用可能であることが、明らかになるであろう。
【0012】
添付の図面に示され、以下の詳述において説明される具体的な要素は、あくまでも例示の目的で、本発明を限定するものではない例として提示される本発明の典型的な実施の形態にすぎない。従って、本明細書に開示される実施の形態について、具体的な寸法、向き、及び他の物理的特徴を、本発明の技術的範囲を限定するものと考えるべきではない。
【0013】
例えば「時計方向」、「反時計方向」、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」、「上方」、「下方」、及びこれらの派生語など、本明細書において使用される方向に関する表現は、図面に示されている各要素の向きに関連しており、特許請求の範囲に明確に記載されない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0014】
本明細書において使用されているように、用語「缶」及び「容器」は、物質(例えば、これらに限られるわけではないが、液体、食品、任意の他の適切な物質)を収容するように構成された任意の公知の容器又は適切な容器を称して、実質的に入れ換え可能に使用される。明示するならば、これらに限られるわけではないが、食品缶やビール缶及びソーダ缶などの飲料缶を含む。
【0015】
本明細書において使用されているように、用語「缶エンド」は、缶に結合されて缶を封じるように構成された蓋又は閉じ具(closure)を指す。
【0016】
本明細書において使用されているように、用語「缶エンドシェル」は、用語「缶エンド」と実質的に入れ換え可能に使用される。「缶エンドシェル」又は単に「シェル」は、所望の缶エンドをもたらすために、本明細書に開示の工具が作用して変形させられる部材である。
【0017】
本明細書において使用されているように、2つ以上の部品が一体に「結合」されるという表現は、それらの部品が直接的に、又は、1つ以上の中間の部品を介して繋がれることを意味する。
【0018】
本明細書において使用されているように、用語「幾つか」は、1又は1よりも大きい整数(即ち、複数)を意味する。
【0019】
図1は、本発明の非限定的な実施の形態である缶エンド100のタブ2を示している。特徴のうちでもとりわけ、缶エンド100は、エンドパネル102と、ティアパネル106を定めるスコアライン104とを備えている。従って、タブ2が操作される(例えば、これに限られるわけではないが、引き上げられて枢動又は回転させられる)と、ティアパネル106の周囲のスコアライン102が破れて、ティアパネル106が下方へと押し込まれることで、缶エンド100が取り付けられた容器又は缶200(
図3にて、一部分が仮想線による図にて簡略化された形態で示されている)の中身を取り出すための開口が缶エンド100にもたらされる。
【0020】
図1を参照し、
図2、
図3、及び
図4A〜4Cも参照すると、タブ2は、図示及び本明細書において説明される例においては、対向する第1端部6及び第2の端部8を有する本体4を備えている。図示のとおり、ノーズ部10は、タブ2の第1の端部6又はその付近に位置し、リフト部12は、タブ2の第2の端部8又はその付近に位置している。リベット受け部14は、ノーズ部10の近くに配置され、リベット孔16(
図3)を備えている。
図3の断面図に最もよく示されているように、第1のリベット20は、エンドパネル102から外へと延びて、タブ2のリベット受け部14を缶エンド100に固定している。第2のリベット22は、エンドパネル102から外へと延びて、タブ本体4におけるタブ2のリフト部12の付近の部分と協働するように構成されている。
【0021】
より具体的には、タブ2の本体4は、好ましくは、凹パネル24をさらに備えている。凹パネル24は、リベット孔26(
図3及び
図4A〜4C)を備えている。第2のリベット22は、
図3に最もよく示されているように、リベット孔26を貫いて延びており、タブ本体4の凹パネル24に(例えば、これに限られるわけではないが、杭のように)固定されている。従って、リフト部12が引き上げられる(例えば、
図3の矢印28の方向へと反時計方向に枢動させられる)と、タブ2のリフト部12、とくには凹パネル24は、第2のリベット22をエンドパネル102から分離させて、缶エンド100に通気孔(
図4B及び
図4C)が生じるように構成されている。タブ2をさらに回転させることで、一般的に良く知られた様相で、スコアライン104が裂けて、ティアパネル106が開き、缶エンド100に取出し開口(
図4B及び
図4C)が生じる。タブ2の動作が、
図4A、
図4B、図及び4Cに示される缶エンド100の開口及び通気のための一連の段階を参照して、さらに理解されるであろう。
【0022】
従って、エンドパネル102から第2のリベット22を取り去る(例えば、これに限られるわけではないが、分離させる)ことによって生じる通気孔(
図4B及び
図4C)が、容器(例えば、これに限られるわけではないが、
図3に一部分が仮想線による図にて簡略化された形態で示されている缶200)の内部と容器200(
図3)の外部との間の気圧の調節(例えば、これに限られるわけではないが、均一化)に必要な通気をもたらすことを、理解できるであろう。結果として、先行技術の設計の欠点(例えば、これらに限られるわけではないが、ゴボゴボ音、注ぎ速度の低下、間欠的な注ぎ、跳ね散り、過度の炭酸及び発泡)が、実質的に対処及び克服され、缶エンド100の注ぎの特性が改善される。
【0023】
さらに、
図3及び
図4A〜4Cに示されるように、缶エンド100のエンドパネル102は、第2のリベット22の根元を環状に巡って延びる追加のスコアライン110をさらに備えてよいことを、理解できるであろう。そのようなスコアライン110は、
図4A、
図4B、及び
図4Cの一連のステップに示されるように、タブのリフト部12の操作時のエンドパネル102からの第2のリベット22の分離及び離脱と、それに伴う通気孔(例えば、
図4B及び
図4Cを参照)の生成をさらに容易にする。
図4Aは、以下でさらに詳しく説明される随意による追加の開口形成のステップを示している。
【0024】
従って、この開示のタブ2を、「複動式タブ」と称することができる。即ち、第1の動作、即ち
図4A及び4Bに示されているように、リフト部12の引き上げ及びタブ本体4の枢動(例えば、
図4Aの視点における矢印28’の方向の反時計方向の回転)では、タブ2が、既に上述したように、
図4Bに示されているように第2のリベット22を取り去る。第2の動作、即ち
図4Cの最終位置へのタブ本体4のさらなる枢動(例えば、
図4Bの視点における矢印28’’の方向の反時計方向の回転)においては、
図4B及び
図4Cに順に示されているように、タブ2のノーズ部10がスコアライン104を裂いて、ティアパネル106を開く。
【0025】
利点のなかでもとりわけ、公知の設計によれば複数の比較的複雑な部品又は材料片が必要であるのに対し、タブ2は、好ましいことに、単一の材料片からなっている。また、通気孔の生成及び缶エンドの開放のために、複数の異なる部品について幾つかの異なるステップ及び/又は移動をユーザが実行しなければならないのと反対に、タブ2は、本質的にタブ2のただ1つの連続的な動き(例えば、
図4A〜4Cを参照)しか必要としない独特かつ比較的単純なやり方で機能する。具体的には、ユーザは、上述の第2のリベット22分離又は脱離(
図4B)と、ティアパネル106の開放(
図4C)とを達成するために、伝統的な周知の態様でタブ2のリフト部12を引き上げて枢動させる(例えば、これに限られるわけではないが、
図3、4
図A、及び
図4Bの観点におけるそれぞれの矢印28、28’、及び28’’の方向へと反時計方向に回転させる)だけでよい。
【0026】
タブ2は、例えば複数のスロット30、32など(ただし、これに限られるわけではない)の幾つかの追加の特徴を、必須ではないが含んでもよいことを、理解できるであろう。より具体的には、長手軸300は、
図2に最もよく示されているように、タブ2の中央を通ってタブ2の第1の端部6及び第2の端部8の間を延びている。図示及び本明細書において説明される典型的な実施の形態(但し、これに限られるわけではない)においては、スロット30、32は、タブ本体4の両側においてタブ2のノーズ部10とリフト部12との間に配置されている。従って、スロット30、32は協働し、
図2に示されるように長手軸300に対して概ね横方向に延びる支点400を形成する。支点400は、リフト部12がタブ2のノーズ部10に対して上方(例えば、
図4Aを参照)及び下方(図示せず)に枢動することを可能にする。これは、例えば、スロット30、32(
図3〜
図4Cの断面図では、一方のスロット32だけが図示されている)からもたらされるタブ2の高い柔軟性ゆえに、ユーザが最初に
図4Aに示されるようにタブ2のリフト部12を引き上げることを、より容易にすることができる。
【0027】
タブ2をもたらすための工具アセンブリは、通常は、幾つかの工具ステーションを備えており、各々の工具ステーションは、第1の工具部材と、第1の工具部材に対向して配置された第2の工具部材とを備えている。第1及び第2の工具部材は、上述の特徴を有するタブ2を形成するために協働するように構成されている。また、変換プレス内において幾つかの工具ステーションと、それら用の工具部材とが使用されて、完成した缶エンド100へとシェルを変換することが理解できるであろう。缶エンド100には、上記開示のタブ2が取り付けられており、対応する容器(例えば、これに限られるわけではないが、缶ボディ(例えば、
図3に一部分が仮想線による図にて簡略化された形態で示されている缶200を参照))に、缶エンド100を直ちに取り付ける(例えば、これに限られるわけではないが、継ぎ合わせる)ことができる。非限定的な一例として、
図5A〜
図5Eは、工具部材(例えば、これらに限られるわけではないが、
図5Aの上側工具アセンブリ306の第1の工具部材302、304及び下側工具アセンブリ312の第2の工具部材208、310を参照)が缶エンド100のリベット20、22を形成すべくシェルへと作用する工具300と、それぞれの成形作業とを示している。
【0028】
ベント式缶エンド100及び缶エンド100用の複動式タブ2をもたらすための本発明による方法は、上述の工具アセンブリを使用して缶エンド100のエンドパネル102に第1のリベット20と第2のリベット22とを形成するステップを含む。本発明の1つの典型的な実施の形態(ただし、これに限られるわけではない)による一連の形成ステップが、
図6A〜
図6Hに示されている。
【0029】
作動時に、タブ2のリフト部12が操作される(例えば、
図3の視点における矢印28の方向に反時計方向へと回転させられる)と、タブ2は、缶エンド100のエンドパネル102から第2のリベット22を分離させて缶エンド100に通気孔を生じさせることで、上述したように缶エンド100の注ぎの特性を向上させる。
【0030】
本発明の具体的な実施の形態を詳しく説明したが、それらの詳細について、本明細書の全体的な教示に照らして種々の変更及び代案を生み出すことができることを、当業者であれば理解できるであろう。従って、開示された特定の構成は、あくまでも例示のためのものにすぎず、添付の特許請求の範囲及びそのあらゆる全ての均等物の広がりの全体が与えられる本明細書の技術的範囲を限定するものではない。